JP2000086562A - ビスフェノールaエトキシレートの製造方法 - Google Patents
ビスフェノールaエトキシレートの製造方法Info
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- JP2000086562A JP2000086562A JP10258910A JP25891098A JP2000086562A JP 2000086562 A JP2000086562 A JP 2000086562A JP 10258910 A JP10258910 A JP 10258910A JP 25891098 A JP25891098 A JP 25891098A JP 2000086562 A JP2000086562 A JP 2000086562A
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- ethoxylate
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】固体状のビスフェノールAをエチレンオキサイ
ドと反応させるに際し、ベンゼン系溶媒に溶解させるこ
となく、しかも熱履歴によるビスフェノールAの劣化に
よる製品への品質低下のない工業的な製造方法を提供す
ることを目的とするものである。 【解決手段】触媒の存在下、ビスフェノールAにエチレ
ンオキサイドを反応させてビスフェノールAエトキシレ
ートを製造する方法において、ビスフェノールAの融点
以下の温度で、ビスフェノールAをエチレンオキサイド
に溶解させた後、エチレンオキサイドの付加反応を行う
ことを特徴とするビスフェノールAエトキシレートの製
造方法。
ドと反応させるに際し、ベンゼン系溶媒に溶解させるこ
となく、しかも熱履歴によるビスフェノールAの劣化に
よる製品への品質低下のない工業的な製造方法を提供す
ることを目的とするものである。 【解決手段】触媒の存在下、ビスフェノールAにエチレ
ンオキサイドを反応させてビスフェノールAエトキシレ
ートを製造する方法において、ビスフェノールAの融点
以下の温度で、ビスフェノールAをエチレンオキサイド
に溶解させた後、エチレンオキサイドの付加反応を行う
ことを特徴とするビスフェノールAエトキシレートの製
造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビスフェノールA(別
名2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと
も言う、以下ビスフェノールAと記す)のヒドロキシル
基にエチレンオキサイドを付加させたビスフェノールA
エトキシレートの新規な製造方法に関する。ビスフェノ
ールAエトキシレートはポリエステル樹脂またはポリウ
レタン樹脂を製造する際の共重合成分として用いられ
る。
名2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと
も言う、以下ビスフェノールAと記す)のヒドロキシル
基にエチレンオキサイドを付加させたビスフェノールA
エトキシレートの新規な製造方法に関する。ビスフェノ
ールAエトキシレートはポリエステル樹脂またはポリウ
レタン樹脂を製造する際の共重合成分として用いられ
る。
【0002】
【従来の技術】ビスフェノールAエトキシレートの製造
方法は公知である。ビスフェノールAは融点158℃の
固体であるため、触媒の存在下、エチレンオキサイドと
反応させても、ビスフェノールAが固体の状態では反応
は進行しない。この問題を解決するため以下の方法が開
示されている。
方法は公知である。ビスフェノールAは融点158℃の
固体であるため、触媒の存在下、エチレンオキサイドと
反応させても、ビスフェノールAが固体の状態では反応
は進行しない。この問題を解決するため以下の方法が開
示されている。
【0003】特公昭52−4547号公報では、ビスフ
ェノールAをベンゼン、トルエン、キシレン等のベンゼ
ン系溶媒に溶解させた後、80〜150℃でエチレンオ
キサイドを反応器に導入して反応させる方法が示されて
いる。
ェノールAをベンゼン、トルエン、キシレン等のベンゼ
ン系溶媒に溶解させた後、80〜150℃でエチレンオ
キサイドを反応器に導入して反応させる方法が示されて
いる。
【0004】ビスフェノールAを融点以上に加熱してビ
スフェノールAを溶融させた後、反応を行う方法も公知
であり、特公昭52−29308号公報、特開平8−2
08550号公報には、ビスフェノールAを160℃で
溶融後、触媒の存在下、エチレンオキサイドを反応器に
導入して反応させる方法が示されている。
スフェノールAを溶融させた後、反応を行う方法も公知
であり、特公昭52−29308号公報、特開平8−2
08550号公報には、ビスフェノールAを160℃で
溶融後、触媒の存在下、エチレンオキサイドを反応器に
導入して反応させる方法が示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術は以
下の問題点を有する。ビスフェノールAをベンゼン、ト
ルエン、キシレン等のベンゼン系溶媒に溶解させた後、
反応させる方法は、反応温度が温和で好ましい。しかし
ながら、反応生成物から溶媒を除去する工程が必要な上
に、微量のベンゼン系溶媒が、製品に残留すると異臭が
するため、乾燥工程も必要となるため工業的に実施する
には好ましい方法とはいい難い。
下の問題点を有する。ビスフェノールAをベンゼン、ト
ルエン、キシレン等のベンゼン系溶媒に溶解させた後、
反応させる方法は、反応温度が温和で好ましい。しかし
ながら、反応生成物から溶媒を除去する工程が必要な上
に、微量のベンゼン系溶媒が、製品に残留すると異臭が
するため、乾燥工程も必要となるため工業的に実施する
には好ましい方法とはいい難い。
【0006】一方、ビスフェノールAを融点以上に加熱
してビスフェノールAを溶融させた後、反応を行う方法
も以下の問題点を有する。すなわち、ビスフェノールA
を工業的に溶融するには、反応器に供給する前に溶融槽
を設けるのが好ましいが設備費の増大を招く。溶融槽を
設けない場合には反応器で溶融させるが、溶融時間が長
いため反応器の稼働率が低下し好ましくない。また、固
体状態のビスフェノールAを溶解する際に、溶融槽ある
いは反応器の内壁でビスフェノールAがスーパーヒート
されるため、熱履歴によるビスフェノールAの劣化が起
こる。このため、製品であるビスフェノールAエトキシ
レートの品質も低下するという問題点を有する。
してビスフェノールAを溶融させた後、反応を行う方法
も以下の問題点を有する。すなわち、ビスフェノールA
を工業的に溶融するには、反応器に供給する前に溶融槽
を設けるのが好ましいが設備費の増大を招く。溶融槽を
設けない場合には反応器で溶融させるが、溶融時間が長
いため反応器の稼働率が低下し好ましくない。また、固
体状態のビスフェノールAを溶解する際に、溶融槽ある
いは反応器の内壁でビスフェノールAがスーパーヒート
されるため、熱履歴によるビスフェノールAの劣化が起
こる。このため、製品であるビスフェノールAエトキシ
レートの品質も低下するという問題点を有する。
【0007】本発明の課題は、この様な問題点を解決し
たビスフェノールAエトキシレートの工業的な製造方法
を確立することである。
たビスフェノールAエトキシレートの工業的な製造方法
を確立することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述した
課題を達成するため、鋭意検討を行った。その結果、ビ
スフェノールAの融点以下の温度でも、ビスフェノール
Aはエチレンオキサイドに溶解するという事実を見いだ
し本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、触
媒の存在下、ビスフェノールAにエチレンオキサイドを
反応させてビスフェノールAエトキシレートを製造する
方法において、ビスフェノールAの融点以下の温度で、
ビスフェノールAをエチレンオキサイドに溶解させた
後、エチレンオキサイドの付加反応を行うことを特徴と
するビスフェノールAエトキシレートの製造方法に関す
る。
課題を達成するため、鋭意検討を行った。その結果、ビ
スフェノールAの融点以下の温度でも、ビスフェノール
Aはエチレンオキサイドに溶解するという事実を見いだ
し本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、触
媒の存在下、ビスフェノールAにエチレンオキサイドを
反応させてビスフェノールAエトキシレートを製造する
方法において、ビスフェノールAの融点以下の温度で、
ビスフェノールAをエチレンオキサイドに溶解させた
後、エチレンオキサイドの付加反応を行うことを特徴と
するビスフェノールAエトキシレートの製造方法に関す
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明では、ビスフェノールAと
エチレンオキサイドの付加反応を行う前に、ビスフェノ
ールAの融点以下の温度で、ビスフェノールAをエチレ
ンオキサイドに溶解させる。具体的な温度は50〜15
5℃、好ましくは70〜130℃の範囲である。50℃
よりも溶解温度が低い場合には、ビスフェノールAの溶
解速度が遅いため好ましくない。一方、155℃よりも
高い場合にはビスフェノールAの溶融が起こるため、本
発明の主旨に反する。溶解に必要なエチレンオキサイド
の必要量は、エチレンオキサイド:ビスフェノールAの
モル比で0.2〜3.0であり、好ましくは0.5〜
2.5の範囲である。このモル比が0.2より小さい
と、ビスフェノールAの溶解に時間がかかり、また3.
0より大きいと、反応に際して急激な圧力上昇、温度上
昇などが起こり危険なため好ましくない。
エチレンオキサイドの付加反応を行う前に、ビスフェノ
ールAの融点以下の温度で、ビスフェノールAをエチレ
ンオキサイドに溶解させる。具体的な温度は50〜15
5℃、好ましくは70〜130℃の範囲である。50℃
よりも溶解温度が低い場合には、ビスフェノールAの溶
解速度が遅いため好ましくない。一方、155℃よりも
高い場合にはビスフェノールAの溶融が起こるため、本
発明の主旨に反する。溶解に必要なエチレンオキサイド
の必要量は、エチレンオキサイド:ビスフェノールAの
モル比で0.2〜3.0であり、好ましくは0.5〜
2.5の範囲である。このモル比が0.2より小さい
と、ビスフェノールAの溶解に時間がかかり、また3.
0より大きいと、反応に際して急激な圧力上昇、温度上
昇などが起こり危険なため好ましくない。
【0010】ビスフェノールAの融点以下の温度で、ビ
スフェノールAをエチレンオキサイドに溶解させた後、
触媒の存在下、エチレンオキサイドの付加反応を行うに
際し、所望するビスフェノールAエトキシレートのエチ
レンオキサイド付加モル数により、エチレンオキサイド
の使用量は異なる。例えばビスフェノールAにエチレン
オキサイドが2モル付加したビスフェノールAエトキシ
レートが必要な場合には、エチレンオキサイド:ビスフ
ェノールAのモル比で1.6〜3.0、好ましくは2.
0〜2.6の範囲である。この場合、ビスフェノールA
を溶解させるため、予め反応器に供給したエチレンオキ
サイド量を、所望するビスフェノールAエトキシレート
を製造するのに必要なエチレンオキサイド量と等しくし
ておいてもよいし、必要なエチレンオキサイド量が不足
する場合には、必要量を反応中に反応器に供給してもよ
い。
スフェノールAをエチレンオキサイドに溶解させた後、
触媒の存在下、エチレンオキサイドの付加反応を行うに
際し、所望するビスフェノールAエトキシレートのエチ
レンオキサイド付加モル数により、エチレンオキサイド
の使用量は異なる。例えばビスフェノールAにエチレン
オキサイドが2モル付加したビスフェノールAエトキシ
レートが必要な場合には、エチレンオキサイド:ビスフ
ェノールAのモル比で1.6〜3.0、好ましくは2.
0〜2.6の範囲である。この場合、ビスフェノールA
を溶解させるため、予め反応器に供給したエチレンオキ
サイド量を、所望するビスフェノールAエトキシレート
を製造するのに必要なエチレンオキサイド量と等しくし
ておいてもよいし、必要なエチレンオキサイド量が不足
する場合には、必要量を反応中に反応器に供給してもよ
い。
【0011】本発明で使用される触媒は、通常、活性水
素化合物へのエチレンオキサイドの付加反応で用いられ
る触媒を使用することが出来る。塩基性触媒の例として
は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カル
シウム等のアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の水
酸化物、トリエチルアミン、トリプロピルアミン等のア
ミン化合物、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド等のN,N’−ジアルキルアミド化合物等が使用で
きる。これらの触媒は、ビスフェノールAをエチレンオ
キサイドに溶解させる際に予め反応器に仕込んでおいて
もよいし、溶解後に反応器に供給してもよい。これらの
触媒の使用量は、1モルのビスフェノールAに対し0.
0005〜0.5モル、好ましくは0.001〜0.1
モルである。触媒の使用量が、0.0005モル未満の
場合は反応性が低下し、0.5モルを越えると触媒除去
工程に悪影響を与える。
素化合物へのエチレンオキサイドの付加反応で用いられ
る触媒を使用することが出来る。塩基性触媒の例として
は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カル
シウム等のアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の水
酸化物、トリエチルアミン、トリプロピルアミン等のア
ミン化合物、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド等のN,N’−ジアルキルアミド化合物等が使用で
きる。これらの触媒は、ビスフェノールAをエチレンオ
キサイドに溶解させる際に予め反応器に仕込んでおいて
もよいし、溶解後に反応器に供給してもよい。これらの
触媒の使用量は、1モルのビスフェノールAに対し0.
0005〜0.5モル、好ましくは0.001〜0.1
モルである。触媒の使用量が、0.0005モル未満の
場合は反応性が低下し、0.5モルを越えると触媒除去
工程に悪影響を与える。
【0012】反応温度は50〜155℃、好ましくは7
0〜130℃の範囲である。この反応温度が50℃より
も低い場合には、反応速度が遅いため好ましくない。一
方、反応温度が155℃よりも高い場合には反応圧力が
高くなり安全上好ましくない。また、反応圧力は、エチ
レンオキサイドの使用量、反応温度、窒素、アルゴン等
の不活性ガスの使用量により異なるが、通常、2〜12
kg/cm2-Gであり、反応時間は反応温度、使用する
触媒の種類、使用量により異なるが、通常、1から10
0時間の範囲である。
0〜130℃の範囲である。この反応温度が50℃より
も低い場合には、反応速度が遅いため好ましくない。一
方、反応温度が155℃よりも高い場合には反応圧力が
高くなり安全上好ましくない。また、反応圧力は、エチ
レンオキサイドの使用量、反応温度、窒素、アルゴン等
の不活性ガスの使用量により異なるが、通常、2〜12
kg/cm2-Gであり、反応時間は反応温度、使用する
触媒の種類、使用量により異なるが、通常、1から10
0時間の範囲である。
【0013】反応終了後、触媒の分離が必要でない場合
には酢酸、乳酸などの有機酸で中和しpH6〜8とし製
品とする。また、触媒の分離を必要とする場合、例え
ば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン等のアミン
化合物、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド
等のN,N’−ジアルキルアミド化合物等を使用した場
合には70〜160℃、1〜200mmHgの条件下
で、窒素等の不活性ガスでバブリングしながらストリッ
ピングすることにより触媒を除去できる。また、アルカ
リ金属、アルカリ土類金属の水酸化物を用いた場合に
は、硫酸、燐酸などで中和後、必要に応じて少量の水を
添加し触媒の無機塩を析出させ、濾過により分離するこ
とが出来る。
には酢酸、乳酸などの有機酸で中和しpH6〜8とし製
品とする。また、触媒の分離を必要とする場合、例え
ば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン等のアミン
化合物、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド
等のN,N’−ジアルキルアミド化合物等を使用した場
合には70〜160℃、1〜200mmHgの条件下
で、窒素等の不活性ガスでバブリングしながらストリッ
ピングすることにより触媒を除去できる。また、アルカ
リ金属、アルカリ土類金属の水酸化物を用いた場合に
は、硫酸、燐酸などで中和後、必要に応じて少量の水を
添加し触媒の無機塩を析出させ、濾過により分離するこ
とが出来る。
【0014】
【実施例】以下、実施例によって本発明の方法を更に詳
細に説明する。
細に説明する。
【0015】実施例1 磁気撹拌子を備えた、内容積50mlのガラス製オート
クレーブを窒素ガスで置換した後、ビスフェノールA
(以下、BPAと略記する。)14.2g(62ミリモ
ル)、触媒として水酸化カリウム0.023g(0.4
1ミリモル)を入れ、さらに窒素ガスでオートクレーブ
内を置換した。次いで、攪拌しながらオートクレーブを
加熱し、内温が70℃に達したところでエチレンオキシ
ド(以下、EOと略記する。)6.0g(136ミリモ
ル)を1分間でオートクレーブ内に圧入し、さらに10
0℃まで昇温した。EOを圧入後、5分後にオートクレ
ーブ内は透明な液体になった。その後、100℃で4時
間35分反応を行った。圧力は5.0kg/cm2-Gか
ら2.8kg/cm2-Gまで低下した。
クレーブを窒素ガスで置換した後、ビスフェノールA
(以下、BPAと略記する。)14.2g(62ミリモ
ル)、触媒として水酸化カリウム0.023g(0.4
1ミリモル)を入れ、さらに窒素ガスでオートクレーブ
内を置換した。次いで、攪拌しながらオートクレーブを
加熱し、内温が70℃に達したところでエチレンオキシ
ド(以下、EOと略記する。)6.0g(136ミリモ
ル)を1分間でオートクレーブ内に圧入し、さらに10
0℃まで昇温した。EOを圧入後、5分後にオートクレ
ーブ内は透明な液体になった。その後、100℃で4時
間35分反応を行った。圧力は5.0kg/cm2-Gか
ら2.8kg/cm2-Gまで低下した。
【0016】反応終了後、オートクレーブを室温まで冷
却した、反応溶液は粘調な液体であった。この反応液を
液体クロマトグラフィーで分析した結果、BPAが1.
4重量%で、BPA−1モルEO付加物(以下、BPA
−1EOと略記する。)17.8重量%、BPA−2モ
ルEO付加物(以下、BPA−2EOと略記する。)7
3.7重量%、BPA−3モルEO付加物(以下、BP
A−3EOと略記する。)6.8重量%およびBPA−
4モルEO付加物(以下、BPA−4EOと略記す
る。)が0.4重量%であり、ビスフェノールAエトキ
シレートが生成していた。
却した、反応溶液は粘調な液体であった。この反応液を
液体クロマトグラフィーで分析した結果、BPAが1.
4重量%で、BPA−1モルEO付加物(以下、BPA
−1EOと略記する。)17.8重量%、BPA−2モ
ルEO付加物(以下、BPA−2EOと略記する。)7
3.7重量%、BPA−3モルEO付加物(以下、BP
A−3EOと略記する。)6.8重量%およびBPA−
4モルEO付加物(以下、BPA−4EOと略記す
る。)が0.4重量%であり、ビスフェノールAエトキ
シレートが生成していた。
【0017】実施例2 触媒の水酸化カリウムを、トリエチルアミン0.02g
(0.20ミリモル)に変更した以外は実施例1と同様
に反応を行ったところ、反応時間は7時間であった。そ
の結果、BPAが4.7重量%で、BPA−1EO3
0.6重量%、BPA−2EO53.3重量%、BPA
−3EO10.1重量%およびBPA−4EO1.3重
量%であった。
(0.20ミリモル)に変更した以外は実施例1と同様
に反応を行ったところ、反応時間は7時間であった。そ
の結果、BPAが4.7重量%で、BPA−1EO3
0.6重量%、BPA−2EO53.3重量%、BPA
−3EO10.1重量%およびBPA−4EO1.3重
量%であった。
【0018】実施例3 反応温度を120℃に変更した以外は実施例2と同様に
反応を行ったところ、反応時間は4時間10分であり、
圧力は5.6kg/cm2-Gから2.2kg/cm2-G
まで低下した。その結果、BPAが0.7重量%で、B
PA−1EO12.8重量%、BPA−2EO76.5
重量%、BPA−3EO9.3重量%およびBPA−4
EO0.8重量%であった。
反応を行ったところ、反応時間は4時間10分であり、
圧力は5.6kg/cm2-Gから2.2kg/cm2-G
まで低下した。その結果、BPAが0.7重量%で、B
PA−1EO12.8重量%、BPA−2EO76.5
重量%、BPA−3EO9.3重量%およびBPA−4
EO0.8重量%であった。
【0019】参考例 磁気撹拌子を備えた、内容積50mlのガラス製オート
クレーブを窒素ガスで置換した後、BPA14.2g
(62ミリモル)を入れさらに窒素ガスでオートクレー
ブ内を置換した。次いで、攪拌しながらオートクレーブ
を加熱し、内温が70℃に達したところでEO6.0g
(136ミリモル)を1分間でオートクレーブ内に圧入
し、さらに100℃まで昇温した。EOを圧入後、5分
後にオートクレーブ内は透明な液体になった。この参考
例は、触媒が存在しない場合にも、BPAはEOに溶解
することを示す。
クレーブを窒素ガスで置換した後、BPA14.2g
(62ミリモル)を入れさらに窒素ガスでオートクレー
ブ内を置換した。次いで、攪拌しながらオートクレーブ
を加熱し、内温が70℃に達したところでEO6.0g
(136ミリモル)を1分間でオートクレーブ内に圧入
し、さらに100℃まで昇温した。EOを圧入後、5分
後にオートクレーブ内は透明な液体になった。この参考
例は、触媒が存在しない場合にも、BPAはEOに溶解
することを示す。
【0020】
【発明の効果】本発明の方法によれば、ビスフェノール
Aをベンゼン系溶媒に溶解させたり、融点以上に加熱し
て溶融させた後に反応させるという従来技術の有する問
題点を解決したビスフェノールAエトキシレートの製造
方法を提供できる。また、工業的な見地からも、設備費
の低減が出来、さらに高品質なビスフェノールAエトキ
シレートが製造できるためその効果は大きい。
Aをベンゼン系溶媒に溶解させたり、融点以上に加熱し
て溶融させた後に反応させるという従来技術の有する問
題点を解決したビスフェノールAエトキシレートの製造
方法を提供できる。また、工業的な見地からも、設備費
の低減が出来、さらに高品質なビスフェノールAエトキ
シレートが製造できるためその効果は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野 恭子 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井化学 株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC41 AC43 BA02 BA04 BA06 BA29 BA51 BA69 BB70 BC10 BC11 BC31 BC34 BJ50 BN10 BP30 4H039 CA60 CA61 CH70
Claims (1)
- 【請求項1】触媒の存在下、ビスフェノールAにエチレ
ンオキサイドを反応させてビスフェノールAエトキシレ
ートを製造する方法において、ビスフェノールAの融点
以下の温度で、ビスフェノールAをエチレンオキサイド
に溶解させた後、エチレンオキサイドの付加反応を行う
ことを特徴とするビスフェノールAエトキシレートの製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10258910A JP2000086562A (ja) | 1998-09-11 | 1998-09-11 | ビスフェノールaエトキシレートの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10258910A JP2000086562A (ja) | 1998-09-11 | 1998-09-11 | ビスフェノールaエトキシレートの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000086562A true JP2000086562A (ja) | 2000-03-28 |
Family
ID=17326738
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10258910A Pending JP2000086562A (ja) | 1998-09-11 | 1998-09-11 | ビスフェノールaエトキシレートの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000086562A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008081453A (ja) * | 2006-09-28 | 2008-04-10 | Sanyo Chem Ind Ltd | ビスフェノール類のジオキシエチレンエーテルの製造方法および組成物 |
JP2010254896A (ja) * | 2009-04-28 | 2010-11-11 | Sanyo Chem Ind Ltd | 樹脂粒子およびその水性分散体、並びにその製造方法 |
JP2021100922A (ja) * | 2019-12-24 | 2021-07-08 | 日本乳化剤株式会社 | ヒドロキシ基含有化合物と酸化アルキレンとの反応生成物の製造方法 |
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1998
- 1998-09-11 JP JP10258910A patent/JP2000086562A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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