一部のタイプの電気ケーブルは、そのケーブルの長手方向縁部に沿って絶縁されていない。一部の場合には、電気ケーブルは、ケーブルの長手方向縁部付近に配置された、導電材料を含み得る。一部の場合には、この導電材料を含むことにより、遮蔽を提供することができる。相互接続されるデバイスの数及び速度が増加するにつれて、かかるデバイス間で信号を伝達する電気ケーブルは、より小さく、並びに許容不可能な干渉、すなわちクロストークを有することなく、より高速な信号を伝達することができる必要がある。隣接する導体により伝達される信号間の相互作用を低減するために、幾つかの電気ケーブルにおいて遮蔽が使用される。本明細書で説明されるケーブルの多くは、概して平坦な構成を有し、ケーブルの長さに沿って延在する導体セット、並びにケーブルの両面上に配置される電気遮蔽フィルムを含む。隣接する導体セット間の、遮蔽フィルムの挟み付け部分は、導体セットを互いに電気的に分離するのに役立つ。しかしながら、縁部付近に配置された、そのような導電材料、例えば、遮蔽フィルムは、その縁部で電気的接触を形成して、電気的短絡を引き起こしやすい。具体的には、ケーブル縁部は、接地とは異なる電圧を有する導電性表面と電気的に接触する際、短絡を引き起こす恐れがある。それゆえ、ケーブル上に非導電性の縁部を作り出すことが、関心の対象となる。本開示は、電気的短絡の可能性を低減するためにケーブル縁部に適用される、様々な縁部絶縁構造を目的とする。この縁部絶縁構造は、ケーブルを構築する際に、又は後の工程で、作り出すことができる。電気的短絡を防止する他に、この縁部絶縁構造はまた、水分がケーブルに浸透することも防止することができる。本開示はまた、フィルムの縁部に材料を適用するための、装置及び方法も目的とする。この同じ装置及び方法を使用して、縁部絶縁構造を作り出すことができる。
一部の実装では、電気ケーブルは、作製された後に、好適な幅にトリミングされる。このトリミングにより、ケーブルの縁部に沿った一部の場所で、導電材料の露出が引き起こされる場合がある。この状況では、それらの場所に絶縁構造を適用することが有益である。一部の場合には、電気ケーブルの縁部全体に沿って絶縁構造を適用する必要はない。例えば、そのような場合には、ケーブルの縁部上の幾つかの場所に、絶縁構造を適用することにより、電気的短絡の可能性を低減することができる。
図1は、縁部絶縁電気ケーブル100の例示的な実施形態を示す。縁部絶縁電気ケーブル100は、電気ケーブル110と、ケーブル110の長さ方向縁部に沿った縁部絶縁構造120とを含む。一部の実装では、縁部絶縁構造120は、絶縁材料を含み得る。この絶縁材料は、例えば、任意のタイプの誘電材料とすることができる。この誘電材料は、例えば、UV硬化性材料、熱可塑性材料などとすることができる。
一部の実施形態では、縁部絶縁構造は、本質的に円筒形状に、すなわち、本明細書で縁部ビードと称される形状に構築することができる。一部の実施形態では、縁部ビードは、特定の条件下で可撓性の、任意の種類の誘電材料のうちの1つによって構築することができるため、その誘電材料は、ケーブル縁部に適用することができる。例えば、縁部ビードは、感圧性接着剤、ホットメルト材料、熱硬化性材料、及び硬化性材料によって構築することができる。感圧性接着剤としては、シリコーンポリマー系、アクリレートポリマー系、天然ゴムポリマー系、及び合成ゴムポリマー系のものが挙げられる。それらは、所望の特性を提供するために、様々な材料を使用して、粘着付与、架橋、及び/又は充填することができる。ホットメルト材料は、規定の温度及び/又は圧力を超えて加熱されると、粘着性となり、基材に対して良好に接着し、この接着剤が冷却されると、基材に対する良好な結合を保持しつつ、その凝集強さが増大する。ホットメルト材料のタイプの例としては、ポリアミド、ポリウレタン、エチレンと酢酸ビニルとのコポリマー、及びより極性の高い化学種(無水マレイン酸などの)で修飾されたオレフィンポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。熱硬化性材料は、室温で、あるいは熱及び/又は圧力の適用により、基材と密着した接触を作り出すことができる材料である。加熱することにより、その熱硬化性樹脂内で化学反応が発生し、周囲温度、準周囲温度、及び昇温状態での長期的な凝集強さを提供する。熱硬化性材料の例としては、エポキシ、シリコーン、ポリエステル、及びポリウレタンが挙げられる。硬化性材料は、熱硬化性樹脂を含み得るが、本明細書では、硬化性材料は、外部からの化学種又はエネルギーの追加の有無に関わらず、室温で硬化することができる点で区別される。例としては、2成分エポキシ及びポリエステル、1成分湿気硬化シリコーン及びポリウレタン、並びに紫外線、可視光、又は電子ビームエネルギーなどの化学線を利用して硬化させる接着剤が挙げられる。
一部の実施形態では、縁部絶縁構造は、本明細書では縁部フィルムと称される、ケーブルの縁部を覆う1つ又は2つ以上のフィルムの層によって、構築することができる。一部の実装では、縁部フィルムは、高分子材料の層を含み得るものであり、その高分子材料としては、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド−イミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、シリコーンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ポリウレタン、アクリレート、シリコーン、天然ゴム、エポキシ、及び合成ゴム接着剤が挙げられるが、これらに限定されない。一部の他の実装では、縁部フィルムはまた、対象用途に関して好適な特性を提供するために、1種類又は2種類以上の添加剤及び/又は充填剤も含み得る。これらの添加剤及び充填剤は、例えば、難燃剤、UV安定剤、熱安定剤、抗酸化剤、潤滑剤、着色顔料などとすることができる。
一部の実施形態では、縁部絶縁構造120は、導電材料及び絶縁材料の双方を含み得る。導電材料は、電気ケーブル110に結合させることができ、その一方で、絶縁材料は、その導電材料の上に適用することができる。絶縁構造120は、そのケーブルの構成体の一部である材料、例えば、ケーブル内で使用される接着剤材料を、使用することができる。例示的な実施形態では、電気ケーブル110は、1つ又は2つ以上の導体セット104を含み、各導体セット104は、その電気ケーブルの長さに沿った1つ又は2つ以上の絶縁導体を含む。一部の実施形態では、縁部絶縁構造120は、電気的短絡の可能性を低減するように、電気ケーブル110の縁部の一部分に結合することができるが、縁部全体には結合されない。
電気ケーブル110は、ケーブルの長手方向縁部上の場所付近に配置され、ケーブル上のその場所で電気的接触しやすい、導電材料を含み得る。例えば、この導電材料は、ケーブル全体にわたって配置され、その縁部で、又は縁部付近で電気的接触を形成する潜在性がある、遮蔽フィルム108とすることができる。一部の実施形態では、電気ケーブル110は、ケーブル110の幅wの全体又は一部分に沿って互いに離間し、かつケーブル110の長さLに沿って延在する、複数個の導体セット104を含む。ケーブル110は、図1に示すように、概して平面構成に配置構成することができ、又はその長さに沿った1つ又は2つ以上の場所で、折り曲げ構成へと折り曲げることもできる。一部の実装では、ケーブル110の一部の部分を、平面構成に配置構成することができ、ケーブルの他の部分を、折り曲げることができる。幾つかの構成において、ケーブル110の導体セット104の少なくとも1つが、ケーブル110の長さ、Lに沿って延在する2つの絶縁導体106を含む。この導体セット104の2つの絶縁導体106は、ケーブル110の長さLの全体又は一部分に沿って、実質的に平行に配置構成することができる。絶縁導体106は、絶縁信号線、絶縁電源線、又は絶縁接地線を含み得る。2枚の遮蔽フィルム108が、ケーブル110の両面上に配置される。
第1及び第2の遮蔽フィルム108は、横断面で、ケーブル110がカバー領域114及び挟み付け領域118を含むように、配置構成される。ケーブル110のカバー領域114内では、第1及び第2の遮蔽フィルム108のカバー部分107が、横断面で、各導体セット104を実質的に包囲する。例えば、遮蔽フィルムのカバー部分は、いずれかの所定の導体セットの外周の、少なくとも75%を、又は少なくとも80%、85%、若しくは90%を、全体として包囲し得る。第1及び第2の遮蔽フィルムの挟み付け部分109は、各導体セット104の両側において、ケーブル110の挟み付け領域118を形成する。ケーブル110の挟み付け領域118内では、一方又は双方の遮蔽フィルム108が撓められて、遮蔽フィルム108の挟み付け部分109を、より近位へと接近させる。一部の構成では、図1に示すように、双方の遮蔽フィルム108が、挟み付け領域118内で撓められて、挟み付け部分109を、より近位へと接近させる。一部の構成では、一方の遮蔽フィルムは、ケーブルが平面構成又は折り曲げられない構成にある場合、挟み付け領域118内で比較的平坦なまま維持することができ、ケーブルの反対面上の他方の遮蔽フィルムを撓めることにより、その遮蔽フィルムの挟み付け部分を、より近位へと接近させることができる。
ケーブル110はまた、遮蔽フィルム108の間の、少なくとも挟み付け部分109の間に配置される、接着層140も含み得る。接着層140は、遮蔽フィルム108の挟み付け部分109を、ケーブル110の挟み付け領域118において互いに結合する。接着層140は、ケーブル110のカバー領域114内に存在してもよいし、存在しなくてもよい。
一部の場合には、導体セット104は、横断面で、実質的に曲線形状の包絡線又は外周を有し、遮蔽フィルム108は、ケーブル110の長さLの少なくとも一部に沿って、好ましくは実質的に全てに沿って、その断面形状に実質的に適合して、その断面形状を維持するように、導体セット104の周囲に配置される。断面形状を維持することにより、導体セット104の設計で意図されるように、導体セット104の電気的特性が維持される。このことは、導体セットの周囲に導電性遮蔽体を配置することにより、その導体セットの断面形状が変化する、一部の従来の遮蔽電気ケーブルに勝る有利点である。
図1に示す実施形態では、各導体セット104は、正確に2つの絶縁導体106を有するが、他の実施形態においては、一部又は全ての導体セットが、1つの絶縁導体のみを含む場合があり、又は3つ以上の絶縁導体106を含む場合もある。例えば、図1と同様の設計の代替的な遮蔽電気ケーブルは、8つの絶縁導体106を有する1つの導体セット、又は、それぞれが1つの絶縁導体106のみを有する8つの導体セットを含み得る。導体セット及び絶縁導体の配置のこの柔軟性により、開示される遮蔽電気ケーブルを、多種多様な対象用途に関して好適な方式で構成することが可能になる。例えば、導体セット及び絶縁導体は、複数の二芯同軸ケーブル(すなわち、それぞれが絶縁導体を2つ有する複数の導体セット)、複数の同軸ケーブル(すなわち、それぞれが絶縁導体を1つのみ有する複数の導体セット)、又はこれらの組み合わせを形成するように構成され得る。幾つかの実施形態において、導体セットは、1つ又は2つ以上の絶縁導体の周辺に配置される導電性遮蔽体(図示せず)、及び導電性遮蔽体の周辺に配置される絶縁ジャケット(図示せず)を更に含んでもよい。
図1に示す実施形態では、遮蔽電気ケーブル110は、任意選択的な接地導体112を更に含む。接地導体112は、接地線又はドレイン線を含み得る。接地導体112は、絶縁導体106から離間して、絶縁導体106と実質的に同じ方向で延在することができる。遮蔽フィルム108を、接地導体112の周囲に配置することができる。接着層140は、接地導体112の両側上の挟み付け部分109内で、遮蔽フィルム108を互いに結合することができる。接地導体112は遮蔽フィルム108の少なくとも1つと電気的に接触してもよい。幾つかの例示的な電気ケーブル構成体が、「Shielded Electrical Cable」と題される米国特許出願公開第2012−0090873号、及び「High Density Shielded Electrical Cable and Other Shielded Cables,Systems and Methods」と題される国際公開第2012/030365号で詳細に論じられており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図2は、縁部絶縁構造200の例示的な実施形態の断面図である。例示的な実施形態では、縁部絶縁構造200は、絶縁材料250を含む。絶縁材料250は、絶縁を提供し、かつ縁部に近接するケーブルの部分に結合させることが可能な、任意のタイプの材料とすることができる。例えば、絶縁材料は、ビード様形状を有する縁部絶縁構造を形成することができる。絶縁材料250は、ケーブルの縁部に結合され、このケーブルは、例えば、誘電体フィルム210、接着層220、遮蔽フィルム230(すなわち、金属)、及び誘電体層240(すなわち、ホットメルト接着剤)の層を含む。
遮蔽フィルム230は、様々な構成を有し、様々な方法で作製することができる。一部の場合には、1つ又は2つ以上の遮蔽フィルムは、導電性層及び非導電性高分子層を含み得る。導電性層は、銅、銀、アルミニウム、金、及びこれらの合金を含むが、これらに限定されない任意の好適な導電材料を含んでもよい。非導電性高分子層は、任意の好適な高分子材料を含み得るものであり、それらの高分子材料としては、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド−イミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、シリコーンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ポリウレタン、アクリレート、シリコーン、天然ゴム、エポキシ、及び合成ゴム接着剤が挙げられるが、これらに限定されない。非導電性高分子層は、対象用途に関して好適な特性を提供するために、1種類又は2種類以上の添加剤及び/又は充填剤を含み得る。一部の場合には、少なくとも一方の遮蔽フィルムは、導電性層と非導電性高分子層との間に配置される、積層接着層を含み得る。非導電性層上に配置された導電性層を有する遮蔽フィルム、又は導電性の一方の主要外表面と、実質的に非導電性の反対側主要外表面とを、別の方式で有する遮蔽フィルムに関しては、その遮蔽フィルムは、必要に応じて幾つかの異なる配向で、遮蔽ケーブル内に組み込むことができる。一部の場合には、例えば、導電性表面が、絶縁線の導体セット及び接地線に向かい合っていてもよく、一部の場合には、非導電性表面が、それらの構成要素に向かい合っていてもよい。2つの遮蔽フィルムが、ケーブルの両面上に使用される場合には、それらのフィルムは、それらの導電性表面が互いに向かい合い、それぞれが導体セット及び接地線に向かい合うように配向することができ、あるいはそれらのフィルムは、それらの非導電性表面が互いに向かい合い、それぞれが導体セット及び接地線に向かい合うように配向することができ、あるいはそれらのフィルムは、一方の遮蔽フィルムの導電性表面が、導体セット及び接地線に向かい合うが、ケーブルの他方の面からは、他方の遮蔽フィルムの非導電性表面が、導体セット及び接地線に向かい合うように配向することができる。
一部の場合には、少なくとも一方の遮蔽フィルムは、柔軟な又は可撓性の金属箔などの、単独型の導電性フィルムであってもよいし、又はその単独型の導電性フィルムを含んでいてもよい。この遮蔽フィルムの構成体は、例えば、遮蔽電気ケーブルの可撓性、電気的性能、及び構成(例えば、接地導体の存在及び場所などの)などの、対象用途に関して好適な幾つかの設計パラメータに基づいて、選択することができる。一部の場合には、遮蔽フィルムは一体形成された構成体を有してもよい。一部の場合には、遮蔽フィルムは、0.01mm〜0.05mmの範囲内の厚さを有していてもよい。遮蔽フィルムは、所望により導体セット間の離間距離、遮蔽、及び正確な間隔を提供し、かつより自動化され、より低コストのケーブル製造プロセスを可能にする。更には、遮蔽フィルムは、高い信号減衰が特定の周波数範囲で発生する、「信号のサックアウト」、すなわち共振として知られる現象を防止する。この現象は、典型的には、導電性遮蔽体が導体セットの周りに巻き付けられる、従来の遮蔽電気ケーブル内で発生する。
本明細書の他の部分で論じられるように、ケーブル構成体内で接着剤材料を使用して、ケーブルのカバー領域で、1つ又は2つの遮蔽フィルムを、1つ、一部、若しくは全ての導体セットに結合することができ、及び/又は接着剤材料を使用して、ケーブルの挟み付け領域で、2つの遮蔽フィルムを一体に結合することができる。接着剤材料の層は、少なくとも1つの遮蔽フィルム上に配置されてもよく、2つの遮蔽フィルムがケーブルの両側で使用される場合においては、接着剤材料の層は、両方の遮蔽フィルム上に配置されてもよい。後者の場合において、一方の遮蔽フィルム上で使用される接着剤は、他方の遮蔽フィルム上に使用される接着剤と同じであることが好ましいが、必要に応じてこれと異なっていてもよい。所定の接着層は、電気的絶縁性の接着剤を含み得、2つの遮蔽フィルムの間に絶縁性結合を提供することができる。更には、所定の接着層は、少なくとも一方の遮蔽フィルムと、1つ、一部、若しくは全ての導体セットの、絶縁導体との間、及び少なくとも一方の遮蔽フィルムと、1つ、一部、若しくは全ての接地導体(存在する場合)との間に、絶縁性結合を提供することができる。あるいは、所定の接着層は、導電性の接着剤を含み得、2つの遮蔽フィルムの間に導電性結合を提供することができる。更には、所定の接着層は、少なくとも一方の遮蔽フィルムと、1つ、一部、若しくは全ての接地導体(存在する場合)との間に、導電性結合を提供することができる。好適な導電性接着剤は、電流の流れを提供するための導電性粒子を含む。導電性粒子は、球体、フレーク、ロッド、立方体、非晶質、又は他の粒子形状などの、現在使用されている粒子のタイプのいずれかとすることができる。それらの導電性粒子は、カーボンブラック、カーボンファイバー、ニッケル球体、ニッケルコーティングされた銅球体、金属コーティングされた酸化物、金属コーティングされた高分子繊維、又は他の同様の導電性粒子などの、固体若しくは実質的に固体の粒子とすることができる。これらの導電性粒子は、銀、アルミニウム、ニッケル、又は酸化インジウムスズなどの導電材料でメッキ若しくはコーティングされる、電気絶縁材料から作製することができる。金属コーティングされた絶縁材料は、中空のガラス球体などの、実質的に中空の粒子とすることができ、又はガラスビーズ若しくは金属酸化物などの、中実材料を含み得る。導電性粒子は、カーボンナノチューブなどの、約数十マイクロメートルからナノメートルサイズの材料とすることができる。好適な導電性接着剤はまた、導電性高分子マトリックスも含み得る。
所与のケーブル構成体で使用されるとき、接着層は好ましくは、ケーブルの他の要素に対して、実質的に適合性のある形状を有し、ケーブルの曲げ動作に対して適合性がある。一部の場合には、所与の接着層は実質的に連続的であってもよく、例えば、所与の遮蔽フィルムの所与の主表面の実質的な全体長さ及び幅に沿って延在してもよい。一部の場合には、接着層は、実質的に非連続的であってよい。例えば、接着層は、所定の遮蔽フィルムの長さ又は幅に沿った、一部の部分内にのみ存在することができる。不連続接着層は、例えば複数の長手方向の接着ストライプを含み得、この接着ストライプは、例えば、各導体セットの対向する側の遮蔽フィルムの挟み付け部分間、及び接地導体(存在する場合)の側方の遮蔽フィルム間に配置される。所与の接着剤材料は、感圧接着剤、ホットメルト接着剤、熱硬化性接着剤、及び硬化性接着剤の少なくとも1つであるか、又はこれを含んでもよい。接着層は、1つ又は2つ以上の絶縁導体と遮蔽フィルムとの間の結合部よりも実質的に強い、遮蔽フィルム間の結合部を提供するように構成されてもよい。これは、例えば、接着剤の配合物の適切な選択によって達成することができる。この接着剤構成の有利点は、遮蔽フィルムを、絶縁導体の絶縁体から容易にストリッピングすることが可能になる点である。他の場合において、接着層は、実質的に同等の強度である、遮蔽フィルムの間の結合部、及び1つ又は2つ以上の絶縁導体と遮蔽フィルムとの間の結合部を提供するように構成されてもよい。この接着剤構成の有利点は、絶縁導体が、遮蔽フィルム間に固定される点であるこの構成体を有する遮蔽電気ケーブルが屈曲される場合、このことにより、相対運動を小さくすることが可能になり、それゆえ、遮蔽フィルムが座屈する可能性が低減される。好適な結合強度は、対象用途に基づいて選択することができる。一部の場合には、約0.13mm未満の厚さを有する、適合性のある接着層を使用してもよい。例示的な実施形態において、接着層は、約0.05mm未満の厚さを有する。
所与の接着層は、遮蔽電気ケーブルの所望の機械的及び電気的性能特性を達成するように適合してもよい。例えば、接着層は、導体セット間の区域内の、遮蔽フィルム間で、より薄くなるように適合することができ、このことは、遮蔽ケーブルの、少なくとも横方向の可撓性を増大させる。このことにより、遮蔽ケーブルを、より容易に、曲線状の外側ジャケット内に定置することが可能になり得る。一部の場合には、接着層は、導体セットに直接隣接する区域内で、より厚くなるように適合し、その導体セットに実質的に適合することができる。このことにより、これらの区域内で、機械的強度が増大し、遮蔽フィルムの曲線形状の形成を可能にすることができ、このことは、例えばケーブルを屈曲させる間の、遮蔽ケーブルの耐久性を増大させることができる。更には、このことは、遮蔽ケーブルの長さに沿って、遮蔽フィルムに対する絶縁導体の位置及び間隔を維持するために役立つことができ、このことは、遮蔽ケーブルの、より均一なインピーダンス、及びより優れた信号保全性をもたらし得る。
所与の接着層は、例えば、ケーブルの挟み付け領域における導体セット間の領域において、遮蔽フィルム間で有効に、部分的又は完全に取り除かれるように適合することができる。結果として、遮蔽フィルムは、これらの領域において互いに電気的に接触することができ、これはケーブルの電気性能を増加させ得る。一部の場合には、接着層は、有効に、少なくとも一方の遮蔽フィルムと接地導体との間で、部分的に、又は完全に除去されるように、適合することができる。結果として、接地導体は、これらの領域における遮蔽フィルムの少なくとも1つと電気的に接触してもよく、これはケーブルの電気的性能を向上させることができる。接着剤の薄い層が、遮蔽フィルム及び所与の接地導体の少なくとも一方の間に残る場合であっても、接地導体のアスペリティが薄い接着層を打ち破り、意図される電気的接触を生成する。
縁部絶縁構造は、様々な形態、例えば、縁部ビード、絶縁フィルム、及び縁部の折り曲げの形態を呈することができる。図3A〜3Eは、電気ケーブル300及び縁部ビード310を含む、本開示の態様による縁部ビードの幾つかの例示的な実施形態の、断面図を示す。ケーブル300は、複数の層を含み得る。一部の場合には、これらの複数の層のうちの1つは、導電性とすることができる。本明細書で使用するとき、縁部ビードとは、縁部に塊部を有する、縁部絶縁構造を指す。一部の構成では、この縁部の塊部は、断面が本質的に円形のものとすることができる。一部の構成では、縁部ビードは、より良好な支持を提供するための、ケーブルの上面及び/又は下面に結合される部分を含み得る。縁部ビード310は、1種類又は2種類以上の縁部ビード材料を含む。縁部ビード材料は、典型的には、特定の条件下で剛性ではない誘電材料を含むため、ケーブル300の縁部に、その誘電材料を、縁部の形状に適合させて適用することができる。一部の実施形態では、縁部ビード材料は、熱可塑性化合物、又は硬化性化合物、例えば、UV硬化性、3ビーム、若しくは空気硬化性の化合物を含む。一部の場合には、縁部ビード材料は、接着剤材料を含み得ることにより、この接着剤材料を介して、電気ケーブル300に誘電材料を結合する。一部の場合には、縁部ビード材料は、その絶縁構造に防護を提供するための、コーティング材料を含み得る。一部の実装では、誘電材料は、電気ケーブルの縁部に、液体形態(すなわち、融解物、溶液など)で適用される。縁部ビードを構築する方法が、以下で更に論じられる。
図3Aは、ケーブル300の縁部のみを覆う、縁部ビード310の例示的な実施形態を示す。縁部ビード310は、例えば、縁部を覆う半円又は円の一部の、断面形状を有し得る。一部の場合には、この材料が、ケーブルの上面及び下面の少なくとも一方、並びに縁部に適用される場合、ケーブル300に対する、より強固な縁部ビード310の結合を得ることができる。図3Bは、ケーブル300の縁部、並びに上面及び下面の一部分を覆う、縁部ビード310の例示的な実施形態を示す。断面図では、この縁部ビードは、概して円形のものとすることができる。図3Cは、縁部、並びに縁部付近のケーブルの上面及び下面の双方の部分を覆う、縁部ビード310の別の例示的な実施形態を示す。この実施形態では、縁部ビード310は、その厚さよりも大きい、上面及び下面の諸部分を覆う幅を有し得る。図3Dは、一方の表面上で、ケーブル300の反対表面上の区域よりも大きい区域を覆う、縁部ビード310の更なる例示的な実施形態を示す。
一部の実施形態では、縁部ビード310は、少なくとも部分的に、電気ケーブル300内で使用される誘電材料によって形成することができる。図3Dに示すように、ケーブル300は、誘電体層320を含む複数の層を有し得る。誘電体層320は、誘電材料325を収容していてもよい。誘電材料325は、例えば、遮蔽フィルム(すなわち、図2の230)を結合するために使用される、熱可塑性材料又はホットメルト材料とすることができる。特定の実施形態では、誘電材料325は、条件変化に晒されると、ケーブル内の別の場所に移行するように、適合させることができる。例えば、誘電材料325は、圧力下にある場合、別の場所に移動することができる。別の例では、誘電材料325は、加熱される場合、流動性になることができる。一部の場合には、縁部絶縁構造は、縁部付近から縁部の外側に、誘電材料325を押し出すことによって形成することができる。一部の構成では、誘電材料325は、電気ケーブル300に結合させることができる、任意の種類の接着剤材料である。縁部ビード310は、誘電材料325によって形成することができる。一部の他の構成では、電気ケーブル300の縁部部分は、ケーブル300から誘電材料325を押し出す前に、接着剤材料でコーティングされる。更に別の構成では、ケーブル300の縁部に誘電材料325を適用した後に、誘電材料325の上に別の材料を適用することにより、例えば誘電材料325を覆うための、支持及び/又は防護を提供することができる。
一部の実施形態では、電気ケーブルは、図4に示すように、電気ケーブルに沿って、第1の側方位置で長さ方向に延在する、リザーバ又はポケットを含み得る。このリザーバは、ケーブル内の第1の側方位置とは異なる、ケーブル内の第2の側方位置へと移行されるように適合された誘電材料を収容するように、構成することができる。縁部絶縁構造は、この誘電材料をケーブルの外縁部へと移行させることによって、形成することができる。図4は、ケーブルに沿って長さ方向に延在するリザーバ420を有する、電気ケーブル400の例示的な実施形態の断面図である。リザーバ420は、ケーブル内の幅方向に沿った隣接区域430よりも、大きい容積を有し得る。リザーバ420は、ケーブルの第2の場所へと移行されるように適合された誘電材料425を格納することができる。一部の構成では、リザーバ420は、特定の条件下で流動性である誘電材料425を、収容することができる。例えば、誘電材料425は、熱が加えられた後に、流動性になることができる。
一部の実施形態では、誘電材料は、リザーバが押し出されるか、圧迫されるか、圧搾される場合に、又は他の機械的手法によって、第2の側方位置へと移行させることができる。一部の場合には、誘電材料は、リザーバが加熱される場合に、第2の側方位置へと移行させることができる。リザーバ内の誘電材料は、電気ケーブルの縁部へと流動して、縁部ビードを形成することができる。図5は、電気ケーブル500のリザーバ520内に配置された誘電材料525によって形成される、縁部ビード510の例示的な実施形態を示す。一部の構成では、電気ケーブル500の長手方向縁部の少なくとも一部分は、誘電材料525が、ケーブル500から、例えば図4に示すようなリザーバ420から押し出される前に、接着剤の層でコーティングされる。
図6A〜6Eは、縁部フィルム内の縁部絶縁構造の、幾つかの例示的な実施形態を示す。一部の実施形態では、これらの縁部フィルムは、典型的には、電気ケーブルの長手方向縁部付近の領域に適用される。この縁部フィルムは、任意の好適な高分子材料のものとすることができ、それらの高分子材料としては、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド−イミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、シリコーンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ポリウレタン、アクリレート、シリコーン、天然ゴム、エポキシ、及び合成ゴム接着剤が挙げられるが、それらに限定されない。更には、この縁部フィルムは、対象用途に関して好適な特性を提供するために、1種類又は2種類以上の添加剤及び/又は充填剤を含み得る。
図6A及び図6Bは、電気ケーブル600の周囲で折り曲げられる、縁部フィルム610の実施形態を示す。一部の他の実施形態では、電気ケーブル600は、電気ケーブル600の縁部に配置された導電性層を含む、複数の層を有し得る。そのような導電性層は、ケーブル600の縁部での電気的接触の可能性を増大させる恐れがある。縁部フィルム610は、1種類又は2種類以上の材料の層を含み得る。例示的な実施形態では、縁部フィルム610は、接着剤材料の層620、及び裏地層630を含み得る。別の実施形態では、縁部フィルム610は、ケーブル600に結合される材料の単一層を含み得る。更に別の例示的な実施形態では、縁部フィルム610は、導電性層及び誘電体層を含み得、導電性層は、遮蔽を提供することができ、誘電体層は、電気的短絡の可能性を低減することができる。更なる他の例示的な実施形態では、縁部フィルム610は、複数の層、例えば、導電性層、誘電材料の層、及び裏地層を含み得る。
図6C及び図6Dは、縁部フィルムを有する縁部絶縁電気ケーブル650の、別の実施形態を示す。縁部絶縁構造は、例えば任意の機械的手段、接着手段、若しくは化学的手段によって一体に結合される、上方縁部フィルム660及び下方縁部フィルム670によって形成される。例示的な実施形態では、縁部フィルム660及び縁部フィルム670は、誘電材料の層690の層を含み得る。任意選択的に、縁部フィルム660及び縁部フィルム670の少なくとも一方は、接着剤材料の層680を含み得る。一部の場合には、縁部フィルム660及び縁部フィルム670の双方が、接着剤材料の層680を含み得る。そのような構成では、縁部フィルム660及び縁部フィルム670は、接着層680によって一体に結合させることができる。一部の場合には、一方の縁部フィルムのみが、接着層680を含む。例えば、上方縁部フィルム660が接着層680を含み、下方縁部フィルム670は接着層を含まない。上方縁部フィルムと下方縁部フィルム670とは、その接着層680によって結合させることができる。別の実施形態では、縁部フィルム610は、ケーブル600に結合することができる、誘電材料690の単一層を含み得る。この材料の単一層は、例えば、硬化性化合物の層とすることができる。更に他の場合には、縁部フィルム660及び縁部フィルム670は、複数の層、例えば、導電性層、誘電材料の層、及び裏地層を含み得る。
図6Eは、図6Dに示す実施形態と同様に構築された縁部フィルムを有する、縁部絶縁ケーブル650の別の例示的な実施形態を示す。例示的な実施形態では、縁部フィルム660及び縁部フィルム670の少なくとも一方は、ケーブル650のケーブル表面全体を覆い、そのケーブルの両側で、長さ方向に沿って絶縁構造を形成することができる。
図7A〜7Pは、折り曲げによって形成される縁部絶縁構造の、幾つかの例示的な実施形態を示す。電気ケーブル700は、長手方向縁部付近の場所に配置された導電材料を有し、その縁部で電気的接触を形成しやすい。一部の実施形態では、電気ケーブル700は、ケーブルの長さに沿って折り曲げられる。このケーブルの折り目が、ケーブルの第1部分及びケーブルの第2部分を画定し、このケーブルの第2部分は、そのケーブルの長手方向縁部を含む。縁部絶縁構造は、結合材料が、ケーブルの長さに沿って、第1部分に第2部分を結合することによって形成される。
図7Aは、折り曲げによって構築される縁部絶縁構造710の、例示的な実施形態を示す。この実施形態では、電気ケーブル700は、長さ方向の線715に沿って折り曲げられる。電気ケーブル700は、典型的には、上面及び下面の双方の最外層として、誘電材料層を有する。ケーブル700は、線715によって区切られる2つの部分である、第1部分705及び第2部分707を有する。第2部分707は、ケーブル700の長手方向縁部を含む。第2部分707を、第1部分705の上に折り曲げ、任意の結合手段によって、例えば、接着剤材料、ホットメルト材料などによって、第1部分705に結合することができる。それゆえ、縁部絶縁構造710は、誘電材料層がケーブル700の縁部を覆うことによって形成される。
図7Bは、折り曲げによって構築される縁部絶縁構造710の、別の例示的な実施形態を示す。この実施形態では、電気ケーブル700は、長さ方向の線715に沿って折り曲げられる。ケーブル700は、線715によって区切られる2つの部分である、第1部分705及び第2部分707を有する。第2部分707は、ケーブル700の長手方向縁部を含む。第2部分707を、第1部分705の上に折り曲げ、任意の結合手段によって、例えば、接着剤材料、ホットメルト材料などによって、第1部分705に結合することができる。例示的な実施形態では、ケーブル700の縁部は、縁部ビード720によって更に覆うことができる。縁部ビード720は、上述の1つ又は2つ以上の縁部ビード材料によって構築することができる。それゆえ、縁部絶縁構造710が形成される。
図7Cは、折り曲げによって構築される縁部絶縁構造710の、更に別の例示的な実施形態を示す。この実施形態では、電気ケーブル700は、長さ方向の線715に沿って折り曲げられる。この折り目が、第1部分705及び第2部分707を画定する。第2部分707は、ケーブル700の長手方向縁部を含む。第2部分707を、第1部分705の上に折り曲げ、任意の結合手段によって、例えば、接着剤材料、ホットメルト材料などによって、第1部分705に結合することができる。ケーブル700の縁部は、縁部ビード720によって更に覆うことができる。縁部ビード720は、誘電材料730を含み得る。誘電材料730は、ケーブル700の構成体内で使用することができる。誘電材料730は、ケーブルから押し出されることにより、そのケーブルの縁部を覆うことができる。それゆえ、縁部絶縁構造710が形成される。
一実施形態では、電気ケーブル700は、図7D及び図7Eに示すように、リザーバ740で折り曲げられる。この実施形態では、電気ケーブル700は、リザーバ740で分離される(すなわち、切断されるなど)。例示的な実施形態では、電気ケーブル700は、リザーバ740を横断する線750に沿って分離することができる。リザーバ740は、この切断線750に沿った2つのフィルムの部分である、下部フィルム760及び上部フィルム765を含む。下部フィルム760は、典型的には、外層として絶縁層770を含む。次に、リザーバ740の下部フィルム760を、ケーブル700の長手方向縁部の周囲で巻き付けることができる。図7Eに示すように、下部フィルム760がケーブル700の長手方向縁部の周囲で巻き付けられた後、絶縁層770は、ケーブル700の長手方向縁部を覆う外層になることにより、その縁部に絶縁を提供する。一部の実施形態では、下部フィルム760は、絶縁層770の内側に、導電材料層780を含む。そのような実装では、下部フィルム760が折り曲げられる場合、導電材料層780は、遮蔽を提供することができ、絶縁層770は、最外層として残存して絶縁を提供する。下部フィルム760は、接着剤又は他の結合材料によって、ケーブル700の上面790に結合されることにより、縁部絶縁構造710を形成することができる。一部の場合には、接着剤又は結合材料は、リザーバ740の内側に配置することができる。一部の実装では、元のリザーバ740の残留材料を収容する、より小さい空洞部795を、この折り曲げによって形成することができる。一部の他の実装では、この折り曲げ構造は、空洞部を有さない、平坦なものとすることができる。一部の実装では、リザーバ740は、絶縁層770を含み得る。ケーブル700は、ケーブルの長さに沿って、このリザーバで切断することができ、その切断により、ケーブルの長手方向縁部が露出する。ケーブルと共に残存する、リザーバの絶縁層770の一部分を、ケーブル700の長手方向縁部の周囲で巻き付けることにより、縁部絶縁構造を形成することができる。
図7F及び図7Gは、折り曲げによって形成される縁部絶縁構造710の、一部の他の実施形態を示す。図7Fを参照すると、電気ケーブル700が折り曲げられ、その折り目が、第1部分705及び第2部分707を画定する。第2部分707は、ケーブル700の長手方向縁部を含む。一部の場合には、ケーブル700は、この縁部付近の場所に配置され、その場所で電気的接触を形成しやすい、導電材料を含み得る。第2部分707を、第1部分705に向けて、ケーブルの長さに沿って折り曲げ、任意の結合手段によって、例えば、接着剤材料、ホットメルト材料などによって、第1部分705に結合することができる。第2部分707は、第1層708及び第2層709を有し得る。一部の実装では、第2層709は、第1層708よりも短くなるように、切断又はトリミングされる。第2層709が、第1層708によって覆われることにより、縁部絶縁構造710が形成される。
図7Gは、図7Fに示すものと同様の実装を示し、縁部絶縁構造710は、第2部分707が、第1部分705の上に折り曲げられ、次いで第1層708が、第2部分707内で第2層709を覆うことによって形成される。一部の実施形態では、第1層708の縁部に、縁部ビード720を適用することにより、縁部絶縁構造710を完成させることができる。縁部ビード720は、上述の1つ又は2つ以上の縁部ビード材料によって構築することができる。一部の実装では、縁部ビード720は、ケーブル構成体内で使用される材料によって構築することができる。
図7H〜7Pは、電気ケーブル700の特定の層を折り曲げることによって形成される、縁部絶縁構造710の幾つかの実施形態を示す。一部の実施形態では、電気ケーブル700は、第1層708及び第2層709を有し、この第2層は、第2層の長手方向縁部付近に配置され、その縁部で電気的接触を形成しやすい、導電材料を有する。ケーブルの第2層709は、第1層708に向けて、ケーブルの長さに沿って折り曲げられ、その折り目が、第2層の第1部分711と、第2層の長手方向縁部を含む、第2層の第2部分712とを画定する。縁部絶縁構造は、結合材料が、ケーブルの長さに沿って、第2層の第2部分712に、第2層の第2部分712を結合することによって、形成される。
図7H及び図7Iは、折り曲げによって形成される縁部絶縁構造の、例示的な実施形態を示す。図7Hを参照すると、電気ケーブル700は、第1層708及び第2層709を含む。第2層709は、第2層の長手方向縁部付近に配置され、その縁部で電気的接触を形成しやすい、導電材料を有し得る。図7Iを参照すると、第2層709は、第1層708に向けて、ケーブルの長さに沿って折り曲げられ、その折り目が、第2層709の第1部分711、及び第2層709の第2部分712を画定する。第2部分712は、第2層709の長手方向縁部を含み得る。縁部絶縁構造710は、結合材料によって、ケーブルの長さに沿って、第2層の第1部分711に、第2層の第2部分712を結合することによって、形成される。
図7Jは、図7Iに示すものと同様の実施形態を示す。一部の実施形態では、図7Iに示す折り曲げに加えて、第1層708、及び第2層709の第1部分711に、縁部ビード720を適用することにより、縁部絶縁構造710を完成させることができる。縁部ビード720は、上述の1つ又は2つ以上の縁部ビード材料によって構築することができる。一部の実装では、縁部ビード720は、ケーブル構成体内で使用される材料によって構築することができる。
図7Kは、折り曲げによって形成される縁部絶縁構造710の、一実施形態を示す。電気ケーブル700は、第1層708及び第2層709を含む。第1層708は、より短い長さを有するようにトリミングされる。第2層709は、第1層708に向けて、ケーブルの長さに沿って折り曲げられ、その折り目が、第2層709の第1部分711、及び第2層709の第2部分712を画定する。第2層の第2部分712は、第2層709の長手方向縁部を含み得る。第2層の第2部分712は、第1層708に向けて、ケーブルの長さに沿って更に折り曲げられ、その折り目が、第2層の第3部分713及び第4部分714を画定する。縁部絶縁構造710は、結合材料が、ケーブルの長さに沿って、第2層の第3部分713に、第2層の第4部分714を結合することによって、形成される。
図7Lは、図7Kに示すものと同様の実施形態を示す。一部の実施形態では、図7Kに示す折り曲げに加えて、第1層708、及び第2層709の第4部分714に、縁部ビード720を適用することにより、縁部絶縁構造710を完成させることができる。縁部ビード720は、上述の1つ又は2つ以上の縁部ビード材料によって構築することができる。一部の実装では、縁部ビード720は、ケーブル構成体内で使用される材料によって形成することができる。
図7M及び図7Nは、折り曲げによって縁部絶縁構造を構築する実施形態を示す。図7Mを参照すると、電気ケーブル700は、第1層708及び第2層709を含み得る。電気ケーブル700は、典型的には、誘電性の最外層を有する。第1層708及び第2層709の双方を、それぞれ他方の層に向けて折り曲げることができる。図7Nを参照すると、第2層709は、第1層708に向けて、ケーブルの長さに沿って折り曲げることができ、その折り目が、第2層709の第1部分711、及び第2層709の第2部分712を画定する。第2層709の第2部分712は、第2層709の長手方向縁部を含み得る。結合材料によって、ケーブルの長さに沿って、第2層の第2部分712を、第2層の第1部分711に結合させることができる。第1層708は、第2層709に向けて、ケーブルの長さに沿って折り曲げることができ、その折り目が、第1層708の第1部分717、及び第1層708の第2部分716を画定する。第1層708の第2部分716は、第1層708の長手方向縁部を含み得る。結合材料によって、ケーブルの長さに沿って、第1層708の第2部分716を、第1層708の第1部分717に結合させることができる。それゆえ、典型的には誘電材料である、ケーブル700の最外層が縁部を覆う、縁部絶縁構造710が形成される。任意選択的に、一部の実装では、第2層709の第2部分712と第1層708の第2部分716とを、結合材料722によって結合することができる。一部の場合には、結合材料722を、ケーブル構成体内で使用することができ、そのケーブルから、結合材料722が押し出される。
図7O及び図7Pは、折り曲げによって縁部絶縁構造を構築する、他の2つの実施形態を示す。図7O及び図7Pを参照すると、電気ケーブル700は、第1層708及び第2層709を含み得る。電気ケーブル700は、典型的には、誘電性の最外層を有する。第1層708及び第2層709の双方を、それぞれ他方の層に向けて折り曲げることができる。第2層709は、第1層708に向けて、ケーブルの長さに沿って折り曲げることができ、その折り目が、第2層709の第1部分711、及び第2層709の第2部分712を画定する。第2層709の第2部分712は、第2層709の長手方向縁部を含み得る。結合材料によって、ケーブルの長さに沿って、第2層の第2部分712を、第2層の第1部分711に結合させることができる。任意選択的に、第1層708は、第2層709に向けて、ケーブルの長さに沿って折り曲げることができ、その折り目が、第1層708の第1部分717、及び第1層708の第2部分716を画定する。第1層708の第2部分716は、第1層708の長手方向縁部を含み得る。結合材料によって、ケーブルの長さに沿って、第1層708の第2部分716を、第1層708の第1部分717に結合させることができる。それゆえ、典型的には誘電材料である、ケーブル700の最外層が縁部を覆う、縁部絶縁構造710が形成される。
図7Oは、第1層708が第2層709よりも短くトリミングされる、例示的実装を示す。この実施形態では、第1層708の第2部分716を、第2層709の第1部分711に結合することにより、縁部絶縁構造710を形成することができる。図7Pは、第2層709が、ケーブル700の長さ方向に沿って、第1層708よりも短くトリミングされる、例示的実装を示す。この実施形態では、第2層709の第2部分712を、第1層708の第1部分717に結合することにより、縁部絶縁構造710を形成することができる。
ホットメルトダイ装置
一部の実施形態では、縁部ビードは、図8に示すような、ダイアセンブリによって構築することができる。ダイアセンブリはまた、フィルムの縁部に材料を適用するために使用することもできる。一部の実施形態では、ダイアセンブリは、ダイチップを通じて材料を分配するように構成される、ダイを含み得る。一部の実装では、フィルムの縁部が、ダイチップに近接して位置決めされ、そのフィルムの縁部に近接してフィルムの縁部に沿って、フィルムの上面及び下面の少なくとも一方に、ダイが材料を分配する。それゆえ、分配された材料は、フィルム上にコーティング領域を形成することができ、そのコーティング領域は、フィルムの縁部付近に限定される。
図8は、ダイアセンブリ800の例示的な実施形態を示す。一部の実施形態では、ダイアセンブリ800は、一体式機械部品としてのダイチップ810を有する。一部の実施形態では、ダイチップ810は、上部ダイリップ820及び下部ダイリップ840を含み得る。任意選択的に、ダイチップ810は、ダイインサート830、並びにダイインサート830とダイリップ820及びダイリップ840とを組み付けるための機械的手段850を含み得る。一部の実装では、任意選択的に、方向870に沿って材料が流れることを可能にするための、ダイ供給チャネル860を、ダイチップ810内に挿入することができる。ダイアセンブリは、ダイチップ810を通じて材料を分配するように構成される。一部の実装では、種々のフィルム構成及び種々の縁部構成に好適な、種々の機械的構造を有する、種々のダイインサート830を、ダイチップ810内に組み付けることができる。一部の実装では、フィルムの縁部を近接して配置することができ、ダイアセンブリ800は、そのフィルムの縁部に近接してフィルムの縁部に沿って、フィルムの上面及び下面の少なくとも一方に材料を分配する。分配された材料は、フィルム上にコーティング領域を形成し、そのコーティング領域は、フィルムの縁部付近に限定される。一部の他の実装では、電気ケーブルの長手方向縁部を、ダイチップ810に近接して位置決めすることができる。ダイアセンブリ800は、その電気ケーブルの縁部に近接してフィルムの縁部に沿って、フィルムの上面及び下面の少なくとも一方に、絶縁材料を分配することができる。次いで、この絶縁材料は、電気ケーブルの長手方向縁部にわたって流動することが可能となる。一部の場合には、凝固、硬化、又は他の手法によって、絶縁材料が更に流動することを防止することができる。
図9Aは、ダイアセンブリ900及びフィルム920の実施形態の斜視図を示す。図9Bは、図9Aに示すダイアセンブリ900の実施形態の側面図を示す。ダイアセンブリ900は、ダイマニホールド905及びダイチップ907を含み得る。ダイチップ907は、上部ダイリップ及び下部ダイリップである、2つのダイリップ910を含み得る。任意選択的に、ダイアセンブリ900は、ケーブルを中心位置に保つための、誘導インサート930を有し得る。例示的な実施形態では、ダイリップ910は、その表面内に溝を有し、縁部絶縁材料940の流れを誘導することができる。縁部絶縁材料940は、方向950に流動している。特定の実施形態では、溝を有する2つのダイリップ910の少なくとも一方により、縁部絶縁材料940は、その溝を通って、フィルムの上面及び下面の少なくとも一方の上へと流動することが可能となる。一部の実装では、縁部絶縁材料940は、フィルムの上面及び下面の少なくとも一方から流動して、図9Cにも示されるように、フィルム920の縁部を覆うことができる。
図10Aは、ダイチップ1000の別の実施形態の斜視図を示し、図10Bは、図10Aに示すダイチップ1000の実施形態の側面図を示す。ダイチップ1000は、第1ダイリップ1010、及び第1ダイリップ1010に向かい合う第2ダイリップ1020を含み得る。一部の実施形態では、第1ダイリップ1010及び第2ダイリップ1020は、その分配部分で、三角形の断面を有し得る。一部の実施形態では、第1ダイリップ1010と第2ダイリップ1020との間に、フィルム1030を配置することができる。縁部絶縁材料1040は、第1ダイリップ1010及び第2ダイリップ1020の少なくとも一方から分配することができる。縁部絶縁材料1040の十分に強固な結合を提供することが重要である、特定の実施形態では、フィルム1030の上面及び/又は下面に、縁部絶縁材料1040を分配して、1050の方向に流動させることにより、フィルム1030の縁部を封着することができる。
一部の実施形態では、ダイチップは、そのダイチップから材料が出て行くことを可能にする、分配部分を含み得る。この分配部分は、断面を、種々の形状に、例えば、三角形、円形などにすることができる。一部の実装では、分配部分は、材料がダイチップから出て行くことができる、分配開口部を含み得る。この分配開口部は、特定の寸法に機械加工することができる。あるいは、この分配開口部は、シムを使用することにより、その間隙開口部を変更して、縁部絶縁構造の厚さを所望の厚さに調節することができるように、材料の流量を変化させることが可能である。
図11Aは、ダイチップ分配部分1100aの実施形態の拡大斜視図を示す。ダイチップ分配部分1100aは、三角形状の断面を有する、分配部分を有する。ダイチップ分配部分1100aは、分配開口部1110aを有する。図11Bは、ダイチップ分配部分1100bの別の実施形態の拡大斜視図を示す。ダイチップ分配部分1100bは、丸い形状の断面を有する、分配部分を有する。ダイチップ分配部分1100bは、分配開口部1110bを有する。
分配開口部は、そのダイチップで、様々な形状及び位置を有し得る。例えば、分配開口部は、円形開口部、スロット開口部などとすることができる。図12Aは、ダイチップ1200の実施形態のダイリップ開放図を示す。図12Bは、図12Aに示すダイチップ1200の実施形態の側面図を示す。ダイチップ1200は、互いに向かい合う2つのダイリップ1210、2つのダイインサート1230、及び2つの分配開口部1220を有する。一部の構成では、一方のダイリップは分配開口部1220を有し得、他方のダイリップは分配開口部を有し得ない。分配開口部1220は、概して円形であり、ダイリップ1210の後縁部に向けて位置決めすることができる。
図13Aは、ダイチップ1300の別の実施形態のダイリップ開放図を示す。図13Bは、図13Aに示すダイチップ1300の実施形態の側面図を示す。ダイチップ1300は、互いに向かい合う2つのダイリップ1310、2つのダイインサート1330、及び2つの分配開口部1320を有する。一部の構成では、一方のダイリップは分配開口部1320を有し得、他方のダイリップは分配開口部を有し得ない。分配開口部1320は、概して円形であり、ダイリップ1310の中央に位置決めすることができる。
図14Aは、ダイチップ1400の更に別の実施形態のダイリップ開放図を示す。図14Bは、図14Aに示すダイチップ1400の実施形態の側面図を示す。ダイチップ1400は、互いに向かい合う2つのダイリップ1410、2つのダイインサート1430、及び2つの分配ポート1420を有する。一部の構成では、一方のダイリップは分配ポート1420を有し得、他方のダイリップは分配開口部を有し得ない。分配ポート1420は、スロット開口部とすることができる。特定の実施形態では、分配開口部は、分配される材料の流動方向に対して、概して垂直にすることができる。
概して図15A〜24Bを参照すると、例えば、本明細書に記載し、図1に示した縁部絶縁ケーブル100に類似した電気ケーブルなどの電気ケーブルに対する縁部絶縁構造は、1つ又は2つ以上の単一誘電ブロックを含んでいてもよい。少なくとも一態様において、単一ブロックの存在により、ケーブルの縁部を防護し、電気的に絶縁し得る、堅固な縁部絶縁構造を作り出すことができる。少なくとも一態様において、単一ブロックは、ケーブル構成体内に保持され、かつケーブルの縁部から外側へと延在し、堅固な手法を提供する。
図15A〜15Cは、本発明の態様に係る、概して矩形の断面を有する単一ブロックを含む縁部絶縁構造の3つの例示的な実施形態を示す。ケーブル1500(図15Aにその縁部部分を示す)は、例えば、図1に示す導体セット104のような、1つ又は2つ以上の導体セットを含む。各導体セットは、ケーブルの長さに沿って延在し、例えば、図1に示される絶縁導体106(各絶縁導体は、誘電材料によって包囲された中心導体を含んでいる)のような、1つ又は2つ以上の絶縁導体を含む。ケーブル1500は、1つ又は2つ以上の誘電単一ブロック1502を更に含む。各単一ブロック1502は、ケーブルの長さに沿って延在する。ケーブル1500は、(例えば、図1に示す遮蔽フィルム108と同様に)導体セットの互いに向かい合う第1及び第2の側面上に配置され、かつ(例えば、図15Aに示すように)単一ブロック1502の互いに向かい合う第1及び第2の側面上に配置された第1及び第2の導電性遮蔽フィルム1508を更に含む。第1及び第2の遮蔽フィルム1508は、カバー部分と、挟み付け部分と、を含み、該カバー部分及び挟み付け部分は、断面において、第1及び第2の遮蔽フィルムのカバー部分が組み合わさって各導体セットを(例えば、図1に示す遮蔽フィルム108と同様に)実質的に包囲し、かつ各単一ブロック1502を(例えば、図15Aに示すように)実質的に包囲し、また、第1及び第2の遮蔽フィルムの挟み付け部分が組み合わさって、(例えば、図1に示す遮蔽フィルム108と同様に)導体セットの両側においてケーブルの挟み付け部分を形成し、かつ、(例えば、図15Aに示すように)単一ブロック1502の少なくとも片側において、ケーブルの挟み付け部分を形成するように配置構成される。ケーブル1500は、例えば、図1に示す遮蔽フィルム108と同様に、ケーブルの挟み付け部分において、第1の遮蔽フィルムを第2の遮蔽フィルムに結合する接着層1540を更に含む。本明細書の他の部分で論じられるように、遮蔽フィルムは、様々な構成を有し得る。図15Aに示す例示的な実施形態においては、遮蔽フィルム1508は、非導電性高分子層1510と、導電性層1520を含み、その例については、本明細書の他の部分で論じられる。
ケーブル1500’(図15Bにその縁部部分を示す)は、ケーブル1500に類似している。ケーブル1500においては、単一ブロック1502は、遮蔽フィルム1508の長手方向縁部の一部分を覆っていないが、ケーブル1500’においては、単一ブロック1502’は、両方の遮蔽フィルム1508の長手方向縁部の一部分を覆っている。代替的な実施形態においては、単一ブロック1502’は、第1及び第2の導電性遮蔽フィルム1508の少なくとも一方の長手方向縁部の少なくとも一部分を覆うように構成されてもよい。これは、少なくとも一態様において、段部1504を有する単一ブロック1502’によって達成することができる。段部1504は、一方の導電性遮蔽フィルム1508の長手方向縁部の少なくとも一部分を覆うように、ケーブル1500’(図示せず)の片側にのみ存在してもよいし、又は、両方の導電性遮蔽フィルム1508の長手方向縁部の少なくとも一部分を覆うように、ケーブル1500’の両側に(例えば、図15Bに示すように)存在してもよい。少なくとも一態様において、段部1504は、導電性層1520の長手方向縁部を完全に覆っていてもよく、また、段部1504は、非導電性高分子層1510の長手方向縁部を覆っていないか(図示せず)、(例えば、図15Bに示すように)部分的に覆っているか、又は、完全に覆っているか(図示せず)のいずれかであってよい。少なくとも一態様において、段部1504は、導電性遮蔽フィルムのいずれの導電性層の長手方向縁部を覆っていてもよい。
ケーブル1500”(図15Cにその縁部部分を示す)は、ケーブル1500’に類似している。ケーブル1500’においては、単一ブロック1502’は、両方の遮蔽フィルム1508の長手方向縁部の一部分を覆っているが、ケーブル1500”においては、単一ブロック1502は、遮蔽フィルム1508の長手方向縁部の一部分を覆ってはおらず、代わりに接着層1540が、両方の遮蔽フィルム1508の長手方向縁部の一部分を覆っている。代替的な実施形態においては、接着層1540は、第1及び第2の導電性遮蔽フィルム1508の少なくとも一方の長手方向縁部の少なくとも一部分を覆ってもよい。
少なくとも一態様において、単一ブロックは、ケーブルの縁部が絶縁されるように、遮蔽フィルムの縁部を超えて延在する。少なくとも一態様において、縁部の絶縁は、単一ブロックの長手方向縁部によって画定される、ケーブルの長手方向縁部と、第1及び第2の導電性遮蔽フィルムの少なくとも一方の長手方向縁部との間の距離によって実現される。
この単一ブロックは、任意の好適な高分子材料のものとすることができ、それらの高分子材料としては、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド−イミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、シリコーンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ポリウレタン、アクリレート、シリコーン、天然ゴム、エポキシ、及び合成ゴム接着剤が挙げられるが、それらに限定されない。更には、この単一ブロックは、対象用途に関して好適な特性を提供するために、1種類又は2種類以上の添加剤及び/又は充填剤を含み得る。単一ブロックは、均質な誘電体であってもよいし、層状の誘電体であってもよいし、また、接着層を含んでいても、いなくてもよい。単一ブロックは、例えば、絶縁線と同様の、導電性の(例えば、金属の)コア又は内部層を含んでいてもよい。単一ブロックは、片側又は両側に接着剤を有していてもよい。接着剤は、例えば、ホットメルト接着剤などの、任意の好適な種類の接着剤であってよい。ケーブル構成体の2枚の遮蔽フィルム間で挟み込むことによって、単一ブロックを、この構成体内にしっかりと固定し得る。
少なくとも一実施形態において、単一ブロックは、1mm未満の厚さを有する。他の実施形態においては、単一ブロックは、0.5mm未満、又は0.25mm未満、又は0.1mm未満の厚さを有する。図15A〜15Cに示す例示的な実施形態においては、単一ブロックは、概して矩形の断面を有する。単一ブロックは、例えば、概して曲線的な断面(例えば、概して楕円又は円形の断面など)、又は概して直線的な断面(例えば、概して矩形の断面又は多角形の断面など)といった、任意の好適な断面を有していてよい。
図16A〜16Bは、概して矩形の断面を有する単一ブロックを含む縁部絶縁構造の例示的な作製方法を示す。少なくとも一態様において、図16Aに示すように、ケーブル1600の遮蔽フィルム1608(ケーブル1500の遮蔽フィルム1508と同様のもの)を、成形ローラー又はプラテン1655へと給送し、また、ケーブル1600の単一ブロック1602も、遮蔽フィルム間にて、成形ローラー1655へと給送される。少なくとも一態様において、遮蔽フィルム1608は、単一ブロック1602と結合し、単一ブロック1602の少なくとも一部分を取り囲む。結果として得られるケーブル1600を図16Bに示す。少なくとも一態様において、成形ローラー1655は、断面において、ケーブル1600の断面形状に概ね対応する開口部を形成する。
図17A〜17Dは、概して矩形の断面を有する単一ブロックを含む縁部絶縁構造の他の例示的な作製方法を示す。この方法では、単一の操作で2つの縁部絶縁構造を作製することが可能である。図17Aを参照すると、図16A〜16Bに関して上述した方法と同様に、単一ブロック1702を1つ、ケーブル1700aの遮蔽フィルム1708aとケーブル1700bの遮蔽フィルム1708bとの間に給送する。少なくとも一態様において、単一の遮蔽フィルム1708を切り裂くか、あるいは分離して、選択した幅を有する開口部1708cを形成し、所定の幅を有する遮蔽フィルム1708a及び1708bを形成してもよい。あるいは、遮蔽フィルム1708a及び1708bは、任意の好適な既知の方法を使用して、所定の幅にトリミングされてもよい。次いで、図17Bに示すように、1つの単一ブロック1702を、例えば、切り裂き用ナイフ1712を使用することによって、切り裂くか、あるいは分離して、ケーブル1700aに対する1つの単一ブロック1702aと、ケーブル1700bに対する1つの単一ブロック1702bを含む、2つの単一ブロックとする。単一ブロック1702を切り裂くか、又は分離する工程は、任意の好適な既知の方法によって行ってよく、また、この工程は、遮蔽フィルム間に単一ブロックを給送するのと同時に行ってもよいし、その給送の後に行ってもよい。有利なことに、図17C〜17Dに示すように、同一の方法を使用して、単一の縁部絶縁構造を作製することもでき、この場合、ケーブル1700bの遮蔽フィルム1708bは存在せず、図17Cに示すように、単一ブロック1702をケーブル1700aの遮蔽フィルム1708a間に給送し、それと同時に、又はその後に、図17Dに示すように切り裂く。
図18A〜18Dは、概して矩形の断面を有する単一ブロックを含む縁部絶縁構造の他の例示的な作製方法を示す。この方法では、単一の操作で2つの縁部絶縁構造を作製することが可能であり、遮蔽フィルムを積層するプロセスに先立って、遮蔽フィルムをある幅に切り裂くか、あるいは分離又はトリミングする必要がなくなる。この方法においては、図18Aに示すように、遮蔽フィルム1808は、単一ブロック1802を実質的に取り囲んでいる。次いで、図18Bに示すように、例えば、切り裂き用ナイフ1812を使用することによって、遮蔽フィルム1808及び単一ブロック1802を切り裂くか、あるいは分離する。結果として、ケーブル1800a及び1800bが形成され、ここで、ケーブル1800aには、得られた遮蔽フィルム1808aと単一ブロック1802aが含まれ、ケーブル1800bには、得られた遮蔽フィルム1808bと単一ブロック1802bが含まれる。図18Cに示すように、例えば、(加熱した)ローラー又はプラテン1855を使用することによって、ケーブル1800a及び1800bに圧力を、及び任意選択的には熱を適用し、それぞれの遮蔽フィルムの長手方向縁部を超えて延在する、単一ブロック1802a及び1802bの端部1814a及び1814bをそれぞれ形成して、図18Dに示すように、縁部絶縁構造を完成させる。有利なことに、同一の方法を使用して、単一の縁部絶縁構造を作製することもできる。
既に言及したように、単一ブロックは、例えば、概して曲線的な断面(例えば、概して楕円又は円形の断面など)、又は概して直線的な断面(例えば、概して矩形の断面又は多角形の断面など)といった、任意の好適な断面を有していてよい。図19A〜19Cは、概して円形の断面を有する単一ブロックを含む縁部絶縁構造の3つの例示的な実施形態を示す。
ケーブル1500と同様に、ケーブル1900(図19Aにその縁部部分を示す)は、1つ又は2つ以上の導体セット(図示せず)と、1つ又は2つ以上の誘電単一ブロック1902と、第1及び第2の導電性遮蔽フィルム1908と、接着層1940と、を含む。単一ブロック1902は、概して円形の断面を有する。
ケーブル1900’(図19Bにその縁部部分を示す)は、ケーブル1900に類似している。ケーブル1900においては、単一ブロック1902は、遮蔽フィルム1908の長手方向縁部の一部分を覆っていないが、ケーブル1900’においては、単一ブロック1902’は、両方の遮蔽フィルム1908の長手方向縁部の一部分を覆う。少なくとも一態様において、これは、段部1904を有する単一ブロック1902’によって達成することもできる。この点において、ケーブル1900’の縁部絶縁構造は、ケーブル1500’の縁部絶縁構造に類似している。
ケーブル1900”(図19Cにその縁部部分を示す)は、ケーブル1900’に類似している。ケーブル1900’においては、単一ブロック1902’は、両方の遮蔽フィルム1908の長手方向縁部の一部分を覆っているが、ケーブル1900”においては、単一ブロック1902は、遮蔽フィルム1908の長手方向縁部の一部分を覆ってはおらず、代わりに接着層1940が、両方の遮蔽フィルム1908の長手方向縁部の一部分を覆っている。この点において、ケーブル1900”の縁部絶縁構造は、ケーブル1500”の縁部絶縁構造に類似している。
また、本明細書に記載する、概して矩形の断面を有する単一ブロックを含む縁部絶縁構造の作製方法は、異なる形状を有する単一ブロックを含む縁部絶縁構造を作製するために適用することもできる。例えば、図20A〜20Bは、概して円形の断面を有する単一ブロックを含む縁部絶縁構造の例示的な作製方法を示す。図16A〜16Bに示す方法と同様に、少なくとも一態様において、図20Aに示すように、ケーブル2000の遮蔽フィルム2008(ケーブル1900’の遮蔽フィルム1908と同様のもの)が、成形ローラー又はプラテン2055へと給送され、また、ケーブル2000の単一ブロック2002(ケーブル1900’の単一ブロック1902’と同様のもの)も、遮蔽フィルム間にて、成形ローラー2055へと給送される。少なくとも一態様において、遮蔽フィルム2008は、単一ブロック2002と結合し、単一ブロック2002の少なくとも一部分を取り囲む。結果として得られるケーブル2000を図20Bに示す。少なくとも一態様において、成形ローラー2055は、断面において、ケーブル2000の断面形状に概して対応する開口部を形成する。
図21は、二葉状断面を有する単一ブロックを含む縁部絶縁構造の例示的な実施形態を示す。ケーブル2100(図21にその縁部部分を示す)は、例えば、図1に示す導体セット104のような、1つ又は2つ以上の導体セットを含む。各導体セットは、ケーブルの長さに沿って延在し、例えば、図1に示される絶縁導体106(各絶縁導体は、誘電材料によって包囲された中心導体を含んでいる)のような、1つ又は2つ以上の絶縁導体を含む。ケーブル2100は、誘電単一ブロック2102を更に含む。単一ブロック2102は、ケーブルの縁部に沿って配置され、ケーブルの長さに沿って延在する。単一ブロック2102は、それぞれ、厚い第1の突出部2106aと第2の突出部2106bの2つの間に配置された薄い中間部分2104を有した二葉状断面を有する。ケーブル2100は、(例えば、図1に示す遮蔽フィルム108と同様に)導体セットの互いに向かい合う第1及び第2の側面上に配置され、かつ(例えば、図21に示すように)単一ブロック2102の互いに向かい合う第1及び第2の側面上に配置された第1及び第2の導電性遮蔽フィルム2108を更に含む。第1及び第2の遮蔽フィルム2108は、カバー部分と、挟み付け部分と、を含み、該カバー部分及び挟み付け部分は、断面において、第1及び第2の遮蔽フィルムのカバー部分が組み合わさって各導体セットを(例えば、図1に示す遮蔽フィルム108と同様に)実質的に包囲し、かつ単一ブロック2102の第1の突出部2106aを(例えば、図21に示すように)実質的に包囲し、また、第1及び第2の遮蔽フィルムの挟み付け部分が組み合わさって、(例えば、図1に示す遮蔽フィルム108と同様に)導体セットの両側においてケーブルの挟み付け部分を形成し、かつ、第2の突出部2106bと向かい合う第1の突出部2106aの側面において、ケーブルの挟み付け部分を形成するように配置構成され、第1及び第2の導電性遮蔽フィルムのそれぞれの縁部は、(例えば、図21に示すように)単一ブロック2102の薄い中間部分2104に配置される。ケーブル2100は、例えば、図1に示す遮蔽フィルム108と同様に、ケーブルの挟み付け部分において、第1の遮蔽フィルムを第2の遮蔽フィルムに結合し、かつ、例えば、図21に示すように、第1及び第2の遮蔽フィルム2108を単一ブロック2102の第1の突出部2106aに結合する接着層2140を更に含む。少なくとも一態様において、単一ブロック2102の第1の突出部2106aは、遮蔽フィルム2108間で単一ブロック2102を固定、又は保持するように機能し、第2の突出部2106bは、ケーブル2100の長手方向縁部を防護するように機能する。少なくとも一態様において、二葉状断面であることの利点の1つは、例えば、図21に示すように、遮蔽フィルムの長手方向縁部を、突出部間での貫入部にて、隠蔽できることである。図21に示す例示的な実施形態においては、第1の突出部2106a及び第2の突出部2106bは、円形の断面を有しているが、他の実施形態においては、少なくともこれらの機能を果たすために、第1の突出部2106a及び第2の突出部2106bは、任意の好適な断面を有していてよい。少なくとも一態様において、第1及び第2の遮蔽フィルム2108は、少なくとも第1の突出部2106aを部分的に覆っていてもよく、また、第2の突出部2106bを部分的に覆うように延在していてもよい。
図22A〜22Cは、二葉状断面を有する単一ブロックを含む縁部絶縁構造の例示的な作製方法を示す。この方法においては、図22Aに示すように、遮蔽フィルム2208は、それぞれ、厚い第1の突出部2206aと第2の突出部2206bの2つの間に配置された薄い中間部分2204を有した二葉状断面を有する、単一ブロック2202を実質的に取り囲んでいる。次いで、図22Bに示すように、単一ブロック2202の薄い中間部分2204の領域内で、例えば、切り裂き用ナイフ2212を使用することによって、遮蔽フィルム2208を切り裂き、第2の突出部2206bを覆う、遮蔽フィルム2208の部分を、第2の突出部2206bから取り除く。結果として、ケーブル2200が形成され、ここで、第1及び第2の遮蔽フィルム2208は、組み合わさって単一ブロック2202の第1の突出部2206aを実質的に包囲し、また、第1及び第2の遮蔽フィルム2208のそれぞれの縁部は、図22Cに示すように、単一ブロック2202の薄い中間部分2204に配置される。
図23A〜23Bは、二葉状断面を有する単一ブロックを含む縁部絶縁構造の他の例示的な作製方法を示す。図16A〜16B及び図20A〜20Bに示す方法と同様に、少なくとも一態様において、図23Aに示すように、ケーブル2300の遮蔽フィルム2308(ケーブル2100の遮蔽フィルム2108と同様のもの)を、成形ローラー又はプラテン2355へと給送し、また、ケーブル2300の単一ブロック2302(ケーブル2100の単一ブロック2102と同様のもの)も、遮蔽フィルム間にて、成形ローラー2355へと給送される。少なくとも一態様において、遮蔽フィルム2308は、単一ブロック2302と結合し、単一ブロック2302の少なくとも一部分を取り囲む。結果として得られるケーブル2300を図23Bに示す。少なくとも一態様において、成形ローラー2355は、断面において、ケーブル2300の断面形状に概して対応する開口部を形成する。
また、少なくとも一態様において、電気ケーブルの縁部絶縁構造は、ケーブルの導電性遮蔽フィルムの導電性層に破断部を生成してから、封着することにより作り出してもよい。これにより、ケーブルの縁部付近に、導電性層がケーブルの縁部から引っ込んでいる領域を作り出すことになる。少なくとも一態様において、これは、導電性層を配置する導電性遮蔽フィルムの基材(及びケーブルの接着層)を引き延ばしつつ、導電性遮蔽フィルムを、任意選択的に加熱して、導電性層において開口部が形成されるほどに、十分に側方に引き延ばすか、あるいは変形させることにより達成することができる。少なくとも一態様においては、導電性層が、該導電性層が配置される基材よりも小さい破断伸び率を有している場合に、このリザーバの形成法が可能である。次に、リザーバに対応する領域内でケーブルを切り裂いて、1つ又は2つの縁部絶縁構造を作り出すことが出来る。
図24A〜24Dは、1つ又は2つ以上のリザーバを含む縁部絶縁構造の例示的な作製方法及び例示的な実施形態を示す。ケーブル2400(図24Aにその一部分を示す)は、例えば、図1に示す導体セット104のような、1つ又は2つ以上の導体セットを含む。各導体セットは、ケーブルの長さに沿って延在し、例えば、図1に示される絶縁導体106(各絶縁導体は、誘電材料によって包囲された中心導体を含んでいる)のような、1つ又は2つ以上の絶縁導体を含む。図24Bに示すように、ケーブル2400は、1つ又は2つ以上のリザーバ2450を更に含む。各リザーバ2450は、ケーブルの長さに沿って延在し、かつ第1の誘電材料で充填されている。図24Bに示す例示的な実施形態においては、第1の誘電材料は、接着剤を含む。少なくとも一態様において、接着剤は、ケーブル2400の接着層2440の一部分である。ケーブル2400は、(例えば、図1に示す遮蔽フィルム108と同様に)導体セットの互いに向かい合う第1及び第2の側面上に配置され、かつ(例えば、図24Bに示すように)リザーバ2450の互いに向かい合う第1及び第2の側面上に配置された第1及び第2の導電性遮蔽フィルム2408を更に含む。第1及び第2の遮蔽フィルム2408は、カバー部分と、挟み付け部分と、を含み、該カバー部分及び挟み付け部分は、断面において、第1及び第2の遮蔽フィルムのカバー部分が組み合わさって各導体セットを(例えば、図1に示す遮蔽フィルム108と同様に)実質的に包囲し、かつ各リザーバ2450を(例えば、図24Bに示すように)実質的に包囲し、また、第1及び第2の遮蔽フィルムの挟み付け部分が組み合わさって、(例えば、図1に示す遮蔽フィルム108と同様に)導体セットの両側においてケーブルの挟み付け部分を形成し、かつ、(例えば、図24Bに示すように)リザーバ2450の両側において、ケーブルの挟み付け部分を形成するように配置構成される。ケーブル2400は、例えば、図1に示す遮蔽フィルム108と同様に、ケーブルの挟み付け部分において、第1の遮蔽フィルムを第2の遮蔽フィルムに結合する接着層2440を更に含む。第1及び第2の遮蔽フィルム2408は、第1及び第2の基材2410上にそれぞれ配置され、かつ互いに向かい合った第1及び第2の導電性層2420をそれぞれ含んでいる。少なくとも一態様において、第1及び第2の基材2410は、非導電性高分子層を含み、その例については、本明細書の他の部分で論じられる。リザーバに対応するカバー部分において、第1の基材2410ではなく、第1の導電性層2420が、開口部2420cを含む。開口部2420cが、ケーブルの長さの少なくとも一部分に沿って延在する。リザーバ2450は、導電性層2420が破断して、開口部2420cを形成する一方で、破断して、開口部を形成することなく、基材2410(及び接着層2440)が側方に伸長するように、第1及び第2の遮蔽フィルム2408(及び接着層2440)を、図24Aの矢印で示されるように側方に引き延ばすことによって形成されてもよい。結果として得られるケーブル構成体を図24Bに示す。少なくとも一態様において、この引き延ばし工程は、局所的に、また、任意選択的に加熱して行ってもよい。少なくとも一態様において、遮蔽フィルムの1つ又は2つ以上の層において長手方向の切欠き(図示せず)を含めることによって、局所的な引き延ばしを達成してもよい。長手方向の切欠きは、遮蔽フィルムの層構造を構築する前又はその後に加えることができる。少なくとも一態様において、遮蔽フィルムのこの引き延ばし工程は、遮蔽フィルムをケーブル構成体へと積層する前又はその後に行うことができる。積層の前に引き延ばし工程が行われる場合は、積層の際に導電性層の開口部を位置合わせすることができる。
遮蔽フィルムの引き延ばし工程に続いて、例えば、図24Cに示すように、ケーブル2400を、例えば、ニップローラー又はプラテン2455を使用して、かつ任意選択的に加熱して圧迫し、基材2410を、例えば、接着層2440によって、リザーバ2450に対応する領域内で1つに結合する。結果として、この領域内では、第1及び第2の導電性層2420の長手方向縁部は、第1及び第2の基材2410の長手方向縁部に対して引っ込んでいる。少なくとも一態様において、接着層2440が開口部2420c内へ流れ込んで、導電性層2420の長手方向縁部を包み込み、この領域内でのケーブル構成体に対する支持を提供する。次いで、図24Dに示すように、リザーバ2450に対応する領域内で、例えば、切り裂き用ナイフ2412を使用することによって、遮蔽フィルム2408を切り裂くか、あるいは分離する。結果として、ケーブル2400a及び2400bが形成され、ここで、ケーブル2400aには、第1及び第2の基材2410a、並びに第1及び第2の導電性層2420aを含む、得られた遮蔽フィルム2408aが含まれ、ケーブル1800bには、第1及び第2の基材2410b、並びに第1及び第2の導電性層2420bを含む、得られた遮蔽フィルム2408bが含まれる。各ケーブルにおいて、第1及び第2の導電性層の長手方向縁部は、例えば、図24Dに示すように、第1及び第2の基材の長手方向縁部に対して引っ込んでいる。少なくとも一実施形態において、第1及び第2の導電性層の長手方向縁部は、第1及び第2の基材の長手方向縁部よりも粗い。少なくとも一態様においては、導電性層の長手方向縁部が、遮蔽フィルムを引き延ばす間に破断又は引き裂かれることによって形成される一方で、基材の長手方向縁部は、切り裂かれることによって形成されているために、このような状態となる。
第1の実施形態は、電気ケーブルの長手方向縁部の場所付近に配置され、その場所で電気的接触を形成しやすい導電材料を有する、電気ケーブルと、その場所で電気ケーブルに結合される絶縁材料とを含む、縁部絶縁電気ケーブルである。
第2の実施形態は、絶縁材料が、電気ケーブルの構成体内で使用される材料を含む、第1の実施形態の縁部絶縁電気ケーブルである。
第3の実施形態は、絶縁材料が熱可塑性材料を含む、第1の実施形態の縁部絶縁電気ケーブルである。
第4の実施形態は、絶縁材料が硬化性化合物を含む、第1の実施形態の縁部絶縁電気ケーブルである。
第5の実施形態は、縁部をその場所で覆う導電材料と、その導電材料を覆う絶縁材料とを更に含む、第1の実施形態の縁部絶縁電気ケーブルである。
第6の実施形態は、ケーブルに沿って長さ方向に延在する導体と、ケーブル内の第1の側方位置で、ケーブルに沿って長さ方向に延在するリザーバとを含み、このリザーバが、ケーブル内の異なる第2の側方位置へと移行されるように適合された誘電材料を収容する、電気ケーブルである。
第7の実施形態は、第2の側方位置が、ケーブルの長手方向縁部にある、第6の実施形態の電気ケーブルである。
第8の実施形態は、リザーバに形成された縁部絶縁構造を更に含み、このリザーバが絶縁層を含み、縁部絶縁構造が、そのリザーバの絶縁層の一部分によって部分的に形成される、第6の実施形態の電気ケーブルである。
第9の実施形態は、長手方向縁部付近に配置され、その縁部で電気的接触を形成しやすい導電材料を有する、電気ケーブルを含み、このケーブルが、ケーブルの長さに沿って折り曲げられ、その折り目が、第2部分に向かい合う第1部分を画定し、この第2部分が、ケーブルの長手方向縁部を含み、結合材料が、ケーブルの長さに沿って、第1部分に第2部分を結合する、縁部絶縁電気ケーブルである。
第10の実施形態は、結合材料が長手方向縁部を覆う、第9の実施形態の縁部絶縁電気ケーブルである。
第11の実施形態は、電気ケーブルが、絶縁材料を含むフィルムを含む、第9の実施形態の縁部絶縁電気ケーブルである。
第12の実施形態は、第1層及び第2層を有する電気ケーブルを含み、この第2層が、第2層の長手方向縁部付近に配置され、その縁部で電気的接触を形成しやすい導電材料を有し、この第2層が、第1層に向けてケーブルの長さに沿って折り曲げられ、その折り目が、第2層の第2部分に向かい合う第2層の第1部分を画定し、この第2層の第2部分が、第2層の長手方向縁部を含み、結合材料が、ケーブルの長さに沿って、第2層の第1部分に第2層の第2部分を結合する、縁部絶縁電気ケーブルである。
第13の実施形態は、結合材料が、電気ケーブルの構成体内で使用される材料を含む、第12の実施形態の縁部絶縁電気ケーブルである。
第14の実施形態は、電気ケーブルの長手方向縁部に絶縁材料を適用する方法であって、その長手方向縁部に近接して長手方向縁部に沿って、電気ケーブルの上面及び下面の少なくとも一方に絶縁材料を分配する工程と、長手方向縁部にわたって絶縁材料が流動することを可能にする工程と、その絶縁材料の更なる流動を防止する工程とを含む、方法である。
第15の実施形態は、防止する工程が、絶縁材料を凝固させる工程を含む、第14の実施形態の方法である。
第16の実施形態は、防止する工程が、絶縁材料を硬化させる工程を含む、第15の実施形態の方法である。
第17の実施形態は、フィルム縁部コーティング用の装置であって、ダイチップを通じて材料を分配するように構成されたダイアセンブリと、ダイチップに近接して位置決めされるフィルムの縁部とを含み、このダイアセンブリが、そのフィルムの縁部に近接してフィルムの縁部に沿って、フィルムの上面及び下面の少なくとも一方に材料を分配し、分配された材料が、フィルム上にコーティング領域を形成し、そのコーティング領域が、フィルムの縁部付近に限定される、装置である。
第18の実施形態は、フィルムが電気ケーブルである、第17の実施形態の装置である。
第19の実施形態は、ダイチップが、そのダイチップから材料が出て行くことを可能にする分配開口部を含む、第17の実施形態の装置である。
第20の実施形態は、ケーブルであって、1つ又は2つ以上の導体セットであって、各導体セットは、ケーブルの長さに沿って延在し、かつ1つ又は2つ以上の絶縁導体を含み、各絶縁導体は、誘電材料によって包囲される中心導体を含む、導体セットと、1つ又は2つ以上の誘電単一ブロックであって、各単一ブロックは、ケーブルの長さに沿って延在する、誘電単一ブロックと、導体セット及び誘電ブロックの互いに向かい合う第1及び第2の側面上に配置された第1及び第2の導電性遮蔽フィルムであって、第1及び第2の導電性遮蔽フィルムは、カバー部分と、挟み付け部分と、を含み、カバー部分及び挟み付け部分は、断面において、第1及び第2の遮蔽フィルムのカバー部分が組み合わさって各導体セット及び各単一ブロックを実質的に包囲し、第1及び第2の遮蔽フィルムの挟み付け部分が組み合わさって、導体セットの両側において、かつ、単一ブロックの少なくとも片側において、ケーブルの挟み付け部分を形成するように配置構成される、第1及び第2の導電性遮蔽フィルムと、ケーブルの挟み付け部分において、第1の遮蔽フィルムを第2の遮蔽フィルムに結合する接着層と、を含む、ケーブルである。
第21の実施形態は、単一ブロックが、第1及び第2の導電性遮蔽フィルムの少なくとも一方の長手方向縁部の少なくとも一部分を覆う、実施形態20のケーブルである。
第22の実施形態は、接着層が、第1及び第2の導電性遮蔽フィルムの少なくとも一方の長手方向縁部の少なくとも一部分を覆う、実施形態20のケーブルである。
第23の実施形態は、単一ブロックが、2つの厚い突出部の間に配置された薄い中間部分を有した二葉状断面を有する、実施形態20のケーブルである。
第24の実施形態は、単一ブロックが、1mm未満の厚さを有する、実施形態20のケーブルである。
第25の実施形態は、単一ブロックが、概して直線的な断面を有する、実施形態20のケーブルである。
第26の実施形態は、単一ブロックが、概して曲線的な断面を有する、実施形態20のケーブルである。
第27の実施形態は、ケーブルであって、1つ又は2つ以上の導体セットであって、各導体セットは、ケーブルの長さに沿って延在し、かつ1つ又は2つ以上の絶縁導体を含み、各絶縁導体は、誘電材料によって包囲される中心導体を含む、導体セットと、ケーブルの縁部に沿って配置され、ケーブルの長さに沿って延在し、かつ、厚い第1及び第2の突出部の間に配置された薄い中間部分を有した二葉状断面を有する、誘電単一ブロックと、導体セット及び単一ブロックの互いに向かい合う第1及び第2の側面上に配置された第1及び第2の導電性遮蔽フィルムであって、第1及び第2の導電性遮蔽フィルムは、カバー部分と、挟み付け部分と、を含み、カバー部分及び挟み付け部分は、断面において、第1及び第2の遮蔽フィルムのカバー部分が組み合わさって各導体セット及び単一ブロックの第1の突出部を実質的に包囲し、第1及び第2の遮蔽フィルムの挟み付け部分が組み合わさって、導体セットの両側において、かつ、第2の突出部と向かい合う第1の突出部の側面において、ケーブルの挟み付け部分を形成するように配置構成され、第1及び第2の導電性遮蔽フィルムのそれぞれの縁部は、単一ブロックの薄い中間部分に配置される、第1及び第2の導電性遮蔽フィルムと、ケーブルの挟み付け部分において、第1の遮蔽フィルムを第2の遮蔽フィルムに結合し、かつ、第1及び第2の遮蔽フィルムを単一ブロックの第1の突出部に結合する接着層と、を含む、ケーブルである。
第28の実施形態は、ケーブルであって、1つ又は2つ以上の導体セットであって、各導体セットは、ケーブルの長さに沿って延在し、かつ1つ又は2つ以上の絶縁導体を含み、各絶縁導体は、誘電材料によって包囲される中心導体を含む、導体セットと、1つ又は2つ以上のリザーバであって、各リザーバは、ケーブルの長さに沿って延在し、かつ第1の誘電材料で充填されている、リザーバと、導体セット及びリザーバの互いに向かい合う第1及び第2の側面上に配置された第1及び第2の導電性遮蔽フィルムであって、第1及び第2の導電性遮蔽フィルムは、カバー部分と、挟み付け部分と、を含み、カバー部分及び挟み付け部分は、断面において、第1及び第2の遮蔽フィルムのカバー部分が組み合わさって各導体セット及び各リザーバを実質的に包囲し、第1及び第2の遮蔽フィルムの挟み付け部分が組み合わさって、導体セット及びリザーバの両側において、ケーブルの挟み付け部分を形成するように配置構成される、第1及び第2の導電性遮蔽フィルムと、ケーブルの挟み付け部分において、第1の遮蔽フィルムを第2の遮蔽フィルムに結合する接着層と、を含み、第1及び第2の遮蔽フィルムは、第1及び第2の導電性層をそれぞれ含み、第1及び第2の導電性層は、第1及び第2の基材上にそれぞれ配置され、第1及び第2の導電性層は、互いに向かい合い、リザーバに対応するカバー部分において、第1の基材ではなく、第1の導電性層が、ケーブルの長さの少なくとも一部分に沿って延在する開口部を含む、ケーブルである。
第29の実施形態は、第1の誘電材料が接着剤を含む、実施形態28のケーブルである。
第30の実施形態は、ケーブルであって、1つ又は2つ以上の導体セットであって、各導体セットは、ケーブルの長さに沿って延在し、かつ1つ又は2つ以上の絶縁導体を含み、各絶縁導体は、誘電材料によって包囲される中心導体を含む、導体セットと、1つ又は2つ以上のリザーバであって、各リザーバは、ケーブルの長さに沿って延在し、かつ第1の誘電材料で充填されている、リザーバと、導体セット及びリザーバの互いに向かい合う第1及び第2の側面上に配置された第1及び第2の導電性遮蔽フィルムであって、第1及び第2の導電性遮蔽フィルムは、カバー部分と、挟み付け部分と、を含み、カバー部分及び挟み付け部分は、断面において、第1及び第2の遮蔽フィルムのカバー部分が組み合わさって各導体セット及び各リザーバを実質的に包囲し、第1及び第2の遮蔽フィルムの挟み付け部分が組み合わさって、導体セット及びリザーバの両側において、ケーブルの挟み付け部分を形成するように配置構成される、第1及び第2の導電性遮蔽フィルムと、ケーブルの挟み付け部分において、第1の遮蔽フィルムを第2の遮蔽フィルムに結合する接着層と、を含み、第1及び第2の遮蔽フィルムは、第1及び第2の導電性層をそれぞれ含み、第1及び第2の導電性層は、第1及び第2の基材上にそれぞれ配置され、第1及び第2の導電性層は、互いに向かい合い、リザーバに対応するカバー部分において、第1及び第2の導電性層の長手方向縁部は、第1及び第2の基材の長手方向縁部に対して引っ込んでいる、ケーブルである。
第31の実施形態は、第1及び第2の導電性層の長手方向縁部が、第1及び第2の基材の長手方向縁部よりも粗い、実施形態30のケーブルである。
本発明は、上記の特定の実施例及び実施形態に限定されるものとみなされるべきではなく、そのような実施形態は、本発明の様々な態様の説明を容易にするように詳細に記載されている。むしろ本発明は、添付される特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨及び範囲内に含まれる様々な改変形態、等価の工程、及び代替装置を含む、本発明の全ての態様を包含するものと理解されたい。