JP2021100922A - ヒドロキシ基含有化合物と酸化アルキレンとの反応生成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産効率及び収率を向上させ、溶媒除去が不要となるなど、より容易な方法で合成することができ、原料の仕込みおよび検量作業が安全に行うことができ、副生成物の生成を抑制したヒドロキシ基含有化合物と酸化アルキレンとの反応生成物の製造方法を提供する。【解決手段】触媒の存在下、無溶媒下で、常温(25℃)で固体状のヒドロキシ基含有化合物に対して液体状の酸化アルキレンを、前記ヒドロキシ基含有化合物と前記酸化アルキレンとが反応しうる温度の範囲内で、徐々に接触させながら固液反応にて付加反応を行う工程を有する、反応生成物の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、ヒドロキシ基含有化合物と酸化アルキレンとの反応生成物の製造方法に関する。
ポリオキシアルキレン2−ナフチルエーテルは、光学材料の原料として使用されている。この化合物を合成する際に、これまではトルエンやキシレンなどの芳香族炭化水素の溶媒が必要であった(例えば、特許文献1、2参照)。すなわち、従来のポリオキシアルキレン2−ナフチルエーテルの製造方法は、常温で固体状の原料のβ−ナフトールをトルエンやキシレンなどの芳香族炭化水素の溶媒に溶解させて昇温し、酸化エチレンを付加反応させる方法であった。
特開2012−214366号公報 特開2010−150439号公報
しかしながら、ポリオキシアルキレン2−ナフチルエーテルの合成に使用されるトルエンやキシレンなどの芳香族炭化水素の溶媒は、毒劇物に指定されており、常温で揮発性がある。そのため、原料の仕込みおよび検量を行う際、暴露すると人体に対して非常に有害である。さらに、これらの溶媒を使用すると、1バッチあたりのポリオキシアルキレン2−ナフチルエーテルの生産量(収率)が少ないこと、合成後の精製工程では、これらの溶媒を除去する時間が必要であり、当該溶媒除去工程に時間がかかること、および溶媒中に含まれる水分とアルキレンオキサイドとが反応して副生成物が生じるという問題があった。
そこで、本発明は、生産効率及び収率を向上させ、溶媒除去が不要となるなど、より容易な方法で合成することができ、原料の仕込みおよび検量作業が安全に行うことができ、副生成物の生成を抑制したポリオキシアルキレン2−ナフチルエーテル等のヒドロキシ基含有化合物と酸化アルキレンとの反応生成物(単に反応生成物ともいう)の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意研究を行った。その結果、溶媒を使用せずに、常温で固体状のβ−ナフトール等のヒドロキシ基含有化合物に液体状の酸化アルキレンを接触させながら、固液反応にて付加反応を行うことによりポリオキシアルキレン2−ナフチルエーテル等の反応生成物が合成可能であることを見出し、本発明に至ったものである。
本発明によれば、溶媒を使用しない固液反応によるポリオキシアルキレン2−ナフチルエーテル等の反応生成物の製造方法を提供することが可能となる。その結果、生産効率及び収率を向上させ、溶媒除去が不要となるなど製造工程が短縮され、より容易な方法で合成することができ、原料の仕込みおよび検量作業が安全に行うことができる。また、副生成物の生成を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を説明する。さらに、特に断らない限り、「常温(25℃)」や「常温」とした場合、25℃での物性値(固液状態等)を表すほか、25℃(±5℃の範囲)で合成や分析を行うものとする。
本発明のヒドロキシ基含有化合物と酸化アルキレンとの反応生成物の製造方法は、触媒の存在下、無溶媒下で、常温(25℃)で固体状のヒドロキシ基含有化合物に対して液体状の酸化アルキレンを、前記ヒドロキシ基含有化合物と前記酸化アルキレンとが反応しうる温度の範囲内で、徐々に接触させながら固液反応により付加反応を行う工程を有する。かかる構成要件を満足することで、上記した発明の効果を奏し得るものである。本発明では、無溶媒下、常温で固体状のヒドロキシ基含有化合物を液体状の酸化アルキレンに溶解させることなく、常温で固体状のヒドロキシ基含有化合物に液体状の酸化アルキレンを接触させる(湿らせる)ことで、当該固液が接触した箇所(固液界面)で固液反応(付加反応)が起こることを見出したものである。
また、本発明の反応生成物が、光学樹脂に使用される原料化合物である場合には、前記ヒドロキシ基含有化合物の融点は30℃以上であり、かつ分子量は1000以下であるのが好ましい。
光学樹脂としては、例えば、「光学 第24巻 第2号 (1995年2月) 光学用プラスチック材料 河合宏政 69(9)〜75(15)頁」に記載の光学用プラスチック材料の種類等において、その使用用途に応じて適宜必要とされる(光学)特性を備えるものであればよい。一般的に使用される光学樹脂(光学用プラスチック材料)としては、上記文献に記載のアクリル系樹脂(ポリメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリシクロヘキシルメタクリレート系樹脂(PCHMA)、ポリトリシクロデシルメタクリレート系樹脂などの脂環式アクリル樹脂など);スチレン系樹脂(ポリスチレン樹脂(PS)、スチレン・アクリロニトリル共重合樹脂(SAN)など);ポリカーボネート樹脂(PC);ポリオレフィン系樹脂(ポリメチルペルテン樹脂(TPX)など)などが挙げられるが、これらに制限されるものではない。また、上記文献に記載のように無色透明なものが、いわゆる「光学樹脂(光学用プラスチック材料)」と言われるものである。このように、光学樹脂に求められる特性としては、透明性のほか、用途に応じて、例えば、屈折率、アッベ数、全光線透過率、光弾性係数(光弾性感度)、成形品複屈折(低複屈折性)、飽和吸湿率(低吸湿性)、熱変形温度(耐熱性)、成型収縮率などが挙げられ、これらを適宜備えていればよい。また、光学樹脂の用途としては、スマートフォンやタブレットなどに用いられる光学材料の原料などが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
本発明の反応生成物を光学樹脂の原料(光学用途)に用いる観点からは、常温で固体状のヒドロキシ基含有化合物の融点は、30℃以上が好ましく、30℃以上400℃以下がより好ましく、90℃以上300℃以下がさらに好ましく、かつ分子量は1000以下が好ましく、750以下がより好ましく、500以下がさらに好ましい。
常温で固体状のヒドロキシ基含有化合物の融点は、既に測定され公知文献に記載されている化合物が多く、こうした化合物の融点に関しては、文献値を用いればよい。下記に示す化合物については、カッコ内に融点が記載されているものは、その数値を用いるものとする。なお、他の化合物につき、文献などに融点の記載がない場合には、JIS K 0064:1992に準じて融点の測定を行えばよい。
常温で固体状のヒドロキシ基含有化合物としては、本発明の反応生成物が光学樹脂の原料化合物として好適であるという観点から、上記融点および分子量を満たすものが好ましい。このことから、常温で固体状のヒドロキシ基含有化合物としては、例えば、α−ナフトール(融点:96℃)、β−ナフトール(融点:121℃)、ビスフェノールフルオレン(BPF、融点:223〜224℃)、ビスナフトールフルオレン(BNF、融点:263℃)、4,4’,6,6’−テトラ−tert−ベンジル−2,2’−エチリデンジフェノール(BPM、融点:117〜120℃)、ノボラック型フェノール樹脂のオルトクレゾールノボラック(商品名:ショウノールCRG−951、昭和電工株式会社製)、1−アントラセノール(融点:150℃)、2−アントラセノール(融点:166℃)、9−アントラセノール(融点:152℃)、エストラ−1,3,5(10),16−テトラエン−3−オール(融点:152℃)、ベンズアントラセン−5−オール(融点:196〜205℃)、ベンズアントラセン−3−オール(融点:207〜208℃)、ベンズアントラセン−4−オール(融点:230℃)、2−トリフェニルエーテル(融点:213〜215℃)などのフェノール類;1−トリデカノール(融点:33℃)、1−テトラデカノール(融点:38℃)、1−ペンタデカノール(融点:46℃)、1−ヘキサデカノール(融点:49℃)、1−ヘプタデカノール(融点:54℃)、1−オクタデカノール(融点:60℃)、1−イコサノール(融点:64℃)、ドコサノール(融点:70℃)、1−テトラコサノール(融点:77℃)、1−トリアコタノール(融点:87℃)、ペンタエリスリトール(融点:261℃)、ビスフェノキシエタノールフルオレン(BPEF、融点:161〜163℃)等のアルコール系;1,6−ヘキサンジオール(融点:40〜44℃)、1,13−トリデカンジオール(融点:74℃)、1,14−テトラデカンジオール(融点:86℃)、1,15−ペンタデカンジオール(融点:88℃)、1,16−ヘキサデカンジオール(融点:91℃)、1,17−ヘプタデカンジオール(融点:96℃)、1,18−オクタデカンジオール(融点:99℃)などのジオール系;1,1’−ビフェニル−4−オール(融点:164〜165℃)、1,1’−ビフェニル−4,4’−ジオール(融点:283℃)、[1,1’:4’,1”−トリフェニル]−4−オール(融点:250℃)、[1,1’:4’,1”−トリフェニル]−4,4”−ジオール(融点:375℃)などのフェニルアルコール系などが好ましい。しかしながら、これらに制限されるものではない。
常温で固体状のヒドロキシ基含有化合物は、さらにスマートフォンやタブレットなどに用いられる光学材料の原料として好適であるという観点から、常温で固体状の芳香族環を有する化合物であるのがより好ましい。前記芳香族環を有する化合物としては、上記に例示した化合物のうち、α−ナフトール(融点:96℃)、β−ナフトール(融点:121℃)、ビスフェノールフルオレン(BPF、融点:223〜224℃)、ビスナフトールフルオレン(BNF、融点:263℃)、4,4’,6,6’−テトラ−tert−ベンジル−2,2’−エチリデンジフェノール(BPM、融点:117〜120℃)、ノボラック型フェノール樹脂のオルソクレゾールノボラック(商品名:ショウノールCRG−951、昭和電工株式会社製)、1−アントラセノール(融点:150℃)、2−アントラセノール(融点:166℃)、9−アントラセノール(融点:152℃)、エストラ−1,3,5(10),16−テトラエン−3−オール(融点:152℃)、ベンズアントラセン−5−オール(融点:196〜205℃)、ベンズアントラセン−3−オール(融点:207〜208℃)、ベンズアントラセン−4−オール(融点:230℃)、2−トリフェニルエーテル(融点:213〜215℃)、ビスフェノキシエタノールフルオレン(BPEF、融点:161〜163℃)等のアルコール系;1,1’−ビフェニル−4−オール(融点:164〜165℃)、1,1’−ビフェニル−4,4’−ジオール(融点:283℃)、[1,1’:4’,1”−トリフェニル]−4−オール(融点:250℃)、[1,1’:4’,1”−トリフェニル]−4,4”−ジオール(融点:375℃)などのフェニルアルコール系などの化合物が好ましく挙げられる。しかしながら、これらに制限されるものではない。前記芳香族環を有する化合物としては、高い耐熱性や屈折率を発現する構造であるほか、実際に光学樹脂の原料として使用されているビスフェノールフルオレン(BPF)やビスフェノキシエタノールフルオレン(BPEF)に比して原料の製造が容易かつ高純度品の精製も容易で、より安価に生産可能であるなどの観点から、ナフトール(α−ナフトール、β−ナフトール)がさらに好ましい。
さらに本発明の製造方法では、次の各工程を順次に行うことが好ましい。
(1)仕込み工程:触媒及び常温で固体状のヒドロキシ基含有化合物を規定量収容し、不活性ガス置換を施し、さらに不活性ガスで加圧した反応器に、少量の酸化アルキレンを圧入して仕込む工程である。
(2)初期付加反応工程:撹拌下、所定温度に昇温し、常温で固体状のヒドロキシ基含有化合物に液体状の酸化アルキレンを徐々に接触させながら、前記ヒドロキシ基含有化合物と前記酸化アルキレンとが反応しうる温度(単に、反応温度ともいう)の範囲内で固液が接触する界面での固液反応により酸化アルキレンの付加反応を行う工程である。
(3)後期付加反応工程:前記反応器内の温度を上記反応しうる温度の範囲内に維持できるような速度で、必要量まで酸化アルキレンを徐々に追加しながら、上記反応しうる温度の範囲で固液が接触する界面での固液反応により酸化アルキレンの付加反応を行う工程である。
以下、上記した各工程に沿って、本発明の実施の形態をより詳しく説明する。
[仕込み工程]
本工程では、触媒及びヒドロキシ基含有化合物を規定量収容し、窒素ガス等の不活性ガス置換を施し、さらに窒素ガス等の不活性ガスで加圧した反応器に、全酸化アルキレン圧入量に対して、0.1〜50質量%の範囲の酸化アルキレンを圧入して仕込むものである。
本発明では、触媒の存在下、無溶媒下で、常温で固体状のヒドロキシ基含有化合物と液体状の酸化アルキレンとの付加反応を固液反応にて行う前に、容器内に常温で固体状の原料(ヒドロキシ基含有化合物)及び触媒を規定量収容し、不活性ガス置換を施し、さらに不活性ガスで加圧した反応器に、少量(例えば、全酸化アルキレン圧入量に対して、0.1〜50質量%の範囲)の酸化アルキレンを圧入して仕込むものである。そのためには、少なくとも、ヒドロキシ基含有化合物及び酸化アルキレンの両材料を、適切な容器(固液が接触する界面での固液反応により付加反応を行うことができる反応器が好ましい。以下、「反応器」と略称する。)に仕込むことが必要である。本工程では、触媒及びヒドロキシ基含有化合物を収容し、窒素置換を施し、さらに窒素加圧により所定の圧力範囲に調整した反応器に、少量(例えば、全酸化アルキレン圧入量に対して、0.1〜50質量%の範囲)の酸化アルキレンを仕込むことが必要である。
原料の常温で固体状のヒドロキシ基含有化合物の規定量(仕込み量)としては、使用する原材料(触媒+ヒドロキシ基含有化合物+酸化アルキレン)全量に対し、好ましくは50〜85質量%、より好ましくは55〜80質量%、さらに好ましくは60〜75質量%の範囲である。原料のヒドロキシ基含有化合物の仕込み量が50質量%以上であれば、酸化アルキレンが目的とする付加モル数よりも多く付加したもの(高モル体)が生成するのを大幅に抑制することができ、目的の付加モル数の生成物をより高い収率で得ることができる。原料のヒドロキシ基含有化合物の仕込み量が85質量%以下であれば、原料のヒドロキシ基含有化合物が未反応のまま残ってしまうこともなく、目的の生成物を高収率で得ることができる。
前記触媒の規定量(仕込み量)としては、ヒドロキシ基含有化合物100質量部に対し、好ましくは0.25〜1.0質量部、より好ましくは0.3〜0.95質量部、より好ましくは0.4〜0.9質量部の範囲である。触媒の仕込み量が0.25質量部以上であれば、反応速度を速くでき、反応を完結することができるため、生成物の生産性(生産速度)及び収率を高めることができる。触媒の仕込み量が1.0質量部以下であれば、急激な反応が抑えられ、反応温度の急激な上昇も抑えることができ、さらに目的のモル分布が得られる。すなわち、目的とする付加モル数の生成物がより高収率で得られる。
前記触媒としては、特に制限されるものではなく、アルカリ触媒、アミン触媒など、ヒドロキシ基含有化合物への酸化アルキレンの付加反応で用いられる従来公知の触媒を用いることができる。具体例には、アルカリ触媒としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の周期表第1族の金属元素又は第2族の金属元素の水酸化物などが挙げられる。また、アミン触媒としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N,N’−ジメチルピペラジン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルラウリルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N”,N’”,N’”−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンテトラミン;N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のN,N−ジアルキルアミド化合物などが挙げられる。なかでも、モル分布を狭くできる観点から、トリエチルアミンが好ましい。
これらの触媒は、触媒の局在化を防ぐためには、常温で固体状のヒドロキシ基含有化合物に液体状の酸化アルキレンを圧入させる際に予め仕込んでおくのがよく、本発明では、前記仕込み工程で酸化アルキレンを仕込む反応器にヒドロキシ基含有化合物と共に仕込んでおくことが必要である。ヒドロキシ基含有化合物と共に仕込む場合でも、触媒の局在化を一層防止するためには、分散して仕込むか、ヒドロキシ基含有化合物と触媒とを反応器内に仕込んだ後、予め撹拌を十分に行うことで触媒を均一に分散させるのが好ましい。
次に、空気による着色を防止するために窒素ガス等の不活性ガス置換を施す際には、容器内の加圧・減圧を複数回繰返す。
上記不活性ガス置換を施した後には、爆発限界を避けるため不活性ガス加圧により所定の圧力範囲に調整すればよい。すなわち、不活性ガス加圧時の圧力は、酸化アルキレンを圧入することで液化させることができ、反応器や酸化アルキレンの種類に応じて、安全に付加反応が行えるように、適宜調整すればよい。
また、不活性ガス置換や不活性ガス加圧に用いることのできるガスとしては、特に制限されるものではなく、窒素ガスや周期表第18族の希ガス元素ガス(ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガスなど)であるが、安全で安価で入手が容易な窒素ガスが好ましい。
上記反応器は、不活性ガス加圧後は、完全密閉系とする必要がある。これは、加圧下で完全密閉系の反応器内に酸化アルキレンを圧入することで、酸化アルキレンが液化し、昇温することで付加反応を生じさせることができるためである。
不活性ガスで加圧後、初期酸化アルキレンの圧入量(仕込量)の割合は、全酸化アルキレン圧入量に対して、好ましくは0.1〜50質量%、より好ましくは0.1〜25質量%、さらに好ましくは0.1〜20質量%の範囲である。初期酸化アルキレンの圧入量(仕込量)の割合が50質量%以下であれば、反応が効率よく合成が行える。初期酸化アルキレンの圧入量(仕込量)の割合が0.1質量%以上であれば、液体状の酸化アルキレンにより系内の流動性(濡れ性)をもたせることができ、次工程でヒドロキシ基含有化合物と短時間で接触させることができ、全量を反応させるのに多大な時間がかかるのを防止することができる。
酸化アルキレンの規定量(全圧入量)としては、ヒドロキシ基含有化合物1molに対し、好ましくは0.5〜50mol、より好ましくは0.5〜15mol、さらに好ましくは0.5〜10molの範囲である。酸化アルキレンの規定量(全圧入量)が0.5mol以上であれば、原料のヒドロキシ基含有化合物が残りにくく生成物を高収率で得られる。酸化アルキレンの規定量(全圧入量)が50mol以下、好ましくは15mol以下、より好ましくは10mol以下であれば、高モル体(ヒドロキシ基含有化合物の酸化アルキレン2mol体、3mol体)が増えてしまうのを抑制することができ、目的の付加モル数の生成物を高収率で得ることができる。
本発明に使用可能な酸化アルキレンの炭素数の範囲は、好ましくは2〜4の範囲である。即ち、酸化アルキレンとしては、酸化エチレン、酸化プロピレン、1,2−酸化ブチレン等が使用可能である。酸化プロピレンも1,2−酸化ブチレンも、実施例で用いた酸化エチレンと同様に、固体状のヒドロキシ基含有化合物に接触させながら固液反応(付加反応)させることにより、目的物を合成することができるためである。
[初期付加反応工程]
本工程では、撹拌下、所定温度に昇温し、ヒドロキシ基含有化合物に酸化アルキレンを徐々に接触させながら、反応温度の範囲内にて固液反応により酸化アルキレンの付加反応を行うものである。
本発明の初期付加反応工程では、撹拌下、所定温度(ヒドロキシ基含有化合物の融点付近)に昇温して、固体状のヒドロキシ基含有化合物に液体状の酸化アルキレンを接触させることが必要である。すなわち、本発明では、昇温による温度上昇が始まる前に、固液接触(付加反応)に必要な酸化アルキレンの仕込が終了している。よって、撹拌下、反応器内に圧入された液体状の酸化アルキレンと接触している固体状のヒドロキシ基含有化合物の部分(固液界面)で固液反応(付加反応)が進行する。そのため、酸化アルキレンと接触していないヒドロキシ基含有化合物の部分では付加反応が起こらない。
昇温する際の所定温度としては、上記に列挙したヒドロキシ基含有化合物の融点が33〜375℃の範囲であることから、それら全ての昇温する際の所定温度を考慮すると、好ましくは30〜400℃の範囲であり、より好ましくは50〜380℃の範囲である。昇温する際の所定温度が30℃以上であると、撹拌が回るまでの時間がかかり過ぎることもなく、固体状のヒドロキシ基含有化合物に液体状の酸化アルキレンを徐々に接触させることができる。昇温する際の所定温度が400℃以下であれば、反応温度を超えることもない。また製品に着色が生じることもなく、設計圧力を超えることもないため安全な状態で反応を行うことができる。
上記ヒドロキシ基含有化合物と酸化アルキレンとが反応しうる温度(反応温度)としては、上記に列挙したヒドロキシ基含有化合物を全て考慮すると、200℃以上の高融点のヒドロキシ基含有化合物でも150〜200℃程度で十分に反応することから、好ましくは30〜200℃の範囲であり、より好ましくは30〜175℃の範囲であり、さらに好ましくは30〜150℃の範囲である。反応温度が30℃以上であれば、反応速度が遅くなることもなく良好に反応させることができる。反応温度が200℃以下であれば、反応速度が適度な速度となり、急激に反応が進行するのを防止することができるため、製品が着色するのを防止できる。また反応器内の圧力が上昇しすぎることもない。初期付加反応工程での反応時間は、初期酸化アルキレン仕込み量が概ね反応する時間であるが、反応器のスケールなどによって大きく異なることから、一義的に規定されるものではない。「概ね」としたのは、初期酸化アルキレン仕込み量が全て反応する前に、後期付加反応工程に移行してもよいためである。
[後期付加反応工程]
本工程では、前記反応器内の温度を上記反応温度の範囲内に維持できるような速度で、必要量まで酸化アルキレンを徐々に追加しながら、上記反応温度の範囲で固液反応による酸化アルキレンの付加反応を行うものである。本発明では、全酸化アルキレンの規定量(投入量)に対して、初期付加反応工程で、好ましくは0.1〜50質量%を仕込み、仕込んだ酸化アルキレンが液化し、固体状のヒドロキシ基含有化合物と接触することにより、撹拌が回り始めたら(固液界面で反応が進行し始めたら)、好ましくは反応により初期に仕込んだ酸化アルキレンの残量が少なくなってきたら、本工程で、残りの酸化アルキレンを徐々に圧入していく。詳しくは上記したように、反応器内の温度を上記反応温度の範囲内に維持できるような速度で、必要量まで酸化アルキレンを徐々に追加、圧入していけばよい。
本発明の後期付加反応工程では、反応器内の温度を上記反応温度の範囲内に維持できるような速度で、必要量まで酸化アルキレンを追加しながら、上記反応温度の範囲内で付加反応を行うことが必要である。すなわち、酸化アルキレンの追加速度を調整することは、反応系内に残存する酸化アルキレンの濃度を減少させ、局部的な反応を抑制するのに有効である。追加による酸化アルキレンの規定量(全圧入量)は、上記した通りであり、所望する反応生成物の酸化アルキレンの付加モル数により適宜決定すればよい。
後期付加反応工程での付加反応時間は、圧入する酸化アルキレンの量にもよるが、好ましくは1〜5時間の範囲であり、より好ましくは1〜4時間の範囲であり、さらに好ましくは2〜4時間の範囲である。前記付加反応時間が1時間以上であれば、未反応なものが残らず、酸化アルキレンを完全に付加させることができる。前記付加反応時間が5時間以下であれば、熱履歴がかかってしまうこともないため、製品着色などといった不具合を起こすことを防止することができる。かかる観点から、2〜4時間の範囲がより適切な付加反応時間である。
後期付加反応工程での反応温度は、初期付加反応工程で説明した反応時間と同様である。ただし、実施例に示すように、初期付加反応工程の反応温度よりも、後期付加反応工程での反応温度を5〜15℃程度高めに維持するのが好ましい。これは、反応速度を上げて目的の付加モル数の化合物を得るためである。
酸化アルキレンの圧入終了後は、未反応の酸化アルキレンが検出されなくなるまで、反応温度を保って熟成を行うのが好ましい。
[後処理工程]
反応終了後、触媒の分離が必要でない場合には酢酸、乳酸などの有機酸やリン酸などの無機酸で中和し製品とする。もしくは中和をせずに反応終了後、そのまま検量し製品とする。触媒の分離を必要とする場合には、例えば、触媒にトリエチルアミンを使用した場合には、70〜160℃、1.3×10−4〜2.7×10−2MPaの条件下で、窒素等の不活性ガスでバブリングしながらストリッピングすることにより触媒を除去できる。また、触媒に周期表第1族の金属元素、又は第2族の金属元素の水酸化物を使用した場合には、硫酸、燐酸などで中和後、必要に応じて少量の水を添加し触媒の無機塩を析出させ、濾過により分離することができる。また、合成吸着剤(協和化学株式会社製、KW−700SN等)にて触媒を吸着し、濾過により除去することもできる。
本発明では、上記した製造方法により、溶媒を使用せず、容易な合成方法で常温で固体状のヒドロキシ含有化合物の反応生成物を得ることができ、生産効率および目的物の収率が向上する。また、後処理工程(精製工程)において、溶媒除去工程がなくなり製造工程が短縮される。さらに副生成物の生成が抑制される。
本発明では、上記した製造方法により、酸化アルキレンの平均付加モル数が1以上、好ましくは1〜50である常温で固体状のヒドロキシ含有化合物の反応生成物を得ることができる。酸化アルキレンの平均付加モル数は、ガスクロマトグラフィーにより測定することができる。酸化アルキレンの平均付加モル数は、ヒドロキシ基含有化合物の使用量に対する酸化アルキレンの使用量で適宜調整することができる。
また、本発明の反応生成物は、スマートフォンやタブレットなどに用いられる光学材料の原料として使用されている。近年このような光学材料は年々需要が増えてきており、生産性の向上が重要とされている。溶媒を使用すると、1バッチ当たりの目的化合物の生産量が低くなってしまう。溶媒を使用しない本発明の製造方法だと、1バッチ当たりの仕込み量と生産量が増える。また、次工程の溶媒除去時間がなくなることから生産効率が上がる。また固液反応を利用する本発明の製造方法だと、反応開始までの昇温時間が短くなることから生産効率がさらに上がる。
以下、本発明を、実施例に従って、詳細に説明する。
後期付加反応工程での未反応原料である常温で固体状のヒドロキシ基含有化合物(α−ナフトールおよびβ−ナフトール)の量は、株式会社島津製作所製、GC−2014(GC)によって測定した。このときの測定条件は、以下の通りである。
<測定条件>
カラム:SiliconeGumSE30(1.1m×3.00mmID)
注入量:0.5μL
プログラム:100℃−(20℃/min.)−300℃−10min hold
また、反応終了後の組成物中の不純物(エチレングリコール:EG)の量は、株式会社島津製作所製、GC−2025(HS−GC)によって測定した。このときの測定条件は、以下の通りである。
<測定条件>
カラム:DB−WAX(30m×0.32mmID×0.50μm)
注入量:2mL
プログラム:90℃−5min hold(10℃/min.)−150℃−(20℃/min.)−230℃−5min hold
分析時間:20分
Oven Conditioning:90℃
Incubation time:30min
Siringe Conditioning:110℃
(実施例1)
(触媒及び原料の仕込み)
SUS製のオートクレーブ(以下、反応器という)に、触媒としてトリエチルアミン 総仕込み量100質量部に対し0.4質量部、及び粉末状のβ−ナフトール 総仕込み量100質量部に対し72.9質量部を収容した。収容後、撹拌して、トリエチルアミンを均一に分散させた。
(窒素置換)
次に、空気による着色を防止するために、反応器内を窒素ガスにより置換した。詳しくは、0.02MPaまで真空引きし、その後、窒素ガスを0.3MPaになるまで注入した。かかる一連の操作を3回繰り返して反応器内を窒素置換した。
(窒素加圧)
さらに反応器内を0.02MPaまで真空引きし、その後、爆発限界を避けるため、窒素ガスを0.2MPaになるまで注入し、反応器内を加圧した。
(少量の酸化エチレンの圧入)
上記窒素ガスで加圧した反応器に、酸化エチレン全圧入量に対して、15.6質量%の酸化エチレンを圧入して仕込んだ。
[初期付加反応工程]
酸化エチレンを圧入した後、撹拌を開始し、室温から130℃まで、2〜3時間かけて昇温しながら、β−ナフトールに液化した酸化エチレンを徐々に接触させて、反応温度の範囲内(115〜140℃)にて固液反応により酸化エチレンの付加反応を2.5時間行った。この初期付加反応時間は、撹拌が回り始め、昇温を開始してから反応温度範囲の下限値の115℃に達した時点から、130℃に昇温後、さらに最終的な反応温度の140℃に達する時点までの時間である。
[後期付加反応工程]
初期付加反応工程終了後、撹拌を続けながら、反応器内の温度を反応温度の範囲内(ここでは135〜145℃)に維持できるような速度で、必要量(全圧入量)となるまで、残りの酸化エチレン(全圧入量に対して84.4質量%)を徐々に複数回に分けて追加、圧入しながら、反応温度の範囲の135〜145℃で3時間、固液反応により酸化エチレンの後期付加反応(熟成)を行った。後期付加反応(熟成)は、ガスクロマトグラフ法にて未反応のβ−ナフトール量を測定しながら行い、未反応β−ナフトールが検出されなくなった時点で終了した。135〜145℃で3時間反応後、反応器内は液状であった(固体はなくなっていた)。ただし、54℃以下でポリオキシアルキレン2−ナフチルエーテルは、固体状になる。
[後処理工程]
後期付加反応工程終了後、70℃まで冷却した。冷却後、得られた製品の収量を測定した。総仕込み量100質量部に対し、実際の全収量は99.2質量部であり、実際のポリオキシエチレン2−ナフチルエーテル(目的物)としての収量は実際の全収量100質量部に対し98.3質量部(純度:99.1%)であり、副生成物のエチレングリコールは未検出であった。また、本実施例の目的物は、酸化エチレンの平均付加モル数が1.0であるポリオキシアルキレン2−ナフチルエーテルであった。原料の組成比及び目的物の収量を表1に示し、合成フローを表2に示す。
(実施例2)
実施例1において、β−ナフトールに代えてα−ナフトールを用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリオキシアルキレン1−ナフチルエーテルを合成した。合成後の不純物(副生成物のエチレングリコール)の定量結果も、β−ナフトールと同様で未検出であった。原料の組成比及び目的物の収量を表1に示し、合成フローを表2に示す。
(比較例1)
(触媒及び原料の仕込み)
SUS製のオートクレーブ(以下、反応器という)に、触媒としてトリエチルアミン 総仕込み量に対し0.3質量部、粉末状のβ−ナフトール 総仕込み量100質量部に対し47.9質量部、溶媒としてトルエン 総仕込み量100質量部に対し34.2質量部を収容した。収容後、撹拌して、トリエチルアミンを均一に分散させた。
(窒素置換)
次に、空気による着色を防止するために、反応器内を窒素ガスにより置換した。詳しくは、0.02MPaまで真空引きし、その後、窒素ガスを0.3MPaになるまで注入した。かかる一連の操作を3回繰り返して反応器内を窒素置換した。
(窒素加圧)
さらに反応器内を0.02MPaまで真空引きし、その後、爆発限界を避けるため、窒素ガスを0.21MPaになるまで注入し、反応器内を加圧した。
(昇温)
反応器内を、135〜145℃まで昇温した。
(酸化エチレンの圧入)
昇温後、135〜145℃を維持した状態で、反応器内に酸化エチレン 総仕込み量100質量部に対し17.6質量部を圧入した。
(付加反応)
酸化エチレンを圧入した後、135〜145℃を維持した状態で、撹拌を開始し、酸化エチレンの付加反応を3時間行った。付加反応は、ガスクロマトグラフ法にて未反応のβ−ナフトール量を測定しながら行い、未反応β−ナフトールが検出されなくなった時点で終了した。
(後処理)
反応終了後、系内を70℃まで冷却した。得られた製品の収量を測定した。総仕込み量100質量部に対し、実際の全収量は総仕込み量100質量部に対し99.2質量部であり、実際のポリオキシエチレン2−ナフチルエーテル(目的物)としての収量は実際の全収量100質量部に対し64.6質量部(純分:65.1%)であり、副生成物のエチレングリコールの収量は実際の全収量に対し0.03質量部であった。即ち、副生成物は、脱トルエン処理前に生じており、脱トルエン処理を行っただけでは、高純度の目的物は得られないことが分かった。また、本比較例の目的物は、酸化エチレンの平均付加モル数が1.0であるポリオキシアルキレン2−ナフチルエーテルであった。
(脱トルエン処理)
その後、上記で得られた製品を取り出し、蒸留装置に移し替えて、80℃にて蒸留を6時間行って、脱トルエン処理を行った。原料の組成比及び目的物の収量を表1に示し、合成フローを表2に示す。
Figure 2021100922
なお、表1のエチレングリコールは、定量下限値以下のため「未検出」とした。
表1に示すように、実施例1および2の無溶媒法で合成することによって、目的物の収率が向上し、後処理工程(精製工程)において溶媒除去(トルエン除去)が不要となるなど製造工程が短縮され、より容易な方法で合成することができ、また副生成物の生成を大幅に抑制できることが確認できた。
一方、比較例1では、目的物であるポリオキシエチレン2−ナフチルエーテル以外にも、副生成物が生じていることが確認できた。すなわち、トルエン溶媒中では、系内に含まれる水分が原因で、エチレングリコール(EG)が生成していることが分かった。このEGは、ポリオキシエチレン2−ナフチルエーテルの2次利用に際し、その後の工程に影響する可能性がある。
Figure 2021100922

Claims (9)

  1. 触媒の存在下、無溶媒下で、常温(25℃)で固体状のヒドロキシ基含有化合物に対して液体状の酸化アルキレンを、前記ヒドロキシ基含有化合物と前記酸化アルキレンとが反応しうる温度の範囲内で、徐々に接触させながら固液反応にて付加反応を行う工程を有する、反応生成物の製造方法。
  2. 前記反応生成物が、光学樹脂に使用される原料化合物であって、
    前記ヒドロキシ基含有化合物の融点が30℃以上であり、かつ分子量が1000未満である、請求項1に記載の反応生成物の製造方法。
  3. 前記ヒドロキシ基含有化合物が、芳香族環を有する化合物である、請求項2に記載の反応生成物の製造方法。
  4. 前記芳香族環を有する化合物が、ナフトールである、請求項3に記載の反応生成物の製造方法。
  5. 次の各工程を順次に行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の反応生成物の製造方法:
    (1)触媒及び常温で固体状のヒドロキシ基含有化合物を規定量収容し、不活性ガス置換を施し、さらに不活性ガスで加圧した反応器に、少量の酸化アルキレンを圧入して仕込む工程(仕込み工程);
    (2)撹拌下、所定温度に昇温しながら、前記ヒドロキシ基含有化合物に酸化アルキレンを徐々に接触させて、前記反応しうる温度の範囲内にて酸化アルキレンの付加反応を固液反応により行う工程(初期付加反応工程);
    (3)前記反応器内の温度を上記反応しうる温度の範囲内に維持できるような速度で、必要量まで酸化アルキレンを徐々に追加しながら、上記反応しうる温度の範囲で酸化アルキレンの付加反応を固液反応により行う工程(後期付加反応工程)。
  6. 前記酸化アルキレンの平均付加モル数が、1以上である、請求項5に記載の反応生成物の製造方法。
  7. 前記(1)工程の少量の酸化アルキレンを圧入して仕込む量が、酸化アルキレン全圧入量の0.1〜50質量%の範囲である、請求項5または6に記載の反応生成物の製造方法。
  8. 前記(2)工程の前記所定温度が、30〜400℃の範囲である、請求項5〜7のいずれか1項に記載の反応生成物の製造方法。
  9. 前記反応しうる温度が、30〜200℃の範囲内である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の反応生成物の製造方法。
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