JP2021092610A - 偏光板用粘着剤組成物及び粘着剤層付偏光板 - Google Patents

偏光板用粘着剤組成物及び粘着剤層付偏光板 Download PDF

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智也 廣田
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Abstract

【課題】高温環境下に曝された場合でも、剥がれ及び発泡が起こり難い粘着剤層を形成できる偏光板用粘着剤組成物、及び粘着剤層付偏光板の提供。【解決手段】水酸基を有する単量体に由来する構成単位及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位を含み、かつ、重量平均分子量が130万以上である(メタ)アクリル系共重合体(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)と、イミダゾール化合物(C)と、水酸基を有し、かつ、水酸基価が10mgKOH/g以上である粘着付与剤(D)と、を含み、架橋後のゲル分率が、20質量%以上45質量%未満の範囲である偏光板用粘着剤組成物、及び粘着剤層付偏光板。【選択図】なし

Description

本発明は、偏光板用粘着剤組成物及び粘着剤層付偏光板に関する。
携帯電話、携帯端末等の携帯電子機器は、液晶表示装置が組み込まれているものが多い。一般に、液晶表示装置は、2枚のガラス基板に液晶層が挟まれた液晶セルと、液晶セルの両面に配置される偏光板とを備えている。液晶セルと偏光板とは、液晶表示装置の視認性を確保する観点から、一般には、アクリル系粘着剤により形成される粘着剤層を介して貼合される。
例えば、特許文献1には、モノマー単位として、一般式CH=C(R)COOR(但し、Rは水素又はメチル基、Rは炭素数2〜14のアルキル基である)で表される(メタ)アクリル系モノマー50重量%〜98重量%含有する(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対し、過酸化物0.02重量部〜2重量部、イソシアネート系架橋剤0.02質量部〜2重量部、及び軟化点が80℃以上である粘着付与樹脂1重量部〜40重量部含有してなる粘着剤組成物が開示されている。
特許文献2には、カルボキシ基を有するアクリル系共重合体(A)と、イソシアネート化合物(B)と、水酸基とロジン骨格とを有する化合物(C)とを含む粘着剤組成物が開示されている。
特開2007−112839号公報 国際公開第2010/110254号
一般に、偏光板は、収縮率の異なる部材を積層して構成されるため、温度の変化によって収縮しやすい。偏光板が収縮すると、偏光板と粘着剤層との界面で、剥がれ、発泡等が起こることがある。近年、偏光板に用いられる粘着剤組成物(所謂、偏光板用粘着剤組成物)には、120℃以上の高温環境下に曝された場合でも、剥がれ、発泡等が起こり難い粘着剤層を形成できることが求められつつある。
高温環境下での剥がれ、発泡等を抑制するためには、粘着剤層の凝集力を高めることが考えられる。例えば、特許文献1では、粘着剤層のゲル分率を45質量%以上と高く設計することで、粘着剤層の凝集力を高めて、加熱処理による剥がれを抑制している。また、特許文献2では、カルボキシ基を有するアクリル系共重合体(A)による作用、及び、イソシアネート化合物(B)と、水酸基とロジン骨格とを有する化合物(C)(所謂、粘着付与剤)との反応により形成される多量体の作用により、粘着剤層の凝集力を高めることで、高温環境下での剥がれ及び発泡を抑制している。
しかし、特許文献1及び特許文献2では、いずれも120℃以上の高温環境下に曝される場合における剥がれ及び発泡を抑制することについて着目していない。
また、特許文献2に記載の粘着剤組成物は、粘着付与剤を含むことで、形成される粘着剤層の凝集力を高め、剥がれを抑制しているが、一般に、粘着付与剤を含む粘着剤組成物により形成された粘着剤層は、高温環境下に曝されると、粘着付与剤が粘着剤層の表面に局在化しやすくなり、むしろ剥がれが起きやすくなる傾向がある。このような傾向は、温度が高くなるほど顕著になる。このため、特許文献2に記載の粘着剤組成物により形成される粘着剤層は、120℃以上の高温環境下に曝されると、剥がれが起きやすいと考えられる。
本発明が解決しようとする課題は、高温環境下に曝された場合でも、剥がれ及び発泡が起こり難い粘着剤層を形成できる偏光板用粘着剤組成物、及び粘着剤層付偏光板を提供することである。
課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 水酸基を有する単量体に由来する構成単位及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位を含み、かつ、重量平均分子量が130万以上である(メタ)アクリル系共重合体(A)と、
ポリイソシアネート化合物(B)と、
イミダゾール化合物(C)と、
水酸基を有し、かつ、水酸基価が10mgKOH/g以上である粘着付与剤(D)と、
を含み、
架橋後のゲル分率が、20質量%以上45質量%未満の範囲である偏光板用粘着剤組成物。
<2> 上記(メタ)アクリル系共重合体(A)の酸価が、0.1mgKOH/g以下である<1>に記載の偏光板用粘着剤組成物。
<3> 上記粘着付与剤(D)の水酸基価が、10mgKOH/g以上300mgKOH/g以下の範囲である<1>又は<2>に記載の偏光板用粘着剤組成物。
<4> 上記(メタ)アクリル系共重合体(A)の水酸基価が、0.4mgKOH/g以上15.0mgKOH/g以下の範囲である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の偏光板用粘着剤組成物。
<5> 上記粘着付与剤(D)の含有量が、上記(メタ)アクリル系共重合体(A)100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下の範囲である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の偏光板用粘着剤組成物。
<6> 上記粘着付与剤(D)が、ロジン骨格を有する化合物及びテルペン骨格を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である<1>〜<5>のいずれか1つに記載の偏光板用粘着剤組成物。
<7> 上記(メタ)アクリル系共重合体(A)中の水酸基に対する上記ポリイソシアネート化合物(B)中のイソシアネート基のモル当量比〔即ち、上記ポリイソシアネート化合物(B)中のイソシアネート基のモル数/上記(メタ)アクリル系共重合体(A)中の水酸基のモル数〕が、0.006以上13.0以下の範囲である<1>〜<6>のいずれか1つに記載の偏光板用粘着剤組成物。
<8> 上記イミダゾール化合物(C)の含有量が、上記(メタ)アクリル系共重合体(A)100質量部に対して、0.1質量部以上1.0質量部以下の範囲である<1>〜<7>のいずれか1つに記載の偏光板用粘着剤組成物。
<9> 偏光板と、
前記偏光板上に設けられ、かつ、<1>〜<8>のいずれか1つに記載の偏光板用粘着剤組成物により形成された粘着剤層と、
を備える粘着剤層付偏光板。
本発明によれば、高温環境下に曝された場合でも、剥がれ及び発泡が起こり難い粘着剤層を形成できる偏光板用粘着剤組成物、及び粘着剤層付偏光板が提供される。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施できる。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本明細書において、各成分の量は、各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、複数種の物質の合計量を意味する。
本明細書において、「粘着剤組成物」とは、架橋反応が終了する前の液状又はペースト状の物質を意味する。
本明細書において、「粘着剤層」とは、粘着剤組成物における架橋反応が終了した後の物質からなる膜を意味する。
本明細書において、「被着体」とは、使用時に偏光板とは逆側の粘着剤層と接する対象物を意味し、例えば、液晶セルのガラス基板が被着体となり得る。
本明細書において、「基材」とは、例えば、偏光板を指し、「基材」との用語は、「被着体」との用語とは、区別して用いられる。
本明細書において、分子量分布がある場合の分子量は、重量平均分子量(Mw)を意味する。
本明細書において、「(メタ)アクリル系共重合体」とは、(メタ)アクリロイル基を有する単量体に由来する構成単位の含有率が、全構成単位〔即ち、(メタ)アクリル系共重合体の全構成単位〕の50質量%以上である共重合体を意味する。
本明細書において、「(メタ)アクリル」は「アクリル」及び「メタクリル」の両方を包含する用語であり、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方を包含する用語であり、「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイル」及び「メタクリロイル」の両方を包含する用語である。
本明細書において、「n−」はノルマルを意味し、「i−」はイソを意味し、「s−」はセカンダリーを意味し、「t−」はターシャリーを意味する。
[偏光板用粘着剤組成物]
本発明の偏光板用粘着剤組成物(以下、単に「粘着剤組成物」ともいう。)は、水酸基を有する単量体に由来する構成単位及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位を含み、かつ、重量平均分子量が130万以上である(メタ)アクリル系共重合体(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)と、イミダゾール化合物(C)と、水酸基を有し、かつ、水酸基価が10mgKOH/g以上である粘着付与剤(D)と、を含み、架橋後のゲル分率が、20質量%以上45質量%未満の範囲である。
本発明の粘着剤組成物によれば、高温(例えば、120℃以上)環境下に曝された場合でも、剥がれ及び発泡が起こり難い粘着剤層を形成できる。
本発明の粘着剤組成物がこのような効果を奏し得る理由については明らかでないが、本発明者らは以下のように推測している。但し、以下の推測は、本発明の粘着剤組成物を限定的に解釈するものではなく、一例として説明するものである。
一般に、ゲル分率が低い粘着剤層は、凝集力が低いため、高温環境下に曝された場合に、発泡が起こりやすい傾向がある。このため、通常、高温環境下に曝される粘着剤層のゲル分率を低く設計することを避ける傾向がある。一方、本発明の粘着剤組成物は、架橋後のゲル分率が20質量%以上45質量%未満の範囲であり、形成される粘着剤層は、ゲル分率が低くても、高温環境下に曝された場合に発泡が起こり難い。
本発明の粘着剤組成物では、(メタ)アクリル系共重合体(A)中の水酸基と、ポリイソシアネート化合物(B)中のイソシアネート基とが架橋反応する。この際、イミダゾール化合物(C)が、架橋触媒として機能することで、架橋反応が遅いとされる水酸基とイソシアネート基との架橋反応が促進される。粘着付与剤(D)の一部は、(メタ)アクリル系共重合体(A)中の水酸基と粘着付与剤(D)中の水酸基との水素結合と思われる相互作用により、(メタ)アクリル系共重合体(A)の内部(所謂、ポリマー鎖間)に取り込まれた後、ポリイソシアネート化合物(B)と疑似的な架橋構造を形成すると推測される。粘着付与剤(D)は、イミダゾール化合物(C)と相互作用することにより、(メタ)アクリル系共重合体(A)のポリマー鎖間に取り込まれやすくなると推測される。
すなわち、本発明の粘着剤組成物では、(メタ)アクリル系共重合体(A)中の水酸基と、ポリイソシアネート化合物(B)中のイソシアネート基との架橋反応が比較的速やかに進行し、かつ、(メタ)アクリル系共重合体(A)のポリマー鎖間において、粘着付与剤(D)とポリイソシアネート化合物(B)とが疑似的な架橋構造を形成するため、形成される粘着剤層の凝集力が適度に高くなる。このため、本発明の粘着剤組成物により形成される粘着剤層は、高温環境下に曝された場合でも、剥がれ及び発泡が起こり難いと推測される。なお、粘着付与剤(D)の一部は、形成される粘着剤層の表面に局在することで、初期の粘着力が得られると推測される。
以下、本発明の粘着剤組成物の各成分について、詳細に説明する。
〔(メタ)アクリル系共重合体(A)〕
本発明の粘着剤組成物は、水酸基を有する単量体に由来する構成単位及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位を含み、かつ、重量平均分子量が130万以上である。
<水酸基を有する単量体に由来する構成単位>
(メタ)アクリル系共重合体(A)は、水酸基を有する単量体に由来する構成単位を含む。
水酸基を有する単量体に由来する構成単位の水酸基は、後述のポリイソシアネート化合物(B)のイソシアネート基と架橋反応する。また、水酸基を有する単量体に由来する構成単位の水酸基は、後述の粘着付与剤(D)の水酸基と相互作用(例えば、水素結合)する。
本明細書において、「水酸基を有する単量体に由来する構成単位」とは、水酸基を有する単量体が付加重合して形成される構成単位を意味する。
水酸基を有する単量体の種類は、特に制限されない。
水酸基を有する単量体の具体例としては、2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート、3−メチル−3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,1−ジメチル−3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,3−ジメチル−3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−3−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−3−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
水酸基を有する単量体としては、例えば、後述の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体との共重合性が良好であるという観点から、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、炭素数が1〜5のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートがより好ましく、炭素数が2〜4のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが更に好ましい。
(メタ)アクリル系共重合体(A)は、水酸基を有する単量体に由来する構成単位を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
(メタ)アクリル系共重合体(A)における水酸基を有する単量体に由来する構成単位の含有率は、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル系共重合体(A)の全構成単位に対して、0.05質量%〜5質量%であることが好ましく、0.1質量%〜3質量%であることがより好ましく、0.3質量%〜2質量%であることが特に好ましい。
(メタ)アクリル系共重合体(A)における水酸基を有する単量体に由来する構成単位の含有率が、(メタ)アクリル系共重合体(A)の全構成単位に対して0.05質量%以上であると、(メタ)アクリル系共重合体(A)中の水酸基とポリイソシアネート化合物(B)中のイソシアネート基との架橋反応がより適度に進行し、形成される粘着剤層の架橋密度が適切なものとなるため、粘着剤層と偏光板との密着性がより良好となる。このため、形成される粘着剤層は、高温環境下に曝された場合でも、剥がれ及び発泡がより起こり難い傾向を示す。
(メタ)アクリル系共重合体(A)における水酸基を有する単量体に由来する構成単位の含有率が、メタ)アクリル系共重合体(A)の全構成単位に対して5質量%以下であると、(メタ)アクリル系共重合体(A)とポリイソシアネート化合物(B)とが過度に架橋しないため、形成される粘着剤層が適度な柔軟性を示す。適度な柔軟性を示す粘着剤層は、温度変化に伴う基材の伸縮に対し、十分に追随できる。このため、形成される粘着剤層は、高温環境下に曝された場合でも、剥がれ及び発泡がより起こり難い傾向を示す。また、適度な柔軟性を示す粘着剤層は、温度変化に伴う偏光板の伸縮によって発生した応力を良好に緩和できる。このため、形成される粘着剤層は、偏光板の伸縮に起因する被着体の反りをより生じさせ難い傾向を示す。
<(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体>
(メタ)アクリル系共重合体(A)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位を含む。(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位は、粘着剤層の粘着力の調整に寄与する。
本明細書において、「(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位」とは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体が付加重合して形成される構成単位を意味する。
なお、本明細書における「(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体」には、水酸基及びカルボキシ基の少なくとも一方を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体は、含まれない。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体の種類は、特に制限されない。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、無置換の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体が好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい。
アルキル基の炭素数は、特に制限されないが、例えば、被着体に対する粘着剤層の粘着力、及び、粘着剤層と基材との密着性の観点から、1〜18であることが好ましく、1〜12であることがより好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、i−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、i−ノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、例えば、粘着剤層の凝集力及び粘着力を調整しやすいという観点から、n−ブチルアクリレート、メチルアクリレート、及びt−ブチルアクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
(メタ)アクリル系共重合体(A)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
(メタ)アクリル系共重合体(A)における(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位の含有率は、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル系共重合体(A)の全構成単位に対して、50質量%以上であることが好ましく、50質量%以上99.95質量%以下の範囲であることがより好ましく、60質量%以上99.9質量%以下の範囲であることが更に好ましく、70質量%以上99.7質量%以下の範囲であることが特に好ましい。
ここで、(メタ)アクリル系共重合体(A)における(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位の含有率が、(メタ)アクリル系共重合体(A)の全構成単位に対して50質量%以上であることは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位が、(メタ)アクリル系共重合体(A)を構成する構成単位の主成分として含まれていることを意味する。
<カルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位>
(メタ)アクリル系共重合体(A)は、カルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位を含んでいてもよい。
本明細書において、「カルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位」とは、カルボキシ基を有する単量体が付加重合して形成される構成単位を意味する。
カルボキシ基を有する単量体の種類は、特に制限されない。
カルボキシ基を有する単量体の具体例としては、アクリル酸(AA)、メタクリル酸、クロトン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、グルタコン酸、シトラコン酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート(例えば、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレート)、コハク酸エステル(例えば、2−アクリロイルオキシエチル−コハク酸)等が挙げられる。
(メタ)アクリル系共重合体(A)がカルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位を含む場合、カルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
(メタ)アクリル系共重合体(A)は、例えば、粘着剤層による偏光板の腐食がより低減されるという観点から、カルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位を含まないか、又は、カルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位の含有率が、(メタ)アクリル系共重合体(A)の全構成単位に対して、0質量%を超えて0.1質量%以下の範囲であることが好ましく、カルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位を含まないか、又は、カルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位の含有率が、(メタ)アクリル系共重合体(A)の全構成単位に対して、0質量%を超えて0.05質量%以下の範囲であることがより好ましく、カルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位を含まないか、又は、カルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位の含有率が、(メタ)アクリル系共重合体(A)の全構成単位に対して、0質量%を超えて0.01質量%以下の範囲であることが更に好ましく、カルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位を含まないことが特に好ましい。
<その他の構成単位>
(メタ)アクリル系共重合体(A)は、本発明の効果が発揮される範囲において、既述の構成単位以外の構成単位(所謂、その他の構成単位)を含んでいてもよい。
その他の構成単位を構成する単量体としては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートに代表される芳香族環を有する(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート及びエトキシエチル(メタ)アクリレートに代表されるアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレン、及びビニルトルエンに代表される芳香族モノビニル、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルに代表されるシアン化ビニル、並びに、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、及びバーサチック酸ビニルに代表されるビニルエステルが挙げられる。また、これらの単量体の各種誘導体が挙げられる。
<<(メタ)アクリル系共重合体(A)の水酸基価>>
(メタ)アクリル系共重合体(A)の水酸基価は、特に制限されないが、例えば、0.3mgKOH/g以上15.0mgKOH/g以下の範囲であることが好ましく、0.4mgKOH/g以上15.0mgKOH/g以下の範囲であることがより好ましく、0.5mgKOH/g以上10.0mgKOH/g以下の範囲であることが更に好ましい。
(メタ)アクリル系共重合体(A)の水酸基価が0.3mgKOH/g以上であると、(メタ)アクリル系共重合体(A)中の水酸基とポリイソシアネート化合物(B)中のイソシアネート基との架橋反応がより適度に進行し、形成される粘着剤層の架橋密度が適切なものとなるため、粘着剤層と偏光板との密着性がより良好となる。このため、形成される粘着剤層は、高温環境下に曝された場合でも、剥がれ及び発泡がより起こり難い傾向を示す。
(メタ)アクリル系共重合体(A)の水酸基価が15.0mgKOH/g以下であると、(メタ)アクリル系共重合体(A)とポリイソシアネート化合物(B)とが過度に架橋しないため、形成される粘着剤層が適度な柔軟性を示す。適度な柔軟性を示す粘着剤層は、温度変化に伴う基材の伸縮に対し、十分に追随できる。このため、形成される粘着剤層は、高温環境下に曝された場合でも、剥がれ及び発泡がより起こり難い傾向を示す。また、適度な柔軟性を示す粘着剤層は、温度変化に伴う偏光板の伸縮によって発生した応力を良好に緩和できる。このため、形成される粘着剤層は、偏光板の伸縮に起因する被着体の反りをより生じさせ難い傾向を示す。
(メタ)アクリル系共重合体(A)の水酸基価は、以下の計算式によって求められる値である。なお、以下の計算式において、56.1は、KOHの分子量である。
水酸基価(mgKOH/g)
={(A1/100)÷A2}×56.1×1000×A3
A1:(メタ)アクリル系共重合体(A)の製造に使用される全単量体中の、水酸基を有する単量体の占める割合(単位:質量%)
A2:(メタ)アクリル系共重合体(A)の製造に使用される水酸基を有する単量体の分子量
A3:水酸基を有する単量体1分子中に含まれる水酸基の数
(メタ)アクリル系共重合体(A)の製造に使用される水酸基を有する単量体が2種以上ある場合には、それぞれの単量体について、上記の計算式に準じて水酸基価を求めた後、得られた値を合計して水酸基価を求める。
<<(メタ)アクリル系共重合体(A)の酸価>>
(メタ)アクリル系共重合体(A)の酸価は、特に制限されないが、例えば、粘着剤層による偏光板の腐食がより低減されるという観点から、0.1mgKOH/g以下であることが好ましく、0.05mgKOH/g以下であることがより好ましく、0.01mgKOH/g以下であることが更に好ましく、0mgKOH/gであることが特に好ましい。
(メタ)アクリル系共重合体(A)の酸価は、以下の計算式によって求められる値である。なお、以下の計算式において、56.1は、KOHの分子量である。
酸価(mgKOH/g)
={(a1/100)÷a2}×56.1×1000×a3
a1:(メタ)アクリル系共重合体(A)の製造に使用される全単量体中の、カルボキシ基を有する単量体の占める割合(単位:質量%)
a2:(メタ)アクリル系共重合体(A)の製造に使用されるカルボキシ基を有する単量体の分子量
a3:カルボキシ基を有する単量体1分子中に含まれるカルボキシ基の数
(メタ)アクリル系共重合体(A)の製造に使用されるカルボキシ基を有する単量体が2種以上ある場合には、それぞれの単量体について、上記の計算式に準じて酸価を求めた後、得られた値を合計して酸価を求める。
<<(メタ)アクリル系共重合体(A)の重量平均分子量>>
(メタ)アクリル系共重合体(A)の重量平均分子量(「Mw」ともいう。)は、130万以上であり、130万以上200万以下の範囲であることが好ましく、140万以上200万以下の範囲であることがより好ましく、150万以上200万以下の範囲であることが更に好ましい。
(メタ)アクリル系共重合体(A)の重量平均分子量が130万以上であると、形成される粘着剤層は、ゲル分率が45質量%未満と低くても、高温環境下に曝された場合に、発泡が起こり難い傾向を示す。
(メタ)アクリル系共重合体(A)の重量平均分子量は、下記の方法により測定される値である。具体的には、下記の(1)〜(3)に従って測定する。
(1)(メタ)アクリル系共重合体(A)の溶液を剥離紙に塗布し、100℃で1分間乾燥し、フィルム状の(メタ)アクリル系共重合体(A)を得る。
(2)上記(1)で得られたフィルム状の(メタ)アクリル系共重合体(A)とテトラヒドロフランとを用いて、固形分濃度が0.2質量%である試料溶液を得る。なお、ここでいう「固形分濃度」とは、試料溶液に占める(メタ)アクリル系共重合体(A)の質量割合を意味する。
(3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、下記条件にて、標準ポリスチレン換算値として、(メタ)アクリル系共重合体(A)の重量平均分子量を測定する。
〜条件〜
測定装置:高速GPC〔型番:HLC−8220 GPC、東ソー(株)〕
検出器:示差屈折率計(RI)〔HLC−8220に組込、東ソー(株)〕
カラム:TSK−GEL GMHXL〔東ソー(株)〕を直列に4本接続
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
試料溶液の注入量:100μL
流量:0.8mL/分
(メタ)アクリル系共重合体(A)の重量平均分子量は、重合温度、重合時間、有機溶媒の使用量、重合開始剤の種類、重合開始剤の使用量等を調整することにより、所望の値にできる。
<<(メタ)アクリル系共重合体(A)の含有率>>
本発明の粘着剤組成物における(メタ)アクリル系共重合体(A)の含有率は、特に制限されないが、例えば、粘着剤層の凝集力と粘着力とを調整しやすいという観点から、粘着剤組成物中の全固形分量に対して、50質量%以上99.9質量%以下の範囲であることが好ましく、60質量%以上99.9質量%以下の範囲であることがより好ましく、70質量%以上99.9質量%以下の範囲であることが更に好ましく、80質量%以上99.9質量%以下の範囲であることが特に好ましい。
本明細書において、「粘着剤組成物中の全固形分量」とは、粘着剤組成物が溶媒を含まない場合には、粘着剤組成物の全質量を意味し、粘着剤組成物が溶媒を含む場合には、粘着剤組成物から溶媒を除いた残渣の質量を意味する。
〔(メタ)アクリル系共重合体(A)の製造方法〕
(メタ)アクリル系共重合体(A)の製造方法は、特に制限されない。
(メタ)アクリル系共重合体(A)は、例えば、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、及び塊状重合法に代表される公知の重合方法で、既述の単量体を重合することにより製造できる。
重合方法としては、製造後に本発明の粘着剤組成物を調製するにあたり、処理工程が比較的簡単であり、かつ、短時間で行える点で、溶液重合法が好ましい。
溶液重合法では、一般に、重合槽内に所定の有機溶媒、単量体、重合開始剤、及び、必要に応じて用いられる連鎖移動剤を仕込み、窒素気流中、有機溶媒の還流温度で撹拌しながら数時間加熱反応させる。この場合、有機溶媒、単量体、重合開始剤及び/又は連鎖移動剤の少なくとも一部を逐次添加してもよい。
重合反応時に用いられる有機溶媒としては、芳香族炭化水素化合物、脂肪族系又は脂環族系炭化水素化合物、エステル化合物、ケトン化合物、グリコールエーテル化合物、アルコール化合物等が挙げられる。
重合反応時に用いられる有機溶媒としては、より具体的には、例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、テトラリン、デカリン、及び芳香族ナフサに代表される芳香族炭化水素化合物、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、i−オクタン、n−デカン、ジペンテン、石油スピリット、石油ナフサ、及びテレピン油に代表される脂肪族系又は脂環族系炭化水素化合物、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸n−アミル、酢酸2−ヒドロキシエチル、酢酸2−ブトキシエチル、酢酸3−メトキシブチル、及び安息香酸メチルに代表されるエステル化合物、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン、及びメチルシクロヘキサノンに代表されるケトン化合物、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、及びジエチレングリコールモノブチルエーテルに代表されるグリコールエーテル化合物、並びに、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、及びt−ブチルアルコールに代表されるアルコール化合物が挙げられる。
(メタ)アクリル系共重合体(A)の製造に際しては、芳香族炭化水素化合物、エステル化合物、ケトン化合物等の重合反応中に連鎖移動を生じ難い有機溶媒の使用が好ましく、特に、(メタ)アクリル系共重合体(A)の溶解性、重合反応の容易さ等の観点から、酢酸エチルの使用が好ましい。
重合反応時には、有機溶媒を1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
重合開始剤としては、通常の溶液重合法で用いられる有機過酸化物、アゾ化合物等が挙げられる。
有機過酸化物としては、例えば、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、カプロイルペルオキシド、ジ−i−プロピルペルオキシジカルボナート、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカルボナート、t−ブチルペルオキシピバレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−アミルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−オクチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−α−クミルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)ブタン、及び2,2−ビス(4,4−ジ−t−オクチルペルオキシシクロヘキシル)ブタンが挙げられる。
アゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル〔AIBN〕、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)〔ABVN〕、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、及び2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチルが挙げられる。
(メタ)アクリル系共重合体(A)の製造に際しては、重合反応中にグラフト反応を起こさない重合開始剤の使用が好ましく、特に、アゾ化合物の使用が好ましい。
重合反応時には、重合開始剤を1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
重合開始剤の使用量は、特に制限されず、例えば、目的とする(メタ)アクリル系共重合体(A)の分子量に応じて、適宜設定できる。
(メタ)アクリル系共重合体(A)の製造に際しては、必要に応じて、連鎖移動剤を用いてもよい。
連鎖移動剤としては、例えば、シアノ酢酸、シアノ酢酸の炭素数1〜8のアルキルエステル化合物、ブロモ酢酸、ブロモ酢酸の炭素数1〜8のアルキルエステル化合物、α−メチルスチレン、アントラセン、フェナントレン、フルオレン、及び9−フェニルフルオレンに代表される芳香族化合物、p−ニトロアニリン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、p−ニトロ安息香酸、p−ニトロフェノール、及びp−ニトロトルエンに代表される芳香族ニトロ化合物、ベンゾキノン及び2,3,5,6−テトラメチル−p−ベンゾキノンに代表されるベンゾキノン誘導体、トリブチルボランに代表されるボラン誘導体、四臭化炭素、四塩化炭素、1,1,2,2−テトラブロモエタン、トリブロモエチレン、トリクロロエチレン、ブロモトリクロロメタン、トリブロモメタン、及び3−クロロ−1−プロペンに代表されるハロゲン化炭化水素化合物、クロラール及びフラルデヒドに代表されるアルデヒド化合物、炭素数1〜18のアルキルメルカプタン化合物、チオフェノール及びトルエンメルカプタンに代表される芳香族メルカプタン化合物、メルカプト酢酸、メルカプト酢酸の炭素数1〜10のアルキルエステル化合物、炭素数1〜12のヒドロキシアルキルメルカプタン化合物、並びに、ピネン及びターピノレンに代表されるテルペン化合物が挙げられる。
(メタ)アクリル系共重合体(A)の製造に際し、連鎖移動剤を用いる場合、連鎖移動剤の使用量は、特に制限されず、例えば、目的とする(メタ)アクリル系共重合体(A)の分子量に応じて、適宜設定できる。
重合温度は、特に制限されず、例えば、目的とする(メタ)アクリル系共重合体(A)の分子量に応じて、適宜設定できる。
〔ポリイソシアネート化合物(B)〕
本発明の粘着剤組成物は、ポリイソシアネート化合物(B)を含む。
ポリイソシアネート化合物(B)は、分子内に2以上のイソシアネート基を有する化合物であり、架橋剤として機能する。
ポリイソシアネート化合物としては、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、及びトリレンジイソシアネート(TDI)等の芳香族ポリイソシアネート化合物、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)、イソホロンジイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート化合物の水素添加物等の脂肪族又は脂環族ポリイソシアネート化合物などが挙げられる。
また、ポリイソシアネート化合物としては、上記ポリイソシアネート化合物の2量体、3量体、又は5量体、上記ポリイソシアネート化合物とトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体、上記ポリイソシアネート化合物のビウレット体なども挙げられる。
ポリイソシアネート化合物(B)としては、市販品を使用できる。
ポリイソシアネート化合物(B)の市販品の例としては、「コロネート(登録商標) HX」、「コロネート(登録商標) HL−S」、「コロネート(登録商標) L」、「コロネート(登録商標) L−45E」、「コロネート(登録商標) 2031」、「コロネート(登録商標) 2030」、「コロネート(登録商標) 2234」、「コロネート(登録商標) 2785」、「アクアネート(登録商標) 200」、及び「アクアネート(登録商標) 210」〔以上、東ソー(株)〕、「スミジュール(登録商標) N3300」、「デスモジュール(登録商標) N3400」、及び「スミジュール(登録商標) N−75」〔以上、住化コベストロウレタン(株)〕、「デュラネート(登録商標) E−405−80T」、「デュラネート(登録商標) AE700−100」、「デュラネート(登録商標) 24A−100」、及び「デュラネート(登録商標) TSE−100」〔以上、旭化成(株)〕、並びに、「タケネート(登録商標) D−110N」、「タケネート(登録商標) D−120N」、「タケネート(登録商標) M−631N」、「MT−オレスター(登録商標) NP1200」、及び「スタビオ(登録商標) XD−340N」〔以上、三井化学(株)〕が挙げられる。
本発明の粘着剤組成物は、ポリイソシアネート化合物(B)を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
本発明の粘着剤組成物におけるポリイソシアネート化合物(B)の含有量は、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル系共重合体(A)100質量部に対して、0.02質量部以上9.0質量部以下の範囲であることが好ましく、0.05質量部以上8.0質量部以下の範囲であることがより好ましい。
本発明の粘着剤組成物におけるポリイソシアネート化合物(B)の含有量が、(メタ)アクリル系共重合体(A)100質量部に対して0.02質量部以上であると、(メタ)アクリル系共重合体(A)中の水酸基とポリイソシアネート化合物(B)中のイソシアネート基との架橋反応がより適度に進行し、形成される粘着剤層の架橋密度が適切なものとなるため、粘着剤層と偏光板との密着性がより良好となる。このため、形成される粘着剤層は、高温環境下に曝された場合でも、剥がれ及び発泡がより起こり難い傾向を示す。
本発明の粘着剤組成物におけるポリイソシアネート化合物(B)の含有量が、(メタ)アクリル系共重合体(A)100質量部に対して9.0質量部以下であると、(メタ)アクリル系共重合体(A)とポリイソシアネート化合物(B)とが過度に架橋しないため、形成される粘着剤層が適度な柔軟性を示す。適度な柔軟性を示す粘着剤層は、温度変化に伴う基材の伸縮に対し、十分に追随できる。このため、形成される粘着剤層は、高温環境下に曝された場合でも、剥がれ及び発泡がより起こり難い傾向を示す。また、適度な柔軟性を示す粘着剤層は、温度変化に伴う偏光板の伸縮によって発生した応力を良好に緩和できる。このため、形成される粘着剤層は、偏光板の伸縮に起因する被着体の反りをより生じさせ難い傾向を示す。
<<(メタ)アクリル系共重合体(A)中の水酸基に対する、ポリイソシアネート化合物(B)中のイソシアネート基のモル当量比>>
本発明の粘着剤組成物における、(メタ)アクリル系共重合体(A)中の水酸基に対するポリイソシアネート化合物(B)中のイソシアネート基のモル当量比〔即ち、ポリイソシアネート化合物(B)中のイソシアネート基のモル数/(メタ)アクリル系共重合体(A)中の水酸基のモル数〕は、特に制限されないが、例えば、0.006以上13.0以下の範囲であることが好ましく、0.1以上10.0以下の範囲であることがより好ましく、0.2以上4.0以下の範囲であることが更に好ましく、0.5以上1.0以下の範囲であることが特に好ましい。
本発明の粘着剤組成物における、(メタ)アクリル系共重合体(A)中の水酸基に対するポリイソシアネート化合物(B)中のイソシアネート基のモル当量比が0.006以上であると、(メタ)アクリル系共重合体(A)中の水酸基とポリイソシアネート化合物(B)中のイソシアネート基との架橋反応がより適度に進行し、形成される粘着剤層の架橋密度が適切なものとなるため、粘着剤層と偏光板との密着性がより良好となる。このため、形成される粘着剤層は、高温環境下に曝された場合でも、剥がれ及び発泡がより起こり難い傾向を示す。
本発明の粘着剤組成物における、(メタ)アクリル系共重合体(A)中の水酸基に対するポリイソシアネート化合物(B)中のイソシアネート基のモル当量比が13.0以下であると、(メタ)アクリル系共重合体(A)とポリイソシアネート化合物(B)とが過度に架橋しないため、形成される粘着剤層が適度な柔軟性を示す。適度な柔軟性を示す粘着剤層は、温度変化に伴う基材の伸縮に対し、十分に追随できる。このため、形成される粘着剤層は、高温環境下に曝された場合でも、剥がれ及び発泡がより起こり難い傾向を示す。また、適度な柔軟性を示す粘着剤層は、温度変化に伴う偏光板の伸縮によって発生した応力を良好に緩和できる。このため、形成される粘着剤層は、偏光板の伸縮に起因する被着体の反りをより生じさせ難い傾向を示す。
(メタ)アクリル系共重合体(A)中の水酸基に対するポリイソシアネート化合物(B)中のイソシアネート基のモル当量比〔即ち、ポリイソシアネート化合物(B)中のイソシアネート基のモル数/(メタ)アクリル系共重合体(A)中の水酸基のモル数〕は、以下の計算式(1)〜(3)により求められる。
なお、以下の計算式では、ポリイソシアネート化合物(B)中のイソシアネート基のモル数を「NCO量」と表記し、(メタ)アクリル系共重合体(A)中の水酸基のモル数を「OH量」と表記する。
NCO量(単位:mmol/固形分100g)
=ポリイソシアネート化合物(B)中のイソシアネート基の含有率(単位:質量%)/ポリイソシアネート化合物(B)の固形分(単位:質量%)×ポリイソシアネート化合物(B)の配合量(固形分換算量、単位:g)/イソシアネート基の式量(単位:g/mol)×1000・・・(1)
OH量(単位:mmol/固形分100g)
=(メタ)アクリル系共重合体(A)中の水酸基を有する単量体に由来する構成単位の含有率(単位:質量%)/水酸基を有する単量体の分子量(単位:g/mol)×水酸基を有する単量体に由来する構成単位中の水酸基の個数(価数)×1000・・・(2)
(メタ)アクリル系共重合体(A)中の水酸基に対するポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基のモル当量比
=NCO量/OH量・・・(3)
〔イミダゾール化合物(C)〕
本発明の粘着剤組成物は、イミダゾール化合物(C)を含む。
本明細書において、「イミダゾール化合物」とは、分子内に1以上のイミダゾール環を有する化合物を意味する。
イミダゾール化合物(C)は、架橋触媒として機能するため、本発明の粘着剤組成物がイミダゾール化合物(C)を含むと、(メタ)アクリル系共重合体(A)中の水酸基とポリイソシアネート化合物(B)中のイソシアネート基との架橋反応が促進される。
また、本発明の粘着剤組成物がイミダゾール化合物(C)を含むと、イミダゾール化合物(C)と粘着付与剤(D)とが相互作用するため、(メタ)アクリル系共重合体(A)のポリマー鎖間に粘着付与剤(D)が取り込まれやすくなると推測される。(メタ)アクリル系共重合体(A)のポリマー鎖間に取り込まれた粘着付与剤(D)は、ポリイソシアネート化合物(B)と疑似的な架橋構造を形成するため、粘着剤層の凝集力が高くなると推測される。このため、形成される粘着剤層は、高温環境下に曝された場合でも、剥がれ及び発泡が起こり難い傾向を示す。
イミダゾール化合物(C)としては、1,2−ジメチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等が挙げられる。
これらの中でも、イミダゾール化合物(C)としては、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、及び2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾールからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
イミダゾール化合物(C)としては、市販品を使用できる。
イミダゾール化合物(C)の市販品の例としては、四国化成工業(株)の「キュアゾール(登録商標) 1B2MZ」、「キュアゾール(登録商標) 1B2PZ」、「キュアゾール(登録商標) TBZ」、及び「キュアゾール(登録商標) 1,2DMZ」(いずれも商品名)が挙げられる。
本発明の粘着剤組成物は、イミダゾール化合物(C)を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
本発明の粘着剤組成物におけるイミダゾール化合物(C)の含有量は、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル系共重合体(A)100質量部に対して、0.01質量部以上1.5質量部以下の範囲であることが好ましく、0.1質量部以上1.5質量部以下の範囲であることがより好ましく、0.1質量部以上1.0質量部以下の範囲であることが更に好ましい。
本発明の粘着剤組成物におけるイミダゾール化合物(C)の含有量が、(メタ)アクリル系共重合体(A)100質量部に対して0.01質量部以上であると、(メタ)アクリル系共重合体(A)中の水酸基とポリイソシアネート化合物(B)中のイソシアネート基との架橋反応が促進され、形成される粘着剤層の凝集力が適切なものとなるため、粘着剤層と偏光板との密着性がより良好となる。このため、形成される粘着剤層は、高温環境下に曝された場合でも、剥がれ及び発泡がより起こり難い傾向を示す。
本発明の粘着剤組成物におけるイミダゾール化合物(C)の含有量が、(メタ)アクリル系共重合体(A)100質量部に対して1.5質量部以下であると、イミダゾール化合物(C)が過度に粘着剤層の偏光板との界面に局在化しないため、粘着剤層と偏光板との密着性がより良好となる。このため、形成される粘着剤層は、高温環境下に曝された場合でも、剥がれ及び発泡がより起こり難い傾向を示す。
〔粘着付与剤(D)〕
本発明の粘着剤組成物は、水酸基を有し、かつ、水酸基価が10mgKOH/g以上である粘着付与剤(D)を含む。
本明細書において、「粘着付与剤」とは、配合により粘着性を付与できる性質を有し、かつ、分子量が1万未満(好ましくは、800以上1万未満の範囲)の重合体を意味する。
粘着付与剤(D)の分子量は、下記の方法により測定される値である。具体的には、下記の(1)〜(3)に従って測定する。
(1)粘着付与剤(D)の溶液を剥離紙に塗布し、100℃で1分間乾燥し、フィルム状の粘着付与剤(D)を得る。
(2)上記(1)で得られたフィルム状の粘着付与剤(D)とテトラヒドロフランとを用いて、固形分濃度が0.2質量%である試料溶液を得る。なお、ここでいう「固形分濃度」とは、試料溶液に占める粘着付与剤(D)の質量割合を意味する。
(3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、下記条件にて、標準ポリスチレン換算値として、粘着付与剤(D)の分子量を測定する。
〜条件〜
測定装置:高速GPC〔型番:HLC−8220 GPC、東ソー(株)〕
検出器:示差屈折率計(RI)〔HLC−8220に組込、東ソー(株)〕
カラム:TSK−GEL GMHXL〔東ソー(株)〕を直列に4本接続
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
試料溶液の注入量:100μL
流量:0.8mL/分
粘着付与剤(D)は、水酸基を有し、かつ、水酸基価が10mgKOH/g以上であれば、特に制限されないが、例えば、ロジン骨格を有する化合物及びテルペン骨格を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
粘着付与剤(D)が、ロジン骨格を有する化合物及びテルペン骨格を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であると、ポリイソシアネート化合物(B)との反応により多量体が形成されるため、粘着剤層の凝集力がより高くなると推測される。このため、形成される粘着剤層は、高温環境下に曝された場合でも、剥がれ及び発泡がより起こり難い傾向を示す。
粘着付与剤(D)の水酸基価は、10mgKOH/g以上であり、10mgKOH/g以上300mgKOH/g以下の範囲であることが好ましく、30mgKOH/g以上200mgKOH/g以下の範囲であることがより好ましく、30mgKOH/g以上1500mgKOH/g以下の範囲であることが更に好ましい。
粘着付与剤(D)の水酸基価が10mgKOH/g以上であると、粘着付与剤(D)中の水酸基と(メタ)アクリル系共重合体(A)中の水酸基とが良好に相互作用するため、(メタ)アクリル系共重合体(A)のポリマー鎖間に粘着付与剤(D)が取り込まれやすくなると推測される。また、粘着付与剤(D)の水酸基価が10mgKOH/g以上であると、(メタ)アクリル系共重合体(A)のポリマー鎖間に取り込まれた粘着付与剤(D)が、ポリイソシアネート化合物(B)と疑似的な架橋構造を形成しやすくなるため、粘着剤層の凝集力がより高くなると推測される。このため、形成される粘着剤層は、高温環境下に曝された場合でも、剥がれ及び発泡が起こり難い傾向を示す。
粘着付与剤(D)の水酸基価は、JIS K 0070:1992に記載の電位差測定法に準拠して測定される値である。この測定では、アセチル化試薬として無水酢酸を用いる。
但し、粘着付与剤(D)として市販品を用いる場合には、粘着付与剤(D)の水酸基価は、市販品のカタログ値を採用する。
粘着付与剤(D)としては、市販品を使用できる。
粘着付与剤(D)の市販品の例としては、ロジン骨格を有する化合物である「パインクリスタル D−6011」〔水酸基価:117mgKOH/g、荒川化学工業(株)〕、「パインクリスタル KE−359」〔水酸基価:42mgKOH/g、荒川化学工業(株)〕、及び「Sylvalite RE100XL」〔水酸基価:15mgKOH/g、AR BROWN社〕、並びに、テルペン骨格を有する化合物である「YSレジンCP」〔水酸基価:230mgKOH/g、ヤスハラケミカル(株)〕、及び「YSポリスター T100」〔水酸基価:70mgKOH/g、ヤスハラケミカル(株)〕(以上、いずれも商品名)が挙げられる。
本発明の粘着剤組成物は、粘着付与剤(D)を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
本発明の粘着剤組成物における粘着付与剤(D)の含有量は、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル系共重合体(A)100質量部に対して、0.5質量部以上55質量部以下の範囲であることが好ましく、1質量部以上50質量部以下の範囲であることがより好ましく、5質量部以上30質量部以下の範囲であることが更に好ましく、5質量部以上15質量部以下の範囲であることが特に好ましい。
本発明の粘着剤組成物における粘着付与剤(D)の含有量が、(メタ)アクリル系共重合体(A)100質量部に対して0.5質量部以上であると、形成される粘着剤層は、高温環境下に曝された場合に、発泡がより起こり難い傾向を示す。
本発明の粘着剤組成物における粘着付与剤(D)の含有量が、(メタ)アクリル系共重合体(A)100質量部に対して55質量部以下であると、形成される粘着剤層は、光学特性(例えば、光透過率)がより向上する傾向を示す。
〔シランカップリング剤〕
本発明の粘着剤組成物は、シランカップリング剤を含むことが好ましい。
本発明の粘着剤組成物がシランカップリング剤を含むと、形成される粘着剤層は、高温環境下に曝された場合に、剥がれ及び発泡がより起こり難い傾向を示す。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランに代表される重合性不飽和基含有シラン化合物、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、及び3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシランに代表されるチオール基含有シラン系化合物、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及び2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランに代表されるエポキシ基含有シラン化合物、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、及びN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランに代表されるアミノ基含有シラン化合物、並びに、トリス−(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートが挙げられる。
シランカップリング剤としては、市販品を使用できる。
シランカップリング剤の市販品の例としては、信越化学工業(株)の「KBM−803」、「KBM−802」、「X−41−1810」、「X−41−1811」、「X−41−1805」、及び「X−41−1818」(いずれも商品名)に代表されるチオール基含有シラン化合物、「KBM−403」、「KBM−303」、「KBM−402」、「KBE−402」、「KBE−403」、「X−41−1053」、及び「X−41−1056」(いずれも商品名)に代表されるエポキシ基含有シラン化合物、「KBM−9659」(商品名)に代表されるイソシアヌレート基含有シラン化合物、「KBE−9007N」(商品名)に代表されるイソシアネート基含有シラン化合物、並びに、「KBM−573」(商品名)に代表されるアミノ基含有シラン化合物が挙げられる。
本発明の粘着剤組成物は、シランカップリング剤を含む場合、シランカップリング剤を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
本発明の粘着剤組成物がシランカップリング剤を含む場合、粘着剤組成物におけるシランカップリング剤の含有量は、特に制限されないが、例えば、特定(メタ)アクリル系共重合体100質量部に対して、0.05質量部〜3.0質量部であることが好ましく、0.1質量部〜2.0質量部であることがより好ましく、0.1質量部〜1.0質量部であることが更に好ましい。
本発明の粘着剤組成物におけるシランカップリング剤の含有量が、特定(メタ)アクリル系共重合体100質量部に対して、上記範囲内であると、形成される粘着剤層は、高温環境下に曝された場合に、剥がれ及び発泡がより起こり難い傾向を示す。
〔有機溶媒〕
本発明の粘着剤組成物は、有機溶媒を含んでいてもよい。
有機溶媒は、例えば、粘着剤組成物の塗布性向上に寄与し得る。
有機溶媒としては、例えば、既述の(メタ)アクリル系共重合体(A)の重合反応時に用いられる有機溶媒と同様のものが挙げられる。
本発明の粘着剤組成物は、有機溶媒を含む場合、有機溶媒を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
本発明の粘着剤組成物が有機溶媒を含む場合、有機溶媒の含有量は、特に制限されず、目的に応じて、適宜設定できる。
〔その他の成分〕
本発明の粘着剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、既述した成分以外の成分(所謂、その他の成分)を含んでいてもよい。
その他の成分としては、(メタ)アクリル系共重合体(A)以外の重合体、酸化防止剤、着色剤(例えば、染料及び顔料)、光安定剤(例えば、紫外線吸収剤)、帯電防止剤等が挙げられる。
本発明の粘着剤組成物がその他の成分を含む場合、その他の成分の含有量は、本発明の効果が発揮される範囲において、適宜設定できる。
<架橋後のゲル分率>
本発明の粘着剤組成物は、架橋後のゲル分率(即ち、粘着剤層のゲル分率)が、20質量%以上45質量%未満の範囲であり、25質量%以上45質量%未満の範囲であることが好ましく、25質量%以上38質量%以下の範囲であることがより好ましい。
架橋後のゲル分率が上記範囲内であると、高温環境下に曝された場合でも、剥がれ及び発泡が起こり難い粘着剤層を形成できる傾向を示す。
一般に、ゲル分率が低い粘着剤層は、凝集力が小さく、高温環境下に曝された場合に、発泡が起こりやすい傾向がある。これに対し、本発明の粘着剤組成物により形成される粘着剤層は、凝集力が適度に高いため、ゲル分率が45質量%未満と低くても、高温環境下に曝された場合に、発泡が起こり難い。
本明細書において、「粘着剤組成物の架橋後のゲル分率」は、酢酸エチルを抽出溶媒に用いて測定される溶媒不溶分の割合である。粘着剤組成物の架橋後のゲル分率は、具体的には、下記の(1)〜(4)に従って測定する。
(1)精密天秤にて質量を正確に測定した250メッシュの金網(100mm×100mm)に、架橋後の粘着剤組成物(即ち、粘着剤層)を約0.15g貼付し、ゲル分が漏れないように、貼付した粘着剤層を内側にして、金網を5回折り畳み、試料とする。その後、精密天秤にて質量を正確に測定する。
(2)得られた試料を酢酸エチル80mLに3日間浸漬する。
(3)試料を取り出して少量の酢酸エチルにて洗浄し、120℃で24時間乾燥させる。その後、精密天秤にて質量を正確に測定する。
(4)下式によりゲル分率を算出する。
ゲル分率(単位:質量%)=(Z−X)/(Y−X)×100
但し、Xは金網の質量(単位:g)、Yは粘着剤層を貼付した金網の浸漬前の質量(単位:g)、Zは浸漬後乾燥させた、粘着剤層を貼付した金網の質量(単位:g)である。
<<用途>>
本発明の粘着剤組成物は、偏光板を被着体に貼着させる用途に好適である。
具体的な用途としては、偏光板を液晶セル(具体的には、液晶セルのガラス基板)に貼着させる用途、偏光板を位相差フィルム等の光学フィルムに貼着させる用途などが挙げられる。
これらの中でも、本発明の粘着剤組成物の用途としては、偏光板を液晶セルに貼着させる用途が、本発明の粘着剤組成物による効果がより発揮されるため、好ましい。
[粘着剤層付偏光板]
本発明の粘着剤層付偏光板は、偏光板と、上記偏光板上に設けられ、かつ、既述の本発明の粘着剤組成物により形成された粘着剤層と、を備える。
本発明の粘着剤層付偏光板は、本発明の粘着剤組成物により形成された粘着剤層を備えるため、高温環境下に曝された場合でも、粘着剤層の剥がれ及び発泡が起こり難い。また、本発明の粘着剤層付偏光板は、本発明の粘着剤組成物により形成された粘着剤層を備えるため、被着体への貼着後、高温環境下に曝されて偏光板が収縮した場合でも、被着体の反りが生じ難い。
本発明における偏光板は、少なくとも偏光子を含んで構成されるものであり、偏光子単体であってもよく、偏光子と保護フィルムとを積層したものであってもよい。
すなわち、偏光板は、偏光子単独の1層構造であってもよく、偏光子の片面に保護フィルムを有する2層構造であってもよく、偏光子の両面に保護フィルムを有する3層構造であってもよい。
本発明の粘着剤層付偏光板の層構成としては、例えば、粘着剤層/偏光子、粘着剤層/偏光子/保護フィルム、粘着剤層/保護フィルム/偏光子/保護フィルム、及び粘着剤層/保護フィルム/偏光子が挙げられる。
なお、本発明の粘着剤層付偏光板は、偏光子と保護フィルムとの間、保護フィルムと粘着剤層との間、及び偏光子と粘着剤層との間に、位相差フィルム(例えば、EWV層に代表される光学機能性層、接着剤層、及び易接着層)などの層を有していてもよい。
偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)フィルムが挙げられる。
保護フィルムとしては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、ポリシクロオレフィン(COP)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、及びアクリルフィルムが挙げられる。
粘着剤層付偏光板の最も外側の面は、剥離フィルムで保護されていてもよい。
最も外側の面が粘着剤層である場合、剥離フィルムは、粘着剤層から剥離しやすくするため、フッ素系剥離処理剤、ワックス系剥離処理剤、シリコーン系剥離処理剤等の剥離処理剤で表面処理されたポリエステル等の合成樹脂フィルムであることが好ましい。
最も外側の面が粘着剤層以外である場合、剥離フィルムとしては、ハードコートされたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の表面保護フィルムが挙げられる。
粘着剤層の厚さは、特に制限されず、例えば、基材の種類、被着体の種類、基材の表面粗さ、及び被着体の表面粗さに応じて、適宜設定できる。
一般には、粘着剤層の厚さは、1μm〜100μmであり、好ましくは5μm〜50μmであり、更に好ましくは10μm〜30μmである。
本発明の粘着剤層付偏光板は、公知の方法により作製できる。
公知の方法としては、例えば、本発明の粘着剤組成物を剥離フィルムの剥離処理面に塗布し、塗布膜を形成する。次いで、形成した塗布膜を乾燥させることにより、剥離フィルム上に粘着膜を形成する。次いで、形成した粘着膜を偏光板上に転写し、養生させることにより、粘着剤層付偏光板を作製する方法が挙げられる。
また、別の方法としては、例えば、本発明の粘着剤組成物を剥離フィルムの剥離処理面に塗布し、塗布膜を形成する。次いで、形成した塗布膜を乾燥させることにより、剥離フィルム上に粘着膜を形成する。次いで、形成した粘着膜の露出した面に、別途、準備した剥離フィルムの剥離処理面を重ねて貼り合わせて、基材のない両面粘着シートを作製する。次いで、作製した両面粘着シートの粘着膜を養生させて、粘着剤層とする。次いで、一方の剥離フィルムを剥離し、露出した粘着剤層を偏光板上に転写することにより、粘着剤層付偏光板を作製する方法が挙げられる。
また、別の方法としては、例えば、本発明の粘着剤組成物を偏光板上に塗布し、塗布膜を形成する。次いで、形成した塗布膜を乾燥させることにより、偏光板上に粘着膜を形成する。次いで、形成した粘着膜を養生させることにより、粘着剤層付偏光板を作製する方法が挙げられる。
なお、乾燥の条件としては、例えば、熱風乾燥機を用いて、70℃〜120℃で1分間〜3分間乾燥する条件が挙げられる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[(メタ)アクリル系共重合体の製造]
〔製造例1〕
温度計、撹拌機、窒素導入管、及び還流冷却管を備えた反応器内に、n−ブチルアクリレート〔n−BA;アクリル酸アルキルエステル単量体〕86.7質量部、メチルアクリレート〔MA;アクリル酸アルキルエステル単量体〕13.0質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート〔2HEA;水酸基を有する単量体〕0.3質量部、及び酢酸エチル80.0質量部を入れて混合した後、反応器内を窒素置換した。次いで、反応器内の混合物を撹拌しながら71℃に昇温した後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)〔ABVN;重合開始剤〕0.02質量部と酢酸エチル40質量部とを逐次添加し、添加終了後、6時間保持して重合反応物を得た。得られた重合反応物を、酢酸エチルを用いて希釈し、固形分濃度が15.0質量%である製造例1の(メタ)アクリル系共重合体の溶液を得た。
なお、ここでいう(メタ)アクリル系共重合体の「固形分濃度」とは、(メタ)アクリル系共重合体の溶液に占める、(メタ)アクリル系共重合体の質量割合を意味する。以下の製造例2〜12についても同様である。
〔製造例2〜10及び12〕
製造例2〜10及び12では、(メタ)アクリル系共重合体の単量体組成を、表1に示す単量体組成に変更したこと以外は、製造例1と同様の操作を行い、固形分濃度が15.0質量%である製造例2〜10及び12の(メタ)アクリル系共重合体の各溶液を得た。
〔製造例11〕
製造例11では、有機溶媒の使用量及び重合開始剤の使用量の少なくとも一方を調整することにより、(メタ)アクリル系共重合体の重量平均分子量(Mw)を、表1に示す重量平均分子量(Mw)に調整したこと以外は、製造例1と同様の操作を行い、固形分濃度が15.0質量%である製造例11の(メタ)アクリル系共重合体の溶液を得た。
上記にて得られた(メタ)アクリル系共重合体のうち、製造例1〜10の(メタ)アクリル系共重合体は、本発明における(メタ)アクリル系共重合体(A)に相当する。
製造例1〜12の(メタ)アクリル系共重合体の単量体組成(単位:質量%)、重量平均分子量〔Mw、単位:万(表中では、「×10」と表記)〕、水酸基価(単位:mgKOH/g)、及び酸価(単位:mgKOH/g)を表1に示す。
製造例1〜12の(メタ)アクリル系共重合体の重量平均分子量(Mw)は、既述の(メタ)アクリル系共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)の測定方法と同様の方法により測定した。
製造例1〜12の(メタ)アクリル系共重合体の水酸基価及び酸価は、それぞれ既述の(メタ)アクリル系共重合体(A)の水酸基価及び酸価の計算方法と同様の方法により計算した。
例えば、製造例1の(メタ)アクリル系共重合体の水酸基価は、次のようにして計算した。なお、製造例1の(メタ)アクリル系共重合体における2HEAの含有率(A1)は、0.3質量%であり、2HEAの分子量(A2)は、116.12である。また、2HEA 1分子中に含まれる水酸基の数(A3)は、1である。
製造例1の(メタ)アクリル系共重合体の水酸基価(mgKOH/g)={(A1/100)÷A2}×56.1×1000×A3={(0.3/100)÷116.12}×56.1×1000×1=1.447・・・≒1.45
例えば、製造例4の(メタ)アクリル系共重合体の酸価は、次のようにして計算した。なお、製造例4の(メタ)アクリル系共重合体におけるAAの含有率(a1)は、0.01質量%であり、AAの分子量(a2)は、72.06である。また、AA 1分子中に含まれるカルボキシ基の数(a3)は、1である。
製造例4の(メタ)アクリル系共重合体の酸価(mgKOH/g)={(a1/100)÷a2}×56.1×1000×a3={(0.01/100)÷72.06}×56.1×1000×1=0.072・・・≒0.07
Figure 2021092610
表1中、「−」は、その欄に該当する単量体を配合していないことを意味する。
表1では、「重量平均分子量(Mw)」を単に「Mw」と表記した。
〔実施例1〕
−粘着剤組成物の調製−
製造例1にて得られた(メタ)アクリル系共重合体の溶液100質量部(固形分換算値)と、ポリイソシアネート化合物〔商品名:コロネート(登録商標) L−45E、トリレンジイソシアネート(TDI)とトリメチロールプロパン(TMP)とのアダクト体、イソシアネート基の含有率:7.9質量%、固形分:45質量%、東ソー(株)〕0.4質量部(固形分換算値)と、イミダゾール化合物〔商品名:キュアゾール(登録商標) 1B2PZ、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、四国化成工業(株)〕0.2質量部(固形分換算値)と、粘着付与剤〔商品名:パインクリスタル D−6011、水酸基及びロジン骨格を有する化合物、水酸基価:117mgKOH/g、荒川化学工業(株)〕10質量部(固形分換算値)と、シランカップリング剤〔商品名:X−41−1810、信越化学工業(株)〕0.3質量部と、を十分に撹拌混合し、粘着剤組成物を得た。
得られた粘着剤組成物における、(メタ)アクリル系共重合体中の水酸基に対するポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基のモル当量比〔即ち、ポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基のモル数/(メタ)アクリル系共重合体中の水酸基のモル数〕は、0.64であった。
(メタ)アクリル系共重合体中の水酸基に対するポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基のモル当量比は、既述の計算式(1)〜(3)を用いて計算したものである。具体的には、次のようにして計算した。
なお、ポリイソシアネート化合物であるコロネート(登録商標) L−45Eは、固形分が45質量%であり、イソシアネート基の含有率が7.9質量%である。また、イソシアネート基の式量は、42である。また、水酸基を有する単量体である2−ヒドロキシエチルアクリレートに由来する構成単位の分子量は、116である。
計算式(1)
NCO量(単位:mmol/固形分100g)
=ポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基の含有率(単位:質量%)/ポリイソシアネート化合物の固形分(単位:質量%)×ポリイソシアネート化合物の配合量(単位:g)/イソシアネート基の式量(単位:g/mol)×1000
=7.9(質量%)/45(質量%)×0.4(g)/42(g/mol)×1000=1.671・・・≒1.67
計算式(2)
OH量(単位:mmol/固形分100g)
=(メタ)アクリル系共重合体中の水酸基を有する単量体に由来する構成単位の含有率(単位:質量%)/水酸基を有する単量体の分子量(単位:g/mol)×水酸基を有する単量体に由来する構成単位中の水酸基の個数(価数)×1000
=0.3(質量部)/100(質量部)×100(%)/116(g/mol)×1×1000=2.586・・・≒2.59
計算式(3)
(メタ)アクリル系共重合体中の水酸基に対するポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基のモル当量比
=NCO量/OH量
=1.67/2.59=0.644・・・≒0.64
−粘着剤層付偏光板の作製−
上記にて調製した粘着剤組成物を用い、以下のようにして、粘着剤層付偏光板を作製した。シリコーン系剥離処理剤で表面処理された剥離フィルム〔商品名:フィルムバイナ(登録商標)100E−0010N023、藤森工業(株)〕の表面処理面に、乾燥後の厚みが20μmとなるように粘着剤組成物を塗布し、塗布膜を形成した。
次いで、形成した塗布膜を、熱風循環式乾燥機を用いて、乾燥温度100℃及び乾燥時間1分間の乾燥条件で乾燥させ、剥離フィルム上に粘着膜を形成した。
次いで、トリアセチルセルロース(TAC)層/ポリビニルアルコール(PVA)層/TAC層の積層構造を有する偏光板の一方の面と、上記剥離フィルム上に形成された粘着膜の露出した面と、を重ねて貼り合わせた後、雰囲気温度25℃、50%RHの環境下で168時間養生させることで、架橋反応を進行させて、剥離フィルム/粘着剤層/偏光板の積層構造を有する粘着剤層付偏光板を作製した。
〔実施例2〜10〕
−粘着剤組成物の調製−
実施例1において、粘着剤組成物の組成を表2に示す組成に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例2〜10の各粘着剤組成物を得た。
−粘着剤層付偏光板の作製−
上記にて調製した粘着剤組成物を用いて、実施例1と同様の操作を行い、粘着剤層付偏光板を作製した。
〔実施例11〜25〕
実施例1において、粘着剤組成物の組成を表3に示す組成に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例11〜25の各粘着剤組成物を得た。
−粘着剤層付偏光板の作製−
上記にて調製した粘着剤組成物を用いて、実施例1と同様の操作を行い、粘着剤層付偏光板を作製した。
〔比較例1〜9〕
実施例1において、粘着剤組成物の組成を表4に示す組成に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較例1〜9の各粘着剤組成物を得た。
−粘着剤層付偏光板の作製−
上記にて調製した粘着剤組成物を用いて、実施例1と同様の操作を行い、粘着剤層付偏光板を作製した。
実施例1〜25及び比較例1〜9の粘着剤組成物の組成、並びに、粘着剤組成物における、(メタ)アクリル系共重合体中の水酸基に対するポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基のモル当量比(表中では、単に「モル当量比」と表記)を表2〜4に示す。
Figure 2021092610
Figure 2021092610
Figure 2021092610
表2〜4に記載の成分の詳細は、以下に示すとおりである。
<架橋剤>
−ポリイソシアネート化合物−
「コロネート L−45E」〔商品名、トリレンジイソシアネート(TDI)とトリメチロールプロパン(TMP)とのアダクト体、固形分:45質量%、イソシアネート基の含有率:7.9質量%、東ソー(株)〕
「スミジュール N−75」〔商品名、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)のビウレット型、固形分:75質量%、イソシアネート基の含有率:16.5質量%、住化コベストロウレタン(株)〕
−その他−
「TETRAD−X」〔商品名、エポキシ化合物、三菱ガス化学(株)〕
上記の「コロネート」、「スミジュール」、及び「TETRAD」は、いずれも登録商標である。
<架橋触媒>
−イミダゾール化合物−
「キュアゾール 1B2PZ」〔商品名、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、固形分:100質量%、四国化成工業(株)〕
「キュアゾール TBZ」〔商品名、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、固形分:100質量%、四国化成工業(株)〕
−その他−
「ジブチル錫ジラウレート(DBTL)」〔商品名:ジブチル錫ジラウレート、東京化成工業(株)〕
上記の「キュアゾール」は、登録商標である。
<粘着付与剤>
−粘着付与剤(D)−
「D−6011」〔商品名:パインクリスタル D−6011、水酸基及びロジン骨格を有する化合物、水酸基価:117mgKOH/g、荒川化学工業(株)〕
「KE−359」〔商品名:パインクリスタル KE−359、水酸基及びロジン骨格を有する化合物、水酸基価:42mgKOH/g、荒川化学工業(株)〕
「YSレジンCP」〔商品名、水酸基及びテルペン骨格を有する化合物、水酸基価:230mgKOH/g、ヤスハラケミカル(株)〕
「Sylvalite RE100XL」〔商品名、水酸基及びロジン骨格を有する化合物、水酸基価:15mgKOH/g、AR BROWN社〕
−その他−
「YSレジンPX1000」〔商品名、水酸基価:0mgKOH/g、ヤスハラケミカル(株)〕
<その他の成分>
−シランカップリング剤−
「X−41−1810」〔商品名、チオール基含有シラン化合物、固形分:100質量%、信越化学工業(株)〕
表2〜4中、「配合量」の欄に記載の数値は、いずれも固形分換算値である。
[測定及び評価]
1.ゲル分率の測定
上記にて調製した粘着剤組成物を、シリコーン系剥離処理剤で表面処理された剥離フィルム〔商品名:フィルムバイナ(登録商標)100E−0010N023、藤森工業(株)〕の表面処理面に、乾燥後の厚みが20μmとなるように塗布し、塗布膜を形成した。次いで、形成した塗布膜を、熱風循環式乾燥機を用いて、100℃、1分間の乾燥条件で乾燥させ、剥離フィルム上に粘着膜を形成した。
次いで、別途準備した剥離フィルム〔商品名:フィルムバイナ(登録商標)100E−0010N023、藤森工業(株)〕の表面処理面と、上記剥離フィルム上に形成された粘着膜の露出した面と、を重ねて貼り合わせた後、雰囲気温度25℃、50%RHの環境下で168時間養生させることで、架橋反応を進行させて、剥離フィルム/粘着剤層/剥離フィルムの積層構造を有する無基材タイプの両面粘着シートを得た。
次いで、両面粘着シートの2枚の剥離フィルムを剥離し、得られた粘着剤層を用い、既述の方法により、粘着剤組成物の架橋後のゲル分率を測定した。
結果を表5に示す。
なお、比較例5、6、及び8の粘着剤組成物については、架橋後のゲル分率が上がらないため、以下の評価試験を行うことができなかった。
2.剥がれ
(剥がれ評価用サンプルの作製)
上記にて作製した粘着剤層付偏光板を、吸収軸に対して長辺が0°になるように切断し、50mm×89mm(長辺)の大きさの試験片を2枚準備した。
試験片の剥離フィルムを剥離し、剥離により露出した粘着剤層の面を、青板ソーダガラス〔松浪硝子工業(株)〕の片面に重ねて貼り合わせ、ラミネーターを用いて圧着し、積層体を作製した。次いで、作製した積層体に対し、オートクレーブ処理(処理温度:50℃、処理圧力:5kg/cm、処理時間:20分間)を施し、剥がれ評価用サンプルを作製した。
(評価試験)
上記にて作製した剥がれ評価用サンプルを、120℃の高温環境下に168時間放置した。放置後の剥がれ評価用サンプルの外観を目視により観察し、下記の評価基準に従って、評価を行った。
結果を表5に示す。
評価結果が「A」又は「B」であれば、実用上問題ないと判断した。
−評価基準−
A:剥がれが認められなかった。
B:剥がれがエッジの一部に認められた。
C:剥がれがエッジの全体に認められた。
3.発泡
(発泡評価用サンプルの作製)
上記「2.剥がれ」における剥がれ評価用サンプルの作製方法と同様の方法により、発泡評価用サンプルを作製した。
(評価試験)
上記にて作製した発泡評価用サンプルを、120℃の高温環境下に168時間放置した。放置後の発泡評価用サンプルの外観を目視により観察し、下記の評価基準に従って、評価を行った。
結果を表5に示す。
評価結果が「A」又は「B」であれば、実用上問題ないと判断した。
−評価基準−
A:発泡が認められなかった。
B:発泡がエッジ部分に認められた。
C:発泡が全体に認められた。
4.反り
(反り評価用サンプルの作製)
上記にて作製した粘着剤層付偏光板を、吸収軸に対して長辺が0°になるように切断し、60mm(短辺)×150mm(長辺)の大きさの試験片を準備した。
試験片の剥離フィルムを剥離し、剥離により露出した粘着剤層の面を、青板ソーダガラス〔松浪硝子工業(株)〕の片面に重ねて貼り合わせ、ラミネーターを用いて圧着し、積層体を作製した。次いで、作製した積層体に対し、オートクレーブ処理(処理温度:50℃、処理圧力:5kg/cm、処理時間:20分間)を施し、反り評価用サンプルを作製した。
(評価試験)
上記にて作製した反り評価用サンプルを、120℃の高温環境下に72時間放置した。放置後の反り評価用サンプルの一対の短辺側端部及び中央部の高さを、レーザー変位計〔商品名:LK−H027、(株)キーエンス〕を用いて測定した。そして、端部の高さの測定値(単位:mm)をそれぞれA及びA’とし、中央部の高さの測定値(単位:mm)をBとし、〔(A+A’)/2〕−B=反りの値(単位:mm)とした。得られた反りの値に基づき、下記の評価基準に従って、評価を行った。
結果を表5に示す。
評価結果が「A」又は「B」であれば、実用上問題ないと判断した。
−評価基準−
A:反りの値が0.20mm以下であった。
B:反りの値が0.20mmを超えて0.30mm以下であった。
C:反りの値が0.30mmを超えていた。
Figure 2021092610
表5に示すように、実施例1〜25の粘着剤組成物により形成された粘着剤層は、高温環境下に曝された場合でも、剥がれ及び発泡が起こり難いことが確認された。また、実施例1〜25の粘着剤組成物により形成された粘着剤層は、被着体であるガラスの反りを生じさせ難いことが確認された。
一方、(メタ)アクリル系共重合体の重量平均分子量が130万未満である比較例1の粘着剤組成物により形成された粘着剤層は、高温環境下に曝された場合に、発泡が起こりやすいことが確認された。
架橋後のゲル分率が20質量%未満である比較例2の粘着剤組成物により形成された粘着剤層(即ち、ゲル分率が20質量%未満である粘着剤層)は、高温環境下に曝された場合に、剥がれ及び発泡がいずれも起こりやすいことが確認された。
架橋後のゲル分率が45質量%以上である比較例3の粘着剤組成物により形成された粘着剤層(即ち、ゲル分率が45質量%以上である粘着剤層)は、高温環境下に曝された場合に、剥がれが起こりやすいことが確認された。また、比較例3の粘着剤組成物により形成された粘着剤層は、被着体であるガラスの反りを生じさせ難いことが確認された。
粘着付与剤が水酸基を有しない比較例4の粘着剤組成物により形成された粘着剤層は、高温環境下に曝された場合に、発泡が起こりやすいことが確認された。
(メタ)アクリル系共重合体が水酸基を有する単量体に由来する構成単位を含まない比較例5の粘着剤組成物により形成された粘着剤層は、ゲル分率が上がらず、評価試験を行うことができなかった。
イミダゾール化合物を含まない比較例6の粘着剤組成物により形成された粘着剤層は、ゲル分率が上がらず、評価試験を行うことができなかった。
粘着付与剤を含まない比較例7の粘着剤組成物により形成された粘着剤層は、高温環境下に曝された場合に、発泡が起こりやすいことが確認された。
ポリイソシアネート化合物に代えて、ポリイソシアネート化合物と同様に架橋剤として機能するエポキシ化合物を含む比較例8の粘着剤組成物により形成された粘着剤層は、ゲル分率が上がらず、評価試験を行うことができなかった。
イミダゾール化合物に代えて、イミダゾール化合物と同様に架橋触媒として機能するジブチル錫ジラウレートを含む比較例9の粘着剤組成物により形成された粘着剤層は、高温環境下に曝された場合に、発泡が起こりやすいことが確認された。

Claims (9)

  1. 水酸基を有する単量体に由来する構成単位及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位を含み、かつ、重量平均分子量が130万以上である(メタ)アクリル系共重合体(A)と、
    ポリイソシアネート化合物(B)と、
    イミダゾール化合物(C)と、
    水酸基を有し、かつ、水酸基価が10mgKOH/g以上である粘着付与剤(D)と、
    を含み、
    架橋後のゲル分率が、20質量%以上45質量%未満の範囲である偏光板用粘着剤組成物。
  2. 前記(メタ)アクリル系共重合体(A)の酸価が、0.1mgKOH/g以下である請求項1に記載の偏光板用粘着剤組成物。
  3. 前記粘着付与剤(D)の水酸基価が、10mgKOH/g以上300mgKOH/g以下の範囲である請求項1又は請求項2に記載の偏光板用粘着剤組成物。
  4. 前記(メタ)アクリル系共重合体(A)の水酸基価が、0.4mgKOH/g以上15.0mgKOH/g以下の範囲である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の偏光板用粘着剤組成物。
  5. 前記粘着付与剤(D)の含有量が、前記(メタ)アクリル系共重合体(A)100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下の範囲である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の偏光板用粘着剤組成物。
  6. 前記粘着付与剤(D)が、ロジン骨格を有する化合物及びテルペン骨格を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の偏光板用粘着剤組成物。
  7. 前記(メタ)アクリル系共重合体(A)中の水酸基に対する前記ポリイソシアネート化合物(B)中のイソシアネート基のモル当量比が、0.006以上13.0以下の範囲である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の偏光板用粘着剤組成物。
  8. 前記イミダゾール化合物(C)の含有量が、前記(メタ)アクリル系共重合体(A)100質量部に対して、0.1質量部以上1.0質量部以下の範囲である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の偏光板用粘着剤組成物。
  9. 偏光板と、
    前記偏光板上に設けられ、かつ、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の偏光板用粘着剤組成物により形成された粘着剤層と、
    を備える粘着剤層付偏光板。
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