JP6354475B2 - 画像記録装置 - Google Patents

画像記録装置

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本発明は、インク滴を記録媒体に吐出して画像を記録する画像記録装置に関する。
記録媒体にインク滴を吐出して画像を記録するインクジェット記録装置においては、高品質な画像を得るために、記録媒体に着弾したインクを速やかに乾燥し、定着させる必要がある。
特許文献1には、インク滴が着弾した記録媒体を加熱手段により輻射加熱してインクを乾燥させるインクジェット記録装置が記載されている。この発明においては、インクの種別、記録媒体の種別、及び記録モードに応じて、加熱手段から輻射される電磁波の量、インクジェットヘッドの移動速度、及び記録媒体の搬送タイミングを制御する。特許文献1によれば、記録媒体の種類と使用するインクとの相性の良悪に関わらず加熱ムラの発生を防止し、加熱効率を向上させて、高品質な画像を得ることができる。
しかし、特許文献1においては、インク色に応じた加熱制御を実施するものではなく、更なる改良の余地がある。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、記録媒体に着弾したインクを色に応じて速やかに乾燥し、定着させることが可能な画像記録装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、記録媒体を搬送する搬送手段を備え、前記搬送手段によって搬送される前記記録媒体に対して記録ヘッドからインク滴を吐出して画像を記録する画像記録装置であって、前記記録ヘッドよりも前記記録媒体の搬送方向下流側に配置されて前記記録媒体を輻射熱により加熱する加熱手段と、前記加熱手段の動作を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記記録媒体にモノクロ画像を記録するモノクロ記録時の場合は、前記加熱手段が第一の波長の電磁波を出射するように加熱手段を制御し、前記記録媒体にカラー画像を記録するカラー記録時の場合は、前記加熱手段が前記第一の波長よりも長波長の第二の波長の電磁波を出射するように前記加熱手段を制御することを特徴とする。
本発明によれば、モノクロ記録かカラー記録に応じて、加熱手段から出射される赤外線の波長を変更するので、記録媒体に着弾したインクを色に応じて速やかに乾燥し、定着させることが可能となる。
インクジェット記録装置の一例を示す概略構成図である。 画像記録部の一例を拡大して示した模式図である。 位相制御について説明するための図である。 熱源の温度と、熱源が出力する電磁波の波長との関係を示したグラフ図である。 黒色インクを100度まで加熱したときの、イエロー、マゼンタ、シアン、白紙領域の加熱温度を赤外線波長別に示した図である。 本発明の一実施形態に係る画像記録装置の制御ブロック図である。 本発明の一実施形態に係る画像記録装置の基本的な動作を示したフローチャートである。 ヒータの昇降動作について説明する為の模式図である。 本発明の第二の実施形態に係る画像記録装置の動作を示したフローチャートである。 ランプの点灯数量について説明する為の模式図である。 本発明の第三の実施形態に係る画像記録装置の動作を示したフローチャートである。 本発明の第四の実施形態に係る画像記録装置の動作を示したフローチャートである。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
〔第一の実施形態〕
<インクジェット記録装置>
図1は、本発明が適用されるインクジェット記録装置の一例を示す概略構成図である。
インクジェット記録装置1(画像記録装置)は、インクジェットプリンタやファクシミリ等、シート状の記録媒体Sにインクジェット方式により画像を記録する画像記録部100を備えた画像記録装置である。インクジェット記録装置1は、画像記録部100と、画像記録部100に向けて記録媒体Sを搬送する給紙搬送部20(搬送手段)と、画像記録部100において画像が記録された記録媒体Sを装置外に排出する排出部30とを備える。
画像記録部100は、給紙搬送部20によって搬送された記録媒体Sに画像を記録する。画像記録部100は、シアンC、マゼンタM、イエローY、ブラックKのインクをそれぞれ収容し、色毎に設けられた4つのインクカートリッジ111と、複数のノズルを有し、各色のインクカートリッジ111から夫々インクが供給され、色毎に設けられた4つの記録ヘッド113と、記録ヘッド113よりも記録媒体Sの搬送方向下流側に配置されたヒータ121(加熱手段)と、を備える。なお、記録ヘッド113はフルライン型の記録ヘッドであってもよいし、キャリッジに搭載されて主走査方向(図中紙面に垂直な方向)に往復移動する記録ヘッドでもよい。
給紙搬送部20は、画像記録部100の下方に配置されて複数枚の記録媒体Sを収容する給紙トレイ21と、給紙トレイ21に収容された記録媒体Sを一枚ずつ分離して給送する給紙ローラ22と、記録媒体Sを画像記録部100に搬送する無端状の搬送ベルト23を備える。搬送ベルト23は、複数のローラ(駆動ローラ23a、テンションローラ23b)によって所定の張力を与えられた状態にて支持されている。
また、給紙搬送部20は、インクジェット記録装置1の側方に配置されて装置外部から手差しにより記録媒体Sを画像記録部100に供給する手差トレイ24、及び給送ローラ対25を備える。
排出部30は、記録媒体Sを搬送する複数の排出ローラ対31と、装置外に排出された記録媒体Sを載置する排紙トレイ32備える。
インクジェット記録装置1は、給紙トレイ21又は手差トレイ24から記録媒体Sを一枚ずつ分離して画像記録部100に給送する。記録ヘッド113は画像データに基づいてインク滴を吐出する。記録ヘッド113から吐出されたインク滴は、記録媒体Sに着弾して画像データに対応した画像を形成する。ヒータ121は、インク滴が着弾した記録媒体Sを加熱してインク滴を乾燥させる。その後、記録媒体Sは複数の排出ローラ対31により装置外に排出され、排紙トレイ32に順次載置される。
なお、上述のインクジェット記録装置1は、所定のサイズに予めカットされたカット紙を記録媒体Sとする装置の一例である。インクジェット記録装置は、ロール紙(連続紙)を搬送する搬送手段を備え、搬送されるロール紙に画像を記録する装置であってもよい。また、記録媒体Sには、一般的に用いられる記録紙(普通紙やコート紙)の他、プラスチックシート等を用いてもよい。
<画像記録部>
図2は、画像記録部の一例を拡大して示した模式図である。
画像記録部100は主として、記録媒体Sにインク滴を吐出して画像を形成するインク吐出部110と、インク吐出部110よりも記録媒体Sの搬送方向下流に配置されて画像が形成された記録媒体Sを加熱してインクを乾燥させ、画像を記録媒体Sに定着させる加熱部120とを有する。
インク吐出部110は、イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKの各色インクに対応した4つの記録ヘッド113Y、113M、113C、113Kを備える。
また、インク吐出部110は、記録ヘッド113よりも記録媒体Sの搬送方向上流側に配置されて、記録媒体Sに前処理液を塗布する前処理液塗布ヘッド115(前処理液塗布手段)を備えてもよい。前処理液はインク滴吐出前の記録媒体Sに塗布される液であり、インクと反応して記録画像のにじみを防止する。
加熱部120は、画像が形成された記録媒体Sを加熱するヒータ121と、記録媒体Sの搬送経路を間に挟んでヒータ121と対抗する位置に配置された反射板127及び加熱部120内を搬送される記録媒体Sの温度を測定する2つの温度センサ129(129a、129b)と、を備えている。
ヒータ121は、熱源として複数のランプ123a〜123d(第一ランプ〜第四ランプ)を備え、記録媒体Sを輻射熱により加熱する。ヒータ121は、定格電圧(入力可能な最大の電圧)が入力されたときに、近赤外線(波長約1.2μm)を照射する電気ヒータである。また、ヒータ121は、ランプ123が出射した輻射熱を記録媒体Sに向けて反射させるリフレクタ125を備えてもよい。
反射板127は、ランプ123が出射し、且つ記録媒体Sを透過した輻射熱を記録媒体Sに向けて反射させる。
温度センサ129は、ランプ123の直上流に配置された上流側温度センサ129aと、ランプ123の直下流に配置された下流側温度センサ129bとを備える。上流側温度センサ129aはヒータ121による加熱直前の記録媒体Sの温度を測定する。また、下流側温度センサ129bはヒータ121によって加熱された記録媒体Sの温度を測定する。
リフレクタ125や反射板127によって輻射熱を反射させることにより、インク滴が吐出された直後の記録媒体Sを効率的に加熱することができ、より乾燥効果を高めることができる。
なお、符号27は記録媒体Sを画像記録部100に搬送する搬送ローラ対であり、一方は駆動ローラ27a、他方は駆動ローラ27aの回転に伴って従動回転する従動ローラ27bである。
<ヒータによる加熱原理の説明>
以下、ヒータの詳細を説明する。本実施形態は、着色部分に対する加熱特性が、照射される赤外線の波長によって異なることを利用して、記録媒体に記録された画像の色に応じてヒータの出力波長を変化させる点に特徴がある。
まず、ヒータの温度と赤外線の波長について説明する。
ヒータ121は、定格電圧(入力可能な最大の電圧)が入力されたときに、近赤外線(波長約1.2μm)を照射する近赤外線ヒータである。ヒータ121の熱源であるランプ123の温度は、ランプ123に対する入力電圧によって調整できる。入力電圧が高いほどランプ123の温度は高くなり、入力電圧が低いほどランプ123の温度は低くなる。
ヒータ121の電源として交流電源を用いる場合は、ヒータ121に対する入力電圧の調整にはサイリスタ(位相制御手段)による位相制御を利用できる。図3は、位相制御について説明するための図である。位相制御とは、交流電源の半周期毎に電圧を出力するON時間の割合を変化させることで出力電圧を連続的に制御する方式のひとつである。具体的には、電源を供給する回路内にサイリスタを挿入し、半周期毎にサイリスタをオンさせる位相(タイミング)を変化させることで、擬似的に電圧を制御することができる。図3には交流波形を示しており、縦軸は電圧Vを示し、横軸は時間tを示している。また、θは導通角、即ちサイリスタのON時間を示している。サイリスタのオン時間が長いほど、出力電圧は大きくなる。
このような赤外線ヒータが出力する電磁波の波長λは一般に、ウィーンの変位則により、熱源(本実施形態ではランプ123)の温度(絶対温度T)によって決定される。
ウィーンの変位則:波長λ=2897/熱源の絶対温度T
図4は、熱源の温度と、熱源が出力する電磁波の波長との関係を示したグラフである。熱源の温度が低いほど波長λが長くなることがわかる。このように、近赤外線ヒータへの入力電圧を定格電圧よりも低くすると、熱源の温度が定格電圧入力時よりも下がるので、輻射熱の波長λも長くなる。従って、近赤外線ヒータに対する入力電圧を調整することにより、近赤外線ヒータは中赤外線ヒータとしても使用することもできるし、遠赤外線ヒータとして使用することもできる。
赤外線の波長によるインクの加熱特性について説明する。
図5は、黒色インクを100度まで加熱したときの、イエロー、マゼンタ、シアン、白紙領域の加熱温度を赤外線波長別に示した図である。ここで、近赤外線の波長は約0.7〜2.0[μm]、中赤外線の波長は約2.0〜4.0[μm]、遠赤外線の波長は約4.0〜1000[μm]であるとする。
図からわかるように、近赤外線は色による熱吸収差が大きく、黒色の場所を暖め易く、白や黄色、赤、青などはあまり暖めないという特徴がある。中赤外線は、各色の熱吸収差は近赤外線よりも小さいが、色による熱吸収差は存在する。遠赤外線は、色による熱吸収差はほとんどないという特徴がある。
以上の赤外線の加熱特性を、記録媒体に形成された画像との関係で説明する。
近赤外線は黒のみの熱吸収特性が高いため、画像が形成された記録媒体を加熱した場合、黒色インクが着弾したモノクロ領域の温度だけが高くなり、他の部分の温度はモノクロ領域ほど高くならない。黒色インクのみを用いるモノクロ記録時に記録媒体を近赤外線によって加熱した場合には、モノクロ領域の温度だけが高くなるので、その部分の水分が蒸発する。また、インクが着弾していない白紙領域は温度があまり高くならないため、元々記録媒体に含まれる水分ほとんど飛ぶことはない。従って、加熱することによってモノクロ領域と白紙領域の含水率が近づいて記録媒体の含水率が全体として均一となり、局所的な水分過多による記録媒体の変形(コックリング)の発生を抑制できる。
しかし、黒以外のインクを使用するカラー記録時に近赤外線によって記録媒体を加熱した場合には、モノクロ領域の温度は高くなるが、イエロー、マゼンタ、シアンのインクが着弾したカラー領域の温度は上がらない。モノクロ領域の水分は蒸発するが、カラー領域の乾燥は不十分となるため、カラー領域の局所的な水分過多による用紙変形が発生する。
ここで、カラー記録時に中赤外線又は遠赤外線によって記録媒体を加熱した場合には、モノクロ領域とカラー領域が平均的に加熱されるため、局所的な水分過多による用紙変形を抑制できる。
このような赤外線の加熱特性の違いから、本実施形態においては、記録媒体Sにモノクロ画像を記録するか、カラー画像を記録するかに応じてヒータが出力する赤外線の波長を変化させる制御を実施する。
ここで、記録媒体が一般的なインクジェット用記録紙である場合、インクの記録媒体への浸透時間は0.02秒程度と短時間であるため、記録媒体を早急に加熱して水分を除去する必要がある。仮に、照射可能な赤外線波長が異なる複数の熱源を搬送方向に沿って配置し、モノクロ記録時かカラー記録時かによって動作する熱源を変更したのでは、乾燥が間に合わずに用紙が変形する虞がある。
そこで、本実施形態においては、モノクロ記録時にはヒータ121を近赤外線ヒータとして使用し、カラー記録時にはヒータ121を中赤外線ヒータ又は遠赤外線ヒータとして使用する。本実施形態においては単一のヒータを使用し、モノクロ記録時かカラー記録時かに応じてヒータから照射する赤外線の波長を切り換えて記録媒体を加熱するので、良好な加熱・乾燥が実現できる。
<制御ブロック図>
図6は、本発明の一実施形態に係る画像記録装置の制御ブロック図である。
制御装置200は、ホストI/F201、主制御部203、記録ヘッド駆動部205、塗布ヘッド駆動部207、搬送モータ駆動部209、ランプ制御部211を備える。
ホストI/F201は、ホストコンピュータ220内のプリンタドライバ221により生成された印刷データ及び印刷条件(モノクロ記録又はカラー記録の別、記録媒体の種類又は材質、ページ数、片面印刷又両面印刷の別、集約印刷処理の有無等)を受信する。なお、この印刷条件は、プリンタドライバ221が提供するダイアログを通じてユーザが設定するものである。ホストI/F201が受信した印刷条件は、主制御部203によって処理される。
主制御部203はCPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータ装置である。CPUは画像記録装置の全体を統括的に制御する。CPUは、ホストI/F201が受信した印刷条件を解析して、印刷条件に従って印刷データの印刷を実行する。ROMは不揮発性メモリから構成され、CPUが実行するプログラム等を記憶している。RAMは揮発性メモリから構成され、画像データやプログラムを一時格納するCPUのメインメモリである。CPUはROMに記憶されたプログラムをRAMに展開して実行する。また、主制御部203は、上流側温度センサ129a、下流側温度センサ129bが計測した記録媒体Sの温度に基づいて、各種の処理を実行する。
記録ヘッド駆動部205は、印刷データに従って記録ヘッド113を駆動する。
塗布ヘッド駆動部207は、印刷データ又は記録媒体のサイズに基づいて決定された前処理液を塗布すべき領域に関するデータに従って前処理液塗布ヘッド115を駆動する。
搬送モータ駆動部209は、記録媒体を搬送する搬送モータ230を駆動する。搬送モータの駆動により、駆動ローラ23a、27a(図1、図2参照)が回転する。
ランプ制御部211は、印刷条件に従って、ヒータ121を構成するランプ123の点灯、消灯、及びランプが出射する赤外線の波長を制御する。ランプ制御部211は、ヒータ121の各ランプ123に対して交流電力を供給する手段である。ランプ制御部211は、電源電圧の位相を制御することにより、各ランプ123に供給する電圧を可変させるサイリスタ(位相制御手段)を含んで構成される。
<フローチャート>
画像記録装置の動作についてフローチャートに基づいて説明する。図7は、本発明の一実施形態に係る画像記録装置の基本的な動作を示したフローチャートである。
ステップS1において主制御部203は、搬送モータ駆動部209が搬送モータ230を駆動させたか否かを監視し、搬送モータ駆動部209が搬送モータ230を駆動させた場合(ステップS1にてYES)にステップS2の処理を実行する。
ステップS2において主制御部203は、ホストI/F201を介してプリンタドライバ221から受信した印刷条件を解析し、印刷がモノクロ記録であるか、カラー記録であるか否かを判断する。
印刷がモノクロ記録である場合(ステップS2にてYES)ランプ制御部211は、ヒータ121が近赤外線(第一の波長の電磁波)を出射するように、ヒータ121を制御する。即ち、ランプ制御部211はランプ123に対して定格電圧(第一の電圧)を供給し、ランプ123を近赤外領域にて点灯させる(ステップS3)。
一方、印刷がカラー記録である場合(ステップS2にてNO)ランプ制御部211は、ヒータ121が中赤外領域(又は遠赤外領域:第一の波長よりも長波長の第二の波長の電磁波)を出射するように、ヒータ121を制御する。即ち、ランプ制御部211はランプ123に対して定格電圧よりも低い電圧(第一の電圧よりも低圧の第二の電圧)を供給し、ランプ123を中赤外領域(又は遠赤外領域)にて点灯させる(ステップS4)。
ステップS5において主制御部203は、搬送モータ駆動部209が搬送モータ230を停止させた否かを監視する。
搬送モータ駆動部209が搬送モータ230を停止させた場合(ステップS5にてYES)、ランプ制御部211は、ランプ123に対する電圧の供給を停止し、ランプ123を消灯させる(ステップS6)。
<効果>
以上のように、本実施懈形態によれば、モノクロ記録かカラー記録に応じて、加熱手段から出射される赤外線の波長を変更するので、記録媒体に着弾したインクを色に応じて速やかに乾燥し、定着させることが可能となる。
また、加熱手段として電気ヒータを用いるので、電気ヒータへの供給電圧を変更するだけで電気ヒータから出射される赤外線の波長を変更できる。また、電気ヒータに交流電力を供給する場合は、供給電圧を変更する手段としてサイリスタ等、交流電力の位相を制御する手段を用いることができ、簡単な回路構成で電気ヒータが出射する赤外線の波長を変更できる。
〔第二の実施形態〕
本発明の第二の実施形態に係る画像記録装置について説明する。
第一の実施形態においては、モノクロ記録を実行するかカラー記録を実行するかに応じて、ヒータが記録媒体に対して近赤外線を照射するか、中・遠赤外線を照射するかを決定した。しかし、赤外線のもつ光エネルギーは長波長になるほど低下するため、光エネルギーの低い中・遠赤外線を近赤外線照射時と同一の条件で照射してもインク中の水分を効果的に蒸発させることができなくなる。
そこで本実施形態においては、赤外線の波長に応じて記録媒体に照射されるエネルギーを増減させる処理を実行する。即ち、ヒータが中・遠赤外線を出射する場合は記録媒体に照射されるエネルギーを増大させる処理を実行し、ヒータが近赤外線を出射する場合は記録媒体に照射されるエネルギーを減少させる処理を実行する。
以下では、照射エネルギー増減処理を2つの実施形態に基づき説明する。
<照射エネルギーの増減処理1〜ヒータの昇降>
第一の照射エネルギー増減処理は、ヒータを記録媒体に対して接近又は離間させる処理である。以下、図6のブロック図、及び図8を参照しながら説明する。図8は、ヒータの昇降動作について説明する為の模式図である。
図6のブロック図に示すように、画像記録装置はヒータ121を搭載したヒータ昇降装置130(接離機構)を備えている。ヒータ昇降装置130は、ヒータ121を記録媒体Sから離間した離間位置(図8中、破線にて示す上昇位置)と、記録媒体Sに接近した接近位置(図8中、実線にて示す下降位置)との間で移動させる。ヒータ121を記録媒体Sから離間させることで、記録媒体Sに対するランプ一本あたりの照射エネルギーが減少する。逆に、ヒータ121を記録媒体Sに接近させることで、記録媒体Sに対するランプ一本あたりの照射エネルギーが増大する。
ヒータ昇降装置130は、制御装置200内の昇降装置駆動部213によって駆動制御される。
図9は、本発明の第二の実施形態に係る画像記録装置の動作を示したフローチャートである。図7のフローチャートと同一のステップには同一の番号を付し、その説明を省略する。
ステップS2において主制御部203が、印刷がモノクロ記録であると判断した場合(ステップS2にてYES)、ステップS11の照射エネルギー減少処理が実行される。本実施形態における照射エネルギー減少処理において昇降装置駆動部213は、ヒータ121を記録媒体Sから離間させる(上昇させる)ようにヒータ昇降装置130を制御する。その後、ランプ制御部211はランプ123を近赤外領域にて点灯させる(ステップS3)。
ステップS2において主制御部203が、印刷がカラー記録であると判断した場合(ステップS2にてNO)、ステップS12の照射エネルギー増大処理が実行される。本実施形態における照射エネルギー増大処理において昇降装置駆動部213は、ヒータ121を記録媒体Sに接近させる(下降させる)ようにヒータ昇降装置130を制御する。その後、ランプ制御部211はランプ123を中赤外領域にて点灯させる(ステップS4)。
以上のように記録媒体Sとヒータ121との距離を増大させることで、ヒータ121が記録媒体Sに対して与える照射エネルギー、より詳しくは、記録媒体Sに対して与えるランプ一本あたりの照射エネルギーを減少させることができる。また、記録媒体Sとヒータ121との距離を短縮することで、ヒータ121が記録媒体Sに対して与える照射エネルギー、より詳しくは、記録媒体Sに対して与えるランプ一本あたりの照射エネルギーを増大させることができる。従って、照射する赤外線の波長による照射エネルギー差を縮小する(又はゼロにする)ことができ、モノクロ記録時においてもカラー記録時においても、インク中の水分を効果的に蒸発させることができる。
<照射エネルギーの増減処理2〜点灯ランプの増減>
第二の照射エネルギー増減処理は、ヒータを構成するランプの点灯数量を増加又は減少させる処理である。以下、図6のブロック図、及び図10を参照しながら説明する。図10は、ランプの点灯数量について説明する為の模式図である。
図10の模式図や、図6のブロック図に示すように、ヒータ121は、熱源として複数のランプ123a〜123dを備えている。ランプ制御部211は、ヒータ121が出射する赤外線の波長に応じて、各ランプ123のオン/オフを制御する。
例えば、記録媒体Sに近赤外線を照射する場合は、ランプ123aと123bを点灯し、ランプ123cと123dを消灯する。ランプ123の点灯数量を減少させることで、記録媒体Sに対する赤外線の総照射エネルギーが減少する。また、記録媒体Sに中赤外線、又は遠赤外線を照射する場合は、ランプ123a〜123dを点灯する。ランプ123の点灯数量を増大させることで、記録媒体Sに対する赤外線の総照射エネルギーが増大する。
本実施形態について、図9のフローチャートを参照しながらその動作を説明する。
ステップS2において主制御部203が、印刷がモノクロ記録であると判断した場合(ステップS2にてYES)、ステップS11の照射エネルギー減少処理が実行される。本実施形態における照射エネルギー減少処理は、主制御部203が点灯させるべきランプを決定する処理であり、例えば主制御部203はランプ123a〜123dのうち一部のランプ(例えばランプ123aと123b)を点灯するランプに決定する。その後、ランプ制御部211は主制御部203の決定に従ってランプ123aを近赤外領域にて点灯させる(ステップS3)。
ステップS2において主制御部203が、印刷がカラー記録であると判断した場合(ステップS2にてNO)、ステップS12の照射エネルギー増大処理が実行される。本実施形態における照射エネルギー増大処理は、主制御部203が点灯させるべきランプを決定する処理であり、例えば主制御部203は全てのランプ123a〜123dを点灯するランプに決定する。その後、ランプ制御部211は主制御部203の決定に従ってランプ123a〜123dを中赤外領域にて点灯させる(ステップS4)。
主制御部203及びランプ制御部211は、ヒータ121が近赤外線を出射する場合に動作させるランプ123の数量よりも、中赤外線(又は遠赤外線)を出射する場合に動作させるランプ123の数量を増大させるように制御する。点灯するランプの数量を減少させれば、記録媒体Sに対する赤外線の総照射エネルギーは減少する。逆に、点灯するランプの数量を増大させれば、記録媒体Sに対する赤外線の総照射エネルギーは増大する。従って、照射する赤外線の波長による照射エネルギー差を縮小する(又はゼロにする)ことができ、モノクロ記録時においてもカラー記録時においても、インク中の水分を効果的に蒸発させることができる。
なお、ヒータの昇降と点灯ランプの増減は同時に実行してもよい。
〔第三の実施形態〕
本発明の第三の実施形態について説明する。本実施形態は、インク滴吐出直前に記録媒体に前処理液を塗布する場合の制御に関する実施形態である。
前処理液はインクを凝集させる凝集剤を含む溶液であり、インク滴吐出直前の記録媒体に塗布することにより画質向上効果を得られる。前処理液は透明に近い液体であるため、前処理液は白紙領域に近い熱吸収特性を有する(図5参照)。そこで、本実施形態においては記録媒体Sに前処理液が塗布される場合は、モノクロ記録時かカラー記録時かに関わらず、ランプ制御部211はランプ123が中赤外線(又は遠赤外線)を出射するようにランプ123を制御する。特に、記録媒体S中、インクの着弾しない白紙領域にも前処理液が塗布される場合に、ランプ123を中赤外領域(又は遠赤外領域)にて点灯させように制御するとより好適である。
図11は、本発明の第三の実施形態に係る画像記録装置の動作を示したフローチャートである。図7のフローチャートと同一のステップには同一の番号を付し、その説明を省略する。
ステップS2において主制御部203が、印刷がモノクロ記録であると判断した場合(ステップS2にてYES)、ステップS21の処理が実行される。
ステップS21において主制御部203は、前処理液が塗布されているか否かを判断する。塗布されていない場合(ステップS21にてNO)、ランプ制御部211はランプ123を近赤外領域にて点灯させる(ステップS3)。塗布されている場合(ステップS21にてYES)、ランプ制御部211はランプ123を中赤外領域にて点灯させる(ステップS4)。
以上の制御により、前処理液が塗布されている場合であっても、用紙水分の増加によるシワや用紙変形等のダメージの発生をより効果的に抑えた状態で、用紙から水分を蒸発させることができ、印刷品質の向上をより効果的に達成することができる。即ち、前処理液が塗布されている場合に中赤外線又は遠赤外線によって記録媒体Sを加熱するので、インクが着弾した領域と前処理液が塗布された領域とを平均的に加熱して、局所的な水分過多による用紙変形を抑制する。
〔第四の実施形態〕
本発明の第四の実施形態に係る画像記録装置について説明する。本実施形態においては、記録媒体の材質に基づいてヒータから記録媒体に与える熱エネルギーを制御する点に特徴がある。
インクジェット記録装置においては、一般的に用いられる記録紙(普通紙やコート紙)の他、プラスチックシート等も記録媒体として使用できる。普通紙やコート紙の耐熱温度(加熱上限温度)は100度程度であるが、プラスチックシートは高温加熱によりシワや変形等のダメージ(損傷)を受けやすく、普通紙やコート紙よりも耐熱温度が低い(例えば耐熱温度は50度程度である)。本実施形態においては耐熱温度が低い記録媒体についても、シワや変形等のダメージ(損傷)を与えることなくインク中の水分を蒸発させるために、記録媒体の材質に基づいてヒータから記録媒体に与える熱エネルギーを制御する。
ここで、ヒータによって加熱された直後の記録媒体の温度は、加熱直前の記録媒体の温度、ヒータから与えられる熱エネルギーの総量、及び記録媒体の熱吸収率によって決まる。従って、加熱直後の記録媒体の温度が耐熱温度を超えないようにするために図6に示す主制御部203は、以下の演算を実施する。即ち、主制御部203は、上流側温度センサ129aが測定した記録媒体Sの加熱直前の温度と、プリンタドライバ221から受信した記録媒体Sの耐熱温度と熱吸収率から、記録媒体に対して与えることができる熱エネルギーの総量を算出する。主制御部203は算出した熱エネルギーの総量と、印刷条件(モノクロ記録かカラー記録か)に基づいて決定された赤外線の波長と、記録媒体の搬送速度から、記録媒体に対して単位時間に与えるべき熱エネルギー量に応じて、ヒータ121の昇降位置を決定し、又は/及び、点灯させるランプ123の数量を決定する。
なお、記録媒体の搬送速度が比較的遅い場合や、印刷濃度が比較的薄い場合には、インク中の水分を効果的に蒸発させるために記録媒体に対して与える熱エネルギーを低減させることができるため、熱による記録媒体のダメージも低減できる。
図12は、本発明の第四の実施形態に係る画像記録装置の動作を示したフローチャートである。
ステップS31において主制御部203は、搬送モータ駆動部209が搬送モータ230を駆動させたか否かを監視し、搬送モータ駆動部209が搬送モータ230を駆動させた場合(ステップS31にてYES)にステップS32の処理を実行する。
ステップS32において主制御部203は、搬送モータ230の回転速度、即ち記録媒体Sの搬送速度を取得する。
ステップS33において主制御部203は、ホストI/F201を介してプリンタドライバ221から受信した印刷条件を解析する。なお、この印刷条件には、印刷がモノクロ記録であるかカラー記録であるかの情報の他、記録媒体の種類、耐熱温度及び熱吸収率も含む。
ステップS34において主制御部203は、上流側温度センサ129aからヒータ121による加熱直前の記録媒体Sの温度を取得する。
ステップS35において主制御部203は、記録媒体Sの加熱直前の温度と耐熱温度と熱吸収率から、記録媒体に対して与えることができる熱エネルギーの総量を算出する。
ステップS36において主制御部203は、算出された熱エネルギーの総量と、印刷条件(モノクロ記録かカラー記録か)に基づいて決定された赤外線の波長と、記録媒体Sの搬送速度から、記録媒体に対して単位時間に与えるべき熱エネルギー量に応じた、ヒータ121の位置と点灯させるランプ123の数量を決定する。
ステップS37において昇降装置駆動部213は、主制御部203が決定したヒータ121の位置に応じて、ヒータ121を上昇又は下降させるようにヒータ昇降装置130を制御する。
ステップS38においてランプ制御部211は、主制御部203が決定した数量のランプを、印刷条件(モノクロ記録かカラー記録か)に基づいて決定された赤外線の波長にて点灯させる。
ステップS39において主制御部203は、搬送モータ駆動部209が搬送モータ230を停止させた否かを監視する。
搬送モータ駆動部209が搬送モータ230を停止させた場合(ステップS39にてYES)、ランプ制御部211は、ランプ123に対する電圧の供給を停止し、ランプ123を消灯させる(ステップS40)。
以上のように本実施形態によれば、記録媒体の耐熱温度に応じてヒータから記録媒体に与える熱エネルギーを制御するので、耐熱温度が低い記録媒体についても、シワや変形等のダメージ(損傷)を与えることなくインク中の水分を効率的に蒸発させることができる。
なお、制御装置200は、記録媒体Sの加熱直後の温度を下流側温度センサ129bから取得し、記録媒体Sの加熱直後の温度が耐熱温度を超えないように、ヒータ121からの照射エネルギーを上下させるフィードバック制御を実施してもよい。このフィードバック制御は単独で実施してもよいし、第四の実施形態にて説明した制御と合わせて補助的に実行してもよい。さらに、フィードバック制御において照射エネルギーを上下させる制御例としては、第二の実施形態に示したようにヒータの昇降と点灯ランプの増減があるが、モノクロ記録時には、ヒータの昇降と点灯ランプの増減制御の他、照射する赤外線の波長を長くする制御を行ってもよい。
〔実施態様例とその効果〕
本発明は、夫々以下の態様にて実施できる。
<第一の実施態様>
本態様に係る画像記録装置(インクジェット記録装置1)は、記録媒体Sを搬送する搬送手段(給紙搬送部20)を備え、搬送手段によって搬送される記録媒体に対して記録ヘッド113からインク滴を吐出して画像を記録する画像記録装置であって、記録ヘッドよりも記録媒体の搬送方向下流側に配置されて記録媒体を輻射熱(赤外線)により加熱する加熱手段(ヒータ121)と、加熱手段の動作を制御する制御手段(制御装置200)と、を備え、制御手段は、記録媒体にモノクロ画像を記録するモノクロ記録時の場合は、加熱手段が第一の波長の電磁波(近赤外線)を出射するように加熱手段を制御し、記録媒体にカラー画像を記録するカラー記録時の場合は、加熱手段が第一の波長よりも長波長の第二の波長(中赤外線又は遠赤外線)の電磁波を出射するように加熱手段を制御することを特徴とする。
本態様によれば、モノクロ記録かカラー記録に応じて、加熱手段から出射される赤外線の波長を変更するので、記録媒体に着弾したインクを色に応じて速やかに乾燥し、定着させることが可能となる。
<第二の実施態様>
本態様に係る画像記録装置(インクジェット記録装置1)において、加熱手段(ヒータ121)は電気ヒータであり、制御手段(制御装置200)は、モノクロ記録時には、加熱手段が第一の波長の電磁波(近赤外線)を出射するように加熱手段に対して第一の電圧(定格電圧)を供給し、カラー記録時には、加熱手段が第二の波長の電磁波(中赤外線又は遠赤外線)を出射するように加熱手段に対して第一の電圧よりも低圧の第二の電圧を供給することを特徴とする。
加熱手段として電気ヒータを用いるので、電気ヒータへの供給電圧を変更するだけで電気ヒータから出射される赤外線の波長を変更できる。
<第三の実施態様>
本態様に係る画像記録装置(インクジェット記録装置1)において、制御手段(制御装置200、特にランプ制御部211)は、加熱手段(ヒータ121)に対して交流電力を供給する手段であり、加熱手段に供給する電圧を可変させる位相制御手段(サイリスタ)を備えていることを特徴とする。
加熱手段に交流電力を供給する場合は、供給電圧を変更する手段としてサイリスタ等、交流電力の位相を制御する手段を用いることができ、簡単な回路構成で加熱手段が出射する電磁波の波長を変更できる。
<第四の実施態様>
本態様に係る画像記録装置(インクジェット記録装置1)は、加熱手段(ヒータ121)が記録媒体Sから離間した離間位置と、記録媒体に接近した接近位置との間で、加熱手段を移動させる接離機構(ヒータ昇降装置130)を備え、制御手段(制御装置200、特に昇降装置駆動部213)は、加熱手段が第一の波長の電磁波(近赤外線)を出射する場合には、加熱手段を離間位置に移動させるように接離機構を制御し、加熱手段が第二の波長の電磁波(中赤外線又は遠赤外線)を出射する場合には、加熱手段を接近位置に移動させるように接離機構を制御することを特徴とする。
記録媒体と加熱手段との距離を増大させることで、加熱手段が記録媒体に対して与える照射エネルギーを減少させることができる。記録媒体と加熱手段との距離を減少させることで、加熱手段が記録媒体に対して与える照射エネルギーを増大させることができる。従って、照射する電磁波の波長による照射エネルギー差を縮小する(又はゼロにする)ことができ、モノクロ記録時においてもカラー記録時においても、インク中の水分を効果的に蒸発させることができる。
<第五の実施態様>
本態様に係る画像記録装置(インクジェット記録装置1)において、加熱手段(ヒータ121)は電磁波(赤外線)を出射する複数の熱源(ランプ123a〜123d)を備え、制御手段(制御装置200)は、加熱手段が第一の波長の電磁波(近赤外線)を出射する場合に動作させる熱源の数量よりも、加熱手段が第二の波長の電磁波(中赤外線又は遠赤外線)を出射する場合に動作させる熱源の数量を増大させるように制御することを特徴とする。
動作する熱源の数量を減少させれば、記録媒体に対する電磁波の総照射エネルギーは減少する。逆に、動作する熱源の数量を増大させれば、記録媒体に対する電磁波の総照射エネルギーは増大する。従って、照射する電磁波の波長による照射エネルギー差を縮小する(又はゼロにする)ことができ、モノクロ記録時においてもカラー記録時においても、インク中の水分を効果的に蒸発させることができる。
<第六の実施態様>
本態様に係る画像記録装置において第一の波長の電磁波は、波長が0.7μmから2μmの近赤外領域の電磁波であることを特徴とする。
モノクロ記録時に近赤外線によって記録媒体Sを加熱した場合には、モノクロ領域の温度だけが高くなるので、その部分の水分が蒸発する。また、インクが着弾していない白紙領域は温度があまり高くならないため、元々記録媒体に含まれる水分ほとんど飛ぶことはない。従って、加熱することによってモノクロ領域と白紙領域の含水率が近づいて記録媒体の含水率が全体として均一となり、局所的な水分過多による記録媒体の変形(コックリング)の発生を抑制できる。
<第七の実施態様>
本態様に係る画像記録装置において第二の波長の電磁波は、波長が2μmから4μmの中赤外領域の電磁波であることを特徴とする。
カラー記録時に中赤外線によって記録媒体Sを加熱した場合には、モノクロ領域とカラー領域が平均的に加熱されるため、局所的な水分過多による用紙変形を抑制できる。
<第八の実施態様>
本態様に係る画像記録装置において第二の波長の電磁波は、波長が4μmから1000μmの遠赤外領域の電磁波であることを特徴とする。
カラー記録時に遠赤外線によって記録媒体Sを加熱した場合には、モノクロ領域とカラー領域が平均的に加熱されるため、局所的な水分過多による用紙変形を抑制できる。
<第九の実施態様>
本態様に係る画像記録装置(インクジェット記録装置1)は、記録ヘッド113よりも記録媒体Sの搬送方向上流側に配置されて記録媒体に前処理液を塗布する前処理液塗布手段(前処理液塗布ヘッド115)を備え、制御手段(制御装置200)は、記録媒体に前処理液が塗布される場合はモノクロ記録時かカラー記録時かに関わらず、加熱手段が第二の波長の電磁波(中赤外線又は遠赤外線)を出射するように加熱手段を制御することを特徴とする。
前処理液は透明に近い液体であるため、前処理液は白紙領域に近い熱吸収特性を有する。前処理液の塗布時に第二の波長の電磁波によって記録媒体Sを加熱した場合には、インクが着弾した領域と前処理液が塗布された領域が平均的に加熱されるため、局所的な水分過多による用紙変形を抑制できる。
1…インクジェット記録装置(画像記録装置)、20…給紙搬送部(搬送手段)、21…給紙トレイ、22…給紙ローラ、23…搬送ベルト、23a…駆動ローラ、23b…テンションローラ、24…手差トレイ、25…給送ローラ対、27…搬送ローラ対、27a…駆動ローラ、27b…従動ローラ、30…排出部、31…排出ローラ対、32…排紙トレイ、100…画像記録部、110…インク吐出部、111…インクカートリッジ、113…記録ヘッド、115…前処理液塗布ヘッド(前処理液塗布手段)、120…加熱部、121…ヒータ(加熱手段)、123…ランプ、125…リフレクタ、127…反射板、129…温度センサ、129a…上流側温度センサ、129b…下流側温度センサ、130…ヒータ昇降装置(接離機構)、200…制御装置、201…ホストI/F、203…主制御部、205…記録ヘッド駆動部、207…塗布ヘッド駆動部、209…搬送モータ駆動部、211…ランプ制御部、213…昇降装置駆動部、220…ホストコンピュータ、221…プリンタドライバ、230…搬送モータ
特開2006−224460公報

Claims (9)

  1. 記録媒体を搬送する搬送手段を備え、前記搬送手段によって搬送される前記記録媒体に対して記録ヘッドからインク滴を吐出して画像を記録する画像記録装置であって、
    前記記録ヘッドよりも前記記録媒体の搬送方向下流側に配置されて前記記録媒体を輻射熱により加熱する加熱手段と、前記加熱手段の動作を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記記録媒体にモノクロ画像を記録するモノクロ記録時の場合は、前記加熱手段が第一の波長の電磁波を出射するように加熱手段を制御し、前記記録媒体にカラー画像を記録するカラー記録時の場合は、前記加熱手段が前記第一の波長よりも長波長の第二の波長の電磁波を出射するように前記加熱手段を制御することを特徴とする画像記録装置。
  2. 前記加熱手段は電気ヒータであり、
    前記制御手段は、前記モノクロ記録時には、前記加熱手段が前記第一の波長の電磁波を出射するように前記加熱手段に対して第一の電圧を供給し、前記カラー記録時には、前記加熱手段が前記第二の波長の電磁波を出射するように前記加熱手段に対して前記第一の電圧よりも低圧の第二の電圧を供給することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
  3. 前記制御手段は、前記加熱手段に対して交流電力を供給する手段であり、前記加熱手段に供給する電圧を可変させる位相制御手段を備えていることを特徴とする請求項2に記載の画像記録装置。
  4. 前記加熱手段が前記記録媒体から離間した離間位置と、前記記録媒体に接近した接近位置との間で、前記加熱手段を移動させる接離機構を備え、
    前記制御手段は、前記加熱手段が前記第一の波長の電磁波を出射する場合には、前記加熱手段を前記離間位置に移動させるように前記接離機構を制御し、前記加熱手段が前記第二の波長の電磁波を出射する場合には、前記加熱手段を前記接近位置に移動させるように前記接離機構を制御することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の画像記録装置。
  5. 前記加熱手段は電磁波を出射する複数の熱源を備え、
    前記制御手段は、前記加熱手段が前記第一の波長の電磁波を出射する場合に動作させる前記熱源の数量よりも、前記加熱手段が前記第二の波長の電磁波を出射する場合に動作させる前記熱源の数量を増大させるように制御することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像記録装置。
  6. 前記第一の波長の電磁波は、波長が0.7μmから2μmの近赤外領域の電磁波であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の画像記録装置。
  7. 前記第二の波長の電磁波は、波長が2μmから4μmの中赤外領域の電磁波であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の画像記録装置。
  8. 前記第二の波長の電磁波は、波長が4μmから1000μmの遠赤外領域の電磁波であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の画像記録装置。
  9. 前記記録ヘッドよりも前記記録媒体の搬送方向上流側に配置されて前記記録媒体に前処理液を塗布する前処理液塗布手段を備え、
    前記制御手段は、前記記録媒体に前記前処理液が塗布される場合は前記モノクロ記録時か前記カラー記録時かに関わらず、前記加熱手段が前記第二の波長の電磁波を出射するように前記加熱手段を制御することを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の画像記録装置。
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