JP2004286537A - 車載用レーダ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】所定走査方向に向けて、所定タイミング毎に送信信号を送出する送信手段5、121と、あらかじめ設定された信号検知閾値を超える信号レベルの受信信号を受信検知信号として検知する受信手段5、121と、送信信号の送信タイミングおよび受信検知信号の受信タイミングに基づいて、自車両に対する送信信号を反射した反射物体の位置情報を算出し、位置情報が自車両に対して所定範囲内を示す場合の反射物体を目標物体と認識する信号処理手段122、124、125と、受信検知信号の中から干渉に相当する不正受信検知信号の数をカウントし、不正受信検知信号数が干渉判定値を超えた場合に干渉信号を検知したと判定する干渉検知手段123とを備える。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、先行車両から反射された電磁波に基づいて、先行車両の位置を測定する車載用レーダ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の車載用レーダ装置は、発振器が周波数変調器によって周波数変調された送信信号を発生し、送信アンテナから電磁波で放射させる。送信アンテナから放射された電磁波は反射物体によって反射され、受信アンテナによって受信される。ミクサは受信アンテナが受信した受信信号と、方向性結合器で分割された送信信号の一部とを混合し、ミクサから出力されたビート信号の周波数に基づいて反射物体との間の距離や相対速度を算出する。ここで、干渉検知部はビート信号の振幅と所定の閾値との大小関係を比較し、ビート信号の振幅が閾値を超えた時に他のレーダによる干渉が発生したと判断する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−168947号公報(第9頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の車載用レーダ装置は以上のように、ビート信号に基づいて反射物体との距離や相対速度を算出する。しかしながら、この種のレーダ装置は他の無線機器や他の自動車用レーダの干渉波を受信するとS/N比が劣化してしまい、検知不良となる場合や、誤検知を引き起こす場合があり、この車載用レーダ装置が、走行制御や警報などを行う車両走行制御システムに適用されている場合に問題が発生する。
また、通常の反射物体による受信信号やビート信号の、振幅や周波数よりも大きい値をもつ信号が検知された場合に干渉と判定しているが、振幅や周波数の閾値は想定されうる通常の反射物体による受信信号以上に設定するため、閾値以下の振幅、周波数の干渉による信号は検知不能であるという問題点があった。
【0005】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、干渉信号を受信したことを確実に検知し、精度の良い車両認識を行うことのできる車載用レーダ装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る車載用レーダ装置は、自車両に搭載され、所定走査方向に存在する目標物体を認識するものであって、所定走査方向に向けて、所定タイミング毎に送信信号を送出する送信手段と、あらかじめ設定された信号検知閾値を超える信号レベルの受信信号を受信検知信号として検知する受信手段と、送信信号の送信タイミングおよび受信検知信号の受信タイミングに基づいて、自車両に対する送信信号を反射した反射物体の位置情報を算出し、位置情報が自車両に対して所定範囲内を示す場合の反射物体を目標物体と認識する信号処理手段と、所定走査方向に向けた最初の送信タイミングから所定時間までの間の受信検知信号の中から干渉に相当する不正受信検知信号の数をカウントし、カウントされた不正受信検知信号数が干渉判定値を超えた場合に干渉信号を検知したと判定する干渉検知手段とを備え、信号処理手段は、干渉信号が検知された場合に目標物体の認識を禁止するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。図1は、この発明の実施の形態1の車載用レーダ装置を示す構成図である。
図1において、車載用レーダ装置は、ホーンアンテナ(1次放射器)51とリフレクタ送受共用アンテナ(反射鏡アンテナ)52とで構成された送受共用アンテナ5を用いることで小型化され、自動車への搭載性を向上させている。
まず、発振器1から電磁波が出力されると、電磁波はパワーデバイダ2を通過し、送信アンプ3により増幅される。
送受切り替えスイッチ4は、ホーンアンテナ51との接続を送信アンプ3または受信アンプ7の何れかに切り換える。送信アンプ3とホーンアンテナ51とが接続されている場合、送信アンプ3により増幅された電磁波は、送受切り替えスイッチ4を通過し、所定の方向に向けられた送受共用アンテナ5から空間に出力される。
【0008】
一方、電磁波送信開始時からパルス時間幅tgだけ経過した時点で、送受信切り替えスイッチ4は受信側に切り替えられ、送受共用アンテナ5と受信アンプ7とが接続される。
また、送受共用アンテナ5から空間に出力された送信電磁波は、車載用レーダ装置から距離Rに存在する目標物体6に反射し、電磁波送信開始時から遅延時間Δtだけ経過した後に送受共用アンテナ5に入力する。
なお、目標物体6が相対速度を持つときには、受信電磁波は、送信電磁波の周波数ftxに対して、周波数fbだけドップラシフトして送受共用アンテナ5に入力される。
送受共用アンテナ5から入力された受信電磁波は、受信アンプ7により増幅され、ミクサ8は、受信電磁波とパワーデバイダ2からのLO用電磁波とをミキシングし、ドップラシフトfbに対応したビート信号を出力する。ビート信号はカットオフ周波数が30MHzフィルタ9を通過し、AGCアンプ10により増幅されてA/D変換器11でデジタル変換された後、信号処理装置12に入力される。
また、信号処理装置12には、車両のハンドル角を検出するハンドル角センサ14が接続されている。
【0009】
次に、信号処理装置12の構成について説明する。
信号処理装置12は、車両制御システムなどからの送信電磁波の送信指令および受信電磁波の受信指令を制御する送受信制御部(送信手段、受信手段)121と、反射物体との距離などを測定する距離・速度・信号レベル測定部(信号処理手段)122と、干渉波を検知する干渉検知部(干渉検知手段)123とを備えている。さらに、反射物体の角度を測定する角度測定部(信号処理手段)124と、反射物体が先行車両であるか否かを認識する車両認識部(信号処理手段)125とを備えている。
【0010】
次に、この発明の実施の形態1による動作について説明する。
図2は、この発明の実施の形態1による動作を示すフローチャートである。
まず、信号処理装置12の送受信制御部は、アンテナスキャン用モータ13を作動させて、リフレクタ送受共用アンテナ52を所定の方向に向ける。また、所定時間毎に発振器1に電磁波(パルス波)を出力させて、所定のスキャン領域のスキャンを行う(ステップS1)。
次に、距離・速度・信号レベル測定部122は、反射物体との距離および相対速度、さらに受信レベルの測定を行い、測定結果に基づいて反射物体を検出する(ステップS2)。
【0011】
干渉検知部123は、送受共用アンテナ5からの受信した受信電磁波(パルス波)に基づいて、反射物体からの受信電磁波以外となる受信電磁波を不正受信データとして判定し、判定された不正受信データを記憶する(ステップS3)。
次に、不正受信データの数をカウントする(ステップS4)。
不正受信データの数が所定の干渉判定値Nmaxより大きいかどうかを判定する(ステップS5)。ステップS5において、不正受信データの数が所定の干渉判定値Nmaxより大きい場合(すなわち、YES)、その時点で干渉波の検知と判定し、記憶された不正受信データに基づいて、干渉波による悪影響を最小にする対策を行う。この場合、測定された先行車両情報を用いる、例えば車両走行制御システム側にフェール出力などを行う(ステップS6)。
一方、不正受信データの数が所定の干渉判定値Nmax以下の場合(すなわち、NO)、現状では干渉波は検知されていないと判定し、干渉対策処理のステップS6をスキップして、ステップS7に進む。
【0012】
次に、スキャン領域の全域のスキャンを完了したか否かを判定する(ステップS7)。ステップS7において、スキャン領域全域のスキャンが完了したと判定した場合(すなわち、YES)、角度測定部124は、反射物体の方向θの測角を行う。
一方、全域のスキャンが完了していない場合(すなわち、NO)、ステップS1に戻ってスキャンを続ける。
次に、車両認識部125は、スキャン領域における各検出点の測距、測速度、測角による結果に基づいて、反射物体が車両であるか否かの認識を行う。また、ハンドル角センサ14からのハンドル角の出力に基づいて走行レーンの認識を行い、走行レーン上に存在する車両を目標物体6、すなわち先行車両と認識する(ステップS9)。
先行車両として認識された反射物体の測定結果(距離、速度、角度)を車両走行制御システム側に出力し(ステップS10)、次の方向のスキャン領域のスキャンのためにステップS1に戻る。
このような先行車両の認識結果により、車両走行制御システムは車間距離警報や安全車間距離を保つ追従走行などを行う。
なお、走行レーンの認識のためにハンドル角センサ14を用いたが、ハンドル角センサ14の代わりに前方監視カメラやヨーレートセンサなどの出力に応じて走行レーンの認識を行っても良い。
【0013】
次に、図2のステップ2における反射物体との距離および相対速度との演算方法について説明する。
図3は、送信電磁波(送信パルス)と受信電磁波(受信パルス)との時間経過の関係を示す説明図であり、図4は、距離ゲート4における各サンプリング時のビート信号とパルスとの関係を示す説明図である。また、図5は、距離ゲート4における各サンプリング時のビート信号を示す波形図であり、図6は、ある距離ゲートで出力されたビート信号を示す波形図である。
ここで、例えば1km/h(=0.2777m/s)の速度分解能を得るとし、発振器1から出力される電磁波の送信周波数ftxを例えば76.5GHzとすると、ドップラー周波数の分解能Δfは、以下の式(1)により算出される。
【数1】
式(1)より、1km/hの速度分解能を得るためには、約7.06msの計測時間が必要となる。
【0014】
ここで、例えばレーダの最大検知距離が150mで前回のパルスが受信されないだけの距離のマージンを考慮して最大計測距離を260m程度とし、パルス時間幅tgを33.3ns(=1/30MHz、距離5m相当)とした場合、送信パルス(送信電磁波)の送信間隔となるパルス繰り返し周期は、以下の式(2)のように算出される。
33.3ns×(260÷5)=1.7μs・・・ (2)
式(2)により、送受共用アンテナから1.7μs毎に送信パルスが放射される。
前述のように、1km/hの速度分解能を得るためには、約7.06msの計測時間が必要であり、1.7μs毎に送信パルスが放射されるとすると、例えば距離ゲート4では、図4のように、7.06msの間にパルス4096発分に対応するビート信号が取得され、このビート信号は各距離ゲートで取得される。
例えば、距離ゲート4において、各サンプリング時間おけるビート信号は、図5のような波形となり、サンプリング時間毎にビート信号の信号レベルは異なる。
各距離ゲートにおいて、取得された4096発分のビート信号を高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理すると、図6のように、ある距離ゲートでドップラシフトfb、受信レベルMのビート信号として出力される。
【0015】
ここで、距離、相対速度は、以下の式(3)、(4)で計算することができる。
【数2】
ここで、tgは距離ゲート時間幅(パルス時間幅)、nは距離ゲート番号(サンプル点)、Cは光速、fbはビート周波数、f0は送信周波数(76.5GHz)を示す。
【0016】
また、信号処理器12が発振器1の送信周波数をスイープすることでFMパルスレーダを構成してもよい。
次に、FMパルスレーダにおける距離および相対速度の算出方法について説明する。
図7は、FMパルスレーダにおける送信電磁波および受信電磁波の関係を示す波形図である。
図7において、送信電磁波は、送信電磁波の周波数掃引帯域幅B、変調周期TmでFM変調されている。
前述と同様に1km/hの速度分解能を得る場合、変調周期Tmは7.06msの計測時間が必要となる。
また、送信電磁波の送信開始時から、距離Rに存在する反射物体で反射されて送受共用アンテナ5に入力されるまでの遅延時間Δtを経過後、受信電磁波が受信される。
【0017】
また、目標物体6が相対速度(V>0)を持つとき、受信電磁波は送信電磁波に対して周波数fdだけドップラシフトする。
このとき、周波数上昇時における送信電磁波と受信電磁波との周波数差fbuと、周波数下降時における送信電磁波と受信電磁波との周波数差fbdとが、ビート信号としてミクサ8により出力される。
ビート信号がA/D変換器11でデジタル変換されると、信号処理器12でFFT処理する。さらに、所定の閾値より高い周波数成分を検出して、周波数上昇時の周波数差fbuと、周波数下降時の周波数差fbdと、その受信レベルMを算出する。なお、周波数上昇時の周波数差fbuと周波数下降時の周波数差fbdとの受信レベルは一般的には同じである。
【0018】
周波数上昇時の周波数差fbu、周波数下降時の周波数差fbd、送信電磁波の周波数掃引帯域幅B、変調周期Tm、光速C(=3.0×108 m/s)、および搬送波の波長λ(搬送波の基本周波数がf0=77GHzならばλ=4.0×10−3m)により、反射物体の距離Rおよび相対速度Vは、以下の式(5)、(6)により算出される。
【数3】
【0019】
したがって、FMパルスレーダの場合、前述のパルスレーダに比べて距離分解能および精度が向上すると共に、距離レンジの制限された範囲内における反射物体のスペクトルの周波数fbu、fbdしか観測されないので、複数の反射物体(例えば複数の目標物体6)が存在する時のスペクトルfbu、fbdの誤組み合わせによる偽像が発生しにくい特徴をもつ。
【0020】
次に、図2のステップ8による測角処理について説明する。
測角処理では、受信レベルMから反射物体の方向を演算する。ここでは例としてシーケンシャルロービング方式における演算方法ついて説明する。
信号処理装置12は、所定の方向θ1で距離、相対速度及び受信レベルM1を測定した後、アンテナスキャン用モータ13を動作させて、送受共用アンテナ5を次の方向θ2に移動させ、同様に距離、相対速度及び受信レベルM2を測定する。
複数方向の測定データの中から、同一の距離および相対速度のデータを選び出し、受信レベルM1と受信レベルM2との大小関係により反射物体の方向θを測角する。
【0021】
具体的には、所定の2方向θ1およびθ2におけるアンテナビームパターンB1(θ)およびB2(θ)から、和パターンS(θ)および差パターンD(θ)を以下の式(7)、(8)により算出する。
S(θ)=B1(θ)+B2(θ)・・・ (7)
D(θ)=B1(θ)−B2(θ)・・・ (8)
次に、以下の式(9)により、和パターンS(θ)で規格化した規格値DS(θ)を算出する。
DS(θ)=D(θ)/S(θ)・・・ (9)
【0022】
和パターンS(θ)の半値幅θs内では、方向θに対して規格値DS(θ)は、単調増加、あるいは単調減少する関係になる。
所定の2方向θ1とθ2との中心をθo、S(θ)の半値幅をθsとし、半値幅θsで規格化した角度θn、及びθn=0付近の規格値DS(θ)の傾きkを以下の式(10)、(11)により算出する。
θn=(θ−θo)/θs・・・(10)
k=DS(θ)/θn・・・(11)
【0023】
また、受信レベルM1および受信レベルM2から観測で得られる規格値DSを式(12)により算出する。
DS=(M1−M2)/(M1+M2)・・・(12)
以上のあらかじめ計算することのできる半値幅θs、傾きk、中心θoと、観測で得られた規格値DSとから、式(13)により反射物体の方向θを算出することができる。
θ=θs/k・DS+θo・・・(13)
【0024】
上記より測定した反射物体までの距離、相対速度、方向(角度)と、ハンドル角センサ14などから算出された道路の曲率とにより、反射物体が自車両と同一レーン上を走行する先行車両かどうかを判定し、判定結果により車間距離警報や、安全車間距離を保つ追従走行などを行う。
このように、受信レベルによって干渉を判定せずに、干渉時には不正受信データが増加することを利用して、不正受信データ数が所定数より大きい数になった場合に、他の機器からの干渉信号を検知したと判定するので、干渉による受信レベルが、想定されうる通常の反射物体による受信レベルの最大値以下であったとしても干渉を検知でき、干渉検知の信頼性が向上し、精度の良い車両認識を行うことができる。
また、干渉検知用に特別なH/Wを付加することがなく、レーダの信号処理のみで実施できるので高性能で安価な車載用レーダが実現できる。
ここではアンテナ走査を含めて説明したが、アンテナ走査がなくても同様に実施することができる。
【0025】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、不正受信データの判定方法について言及しなかったが、距離、相対速度、または受信レベルに基づいて、不正受信データの判定および干渉検知を行ってもよい。
図2のステップS3における不正受信データの判定方法について説明する。
図8は、この発明の実施の形態2の不正受信データ判定方法を示す説明図であり、図9は、この発明の実施の形態2の干渉検知閾値を用いた不正受信データ判定方法を示す説明図である。
FM−パルスレーダの場合には、前述のように周波数上昇区間および下降区間での信号により距離を算出する。
信号処理装置12は、算出された距離が所定の検出距離レンジ内にあるか否かを判定し、所定の検出距離レンジ内にあるものだけを、実際に存在する反射物体であると判定する。一方、検出距離レンジ外にあるものは、不正受信データと判定して排除する。
【0026】
このように検出距離レンジ外と判定された受信データは、不正受信データとして検出され、不正受信データ検出ロジック以降の速度算出手段、先行車両認識処理等で排除される。
干渉時には距離などに関係なく干渉波によって信号レベルが増加し、この干渉波による信号では、式(3)で求めた距離と式(5)で求めた距離とが矛盾するため排除することができる。
干渉時には、距離が不正の不正受信データが増加することから、排除された不正受信データの数が設定された干渉判定値Nmaxを越えた時に干渉波を検知したと判定する。
【0027】
また、パルスレーダの場合には、距離による偽スペクトルデータの判定は不可能であるが、相対速度が通常ではありえない速度となる場合に不正受信データとして検出する。不正受信データは、不正受信データ検出ロジック以降の自車両認識手段等で排除される。
干渉時には、相対速度が不正の不正受信データが増加することから、排除された不正受信データの数があらかじめ設定された干渉判定値Nmaxを越えた時に干渉波を検知したと判定する。
【0028】
図8において、受信電磁波検知においては、受信レベルが受信電磁波検知閾値(信号検知閾値)を超えた場合に受信電磁波検知と判定する。
受信レベルに基づいて干渉検知を行う場合、受信電磁波検知閾値を認識性能上ぎりぎりまで下げることにより、ノイズの誤検知確率を多少犠牲にしながら検知感度を向上させ、受信レベルが受信電磁波検知閾値を超えた場合に不正受信データと判定してしまうと、白色雑音を干渉波として誤認識する確率が高くなる。
したがって、図9のように干渉検知閾値をさらに設け、干渉検知閾値を信号検知閾値より高く設定すれば、白色雑音を干渉波と誤認識する確率が低下するため、確実な干渉検知ができる。
干渉時には、干渉検知閾値を超える不正受信データが増加することから、排除された不正受信データの数があらかじめ設定された干渉判定値Nmaxを越えた時に干渉波を検知したと判定する。
【0029】
また、レーダ以外で高出力FMトランシーバなどの電波は、送信周波数に関わらずレーダ内のアンプなどで直接増幅される場合もある。この場合も同様に検知することができる。
また、干渉検知用に特別なH/Wを付加することがなくレーダの信号処理のみで実施できるので高性能で安価な車載用レーダが実現できる。
また干渉検知閾値を受信電磁波検知閾値より高く設定することにより、誤って白色雑音を干渉と判断する確率が低下するため、確実に干渉を検知することができる。
【0030】
なお、不正受信データカウント用の干渉判定値Nmaxを、車載用レーダ装置の電源投入時の受信電磁波の受信レベルおける不正受信データ数によって学習して決定することにより、器差や環境の差を補正し、干渉検知の精度を向上させることができる。
また、不正受信データカウント用の干渉判定値Nmaxを、過去の正常動作時における不正受信データの平均値等の算出による学習によって決定することにより、器差や環境の差を補正し、干渉検知の精度を向上させることができる。
また、不正受信データカウント用の干渉判定値Nmaxを、車載用レーダ装置の製造時や調整時において記憶された不正受信データ数によって学習して決定することにより、器差や環境の差を補正し、干渉検知の精度を向上させることができる。
【0031】
実施の形態3.
上記実施の形態1、2では、干渉検知する領域について言及しなかったが、干渉検知する方向を限定してもよい。
図10は、この発明の実施の形態3の測距、測速度のタイミングおよび測定方向を示す波形図である。
図10において、信号処理装置12は、アンテナスキャン用モータ13でリフレクタ送受共用アンテナ52を走査させて測距および測速度を行う。
図2におけるステップS4〜ステップS6の干渉検知に関わる処理は、リフレクタ送受共用アンテナ52の方向が中心方向の時の受信信号を用いて行う。
例えば、図10における
【数4】
などの方向の場合である。
【0032】
このように、測距において使用頻度が高く重要な中心方向で干渉検知を行うことにより、干渉で測距に障害を与える確率の高い方向で確実に干渉検知でき、また、スキャン方向を中心方向のみに限定するので、干渉検知処理に伴う演算量を減らすことができる。
また、先行車両を認識するという観点では、測距において使用頻度が高く重要な車両進行方向でのみ干渉検知を行うことにより、スキャン方向を車両進行方向のみに限定できるので、干渉検知処理に伴う演算量を減らすことができる。
また、スキャン操作毎に方向を変えて、1方向または数方向を選択して干渉検知を行うことにより、スキャンエリア全域において干渉検知でき、かつ干渉検知処理に伴う演算量を減らすことができる。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、所定走査方向に向けて、所定タイミング毎に送信信号を送出する送信手段と、あらかじめ設定された信号検知閾値を超える信号レベルの受信信号を受信検知信号として検知する受信手段と、送信信号の送信タイミングおよび受信検知信号の受信タイミングに基づいて、自車両に対する送信信号を反射した反射物体の位置情報を算出し、位置情報が自車両に対して所定範囲内を示す場合の反射物体を目標物体と認識する信号処理手段と、所定走査方向に向けた最初の送信タイミングから所定時間までの間の受信検知信号の中から干渉に相当する不正受信検知信号の数をカウントし、カウントされた不正受信検知信号数が干渉判定値を超えた場合に干渉信号を検知したと判定する干渉検知手段とを備えており、信号処理手段は、干渉信号が検知された場合に目標物体の認識を禁止するので、干渉による受信レベルが、想定されうる通常の反射物体による受信レベルの最大値以下であったとしても干渉を検知でき、精度の良い車両認識を行うことのできる車載用レーダ装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1の車載用レーダ装置を示す構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1による動作を示すフローチャートである。
【図3】送信パルスと受信パルスとの時間経過の関係を示す説明図である。
【図4】距離ゲート4におけるビート信号とパルスとの関係を示す説明図である。
【図5】距離ゲート4におけるビート信号を示す波形図である。
【図6】ある距離ゲートで出力されたビート信号を示す波形図である。
【図7】FMパルスレーダにおける送信電磁波および受信電磁波との関係を示す波形図である。
【図8】この発明の実施の形態2の不正受信データ判定方法を示す説明図である。
【図9】この発明の実施の形態2の干渉検知閾値を用いた不正受信データ判定方法を示す説明図である。
【図10】この発明の実施の形態3の測距、測速度のタイミングおよび測定方向を示す波形図である。
【符号の説明】
1 発振器、2 パワーデバイダ、3 送信アンプ、4 送受切り替えスイッチ、5 送受共用アンテナ、6 目標物体、7 受信アンプ、8 ミクサ、9 フィルタ、10 AGCアンプ、11 A/D変換器、12 信号処理装置、13 アンテナスキャン用モータ、14 ハンドル角センサ、51 ホーンアンテナ、52 リフレクタ送受共用アンテナ(反射鏡アンテナ)。
Claims (10)
- 自車両に搭載され、所定走査方向に存在する目標物体を認識する車載用レーダ装置であって、
前記所定走査方向に向けて、所定タイミング毎に送信信号を送出する送信手段と、
あらかじめ設定された信号検知閾値を超える信号レベルの受信信号を受信検知信号として検知する受信手段と、
前記送信信号の送信タイミングおよび前記受信検知信号の受信タイミングに基づいて、前記自車両に対する前記送信信号を反射した反射物体の位置情報を算出し、前記位置情報が前記自車両に対して所定範囲内を示す場合の反射物体を前記目標物体と認識する信号処理手段と、
前記所定走査方向に向けた最初の送信タイミングから所定時間までの間の前記受信検知信号の中から干渉に相当する不正受信検知信号の数をカウントし、カウントされた不正受信検知信号数が干渉判定値を超えた場合に干渉信号を検知したと判定する干渉検知手段とを備え、
前記信号処理手段は、前記干渉信号が検知された場合に前記目標物体の認識を禁止することを特徴とする車載用レーダ装置。 - 前記干渉検知手段は、前記信号検知閾値よりも高い値の干渉検知閾値があらかじめ設定され、
前記受信検知信号の信号レベルが前記干渉検知閾値を超えた場合に、前記不正受信検知信号を検知したと判定することを特徴とする請求項1に記載の車載用レーダ装置。 - 前記干渉検知手段は、前記位置情報が前記所定範囲を逸脱した場合に、前記不正受信検知信号を検知したと判定することを特徴とする請求項1に記載の車載用レーダ装置。
- 前記干渉検知手段は、電源投入時にカウントされた不正受信検知信号数に基づいて前記干渉判定値を設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車載用レーダ装置。
- 前記干渉検知手段は、過去にカウントされた不正受信検知信号数を記憶し、記憶されている過去の不正受信検知信号数に基づいて、今回の干渉判定値を設定することを特徴とする請求項1から請求項3までの何れか1項に記載の車載用レーダ装置。
- 前記干渉検知手段は、装置の製造時や取り付け時に記憶された不正受信検知信号数に基づいて、前記干渉判定値を設定することを特徴とする請求項1から請求項3までの何れか1項に記載の車載用レーダ装置。
- 前記送信手段は、走査方向を所定方向だけに限定することを特徴とする請求項1から請求項6までの何れか1項に記載の車載用レーダ装置。
- 前記送信手段は、前記走査方向を走査範囲の中心の方向だけに限定することを特徴とする請求項7に記載の車載用レーダ装置。
- 前記送信手段は、前記走査方向を前記自車両の進行方向だけに限定することを特徴とする請求項7に記載の車載用レーダ装置。
- 前記送信手段は、走査毎に前記所定走査方向を変化させることを特徴とする請求項7に記載の車載用レーダ装置。
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