JP7170499B2 - 真空バルブ - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、真空バルブに関する。
一般的に、固体絶縁スイッチギヤは、電路の遮断を行う遮断部を有する。この遮断部として、真空バルブが知られている。真空バルブは、絶縁筒と封着金具とを有する真空容器内に固定側通電棒に固定されている固定側電極と可動側通電棒に固定されている可動側電極とが対向に配置される。そして、この一対の固定側電極及び可動側電極を取り囲むように、円筒状のアークシールドが設けられている。
このような真空バルブは、固定側電極と可動側電極とが収容された真空容器内を真空とすることにより、真空が有する高い絶縁性能と消弧性能を得ることができるので、他の開閉装置等と比較して、小型化が可能となる。
真空バルブの絶縁筒としては、絶縁性能、機械的性能及びガスバリアに優れたセラミックス製の絶縁碍管が使用される。絶縁筒の端部は、封着金具と接合させるために、表面に金属膜を形成するメタライズ処理が施されている。そして、メタライズ処理された部分と、封着金具とを金属のろう材によりろう付けすることにより、真空容器の内部の気密状態を実現している。
但し、封着金具による絶縁筒との封着部分においては、金属のろう材、セラミックスの絶縁体及び周囲の空気が接する三重点が形成される。この三重点を形成する三種の材料は、互いに比誘電率の差が大きい。このため、互いが接する点において等電位線の歪み、集中が発生し易くなり、電界強度が非常に高くなる。
すると、真空バルブを空気や絶縁ガス中に配置する場合、空気及び絶縁ガスは真空と比較して絶縁性能が低いので、固定側の封着部分と可動側の封着部分との間で、真空バルブの外部を構成している面である沿面を介して、絶縁破壊する可能性が高い。また、真空バルブの沿面には、使用環境によっては、飛来してきた汚損物が真空バルブの沿面に付着する。このような汚損物は、導電性を有する場合が多いため、真空バルブの沿面の絶縁性能が低下する。これに対処するため、真空バルブの絶縁筒の外周にゴムなどの絶縁物を装着させて、真空バルブの沿面の絶縁距離を延長させて、絶縁性能を向上させることが行われている。
特開2014-186879号公報
しかし、真空バルブの絶縁筒の外周に絶縁物を装着する場合、絶縁筒と絶縁物の境界に接着不良等により空隙ができる可能性がある。この空隙が、封着金具の近傍に存在していたり、連続的に存在したりする場合、実質的に外周面が絶縁物で覆われていない部分が生じ、沿面絶縁距離を延長させる効果が低減する。一方、空隙が生じないように絶縁物を一様に密着させることは困難である。また、絶縁物を外周に装着すると、真空バルブ全体が大型化する。
本実施形態は、絶縁破壊を防止できるとともに、大型化を抑制できる真空バルブを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本実施形態の真空バルブは、絶縁筒の両端が封着金具により封止された真空容器と、前記真空容器内に、接離可能に対向配置された一対の電極と、前記絶縁筒と前記封着金具との接合部の外周を、空隙をおいて覆うように設けられた絶縁部材と、を有する。
第1の実施形態に係る真空バルブの全体構成を示す断面図である。 図1の実線の丸で囲った箇所の拡大断面図である。 絶縁部材を絶縁筒に被せて接着した例の拡大断面図である。 絶縁部材を絶縁筒にねじ固定した例の拡大断面図である。 絶縁部材の外径を絶縁筒よりも大きくした例の拡大断面図である。 絶縁筒が面取りされた形状を有する例の拡大断面図である。 封着部の外縁を絶縁筒の外縁から離隔させた例の拡大断面図である。 封着金具を絶縁筒内に嵌め込んだ例の拡大断面図である。
以下、実施形態に係る真空バルブについて図面を参照しつつ詳細に説明する。
(構成)
まず、実施形態の真空バルブの全体構成について説明する。図1は、開路状態の真空バルブ1の全体構成を示す断面図である。図2は、図1の丸で囲った部分の拡大図である。真空バルブ1は、真空の中で電路の導通、遮断を行う装置である。この真空バルブ1は、図1に示すように、真空容器2、通電棒3、電極4、ベローズ5、アークシールド6、内部シールド7、絶縁部材8を有する。
この真空バルブ1は、概略円筒形状の真空容器2内に、一対の電極4が対向に配置されている。対向する電極4は、固定側電極4Aと可動側電極4Bであり、可動側電極4Bを軸Xに沿って移動させることで、可動側電極4Bを固定側電極4Aに接離させる。本実施形態において、軸Xは、真空容器2、固定側電極4A、可動側電極4Bに共通である。この可動側電極4Bが固定側電極4Aと接触している場合には、導通となり、電路は閉路状態となる。一方、可動側電極4Bが固定側電極4Aと離間すると、電流は遮断され、電路は開路状態となる。なお、以下の説明では、固定側電極4Aが配置された側を固定側、可動側電極4Bが配置された側を可動側とする。
真空容器2は、密閉された空間が真空である容器である。真空とは、これに限られないが、例えば、10-2Pa以下であることが望ましい。この真空容器2は、絶縁筒21及び封着金具22を有する。絶縁筒21は、両端が開口した円筒形状を有する。本実施形態では、絶縁筒21は、2つの絶縁碍管211、212を有する。絶縁碍管211及び絶縁碍管212は、同軸に積み重ねられ、互いの端部がステンレスなどによって接合されている。絶縁碍管211、212は、絶縁性を有する材質、例えば、セラミックスや硝子によって形成されている。
図2に示すように、絶縁筒21の端部の外周縁は、軸Xに沿う方向の断面がL字形となるように、全周に亘って切り欠かれることにより縮径されている。これにより、絶縁筒21の端部には、第1の周面21aと、台面21bが形成されている。第1の周面21aは、絶縁筒21の外周面よりも径の小さい筒の周面である。台面21bは、第1の周面21aに直交するリング状の平面である。この第1の周面21aと台面21bによって、L字形の断面が形成される。
絶縁筒21の端部には、メタライズ処理が施されている。メタライズ処理は、セラミックスなどの非金属の表面に金属膜を形成する処理である。但し、このメタライズ処理は、絶縁筒21の縮径された端部にのみ形成されている。つまり、第1の周面21a及び台面21bには、メタライズ処理がなされていない。以上の絶縁筒21の端部の形状及びメタライズ処理は、固定側と可動側で共通である。
封着金具22は、絶縁筒21の固定側及び可動側の両端の開口を塞ぐ部材である。封着金具22は、円盤形状の外周を、全周に亘って湾曲させて立ち上げた形状を有する。この封着金具22の外縁が、絶縁筒21の両端の開口を塞ぎ、メタライズ処理された端面に、金属のろう材によりろう付けされている。これにより、絶縁筒21の両端は封着金具22は気密に封止され、真空容器2の内部が密閉される。このろう材は、絶縁筒21のメタライズ処理された端部の縁まで達して、封着部9を形成している。封着部9の外縁は、台面21bには達していない。なお、以下の説明では、固定側を固定側封着金具22A、固定側封着部9A、可動側を可動側封着金具22B、可動側封着部9Bと呼ぶ。
通電棒3は、銅などの導電性を有する材質により構成された一対の導体であり、例えば、円柱形状を有する。一対の通電棒3は、固定側通電棒3A及び可動側通電棒3Bである。封着金具22の中心は開口しており、通電棒3は、真空容器2外からこの開口を貫通し、その一方の端部が真空容器2内に延びている。一対の固定側通電棒3A及び可動側通電棒3Bは、軸Xと共通の軸を有する。また、固定側通電棒3A及び可動側通電棒3Bは、対向に配置される。
固定側通電棒3Aの外径は、封着金具22Aの開口の内径と概略同一径である。固定側通電棒3Aは、固定側封着金具22Aの開口と金属のろう材によりろう付けされることにより、固定側封着金具22Aに気密に固定されて支持されている。一方、可動側通電棒3Bの外径は、可動側封着金具22Bの開口の内径よりやや小さい。やや小さいとは、可動側通電棒3Bが、可動側封着金具22Bの開口を軸Xに沿って移動できる程度に小さければよい。即ち、可動側通電棒3Bは、可動側封着金具22Bの開口に遊貫している。
ベローズ5は、伸縮可能な蛇腹状の伸縮管であり、金属等の材料からなる。このベローズ5は真空容器2内に設けられている。ベローズ5の内部は、可動側通電棒3Bが貫通している。ベローズ5の一方端部は、可動側封着金具22Bの開口を覆うように可動側封着金具22Bと金属のろう材によるろう付けにより固定されている。即ち、ベローズ5の外径は、可動側封着金具22Bの開口の内径より大きい。一方、ベローズ5の他方端部は、可動側通電棒3Bと金属のろう材によるろう付けにより気密に固定されている。つまり、ベローズ5は、封着金具22Bと可動側通電棒3Bとに固定されることで、可動側封着金具22Bの開口から流入してくる大気をベローズ5内部に留める。これにより、真空容器2内に大気が流入することを防止でき、真空容器2内の真空が保持される。
ベローズ5の可動側通電棒3Bと接合している端部側に、ベローズカバー10が設けられている。このベローズカバー10は、金属粒子がベローズ5に付着することを防止する。具体的には、電流遮断時に発生するアークにより、固定側電極4A及び可動側電極4Bの表面は蒸発し、金属粒子が発生する。この金属粒子がベローズ5に付着するとその部分に亀裂が入り、真空容器2内の真空を保つことができなくなるおそれがある。ベローズカバー10に金属粒子を付着させることで、ベローズ5に金属粒子が付着することを防止している。
固定側電極4A及び可動側電極4Bは、銅などの導電性を有する材質により構成された、例えばスパイラル電極である。スパイラル電極は、円盤状の電極で外周部から延びた複数のスリットを有することで、スリットにより部分的に区画された複数の腕部を有し、渦巻き状の形状となっている電極である。なお、固定側電極4A及び可動側電極4Bはスパイラル電極に限らず、縦磁界電極、平板電極など種々のものが使用できる。
固定側電極4Aは、真空容器2内に延びた固定側通電棒3Aの端面と接し、金属のろう材によるろう付けによって固着される。一方、可動側電極4Bは、可動側通電棒3Bの端面と接し、金属のろう材によるろう付けにより固着される。即ち、固定側電極4Aと可動側電極4Bは、対向に配置される。この固定側電極4Aと可動側電極4Bが接離することで、電流の導通又は遮断を行う。
アークシールド6は、ステンレス鋼、銅又は銅クロム合金などの材質からなり、両端が開口した円筒形状を有する。アークシールド6は、真空容器2内に、固定側電極4A及び可動側電極4Bを取り囲むように軸X方向に設けられている。アークシールド6の軸X方向の長さは少なくとも、固定側電極4A及び可動側電極4Bの軸X方向の厚みと固定側電極4A及び可動側電極4Bの開路状態の隙間の距離を足した以上の長さを有する。
アークシールド6は、金属粒子が絶縁筒21に付着し、絶縁性能が低下することを防止する。具体的には、電流遮断時に発生するアークにより発生する金属粒子が絶縁筒21に付着すると真空容器2の絶縁性能は低下してしまう。アークシールド6は、固定側電極4A、可動側電極4Bを取り囲むように設けられているので、金属粒子をアークシールド6に付着させ、絶縁筒21に付着することを防止する。
内部シールド7は、封着金具22の内部に設けられた筒状体である。内部シールド7の外周は、絶縁筒21の端部の封着部9から空隙をおいて配設されている。内部シールド7の端部は、軸X側に湾曲するように折り込まれている。内部シールド7は、真空容器2の内部において、封着金具22と絶縁筒21との接合部分の電界を緩和する。内部シールド7は、固定側が固定側内部シールド7A、可動側が可動側内部シールド7Bである。
絶縁部材8は、絶縁筒21と封着金具22との接合部分の外周を、空隙をおいて覆うように設けられている。絶縁部材8は、絶縁性の材料により形成された円筒形状の部材である。
絶縁部材8の外径は、絶縁筒21の外径と同一である。絶縁部材8の一端は、断面がL字形となるように、軸X側に環状に突出した突出縁81となっている。絶縁部材8の他端は、絶縁筒21の台面21bに搭載されて、接着剤による接着等により固定されている。絶縁筒21の外周面と絶縁部材8の外周面とは、面一となっている。絶縁部材8は、封着金具22、封着部9及び第1の周面21aから離隔している。なお、上記の絶縁部材8の構成は、絶縁筒21の固定側端部、可動側端部に共通である。以下、固定側を固定側絶縁部材8A、可動側を可動側絶縁部材8Bと呼ぶ。
(作用)
封着金具22及び絶縁筒21との接合部分は、金属である封着部9、セラミックスである絶縁筒21、空気の3つの媒体が重なり合う三重点T(図2の破線の丸で囲った部分であり、トリプルジャンクションとも呼ぶ)が生じる。この三重点Tは、上記のように、電界が非常に強くなるため、ここから電子が放出してしまう。すると、固定側及び可動側の三重点Tとの間で絶縁破壊が生じ易くなる。
ここで、真空バルブ1の沿面絶縁性能を向上させるためには、以下の方法が考えられる。
(a)三重点Tの電界強度を低減する。
(b)固定側の三重点Tと可動側の三重点Tとの間の沿面距離を延長させる。
(c)絶縁物沿面での二次電子放出を抑制する。
(d)真空バルブの沿面を汚損させない。
本実施形態では、三重点Tが存在する封着部9及び絶縁筒21の端部を、絶縁部材8によって空隙をおいて覆っている。即ち、三重点Tから発生した電子を、絶縁部材8によって遮ることにより、電子が絶縁筒21の外径より外側に放出され難くなる。そして、固定側の三重点Tと可動側の三重点Tとの間の沿面距離は、第1の周面21a、台面21bに加えて、絶縁部材8の内面と外面によって延長させることができる。このように沿面距離が延長することは、固定側と可動側において共通である。このため、絶縁部材8を設けない場合に比べて、固定側の延長分と可動側の延長分の沿面距離の延長効果が得られる。
なお、絶縁部材8を軸Xの方向に延ばして沿面距離を延長することもできる。但し、この場合、真空バルブ1の外形が拡大することになる。このため、本実施形態のように、突出縁81を設けることにより、真空バルブ1の外形の拡大を抑えつつ、沿面距離を伸長させることが好ましい。
また、絶縁部材8が、真空バルブ1の外部と封着部9との間に介在しているので、外部から飛来、付着等する物質を遮る。このため、封着部9の汚損が低減する。さらに、絶縁部材8は、封着部9と接触していない。仮に、金属である封着部9と絶縁部材8とが接触すると、新たに封着部9、絶縁部材8及び空気による三重点が生じるため、ここから電子が放出してしまう。本実施形態では、絶縁部材8と封着部9を接触していないため、電子の放出が抑制される。
(効果)
以上のように、本実施形態の真空バルブ1は、絶縁筒21の両端が封着金具22により封止された真空容器2と、真空容器2内に、接離可能に対向配置された一対の固定側電極4A、可動側電極4Bと、絶縁筒21と封着金具22との接合部の外周を、空隙をおいて覆うように設けられた絶縁部材8と、を有する。
これにより、固定側と可動側の三重点Tの沿面距離を延長させることができる。このため、固定側と可動側との間で、絶縁筒21の外表面で発生する絶縁破壊を抑制できる。また、絶縁部材8によって、外部からの封着部9の汚損が低減するので、汚損による絶縁筒21の外表面の絶縁破壊を抑制できる。
ここで、このような絶縁破壊を防止するために、真空バルブ1の外部をエポキシ樹脂などで注型することも考えられる。しかし、この場合、真空バルブ1の全体が大型化するので、より小型化が要求される機種、例えば、定格電圧が低い機種については不向きである。本実施形態では、このような注型をしなくとも、絶縁破壊のリスクを抑制できるので、小型化が可能となる。真空バルブ1の全体を絶縁物で覆ったり、絶縁筒21の外周の大半を絶縁物で覆う等によるのではなく、局所的な保護のみによって沿面絶縁性能を向上させ、小型化を実現できる。
(変形例)
次に、実施形態の変形例に係る真空バルブ1について、図面を参照しつつ説明する。
(1)絶縁部材8の材質は、絶縁筒21と共通であっても相違していてもよい。絶縁部材8の材質が絶縁筒21と相違している場合、比誘電率の差異によって、封着部9の周囲の電位分布が変化するので、封着部9の電界に影響を与える。すなわち、絶縁筒21と異なる比誘電率を有する絶縁部材8を使用することで、封着部9の電界強度を調整できる。
例えば、絶縁部材8の比誘電率が絶縁筒21の比誘電率よりも高いと、空気と絶縁部材8との比誘電率の差が大きくなり、封着部9の電界強度が増大する。一方、絶縁部材8として、絶縁筒21の比誘電率よりも低い比誘電率の絶縁材料を使用することで、空気と絶縁部材8との比誘電率の差を小さくすることができ、封着部9の電界強度を、絶縁部材8の未装着時の電界強度とほぼ同一に保ったまま、封着部9を保護できる。絶縁部材8に用いる絶縁材料としては、例えば、エポキシ樹脂、PTFEなどの樹脂材料を用いることができるが、これには限定されない。
(2)絶縁部材8を、絶縁性の接着剤によって、絶縁筒21に接着してもよい。例えば、図3に示すように、絶縁部材8に固定部11を設ける。固定部11は、第2の周面21cを有する。第2の周面21cは、絶縁筒21の外周と第1の周面21aとの間に、絶縁筒21の外周よりも径が小さく、第1の周面21aよりも径が大きく形成された周面である。第2の周面21cの外側を台面21bとする。
第2の周面21cの外径は、絶縁部材8の内径と同じである。ここで、径が同じとは、絶縁部材8を第2の周面21cに被せることができる程度に同じであればよい。このため、絶縁部材8の内径が第2の周面21cの外径よりも僅かに大きくて、第2の周面21cに被せると絶縁部材8の内径がスムーズに嵌る程度でも、同じといってよい。絶縁部材8の内径が第2の周面21cの外径よりも僅かに小さくて、第2の周面21cに被せると絶縁部材8の内径が僅かに広がる程度でも、同じといってよい。接着剤Rは、絶縁部材8を第2の周面21cに被せる際に介在させる。これにより、真空バルブ1の運用時の絶縁部材8の脱落を防止できる。接着剤Rとしては、絶縁性の接着材、例えば、エポキシ樹脂やセラミックス系材料を主とする接着剤であって、経年劣化が少ないものを使用することが好ましい。
(3)絶縁部材8と絶縁筒21とが、互いに形成されたねじ溝を嵌め合わせることにより接続されていてもよい。例えば、図4に示すように、絶縁部材8の内周面と、第2の周面21cに、ねじ溝を形成する。そして、絶縁部材8のねじ溝と第2の周面21cのねじ溝を嵌め合わせてねじ込むことによって、絶縁筒21に絶縁部材8を固定する。なお、ねじ切りによりねじ溝を形成するため、絶縁筒21としては、機械加工性に優れた材料、例えば、マシナブルセラミックを使用することが好ましい。これにより、切削する際に、欠け等が生じ難くなり、細かい加工がし易くなる。
このように、絶縁部材8をねじ固定することで、絶縁筒21と絶縁部材8との間に、これらと材質の異なる接着剤等の材料を介在させる必要がなくなるので、誘電率の分布に影響を与えずに、絶縁部材8を固定することができる。なお、ねじ固定の場合にも、さらに接着剤を介在させることにより、より強固に固定させてもよい。
(4)絶縁部材8の外径を、絶縁筒21の外径よりも大きく形成することにより、固定側と可動側の三重点Tの間の沿面距離をさらに延長してもよい。例えば、図5に示すように、絶縁部材8の外径が、絶縁筒21の外径よりも外方に突出するように大きく形成する。絶縁部材8と絶縁筒21の外径差をΔRとすると、固定側でΔR×2の距離、可動側でΔR×2の距離だけ沿面距離を延長させることができる。このため、絶縁離隔距離を延長して、絶縁破壊をより一層抑制できる。
なお、このように構成することにより、真空バルブ1全体の最大外径は増大する。このため、配置される空間に制限がある場合には、あらかじめ取付可能な寸法を把握し、使用電圧に基づいて、十分な絶縁離隔距離を求めてから、絶縁部材8の外径を決定することが好ましい。
(5)絶縁部材8が設けられた絶縁筒21の端部は、面取りされた形状を有していてもよい。面取りされた形状とは、図6に示すように、絶縁筒21の端面及び外周面に対して傾斜した面を有することにより、絶縁筒21の端面及び外周面と直交する角をなくした形状をいう。この面取りされた形状の傾斜面を面取部21dとする。面取部21dは、外方に凸の丸みを帯びた形状であってもよい。面取りされた形状を設ける場合、絶縁筒21の外周面の端部近傍に、固定部11を設ける。この固定部11は、絶縁部材8が嵌め合わされることにより固定される部分である。固定部11においては、上記と同様に、絶縁筒21の外周面と絶縁部材8の内周面に形成されたねじ溝を嵌め合わせることにより、又は、接着剤Rを介在させることにより両部材を固定すればよい。
このように、絶縁筒21に面取りされた形状を設けることによって、この面取りされた形状に沿って絶縁部材8を嵌め合わせれば、封着部9の端部と絶縁部材8との接触を避けることができる。絶縁筒21としては、あらかじめ面取りされた形状を有する碍管を用いればよいので、切り欠き等を研削等によって追加加工しなくて済む。また、面取りされていると、絶縁筒21に絶縁部材8を組み合わせるときに中心出しがし易くなり、位置ずれが生じ難い。
(6)封着部9の外縁が、絶縁筒21の外縁から離隔していてもよい。例えば、図7に示すように、絶縁筒21と封着金具22の気中側の封着部9の外径は、絶縁筒21の外径より短くなっているので、封着部9が絶縁筒21に接触していない。また、絶縁部材8を絶縁筒21の端部に嵌め込めばよいため、切り欠きおよび面取りされた形状を設ける必要がない。このような封着部9の領域の形成は、マスキング等によりメタライズ処理する領域を絶縁筒21の外縁に達しないようにして、メタライズされた領域のみに、ろう材が広がるようにするとよい。また、ろう材として広がり難いものを用いたり、ろう材の量を調節したりして、絶縁筒21の外縁に達しないようにしてもよい。さらに、ろう材を遮る型を置いて、絶縁筒21の外縁に達しないようにしてもよい。
なお、固定部11においては、上記と同様に、絶縁筒21の外周面と絶縁部材8の内周面に形成されたねじ溝を嵌め合わせることにより、又は、接着剤Rを介在させることにより両部材を固定すればよい。
(7)絶縁部材8の表面に、これよりも二次電子放出係数が小さい材料を設けてもよい。三重点Tから放出される電子を一次電子として、この一次電子が絶縁部材8に衝突することにより二次電子が放出される。このとき、印加電圧と逆極性の電荷が絶縁部材8に帯電することにより、封着部9の端部の電界が増大する。これに対処するため、例えば、上記の態様の絶縁部材8の表面に、二次電子放出係数が小さい炭化ケイ素や窒化チタン、酸化クロムなどの材料を塗布する。これにより、一次電子衝突時の二次電子放出が抑制されるので、絶縁部材8の帯電を抑えて、電界の増大を防ぐことができる。
なお、塗布箇所としては、絶縁部材8の表面の全体であっても、一部であってもよい。一部とする場合には、少なくとも三重点Tに離隔して対向する位置とすることが好ましい。また、二次電子放出係数が小さい材料は、金属又は金属に近い性質を有しているため、新たな三重点が形成されないように、塗布箇所は、絶縁筒21に達しない位置とすることが好ましい。
(8)封着金具22は、図8に示すように、絶縁筒21の内側に嵌め込まれてろう付けされていてもよい。この場合には、絶縁部材8を取り付けた場合に、絶縁部材8と封着部9の端部との接触を防ぐことが容易となる。
(9)上記の態様では、絶縁部材8は、固定側と可動側の双方に設けて、絶縁破壊を防止していたが、固定側と可動側のいずれか一方のみに、絶縁部材8が設けられていてもよい。他方については、他の絶縁構造を施してもよい。
(他の実施形態)
本明細書においては、本発明に係る実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。上記のような実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 真空バルブ
2 真空容器
3 通電棒
3A 固定側通電棒
3B 可動側通電棒
4 電極
4A 固定側電極
4B 可動側電極
5 ベローズ
6 アークシールド
7 内部シールド
7A 固定側内部シールド
7B 可動側内部シールド
8 絶縁部材
8A 固定側絶縁部材
8B 可動側絶縁部材
9 封着部
9A 固定側封着部
9B 可動側封着部
10 ベローズカバー
11 固定部
21 絶縁筒
21a 第1の周面
21b 台面
21c 第2の周面
21d 面取部
22 封着金具
22A 固定側封着金具
22B 可動側封着金具
81 突出縁
211 絶縁碍管
212 絶縁碍管
R 接着剤
T 三重点
X 軸

Claims (8)

  1. 絶縁筒の両端が封着金具により封止された真空容器と、
    前記真空容器内に、接離可能に対向配置された一対の電極と、
    前記絶縁筒と前記封着金具との接合部の外周を、空隙をおいて覆うように設けられた絶縁部材と、
    を有し、
    前記絶縁筒と前記絶縁部材とを異なる材料としたことを特徴とする真空バルブ。
  2. 絶縁筒の両端が封着金具により封止された真空容器と、
    前記真空容器内に、接離可能に対向配置された一対の電極と、
    前記絶縁筒と前記封着金具との接合部の外周を、空隙をおいて覆うように設けられた絶縁部材と、
    を有し、
    前記絶縁部材の材料が、前記絶縁筒の材料よりも比誘電率が低いことを特徴とする真空バルブ。
  3. 絶縁筒の両端が封着金具により封止された真空容器と、
    前記真空容器内に、接離可能に対向配置された一対の電極と、
    前記絶縁筒と前記封着金具との接合部の外周を、空隙をおいて覆うように設けられた絶縁部材と、
    を有し、
    前記絶縁部材は、絶縁性の接着剤によって前記絶縁筒に接着されていることを特徴とする真空バルブ。
  4. 絶縁筒の両端が封着金具により封止された真空容器と、
    前記真空容器内に、接離可能に対向配置された一対の電極と、
    前記絶縁筒と前記封着金具との接合部の外周を、空隙をおいて覆うように設けられた絶縁部材と、
    を有し、
    前記絶縁部材と前記絶縁筒とは、互いに形成されたねじ溝を嵌め合わせて接続されていることを特徴とする真空バルブ。
  5. 絶縁筒の両端が封着金具により封止された真空容器と、
    前記真空容器内に、接離可能に対向配置された一対の電極と、
    前記絶縁筒と前記封着金具との接合部の外周を、空隙をおいて覆うように設けられた絶縁部材と、
    を有し、
    前記絶縁部材が設けられた前記絶縁筒の端部は、面取りされた形状を有することを特徴とする真空バルブ。
  6. 絶縁筒の両端が封着金具により封止された真空容器と、
    前記真空容器内に、接離可能に対向配置された一対の電極と、
    前記絶縁筒と前記封着金具との接合部の外周を、空隙をおいて覆うように設けられた絶縁部材と、
    を有し、
    前記絶縁部材の表面に、前記絶縁部材よりも二次電子放出係数が小さい材料が設けられていることを特徴とする真空バルブ。
  7. 前記絶縁部材の外径が、前記絶縁筒の外径よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の真空バルブ。
  8. 前記絶縁筒と前記封着金具とが封着された封着部の外縁が、前記絶縁筒の外縁から離隔していることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の真空バルブ。
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