JP2021091938A - 土木用フェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法ならびに前記鋼板を用いてなる土木構造物 - Google Patents

土木用フェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法ならびに前記鋼板を用いてなる土木構造物 Download PDF

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Abstract

【課題】通気差腐食の抑制効果に優れ、土木用として適したフェライト系ステンレス鋼板を提供すること。【解決手段】質量%で、C:0.001〜0.030%、Si:0.01〜1.00%、Mn:0.01〜0.30%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Al:0.01〜1.00%、Cr:18.0〜35.0%、Ni:0.01〜2.00%、およびN:0.001〜0.030%を含有し、さらに、Ti:0.10〜0.50%、Nb:0.10〜0.50%のうちから選ばれた1種または2種と、Mo:0.05〜3.00%、Cu:0.05〜0.80%のうちから選ばれた1種または2種を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物である成分組成を有し、表面に存在する表面皮膜におけるCrのカチオン分率が0.30以上であり、かつ、Mnのカチオン分率に対するSiのカチオン分率およびAlのカチオン分率の合計の比が2.0以上であることを特徴とする土木用フェライト系ステンレス鋼板。【選択図】なし

Description

本発明は、土木用フェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法ならびに前記鋼板を用いてなる土木構造物に関し、特に、水路や柵など鋼を用いた構造物の一部を地中に埋めて使用する用途に好適な土木用フェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法に関する。
土木用途の鋼材には、強度や耐食性が求められることから、普通鋼や普通鋼にめっきや塗装を施したものが使用されてきた。これらの鋼はあらかじめ腐食速度を想定して、必要な腐食代を板厚に加味したうえで、長期間必要な特性を確保する設計となっている。そのため、これらの鋼を土木用途に使用した場合、数十年の間隔では保守や取り替えが必要となる。この設備保守に係るコストは決して安価なものではなく、特に大規模な構造物ほどその費用は高額となる。そこで、近年では鋼材の耐食性を向上させて保守点検の費用を抑えるというライフサイクルコストの観点から、腐食が軽微なステンレス鋼、特に、フェライト系ステンレス鋼の土木用途への適用が検討されている。
このような土木用ステンレス鋼としては、たとえば、特許文献1、特許文献2に開示されたステンレス鋼がある。特許文献1には、A系およびB系の介在物密度が10個/cm以下である加工性および耐食性に優れた、板厚3.0mm以下の、特に一般住宅用等に適用できる安価な土木建築用ステンレス鋼板が開示されている。特許文献2には、重量%でCrを16%以上25%以下含むフェライト系ステンレス鋼において、金属部最表層から0.5μm以上10μm以下の深さ部分のCr量が16%未満である孔食を発生しにくい構造用フェライト系ステンレス鋼が開示されている。
しかしながら、土木構造物の使用環境においては、地上と地中とにまたがった部材において、酸素濃度の違いから、通気差腐食が発生し、地中における腐食が急速に進行する場合がある。これらのステンレス鋼では、通気差腐食が発生する使用環境においては耐食性が不足するという問題があった。
特開平10−53843号公報 特開平11−323503号公報
上記のように地上部分と地中部分にまたがった鋼構造物では、酸素濃度の違いから地上−地中間で通気差腐食が発生し、地中部分で迅速に腐食が進展するという問題があった。
この問題に鑑み、本発明では、通気差腐食の抑制効果に優れ、土木用として適したフェライト系ステンレス鋼板を提供することを目的とする。
本発明では、上記課題を解決するために、フェライト系ステンレス鋼の成分および表面皮膜と通気差腐食の関係について鋭意検討を行った。通気差腐食の抑制には、地上付近で発生する溶存酸素の還元によるカソード反応の抑制と地中内の環境である低酸化性環境における表面皮膜の維持能力の向上が有効であると本発明者らは考えた。そこで、低酸化性環境における表面皮膜の維持能力の観点から、ステンレス鋼の成分を種々検討したところ、18質量%以上のCrを含有したうえで、CuとMoの少なくとも1種を含有する成分組成を有するステンレス鋼板において、表面皮膜に含まれるCr、Si、Mn、AlおよびFeの原子存在量の合計に対するCrの原子存在量の比(Crのカチオン分率)が0.30以上であると低酸化性環境において良好な表面皮膜が維持されることが明らかとなった。さらに、前記成分組成を有するステンレス鋼板に関して、種々の表面皮膜を形成し、通気差腐食の発生を検討した結果、表面皮膜にSi、Alを含み、Mnが少ない表面皮膜では通気差腐食が起こりにくいことが明らかとなった。
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、下記の構成を要旨とするものである。
[1]質量%で、
C:0.001〜0.030%、
Si:0.01〜1.00%、
Mn:0.01〜0.30%、
P:0.05%以下、
S:0.01%以下、
Al:0.01〜1.00%、
Cr:18.0〜35.0%、
Ni:0.01〜2.00%、および
N:0.001〜0.030%を含有し、
さらに、Ti:0.10〜0.50%、Nb:0.10〜0.50%のうちから選ばれた1種または2種と、
Mo:0.05〜3.00%、Cu:0.05〜0.80%のうちから選ばれた1種または2種を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物である成分組成を有し、
表面に存在する表面皮膜におけるCrのカチオン分率が0.30以上であり、かつ、Mnのカチオン分率に対するSiのカチオン分率およびAlのカチオン分率の合計の比が2.0以上であることを特徴とする土木用フェライト系ステンレス鋼板。
ここで、上記Cr、Mn、Si、Alのカチオン分率は、それぞれ前記表面皮膜に含まれるCr、Mn、Si、AlおよびFeの原子存在量の合計に対するCr、Mn、Si、Alの原子存在量の比である。
[2]前記成分組成が、さらに、質量%で、
W:0〜1.00%、Co:0〜0.50%のうちから選ばれた1種または2種を含有することを特徴とする[1]に記載の土木用フェライト系ステンレス鋼板。
[3]前記成分組成が、さらに、質量%で、
Zr:0〜0.50%、
V:0〜0.50%、
REM:0〜0.10%、
B:0〜0.0100%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする[1]または[2]に記載の土木用フェライト系ステンレス鋼板。
[4]前記[1]〜[3]のいずれかに記載の土木用フェライト系ステンレス鋼板の製造方法であって、
フェライト系ステンレス鋼冷延板に、30体積%以下の水素を含む露点−30℃以下の雰囲気中で、700〜1100℃の温度で焼鈍を行う冷延板焼鈍工程と、
前記冷延板焼鈍工程後のフェライト系ステンレス鋼冷延焼鈍板に、5〜20質量%のHNOを含む溶液中で電気量が10〜30C/dmとなる電解処理を行う電解処理工程とを有することを特徴とする土木用フェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
[5]前記[1]〜[3]のいずれかに記載の土木用フェライト系ステンレス鋼板を用いてなる土木構造物。
本発明によれば、通気差腐食の抑制効果に優れ、土木用として適したフェライト系ステンレス鋼板を提供することができる。
本発明によれば、鋼構造物の一部を地中に埋めて使用する用途に好適なフェライト系ステンレス鋼板が得られる。本発明の土木用フェライト系ステンレス鋼板を用いてなる土木構造物は、一部が地中に埋められて設置された状態における通気差腐食による損傷が抑制される。そのため、設備保守や保守点検等に要する費用の抑制等を通じてライフサイクルコスト低減を図ることが可能である。
以下に本発明を詳細に説明する。
まず、本発明で成分組成を限定した理由について説明する。なお、各元素の含有量を示す「%」は、特に断らない限り質量%を意味する。
C:0.001〜0.030%
Cは鋼に不可避的に含まれる元素である。Cの含有量が多いと強度が向上し、少ないと加工性が向上する。土木用途に使用するうえで適度な強度を得るためには0.001%以上のCの含有が適当である。一方で、過剰のCの含有は耐食性の低下が顕著となるため、0.030%以下の含有が適当である。よって、C含有量は0.001〜0.030%とした。C含有量は、好ましくは0.002%以上である。また、C含有量は、好ましくは0.020%以下である。
Si:0.01〜1.00%
Siは本発明において重要な元素である。SiをAlとともに表面皮膜中に濃化させることで、酸素の還元によるカソード反応を抑制し、酸素濃度の差によって生じる通気差腐食の発生を抑制する効果が得られる。その効果は鋼中のSi含有量が0.01%以上で得られる。しかし、Si含有量が1.00%を超えると鋼の靭性が低下する。よって、Si含有量は0.01〜1.00%とした。Si含有量は、好ましくは0.08%以上である。また、Si含有量は、好ましくは0.80%以下であり、より好ましくは0.40%以下である。
Mn:0.01〜0.30%
Mnは鋼の強度を高める効果がある。その効果は0.01%以上のMnの含有で得られる。一方、鋼中のMn含有量が0.30%を超えると、表面皮膜中にMnが多量に含まれるようになって、通気差腐食が進行しやすくなる。よって、Mn含有量は0.01〜0.30%とした。Mn含有量は、好ましくは0.02%以上である。また、Mn含有量は、好ましくは0.20%以下である。
P:0.05%以下
Pは鋼に不可避的に含まれる元素であり、ステンレス鋼の耐食性を低下させる元素である。よって、P含有量は少ないほど好ましく、0.05%以下とした。P含有量は、好ましくは0.04%以下であり、さらに好ましくは0.03%以下である。下限については特に限定されるものではないが、過度の脱Pは製造コストの増加を招くので、P含有量の下限は0.01%程度とすることが好適である。
S:0.01%以下
Sを0.01%超えて含有するとCaSやMnSなどの水溶性硫化物が生成し、耐食性が低下する。よって、S含有量は0.01%以下とした。下限については特に限定されるものではないが、過度の脱Sは製造コストの増加を招くので、S含有量の下限は0.0005%程度とすることが好適である。
Al:0.01〜1.00%
Alは本発明において重要な元素である。AlをSiとともに表面皮膜中に濃化させることで、酸素の還元によるカソード反応を抑制し、通気差腐食の発生を抑制する効果が得られる。その効果は鋼中のAl含有量が0.01%以上で得られる。一方で、Al含有量が1.00%を超えると加工性が低下する。よって、Al含有量は0.01〜1.00%とした。Al含有量は、好ましくは0.02%以上であり、より好ましくは0.05%以上である。また、Al含有量は、好ましくは0.50%以下であり、より好ましくは0.15%以下である。
Cr:18.0〜35.0%
Crはフェライト系ステンレス鋼の優れた耐食性を発揮するためには必須の元素であり、本発明において通気差腐食を抑制するための重要な役割を持つ元素である。ステンレス鋼の表面皮膜は主にCrとFeの酸化物・水酸化物を主体とした皮膜であるが、表面皮膜に含まれるCr、Si、Mn、AlおよびFeの原子存在量の合計に対するCrの原子存在量の比(Crのカチオン分率)が0.30以上である表面皮膜を形成するためには鋼中に18.0%以上のCrの含有が必要である。一方で、35.0%を超えてCrを含有すると熱間加工性が低下し、製造が困難となる。よって、Cr含有量は18.0〜35.0%とした。Cr含有量は、好ましくは20.0%以上である。また、Cr含有量は、好ましくは33.0%以下であり、より好ましくは26.0%以下であり、さらに好ましくは24.0%以下である。
Ni:0.01〜2.00%
Niは鋼中の金属成分のイオン化を抑制し、耐食性を向上する元素である。その効果は0.01%のNiの含有で得られる。一方で、2.00%を超えるNiの含有は応力腐食割れが発生するようになり、耐食性を低下させる。よって、Ni含有量は0.01〜2.00%とした。Ni含有量は、好ましくは0.02%以上である。また、Ni含有量は、好ましくは1.00%以下であり、より好ましくは0.40%以下である。
N:0.001〜0.030%
Nは、Cと同様に固溶強化により鋼の強度を上昇させる効果がある。その効果はN含有量が0.001%以上で得られる。しかし、0.030%を超えてNを含有すると加工性の低下が顕著となる。よって、N含有量は0.001〜0.030%とした。N含有量は、好ましくは0.002%以上である。また、N含有量は、好ましくは0.020%以下である。
Ti:0.10〜0.50%、Nb:0.10〜0.50%のうちから選ばれた1種または2種
Tiは鋼中のC、Nと結合して、Cr炭窒化物の生成による耐食性の低下を抑制する作用がある。その効果は0.10%以上のTiの含有で得られる。一方で、0.50%を超えてTiを含有させると、鋼の靭性が低下する。よって、Ti含有量は0.10〜0.50%とした。Ti含有量は、好ましくは0.15%以上である。また、Ti含有量は、好ましくは0.40%以下である。
Nbは、Tiと同様に鋼中のC、Nと結合して、Cr炭窒化物の生成による耐食性の低下を抑制する作用がある。その効果は0.10%以上のNbの含有で得られる。一方で、Nb含有量が0.50%を超えると加工性が低下し、成形が困難となる。よって、Nb含有量は0.10〜0.50%とした。Nb含有量は、好ましくは0.15%以上である。また、Nb含有量は、好ましくは0.40%以下である。
Mo:0.05〜3.00%、Cu:0.05〜0.80%のうちから選ばれた1種または2種
Moは本発明における重要な元素のひとつである。Moを鋼中に含有させることで表面皮膜へのCrの濃化を促進し、低酸化性環境における表面皮膜の維持能力を向上させる作用がある。その効果は0.05%以上のMoの含有で得られる。一方で、3.00%を超えるMoの含有は加工性を低下させる。よって、Mo含有量は0.05〜3.00%とした。Mo含有量は、好ましくは0.10%以上であり、より好ましくは0.40%以上である。また、Mo含有量は、好ましくは2.00%以下である。
Cuは本発明における重要な元素のひとつである。CuはMoと同様に鋼中に含有させることで表面皮膜へのCrの濃化を促進し、低酸化性環境における表面皮膜の維持能力を向上させる作用がある。その効果は0.05%以上のCuの含有で得られる。一方で、0.80%を超えるCuの含有は金属Cuの析出が発生し耐食性を低下させる。よって、Cu含有量は0.05〜0.80%とした。Cu含有量は、好ましくは0.10%以上である。また、Cu含有量は、好ましくは0.60%以下である。
本発明の土木用フェライト系ステンレス鋼板(以下、単に、フェライト系ステンレス鋼板ともいう。)は、上記成分を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有することが好ましい。
また、本発明のフェライト系ステンレス鋼板は、上記成分組成に加えて、さらに下記のA群、B群のうちから選ばれた1種または2種を含有することができる。
(A群)W:0〜1.00%、Co:0〜0.50%のうちから選ばれた1種または2種
(B群)Zr:0〜0.50%、V:0〜0.50%、REM:0〜0.10%、B:0〜0.0100%のうちから選ばれた1種または2種以上
W:0〜1.00%
WはMoと同様に鋼の耐食性を向上する効果がある。しかし、過剰のWの含有は鋼の強度を上昇させ、加工性を低下させる。よって、Wを含有する場合、W含有量は1.00%以下とした。W含有量は、好ましくは0.01%以上である。また、W含有量は、好ましくは0.50%以下である。
Co:0〜0.50%
Coは鋼の靭性を向上させる元素である。しかし、0.50%を超えてCoを含有すると加工性が低下する。よって、Coを含有する場合、Co含有量は0.50%以下とした。Co含有量は、好ましくは0.01%以上である。また、Co含有量は、好ましくは0.30%以下である。
Zr:0〜0.50%
ZrはC、Nと結合して、鋭敏化を抑制する効果がある。しかし、過剰のZrの含有は加工性を低下させるうえ、Zrは非常に高い元素であるためコストの増大を招く。よって、Zrを含有する場合、Zr含有量は0.50%以下とした。Zr含有量は、好ましくは0.01%以上である。また、Zr含有量は、好ましくは0.20%以下である。
V:0〜0.50%
Vは、VNを形成することでCr窒化物の析出による鋼の耐食性の低下を抑制する元素である。しかし、0.50%を超える過剰なVの含有は、加工性を低下させる。よって、Vを含有する場合、V含有量は0.50%以下とした。V含有量は、好ましくは0.01%以上である。また、V含有量は、好ましくは0.30%以下である。
REM:0〜0.10%
REM(希土類金属;Rare Earth Metals)は耐酸化性を向上する元素である。しかし、過剰のREMの含有は酸洗性などの製造性を低下させるうえ、コストの増大を招く。よって、REMを含有する場合、REM含有量は0.10%以下とした。REM含有量は、好ましくは0.01%以上である。
B:0〜0.0100%
Bは二次加工脆性を改善する元素である。しかし、過剰のBの添加は、固溶強化による加工性低下を引き起こす。よって、Bを含有する場合、B含有量は0.0100%以下とした。B含有量は、好ましくは0.0003%以上である。また、B含有量は、好ましくは0.0030%以下である。
表面皮膜におけるCrのカチオン分率が0.30以上
ステンレス鋼の耐食性はその表面に形成される皮膜(一般的には不動態皮膜と呼ばれる)によって担保される。この鋼表面に存在する表面皮膜は、Cr含有量が多いほど、緻密で良好な皮膜になるとされている。本発明が想定する使用環境は、鋼の一部を地中に埋めて使用する環境であり、地中部分では酸素などの酸化性物質が不十分となる。そのため、表面皮膜の維持電流による皮膜の溶解が、酸化による皮膜の生成より優勢となり、表面皮膜が緩やかに溶解しやすい環境となる。表面皮膜に含まれるCr、Mn、Si、AlおよびFeの原子存在量の合計に対するCrの原子存在量の比であるCrのカチオン分率を0.30以上とすることで、維持電流の小さい溶解しにくい表面皮膜が得られ、低酸化性環境である地中において表面皮膜の維持が可能となる。よって、表面皮膜に含まれるCrのカチオン分率を0.30以上とする。前記カチオン分率は、好ましくは0.35以上である。また、前記カチオン分率は、高くなりすぎると皮膜にクラックが入り欠陥となるおそれがあるため、0.80以下が好ましく、0.70以下がより好ましい。
表面皮膜におけるMnのカチオン分率に対するSiのカチオン分率およびAlのカチオン分率の合計の比が2.0以上
ステンレス鋼の表面皮膜は半導体的な性質を有しており、その導電性は不純物原子に依存する。種々検討の結果、表面皮膜におけるMnのカチオン分率に対するSiのカチオン分率およびAlのカチオン分率の合計の比が2.0以上の場合に、表面皮膜を通した酸素の還元によるカソード反応が抑制されることが明らかとなった。この原因は明確にはなっていないが、価数変化の起こりやすいMnに対して、安定した酸化物を形成するSi、Alが相対的に増えることで表面皮膜の半導体的な性質が変化し、溶存酸素の還元反応に必要な電子の授受が抑制されたものと考えられる。よって、表面皮膜におけるMnのカチオン分率に対するSiのカチオン分率およびAlのカチオン分率の合計の比を2.0以上とした。好ましくは、前記の比は2.5以上である。また、表面皮膜の変形性能の点からは、前記の比は、10.0以下が好ましく、5.0以下がより好ましい。
ここで、上記Cr、Mn、Si、Alのカチオン分率は、それぞれ表面皮膜に含まれるCr、Mn、Si、AlおよびFeの原子存在量の合計に対するCr、Mn、Si、Alの原子存在量の比である。すなわち、表面皮膜に含まれるCr、Mn、Si、Al、Feの原子存在量をそれぞれ[Cr]、[Mn]、[Si]、[Al]、[Fe]としたとき、Crのカチオン分率は、[Cr]/([Cr]+[Mn]+[Si]+[Al]+[Fe])で算出され、Mnのカチオン分率は、[Mn]/([Cr]+[Mn]+[Si]+[Al]+[Fe])で算出され、Siのカチオン分率は、[Si]/([Cr]+[Mn]+[Si]+[Al]+[Fe])で算出され、Alのカチオン分率は、[Al]/([Cr]+[Mn]+[Si]+[Al]+[Fe])で算出される。また、本発明では、後述する実施例に記載の方法により、前記カチオン分率、Mnのカチオン分率に対するSiのカチオン分率およびAlのカチオン分率の合計の比を求める。
次に、本発明のフェライト系ステンレス鋼板の好適な製造方法の一例を以下に示す。上記の成分組成を有する鋼スラブを、熱間圧延して熱延板とし、該熱延板に必要に応じて熱延板焼鈍、酸洗を施す。その後、該熱延板に冷間圧延を施しフェライト系ステンレス鋼冷延板とする。一例として前記鋼スラブを1100〜1300℃に加熱後、板厚2.0〜15.0mmになるように熱間圧延を施す。こうして作製した熱延板を800〜1100℃の温度で熱延板焼鈍し酸洗を行い、スケールを除去する。熱延板焼鈍前または酸洗前には、ショットブラストなどの機械的作用による脱スケール処理、グラインダや研磨ベルトによる研削・研磨処理を行ってもよい。次に、上記のようにして得た熱延板に、冷間圧延を施しフェライト系ステンレス鋼冷延板とする。この際、板厚0.3〜5.0mmになるように冷間圧延を行うことが好ましい。
その後、上記のようにして得たフェライト系ステンレス鋼冷延板に、30体積%以下の水素を含む露点−30℃以下の雰囲気中で、700〜1100℃の温度で焼鈍を行う冷延板焼鈍を行う(冷延板焼鈍工程)。冷延板焼鈍の焼鈍時間は10〜180sが好ましい。この冷延板焼鈍によってスケール内層付近へのAl、Siの濃化を促進する。なお、前記冷延板焼鈍の雰囲気において、水素は25体積%以下が好ましい。また、前記冷延板焼鈍の雰囲気において、水素は1体積%以上が好ましく、5体積%以上がより好ましい。前記冷延板焼鈍の雰囲気において、水素以外の残部は窒素であることが好ましい。また、前記冷延板焼鈍の雰囲気において、露点は−40℃以下が好ましい。冷延板焼鈍の温度は800℃以上が好ましい。また、冷延板焼鈍の温度は1000℃以下が好ましい。
冷延板焼鈍後のフェライト系ステンレス鋼冷延焼鈍板には、必要に応じて、酸洗を施し、スケールを除去する。酸洗には、硫酸、塩酸、弗酸などの無機酸を用いる。酸への浸漬と合わせて電解処理を行ってもよい。
さらに、フェライト系ステンレス鋼冷延焼鈍板に、5〜20質量%のHNOを含む溶液中で電気量が10〜30C/dmとなる電解処理を行う(電解処理工程)。前記溶液としては水溶液が好ましい。なお、フェライト系ステンレス鋼冷延焼鈍板に酸洗を施す場合、この電解処理は、酸洗の最終工程で施される。この電解処理によって、表面皮膜中のFe、Mnを溶解し、その濃度を低減するとともに、表面皮膜中の相対的なCr、Al、Siの濃度を増加させる。これらのフェライト系ステンレス鋼冷延板の焼鈍、電解処理により、表面皮膜におけるMnのカチオン分率に対するSiのカチオン分率およびAlのカチオン分率の合計の比を2.0以上とし、かつ、表面皮膜におけるCrのカチオン分率を0.30以上とする。
本発明のフェライト系ステンレス鋼板は、適宜加工が施されて土木構造物とされる。前記土木構造物としては、例えば、水路、井戸、ガードレール、防護柵等が挙げられる。本発明のフェライト系ステンレス鋼板を用いてなる土木構造物は、一部が地中に埋められて設置された状態における通気差腐食による損傷が抑制される。そのため、設備保守や保守点検等に要する費用の抑制等を通じてライフサイクルコストの低減を図ることが可能である。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
表1に示す成分組成のステンレス鋼を実験室において真空溶製し、分解圧延、熱間圧延を行い板厚3.0mmの熱延板を作製した。得られた熱延板に950〜1050℃の温度で熱延板焼鈍し酸洗を行い、スケールを除去した。その後、板厚1.0mmまで冷間圧延を行った。得られたフェライト系ステンレス鋼冷延板に、900〜1050℃の温度で冷延板焼鈍を行った。均熱時間は20〜60sとした。焼鈍雰囲気は水素5体積%、窒素95体積%、露点−50℃とした。冷延板焼鈍後には50℃の10質量%HNO溶液中で電気量が10C/dmとなる電解処理を行い、供試材とした。
本発明では、表面皮膜におけるCrのカチオン分率、および、表面皮膜におけるMnのカチオン分率に対するSiのカチオン分率およびAlのカチオン分率の合計の比をAES測定により求める。上記得られた供試材の表面からAES(Auger Electron Spectroscopy、PHISICAL ELECTONICS社製「PHI MODEL 660」)により深さ方向の成分プロファイルを測定し、酸素濃度が最大値の50%となった深さまでを表面皮膜として、Cr、Si、Mn、Al、Feを検出対象として前記表面皮膜中のCr、Si、Mn、Al、Feの各元素の原子存在量を測定した。そして、Cr、Si、Mn、AlおよびFeの原子存在量の合計に対するCrの原子存在量の比であるCrのカチオン分率を求めた。さらに、Cr、Si、Mn、AlおよびFeの原子存在量の合計に対するSi、Mn、Al、Feそれぞれの原子存在量の比であるSiのカチオン分率、Mnのカチオン分率、Alのカチオン分率、Feのカチオン分率を求め、Mnのカチオン分率に対するSiのカチオン分率およびAlのカチオン分率の合計の比を算出した。加速電圧は5kV、測定領域は10μmとした。結果を表1に示す。
通気差腐食に対する耐食性を評価するため、半土中環境(一部を地中に埋めて使用する環境)における腐食試験を実施した。供試材より長さ300mm×幅50mmの試験片を採取した。トールビーカーに、粒の直径が6〜12mmとなる鹿沼土を前記トールビーカーの底面から200mmの高さまで満たし、前記試験片を長さ200mmまで前記鹿沼土中に埋設し、長さ100mmは地上に位置するように前記試験片を設置した後、Cl濃度が2000ppmのNaCl水溶液を液面の高さが前記トールビーカーの底面から100mmになるまで加えて、大気中にて1か月放置する腐食試験を行った。前記NaCl水溶液は1週間ごとに液面高さが前記トールビーカーの底面から100mmになるまで継ぎ足した。この腐食試験で、試験片の表面から深さ50μmを超える腐食が観察されなかったものを合格とし、深さ50μmを超える腐食が観察されたものを不合格とした。腐食の深さとしては、腐食試験後の試験片を、10質量%硝酸で洗浄して錆を除去し、前記洗浄後の試験片表面からの腐食の深い箇所5か所を目視にて選定した後、前記5か所の腐食箇所について、光学顕微鏡を用いて焦点深度法で測定し、前記5か所の腐食箇所の測定値のなかで最大となる腐食の深さ(最大腐食深さ)を採用した。なお、前記5か所の腐食箇所は、いずれも鹿沼土中に埋設した領域から選定された。結果を表1に示す。
Figure 2021091938
本発明例であるNo.1〜16はいずれも最大腐食深さが50μm以下であり、通気差腐食に対する耐食性が良好であった。一方、比較例であるNo.17は鋼中のCr含有量が本発明の範囲外であり、通気差腐食に対する耐食性が不合格であった。No.18は鋼中にCu、Moを含有しておらず、通気差腐食に対する耐食性が不合格であった。No.19は鋼中のTi含有量が本発明の範囲外であり、通気差腐食に対する耐食性が不合格であった。No.20は鋼中のMn含有量が本発明の範囲外であり、通気差腐食に対する耐食性が不合格であった。
以上の結果から、本発明によれば、酸素濃度の差によって生じる通気差腐食の抑制効果に優れ、一部を地中に埋めた環境において優れた耐食性を有するフェライト系ステンレス鋼が得られる。
(実施例2)
表1のNo.2に示す成分組成のステンレス鋼を実験室において真空溶製し、分解圧延、熱間圧延を行い板厚3.0mmの熱延板を作製した。得られた熱延板に950〜1050℃の温度で熱延板焼鈍し酸洗を行い、スケールを除去した。その後、板厚1.0mmまで冷間圧延を行った。得られたフェライト系ステンレス鋼冷延板に、表2に示す条件で、冷延板焼鈍と、電解処理を施し、供試材とした。
供試材表面のAES分析、供試材の腐食試験を実施例1と同様に実施した。結果を表2に示す。
Figure 2021091938
No.A〜Eまでは本発明の範囲内であり、通気差腐食に対する耐食性が良好であった。一方、100体積%H雰囲気で冷延板焼鈍を施したNo.Fでは、表面皮膜におけるCrのカチオン分率が低くなり、通気差腐食に対する耐食性が不合格であった。露点−20℃の雰囲気で冷延板焼鈍を施したNo.Gでは、表面皮膜におけるMnのカチオン分率に対するSiのカチオン分率およびAlのカチオン分率の合計の比が小さくなり、通気差腐食に対する耐食性が不合格であった。10質量%NaSO溶液(水溶液)中で電解処理したNo.Hでは、表面皮膜におけるCrのカチオン分率が低くなり、かつ表面皮膜におけるMnのカチオン分率に対するSiのカチオン分率およびAlのカチオン分率の合計の比が小さくなり、通気差腐食に対する耐食性が不合格であった。電解電気量50C/dmで電解処理したNo.Iでは、表面皮膜におけるMnのカチオン分率に対するSiのカチオン分率およびAlのカチオン分率の合計の比が小さくなり、通気差腐食に対する耐食性が不合格であった。冷延板焼鈍後に電解処理を行わなかったNo.Jでは表面皮膜におけるMnのカチオン分率に対するSiのカチオン分率およびAlのカチオン分率の合計の比が小さくなり、通気差腐食に対する耐食性が不合格であった。
以上の結果から、本発明によれば、酸素濃度の差によって生じる通気差腐食の抑制効果に優れ、一部を地中に埋めた環境において優れた耐食性を有するフェライト系ステンレス鋼板が得られる。
本発明によれば、たとえば、水路、井戸、ガードレール、防護柵などの土木構造物の、鋼構造材の一部を地中に埋めて使用する用途に好適な土木用フェライト系ステンレス鋼板が得られる。

Claims (5)

  1. 質量%で、
    C:0.001〜0.030%、
    Si:0.01〜1.00%、
    Mn:0.01〜0.30%、
    P:0.05%以下、
    S:0.01%以下、
    Al:0.01〜1.00%、
    Cr:18.0〜35.0%、
    Ni:0.01〜2.00%、および
    N:0.001〜0.030%を含有し、
    さらに、Ti:0.10〜0.50%、Nb:0.10〜0.50%のうちから選ばれた1種または2種と、
    Mo:0.05〜3.00%、Cu:0.05〜0.80%のうちから選ばれた1種または2種を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物である成分組成を有し、
    表面に存在する表面皮膜におけるCrのカチオン分率が0.30以上であり、かつ、Mnのカチオン分率に対するSiのカチオン分率およびAlのカチオン分率の合計の比が2.0以上であることを特徴とする土木用フェライト系ステンレス鋼板。
    ここで、上記Cr、Mn、Si、Alのカチオン分率は、それぞれ前記表面皮膜に含まれるCr、Mn、Si、AlおよびFeの原子存在量の合計に対するCr、Mn、Si、Alの原子存在量の比である。
  2. 前記成分組成が、さらに、質量%で、
    W:0〜1.00%、
    Co:0〜0.50%のうちから選ばれた1種または2種を含有することを特徴とする請求項1に記載の土木用フェライト系ステンレス鋼板。
  3. 前記成分組成が、さらに、質量%で、
    Zr:0〜0.50%、
    V:0〜0.50%、
    REM:0〜0.10%、
    B:0〜0.0100%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の土木用フェライト系ステンレス鋼板。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の土木用フェライト系ステンレス鋼板の製造方法であって、
    フェライト系ステンレス鋼冷延板に、30体積%以下の水素を含む露点−30℃以下の雰囲気中で、700〜1100℃の温度で焼鈍を行う冷延板焼鈍工程と、
    前記冷延板焼鈍工程後のフェライト系ステンレス鋼冷延焼鈍板に、5〜20質量%のHNOを含む溶液中で電気量が10〜30C/dmとなる電解処理を行う電解処理工程とを有することを特徴とする土木用フェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の土木用フェライト系ステンレス鋼板を用いてなる土木構造物。
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