JP2021092585A - 電波センサおよび検知プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】対象物をより正しく検知することが可能な電波センサおよび検知プログラムを提供する。【解決手段】電波センサは、電波を送信する送信部と、電波を受信する受信部と、前記受信部によって受信された電波に基づいて、物体が存在するか否かを判定する判定部とを備え、前記送信部は、停止期間において電波の送信を停止し、前記電波センサは、さらに、前記停止期間において前記判定部によって前記物体が存在すると判定された場合、干渉電波を送信する干渉物体が存在すると判断する判断部を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、電波センサおよび検知プログラムに関し、特に、電波を用いて対象物を検知する電波センサおよび検知プログラムに関する。
近年、自動車の衝突予防に用いる車載用のレーダが開発されている。たとえば、特開2006−308542号公報(特許文献1)には、以下のような電子走査型ミリ波レーダ装置が開示されている。すなわち、電子走査型ミリ波レーダ装置は、デジタル化したビート信号をフーリエ変換し、これに基づいて所定のピッチ角度でビーム信号を生成する。次に、電子走査型ミリ波レーダ装置は、生成したビーム信号から対象物の方位および距離を検出する。そして、電子走査型ミリ波レーダ装置は、検出した対象物の方位および距離に基づいて、フーリエ変換した各受信アンテナに対応するビート信号において略同じ距離に複数の対象物があるか否かを検出し、ビート信号に対し分離処理を行う。
特開2006−308542号公報
四分一 浩二、外2名、"拡大するミリ波技術の応用"、[online]、[平成28年3月22日検索]、インターネット〈URL:http://www.spc.co.jp/spc/pdf/giho21_09.pdf〉 稲葉 敬之、桐本 哲郎、"車載用ミリ波レーダ"、自動車技術、2010年2月、第64巻、第2号、P.74−79
たとえば、ドライバーの安全運転を支援するための安全運転支援システム(DSSS:Driving Safety Support Systems)の一例である右折時歩行者衝突防止支援システムでは、電波センサは、横断歩道における歩行者および車両等の対象物を検知可能なように交差点の近傍に設けられる。
特許文献1に記載の電子走査型ミリ波レーダ装置を搭載した車両が交差点を走行する場合、電波センサは、電子走査型ミリ波レーダ装置からの電波を受信することがある。このような場合、電波センサでは、電子走査型ミリ波レーダ装置からの電波が干渉電波として作用し、横断歩道における対象物を正しく検知することが困難となる。
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、対象物をより正しく検知することが可能な電波センサおよび検知プログラムを提供することである。
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる電波センサは、電波センサであって、電波を送信する送信部と、電波を受信する受信部と、前記受信部によって受信された電波に基づいて、物体が存在するか否かを判定する判定部とを備え、前記送信部は、停止期間において電波の送信を停止し、前記電波センサは、さらに、前記停止期間において前記判定部によって前記物体が存在すると判定された場合、干渉電波を送信する干渉物体が存在すると判断する判断部を備える。
(6)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる検知プログラムは、電波を送信し、電波を受信する電波センサにおいて用いられる検知プログラムであって、コンピュータを、受信した電波に基づいて、物体が存在するか否かを判定する判定部、として機能させるためのプログラムであり、前記電波センサは、停止期間において電波の送信を停止し、さらに、コンピュータを、前記停止期間において前記判定部によって前記物体が存在すると判定された場合、干渉電波を送信する干渉物体が存在すると判断する判断部、として機能させるためのプログラムである。
本発明は、このような特徴的な処理部を備える電波センサとして実現することができるだけでなく、かかる特徴的な処理をステップとする方法として実現したり、電波センサの一部または全部を実現する半導体集積回路として実現したり、電波センサを備えるシステムとして実現したりすることができる。
本発明によれば、対象物をより正しく検知することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る安全運転支援システムの構成を示す図である。 図2は、本発明の実施の形態に係る安全運転支援システムの交差点における設置例を斜め上方から見た状態を示す図である。 図3は、本発明の実施の形態に係る安全運転支援システムにおける電波センサの構成を示す図である。 図4は、本発明の実施の形態に係る安全運転支援システムにおける電波センサが生成する電波の周波数およびSW信号の論理レベルの時間変化の一例を示す図である。 図5は、本発明の実施の形態に係る電波センサにおける信号処理部の構成を示す図である。 図6は、本発明の実施の形態に係る電波センサが干渉物体の存在を判断する際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。 図7は、本発明の実施の形態に係る電波センサが干渉物体の存在を判断する際の動作手順の他の例を定めたフローチャートである。 図8は、本発明の実施の形態に係る電波センサが送信する電波の周波数の時間変化および干渉物体が送信する干渉電波の周波数の時間変化の一例を示す図である。 図9は、本発明の実施の形態に係る電波センサが送信する電波の周波数の時間変化および干渉物体が送信する干渉電波の周波数の時間変化の他の例を示す図である。 図10は、本発明の実施の形態に係る電波センサが送信する電波の周波数の時間変化および干渉物体が送信する干渉電波の周波数の時間変化の他の例を示す図である。 図11は、本発明の実施の形態に係る電波センサが干渉物体の存在を判断する際の動作手順の他の例を定めたフローチャートである。
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施の形態に係る電波センサは、電波センサであって、電波を送信する送信部と、電波を受信する受信部と、前記受信部によって受信された電波に基づいて、物体が存在するか否かを判定する判定部とを備え、前記送信部は、停止期間において電波の送信を停止し、前記電波センサは、さらに、前記停止期間において前記判定部によって前記物体が存在すると判定された場合、干渉電波を送信する干渉物体が存在すると判断する判断部を備える。
このように、電波センサから電波を送信していないにも関わらず物体の存在が判定されるような強度の電波を受信している状況を検知し、干渉物体が存在すると判断する構成により、電波を送信しても物体の存在の有無を正しく判定することが困難な状況であると判断することができる。これにより、たとえば、干渉電波の影響を低減して判定結果の信頼性を向上させたり、干渉電波を受信していることを後段の装置に通知したりすることができる。すなわち、信頼性の低い判定結果が用いられることを抑制することができるので、対象物の検知精度を向上させることができる。したがって、対象物をより正しく検知することができる。
(2)好ましくは、前記送信部は、所定のパターンで電波を繰り返し送信し、前記判定部は、前記所定のパターンごとに前記物体が存在するか否かを判定する。
このような構成により、複数の判定結果に基づいて最終的な判定を行うことができるので、たとえば、物体からの反射波の受信強度が小さいために当該物体の存在の有無の判定結果が揺らぐ場合においても、当該物体が存在すると正しく判定する可能性を高めることができる。すなわち、判定精度を向上させることができる。
(3)好ましくは、前記送信部は、FM−CW(Frequency Modulated−Continuous Wave)方式を用いて生成した電波を送信し、前記判定部は、前記FM−CW方式を用いて前記物体が存在するか否かを判定する。
このように、1つの判定に要する時間を短くすることが可能なFM−CW方式を用いて物体が存在するか否かを判定する構成により、単位時間当たりの判定数を多くすることができるので、きめ細かい判定処理を行うことができる。また、2周波CW方式等のように1つの判定に要する時間が長い方式と比べて、停止期間を設けても単位時間当たりの判定数の減少の影響を小さくすることができる。
(4)好ましくは、前記電波センサは、前記判断部によって前記干渉物体が存在すると判断された場合、前記停止期間の延長、前記送信部が送信する電波に関するパラメータの変更、および他の機器への異常通知の少なくともいずれか1つを行う。
このような構成により、たとえば、干渉電波を受信しなくなるまで待機させたり、干渉電波の影響を低減させたり、干渉電波を受信していることを後段の装置に通知したりするような、干渉電波を受信している状況に適した処理を行うことができる。
(5)好ましくは、前記電波センサは、さらに、前記受信部によって受信された電波に基づいて、前記電波センサと前記物体との間の距離を測定する測定部を備え、前記判断部は、前記測定部によって測定された距離であって前記停止期間において前記判定部によって存在すると判定された前記物体と前記電波センサとの間の距離が所定条件を満たさない場合、前記干渉物体が存在しないと判断する。
このように、たとえば、停止期間において存在すると判定された物体までの測定距離が対象物の検知に有用な距離範囲に含まれない場合に干渉物体が存在しないと判断する構成により、干渉電波が物体の存在の有無の判定に影響を与えない状況において、物体の存在の有無の判定を継続して行うことができる。
(6)本発明の実施の形態に係る検知プログラムは、電波を送信し、電波を受信する電波センサにおいて用いられる検知プログラムであって、コンピュータを、受信した電波に基づいて、物体が存在するか否かを判定する判定部、として機能させるためのプログラムであり、前記電波センサは、停止期間において電波の送信を停止し、さらに、コンピュータを、前記停止期間において前記判定部によって前記物体が存在すると判定された場合、干渉電波を送信する干渉物体が存在すると判断する判断部、として機能させるためのプログラムである。
このように、電波センサから電波を送信していないにも関わらず物体の存在が判定されるような強度の電波を受信している状況を検知し、干渉物体が存在すると判断する構成により、電波を送信しても物体の存在の有無を正しく判定することが困難な状況であると判断することができる。これにより、たとえば、干渉電波の影響を低減して判定結果の信頼性を向上させたり、干渉電波を受信していることを後段の装置に通知したりすることができる。すなわち、信頼性の低い判定結果が用いられることを抑制することができるので、対象物の検知精度を向上させることができる。したがって、対象物をより正しく検知することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
[構成および基本動作]
図1は、本発明の実施の形態に係る安全運転支援システムの構成を示す図である。図2は、本発明の実施の形態に係る安全運転支援システムの交差点における設置例を斜め上方から見た状態を示す図である。
図1および図2を参照して、安全運転支援システム301は、電波センサ101と、中継装置141と、信号制御装置151と、無線送信装置152と、アンテナ153と、歩行者用信号灯器161とを備える。安全運転支援システム301における信号制御装置151および歩行者用信号灯器161は、交通信号機を構成し、たとえば交差点CS1の近傍に設置される。
[交差点付近について]
たとえば、図2に示すように、交差点CS1付近において横断歩道PC1が設けられている。ここで、横断歩道PC1が設けられている道路を対象道路Rd1と定義する。対象道路Rd1は、交差点CS1を形成する。また、交差点CS1において対象道路Rd1と交差する道路を交差道路Rd2と定義する。
すなわち、対象道路Rd1および交差道路Rd2が交差する部分が交差点CS1である。言い換えると、交差点CS1は、対象道路Rd1と重複し、かつ交差道路Rd2と重複している。なお、交差点CS1において、さらに多数の道路が交差してもよい。
対象道路Rd1は、交差点CS1から流出する図示しない自動車Tgt1が走行する流出道路Rdeと、交差点CS1へ流入する自動車Tgt1が走行する流入道路Rdiとを含む。流出道路Rdeおよび流入道路Rdiの間に、車線TrLが設けられている。
流出道路Rdeに対する流入道路Rdiの反対側の端には、対象道路Rd1に沿って延伸するように歩道Pv1が設けられている。歩道Pv1は、交差点CS1の近傍において円弧形状の隅切りCCeに沿って延伸することにより対象道路Rd1に沿う方向から交差道路Rd2に沿う方向へ延伸方向を変える。
また、流入道路Rdiに対する流出道路Rdeの反対側の端には、対象道路Rd1に沿って延伸するように歩道Pv2が設けられている。歩道Pv2は、交差点CS1の近傍において円弧形状の隅切りCCiに沿って延伸することにより対象道路Rd1に沿う方向から交差道路Rd2に沿う方向へ延伸方向を変える。
対象エリアA1は、電波センサ101から送信された電波の照射範囲の少なくとも一部であり、横断歩道PC1のたとえば全部を含むエリアである。
電波センサ101は、対象エリアA1における物体を検知することが可能である。より詳細には、電波センサ101は、対象エリアA1において、横断歩道PC1を用いて道路を横断する歩行者Tgt2を対象物Tgtとして検知する。ここで、歩行者Tgt2は、歩いている人間に限定されず、自転車等を含む。なお、対象物Tgtには、歩行者Tgt2の他に、対象道路Rd1に沿って走行して横断歩道PC1を通過する自動車Tgt1が含まれてもよい。
[電波センサの設置位置]
電波センサ101は、たとえば対象道路Rd1付近に設置されている。具体的には、電波センサ101は、歩道Pv1に対して対象道路Rd1の反対側に設置された支柱PWに固定されている。より詳細には、電波センサ101は、横断歩道PC1の歩道Pv1側への延長線上に設けられている。
中継装置141は、支柱PWに固定されている。電波センサ101および中継装置141は、図2では図示していないがたとえば信号線で接続されている。中継装置141は、電波センサ101から受信した情報を信号制御装置151へ送信する中継処理を行う。
信号制御装置151および無線送信装置152は、歩道Pv2に設置された支柱PVに固定されている。また、アンテナ153は、支柱PVの頂部に固定されている。
2つの歩行者用信号灯器161は、支柱PWおよびPVにそれぞれ固定されている。信号制御装置151と、無線送信装置152、中継装置141および2つの歩行者用信号灯器161とは、図2では図示していないが信号線でそれぞれ接続されている。無線送信装置152およびアンテナ153は、図2では図示していないが信号線で接続されている。
電波センサ101は、対象エリアA1へ電波を送信する。対象エリアA1内に位置する物体、たとえば、自動車Tgt1、歩行者Tgt2および支柱PV等は、電波センサ101から送信された電波を反射する。電波センサ101は、物体により反射された電波を受信する。
電波センサ101は、受信した電波に基づいて、横断歩道PC1における歩行者Tgt2を検知し、検知結果を中継装置141経由で信号制御装置151へ送信する。
歩行者用信号灯器161は、信号制御装置151の制御に従って、横断歩道PC1を横断する歩行者Tgt2に対して「すすめ」または「とまれ」を点灯して表示する。
たとえば、信号制御装置151は、歩行者用信号灯器161において「すすめ」を点灯する残り時間が少ない場合において、横断歩道PC1において歩行者Tgt2を検知したことを検知結果が示すとき、残り時間の延長を行う。なお、信号制御装置151は、「すすめ」を点灯する残り時間が少ない旨を歩行者Tgt2に音声で通知してもよい。
また、信号制御装置151は、歩行者用信号灯器161において「とまれ」を点灯している場合において、横断歩道PC1において歩行者Tgt2を検知したことを検知結果が示すとき、危険である旨を歩行者Tgt2に音声で警告する。
また、信号制御装置151は、電波センサ101から受信した検知結果に基づいて自動車Tgt1に対してサービスを提供する。
具体的には、信号制御装置151は、歩行者Tgt2が横断歩道PC1に存在することを検知結果が示すとき、横断歩道PC1における歩行者Tgt2に注意すべき旨を示す歩行者警戒情報を作成し、作成した歩行者警戒情報を無線送信装置152へ送信する。
無線送信装置152は、信号制御装置151から歩行者警戒情報を受信すると、受信した歩行者警戒情報を含む電波を生成し、生成した電波をアンテナ153経由で送信することにより、交差点CS1周辺に位置する自動車Tgt1へ歩行者警戒情報を報知する。
たとえば、交差道路Rd2から右折または左折して横断歩道PC1を通過しようとする図示しない自動車Tgt1は、無線送信装置152から送信された電波を受信すると、受信した電波に含まれる歩行者警戒情報を取得し、取得した歩行者警戒情報に基づいて、横断歩道PC1における横断対象物に注意すべき旨を当該自動車Tgt1の運転者に通知する。
[電波センサの構成]
図3は、本発明の実施の形態に係る安全運転支援システムにおける電波センサの構成を示す図である。
図3を参照して、電波センサ101は、送信部1と、受信部2と、差分信号生成部3と、制御部4と、信号処理部5と、干渉波判断部6と、検知部7とを備える。
送信部1は、送信アンテナ21と、パワーアンプ22と、方向性結合器23と、VCO(Voltage−Controlled Oscillator)24と、電圧発生部25と、スイッチ26とを含む。受信部2は、受信アンテナ31と、ローノイズアンプ32とを含む。
差分信号生成部3は、ミキサ33と、IF(Intermediate Frequency)アンプ34と、ローパスフィルタ35と、A/Dコンバータ(ADC)36とを含む。
電波センサ101は、非特許文献1(四分一 浩二、外2名、”拡大するミリ波技術の応用”、[online]、[平成28年3月22日検索]、インターネット〈URL:http://www.spc.co.jp/spc/pdf/giho21_09.pdf〉)および非特許文献2(稲葉 敬之、桐本 哲郎、”車載用ミリ波レーダ”、自動車技術、2010年2月、第64巻、第2号、P.74−79)に記載された、FM−CW方式を用いて対象物Tgtを検知するレーダである。
電波センサ101における送信部1は、たとえば、FM−CW方式の変調方式を用いて生成した電波を対象エリアA1へ送信可能である。
より詳細には、送信部1は、たとえば、FM−CW方式の変調方式の電波を定期的に送信する。なお、送信部1は、FM−CW方式の変調方式の電波を不定期に送信してもよい。
制御部4は、信号制御装置151から中継装置141経由で測定開始命令を受信すると、受信した測定開始命令に従って、自己の電波センサ101における対象物Tgtの検知処理を開始させる。
図4は、本発明の実施の形態に係る安全運転支援システムにおける電波センサが生成する電波の周波数およびSW信号の論理レベルの時間変化の一例を示す図である。なお、図4において、横軸は時間を示し、縦軸は周波数およびSW信号の論理レベルを示す。
図3および図4を参照して、電波センサ101では、たとえば、FM−CW方式を用いて電波を生成する生成期間が周期Tsで繰り返される。図4では、P1〜P8の8つの生成期間が詳細に示される。
制御部4は、FM−CW方式において用いる送信パラメータを送信部1および信号処理部5へ出力する。ここで、送信パラメータには、掃引開始周波数F2、周波数掃引方向、周波数掃引幅Δf、および生成期間の長さである周期Tsが含まれる。この例では、周波数掃引方向は、増加方向である。また、周期Tsは、0.1ミリ秒〜数ミリ秒である。
制御部4は、各生成期間を繰り返し設定する。より詳細には、制御部4は、生成期間の開始タイミングごとに制御信号Ss1を生成し、生成した制御信号Ss1を送信部1および信号処理部5へ出力する。
また、制御部4は、対象物Tgtの検知結果を出力する測定期間を設定する。ここで、測定期間の長さである周期τは、たとえば100ミリ秒である。制御部4は、測定期間の開始タイミングごとに制御信号Sm1を生成し、生成した制御信号Sm1を検知部7へ出力する。
また、制御部4は、生成された電波を送信する送信期間および生成された電波の送信を停止する停止期間の制御スケジュールを作成する。制御部4は、たとえば、送信期間の個数と停止期間の個数との割合が所定値となるように制御スケジュールを作成する。
より詳細には、制御部4は、生成期間に対応して送信期間または停止期間を設定する。この例では、制御部4は、生成期間P1,P3,P4,P5,P7,P8に対応して6つの送信期間を設定する。また、制御部4は、生成期間P2,P6に対応して2つの停止期間を設定する。
制御部4は、設定した送信期間において、論理ハイレベルのSW信号を生成して送信部1、干渉波判断部6および検知部7へ出力する。また、制御部4は、設定した停止期間において、論理ローレベルのSW信号を生成して送信部1、干渉波判断部6および検知部7へ出力する。
送信部1は、たとえば、所定のパターンで電波を繰り返し送信する。具体的には、送信部1は、図4に示す生成期間におけるのこぎり波の周波数パターンの電波すなわちFM−CW方式を用いて生成した電波を繰り返し送信する。なお、送信部1は、非特許文献1における図3.1−2、または非特許文献2における図2に示す三角波の周波数パターンの電波を繰り返し送信してもよい。
より詳細には、送信部1における電圧発生部25は、制御部4から制御信号Ss1を受けると、送信パラメータとして予め制御部4から受けた掃引開始周波数F2、周波数掃引方向、周波数掃引幅Δfおよび周期Tsを用いて、制御部4から新たな制御信号Ss1を受けるまで、大きさが一定の割合で増加する電圧(以下、FM変調電圧とも称する。)を生成してVCO24へ出力する。
VCO24は、電波生成部として、電圧発生部25から受ける電圧の大きさに応じた周波数を有する送信波RFtを生成する。
より詳細には、VCO24は、電圧発生部25から受けるFM変調電圧に応じて、周波数掃引幅がΔfである24GHz帯の送信波RFtを生成して方向性結合器23へ出力する。
方向性結合器23は、VCO24から受ける送信波RFtをスイッチ26および差分信号生成部3へ分配する。
スイッチ26は、方向性結合器23に接続された第1端と、パワーアンプ22に接続された第2端とを有する。スイッチ26は、制御部4から論理ハイレベルのSW信号を受けると、オン状態へ遷移し、第1端および第2端を電気的に接続する。一方、スイッチ26は、制御部4から論理ローレベルのSW信号を受けると、オフ状態へ遷移し、第1端および第2端を電気的に絶縁する。これにより、VCO24が出力する送信波RFtは、送信期間においてパワーアンプ22へ伝送され、かつ停止期間においてパワーアンプ22へ伝送されない。
パワーアンプ22は、スイッチ26から受ける送信波RFtを増幅し、増幅後の送信波RFtを送信アンテナ21経由で対象エリアA1へ送信する。
受信部2は、対象エリアA1等からの電波を受信する。より詳細には、受信部2における受信アンテナ31は、対象エリアA1における対象物Tgt、ならびにガードレールおよび支柱PV等の対象物Tgt以外の物体によって反射された電波を受信することが可能である。
また、受信アンテナ31は、干渉電波を送信する干渉物体が送信した電波を受信することが可能である。干渉物体は、たとえば、対象エリアA1内または対象エリアA1外に位置する自動車Tgt1に搭載された電子走査型ミリ波レーダ装置等である。
ローノイズアンプ32は、受信アンテナ31が受信した電波である受信波RFr1を増幅し、差分信号生成部3へ出力する。
差分信号生成部3は、送信部1によって生成される電波の周波数成分と受信部2によって受信される電波の周波数成分との差の周波数成分を有する差分信号を生成する。
より詳細には、差分信号生成部3におけるミキサ33は、送信部1から受ける送信波RFtとローノイズアンプ32から受ける受信波RFr1との差の周波数成分を有するアナログの差分信号Ba1を生成する。ミキサ33は、生成した差分信号Ba1をIFアンプ34へ出力する。
IFアンプ34は、ミキサ33から受ける差分信号Ba1を増幅し、ローパスフィルタ35へ出力する。
ローパスフィルタ35は、IFアンプ34において増幅された差分信号Ba1の周波数成分のうち、所定の周波数以上の成分を減衰させる。
A/Dコンバータ36は、たとえば所定のサンプリング周波数fsmplで差分信号Ba1のサンプリング処理を行う。より詳細には、A/Dコンバータ36は、ローパスフィルタ35を通過した差分信号Ba1を、サンプリング周期である(1/fsmpl)ごとにqビット(qは2以上の整数)のデジタルの差分信号Bd1に変換する。A/Dコンバータ36は、変換後の差分信号Bd1を信号処理部5へ出力する。
図5は、本発明の実施の形態に係る電波センサにおける信号処理部の構成を示す図である。
図5を参照して、信号処理部5は、メモリ41と、FFT(Fast Fourier Transform)処理部42と、FMCW処理部(測定部および判定部)43とを含む。
信号処理部5におけるメモリ41は、A/Dコンバータ36から受ける差分信号Bd1を蓄積する。
FFT処理部42は、制御部4から受ける制御信号Ss1に基づいて、生成期間P1〜P8(図4参照)を認識する。
FFT処理部42は、たとえば、生成期間P1における差分信号Bd1のメモリ41への蓄積が完了すると、メモリ41に蓄積された差分信号Bd1を取得し、取得した差分信号Bd1に対してFFT処理を行う。
より詳細には、FFT処理部42は、差分信号Bd1に対してFFT処理を行うことにより、パワースペクトルFS1および位相スペクトルPS1を生成する。ここで、パワースペクトルFS1は、生成期間P1において蓄積された差分信号Bd1に含まれる各周波数成分の振幅を示す。また、位相スペクトルPS1は、生成期間P1において蓄積された差分信号Bd1に含まれる各周波数成分の位相を示す。
同様に、FFT処理部42は、生成期間P2〜P8においても、生成期間P1と同様に差分信号Bd1に対してFFT処理を行う。
FFT処理部42は、生成したパワースペクトルFS1および位相スペクトルPS1をFMCW処理部43へ出力する。
FMCW処理部43は、受信部2によって受信された電波に基づいて、物体が存在するか否かを判定する。より詳細には、FMCW処理部43は、たとえば、FM−CW方式を用いて所定のパターンごとに物体が存在するか否かを判定する。具体的には、FMCW処理部43は、図4に示す生成期間におけるのこぎり波の周波数パターンごとすなわち周期Tsごとに物体が存在するか否かを判定する。
具体的には、FMCW処理部43は、たとえば、対象エリアA1において歩行者Tgt2および自動車Tgt1等の移動可能な物体が存在しないとした状態におけるパワースペクトルである背景スペクトルを保持している。
FMCW処理部43は、パワースペクトルFS1および位相スペクトルPS1をFFT処理部42から受けると、受けたパワースペクトルFS1の各周波数成分から背景スペクトルの各周波数成分をそれぞれ差し引くことにより処理スペクトルを生成する。
FMCW処理部43は、生成した処理スペクトルに対してピーク検出処理を行う。より詳細には、FMCW処理部43は、処理スペクトルを解析し、所定のしきい値Thfm以上の強度を有するピークの検出を試みる。
FMCW処理部43は、しきい値Thfm以上の強度を有するピークを検出できた場合、物体が存在すると判定する。一方、FMCW処理部43は、しきい値Thfm以上の強度を有するピークを検出できなかった場合、物体が存在しないと判定する。FMCW処理部43は、判定結果および検出したピーク強度を示す結果情報を干渉波判断部6および検知部7へ出力する。
また、FMCW処理部43は、たとえば、受信部2によって受信された電波に基づいて、自己の電波センサ101と物体との間の距離Lpを測定する。
具体的には、FMCW処理部43は、処理スペクトルの横軸である周波数Fbを自己の電波センサ101からの距離Lに換算する。
周波数Fbと距離Lとの関係は、非特許文献1における式(1)に基づいて、以下の式(1)により表される。
Figure 2021092585
ここで、cは光速である。vrは、電波センサ101に対して近づくかまたは遠ざかる方向に沿った物体の移動速度(以下、検出対象速度とも称する。)である。f0は、掃引開始周波数F2と掃引開始周波数F2に周波数掃引幅Δfを加えた掃引終了周波数F1との平均である。
たとえば、式(1)において、生成期間の長さすなわち周期Tsに対して周波数掃引幅Δfが大きい場合、距離Lは、以下の式(2)のように近似して表すことが可能である。
Figure 2021092585
FMCW処理部43は、制御部4から受けた周波数掃引幅Δfおよび掃引時間Tsと式(2)とを用いて処理スペクトルの横軸の周波数Fbを距離Lに換算する。
FMCW処理部43は、物体が存在すると判定した場合、検出したピークに対応する距離Lを自己の電波センサ101と当該物体との間の距離Lpとして取得する。FMCW処理部43は、取得した距離Lpを示す距離情報を干渉波判断部6および検知部7へ出力する。
再び図3を参照して、干渉波判断部6は、停止期間においてFMCW処理部43によって物体が存在すると判定された場合、干渉電波を送信する干渉物体が存在すると判断する。
より詳細には、干渉波判断部6は、制御部4から受けるSW信号の論理レベルから送信期間および停止期間を認識する。
たとえば、干渉波判断部6は、制御部4から受けるSW信号の論理レベルがローであり、かつFMCW処理部43から受ける結果情報の示す判定結果が、物体が存在しないことを示す場合、干渉物体が存在しないと判断する。
一方、干渉波判断部6は、制御部4から受けるSW信号の論理レベルがローであり、かつFMCW処理部43から受ける結果情報の示す判定結果が、物体が存在することを示す場合、干渉物体が存在すると仮判断する。
干渉波判断部6は、たとえば、FMCW処理部43によって測定された距離であって停止期間においてFMCW処理部43によって存在すると判定された物体と電波センサ101との間の距離Lpが所定条件C1を満たさない場合、干渉物体が存在しないと正式に判断する。
具体的には、干渉波判断部6は、干渉物体が存在すると仮判断した場合において、FMCW処理部43から受ける距離情報の示す距離Lpが所定のしきい値Thn以上かつ所定のしきい値Thf以下である所定条件C1を満たさないとき、干渉物体が存在しないと正式に判断する。
ここで、Thn<Thfである。また、しきい値ThnおよびThfは、たとえば電波センサ101と横断歩道PC1との間の最近距離および最遠距離にそれぞれ基づいて決定される。
一方、干渉波判断部6は、所定条件C1を満たす場合、干渉物体が存在すると正式に判断する。干渉波判断部6は、判断結果を制御部4へ出力する。
なお、所定条件C1は、距離Lpがしきい値Thn以上かつしきい値Thf以下であるとしたが、これに限定するものではない。所定条件C1は、距離Lpがしきい値Thn以上であることであってもよいし、距離Lpがしきい値Thf以下であることであってもよい。
検知部7は、受信部2によって受信された電波に基づいて、対象物Tgtを検知する検知処理を行う。より詳細には、検知部7は、FMCW処理部43から受ける結果情報および距離情報に基づいて、対象物Tgtを検知する。
具体的には、検知部7は、制御部4から受ける制御信号Sm1から測定期間を認識する。また、検知部7は、制御部4から受けるSW信号の論理レベルから送信期間および停止期間を認識する。
検知部7は、測定期間のうちの各送信期間においてFMCW処理部43から受ける結果情報および距離情報を蓄積する。
検知部7は、蓄積した各結果情報の示す判定結果を分析し、分析結果に基づいて、物体が存在するか否かを最終判定する。より詳細には、検知部7は、たとえば、各結果情報の示す判定結果のうち、物体が存在することを示す判定結果が、物体が存在しないことを示す判定結果より多い場合、物体が存在すると最終判定する。
検知部7は、物体が存在すると最終判定した場合、物体の種類を特定する。より詳細には、検知部7は、たとえば、蓄積した各結果情報の示すピーク強度の大きさに基づいて、対象物Tgtの種類として歩行者Tgt2または自動車Tgt1を特定する。具体的には、検知部7は、ピーク強度が大きい場合、対象物Tgtの種類を自動車Tgt1と判定し、また、ピーク強度が小さい場合、対象物の種類を歩行者Tgt2と判定する。
また、検知部7は、蓄積した各距離情報の示す距離Lpに基づいて、対象物Tgtが横断歩道PC1に存在するか否かを判断する。検知部7は、横断歩道PC1における対象物Tgtの有無、および対象物Tgtの種類を示す検知結果を中継装置141へ送信する。
[動作]
電波センサ101は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下に示すフローチャートの各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。この装置のプログラムは、外部からインストールすることができる。この装置のプログラムは、記録媒体に格納された状態で流通する。
図6は、本発明の実施の形態に係る電波センサが干渉物体の存在を判断する際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
図6を参照して、まず、電波センサ101は、送信パラメータおよび制御スケジュールを設定する設定処理を行う(ステップS102)。
次に、電波センサ101は、制御スケジュールに従って動作し、送信期間の開始タイミングまたは停止期間の開始タイミングが到来するまで待機し(ステップS103でNOおよびステップS104でNO)、送信期間の開始タイミングが到来すると(ステップS103でYES)、スイッチ26をオン状態に遷移させる(ステップS122)。
一方、電波センサ101は、停止期間の開始タイミングが到来すると(ステップS103でNOおよびステップS104でYES)、スイッチ26をオフ状態に遷移させる(ステップS106)。
次に、電波センサ101は、スイッチ26をオン状態に遷移させるか(ステップS122)、またはスイッチ26をオフ状態に遷移させると(ステップS106)、受信した電波に基づく差分信号Bd1を蓄積し、蓄積した差分信号Bd1をFFT処理することによりパワースペクトルFS1および位相スペクトルPS1を生成する(ステップS108)。
次に、電波センサ101は、パワースペクトルFS1の各周波数成分から背景スペクトルの各周波数成分をそれぞれ差し引くことにより処理スペクトルを生成し、生成した処理スペクトルに対してピーク検出処理を行う(ステップS110)。
次に、電波センサ101は、停止期間においてピークを検出した場合(ステップS112でYES)、検出したピークに対応する距離Lpを測定し、測定した距離Lpが所定条件を満たすか否かを判定する(ステップS124)。
電波センサ101は、距離Lpが所定条件を満たすと判定すると(ステップS124でYES)、干渉物体が存在すると判断し、停止期間の延長を行う(ステップS126)。
詳細には、制御部4は、たとえば、干渉波判断部6によって干渉物体が存在すると判断された場合、停止期間を延長する。
より詳細には、制御部4は、干渉波判断部6から受ける判断結果が干渉物体の存在を示す場合、停止期間を延長するために制御スケジュールを変更する。
具体的には、制御部4は、干渉物体が存在しないことを示す判断結果を干渉波判断部6から受けるまで停止期間が継続するように制御スケジュールを変更する。すなわち、制御部4は、当該判断結果を干渉波判断部6から受けるまで論理ローレベルのSW信号を送信部1、干渉波判断部6および検知部7へ継続して出力する。
次に、電波センサ101は、距離Lpが所定条件C1を満たさないと判定するか(ステップS124でNO)、または停止期間を延長すると(ステップS126)、送信期間の開始タイミングまたは停止期間の開始タイミングが到来するまで待機する(ステップS103でNOおよびステップS104でNO)。
一方、電波センサ101は、停止期間においてピークを検出せず、かつ送信期間である場合(ステップS112でNOおよびステップS114でYES)、結果情報および距離情報を保存する(ステップS116)。
次に、電波センサ101は、結果情報および距離情報を保存するか(ステップS116)、または停止期間においてピークを検出しなかった場合(ステップS112でNOおよびステップS114でNO)、測定期間が満了したか否かを判断する(ステップS118)。
電波センサ101は、測定期間が満了したと判断すると、(ステップS118でYES)、保存した結果情報および距離情報に基づいて検知処理を行う(ステップS120)。
次に、電波センサ101は、測定期間が満了していないと判断するか(ステップS118でNO)、または検知処理を行うと(ステップS120)、送信期間の開始タイミングまたは停止期間の開始タイミングが到来するまで待機する(ステップS103でNOおよびステップS104でNO)。
図7は、本発明の実施の形態に係る電波センサが干渉物体の存在を判断する際の動作手順の他の例を定めたフローチャートである。
図7を参照して、ステップS202〜S224の動作は、図6に示すステップS102〜S124の動作と同様である。
電波センサ101は、距離Lpが所定条件C1を満たすと判定すると(ステップS224でYES)、干渉物体が存在すると判断し、送信する電波に関するパラメータを変更する(ステップS226)。
詳細には、制御部4は、たとえば、干渉波判断部6によって干渉物体が存在すると判断された場合、送信パラメータを変更する。
具体的には、制御部4は、掃引開始周波数F2、周波数掃引方向、周波数掃引幅Δf、および周期Tsの少なくともいずれか1つを変更し、変更後の送信パラメータを送信部1および信号処理部5へ出力する。
図8は、本発明の実施の形態に係る電波センサが送信する電波の周波数の時間変化および干渉物体が送信する干渉電波の周波数の時間変化の一例を示す図である。なお、図8において、横軸は時間を示し、縦軸は周波数を示す。
図8を参照して、送信部1が送信する送信波RFtの周波数の時間変化Prefの変化度合いと干渉物体が送信する干渉電波の周波数の時間変化Pint1の変化度合いとが同じ程度である場合、送信波RFtの周波数と干渉電波の周波数との差は時間によらず略一定の周波数Fintとなる。
このため、FFT処理後のパワースペクトルFS1において、周波数Fintを有するピークが現れるので、電波センサ101は、当該ピークに基づいて、物体が存在していると誤って判断してしまう可能性がある。
図9は、本発明の実施の形態に係る電波センサが送信する電波の周波数の時間変化および干渉物体が送信する干渉電波の周波数の時間変化の他の例を示す図である。なお、図9において、横軸は時間を示し、縦軸は周波数を示す。
図9を参照して、時間変化Pref,Pint1の方向が同じであるが、時間変化Prefの変化度合いと時間変化Pint1の変化度合いとが大きく異なる場合、送信波RFtの周波数と干渉物体が送信する電波の周波数との差は時間とともに変化する。
この場合、FFT処理後のパワースペクトルFS1においてノイズレベルが上昇し、S/Nが悪化するので、電波センサ101における検出感度が劣化してしまうことがある。
図10は、本発明の実施の形態に係る電波センサが送信する電波の周波数の時間変化および干渉物体が送信する干渉電波の周波数の時間変化の他の例を示す図である。なお、図10において、横軸は時間を示し、縦軸は周波数を示す。
図10を参照して、時間変化Pref,Pint1の方向が異なる場合、送信波RFtの周波数と干渉物体が送信する電波の周波数との差は時間とともに変化する。
この場合もFFT処理後のパワースペクトルFS1においてノイズレベルが上昇し、S/Nが悪化するので、電波センサ101における検出感度が劣化してしまうことがある。
これらに対して、掃引開始周波数F2、周波数掃引方向、周波数掃引幅Δf、および周期Tsの少なくともいずれか1つを変更する構成により、送信波RFtの周波数と干渉電波の周波数とがあまり接近しないようにすることができる。
これにより、FFT処理後のパワースペクトルFS1において干渉物体からの電波に基づくピークまたはノイズレベルを小さくしたり、当該ピークまたはノイズレベルを消滅させたり、当該ピークが所定条件C1を満たさなくさせたりすることができるので、物体の存在の有無をより正しく判定することができる。
図11は、本発明の実施の形態に係る電波センサが干渉物体の存在を判断する際の動作手順の他の例を定めたフローチャートである。
図11を参照して、ステップS302〜S324の動作は、図6に示すステップS102〜S124の動作と同様である。
電波センサ101は、距離Lpが所定条件C1を満たすと判定すると(ステップS324でYES)、干渉物体が存在すると判断し、他の機器への異常通知を行う(ステップS326)。
詳細には、干渉波判断部6は、たとえば、干渉物体が存在すると判断した場合、干渉物体からの干渉電波を受信している旨を中継装置141経由で信号制御装置151へ通知する。
このような構成により、信号制御装置151では、電波センサ101が干渉電波を受信していることを認識することができるので、電波センサ101からの検知結果の信頼度が低下していることを認識することができる。
なお、本発明の実施の形態に係る電波センサでは、送信部1は、FM−CW方式の変調方式を用いて生成した電波を送信する構成であるとしたが、これに限定するものではない。送信部1は、1周波CW方式、2周波CW方式、パルス方式または2周波ICW(Interrupted CW)方式等の変調方式を用いて生成した電波を送信する構成であってもよい。また、2周波CW方式が用いられる場合、上述の位相スペクトルを用いて距離Lpが求められる。
また、本発明の実施の形態に係る電波センサでは、送信部1は、所定のパターンで電波を繰り返し送信する構成であるとしたが、これに限定するものではない。送信部1は、電波を不規則に送信する構成であってもよい。
また、本発明の実施の形態に係る電波センサでは、送信部1およびFMCW処理部43は、FM−CW方式のパターンを用いて電波を繰り返し送信し、当該パターンを用いてパターンごとに物体が存在するか否かを判定する構成であるとしたが、これに限定するものではない。電波センサ101は、送信部1およびFMCW処理部43の代わりに、2周波CW方式、パルス方式または2周波ICW(Interrupted CW)方式等の他の変調方式のパターンを用いる送信部および処理部を備える構成であってもよい。
また、本発明の実施の形態に係る電波センサでは、干渉波判断部6は、干渉物体が存在するか否かの判断を停止期間において行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。干渉波判断部6は、停止期間において受信した電波に基づいて、停止期間の終了後に当該判断を行う構成であってもよい。
また、本発明の実施の形態に係る電波センサは、図6に示す停止期間の延長、図7に示す送信する電波に関するパラメータの変更、または図11に示す異常通知を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。電波センサ101は、停止期間の延長、送信する電波に関するパラメータの変更、および異常通知のうちの少なくともいずれか2つを組み合わせて行う構成であってもよい。
また、本発明の実施の形態に係る電波センサでは、干渉波判断部6は、距離Lpが所定条件C1を満たさない場合、干渉物体が存在しないと判断する構成であるとしたが、これに限定するものではない。干渉波判断部6は、距離Lpの大きさに関わらず、停止期間においてFMCW処理部43によって物体が存在すると判定された場合、干渉物体が存在すると判断する構成であってもよい。
ところで、たとえば、ドライバーの安全運転を支援するための安全運転支援システムの一例である右折時歩行者衝突防止支援システムでは、電波センサは、横断歩道における歩行者および車両等の対象物を検知可能なように交差点の近傍に設けられる。
特許文献1に記載の電子走査型ミリ波レーダ装置を搭載した車両が交差点を走行する場合、電波センサは、電子走査型ミリ波レーダ装置からの電波を受信することがある。このような場合、電波センサでは、電子走査型ミリ波レーダ装置からの電波が干渉電波として作用し、横断歩道における対象物を正しく検知することが困難となる。
これに対して、本発明の実施の形態に係る電波センサでは、送信部1は、電波を送信する。受信部2は、電波を受信する。FMCW処理部43は、受信部2によって受信された電波に基づいて、物体が存在するか否かを判定する。送信部1は、停止期間において電波の送信を停止する。そして、干渉波判断部6は、停止期間においてFMCW処理部43によって物体が存在すると判定された場合、干渉電波を送信する干渉物体が存在すると判断する。
このように、電波センサ101から電波を送信していないにも関わらず物体の存在が判定されるような強度の電波を受信している状況を検知し、干渉物体が存在すると判断する構成により、電波を送信しても物体の存在の有無を正しく判定することが困難な状況であると判断することができる。これにより、たとえば、干渉電波の影響を低減して判定結果の信頼性を向上させたり、干渉電波を受信していることを後段の装置に通知したりすることができる。すなわち、信頼性の低い判定結果が用いられることを抑制することができるので、対象物の検知精度を向上させることができる。したがって、対象物をより正しく検知することができる。
また、本発明の実施の形態に係る電波センサでは、送信部1は、所定のパターンで電波を繰り返し送信する。そして、FMCW処理部43は、所定のパターンごとに物体が存在するか否かを判定する。
このような構成により、複数の判定結果に基づいて最終的な判定を行うことができるので、たとえば、物体からの反射波の受信強度が小さいために当該物体の存在の有無の判定結果が揺らぐ場合においても、当該物体が存在すると正しく判定する可能性を高めることができる。すなわち、判定精度を向上させることができる。
また、本発明の実施の形態に係る電波センサでは、送信部1は、FM−CW方式を用いて生成した電波を送信する。そして、FMCW処理部43は、FM−CW方式を用いて物体が存在するか否かを判定する。
このように、1つの判定に要する時間を短くすることが可能なFM−CW方式を用いて物体が存在するか否かを判定する構成により、単位時間当たりの判定数を多くすることができるので、きめ細かい判定処理を行うことができる。また、2周波CW方式等のように1つの判定に要する時間が長い方式と比べて、停止期間を設けても単位時間当たりの判定数の減少の影響を小さくすることができる。
また、本発明の実施の形態に係る電波センサは、干渉波判断部6によって干渉物体が存在すると判断された場合、停止期間の延長、送信部1が送信する電波に関するパラメータの変更、および他の機器への異常通知の少なくともいずれか1つを行う。
このような構成により、たとえば、干渉電波を受信しなくなるまで待機させたり、干渉電波の影響を低減させたり、干渉電波を受信していることを後段の装置に通知したりするような、干渉電波を受信している状況に適した処理を行うことができる。
また、本発明の実施の形態に係る電波センサでは、FMCW処理部43は、受信部2によって受信された電波に基づいて、電波センサ101と物体との間の距離Lpを測定する。そして、干渉波判断部6は、FMCW処理部43によって測定された距離であって停止期間においてFMCW処理部43によって存在すると判定された物体と電波センサ101との間の距離Lpが所定条件C1を満たさない場合、干渉物体が存在しないと判断する。
このように、たとえば、停止期間において存在すると判定された物体までの測定距離Lpが対象物Tgtの検知に有用な距離範囲に含まれない場合に干渉物体が存在しないと判断する構成により、干渉電波が物体の存在の有無の判定に影響を与えない状況において、物体の存在の有無の判定を継続して行うことができる。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
電波センサであって、
電波を送信する送信部と、
電波を受信する受信部と、
前記受信部によって受信された電波に基づいて、物体が存在するか否かを判定する判定部とを備え、
前記送信部は、停止期間において電波の送信を停止し、
前記電波センサは、さらに、
前記停止期間において前記判定部によって前記物体が存在すると判定された場合、干渉電波を送信する干渉物体が存在すると判断する判断部を備え、
前記電波センサは、さらに、
FM−CW方式、1周波CW方式、2周波CW方式、パルス方式または2周波ICW方式の変調方式の電波を生成する電波生成部と、
前記電波生成部と前記送信部との間に位置するスイッチとを備え、
前記スイッチは、前記停止期間とは異なる期間である送信期間において前記電波生成部と前記送信部とを接続し、かつ前記停止期間において前記電波生成部と前記送信部との接続を切断し、
前記送信部は、前記送信期間において前記電波生成部によって生成された電波を送信し、
前記電波センサは、さらに、
前記電波生成部によって生成された電波の周波数成分と前記受信部によって受信される電波の周波数成分との差の周波数成分を有する差分信号を生成する差分信号生成部を備え、
前記判定部は、前記差分信号生成部によって生成された前記差分信号の強度と所定のしきい値との大小関係に基づいて、前記物体が存在するか否かを判定する、電波センサ。
1 送信部
2 受信部
3 差分信号生成部
4 制御部
5 信号処理部
6 干渉波判断部
7 検知部
21 送信アンテナ
22 パワーアンプ
23 方向性結合器
24 VCO
25 電圧発生部
26 スイッチ
31 受信アンテナ
32 ローノイズアンプ
33 ミキサ
34 IFアンプ
35 ローパスフィルタ
36 A/Dコンバータ(ADC)
41 メモリ
42 FFT処理部
43 FMCW処理部(測定部および判定部)
101 電波センサ
141 中継装置
151 信号制御装置
152 無線送信装置
153 アンテナ
161 歩行者用信号灯器
301 安全運転支援システム

Claims (6)

  1. 電波センサであって、
    電波を送信する送信部と、
    電波を受信する受信部と、
    前記受信部によって受信された電波に基づいて、物体が存在するか否かを判定する判定部とを備え、
    前記送信部は、停止期間において電波の送信を停止し、
    前記電波センサは、さらに、
    前記停止期間において前記判定部によって前記物体が存在すると判定された場合、干渉電波を送信する干渉物体が存在すると判断する判断部を備える、電波センサ。
  2. 前記送信部は、所定のパターンで電波を繰り返し送信し、
    前記判定部は、前記所定のパターンごとに前記物体が存在するか否かを判定する、請求項1に記載の電波センサ。
  3. 前記送信部は、FM−CW(Frequency Modulated−Continuous Wave)方式を用いて生成した電波を送信し、
    前記判定部は、前記FM−CW方式を用いて前記物体が存在するか否かを判定する、請求項1または請求項2に記載の電波センサ。
  4. 前記電波センサは、前記判断部によって前記干渉物体が存在すると判断された場合、前記停止期間の延長、前記送信部が送信する電波に関するパラメータの変更、および他の機器への異常通知の少なくともいずれか1つを行う、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電波センサ。
  5. 前記電波センサは、さらに、
    前記受信部によって受信された電波に基づいて、前記電波センサと前記物体との間の距離を測定する測定部を備え、
    前記判断部は、前記測定部によって測定された距離であって前記停止期間において前記判定部によって存在すると判定された前記物体と前記電波センサとの間の距離が所定条件を満たさない場合、前記干渉物体が存在しないと判断する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電波センサ。
  6. 電波を送信し、電波を受信する電波センサにおいて用いられる検知プログラムであって、
    コンピュータを、
    受信した電波に基づいて、物体が存在するか否かを判定する判定部、
    として機能させるためのプログラムであり、
    前記電波センサは、停止期間において電波の送信を停止し、
    さらに、コンピュータを、
    前記停止期間において前記判定部によって前記物体が存在すると判定された場合、干渉電波を送信する干渉物体が存在すると判断する判断部、
    として機能させるための、検知プログラム。
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