JP2021089828A - 真空バルブ - Google Patents

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直紀 浅利
Naoki Asari
直紀 浅利
智博 竪山
Tomohiro Tateyama
智博 竪山
滉太 濱田
Kota Hamada
滉太 濱田
淳一 近藤
Junichi Kondo
淳一 近藤
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Abstract

【課題】三重合点における電界強度を緩和するとともに、絶縁性の向上を図ることが可能な真空バルブを提供する。【解決手段】真空バルブは、絶縁材で筒状に構成されて筒軸方向の両端に開口部をそれぞれ有する絶縁容器と、絶縁容器内に収容されて接離可能な一対の電極と、開口部にそれぞれ接合されて絶縁容器を閉塞する封着板と、開口部と封着板との接合部分と対向配置されて接合部分の電界を緩和する筒状のシールド部材とを備える。シールド部材は、各々の封着板の一方から他方側へ向けて絶縁容器内に突出するように配置された導電部と、導電部の表面部位のうち、一方の封着板から他方側へ最も突出した部位を被覆する絶縁部とを有する。【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、真空バルブに関する。
接離可能な一対の接点を筒状の真空絶縁容器(以下、単に容器ともいう)内に収納した真空バルブが知られている。かかる容器は、例えばセラミックなどの絶縁材で形成され、両端の開口部が封着板によってそれぞれ気密に閉塞されている。通常、容器の開口部と封着板は、金具を介してろう付け(一例として、銀ろう付け)などにより接合されている。このように接合された部位は、絶縁部位である容器、導電部位である銀ろう、および真空部位である容器内空間が互いに接する部位(以下、三重合点という)に当たり、真空バルブに電圧が印加された際に他の部位に比べて電界強度が高くなる。
このため、電気的な問題を防ぐべく、従来から各種の方策により三重合点の電界緩和が図られている。例えば、ステンレス鋼(SUS)などからなるシールド部材が、封着板から容器内へ突出して三重合点と対向するように配置される。シールド部材がこのように配置されることで、三重合点の電界強度が低下し、絶縁性が高められる。
特許第4703360号公報 特開2018−166066号公報 実開昭56−152045号公報
しかしながら、シールド部材の先端(容器内へ最も突出した部位)における電界強度が高くなっていくと、シールド部材の表面から電界電子が放出される。その際、真空絶縁容器の内面で沿面絶縁破壊が生じるおそれがあり、これを抑止することが求められる。
そこで、三重合点における電界強度を緩和するとともに、絶縁性の向上を図ることが可能な真空バルブを提供する。
実施形態の真空バルブは、絶縁材で筒状に構成されて筒軸方向の両端に開口部をそれぞれ有する絶縁容器と、絶縁容器内に収容されて接離可能な一対の電極と、開口部にそれぞれ接合されて絶縁容器を閉塞する封着板と、開口部と封着板との接合部分と対向配置されて接合部分の電界を緩和する筒状のシールド部材とを備える。シールド部材は、各々の封着板の一方から他方側へ向けて絶縁容器内に突出するように配置された導電部と、導電部の表面部位のうち、一方の封着板から他方側へ最も突出した部位を被覆する絶縁部とを有する。
実施形態に係る真空バルブの概略的な構成を示す断面図。 実施形態に係る真空バルブの電界緩和シールドの概略的な構成を示す断面図。 比較例(比較例1)に係る真空バルブにおける三重合点近傍の等電位分布を模式的に示す図。 別の比較例(比較例2)に係る真空バルブにおける三重合点近傍の等電位分布を模式的に示す図。 実施形態に係る真空バルブにおける三重合点近傍の等電位分布を模式的に示す図。 比較例1、比較例2、および本実施形態における三重合点近傍の電界強度をそれぞれ示す図。 第2の実施形態に係る真空バルブの電界緩和シールドの概略的な構成を示す断面図。 第3の実施形態に係る真空バルブの電界緩和シールドの概略的な構成を示す断面図。 第4の実施形態に係る真空バルブの電界緩和シールドの概略的な構成を示す断面図。 第5の実施形態に係る真空バルブの電界緩和シールドの概略的な構成を示す断面図。 第5の実施形態の変形例(変形例1)に係る真空バルブの電界緩和シールドの概略的な構成を示す断面図。 第5の実施形態の別の変形例(変形例2)に係る真空バルブの電界緩和シールドの概略的な構成を示す断面図。 実施形態に係る真空バルブの外表面をモールド部で被覆した場合の概略的な構成を示す断面図。
以下、実施形態に係る真空バルブについて、図1から図13を参照して説明する。なお、以下の説明においては、図1に矢印Upで示す方向を上、その反対方向を下としてそれぞれ規定する。これらの方向は、真空バルブが実装された状態での方向と一致していてもよいし、異なっていてもよい。真空バルブは、例えば電力の配送電系統における電路の保護、電力の制御、設備の監視などを目的に設置される真空遮断器などに備えられ、電流を遮断するスイッチとして利用される。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の真空バルブ1の概略的な構成を示す断面図である。真空バルブ1は、絶縁容器2と、絶縁容器2に収容された電極3を備えている。絶縁容器2は、絶縁材で筒状に構成され、筒軸(軸芯C)方向の両端に開口部21(第1の開口部21aおよび第2の開口部21b)をそれぞれ有している。絶縁容器2は、後述するアークシールド4の突起42を境に第1の容器2aと第2の容器2bに分離可能とされている。絶縁材としては、アルミナ(Al)などのセラミックを適用できるが、これに限定されない。開口部21は、封着板22で気密に閉塞されている。具体的には、第1の開口部21aが第1の封着板22aで閉塞され、第2の開口部21bが第2の封着板22bで閉塞されている。これにより、絶縁容器2の内部20は真空状態とされている。封着板22は、アルミニウムやステンレス鋼(SUS)などの金属材料で形成可能であるが、これらに限定されない。封着板22は、略円板状をなし、軸芯Cと同軸状に配置されている。
電極3は、その位置が変動しない(変位しない)固定電極3aと、固定電極3aに対して変位する可動電極3bが一対をなして構成されている。電極3は、導電材、例えばアルミニウム、クロム銅などで形成可能であるが、これらに限定されない。電極3は、例えば円柱状に構成され、コイルと、当該コイルに連結された接点などを含む。可動電極3bは、固定電極3aに対して接離可能に変位(本実施形態では上下動)する。これにより、固定電極3aと可動電極3bとの間が導電状態と絶縁状態に遷移される。導電状態は電極3a,3bが接触(閉極)した状態であり、絶縁状態は電極3a,3bが分離(開極)した状態である。絶縁状態には、固定電極3aと可動電極3bが接触して形成される回路の遮断状態や断路状態が含まれる。
固定電極3aと可動電極3bの周囲には、これらの電極3a,3bを取り囲むように筒状のシールド部材(以下、アークシールドという)4が配置されている。アークシールド4は、開極状態において固定電極3aと可動電極3bの間にアークが生じた際、アークによる金属溶融物の飛散を防ぎ、金属溶融物が内周面23に付着して絶縁容器2の絶縁性能が低下することを抑制する。アークシールド4は、例えばステンレス鋼(SUS)や銅などで形成可能であるが、これらに限定されない。アークシールド4は、外周面41から絶縁容器2に向けて突出する突起42を有している。突起42は、例えば外周面41の全周に亘って連続し、絶縁容器2(第1の容器2aおよび第2の容器2b)に接合されている。
固定電極3aには第1の通電軸5aが接続され、可動電極3bには第2の通電軸5bが接続されている。第1の通電軸5aおよび第2の通電軸5bは、導電材、例えばアルミニウム、銅などで形成可能であるが、これらに限定されない。第1の通電軸5aおよび第2の通電軸5bは、いずれも軸芯Cと同軸状に伸びている。
第1の通電軸5aは、固定電極3aとの接続部51aから第1の封着板22aへ向けて伸び、第1の封着板22aの孔部221から絶縁容器2(第1の容器2a)の外部へ突出している。孔部221は、第1の封着板22aの中心部を貫通している。第1の通電軸5aは、孔部221において第1の封着板22aと接合され、第1の封着板22a、端的には真空バルブ1における位置が固定されている。
第2の通電軸5bは、可動電極3bとの接続部51bから第2の封着板22bへ向けて伸び、第2の封着板22bの孔部222から絶縁容器2(第2の容器2b)の外部へ突出している。孔部222は、第2の封着板22bの中心部を貫通している。第2の通電軸5bは、可動電極3bとともに軸芯C方向へ進退する。したがって、第2の通電軸5bと孔部222との間には、孔部222において第2の通電軸5bの変位(軸芯C方向への進退)を許容する空隙223が形成されている。換言すれば、第2の通電軸5bの軸径は、孔部222の孔径よりも小さい。第2の通電軸5bには、第2の通電軸5bを軸芯C方向へ進退可能に支持するとともに、空隙223を気密に封止するベローズ6が取り付けられている。
ベローズ6は、軸芯C方向へ伸縮可能な蛇腹状に構成されている。ベローズ6の一端6aは、第2の封着板22bに接合されている。ベローズ6の他端6bは、第2の通電軸5bに接合されている。なお、ベローズ6の他端6bは、他端6bを覆うカバー(図示省略)を介して第2の通電軸5bに接合されていてもよい。このようなカバーの装着により、例えばアークによって飛散する金属溶融物がベローズ6に付着することを抑制できる。
第2の通電軸5bは、絶縁容器2の外部へ突出した部分が進退機構(図示省略)に接続されており、進退機構によって動作されることで、軸芯C方向へ進退(図1においては上下動)する。これにより、可動電極3bが固定電極3aに対して接離するように変位し、電極3a,3b間が導電状態と絶縁状態に遷移する。進退機構は、非常時や点検時などに自動もしくは手動により動作される。
開口部21(第1の開口部21aおよび第2の開口部21b)を規定する絶縁容器2の端部と、封着板22(第1の封着板22aおよび第2の封着板22b)とは、封着金具24を介して接合されている。封着金具24は、絶縁容器2の内径とほぼ同等の差渡し径を有する環状の部材であり、アルミニウムやステンレス鋼(SUS)などの金属材料で形成可能であるが、これらに限定されない。
封着板22と封着金具24は、例えば銀、金、銅などによりろう付けされている。これに対し、絶縁容器2と封着金具24は、次のように接合されている。絶縁容器2の端部には、封着金具24を接合するための接合部25が形成されている。接合部25は、例えば絶縁容器2の端面26にメタライズ層、めっき層、ろう層などが積層して形成される。メタライズ層はモリブデン−マンガン、めっき層はニッケル、ろう層は銀、金、銅などによりそれぞれ形成可能であるが、これらに限定されない。接合部25の厚さ(図1にDで示す端面26からの積層高さ)は、例えば0.5mm程度である。
封着金具24および接合部25を含む絶縁容器2(開口部21)と封着板22とを接合する部分は、導電部位であり、絶縁部位である絶縁容器2および真空部位である絶縁容器2の内部空間と相互に接する部分(以下、三重合点Aという)に相当する。したがって、真空バルブ1に電圧が印加された際、三重合点Aの電界強度は、他の部位に比べて高くなる。
このため、三重合点Aの電界強度を緩和させるべく、真空バルブ1は、シールド部材(以下、電界緩和シールド)7を備えている。電界緩和シールド7は、筒状に構成され、絶縁容器2の内部20に三重合点Aと対向して配置されている。電界緩和シールド7の筒軸は、絶縁容器2の軸芯Cと同軸状に伸びている。
電界緩和シールド7は、各々の封着板22から他方の封着板22側へ向けて突出している。具体的には、電界緩和シールド7aは、第1の封着板22aから第2の封着板22bの方へ向けて(本実施形態では下方へ)突出している。電界緩和シールド7bは、第2の封着板22bから第1の封着板22aの方へ向けて(本実施形態では上方へ)突出している。
図2は、電界緩和シールド7の概略的な構成を示す断面図である。電界緩和シールド7は、導電部分である導電部8と絶縁部分である絶縁部9を含んで構成されている。導電部8と絶縁部9は、径方向に積層している。なお、図2には、電界緩和シールド7の一例として上側の電界緩和シールド7aの構成を示すが、下側の電界緩和シールド7bについても配置が上下逆向きであることを除き、基本的な構成は同様である。
導電部8は、電界緩和シールド7の本体を構成する部分(基部)であり、アルミニウムやステンレス鋼(SUS)などの金属材料(導電材)で形成可能であるが、これらに限定されない。導電部8は、例えば銀、金、銅などにより封着板22(第1の封着板22aおよび第2の封着板22b)にろう付けされ、封着板22から絶縁容器2の内部20に突出するように配置されている。導電部8の厚さ(径方向の寸法(肉厚))は、例えば1mm程度である。
本実施形態において、導電部8は、封着板22から伸びる筒部81と、筒部81と一体に連続する折返し部82を有している。
筒部81は、封着板22との接合部分から筒状に伸びて突出した部分である。筒部81は、各々の封着板22の一方(例えば第1の封着板22a)から他方(例えば第2の封着板22b)側へ向けて絶縁容器2内に突出している。折返し部82は、筒部81の突出端に連続し、筒部81の突出方向とは逆方向に折り返した部分である。本実施形態では一例として、折返し部82は、所定の曲率で湾曲している。折返し部82の折返し方向は、外から内へ向かう方向、換言すれば、後述する導電部8の第1面801側から第2面802側へ向かう方向である。内外は、導電部8の径方向に対して軸芯Cに近づく向きが内、離れる向きが外として規定される。折返し部82の折返し長さは、例えば筒部81が突出する封着板22(図2の例では第1の封着板22a)まで達することなく、その手前でとどまる長さであればよいが、特に限定されない。
絶縁部9は、導電部8の少なくとも一部を絶縁材で被覆した部分であり、電界緩和シールド7の導電部分である導電部8に対する絶縁部分である。具体的には、導電部8の表面部位のうち、封着板22(第1の封着板22aもしくは第2の封着板22b)から筒軸(軸芯C)方向へ最も突出した部位を全周に亘って、絶縁部9は覆っている。本実施形態において、絶縁部9は、筒軸(軸芯C)方向および周方向にそれぞれ点在しない一続きの被膜である。絶縁部9は、所定の絶縁材、例えばAl(アルミナ)、Y(酸化イットリウム)、ZrO(ジルコニア)のいずれかで形成可能である。
絶縁部9は、導電部8の第1面801に配置されている。導電部8の第1面801は、導電部8が封着板22から突出する部分(接合部分)における絶縁容器2の内周面23寄りの部位8pから連続する面部(一連の面)として規定される。本実施形態において、導電部8の第1面801は、筒部81における平坦面81sと折返し部82における湾曲面82sにより規定される。平坦面81sは、絶縁容器2の内周面23と対向する面であり、本実施形態では筒部81の外周面に当たる。湾曲面82sは、平坦面81sに連続する面であり、本実施形態では折返し部82の表面で湾曲する面のうち、曲率の小さな面に当たる。導電部8の第2面802は、第1面801(本実施形態では平坦面81sおよび湾曲面82s)の背面として規定される。第1面801と第2面802は、第3面803を介して連続している。第3面803は、折返し部82の折返しの突端面、換言すれば折返し部82の表面で曲率の異なる二つの湾曲面の間に介在する面として規定される。
本実施形態では、図2に示すように、第1面801の全面が絶縁部9で被覆されており、第2面802および第3面803は絶縁部9で被覆されずにそのまま露出している。別の捉え方をすれば、絶縁部9は、封着板22から絶縁容器2の内部20に突出するように配置され、導電部8の表面部位の一部を被覆している。図2に示す例では、絶縁部9の第1面901の全面が導電部8で被覆されており、第2面902および第3面903は導電部8で被覆されずにそのまま露出している。絶縁部9の第1面901は、絶縁部9が封着板22から突出する部分における筒軸(軸芯C)寄りの部位9pから連続する面部(一連の面)として規定される。絶縁部9の第2面902は、第1面901の背面として規定される。絶縁部9の第3面903は、第1面901と第2面902との間に介在する面(絶縁部9の先端面)として規定される。
このように電界緩和シールド7が絶縁部9を有することで、三重合点Aの電界強度を緩和させることに加え、電界緩和シールド7の先端71からの電界電子の放出を抑制することができる。電界緩和シールド7の先端71は、導電部8の表面部位のうち、封着板22から軸芯C方向へ(一方の封着板22から他方の封着板22側へ)最も突出した部位(伸長端)である。本実施形態では、折返し部82の湾曲面82sの最頂部位である。別の捉え方をすれば、湾曲面82sにおいて法線が軸芯Cと平行となる部位、換言すると接線の傾きがゼロとなる部位である。なお、先端71に相当するこれらの部位には、当該部位だけでなくその近傍も含まれる。
電界緩和シールド7の先端71からの電界電子の放出を抑制するためには、絶縁部9は先端71を少なくとも被覆していればよい。これにより、絶縁容器2の内周面23における絶縁性を高め、内周面23で沿面絶縁破壊が生じることを抑制可能となる。ただし、先端71からの電界電子の放出の抑制効果をより高めるためには、先端71を含む導電部8の第1面801の大部分を絶縁部9で被覆することが好ましい。
ここで、電界緩和シールド7を設けた場合における三重合点Aの電界緩和効果を所定の比較例と比較する。
図3から図5には、三重合点A近傍の等電位分布を比較結果として示す。図3に示す比較例1は、電界を緩和するためのシールド部材を設けていない場合の等電位分布である。図4に示す比較例2は、電界を緩和するためのシールド部材7xを設けた場合の等電位分布である。この場合、シールド部材7xは、導電部8に相当する部分のみで構成され、絶縁部9に相当する部分を有していない。導電部8に相当する部分は、筒部81および折返し部82(図2参照)と同等に構成されている。図5には、本実施形態に係る電界緩和シールド7を設けた場合の等電位分布を示す。三重合点Aは、図1に示すような封着金具24および接合部25を含む絶縁容器2(開口部21)と封着板22とを接合する部分、絶縁容器2、および絶縁容器2の内部空間とが相互に接する部分と同等の部分である。
図6には、比較例1(G1)、比較例2(G2)、および本実施形態(G3)における三重合点Aの電界強度をそれぞれ示す。
図3に示すように、比較例1においては、比較例2および本実施形態と比べて三重合点A近傍の等電位線E1の間隔が狭く、密になっている。すなわち、比較例1の三重合点A近傍の電界は、比較例2および本実施形態よりも高い。これに対し、図4および図5に示すように、比較例2および本実施形態においては、三重合点A近傍の等電位線E2,E3の間隔が比較例1よりも広く、ほぼ同等の等電位分布となっている。したがって、図6に示すように、本実施形態の三重合点Aの電界強度は、比較例2と同等であり、比較例1の20%程度に抑制されている。
すなわち、本実施形態の電界緩和シールド7のように導電部8を絶縁部9で被覆した場合であっても、絶縁部9で被覆されていない導電部8のみのシールド部材7xと同等の電界緩和効果を得ることができる。加えて、上述したように絶縁部9による電界緩和シールド7の先端71からの電界電子の放出抑制効果をもつため、本実施形態は、比較例2と比べて絶縁容器2の内周面23における絶縁性が高く、内周面23で沿面絶縁破壊の抑制効果の向上を図ることができる。
導電部8および絶縁部9を有する電界緩和シールド7の製造方法は、特に限定されない。例えば、導電部8をまず成形し、成形した導電部8に絶縁部9を設ければよい。あるいは、絶縁部9をまず成形し、成形した絶縁部9に導電部8を設けてもよい。
具体的には、次のような製造方法を適用可能である。まず、例えばアルミニウムやステンレス鋼などの平面形状が四辺形の金属板を曲げ加工して導電部8(筒部81および折返し部82)を成形する。この場合には、筒部81および折返し部82をほぼ均一の厚さ、例えば1mm程度の肉厚とする。その際、金属板の一辺近傍を所定の曲率で湾曲させて折返し部82を成形し、折返し部82と交差する当該金属板の二辺を接合させて筒状として筒部81を成形すればよい。これにより、所定の差渡し径(内径)の筒部81と、所定の曲率で湾曲する折返し部82を有する導電部8が成形される。そして、成形した導電部8に所定の絶縁材を例えば溶射し、第1面801に絶縁部9を設ければよい。
また、例えばAl(アルミナ)、Y(酸化イットリウム)、ZrO(ジルコニア)などの絶縁材を切削加工して絶縁部9を成形し、成形した絶縁部9に所定の導電材をめっきや溶射して第1面901に導電部8(筒部81および折返し部82)を設けてもよい。
なお、電界緩和シールド7(導電部8および絶縁部9)の製造方法はこれらに限定されず、任意の方法を適用可能である。導電部8と絶縁部9の厚さは、三重合点Aの電界緩和効果および電界電子の放出抑制効果を奏する限り、一方が他方よりも肉厚であってもよいし、同等であってもよい。
本実施形態では、図2に示すように導電部8の第1面801の全面が絶縁部9で被覆され、第2面802および第3面803が絶縁部9で被覆されずにそのまま露出している。上述したように、絶縁部9は先端71を少なくとも被覆していればよいため、図2に示す態様とは異なる態様であってもよい。以下、これらの態様の具体例を第2の実施形態から第4の実施形態として説明する。第2の実施形態から第4の実施形態において、絶縁部以外の真空バルブの基本的な構成は、第1の実施形態(図1)と同様である。したがって、第1の実施形態と同一もしくは類似の構成については、図面上で同一符号を付して説明を省略する。以下では、第1の実施形態に係る絶縁部9と異なる態様について説明する。
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態に係る電界緩和シールド70aの概略的な構成を示す断面図である。図7に示すように、本実施形態に係る電界緩和シールド70aは、第1の実施形態に係る導電部8と同等の導電部8と、絶縁部90aを含んで構成されている。絶縁部90aは、導電部8の第1面801の一部を被覆している。第1面801の一部には、先端71が含まれる。図7には、絶縁部90aの一端91aを封着板22と接触させず、他端92aを第1面801の周縁まで到達させた(他端92aを第3面803と面一とした)態様を一例として示すが、一端91aおよび他端92aの位置はこれに限定されない。導電部8の第2面802および第3面803は、絶縁部9で被覆されずにそのまま露出している。
(第3の実施形態)
図8は、第3の実施形態に係る電界緩和シールド70bの概略的な構成を示す断面図である。図8に示すように、本実施形態に係る電界緩和シールド70bは、第1の実施形態に係る導電部8と同等の導電部8と、絶縁部90bを含んで構成されている。絶縁部90bは、導電部8の第1面801および第3面803の全て(全領域)を被覆している。導電部8の第2面802は、絶縁部9で被覆されずにそのまま露出している。
(第4の実施形態)
図9は、第4の実施形態に係る電界緩和シールド70cの概略的な構成を示す断面図である。図9に示すように、本実施形態に係る電界緩和シールド70cは、第1の実施形態に係る導電部8と同等の導電部8と、絶縁部90cを含んで構成されている。絶縁部90cは、導電部8の第1面801、第2面802、および第3面803の全て(全領域)を被覆している。なお、図9に示す例では、図2、図7および図8に示す第1から第3の実施形態とは異なり、絶縁部90cを導電部8よりも薄肉としている。
上述した第1の実施形態から第4の実施形態においては、導電部8は筒部81と折返し部82を有しているが、折返し部82は省略してもよい。このように折返し部82を省略した態様の具体例を第5の実施形態として説明する。第5の実施形態において、導電部および絶縁部以外の真空バルブの基本的な構成は、第1の実施形態(図1)と同様である。したがって、第1の実施形態と同一もしくは類似の構成については、図面上で同一符号を付して説明を省略する。以下では、第1の実施形態に係る導電部8および絶縁部9と異なる態様について説明する。
(第5の実施形態)
図10は、第5の実施形態に係る電界緩和シールド70dの概略的な構成を示す断面図である。図10に示すように、本実施形態に係る電界緩和シールド70dは、導電部80と絶縁部90dを含んで構成されている。導電部80は、封着板22との接合部分から筒状に伸びて突出している。すなわち、導電部80は、その全体が第1の実施形態に係る導電部8の筒部81とほぼ同様の構成をなす。導電部80の突出端80aは、所定の曲率で湾曲した湾曲面80sを有している。導電部80の第1面801は、封着板22から突出する部分(封着板22との接合部分)における絶縁容器2の内周面23寄りの部位80pから連続する面部(一連の面)として規定される。すなわち、導電部80の第1面801は、封着板22との接合部分以外の平坦面80bおよび湾曲面80sを含む面として規定される。
電界緩和シールド70dの先端71は、導電部80の表面部位のうち、封着板22から軸芯C方向へ(一方の封着板22から他方の封着板22側へ)最も突出した部位(伸長端)、つまり突出端80aである。本実施形態では、湾曲面80sの最頂部位である。別の捉え方をすれば、湾曲面80sにおいて法線が軸芯Cと平行となる部位、換言すると接線の傾きがゼロとなる部位である。なお、先端71に相当するこれらの部位には、当該部位だけでなくその近傍も含まれる。
絶縁部90dは、導電部80の第1面801の一部を被覆している。第1面801の一部には、先端71が含まれる。図10には、湾曲面80sのみを被覆させた態様を示す。絶縁部90dの一端91dおよび他端92dの位置はこれに限定されない。
例えば、図11に示す変形例1のように、絶縁部90dの一端91dを封着板22と接触させ、他端92dを封着板22と接触させなくともよい。この場合、一端91dは第1面801の周縁まで到達しており、他端92dは第1面801の周縁まで到達していない。また、図12に示す変形例2のように、導電部80の第1面801の全て(全領域)を絶縁部90dで被覆させてもよい。この場合、絶縁部90dの一端91dおよび他端92dは、いずれも第1面801の周縁まで到達している。
以上、本発明の各実施形態(変形例を含む)を説明したが、上述した各実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
上述した第1の実施形態から第5の実施形態においては、真空バルブ1の外表面は露出されている。これに代えて、真空バルブ1の外表面をエポキシ樹脂などの絶縁材で覆ってもよい。この場合、例えばエポキシ樹脂などの絶縁材を注型し、図13に示すように、真空バルブ1(絶縁容器2、封着板22、封着金具24、接合部25)の外表面を被覆するモールド部Mを形成すればよい。
1…真空バルブ、2…絶縁容器、3…電極、3a…固定電極、3b…可動電極、4…アークシールド、5a…第1の通電軸、5b…第2の通電軸、6…ベローズ、7(7a,7b,70a,70b,70c,70d)…電界緩和シールド、7x…シールド部材、8(80)…導電部、9(90a,90b,90c,90d)…絶縁部、20…絶縁容器の内部、21(21a,21b)…開口部、22(22a,22b)…封着板、23…絶縁容器の内周面、24…封着金具、25…接合部、26…絶縁容器の端面、71…電界緩和シールドの先端、81…筒部、81s…平坦面、82…折返し部、82s…湾曲面、221,222…封着板の孔部、223…空隙、801…導電部の第1面、802…導電部の第2面、803…導電部の第3面、901…絶縁部の第1面、902…絶縁部の第2面、903…絶縁部の第3面、A…三重合点、C…軸芯、D…接合部の厚さ、E1,E2,E3…等電位線、M…モールド部。

Claims (7)

  1. 絶縁材で筒状に構成され、筒軸方向の両端に開口部をそれぞれ有する絶縁容器と、
    前記絶縁容器内に収容され、接離可能な一対の電極と、
    前記開口部にそれぞれ接合され、前記絶縁容器を閉塞する封着板と、
    前記開口部と前記封着板との接合部分と対向配置され、前記接合部分の電界を緩和する筒状のシールド部材と、を備え、
    前記シールド部材は、
    各々の前記封着板の一方から他方側へ向けて前記絶縁容器内に突出するように配置された導電部と、
    前記導電部の表面部位のうち、一方の前記封着板から前記他方側へ最も突出した部位を被覆する絶縁部と、を有する
    真空バルブ。
  2. 前記絶縁部は、前記導電部が前記封着板から突出する部分における前記絶縁容器の内周面寄りの部位から連続する面部を被覆する
    請求項1に記載の真空バルブ。
  3. 前記絶縁部は、各々の前記封着板の一方から他方側へ向けて前記絶縁容器内に突出するように配置され、
    前記導電部は、前記絶縁部が前記封着板から突出する部分における前記絶縁容器の筒軸寄りの部位から連続する面部を被覆する
    請求項1に記載の真空バルブ。
  4. 前記絶縁部は、点在しない一続きの被膜である
    請求項1から3のいずれか一項に記載の真空バルブ。
  5. 前記導電部は、前記封着板から筒状に突出する筒部と、前記筒部の突出端に連続し、前記筒部の突出方向とは逆方向に所定の曲率で湾曲して折り返した折返し部と、を有する
    請求項4に記載の真空バルブ。
  6. 前記絶縁部は、Al、Y、ZrOのいずれかを含んで構成される
    請求項5に記載の真空バルブ。
  7. 絶縁材で構成されて外表面を被覆するカバーをさらに備える
    請求項6に記載の真空バルブ。
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