JP2021107123A - インクジェット記録装置及び定着制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】容易かつ確実にインクを媒体に対して定着させることができるインクジェット記録装置及び定着制御方法を提供する。【解決手段】インクジェット記録装置は、所定の活性エネルギー線により媒体に定着するインクを媒体に対して吐出する記録動作部と、記録動作部により吐出されて媒体上に着弾したインクに対して、活性エネルギー線を照射する照射部と、媒体上のインクの状況に応じた照射量の活性エネルギー線を照射部により照射させる制御部と、を備える。【選択図】図4

Description

この発明は、インクジェット記録装置及び定着制御方法に関する。
インクを媒体に吐出して画像、薄膜又は構造などを形成、記録するインクジェット記録装置において、紫外線(UV)などのエネルギー線により硬化するインクを媒体に着弾させたのち、当該インクを媒体上で硬化、定着させるものがある。インクが着弾してから定着されるまでの間に、インクは表面に広がる。一定時間の間におけるこの広がりの度合は、インクの粘性に依存する。
インクの粘性は温度に対する依存性が高い。また、微小なインク液滴は、媒体の温度に応じて速やかに温度変化し、これにより、インクの当該媒体上での広がり方が変化する。従来、このような広がりの違いが想定と異なることで、画質の低下につながっていた。特許文献1には、媒体の温度をコントロールすることで媒体上の画像の欠陥を抑制する技術が開示されている。また、特許文献2には、インクの吐出時にその温度に応じて吐出制御信号の振幅を増減させる技術について開示されている。
一方で、近年、画像の高精度化の要求に従って、インクを吐出するノズルの配置密度が上昇し、着弾したインク液滴間の間隔が狭くなることで、広がりの度合が画質の低下に影響しない又は影響する度合が小さくなってきている。温度の変化は応答性が悪く、記録媒体や周囲の状況などに応じて適切な温度に変化させるには時間を要するので、温度調整の手間の省力化や高速化を図ることができる。
特開2014−4831号公報 特開2013−136257号公報
しかしながら、インクの広がり具合が異なると、画一的な定着動作では、インクが確実に定着しなくなる場合が生じるという課題がある。
この発明の目的は、容易かつ確実にインクを媒体に対して定着させることができるインクジェット記録装置及び定着制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、
所定の活性エネルギー線により媒体に定着するインクを当該媒体に対して吐出する記録動作部と、
前記記録動作部により吐出されて媒体上に着弾した前記インクに対して、前記活性エネルギー線を照射する照射部と、
前記媒体上のインクの状況に応じた照射量の前記活性エネルギー線を前記照射部により照射させる制御部と、
を備えることを特徴とするインクジェット記録装置である。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のインクジェット記録装置において、
前記媒体の前記インクの着弾面とは反対面を加熱する加熱部を備え、
前記制御部は、前記媒体の特性に対応する前記インクの状況に応じて前記照射量を定めることを特徴とする。
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載のインクジェット記録装置において、
前記加熱部は、発熱源と、前記インクが着弾する前から前記活性エネルギー線が照射されるまでの間、前記媒体が載置される載置部材とを有し、
前記制御部は、前記載置部材を一定の温度範囲に維持するように前記加熱部を動作させる
ことを特徴とする。
また、請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記媒体の特性には、熱伝導率が含まれ、
前記制御部は、前記熱伝導率が低いほど前記照射量を増加させる
ことを特徴とする。
また、請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記媒体の特性には、媒体の厚さが含まれ、
前記制御部は、前記厚さが大きいほど前記照射量を増加させる
ことを特徴とする。
また、請求項6記載の発明は、請求項2〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記媒体の特性と前記照射量とを対応付けて記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、記録対象の前記媒体に応じた前記照射量を前記記憶部から取得する
ことを特徴とする。
また、請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記制御部は、前記記録動作部により前記媒体に対して吐出させるインクの量に応じて前記照射量を調整することを特徴とする。
また、請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記制御部は、前記媒体に対する前記インクの所定状態での濡れ性に応じて前記照射量を調整することを特徴とする。
また、請求項9記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記制御部は、吐出させるインクの色に応じて前記照射量を調整することを特徴とする。
また、請求項10記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記制御部は、前記照射部による照射強度を変化させることで前記照射量を変化させることを特徴とする。
また、請求項11記載の発明は、請求項1〜10のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記制御部は、前記照射部による照射時間を変化させることで前記照射量を変化させることを特徴とする。
また、請求項12記載の発明は、請求項1〜11のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記制御部は、前記媒体に対して前記記録動作部によるインクの吐出を複数回に分けて行う場合には、2回目以降のインク吐出に応じた照射量を1回目のインク吐出に応じた照射量よりも少なくすることを特徴とする。
また、請求項13記載の発明は、
所定の活性エネルギー線により媒体に定着するインクを当該媒体に対して吐出する記録動作部と、前記記録動作部により吐出されて媒体上に着弾した前記インクに対して、前記活性エネルギー線を照射する照射部と、を備えるインクジェット記録装置におけるインクの定着制御方法であって、
前記媒体上のインクの状況に応じた照射量の前記活性エネルギー線を前記照射部により照射させる照射量設定ステップ
を含むことを特徴とする。
本発明に従うと、容易かつ確実にインクを媒体に対して定着させることができるという効果がある。
第1実施形態のインクジェット記録装置の全体構成を示す模式図である。 インクジェット記録装置の機能構成を示すブロック図である。 インクの定着状態について説明する図である。 定着設定制御処理の制御手順を示すフローチャートである。 第2実施形態のインクジェット記録装置を示す全体模式図である。 第2実施形態の定着設定制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態のインクジェット記録装置1の全体構成を示す模式図である。
ここでは、インクジェット記録装置1を正面から見た場合について示す。
本実施形態のインクジェット記録装置1は、媒体供給部10と、記録本体部20と、媒体排出部30と、制御部40などを備えている。このインクジェット記録装置1では、制御部40による制御に基づいて、媒体供給部10に格納された記録媒体M(媒体)が記録本体部20に送出、搬送され、画像が記録された後に媒体排出部30に排出される。
媒体供給部10は、内部に格納された記録媒体Mを一枚ずつ記録本体部20へ送る。
記録媒体Mとしては、ここでは、種々の厚さの印刷用紙、セル、フィルム、ボードなどの樹脂基材や布帛など、画像記録ドラム21の外周面上に湾曲して担持され得る種々のものが用いられる。
媒体供給部10は、記録媒体Mを格納する供給トレー11と、供給トレー11から記録本体部20へ記録媒体Mを搬送するフィーダーボード12とを有する。供給トレー11は、一又は複数の記録媒体Mを載置可能に設けられた板状の部材である。供給トレー11は、供給トレー11に載置された記録媒体Mの量に応じて上下動するよう設けられており、当該上下動方向について、最上の記録媒体Mがフィーダーボード12により搬送される位置で保持される。
フィーダーボード12は、内側が複数(例えば、2本)のローラー121、122により担持された輪状のベルト123を駆動してベルト123上の記録媒体Mを搬送する搬送機構、及び供給トレー11上に載置された最上の記録媒体Mをベルト123上に受け渡す供給部を有する。フィーダーボード12は、供給部によりベルト123上に受け渡された記録媒体Mをベルト123に沿わせるように搬送する。
記録本体部20は、画像記録ドラム21(載置部材)と、受け渡しユニット22と、ヘッドユニット24(記録動作部)と、照射部25と、デリバリー部26と、反転部27などを備える。
画像記録ドラム21は、円筒状の外形を有し、当該円筒状部分の外周面上に例えば最大3枚の記録媒体Mを担持して、円筒の中心軸に対する回転動作に応じて記録媒体Mを搬送する搬送動作を行う。画像記録ドラム21の内部には、この外周面を加熱するドラムヒーター23(図2参照)及び外周面温度を計測する温度計測部55が設けられている。画像記録ドラム21の外周面は、ドラムヒーター23により所定の温度に加熱されて、担持する記録媒体Mをさらに加熱する。この所定の温度としては、例えば、インクとして常温でゲル状態であり、高温でゾル状態となるもの(温度依存性インク)が用いられる場合、ゾル状態で吐出されて記録媒体Mに着弾したインクが画像記録ドラム21上で搬送されている間に適度にゲル状態に戻る温度、即ち、吐出時のインクよりも低温であって当該インクがゲル化する温度に定められる。画像記録ドラム21上に担持された記録媒体Mには、ヘッドユニット24と対向する位置(画像記録位置)でヘッドユニット24の各ノズルから吐出されるインクが当該記録媒体Mの画像記録ドラム21との接触面とは反対側の面(一の記録対象面)における適切な位置に着弾することで画像などが記録される。
受け渡しユニット22は、媒体供給部10から受け渡された記録媒体Mを画像記録ドラム21に受け渡す。受け渡しユニット22は、フィーダーボード12により搬送された記録媒体Mの一端を担持するスイングアーム部221と、スイングアーム部221に担持された記録媒体Mを画像記録ドラム21に受け渡す円筒状の受け渡しドラム222などを有し、フィーダーボード12上の記録媒体Mをスイングアーム部221により取り上げて受け渡しドラム222に受け渡すことで記録媒体Mを画像記録ドラム21の外周面に沿う向きに誘導して画像記録ドラム21に受け渡す。
ヘッドユニット24は、画像記録ドラム21の回転に応じて移動する記録媒体Mの一の記録対象面に対し、当該ヘッドユニット24において記録媒体Mの当該記録対象面と対向する面(ノズル面)に設けられた複数のノズル開口部から適切なタイミングでインクの液滴を吐出していくことで画像を記録する。ヘッドユニット24は、複数のノズルが設けられた記録ヘッドを一又は複数備える。本実施形態のインクジェット記録装置1では、ヘッドユニット24は、記録媒体Mの搬送方向に所定の間隔で複数、ここでは、4色の各インクにそれぞれ応じて4つ並んでいる。4つのヘッドユニット24は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(黒)のインクをそれぞれ出力する。これらのヘッドユニット24の並び順は適宜定められてよい。これらのインクは、所定波長の電磁波、ここでは、紫外線を活性エネルギー線として照射されることで硬化し、記録媒体Mに定着するものである。また、インクは、インクヒーター61(図3参照)によりヘッドユニット24の内部及び/又は外部で適切な温度に加熱維持される。インク又はインクを貯留するインクタンクの部材温度などは、温度計測部55により画像記録ドラム21の温度とは別個に計測されてよい。
ヘッドユニット24の各々は、ここでは、それぞれ画像記録ドラム21上で搬送される記録媒体Mの搬送方向に垂直な幅方向に当該記録媒体Mの画像記録幅にわたって配列された複数のノズル開口部を備え、記録媒体Mを搬送方向に移動させながら当該ノズル開口部から記録媒体Mに対してインクを吐出することでシングルパス方式により画像を記録可能なラインヘッドを備える。ヘッドユニット24は、図示略の支持部(キャリッジ)に取り付けられている。
照射部25は、活性エネルギー線(ここでは紫外線)を照射して、ヘッドユニット24から吐出されて記録媒体M上に着弾したインクを硬化させる反応を生じさせて、定着させる。照射部25は、例えば、紫外線を発する発光ダイオード(LED)を有し、当該LEDに電圧を印加して電流を流すことで発光させて紫外線を照射する。照射部25は、画像記録ドラム21の回転により搬送される記録媒体M上にヘッドユニット24からインクの吐出がなされた後、当該記録媒体Mがデリバリー部26に到達する前に、当該記録媒体M上に(すなわち、着弾したインクに対して)紫外線が照射可能に設けられている。照射部25は、必要に応じて所望の照射範囲外への紫外線の漏出を遮るための遮光壁などを備えていてもよい。
なお、照射部25において紫外線を発する構成は、LEDに限られない。照射部25は、例えば、水銀ランプを有していてもよい。また、インクが紫外線以外の活性エネルギー線(特には限られないが、主に可視光よりも短波長側であって、インク内の通過で減衰しやすいもの)を受けて硬化定着する性質を有する場合には、照射部25は、上述の紫外線を発する構成の代わりに、当該インクを硬化させる活性エネルギー線を発する周知の出射源(光源)を有していてよい。
デリバリー部26は、画像が記録され、記録した画像(インク)が定着した後の記録媒体Mを媒体排出部30に搬送する。デリバリー部26は、円筒状の排出選択ローラー261と、受け渡しローラー262と、複数(例えば、2本)のローラー263、264と、内側面でローラー263、264に支持された輪状のベルト265などを有する。
排出選択ローラー261は、記録媒体Mを媒体排出部30に排出させるか、又は再度記録媒体Mの供給側に戻すかを切り替える。受け渡しローラー262は、媒体排出部30に排出される記録媒体Mを排出選択ローラー261から受け取ってベルト265上に誘導する。デリバリー部26は、受け渡しローラー262からベルト265上へと受け渡された記録媒体Mをローラー263、264の回転に伴い周回移動するベルト265と共に移動させることで搬送して媒体排出部30に送り出す。
反転部27は、一方の面に画像が記録された記録媒体Mの表裏を反転させることで記録対象面を変更させて再度画像記録ドラム21の外周面上に誘導する。反転部27は、反転ドラム271と、反転スイング装置272などを有する。記録媒体Mの両面に画像を記録する場合には、一方の面に画像が記録された記録媒体Mが排出選択ローラー261により受け渡しローラー262に送られず、反転ドラム271は、当該記録媒体Mを画像記録ドラム21から受け取る。
反転スイング装置272は、反転ドラム271の外周面及び画像記録ドラム21の外周面からそれぞれ等距離となる位置に設けられている。反転スイング装置272は、反転ドラム271上の記録媒体Mの搬送方向後端が対向する位置に到達すると、当該後端を把持して画像記録ドラム21の外周面に沿うように誘導する。記録媒体Mは、先にヘッドユニット24により画像が記録された面が外周面と接触する向きに反転されて、すなわち、記録対象面が変更されて、再度画像記録ドラム21によりヘッドユニット24よりも搬送方向上流側から搬送される。このとき、一度目の画像記録動作における記録媒体Mの搬送方向後端が二度目の画像記録動作における搬送方向先端となる。
記録媒体Mの記録対象面を反転させずに同一面を複数回続けて記録対象面とする場合には、排出選択ローラー261及び反転ドラム271のいずれも記録媒体Mを取得せず、画像記録ドラム21上の記録媒体Mは、外周面に載置されたまま供給側に回転移動されればよい。
媒体排出部30は、デリバリー部26により記録本体部20から送り出された記録媒体Mをユーザーにより取り出されるまで格納する。媒体排出部30は、板状の排出トレー31などを有し、この排出トレー31上に記録動作後の記録媒体Mが載置される。
制御部40は、媒体供給部10、記録本体部20及び媒体排出部30の動作を制御し、画像記録命令(ジョブ)による記録対象画像のデータ及び画像記録動作に係る設定に応じて記録媒体M上に画像を記録させる。
図2は、インクジェット記録装置1の機能構成を示すブロック図である。
インクジェット記録装置1は、上記のヘッドユニット24と、照射部25と、制御部40と、温度計測部55とに加えて、搬送モーター211及び搬送制御部41と、照射制御部45と、加熱動作部60と、操作受付部51と、表示部52と、通信部54などを備える。
搬送モーター211は、媒体供給部10及び記録本体部20において記録媒体Mを移動させるために動作する各部を各々駆動するモーターを有する。搬送制御部41は、搬送モーター211をそれぞれ適宜なタイミングで、必要に応じて同期させて動作させる。
ヘッドユニット24は、ヘッド制御部44と、ヘッド駆動部241と、電気機械変換素子242などを備える。本実施形態のヘッドユニット24は、特には限られないが、インクを吐出する各ノズルに連通しているインク流路(特にインク室)に沿ってそれぞれピエゾ素子(電気機械変換素子242)が設けられている。このピエゾ素子に対する印加電圧の変動に応じて当該ピエゾ素子を変形させることで、インクに圧力変動を生じさせてインクをノズルから吐出させる。ヘッド駆動部241は、ヘッド制御部44の制御信号に基づいて、ピエゾ素子(電気機械変換素子242)に対して印加する波形の電圧信号(駆動電圧信号)を出力する。
照射制御部45は、照射部25による紫外線(活性エネルギー線)の照射タイミング、照射時間及び照射強度を制御する。照射部25は、照射制御部45からの制御信号に基づいてLEDを発光させて紫外線を出射する。
加熱動作部60は、上述のドラムヒーター23(発熱源)及びインクヒーター61と、ヒーター制御部48などを備える。ドラムヒーター23は、画像記録ドラム21の外周面(インクの着弾面とは反対面)を加熱することで、載置された記録媒体Mを適宜な温度に加熱する。インクヒーター61は、インク流路部材を加熱することでインク流路内のインクを適宜な温度に加熱する。ドラムヒーター23及びインクヒーター61は、例えば、電熱線を有し、電流を流すことでジュール熱を生じさせる。ヒーター制御部48は、これら画像記録ドラム21の外周面及びインク流路部材が適切な温度範囲に維持されるように、ドラムヒーター23及びインクヒーター61を断続的にオンオフ制御する。なお、ドラムヒーター23及びインクヒーター61の発熱量を制御できる場合には、ヒーター制御部48は、これらのオンオフ制御だけでなく、発熱量(電流値など)の制御を行ってもよい。ヒーター制御部48の制御動作は、温度計測部55により計測された温度データに基づいて行われてよい。
ドラムヒーター23及び画像記録ドラム21が本実施形態の加熱部を構成する。
操作受付部51は、外部からのユーザーなどによる入力操作を受け付けて、入力信号として制御部40に出力する。操作受付部51は、例えば、タッチパネルと押しボタンスイッチなどを有する。タッチパネルは、表示部52の表示画面と重ねて位置していてよい。また、操作受付部51は、その他の各種操作スイッチなどを有していてもよい。
表示部52は、制御部40の制御に基づいて、各種ステータスやメニューなどを表示画面に表示する。表示部52は、例えば、表示画面とLEDランプなどを有する。表示画面は、特には限られないが、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)である。LEDランプは、例えば、電力供給状況や異常発生状況などに応じて、制御部40により各状況に対応する位置及び色のランプが点灯される。
通信部54は、所定の通信規格に従って外部機器などとの間で行うデータ(信号)の送受信を制御する。通信部54は、例えば、LAN(Local Area Network)の規格に従って、通信の制御を行う。また、通信部54は、USB(Universal Serial Bus)の規格により周辺機器などが接続可能であってもよい。
制御部40は、CPU401(Central Processing Unit)と、RAM402(Random Access Memory)と、記憶部403などを有する。CPU401は、各種演算処理を行って制御動作を行う。RAM402は、CPU401に作業用のメモリー空間を提供し、一時データを記憶する。記憶部403は、不揮発性メモリーを有し、各種設定データやプログラムなどを記憶する。設定データには、照射量情報403aが含まれる。照射量情報403aは、後述のように、状況に応じて照射部25による紫外線の照射量を変更、調整するためのデータである。プログラムには、後述の定着設定制御処理に係る制御プログラムが含まれ、記録媒体Mに着弾したインクをその状態(着弾状態)に応じて確実に定着させるように照射部25による照射量を変更制御する。また、記憶部403は、大容量の揮発性メモリを有し、ジョブデータ及びその作業データ(加工データ)などを記憶することが可能であってもよい。
なお、搬送制御部41、ヘッド制御部44、照射制御部45及びヒーター制御部48は、それぞれ制御部40と別個のプロセッサー(CPUなど)によって動作してもよいし、実際にはCPU401が共通に各処理を行ってもよい。
次に、インクの定着動作について説明する。
図3は、インクの定着状態について説明する図である。なお、ここでは説明のためにインクのサイズを照射部25のサイズに比して大きく誇張して示している。
図3(a)に示すように、記録媒体Mの記録対象面に着弾したインク液滴I1は、記録媒体M上で照射部25から照射された紫外線により硬化定着する。インクの粘度が高い(高くなる)状況や、記録媒体Mに対するインクの濡れ性が低い場合には、薄く広がらずに、図3(b)に示すように、インク液滴I2は、図3(a)におけるインク液滴I1よりも記録媒体Mの表面に広がらず、半球状などに盛り上がる。
インクの硬化は、インクに含まれる光重合開始剤に対する紫外線の照射量に応じて進行するので、着弾したインク液滴の表面から最も遠い最奥部を硬化させるには、表面から当該最奥部に到達するまでの途中で吸収反射される分だけより多くの照射量が必要となる。一方で、照射量が必要量よりも多すぎると、無駄なエネルギー消費や各部の劣化などにつながる。インク液滴I1、I2の間では、表面から最奥部までの距離が異なるので、適切な紫外線の照射量も異なる、すなわち、インクの硬化定着には、インク液滴I2の方がインク液滴I1よりも大きな照射量が必要になる。
インクの粘性は、インクの特性自体に加え、インクの温度に大きく依存する。吐出時のインク液滴の温度はインクヒーター61の動作により概ね一定に保たれており、着弾後の記録媒体Mとの間の熱のやり取りによって変化する。記録媒体Mの温度はインクの温度より低く、インク液滴の温度は低下する。
本実施形態のインクジェット記録装置1では、ヒーター制御部48の制御により、ドラムヒーター23の加熱温度、すなわち、画像記録ドラム21の外周面温度は、略一定(一定範囲)に保たれる。この外周面に対し、媒体供給部10から供給された常温程度の記録媒体Mが載置されると、画像記録ドラム21から記録媒体Mに熱が伝わって記録媒体Mの温度が画像記録ドラム21に近づく。
しかしながら、記録媒体Mが外周面に載置されてから、当該記録媒体M上にインクが吐出されるまでの時間は、通常、記録媒体Mと画像記録ドラム21の間で熱平衡に到達する時間よりも短いので、記録媒体Mの特性に応じて熱の伝わり具合が異なる。例えば、記録媒体Mの熱伝導率が低く、記録媒体Mの厚さが厚いほど、記録媒体Mの記録対象面(すなわち、外周面との接触面とは反対側の面)の温度が上がらない(低い)状態でインク液滴が着弾することになる。その結果、このような記録媒体Mに着弾した微小なインク液滴は、表面に広がる前に速やかに温度が低下して粘度が増加し、すなわち、インクの状況が吐出時から大きく変化して、十分に広がらずに狭い範囲に集まって盛り上がった状態で照射部25により紫外線が照射されることになる。
これらの要因に加えて、カラー画像で複数色のインクが重なって着弾する場合には、累積的に紫外線がインク液滴全体に十分に届きにくくなることから、紫外線の照射量が増加されてよい。また、記録媒体M当たりの着弾インク量が多い場合には、他のインク液滴と結合するなどでインク全体に確実に紫外線が届きにくくなりやすい。この場合、もっとも硬化しにくい、すなわち紫外線が届きにくいインクを基準としてインク量に応じた照射量を定めてもよい。一方、黒色インクなどのように紫外線の吸収率が高い色による単色画像が記録される場合には、通常のカラー画像よりも少ない紫外線でも十分に硬化し得る。
照射量の増減は、主に照射強度、すなわち、照射部25による紫外線の発光強度の大小で制御される。しかしながら、これに限るものではなく、照射部25による紫外線の発光時間(すなわち照射時間)を増減させることでも照射量を変更することができる。
照射制御部45は、画像記録動作の開始前に、記録媒体Mの情報(媒体の特性)、インクの情報(インク種別、色)及び記録対象画像に基づくインク吐出量(吐出されるインクの量)の情報を取得し、これらに基づいて推定される記録媒体M上に着弾するインクの状況(広がり具合)に応じた適切な照射量を取得又は算出する。照射量は、例えば、予め設定された記録媒体Mの種別(媒体の特性)及びインクの種別の組合せ(インク着弾時の条件(所定状態)での濡れ性などの情報を含み得る)などに対応付けられて設定されて、照射量情報403aとして記憶されていてもよい。あるいは、基準照射量に対し、記録媒体Mの種別及びインクの種別の各々について、増減率などそれぞれ設定されていてもよい。記録媒体Mの種別は、例えば、普通紙、コート紙、樹脂基材などの素材や表面加工の違いとその厚みとの組み合わせなどで示される。
あるいは、基準照射量は、熱伝導率が高く非常に薄い既知の記録媒体などに基づいて定められて、他の記録媒体が用いられる場合には、照射量が増加するように定められてもよい。この場合、基準となる記録媒体では、最初のインク着弾タイミングまでに当該記録媒体Mの記録対象面が設定温度と略同一となるようにドラムヒーター23を動作させてもよい。記録媒体及びインクに係る各種設定情報は、定期的に又は手動操作などに応じて追加されてよい。また、予め種別情報が保持されていない場合などには、操作受付部51が受け付けた記録媒体Mの厚さや熱伝導率のパラメーター値、及び/又はインクの基準温度での粘性や温度変化率などに基づいて、適切な照射量が算出されてもよい。照射量情報403aによって媒体の特性やインクの種別に対応付けられた照射量が得られる場合であっても、記録媒体M当たりに吐出されるインクの量や画像の色(実際に使用されるインク)などに応じて得られた照射量がさらに調整されてもよい。
図4は、インクジェット記録装置1で実行される定着設定制御処理の制御部40による制御手順を示すフローチャートである。
この定着設定制御処理は、例えば、ジョブが取得されて記録動作に係る各種設定が行われた後、実際の記録動作が開始される前に起動される。
定着設定制御処理が開始されると、制御部40(CPU401)は、記録がなされる記録媒体Mの種別情報を取得する(ステップS101)。制御部40は、吐出される各色のインク設定(情報)を取得する(ステップS102)。制御部40は、1枚の記録媒体M当たりの各色のインク吐出量の情報を取得する(ステップS103)。
制御部40は、媒体種別及びインク設定に応じた照射部25からの紫外線の照射量を設定する(ステップS104)。制御部40は、インク吐出量に応じて設定された照射量を増減させる設定を行う(ステップS105)。そして、制御部40は、定着設定制御処理を終了する。
[第2実施形態]
図5は、第2実施形態のインクジェット記録装置1aを示す全体模式図である。
このインクジェット記録装置1aでは、ヘッドユニット24に加えて白色インクを吐出するヘッドユニット24Wが追加されて、インク吐出面が画像記録ドラム21に対向する向きで他のヘッドユニット24と並んでいる。その他の構成は同一であり、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
ヘッドユニット24Wから吐出される白色インクは、他のCMYK各色のインクと同様に用いられる場合に加えて、記録媒体Mの表面に背景層を生成するためなどにCMYKによる画像記録より前に吐出、塗布される場合がある。このような場合には、例えば、1回目の通過時(1周目)に白色インクのみで一度背景層の記録及び定着動作がなされてから、排出されずに記録媒体Mが供給側に戻されて、2回目(2周目)でCMYKの各色のインクによる画像記録動作がなされる。
白色インクは、紫外線の反射率が他の色のインクより高くなるので、他の色のインクよりも紫外線の照射量を多くする必要がある。また、このように同一面に複数回記録を行う場合や、反転部27により反転された記録媒体Mの両面に画像記録を行う場合には、上述のように徐々に加熱される記録媒体Mが(両面の場合には反転部27を経て)画像記録ドラム21を周回して供給側に戻ってくるので、その間に記録媒体Mの内部を熱が伝わって温度上昇が進む。したがって、2回目以降の記録画像の定着時には、温度の上昇不足によるインクの粘度の増大を考慮した照射量は、少なくとも1回目の記録画像の定着時よりも少なくてよい。
さらに、1回目の記録画像の定着動作時に定着するインクが発熱するような場合には、2回目の記録動作時に着弾したインクの温度が更に上昇する場合もあるので、このような温度上昇が考慮されて照射量が定められてもよい。
図6は、第2実施形態のインクジェット記録装置1aで実行される定着設定制御処理の制御部40による制御手順を示すフローチャートである。
この定着設定制御処理は、図4に示した第1実施形態のインクジェット記録装置1で実行される定着設定制御処理に対し、最後のステップS105の後に更にステップS106、S107の処理が追加されている点を除き同一である。同一の処理内容には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
ステップS105の処理の後、制御部40は、同一媒体に複数回のインク吐出を行うか否かを判別する(ステップS106)。複数回のインク吐出を行うと判別された場合には(ステップS106で“YES”)、制御部40は、2回目以降の吐出時における照射部25による照射量を1回目より減少させる設定を行う(ステップS107)。2回目以降の照射量は、全て同一となってもよいし、所定の基準値に漸近させるように設定されてもよい。そして、制御部40は、定着設定制御処理を終了する。同一媒体に複数回のインク吐出を行わないと判別された場合には(ステップS106で“NO”)、制御部40は、定着設定制御処理を終了する。
以上のように、本実施形態のインクジェット記録装置1は、紫外線により記録媒体Mに定着するインクを当該記録媒体Mに対して吐出するヘッドユニット24と、ヘッドユニット24により吐出されて記録媒体M上に着弾したインクに対して紫外線を照射する照射部25と、記録媒体M上のインクの状況に応じた照射量の紫外線を照射部25により照射させる制御部40と、を備える。
このように、インクの広がり具合に応じて照射部25による紫外線の照射量を可変に調整することで、必要以上の紫外線照射を行わずに電力消費の増大や不要な劣化を避けつつ、どのような広がり具合のインクでも容易かつ確実に硬化させ、記録媒体Mに定着させることができる。
特に、インクの定着時の記録媒体Mへの広がり度合が多少異なっていても問題がない場合、例えば、インクの着弾面積に比して着弾密度が十分に高く、多少広がり具合が不足しても隙間が生じる心配がない場合などには、このようにインク(記録媒体Mの着弾面)の温度制御を厳密に行わなくてもよい。これにより、一般的に応答速度の遅い温度の調整のための時間を短縮しつつ、インクを確実に硬化定着させることができる。
また、インクジェット記録装置1は、記録媒体Mへのインクの着弾面とは反対面を加熱するドラムヒーター23及び画像記録ドラム21を備え、制御部40は、記録媒体Mの特性に対応するインクの状況に応じて照射量を定める。すなわち、加熱動作を一定に制御する場合、記録媒体Mの厚さ及び熱伝導率などの特性に応じてインクの着弾面の温度が変化し得るので、当該特性に対応してインクの温度が低下して広がり具合が変化する。したがって、インクジェット記録装置1では、記録媒体Mの特性に応じて照射部25による紫外線の照射量を変化させることで、インクの広がり具合に応じた適切な紫外線照射量によりインクを硬化定着させることができる。
また、加熱部は、ドラムヒーター23と、前記インクが着弾する前から前記活性エネルギー線が照射されるまでの間、記録媒体Mが載置される画像記録ドラム21とを有し、制御部40は、画像記録ドラム21の外周面を一定の温度範囲に維持するようにドラムヒーター23を動作させる。
このように、記録媒体の種別などに応じて温度設定を変更しなくてよいので、応答の遅い温度が適切な温度に変化して安定するまでの待機時間が不要になる。
また、記録媒体Mの特性には、熱伝導率が含まれ、制御部40は、熱伝導率が低いほど照射量を増加させる。熱伝導率が低いと、インク着弾時の着弾面の温度が所望の温度へ上昇しにくくなり、着弾したインクの温度が低下して粘度が上昇してインクが着弾面に広がりにくくなる。したがって、このインクに対する紫外線の照射量を増加させることで、広がらずに集まったインクの最奥部まで確実に紫外線を到達させて光重合を開始させることができ、インクを硬化定着させることができる。
また、記録媒体Mの特性には、当該記録媒体Mの厚さが含まれる。制御部40は、この厚さが大きいほど紫外線の照射量を増加させる。記録媒体Mが厚いと、加熱面からインクの着弾面まで熱が伝わるのに時間を要し、インク着弾時の着弾面の温度が所望の温度へ上昇しにくくなる。これにより、着弾したインクの温度が低下して粘度が上昇し、インクが着弾面に広がりにくくなるので、このインクに対する紫外線の照射量を増加させることで、広がらずに集まったインクの最奥部まで確実に紫外線を到達させ、インクを硬化定着させることができる。
また、インクジェット記録装置1は、記録媒体Mの特性と紫外線の照射量とを対応付けて照射量情報403aとして記憶する記憶部403を備える。制御部40は、記録対象の記録媒体Mに応じた紫外線の照射量を記憶部403から取得する。このように、記録媒体Mと照射量を予め対応付けて保持しておくことで、画像の記録開始時に定着度合のテスト、調整などを必要とせずに、容易かつ速やかに適切な紫外線照射量を設定し、無駄なくインクを硬化定着させることができる。
また、制御部40は、ヘッドユニット24により記録媒体Mに対して吐出させるインクの量に応じて紫外線の照射量を調整する。吐出されるインク量が多いと、インクの広がり具合にかかわらずインクの膜厚も大きくなりやすいので、インクジェット記録装置1では、その分紫外線の照射量を調整することで、インクを確実に硬化定着させることができる。
制御部40は、記録媒体Mに対するインクの所定状態での濡れ性に応じて紫外線の照射量を調整する。インクと記録媒体Mとの組み合わせによっては、濡れ性が小さくなってインクが広がりにくい場合もあるので、インクジェット記録装置1では、当該濡れ性に応じて紫外線の照射量を調整することで、より確実にインクを硬化定着させることができる。
また、制御部40は、吐出させるインクの色に応じて紫外線の照射量を調整する。インクの色によって紫外線の反射率が異なるので、インクジェット記録装置1では、色ごとに照射量を調整することで、各色のインクをより確実に硬化定着させることができる。
また、制御部40は、照射部25による照射強度を変化させることで紫外線の照射量を変化させる。照射強度を可変とすることで、照射時間を大きく又は全く変化させる必要がなくなると、定着に必要な時間を変化させなくてよく、特に照射量を増やす必要がある場合でも照射時間を大きく増大させる必要がないので、短時間で所望の範囲に均等かつ確実に紫外線を照射させることができる。特に、これにより記録媒体Mの定着時における搬送速度を変更させる必要が全くなくなるので、制御が容易である。
一方で、制御部40は、照射部25による照射時間を変化させることで紫外線の照射量を変化させる。紫外線の照射強度を大きく又は全く変更させないでよいこととすると、照射部25の性能を向上させる必要がないので、照射部25の高性能化が必要ない。
また、制御部40は、記録媒体Mに対してヘッドユニット24によるインクの吐出を複数回に分けて行う場合には、2回目以降のインク吐出に応じた照射量を1回目のインク吐出に応じた照射量よりも少なくする。同一の記録媒体Mに複数回インクを吐出する場合、1回目の吐出時と2回目以降の吐出時との間で記録媒体Mがさらに加熱されて所望の温度に近づくように上昇するので、インクの粘度が低下してゆき、1回目よりも記録媒体Mの着弾面上に広がりやすくなる。これに伴ってインクに対する紫外線の照射量が少なくなっても確実に定着することになるので、加熱度合に合わせて紫外線の照射量を低下させていくことで、必要以上の電力消費や記録媒体Mの劣化などを防ぐことができる。また、インクの定着反応が過剰に進んで当該定着反応に応じた発熱量が増加し、記録媒体Mの温度が上昇し過ぎることにより種々の悪影響が生じるのを抑制することができる。
また、本実施形態のインクジェット記録装置1におけるインクの定着制御方法は、記録媒体M上のインクの状況に応じた照射量の紫外線を照射部25により照射させる照射量設定ステップを含む。
このように、インクの広がり具合に応じて照射部25による紫外線の照射量を可変に調整することで、必要以上の紫外線照射を行わずに電力消費の増大や不要な劣化を避けつつ、どのような広がり具合のインクでも容易かつ確実に硬化させ、記録媒体Mに定着させることができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、照射量を変化させるパラメーターとして、記録媒体の特性(熱伝導率、厚さ)、濡れ性、インクの吐出量及び色などを例に挙げて説明したが、これらの組合せは互いに相反しない限りにおいて任意である。また、これら以外のパラメーターが含まれていてもよい。例えば、記録媒体の搬送速度を変更可能な場合には、搬送速度が考慮されてもよい。
また、上記実施の形態では、複数の複数色のインクを単一の画像記録ドラム21上で記録媒体Mに着弾させ、また、定着させることとしたが、異なる画像記録ドラム21上であってもよい。また、記録媒体Mは円筒状の画像記録ドラム21により搬送されなくてもよく、搬送ベルトの平面上を搬送移動されてもよい。同様に、同一面に複数回インクを着弾させる場合に、1回目(例えば白色インク)と2回目(CMYKインク)とで異なる画像記録ドラム21上でインクが記録媒体Mに着弾する構成であってもよい。
また、上記実施の形態では、ドラムヒーター23による画像記録ドラム21の温度制御を記録媒体によらず一定とすることとして説明したが、制御温度範囲を多少変化させることを除外するものではない。例えば、極端に熱伝導率が低く厚い媒体に対して、多少加熱量を増大させてもよいし、熱に敏感な媒体に対する制御温度範囲を通常より狭くするなどの制御を行ってもよい。
また、上記実施の形態では、1回目と2回目の各インク着弾時における記録媒体Mの温度の違いに応じて照射量を変化させる場合について説明したが、1回目と2回目とで意図的に光沢を変化させる場合などについても照射量の変化を行わせることができる。
また、上記実施の形態では、同一面に複数回にインクを着弾させる場合を例に挙げて説明したが、記録媒体Mの両面に画像を記録する場合であってもよい。
また、記録媒体Mに着弾させるインクは、有色のインクに限られず、透明なインクなどであってもよい。また、インクは、温度に応じてゾルゲル間で相変化するインクでなくてもよい。
また、記録媒体Mの厚みなどの特性は、入力取得される場合に限られず、一部又は全部が直接計測されてもよい。また、記録媒体Mは、枚葉紙などの所定サイズで区切られた媒体に限られず、連続紙などであってもよい。
また、同一面に複数回インクを着弾させたりインクを定着させたりする場合、記録媒体Mを画像記録ドラム21に沿って複数回回転移動させる代わりに、一度搬送方向に沿って移動させた記録媒体Mを逆送させて、供給側に戻したのち、再び通常の搬送方向に移動させながらインクを着弾させたりインクを定着させたりしてもよい。
また、上記実施の形態では、記録媒体Mのインク着弾面と反対側を加熱することとしたが、インク着弾前にインク着弾面を一時的に加熱可能な構成であってもよい。この場合、記録媒体Mの熱容量及び熱伝導率などに応じてインク着弾面の加熱終了後の温度が変化し得るので、当該変化の特性に応じて紫外線(活性エネルギー線)の照射量を変化させてもよい。
また、上記実施の形態では、ラインヘッドを有し、シングルパス方式で画像記録動作を行うインクジェット記録装置1を例に挙げて説明したが、これに限られない。例えば、スキャンヘッドを有し、記録媒体Mに対してヘッドユニット24を走査させながらインクを吐出、着弾させ、着弾したインクを硬化定着させる構成であってもよい。この場合、照射部25も走査させてもよく、記録媒体Mの加熱面は、画像記録ドラム21の外周面などの搬送面に限られない。固定された記録媒体Mの載置面であってもよく、記録媒体Mは、別途ローラーなどで搬送移動されてもよい。
また、上記実施の形態で示した構成、構造、設定動作の内容や手順などの具体的な細部は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。本発明の範囲は、特許請求の範囲に記載した発明の範囲とその均等の範囲を含む。
1、1a インクジェット記録装置
10 媒体供給部
11 供給トレー
12 フィーダーボード
121、122 ローラー
123 ベルト
20 記録本体部
21 画像記録ドラム
211 搬送モーター
22 受け渡しユニット
221 スイングアーム部
222 受け渡しドラム
23 ドラムヒーター
24、24W ヘッドユニット
241 ヘッド駆動部
242 電気機械変換素子
25 照射部
26 デリバリー部
261 排出選択ローラー
262 受け渡しローラー
263、264 ローラー
265 ベルト
27 反転部
271 反転ドラム
272 反転スイング装置
30 媒体排出部
31 排出トレー
40 制御部
401 CPU
402 RAM
403 記憶部
403a 照射量情報
41 搬送制御部
44 ヘッド制御部
45 照射制御部
48 ヒーター制御部
51 操作受付部
52 表示部
54 通信部
55 温度計測部
60 加熱動作部
61 インクヒーター
I1、I2 インク液滴
M 記録媒体

Claims (13)

  1. 所定の活性エネルギー線により媒体に定着するインクを当該媒体に対して吐出する記録動作部と、
    前記記録動作部により吐出されて媒体上に着弾した前記インクに対して、前記活性エネルギー線を照射する照射部と、
    前記媒体上のインクの状況に応じた照射量の前記活性エネルギー線を前記照射部により照射させる制御部と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記媒体の前記インクの着弾面とは反対面を加熱する加熱部を備え、
    前記制御部は、前記媒体の特性に対応する前記インクの状況に応じて前記照射量を定めることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記加熱部は、発熱源と、前記インクが着弾する前から前記活性エネルギー線が照射されるまでの間、前記媒体が載置される載置部材とを有し、
    前記制御部は、前記載置部材を一定の温度範囲に維持するように前記加熱部を動作させる
    ことを特徴とする請求項2記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記媒体の特性には、熱伝導率が含まれ、
    前記制御部は、前記熱伝導率が低いほど前記照射量を増加させる
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記媒体の特性には、媒体の厚さが含まれ、
    前記制御部は、前記厚さが大きいほど前記照射量を増加させる
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記媒体の特性と前記照射量とを対応付けて記憶する記憶部を備え、
    前記制御部は、記録対象の前記媒体に応じた前記照射量を前記記憶部から取得する
    ことを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記制御部は、前記記録動作部により前記媒体に対して吐出させるインクの量に応じて前記照射量を調整することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記制御部は、前記媒体に対する前記インクの所定状態での濡れ性に応じて前記照射量を調整することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記制御部は、吐出させるインクの色に応じて前記照射量を調整することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記制御部は、前記照射部による照射強度を変化させることで前記照射量を変化させることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記制御部は、前記照射部による照射時間を変化させることで前記照射量を変化させることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記制御部は、前記媒体に対して前記記録動作部によるインクの吐出を複数回に分けて行う場合には、2回目以降のインク吐出に応じた照射量を1回目のインク吐出に応じた照射量よりも少なくすることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  13. 所定の活性エネルギー線により媒体に定着するインクを当該媒体に対して吐出する記録動作部と、前記記録動作部により吐出されて媒体上に着弾した前記インクに対して、前記活性エネルギー線を照射する照射部と、を備えるインクジェット記録装置におけるインクの定着制御方法であって、
    前記媒体上のインクの状況に応じた照射量の前記活性エネルギー線を前記照射部により照射させる照射量設定ステップ
    を含むことを特徴とする定着制御方法。
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