JP2021101065A - 杭頭処理工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】場所打ちコンクリート杭の杭頭処理において全装薬孔を杭中心の放射状配置にしない場合でも所要の装薬孔を確保し、全装薬孔を杭中心の放射状配置にする場合と同様の破砕効果を得ることができ、しかも作業効率が大幅に向上する杭頭処理工法を提供する。【解決手段】この杭頭処理工法は、杭鉄筋の組み立て時に複数のさや管を杭鉄筋に配置する工程S02と、コンクリートを打設する工程S03と、複数のさや管により形成された複数の装薬孔に装薬材を装填する工程S06と、装填された装薬材内の動的破砕剤により杭頭部の杭頭余盛部を水平破断する工程S09と、を含み、複数の装薬孔の一部が杭中心の放射状配置の一部をなすように第1の装薬孔として形成され、放射状配置の残りをなす複数の装薬孔と少なくとも同数の装薬孔が第2の装薬孔として所定の杭直径方向に関して線対称に形成される。【選択図】図3

Description

本発明は、場所打ちコンクリート杭の杭頭処理を行う杭頭処理工法に関する。
従来、場所打ちコンクリート杭の杭頭を破砕処理する方法として、コンクリート杭において想定された破断面近傍に半径の90%程度の長さの横孔を複数本放射状に削孔し、そこに所要量の動的破砕剤を装薬し、遠隔操作にて杭頭の余盛り部を水平破断する工法について検討が進められてきている(特許文献1参照)。
特開2018−076650号公報
装薬孔となる横孔は、電動のハンドドリルで径が22〜29mm程度のものを杭径に応じて4〜8本削孔するが、杭径が1,200〜1,500mmの場合、その半径の90%程度の長さの装薬孔では、削孔に各孔毎に10〜15分ほどの時間を要する。その場合、比較の対象となるのは、全周くさび(せり矢)入れによる杭頭切断方式で、1,200〜1,500mm程度の杭径であると、全周8箇所位を先行削孔し、その後くさびを打てば、水平破断できるとのことで、これだと人力で装薬孔を削孔する横孔方式とそれほど遜色ない時間で施工できる可能性がある。
このような施工時間を要する状況に対処するために、装薬孔である横孔を、杭鉄筋の組立時に、先行して取り付け、コンクリート打設後、杭頭表出時に、破砕予定ライン上に横孔の出口が見える状態にすることが考えられる。この場合、注意しなければならないのは、先付けした装薬孔が、杭コンクリート打設時のトレミー管と接触しないようにその配置を設定することである。
そこで、本願では、動的破砕剤の装薬自体は、後施工とするが、装薬孔(水平方向の横孔)を先付けし、現地でのドリル削孔を省略する方法を検討した。かかる方法は、基本的には、装薬孔を横孔とし、装薬自体は後施工とするが、最も時間を要するドリル削孔を省略できるため、大幅な時間短縮となり、延いては杭頭処理の全体工程を50%以上短縮できる可能性がある。また、削孔に要する人工と作業時間が不要となるため、やはり大幅なコストダウンが見込める。
動的破砕剤の装薬孔を造作する手法に着目し、従来の杭頭処理の各種工法について、前施工、後施工を取り合わせて、検討する。
(1)はつり工法
杭頭の余盛り部を手動式の破砕機を用いて人力によりはつり、発生したコンクリートガラを処理する工法で、事前の準備工としては、破砕ラインの確認程度であるが、作業時間に制限があるなどして時間を要するばかりでなく、騒音・振動が著しく、周辺環境に大きく影響する。また、作業中に、杭頭の鉄筋を傷めるなど、工法的な問題もある。
(2)せり矢工法
杭径がφ1,200〜1,600mmの中形の杭に、比較的有効とされているが、破砕ラインに8箇所程度、先行削孔し、その後、各削孔箇所にせり矢を打ち、亀裂を杭全周に派生させることにより、水平破断する工法である。ある程度の手間と時間を要するが、単純な工法の割に、確実性が比較的高い。しかし、杭径がφ2,000mmを超える領域では、先行削孔箇所が多くなり、切断の確度は著しく低下する。また、杭頭を現地で小割する場合は、結局「はつり工法」を適用せざるを得ない。
(3)静的破砕剤
あらかじめ杭頭に設置したシース管などに挿入した破砕剤の膨張作用により、杭頭のコンクリートを小割にし、処理する工法である。本工法については、前施工の準備工としてシース管の配置・固定があり、後施工として静的破砕剤の投入があるため、全般的に破砕剤が杭頭全体に適度に作用させることが難しく、また、水平面が適度に形成され難いため、結果的に人力による仕上げはつりの量が多くなる傾向にある。
(4)竪管方式水平フィン付装薬ホルダー方式による動的破砕適用の水平破断工法
杭筋組立て時に、竪管方式の水平フィン(平鋼2枚重ね)付装薬ホルダー4本を杭外周の杭主筋内側に配置し、密閉状態とし、杭工事、掘削工事以降における杭頭表出後に、動的破砕剤を装薬ホルダーに挿入し、遠隔操作にて杭余盛り部を動的破砕により水平破断する。この方法についても、特に時間や手間を要するような作業はないが、杭施工前に関連機器材を装着する必要があり、装薬ホルダーの固定が難しいなど、(3)と同様の短所が指摘される。また、ホルダー上部を速硬モルタルで閉塞する必要があり、約1時間の硬化時間を要する。加えて、竪管方式の装薬ホルダーが高価であり、杭頭処理工法としては、最も費用が高い。
(5)横孔方式による動的破砕適用の水平破断工法
本工法は、後施工となる横孔方式により動的破砕剤を装薬し、杭頭余盛り部を水平破断する工法になるが、通常は、半径×90%程度の長さの横孔を放射状に設けるが、これをさや管に換えて、前施工とした場合、杭断面中央のトレミー管配置箇所の確保が難しい。装薬孔長さを調整するなど、トレミー管配置が不可ではないが、(4)と同様に、前施工でさや管を所定位置に保持するのが難しい。
(6)敷地外周部および隅角部における杭頭水平破断方法
横孔方式による水平破断工法を基本として、対象杭が敷地外周部にある場合、その外周部側の装薬孔を、すべて敷地側からハンドドリルで削孔できるように配置して杭頭処理する方法を本発明者は先に特願2018-172094において提案した。すなわち、一部の装薬孔は、放射状配置であり、他の装薬孔を近接する放射状配置の装薬孔と平行に配置し、それらの間隔が適切で、装薬量が適量であれば、水平破断に到る破砕力を確保できる。本方法における破砕メカニズムとしては、装薬孔放射状配置の横孔方式と同様に、ほぼ同時に発生する破砕力が別の破砕力発生元である最近接の他の装薬孔に向かうため、この場合は中央から放射状4方向と平行2方向に破砕力が伝播し、水平破断される。
市街地での杭頭処理工事は、発生する騒音や振動が規定値以内であることはもとより、近隣周辺へ不安や不快感を与えないよう極力低減する必要がある。そのためには、破砕機器によるはつり作業を極力回避することが望ましく、したがって、せり矢工法、静的破砕剤あるいは動的破砕剤の適用が必要条件となる。一方で、静的破砕剤は上述のように破砕剤挿入が後行作業となり、先行作業であるシース管取付けやコンクリート打設などによる影響も大きいことなどから、破砕の確度が必ずしも高いとは言えなく、環境配慮、施工性の観点から動的破砕の方が有効性は高いと判断できる。
動的破砕を適用する現行工法として、竪管方式の水平フィン(平鋼2枚重ね)付装薬ホルダー×4本を杭外周の杭主筋内側に均等に配置し、杭工事、掘削工事以降における杭頭表出後に、動的破砕剤を装薬ホルダー内に挿入し、遠隔操作にて杭余盛り部を動的破砕により水平破断させる方法がある。この工法は、杭周辺の敷地の状態には何ら影響を受けないが、装薬準備の大部分が杭鉄筋組立て時となるため、杭頭が表出するまでの施工により装薬用機器材が損傷を受けたり、杭鉄筋が曲がったりして、破砕後に杭余盛り部が揚重できないなど、様々な支障が考えられる。また、装薬孔が鉛直方向である場合、装薬した破砕剤が有効に機能するためには、その上端を固化体で拘束する必要があり、従来は速硬性の無収縮モルタルを使用していたが、硬化までに1時間前後を要していたため、1日の施工量がこの時間により限定される状況であった。
装薬準備を杭頭が表出してから行う後施工方式を基本とし、時間を要さない簡易な方法により装薬準備を行い、しかも杭余盛り部を動的破砕により確実に水平破断できる工法として上述の横孔方式による水平破断工法がある。これは杭頭余盛り部を水平破断する工法としては、最も効率的な方法と考えられるが、杭が敷地外周部にある場合、放射状に配置されている装薬孔の外周部側が削孔できない事態となる。
そこで、最近年では、横孔方式による水平破断工法を基本として、対象杭が敷地外周部にある場合でも、一部の装薬孔だけが杭中心の放射状配置の一部をなすようにした杭頭部破断可能な装薬孔の設置方法が上述の特願2018-172094で提案されている。また、その方式による破砕効果が、装薬孔を放射状配置とした場合と遜色ないことも確認されている。しかしながら、装薬孔である横孔を削孔するのに、削孔長mあたり、10〜15分を要する。したがって、径が1,200〜1,600mmの杭だと、敷地外周部にある場合の装薬孔配置とすると、1装薬孔の削孔に40〜60分程度の時間を要することになる。これを、この程度の杭径に適しているせり矢工法を適用すると、8箇所程度先行削孔し、各孔にせり矢を入れることにより、外周側から内部に向けて、徐々に亀裂が進展し、削孔レベルで水平破断する。2人工で作業を行うとして、先行削孔に各人5〜10分、せり矢に各人約10分/箇所を要すると仮定すると、杭1箇所あたり、60〜80分程度となる。このようなせり矢工法と、削孔後に装薬、結線、点火と作業が続く動的破砕とを比較すると、両者は工程的にほとんど差のない作業速度と考えられる。ただし、せり矢工法は端部または隅角部で杭に隣接した障害物があるときには使用できない。
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、場所打ちコンクリート杭の杭頭処理において全装薬孔を杭中心の放射状配置にしない場合でも所要の装薬孔を確保し、全装薬孔を杭中心の放射状配置にする場合と同様の破砕効果を得ることができ、しかも作業効率が大幅に向上する杭頭処理工法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための杭頭処理工法は、場所打ちコンクリート杭の杭頭処理を行う杭頭処理工法であって、コンクリート杭の杭鉄筋の組み立て時に複数のさや管を杭軸方向に直交しかつ杭天端に関連する高さ位置が同一となるように配置する工程と、前記杭鉄筋が設置された所定位置においてコンクリートを打設する工程と、前記コンクリート杭において前記複数のさや管により形成された複数の装薬孔に装薬材を前記装薬孔の奥端部に達するように装填する工程と、前記装填された装薬材内の動的破砕剤により前記杭頭部の杭頭余盛部を水平破断する工程と、を含み、
前記複数の装薬孔の一部が杭中心の放射状配置の一部をなすように第1の装薬孔として形成され、前記放射状配置の残りをなす複数の前記装薬孔と少なくとも同数の前記装薬孔が第2の装薬孔として所定の杭直径方向に関して線対称に形成されるものである。
この杭頭処理工法によれば、さや管をコンクリート打設前に配置することで、打設後にさや管に対応した位置に装薬孔が形成されるので、コンクリート杭に装薬孔を削孔する場合よりも作業効率が大幅に向上する。また、複数のさや管の配置により、複数の装薬孔の一部が杭中心の放射状配置の一部をなすように第1の装薬孔として形成され、放射状配置の残りをなす複数の装薬孔と少なくとも同数の装薬孔が第2の装薬孔として対面する半円側で所定の杭直径方向に関して線対称に形成されることで、全装薬孔を杭中心の放射状配置にする場合と同様の破砕効果を得ることができる。
上記杭頭処理工法において、前記第1の装薬孔に対応する前記さや管が前記コンクリート打設工程で杭中心に配置されるトレミー管と干渉しないように前記さや管の長さを調整することが好ましい。なお、前記第2の装薬孔は、その最奥部が杭中心から外れるように配置されることが好ましい。
また、前記コンクリート杭は同一の施工区域内に複数本打設され、前記複数本のコンクリート杭のうち前記施工区域の端部または隅角部に位置するコンクリート杭に隣接して障害物が存在する場合に、前記装薬材を前記コンクリート杭の外周面から前記装薬孔に挿入可能なように前記複数の装薬孔の方向を決定することが好ましい。
上記杭頭処理工法によれば、コンクリート杭が施工区域の端部や隅角部に位置し、コンクリート杭に隣接した障害物がある場合でも装薬材を装薬孔に装填できるが、この場合は、装薬材をコンクリート杭の外周面から装薬孔に挿入できるように前もって複数の装薬孔(複数のさや管)の方向を決定しておく。
上記目的を達成するためのもう1つの杭頭処理工法は、場所打ちコンクリート杭の杭頭処理を行う杭頭処理工法であって、コンクリート杭の杭鉄筋の組み立て時に複数のさや管を杭軸方向に直交しかつ杭天端に関連する高さ位置が同一となるように配置する工程と、前記杭鉄筋が設置された所定位置においてコンクリートを打設する工程と、前記コンクリート杭において前記複数のさや管により形成された複数の装薬孔に装薬材を装填する工程と、前記装填された装薬材内の動的破砕剤により前記杭頭部の杭頭余盛部を水平破断する工程と、を含み、
前記複数の装薬孔は、所定の杭直径方向に関してそれぞれ少なくとも2本ずつ線対称に形成され、
前記コンクリート杭は同一の施工区域内に複数本打設され、前記複数本のコンクリート杭のうち前記施工区域の端部または隅角部に位置するコンクリート杭に隣接して障害物が存在する場合に、前記装薬材を前記コンクリート杭の外周面から前記装薬孔に挿入可能なように前記複数の装薬孔の方向を決定するものである。
この杭頭処理工法によれば、さや管をコンクリート打設前に配置することで、打設後にさや管に対応した位置に装薬孔が形成されるので、コンクリート杭に装薬孔を削孔する場合よりも作業効率が大幅に向上する。また、複数のさや管の配置により、複数の装薬孔を所定の杭直径方向に関してそれぞれ少なくとも2本ずつ線対称に形成することで全装薬孔を杭中心の放射状配置にする場合と同様の破砕効果を得ることができる。また、コンクリート杭が施工区域の端部や隅角部に位置し、コンクリート杭に隣接した障害物がある場合でも装薬材を装薬孔に装填できる。
上記各杭頭処理工法において、前記水平破断する杭の水平断面積に対し前記各装薬孔が担当する担当破断面積に基づいて前記装薬材内の動的破砕剤の量を設定することが好ましい。各装薬孔に装填される装薬材は、その中の動的破砕剤の量に応じて杭の水平破断に関与し杭の水平破断の一部を担当するが、この装薬孔毎の担当破断面積に基づいて装薬材内の動的破砕剤の量を設定することで、効率的な杭の水平破断を実施できる。
また、前記担当破断面積は、前記装薬孔と隣接する前記装薬孔との間の仮想線と前記所定の杭直径方向と前記杭の外周とにより定められることが好ましい。
また、前記装薬材内の動的破砕剤の必要量に基づいて前記各装薬孔の長さおよび径の少なくとも一方を調整することが好ましい。
また、必要に応じて、前記所定の杭直径上に前記装薬孔を追加することが好ましい。
本発明の杭頭処理工法によれば、場所打ちコンクリート杭の杭頭処理において全装薬孔を杭中心の放射状配置にしない場合でも所要の装薬孔を確保し、全装薬孔を杭中心の放射状配置にする場合と同様の破砕効果を得ることができ、しかも作業効率が大幅に向上する。
本実施形態におけるコンクリート杭の杭頭余盛部を説明するために杭鉄筋と杭頭部を水平方向に切断して見た要部平断面図(a)および鉛直方向に切断して見た要部立断面図(b)である。 本実施形態による杭頭処理工法に用いる装薬材を概略的に示す立断面図である。 本実施形態による場所打ちコンクリート杭の杭頭処理工法の主要な工程S01〜S13を説明するためのフローチャートである。 本実施形態による装薬孔の別の配置例を示す図1(a)と同様の図である。 本実施形態による装薬孔のさらに別の配置例を示す図1(a)と同様の図である。 本実施形態による装薬孔のさらに別の配置例を示す図1(a)と同様の図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。図1は本実施形態におけるコンクリート杭の杭頭余盛部を説明するために杭鉄筋と杭頭部を水平方向に切断して見た要部平断面図(a)および鉛直方向に切断して見た要部立断面図(b)である。
まず、本実施形態における場所打ちコンクリート杭および杭鉄筋について図1を参照して説明する。図1(a)(b)のように、破線で示す場所打ちのコンクリート杭10を施工するための杭鉄筋は、コンクリート杭10の杭軸方向に延びる所定数の杭主筋11が上面から見て円周上に等間隔に配置されるとともに、所定数の杭主筋11を包囲するようにリング状のせん断補強筋12が配置されることで、組み立てられる。所定数のせん断補強筋12は、図1(b)のように、コンクリート杭10の杭軸方向に等間隔に配置される。
図1(a)(b)のように、コンクリート杭10は、杭鉄筋が所定位置に設置されてから、コンクリート打設により形成され、その杭頭部20において杭頭余盛部21が杭天端22と余盛天端23との間に位置する。なお、水平破断後の杭頭余盛部21を揚重するときに使用する複数の埋め込みアンカー25が杭頭余盛部21の外周面に等間隔に配置されている。
次に、本実施形態による杭頭処理工法においてコンクリート杭10の杭頭余盛部21を横孔方式の水平破断工法により水平破断するために設ける装薬孔について説明する。
図1(a)では杭頭余盛部21の水平破断のための装薬孔の総数を8本としている。すなわち、複数の装薬孔31〜38が杭軸方向に直交しかつ杭天端22に関連する高さ位置が同一となるように設けられている。そのうち、装薬孔31,32,33,36が杭中心Pに放射状に等間隔に配置されている。以下、かかる配置を杭中心の放射状配置という。
図1(a)のように、複数の装薬孔31,32,33,36(第1の装薬孔)は、杭中心の放射状配置とされ、放射状配置の残りをなす複数の装薬孔と同数の装薬孔34,35,37,38(第2の装薬孔)は、杭中心の放射状配置ではなく、装薬孔34,35が隣接する第1の装薬孔33と平行に配置され、同様に、装薬孔37,38が隣接する第1の装薬孔36と平行に配置される。
また、装薬孔33と34の間隔d1と、装薬孔34と35の間隔d2とはほぼ等しくなっている。装薬孔36と37の間隔と、装薬孔37と38の間隔も同様にほぼ等しい。
図1(a)のように、第2の装薬孔である装薬孔37,38と、第2の装薬孔の装薬孔34,35とは、所定の杭直径方向rを対称軸として線対称な位置関係になっている。また、第2の装薬孔34,35,37,38は、第2の装薬孔34,35の最奥部Aおよび37,38の最奥部Bが杭中心Pから外れるように配置される。
装薬孔31〜38はコンクリート打設前の杭鉄筋の組み立て時にさや管を各装薬孔31〜38と対応する位置に配置することで形成される。すなわち、装薬孔31〜38に対応した位置に複数のさや管が軽量鋼材47,48,49に固定されて配置される。この際に、第1の装薬孔31,32,33,36に対応する各さや管がコンクリート打設の際に杭中心Pに配置されるトレミー管T(図1(a)に破線で示す)と干渉しないようにさや管の長さを調整する。装薬孔31〜38に対応する各さや管は、軽量鋼材47〜49の内の2つの部材に載るようにして番線等を用いて固定され支持され、安定したさや管の固定・支持状態を確保できる。
図2は本実施形態による杭頭処理工法に用いる装薬材を概略的に示す立断面図である。図2のように、装薬材40内には動的破砕剤41と点火具42とが配置されている。すなわち、装薬材40は、可撓性のあるビニル管43内に、粒状の動的破砕剤41と点火具42とが収容されており、ビニル管43の両端は、プラスチック製の栓45a,45bがはめ込まれてからシール材46a,46bにより止水され密閉されている。また、点火具42から脚線44が外部へと延びている。
なお、動的破砕剤41は、公知の各種破砕剤を使用でき、たとえば、酸化第2銅、アルミニウム、硫酸マグネシウム7水和物を主成分としたものを使用でき、点火すると、テルミット反応による激しい還元反応とともに高温・高圧の水蒸気が発生し、この発生した膨張圧を破砕力として利用する。また、臭素酸塩等のガス発生剤を主剤とした薬筒と点火具が一体となったものも使用でき、密閉状態で点火すると、高温・高圧ガスを発生する。
また、動的破砕剤41の装薬量は、水平破断する杭の水平断面積に対し各装薬孔31〜38が担当する担当破断面積に基づいて設定される。すなわち、各装薬孔31〜38に装填される装薬材40は、その中の動的破砕剤41の装薬量に応じて杭の水平破断に関与し杭の水平破断の一部を担当するが、この装薬孔毎の担当破断面積がたとえば等しくなるように装薬材40内の動的破砕剤41の装薬量を設定することで、効率的な杭の水平破断を実施できる。装薬材40内の動的破砕剤41の必要な装薬量に基づいて各装薬孔31〜38の長さおよび径の少なくとも一方を調整する。図1では各装薬孔31〜38の径を一定とし、長さを調整することで動的破砕剤41の必要な装薬量を調整している。
次に、本実施形態による場所打ちコンクリート杭の杭頭処理工法の主要な工程S01〜S13について図3のフローチャートを参照して説明する。まず、図1(a)(b)のように所定数の杭主筋11と所定数のせん断補強筋12とから杭鉄筋を組み立てる(S01)。
上記杭鉄筋の組立の際に図1(a)のように軽量鋼材47〜49を配置し各装薬孔31〜38に対応する位置に各さや管を配置する(S02)。さや管は、たとえば肉厚1mm程度の鋼管であって、奥側が閉塞されているものを用いる。
次に、杭鉄筋を杭設置位置に建て込み(S03)、さや管による装薬孔31〜38の位置を調整した後(S04)、トレミー管Tを通して杭鉄筋内へコンクリートを打設する(S05)。
次に、杭コンクリートの養生後、掘削工事を行い(S06)、図1(b)のコンクリート杭10の杭頭部20を表出させ、コンクリート杭10の杭頭部20の外周面において各さや管の開口を露出させる。各さや管が装薬孔31〜38となる。
次に、図2のようにビニル管43内に動的破砕剤41と点火具42を詰めて密閉した装薬材40を用意し(S07)、装薬材40を装薬孔31〜38内に各奥端部に達するように挿入する(S08)。なお、装薬孔31〜38の孔長は、装薬材40の長さよりも長くなっている。
次に、点火具42に接続した脚線44を装薬孔31〜38の外部に取り出した後、砂等からなる込め物を残りの間隙に充填し装薬孔31〜38を密閉する(S09)。
次に、装薬孔31〜38内の各装薬材40の点火具42から外部へ取り出した各脚線44を直列に連結し、発破器(図示省略)から延長された発破母線(図示省略)に接続する(S10)。
次に、発破器による遠隔操作で各点火具42を点火し、装薬孔31〜38内の各動的破砕剤41が各脚線44の直列連結により同時に点火されることで、装薬孔31〜38内で各動的破砕剤41によりほぼ同時に発生する破砕力によって図1(b)の杭頭部20の杭頭余盛部21を水平破断する(S11)。
すなわち、装薬孔31〜38内で各動的破砕剤41によりほぼ同時に発生する破砕力による亀裂が別の破砕力発生元である最近接の他の装薬孔に向かうため、第1の装薬孔31〜33,36での中央からの放射状4方向および第2の装薬孔34,35,37,38での平行2方向ずつの破砕力による亀裂が水平方向に伝播し、杭頭余盛部21が水平破断される。このとき、第1の装薬孔のうちの近接する2つの装薬孔31と32,同じく32と33,同じく31と36同士は、それらの外周面側の各端部からの亀裂が水平方向に伝播し互いに連結するとともに、第2の装薬孔35,38および第2の装薬孔34,37の各奥端部からの亀裂が水平方向に伝播し互いに連結する。
次に、水平破断した杭頭余盛部21を、埋め込みアンカー25を用いて揚重し別の場所に移動し(S12)、杭頭余盛部21に複数の縦孔を形成し、図2と同様の装薬材を挿入してから装薬材の動的破砕剤により杭頭余盛部21を小割破砕し(S13)、外部に搬出する。なお、さや管や軽量鋼材47〜49の破砕後の残片は、小割り処理の前に外して破棄する。
本実施形態の杭頭処理工法によれば、コンクリート杭10の杭頭処理において、装薬孔をさや管に代替し、杭鉄筋の組立時にさや管を取付ける前施工とし、コンクリート打設後の後施工を装薬と配線と点火のみとする工法により、さや管に対応した位置に装薬孔が形成され、コンクリート杭に装薬孔を削孔する必要がないので、コンクリート杭の削孔を伴う工法と比べて、作業効率が大幅に向上する。
また、複数のさや管の配置により、複数の装薬孔の一部が杭中心の放射状配置の一部をなすように第1の装薬孔31,32,33,36として形成され、放射状配置の残りをなす複数の装薬孔と同数の装薬孔が第2の装薬孔34,35,37,38として第1の装薬孔のうちの隣接する装薬孔と略平行になるように形成されることで、全装薬孔を杭中心の放射状配置にする場合と同様の破砕効果を得ることができる。この場合、第2の装薬孔については装薬孔37,38と装薬孔34,35とが所定の杭直径方向rを対称軸として線対称な位置関係にある。
また、図1(a)のように、コンクリート杭10が施工区域の境界線B1,B2からなる隅角部CRに位置する場合でも、全ての装薬孔31〜38に対し図2の装薬材40を境界線B1,B2に存在する外壁等の障害物と干渉することなく挿入することができる。したがって、図1(a)のような装薬孔31〜38の配置は、施工区域内におけるコンクリート杭の位置に拘わらず適用可能である。ただし、上述のように、コンクリート杭10が施工区域の1または2の境界線B1,B2に近接する場合には、装薬材40をコンクリート杭10の杭頭部20の外周面から各装薬孔31〜38に挿入可能なように、さや管の配置の際に装薬孔の位置と向きを考慮して複数の装薬孔31〜38(複数のさや管)の配置を決定する。
図1(a)(b)では装薬孔の総数を8本としたが、本実施形態はこれに限定されず、装薬孔の本数は、事前に試験等で断面積に対する平米あたりの動的破砕剤容量を定め、破砕時のガス圧で切断される範囲を想定して本数を定めるので、対象とする杭径および装薬孔の径等によって異なる。
次に、図4に装薬孔の総数を11本とした例を示す。装薬孔81〜85が第1の装薬孔として杭中心の放射状配置とされ、放射状配置の残りをなす複数の装薬孔よりも1本多い複数の装薬孔86〜91が第2の装薬孔として配置されている。第2の装薬孔である装薬孔86,87,88は、装薬孔84と平行にかつ近接する装薬孔間の間隔が等しくなるように配置されている。同様に、装薬孔89,90,91は、装薬孔85と平行にかつ近接する装薬孔間の間隔が等しくなるように配置されている。また、第2の装薬孔86〜88と89〜91とは、所定の杭直径方向rに関して互いに線対称になっている。また、第2の装薬孔86〜88の最奥部および第2の装薬孔89〜91の最奥部が杭中心Pから外れるように配置されている。また、第1の装薬孔81〜85に対応する各さや管の長さは、コンクリート打設の際に使用されるトレミー管Tと干渉しないように調整されている。また、図1の場合と同様に、動的破砕剤41の装薬量は、水平破断する杭の水平断面積に対し各装薬孔81〜91が担当する担当破断面積に基づいて設定される
図4の例によれば、図1と同様の水平破砕効果を得ることができる。また、コンクリート杭10が図1(a)と同様に、境界線B1,B2からなる隅角部CRに位置する場合でも、全ての装薬孔81〜91に図2の装薬材40を挿入可能である。なお、図4の所定の杭直径方向r上に位置する装薬孔82は省略可能であるが、装薬孔81,83において動的破砕剤の装薬量が不足する場合には、装薬孔82を省略しないことが好ましい。
次に、図5に装薬孔の総数を6本とした例を示す。装薬孔101,102が第1の装薬孔として杭中心の放射状配置とされ、放射状配置をなす複数の第1の装薬孔よりも2本多い複数の装薬孔103〜106が第2の装薬孔として配置されている。第2の装薬孔103と104とが平行であり、同様に、第2の装薬孔105と106とが平行である。また、第2の装薬孔103,104と105,106とは、所定の杭直径方向rに関して互いに線対称になっている。また、第2の装薬孔103,104の最奥部および第2の装薬孔105,106の最奥部が杭中心Pから外れるように配置されている。また、第1の装薬孔101,102に対応する各さや管の長さは、コンクリート打設の際に使用されるトレミー管Tと干渉しないように調整されている。また、図1の場合と同様に、動的破砕剤41の装薬量は、水平破断する杭の水平断面積に対し各装薬孔101〜106が担当する担当破断面積に基づいて設定される。
図5の例によれば、図1と同様の水平破砕効果を得ることができる。また、コンクリート杭10が図1(a)と同様に、境界線B1,B2からなる隅角部CRに位置する場合でも、全ての装薬孔101〜106に図2の装薬材40を挿入可能である。
なお、図4,図5では、各装薬孔に対応する各さや管を固定支持する軽量鋼材の図示を省略したが、各さや管は軽量鋼材により適切に固定され支持される。
次に、本実施形態のさらに別の例について図6を参照して説明する。装薬孔110,111が杭中心の放射状配置とされ、装薬孔113〜116が非放射状配置とされている。装薬孔110と111との中間位置にもう1つの同様の装薬孔を配置すれば、装薬孔の総数を7本とした上述と同じような例となるが、本例では、装薬孔110,111よりも短い複数の装薬孔112a,112b,112cを設けた。すなわち、装薬孔112bは、装薬孔110と111との中間位置であって、所定の杭直径方向r上の位置に配置されている。装薬孔112a,112cは、装薬孔110,111と平行に設けられている。また、各装薬孔に対応するさや管は、図6のように、軽量鋼材121,122により固定され安定した支持状態となっている。
また、装薬孔113と114とが平行であり、装薬孔111にほぼ平行であり、同様に、装薬孔115と116とが平行であり、装薬孔110にほぼ平行である。また、装薬孔113,114と115,116とは、所定の杭直径方向rに関して互いに線対称になっている。また、装薬孔113,114の最奥部および装薬孔115,116の最奥部が杭中心Pから外れるように配置されている。また、装薬孔110,111に対応する各さや管の長さは、コンクリート打設の際に使用されるトレミー管Tと干渉しないように調整されている。なお、装薬孔112a〜112cには、図2と構成は同様であるが、他の装薬孔に挿入される装薬材40よりも動的破砕剤41が短く設定された装薬材40が挿入される。
本例における装薬孔110〜116および装薬孔112a〜112cの具体的な位置および長さ・径の設定について説明する。
装薬孔112a,110,115,116の杭外周面において、装薬孔112aと110との間の杭周長と、装薬孔110と115との間の杭周長と、装薬孔115と116との間の杭周長とがほぼ同じになるように装薬孔112a,110,115,116の杭外周面位置が設定される。装薬孔112c,111,113,114についても同様に杭外周面位置が設定される。このため、装薬孔112aと110との間の間隔と、装薬孔110と115との間の間隔と、装薬孔115と116との間の間隔とがほぼ同じになっている。装薬孔112c,111,113,114についても同様に各間隔がほぼ同じになっている。
図6の破線で示すように、杭平面の水平断面積を杭直径方向rに関し複数の領域C,D,E,F,G,H,Iに分割する。領域CとI,DとH,EとGは、それぞれ杭直径方向rに関し対称な形状となっており、また、領域Fは、領域C〜E,G〜Iの残余部分である。領域C〜Eに装薬孔116,115,110が対応し、領域G〜Iに装薬孔111,113,114が対応し、領域Fに装薬孔112a〜112cが対応する。各領域C,D,E,F,G,H,Iは、装薬孔と隣接する装薬孔との間の破線で示す仮想線と所定の杭直径方向rと杭の外周とにより画定される。
領域Dの装薬孔115は、領域Dを画定する両側の破線で示す仮想線に対しほぼ中央でかつ平行に形成される。領域Eの装薬孔110は、領域Eを画定する両側の破線で示す仮想線に対しほぼ中央でかつ平行に形成される。領域Cの装薬孔116は領域Cを確定する破線で示す仮想線に対しほぼ平行に、かつ、コンクリート杭10の杭天端22(図1)での水平破断時にコンクリートに損傷が生じないような位置に配置される。装薬孔113,111,114も同様にして配置される。領域Fの装薬孔112bは、上述のように、杭直径方向r上に配置され、装薬孔112a,112cは、装薬孔110,111と平行に配置される。なお、装薬孔112bを省略するようにしてもよい。
図6において、装薬孔116,115,110が杭の水平破断の一部をそれぞれ担当し、領域C,D,Eの各面積が各担当破断面積である。同様に、装薬孔114,113,111が杭の水平破断の一部をそれぞれ担当し、領域I,H,Gの各面積が各担当破断面積である。また、装薬孔112a〜112cが杭の水平破断の一部をそれぞれ担当し、領域Fの面積が担当破断面積である。
各領域C,D,E,F,G,H,Iの面積を算出し、かかる面積に応じて動的破砕剤の装薬量が決まるので、各装薬孔116,115,110,112a,112b,112c,111,113,114の長さをその装薬量に対応した長さに設定する。このように、各領域C〜Iの各担当破断面積から各装薬孔に必要な動的破砕剤の装薬量が定まるので、動的破砕剤の必要装薬量を収めることができるように各装薬孔の長さおよび径の少なくとも一方を調整する。
図6の例によれば、図1と同様の水平破砕効果を得ることができる。また、コンクリート杭10が図1(a)と同様に、境界線B1,B2からなる隅角部CRに位置する場合でも、全ての装薬孔110,111,112a〜112c,113〜116に図2の装薬材40を挿入可能である。
以上のように本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。たとえば、装薬孔に装填される装薬材40の長さは、装薬孔長よりも短く設定されることが好ましい。
また、図1では、装薬孔33〜35、装薬孔36〜38は、互いに平行に配置されるが、本発明は、これに限定されず、所定の直径方向に関し線対称に配置されれば、平行でなくともよい。図4〜図6においても同様である。また、図1,図4のように、杭中心の放射状配置とされる第1の装薬孔は、3本以上の場合、等間隔に配置されるが、厳密に等間隔である必要はない。さらに、図1,図4〜図6のように、所定の複数の装薬孔は所定の杭直径方向に関して線対称に配置されるが、厳密に線対称である必要はない。これらは、施工上不可避的に生じる誤差、および、装薬孔と図1の杭主筋11との干渉を回避するためにさや管をずらして設置する場合を考慮したものである。
また、図1,図4,図5,図6の各装薬孔内における装薬材40の動的破砕剤41の各装薬量は、実験等による検討に基づいてさらに最適化するようにしてもよい。
本発明によれば、場所打ちコンクリート杭の杭頭処理において全装薬孔を杭中心の放射状配置にする場合と同様の破砕効果を得ることができるとともにコンクリート杭が施工区域の端部または隅角部に位置し、障害物に隣接する場合にも対応可能であるので、標準的な杭頭処理工法を実現できる。また、コンクリート杭を削孔して装薬孔を形成する工法と比べて作業効率が大幅に向上するとともに、施工コストも大幅に削減できる。
10 コンクリート杭
11 杭主筋
12 せん断補強筋
20 杭頭部
21 杭頭余盛部
31,32,33,36 第1の装薬孔
34,35,37,38 第2の装薬孔
40 装薬材
41 動的破砕剤
47,48,49 軽量鋼材
81〜85 第1の装薬孔
86〜91 第2の装薬孔
101,102 第1の装薬孔
103〜106 第2の装薬孔
110,111 第1の装薬孔
112a〜112c 装薬孔
113〜116 第2の装薬孔
B1,B2 施工区域の境界線
CR 隅角部
C〜I 杭の水平断面の分割領域
P 杭中心
r 杭直径方向
T トレミー管

Claims (8)

  1. 場所打ちコンクリート杭の杭頭処理を行う杭頭処理工法であって、
    コンクリート杭の杭鉄筋の組み立て時に複数のさや管を杭軸方向に直交しかつ杭天端に関連する高さ位置が同一となるように配置する工程と、
    前記杭鉄筋が設置された所定位置においてコンクリートを打設する工程と、
    前記コンクリート杭において前記複数のさや管により形成された複数の装薬孔に装薬材を装填する工程と、
    前記装填された装薬材内の動的破砕剤により前記杭頭部の杭頭余盛部を水平破断する工程と、を含み、
    前記複数の装薬孔の一部が杭中心の放射状配置の一部をなすように第1の装薬孔として形成され、
    前記放射状配置の残りをなす複数の前記装薬孔と少なくとも同数の前記装薬孔が第2の装薬孔として所定の杭直径方向に関して線対称に形成される、杭頭処理工法。
  2. 前記第1の装薬孔に対応する前記さや管が前記コンクリート打設工程で杭中心に配置されるトレミー管と干渉しないように前記さや管の長さを調整する請求項1に記載の杭頭処理工法。
  3. 場所打ちコンクリート杭の杭頭処理を行う杭頭処理工法であって、
    コンクリート杭の杭鉄筋の組み立て時に複数のさや管を杭軸方向に直交しかつ杭天端に関連する高さ位置が同一となるように配置する工程と、
    前記杭鉄筋が設置された所定位置においてコンクリートを打設する工程と、
    前記コンクリート杭において前記複数のさや管により形成された複数の装薬孔に装薬材を装填する工程と、
    前記装填された装薬材内の動的破砕剤により前記杭頭部の杭頭余盛部を水平破断する工程と、を含み、
    前記複数の装薬孔は、所定の杭直径方向に関してそれぞれ少なくとも2本ずつ線対称に形成され、
    前記コンクリート杭は同一の施工区域内に複数本打設され、
    前記複数本のコンクリート杭のうち前記施工区域の端部または隅角部に位置するコンクリート杭に隣接して障害物が存在する場合に、前記装薬材を前記コンクリート杭の外周面から前記装薬孔に挿入可能なように前記複数の装薬孔の方向を決定する、杭頭処理工法。
  4. 前記水平破断する杭の水平断面積に対し前記各装薬孔が担当する担当破断面積に基づいて前記装薬材内の動的破砕剤の量を設定する請求項1乃至3のいずれかに記載の杭頭処理工法。
  5. 前記担当破断面積は、前記装薬孔と隣接する前記装薬孔との間の仮想線と前記所定の杭直径方向と前記杭の外周とにより定められる請求項4に記載の杭頭処理工法。
  6. 前記装薬材内の動的破砕剤の必要量に基づいて前記各装薬孔の長さおよび径の少なくとも一方を調整する請求項4または5に記載の杭頭処理工法。
  7. 前記所定の杭直径上に前記装薬孔を追加する請求項1乃至6のいずれかに記載の杭頭処理工法。
  8. 前記コンクリート杭は同一の施工区域内に複数本打設され、
    前記複数本のコンクリート杭のうち前記施工区域の端部または隅角部に位置するコンクリート杭に隣接して障害物が存在する場合に、前記装薬材を前記コンクリート杭の外周面から前記装薬孔に挿入可能なように前記複数の装薬孔の方向を決定する請求項1または2に記載の杭頭処理工法。
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