JP2021103791A - 塗布型半導体前駆体溶液、塗布型酸化物半導体、薄膜トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特に、In-Ga-Znを金属種とするIGZO系の酸化物半導体TFTにおいては、通常、5〜10cm2/Vs以上の移動度を示すことが知られている。
しかし、酸化物半導体TFTの製造に真空成膜法を用いた場合、大がかりな真空装置が必要であるため、生産効率の低下、製造コストの上昇および環境負荷の増大といった問題が生じており、さらに100インチ以上の超大型ディスプレイの実現を考えると、真空チャンバー内では製造サイズに限界があり、新しい成膜技術によって形成される酸化物半導体TFTの開発が急務である。
すなわち、真空を必要とせず大気圧下で簡便に成膜される酸化物半導体であることが必要とされる。
塗布型酸化物半導体は、金属酸化物の前駆体溶液を塗布して酸化させることにより形成される。例えば、有機金属塩を用い熱酸化等により形成されたものが知られている(特許文献1を参照)。また、金属アルコキシド(M-OR)を前駆体として用い、例えば400度以上の高温処理によって酸化処理を行なうことで形成される酸化物半導体も知られている。
なお、酸化物半導体を形成する材料としては種々の報告がなされており、In-Ga-Znを金属種とするIGZO系、In-ZnをベースとするIZO系、およびIn-Sn-Gaを金属種とするITZO系等の報告が多くなされている。さらにインジウムやガリウム等の環境負荷が大きい材料を使用しないレアメタルフリーの酸化物半導体材料(Zn-O系やZn-Sn-O系)の研究も進められている(非特許文献1を参照)。
すなわち、塗布型酸化物半導体においては、上記前駆体溶液中に含まれていた残留有機物(不純物)が障害となって、キャリアの移動度を大きくすることができず、良好なスイッチング特性を得ることが困難となっていた。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、有機物等の残留量が大きい塗布型酸化物半導体において、従来よりも大きいキャリア移動度を得ることができる塗布型半導体前駆体溶液、塗布型酸化物半導体、薄膜トランジスタ、および薄膜トランジスタの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の塗布型半導体前駆体溶液は、
インジウム、亜鉛、スズおよびガリウムから選択される2種類以上の金属成分を含むとともに、フッ素イオンを有する添加剤を含むことを特徴とするものである。
上述した塗布型半導体前駆体溶液を所定のベース上に塗布し、酸化してなることを特徴とするものである。
ここで、「所定のベース」とは、塗布型酸化物半導体層を作成するために、塗布型半導体前駆体溶液が塗布される層を称し、塗布型酸化物半導体がボトムゲート構造の場合には、通常、ゲート絶縁膜が「所定のベース」に相当し、トップゲート構造の場合には、通常、基板やソース・ドレイン電極が「所定のベース」に相当する。
下述する、薄膜トランジスタの製造方法の構成において用いられる「所定のベース」との用語についても同様である。
基板上に、少なくとも、ゲート電極、ゲート絶縁膜、塗布型酸化物半導体層、およびソース・ドレイン電極を有する構成とされ、前記塗布型酸化物半導体層は、前記ゲート絶縁膜の上部または下部に位置するように、上述した塗布型半導体前駆体溶液を所定のベース上に塗布し、酸化してなることを特徴とするものである。
また、前記塗布型半導体前駆体溶液を構成するフッ素イオンを有する添加剤が、フッ化水素酸を含む溶液であることが好ましい。
また、前記塗布型酸化物半導体層が、少なくともインジウムと亜鉛の金属成分、およびフッ素を含むことが好ましい。
また、前記塗布型半導体前駆体溶液を構成する溶媒は、水が主成分であることが好ましい。
また、前記塗布型半導体前駆体溶液を酸化する処理が、マイクロ波照射および紫外光照射のいずれかによる加熱処理、または焼成処理であることが好ましい。
基板上に、少なくとも、ゲート電極、ゲート絶縁膜、塗布型酸化物半導体層、およびソース・ドレイン電極を形成し、
インジウム、亜鉛、スズおよびガリウムから選択される2種類以上の金属成分を含むとともにフッ素イオンを有する添加剤を含む塗布型半導体前駆体溶液を作成し、
前記塗布型酸化物半導体層が前記ゲート絶縁膜の上部または下部に位置するように、前記塗布型半導体前駆体溶液を所定のベース上に塗布し、この後酸化することを特徴とするものである。
この場合において、前記塗布型半導体前駆体溶液を所定のベース上に塗布する工程が、前記所定のベース上に、まず、前記フッ素イオンを有する添加剤を含まない塗布型半導体前駆体溶液を塗布して薄膜を形成し、その後、該薄膜上に前記フッ素イオンを有する添加剤を含む塗布型半導体前駆体溶液を塗布して薄膜を形成する工程、であることが好ましい。
従来の塗布型酸化物半導体においては、スパッタ等を用いて作製された酸化物半導体層に比べて、どうしても残留有機物やイオン性不純物が多いために、移動度が低くなって半導体特性が劣化したものとなっていた。
このような、本願発明と従来技術の差は、金属イオンとフッ素イオンとの結合関係に基づく、酸化物半導体層の結晶性の違い、および残留有機物やイオン性不純物とフッ素との結合関係の均一性等によるものと考えられるが、酸化物半導体層へのフッ素の侵入度合や、フッ素と残留有機物等の微妙な結合関係の相違により、その移動度も大幅に変化するものであるから、その違いに係る構造または特性を文言により一概に特定することは不可能である。
そこで、本願出願人においては、請求項3に係る塗布型酸化物半導体、および請求項4〜9に係る薄膜トランジスタについて、やむを得ず、物の製造方法の発明に係る請求項の記載スタイルで表現するようにしている。
図1は、参考形態に係るTFTの断面構造を示すものであり、基板1上に、ゲート電極2、ゲート絶縁膜3、塗布型酸化物半導体からなる半導体層4、ソース・ドレイン電極6が積層して構成される。酸化物からなる半導体層4は塗布手法を用いて形成されている。なお、図示されてはいないが、半導体層4上にエッチング保護層を設けてもよい。
さらに、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の無機窒化物も好適に用いることができる。膜厚に、例えば100nmから300nmとされる。
上記酸化物前駆体溶液は、インジウム、亜鉛、スズおよびガリウムから選択される2種類以上の金属成分を含み、この選択された金属成分のうち少なくとも1つが金属フッ化物塩からなる。
具体的なフッ化金属塩としては、フッ化インジウム、フッ化亜鉛、フッ化ガリウムが上げられる。
溶解度を改善させるために、水素イオン濃度を酸または塩基性に変え溶解性を改善させることもできる。
溶媒としては、残留成分が残りにくい分子量がより小さい溶媒が好ましく、特に水を用いることが残留成分を少なくするという点においてより好ましい。
前駆体溶液の調整は、金属塩濃度を溶液の濃度が0.1mol/Lから1mol/Lとなるように秤量して、溶液中にて撹拌して溶解することで得られる。
また、半導体層4の厚みは、溶液濃度によって、また、溶液を塗布する回数によっても調整することができる。
なお、この厚みとしては1nmから100nmとすることが好ましい。
上記塗布する手法は、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、ディップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法、インクジェット法等の印刷法等を用いることができる。
なお、ソース・ドレイン電極6をウエットエッチングでパターニングする際には、半導体層4へのダメージをより緩和するために、エッチングストップ層を導入して半導体特性の劣化を抑制することも可能である。
これにより、良好なスイッチング特性を示す、塗布型半導体素子を作製することができる。
まず、塗布型酸化物半導体をTFT素子のチャネル層として用いることを前提として説明する。すなわち、この場合には、塗布型酸化物半導体を製造する前に、基板1上にゲート電極2およびゲート絶縁膜3を図1に示すように積層形成しておく。
まず、半導体の前駆体溶液を調整する、塗布型半導体溶液調整工程を行う。
このとき前駆体溶液としては、インジウム、亜鉛、スズおよびガリウムから選択される2種類以上の金属成分を含み、この選択された金属成分のうち少なくとも1つが金属フッ化物塩からなる。
次に、これらの金属塩を溶媒に溶解させ、前駆体溶液を作製する。溶解させる溶媒としては、前述した、水や、エタノール、プロパノール、エチレングリコール等を用いることができる。
この後、金属塩濃度を溶液の濃度が0.1mol/Lから1mol/Lとなるように秤量し、溶液中にて撹拌し溶解することにより得られる。
半導体層4の塗布厚みは、溶液濃度および塗布する回数によって、例えば1nmから100nmの所定の厚さに調整する。
塗布する方法は、前述したように、スプレーコート法、スピンコート法、印刷法等を用いることができる。
<参考例1、2>
(概要)
厚みが200nmの熱酸化膜が付された低抵抗シリコンウエハを用い、参考例1、2のTFTと比較例1、2のTFTを作製した。
ソース・ドレイン電極はメタルマスクを用いてそのままスパッタリングをすることにより、パターニング化し、参考例TFT素子のサンプルを作製した。なお、ゲート電極として低抵抗シリコンを用い、ゲート絶縁膜として熱酸化膜を用い、ソース・ドレイン電極としてモリブデンを用いた。
硝酸インジウム水和物(In(NO3)3・xH2O Aldrich製)、フッ化ガリウム (GaF3 Aldrich製)、フッ化亜鉛4水和物 (ZnF2・4H2O Aldrich製)を秤量し、それぞれ純水中に溶解させ、下表1に示す塗布型半導体前駆体溶液を作製した。このときサンプルの濃度は0.15 mol/Lとした。
続いて、得られた前駆体溶液をスピンコート法によりシリコンウエハ上に塗布し、150℃のホットプレート上にて10分間乾燥させた。その後、300度の大気雰囲気オーブンにて1時間焼成処理を行うことにより半導体層を形成した。
このときの膜厚は15 nmであった。
この後半導体層をフォトリソグラフィー法によりアイランド状にパターニング化し、塗布型半導体層を形成した。続いてメタルマスクを用い、モリブデンでDCスパッタリング法によりソース・ドレイン電極を形成し、参考例1の評価用TFTサンプルを作製した。
硝酸インジウム水和物(In(NO3)3・xH2O Aldrich製)、フッ化亜鉛4水和物 (ZnF2・4H2O Aldrich製)を秤量し、それぞれ純水中に溶解させ、下表2に示す塗布型半導体前駆体溶液を作製した。このときサンプルの濃度は0.15 mol/Lとした。
硝酸インジウム水和物(In(NO3)3・xH2O Aldrich製)、硝酸ガリウム水和物(Ga(NO3)3・xH2O Aldrich製)、硝酸亜鉛水和物(Zn(NO3)2・xH2O Aldrich製)を秤量し、それぞれ純水中に溶解させ、下表3に示す塗布型半導体前駆体溶液を作製した。このときサンプルの濃度は0.15 mol/Lとした。
硝酸インジウム水和物(In(NO3)3・xH2O Aldrich製)、硝酸亜鉛水和物(Zn(NO3)2・xH2O Aldrich製)を秤量し、それぞれ純水中に溶解させ、下表4に示す塗布型半導体前駆体溶液を作製した。このときサンプルの濃度は0.15 mol/Lとした。
上述したようにして得られた参考例1、2および比較例1、2のサンプルを比較して、参考例1、2のTFTの評価を行う。
上記各サンプルについて、電界効果移動度(移動度)を測定し、その測定結果を下表5に示す。
実施形態に係る塗布型酸化物半導体(および薄膜トランジスタ(以下、単にTFTと称する))は、図1に示す上記参考形態に係るTFTと同様の層構成をなしており、共通する部分についての説明は、重複記載により煩雑となることを避けるために、参考形態における説明によって代替し、以下において、参考形態とは異なる点を中心として説明する。
また、実施形態に係る塗布型酸化物半導体も、上述した参考形態と同様に、実施形態に係るTFT内の塗布型酸化物半導体として用いることを前提としている。しかし、上記参考形態のものが、塗布型酸化物半導体の前駆体溶液として、インジウム、亜鉛、スズおよびガリウムから選択される2種類以上の金属成分を含み、この選択された金属成分のうち少なくとも1つが金属フッ化物塩からなるものであるのに対し、この実施形態のものは、塗布型酸化物半導体の前駆体溶液として、インジウム、亜鉛、スズおよびガリウムから選択される2種類以上の金属成分を含むとともに、フッ素イオンを有する添加剤を含むものである点において相違している。
半導体層4の前駆体溶液としては上述した金属成分およびフッ素イオンを有する添加剤を含んでいる。
具体的なフッ素イオンを含む添加剤としては、下記のフッ素化合物が挙げられる。
例えば、フッ化水素、フッ化水素酸、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウム、ケイフッ化アンモニウム、フッ化水素酸アンモニウム、フッ化ホウ酸、フッ化臭素、フッ化アンモニウム(NH4F)、一水素二フッ化 アンモニウム(NH4FHF)、フッ化メチルアミン(CH3NH3F)、フッ化エチルアミン(C2H5NH3F)、フッ化ブチルアミン(C4H9NH3F)、フッ化ジメチルアミン((CH3)2NH2F)、フッ化ジエチルアミン((C2H5)2NH2F)、フッ化トリエチルアミン((C2H5)3NHF)等が挙げられる。
金属元素含有化合物としても、参考形態と同様である。
また、金属塩としても、参考形態と同様で、硝酸塩、塩化物塩、硫酸塩、酢酸塩といった無機酸塩から形成されるものを用いることができる。具体的なインジウム化合物としては、塩化インジウム(Indium Chloride)、酢酸インジウム(Indium acetate)、硝酸インジウム(Indium nitrate)などが挙げられる。亜鉛化合物としては、塩化亜鉛(Zinc chloride)、酢酸亜鉛(Zinc acetate)、酢酸亜鉛水和物(Zinc acetate hydrate)、硝酸亜鉛(Zinc nitrate)が亜鉛化合物として挙げられる。またスズ化合物としては、塩化スズ(Tin chloride)、酢酸スズ(Tin acetate)等が挙げられる。
前駆体溶液の調整も、参考形態と同様に、金属塩濃度を溶液の濃度が0.1 mol/Lから1 mol/Lとなるように秤量して、溶液中にて撹拌して溶解することで得られる。
このようにして得られた前駆体溶液を基板1上に塗布することにより前駆体溶液の薄膜を形成する。
半導体層4の厚みとしても、参考形態と同様に、1 nmから100 nmとすることが好ましい。
塗布された薄膜を、酸化のための乾燥・焼成を行うことによって、半導体層4を得るが、実際の手順は、参考形態の場合と同様である。
その後の、ソース・ドレイン電極6を形成する手法は、参考形態のものと同様である。
<実施例1、2>
(概要)
厚みが200nmの熱酸化膜が付された低抵抗シリコンウエハを用い、実施例1、2のTFT、比較例3のTFTを各々作製した。
ソース・ドレイン電極はメタルマスクを用いてそのままスパッタリングをすることにより、パターニング化し、実施例TFT素子のサンプルを作製した。ソース・ドレイン電極として、モリブデンを用いた。なお、ゲート電極として低抵抗シリコンを用い、ゲート絶縁膜として熱酸化膜を用い、ソース・ドレイン電極としてモリブデンを用いた。
硝酸インジウム水和物(In(NO3)3・xH2O Aldrich製)、硝酸ガリウム水和物(Ga(NO3)3・xH2O Aldrich製)、硝酸亜鉛水和物(Zn(NO3)2・xH2O Aldrich製)を秤量し、添加剤としてフッ化水素酸(0.6%)を加え、それぞれ純水中に溶解させ、下表6に示す塗布型半導体前駆体溶液を作成した。このときサンプルの濃度は0.3 mol/Lとした。
このときの膜厚は15 nmであった。
この後半導体層をフォトリソグラフィー法によりアイランド状にパターニング化し、塗布型半導体層を形成した。続いてメタルマスクを用い、モリブデンでDCスパッタリング法によりソース・ドレイン電極を形成し、実施例1の評価用TFTサンプルを作製した。
硝酸インジウム水和物(In(NO3)3・xH2O Aldrich製)、硝酸ガリウム水和物(Ga(NO3)3・xH2O Aldrich製)、硝酸亜鉛水和物(Zn(NO3)2・xH2O Aldrich製)を秤量し、添加剤としてフッ化水素酸(0.3%)を加え、それぞれ純水中に溶解させ、下表7に示す塗布型半導体前駆体溶液を作成した。このときサンプルの濃度は0.3 mol/Lとした。
硝酸インジウム水和物(In(NO3)3・xH2O Aldrich製)、硝酸ガリウム水和物(Ga(NO3)3・xH2O Aldrich製)、硝酸亜鉛水和物(Zn(NO3)2・xH2O Aldrich製)を秤量し、それぞれ純水中に溶解させ、下表8に示す塗布型半導体前駆体溶液を作製した。このときサンプルの濃度は0.3 mol/Lとした。
上述したようにして得られた実施例1、2および比較例3のサンプルを比較して、実施例1、2のTFTの評価を行う。
上記各サンプルについて、電界効果移動度(移動度)を測定し、その測定結果を下表9に示す。
例えば、上記塗布型半導体前駆体溶液に含まれる金属成分としては、インジウム、亜鉛、スズおよびガリウムのうちの2種類であっても良いし、3種類あるいは全種類であっても良い。
また、上記実施形態においては、塗布型酸化物半導体として、ボトムゲート型の構成のものについて説明しているが、本発明の塗布型酸化物半導体としては、トップゲート型の構成のものも、同様に適応し得る。但し、トップゲート型の塗布型酸化物半導体の場合には、塗布型半導体前駆体溶液は、通常、ソース・ドレイン電極や基板上に塗布されて酸化物半導体層が形成されることになる。
また、塗布型酸化物半導体は、薄膜トランジスタのチャンネル層として用いられるものに限られず、液晶、プラズマ、EL等の表示素子、太陽電池、さらにはタッチパネルや各種電極等にも好適に用いることができる。
また、上述した薄膜トランジスタを用いて表示駆動部を形成し、例えば、有機ELディスプレイ(OLED)やLCD等の種々の表示装置を形成することができる。
2 ゲート電極
3 ゲート絶縁膜
4 半導体層(塗布型酸化物半導体層)
6 ソース・ドレイン電極
Claims (9)
- インジウム、亜鉛、スズおよびガリウムから選択される2種類以上の金属成分を含むとともに、フッ素イオンを有する添加剤を含むことを特徴とする塗布型半導体前駆体溶液。
- 請求項1記載の塗布型半導体前駆体溶液を所定のベース上に塗布し、酸化してなることを特徴とする塗布型酸化物半導体。
- 基板上に、少なくとも、ゲート電極、ゲート絶縁膜、塗布型酸化物半導体層、およびソース・ドレイン電極を有する構成とされ、前記塗布型酸化物半導体層は、前記ゲート絶縁膜の上部または下部に位置するように、請求項1記載の塗布型半導体前駆体溶液を所定のベース上に塗布し、酸化してなることを特徴とする薄膜トランジスタ。
- 前記塗布型半導体前駆体溶液を構成するフッ素イオンを有する添加剤が、フッ化水素酸を含む溶液であることを特徴とする請求項3に記載の薄膜トランジスタ。
- 前記塗布型酸化物半導体層が、少なくともインジウムと亜鉛の金属成分、およびフッ素を含むことを特徴とする請求項3または4に記載の薄膜トランジスタ。
- 前記塗布型半導体前駆体溶液を構成する溶媒は、水が主成分であることを特徴とする請求項3〜5のうちいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
- 前記塗布型半導体前駆体溶液を酸化する処理が、マイクロ波照射および紫外光照射のいずれかによる加熱処理、または焼成処理であることを特徴とする請求項3〜6のうちいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
- 基板上に、少なくとも、ゲート電極、ゲート絶縁膜、塗布型酸化物半導体層、およびソース・ドレイン電極を形成し、
インジウム、亜鉛、スズおよびガリウムから選択される2種類以上の金属成分を含むとともにフッ素イオンを有する添加剤を含む塗布型半導体前駆体溶液を作成し、
前記塗布型酸化物半導体層が前記ゲート絶縁膜の上部または下部に位置するように、前記塗布型半導体前駆体溶液を所定のベース上に塗布し、この後酸化することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。 - 前記塗布型半導体前駆体溶液を所定のベース上に塗布する工程が、前記所定のベース上に、まず、前記フッ素イオンを有する添加剤を含まない塗布型半導体前駆体溶液を塗布して薄膜を形成し、その後、該薄膜上に前記フッ素イオンを有する添加剤を含む塗布型半導体前駆体溶液を塗布して薄膜を形成する工程、であることを特徴とする請求項8に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
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