JP2021089044A - 変速制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】多段式自動変速機において、第1変速の実行中に第2変速が要求された場合に、変速の開始から変速完了までの時間を短縮することが可能な変速制御装置を提供する。【解決手段】変速制御装置は、第1変速の実行中に第2変速の要求がなされた場合(S1でYES)、滑り状態判定手段が、第1変速の変速動作において開放され、かつ、第2変速の変速動作において係合される所定の係合要素が、滑り状態か否かを判定し、所定の係合要素が滑り状態でないと判定されたとき(S5でYES、S7でNO)、制御手段は、第1変速を中止し、第2変速における目標変速段への変速を実行する(S9)。【選択図】図7
Description
本開示は、変速制御装置に係わり、特に、有段式自動変速機の変速制御装置に関する。
従来より、クラッチやブレーキなどの複数の摩擦係合要素を選択的に係合または開放することによって、複数段の変速を行う有段式の自動変速機が知られている。特開2018−19321号公報(特許文献1)には、ダウンシフト変速の開始後に目標変速段が変更され、変更前の目標変速段を経由して変更後の目標変速段へ変速する多重ダウンシフトの場合に、目標のイナーシャ相開始から実際のイナーシャ相開始の判断までの間に、目標変速段の変更が行われたときには、変速時に摩擦係合要素が滑り出してイナーシャ相が始まるまでの時間(滑り出し時間)の学習を禁止することが開示されている。
特許文献1に開示された自動変速機においては、多重ダウンシフトの場合に、学習を禁止することにより、誤った学習を行うことは防止できるが、変更前の目標変速段を経由してから変更後の目標変速段への変速が達成されるため、変速開始から変速完了までの時間が長くなる。
本開示は、多段式自動変速機において、第1変速の実行中に第2変速が要求された場合に、変速の開始から変速完了までの時間を短縮することが可能な変速制御装置を提供することを目的とする。
本開示の変速制御装置は、複数の係合要素の係合動作の組み合わせによって複数段の変速を行う有段式自動変速機の変速制御装置である。変速制御装置は、第1変速の実行中に第2変速の要求がなされた場合、第1変速の変速動作において開放され、かつ、第2変速の変速動作において係合される所定の係合要素の滑り状態を判別する滑り状態判定手段と、滑り状態判定手段によって所定の係合要素が滑り状態でないと判定されたとき、第1変速を中止し、第2変速における目標変速段への変速を実行する制御手段と、を備える。
この構成によれば、第1変速の実行中に第2変速の要求がなされた場合、滑り状態判定手段は、第1変速の変速動作において開放され、かつ、第2変速の変速動作において係合される所定の係合要素が、滑り状態か否かを判定する。そして、所定の係合要素が滑り状態でないと判定されたとき、制御手段は、第1変速を中止し、第2変速における目標変速段への変速を実行する。
所定の係合要素は、第1変速の変速動作において開放され、かつ、第2変速の変速動作において係合される係合要素である。すなわち、所定の係合要素は、第1変速の変速動作が開始される前に係合状態であり、かつ、第2変速の際に係合される係合要素である。所定の係合要素が滑り状態でないと判定されたことは、第1変速の実行に際して、未だ、所定の係合要素が実質的な係合状態であり、第1変速のイナーシャ相の開始前であることを示す。したがって、所定の係合要素の実質的な係合状態を変えることなく、第1変速を中止し、第2変速における目標変速段への変速を実行でき、変速の開始から変速完了までの時間を短縮することができる。
本開示によれば、多段式自動変速機において、第1変速の実行中に第2変速が判断された場合に、変速の開始から変速完了までの時間を短縮することが可能になる。
本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
図1は、本実施の形態の変速制御装置を備えた車両1を示す全体構成図である。車両1は、エンジン2、トルクコンバータ3、変速機4、プロペラシャフト5、ディファレンシャルギヤ6、ドライブシャフト7および駆動輪8を備える。エンジン2は、たとえば、火花点火式内燃機関や圧縮着火式内燃機関であり、その出力軸がトルクコンバータ3の入力軸(ポンプ軸)に連結されている。トルクコンバータ3は、公知のロックアップクラッチ付トルクコンバータであり、入力軸(ポンプ軸)に入力されたエンジンの出力トルクを増幅して、出力軸(タービン軸)から変速機4の入力軸4a(図2参照)に伝達する。
変速機4は、複数の係合要素を選択的に係合することにより、変速比の異なる複数の変速段を達成する有段式の自動変速機である。変速機4の出力軸4b(図2参照)から出力されたトルクは、プロペラシャフト5、ディファレンシャルギヤ6,左右のドライブシャフト7を順次介して、一対の駆動輪8へ伝達される。
図2は、有段式自動変速機である変速機4のスケルトン図である。図2に示す変速機4は、変速比の異なる前進第1速から第10速までの変速段を有し、エンジン2から駆動輪8までの動力伝達経路の一部を構成し、複数の係合要素のいずれかを選択的に係合することにより所定の変速段(ギヤ段)が形成される。
変速機4は、シングルピニオン型の第1遊星歯車機構11と、ラビニヨ型に構成されているシングルピニオン型の第2遊星歯車機構12およびダブルピニオン型の第3遊星歯車機構13と、シングルピニオン型の第4遊星歯車機構14とを同一軸線CL上に有し、入力軸4aから伝達される駆動トルクを増減して出力軸4bから出力するように構成されている。
第1遊星歯車機構11、第2遊星歯車機構12、第3遊星歯車機構13、および第4遊星歯車機構14は、各々三つの回転要素を備える。その三つの回転要素は、サンギヤ(S1,S2,S3,S4)、そのサンギヤ(S1,S2,S3,S4)と同じ回転軸を中心に回転自在に配置されるリングギヤ(R1、R2、R3、R4)、および、上記のサンギヤ(S1,S2,S3,S4)とリングギヤ(R1,R2,R3,R4)とに噛み合うピニオンギヤ(P1,P2,P3,P4)を回転自在に支持するキャリヤ(CA1,CA2,CA3,CA4)である。
また、この変速機4は、複数の係合要素を有する。この係合機構は、たとえば油圧式の摩擦係合要素であって、油圧アクチュエータにより押圧される湿式多板型の係合装置である。複数の係合要素として、第1クラッチ機構C1、第2クラッチ機構C2、第3クラッチ機構C3、第4クラッチ機構C4、第1ブレーキ機構B1、および第2ブレーキ機構B2を備えている。このように構成されたクラッチ機構C1,C2,C3,C4やブレーキ機構B1,B2は、変速機4に設けられた油圧制御回路4cのシフトソレノイドバルブ等からの油圧によってそれぞれのトルク容量(係合力)が変化させられて係合あるいは解放の動作が切り替えられる。油圧制御回路4cによって複数の係合要素が係合状態と解放状態とのいずれかに制御されることで、車両1の運転状態、つまり運転者のアクセル操作(アクセル開度)や車速などに応じて所定の変速段(目標変速段)が達成される。なお、各変速段に対応する変速機4の変速比(変速機入力軸回転速度/出力軸回転速度)は、第1遊星歯車機構11、第2遊星歯車機構12、第3遊星歯車機構13、および第4遊星歯車機構14の各歯車比(=サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)によって定められる。
図3は、上記のクラッチ機構C1,C2,C3,C4およびブレーキ機構B1,B2の複数の係合要素のうち所定の係合要素を係合状態にすることにより達成される変速段の係合表を示す図である。図3に示すように変速機4は、前進段として「1st」(1速段)から「10th」(10速段)までの変速段を達成することができる。本実施の形態では、運転状態、つまり要求駆動力(アクセル開度あるいはスロットル開度)と車速とに基づいて設定される変速段を達成するために、上述した複数の係合要素のうちの三つの係合要素を係合状態にする。例えば、1stの場合には、第1クラッチ機構C1、第2クラッチ機構C2、および、第2ブレーキ機構B2を係合する。なお、図3に示す「○」が係合状態を示し、空欄は解放状態を示す。また、「Rev」は、後進段を示す。
図1に戻り、車両1は、変速機4に設けられた油圧制御回路4cのシフトソレノイドバルブ等を制御し変速制御を行う、変速機ECU(Electronic Control Unit)100を備える。変速機ECU100は、図示しないCPU(中央演算処理装置)、メモリおよび入出力バッファ等を含み、車両1が備える各種センサ(たとえば、各種回転速度センサ、アクセル開度センサ、スロットル開度センサ、シフトポジションセンサ、ブレーキスイッチなど)による検出信号に基づく各種の値(例えばエンジン回転速度Ne、タービン回転速度Ntである変速機入力軸回転速度Nin、車速Vに対応する出力軸回転速度N0ut、アクセル開度Accp、スロットル弁開度θthなど)を表す信号が入力される。また、変速機ECU100は、変速機4の変速段を制御するため、油圧制御回路4cの油圧制御の為の油圧制御指令信号を出力する。たとえば、油圧制御指令信号として、クラッチ機構C1,C2,C3,C4およびブレーキ機構B1,B2に供給される各油圧を調圧する各シフトソレノイドバルブを駆動するための指令信号(指令圧)が油圧制御回路4cへ出力される。
変速機ECU100は、図4に示すような、車速V及びアクセル開度Accpを変数として予め定められた関係(変速線図)に基づき、車両状態を示す点が変速線を横切ることで目標変速段を判断し、その目標変速段が得られるように、対応する係合要素を係合及び/又は開放させる変速指令として指令信号を油圧制御回路4cへ出力する。この指令信号に従って、変速が実行されるように油圧制御回路4c内のシフトソレノイドバルブが駆動される。図4の変速線図において、実線はアップシフトが判断されるためのアップシフト線であり、破線はダウンシフトが判断されるためのダウンシフト線である。
ところで、たとえば、運転者がアクセルペダルを踏み込んでいるパワーオン状態でダウンシフト変速(パワーオンダウンシフト)が行われる場合、アクセルベダルの踏込が継続しているとき、短時間でダウンシフト指令が連続して出力され、変速の開始後に目標変速段が変更されることがある。たとえば、図4に示すAの運転状態(9速段による走行状態)のときに、アクセルベダルが踏み込まれ、図4に示すB(目標変速段:7速段)を経てC(目標変速段:6速段)に運転状態が移行すると、7速段を目標変速段とする変速(第1変速)が開始され、この第1変速の実行中に、目標変速段を6速段とする変速(第2変速)の要求がなされ、連続した9速→7速→6速のダウンシフト変速が行われる。
図5は、従来における、連続した9速→7速→6速のダウンシフト変速におけるタイムチャートである。9速→7速のダウンシフト変速では、図3の係合表から明らかなように、クラッチ機構C1およびC3の係合は維持され、ブレーキ機構B1が開放されるとともにクラッチ機構C4が係合される。一方、7速→6速のダウンシフト変速では、クラッチ機構C1およびC4の係合は維持され、クラッチ機構C3が開放されるとともにブレーキ機構B1が係合される。このため、図5に示すように、時刻t1で目標変速段が7速段になり、9速→7速のダウンシフト変速指令が発生すると、ブレーキ機構B1を開放するとともにクラッチ機構C4を係合するよう、指令信号が油圧制御回路4cへ出力され、9速→7速の変速(第1変速)が開始される。9速→7速の変速(第1変速)の実行中、時刻t2において、目標変速段が6速段に変更されると、既に、9速→7速の変速(第1変速)が実行中であるので、行き先変速段を7速段に維持して変速動作を継続し、時刻t3で9速→7速の変速(第1変速)が終了した後、行き先変速段を6速段に変更し、クラッチ機構C3を開放するとともにブレーキ機構B1を係合するよう、指令信号を油圧制御回路4cへ出力し、7速→6速の変速(第2変速)が開始する。そして、時刻t4において、7速→6速の変速(第2変速)が終了し、6速段による走行が開始される。なお、図5におおいて、目標変速段の欄における破線は、変速の進行度を示している。
このように、従来は、連続した9速→7速→6速のダウンシフト変速において、9速→7速への変速(第1変速)の終了後に、7速→6速への変速(第2変速)が開始されるので、変速の完了までに時間がかかるという問題がある。
本実施の形態では、第1変速の実行中に第2変速の判断がなされた場合、第1変速の変速動作において開放され、かつ、第2変速の変速動作において係合される係合要素が滑り状態でなければ、第1変速を中止し、第2変速における目標変速段への変速を実行することにより、変速完了までの時間を短縮する。
図6は、本実施の形態における、連続した9速→7速→6速のダウンシフト変速におけるタイムチャートである。時刻t1で目標変速段が7速段になり、9速→7速のダウンシフト変速指令が発生すると、ブレーキ機構B1を開放するとともにクラッチ機構C4を係合するよう、指令信号が油圧制御回路4cへ出力され、9速→7速の変速(第1変速)が開始される。図5に示した従来と同様に、9速→7速の変速(第1変速)の実行中、時刻t2で、目標変速段が6速段に変更されると、第1変速(9速→7速の変速)の変速動作において開放され、かつ、第2変速(6速段への変速)の変速動作において係合されるブレーキ機構B1が滑り状態でない場合には、行き先変速段を6速段とする。すなわち、第1変速(9速→7速の変速)を中止し、第2変速における目標変速段(6速段)への変速を実行するために、クラッチ機構C3を開放するとともにブレーキ機構B1を係合するよう、指令信号を油圧制御回路4cへ出力して、6速段への変速動作を開始する。そして、時刻t5において、9速→6速の変速が終了し、6速段による走行が開始される。また、時刻t2において、ブレーキ機構B1が滑り状態であれば、行き先変速段が6速段に変更されることなく、図5に示す従来と同様に、9速→7速の変速(第1変速)が終了した後、7速→6速の変速(第2変速)を開始する。なお、図6におおいて、目標変速段の欄における破線は、変速の進行度を示している。
図6に示す本実施の形態では、ブレーキ機構B1(第1変速の変速動作において開放され、かつ、第2変速の変速動作において係合される係合要素)が滑り状態でなければ、9速→7速の変速(第1変速)を中止し、第2変速における目標変速段(6速段)への変速が実行される。ブレーキ機構B1は、9速→7速の変速(第1変速)の変速動作が開始される前に係合状態であり、かつ、7速→6速の変速(第2変速)の際に係合される係合要素である。このブレーキ機構B1が滑り状態でない場合は、9速→7速の変速(第1変速)において、未だ、実質的な係合状態であり、9速→7速の変速(第1変速)のイナーシャ相の開始前であるので、ブレーキ機構B1の実質的な係合状態を変えることなく、9速→7速の変速(第1変速)を中止し、第2変速における目標変速段(6速段)への変速を実行でき、変速の開始から変速完了までの時間を短縮することが可能となる。
図7は、変速機ECU100で実行される変速制御の概略フローチャートであり、車両1の運転状態が図4に示す変速線を横切り、第1変速が開始されると、所定期間毎に実行される。アクセル開度Accpと車速Vに基づいて運転状態が変速線を横切ったと判断されると、現在の変速段から目標変速段をαとする第1変速が開始され、図7のルーチンが開始される。まず、ステップ(以下、単に「S」と表記する。)1で、第2変速が要求された否かが判断される。すなわち、目標変速段をαとする第1変速が開始されたあと、アクセル開度Accpと車速Vに基づいて、車両1の運転状態が変速線を横切り目標変速段をβとする第2変速が要求されたか否かが判断される。S1で否定判断されたときは、連続した変速の要求はないので、リターンされ、再度、S1が実行される。目標変速段をβとする第2変速の要求があると判断(肯定判断)されると、連続した変速が要求されているので、S3へ進む。
S3では、現在の変速段から、第2変速の目標変速段であるβへの変速が許可されているか否かを判断する。現在の変速段から目標変速段βへの変速は、現在の変速段から目標変速段βへ一気に変速する、所謂、「飛び変速」になる可能性がある。飛び変速においては、係合要素の発熱量が過大になったり、エンジン2が過回転になったりする可能性があるので、飛び変速が許可される変速パターンは、予め決められている。たとえば、本実施の形態では、飛び変速である場合、「10速→8速」、「9速→7速」、「9速→6速」、「8速→6速」、「7速→5速」および「4速→2速」等の変速が許可されている。S3で、現在の変速段から、第2変速の目標変速段であるβへの変速が許可されていると判断されると、S5へ進む。図6に示す例では、現在の変速段が9速段であり、第2変速の目標変速段が6速段であるので、「9速→6速」の変速パターンとなり、現在の変速段(9速段)から第2変速の目標変速段(6速段)への変速が許可されているので、S3において肯定判断される。S3で否定判断されると、リターンへ進む。
S5では、第1変速の変速動作において開放され、かつ、第2変速の変速動作において係合される係合要素(以下、所定の係合要素とも称する)が特定できるか否かが判断される。所定の係合要素の特定は、図3に示す係合表から判断される。たとえば、図6に示した例では、現在の変速段が9速段であり、第1変速の目標変速段が7速段、第2変速の目標変速段が6速段である。したがって、図3に示す係合表から、ブレーキ機構B1が所定の係合要素として特定される。所定の係合要素を特定できたときには、S7へ進む。
図3に示す係合表から、所定の係合要素が特定できないとき、すなわち、第1変速の変速動作において開放され、かつ、第2変速の変速動作において係合される係合要素が存在しない変速パターンのときには、リターンへ進む。
S7では、所定の係合要素が滑り状態か否かが判断される。所定の係合要素が滑り状態か否かの判断は、たとえば、変速機入力軸回転速度Nin(タービン回転速度Nt)が、現在の変速段(図6の例では、9速段)の変速比と車速Vから求めた変速機入力軸回転速度Nin(t)(タービン回転速度Nt(t))と一致しているか否かに基づき判断する。現在の変速段の変速比と車速Vから求めた変速機入力軸回転速度Nin(t)(タービン回転速度Nt(t))と変速機入力軸回転速度Nin(タービン回転速度Nt)の偏差が所定値以下の場合には、変速機入力軸回転速度Nin(t)と変速機入力軸回転速度Ninが一致しており、変速時のイナーシャ相は開始しておらず、所定の係合要素(図6の例では、ブレーキ機構B1)が滑り状態でないと判断する。一方、変速機入力軸回転速度Nin(t)と変速機入力軸回転速度Nin(タービン回転速度Nt)の偏差が所定値を超える場合には、所定の係合要素(図6の例では、ブレーキ機構B1)が滑り状態であると判断する。S7で、所定の係合要素が滑り状態であると判断されると(肯定判断されると)、リターンに進む。
S7で、所定の係合要素が滑り状態でないと判断されると(否定判断されると)、S9に進む。S9では、第1変速を中止し、第2変速の目標変速段(図6の例では、6速段)への変速を実行する。図6の例では、9速→7速の変速(第1変速)を中止し、6速段への変速を実行する。具体的には、9速→7速の変速(第1変速)の開始に伴って、ブレーキ機構B1を開放するとともにクラッチ機構C4を係合するよう、油圧制御回路4cへ出力していた指令信号を、(クラッチ機構C4を係合する指令信号は維持したまま)ブレーキ機構B1を係合するとともにクラッチ機構C3を開放するように変更する。これにより、9速→7速の変速(第1変速)が中止され、6速段への変速(第2変速)が実行される。
図7に示す概略フローチャートにおいて、S5およびS7で実行される処理が、滑り状態判定手段に相当し、S9で実行される処理が制御手段に相当する。また、変速機ECU100が変速制御装置に相当する。図7の概略フローチャートの説明および図6のタイムチャートでは、9速→7速の変速を第1変速、6速段への変速を第2変速として説明したが、連続した変速は、この例に限られるものではない。たとえば、「9速→7速の変速(第1変速)の実行中に、目標変速段が6速段(第2変速)に変更された場合(所定の係合要素はクラッチ機構C1)」、「7速→6速の変速(第1変速)の実行中に、目標変速段が8速段(第2変速)に変更された場合(所定の係合要素はクラッチ機構C3)」、「6速→7速の変速(第1変速)の実行中に、目標変速段が5速段(第2変速)に変更された場合(所定の係合要素はブレーキ機構B1)」等、所定の係合要素(第1変速の変速動作において開放され、かつ、第2変速の変速動作において係合される係合要素)が存在する(特定できる)変速パターンであれば、連続する変速はどのようなものであってもよい。
本実施の形態では、所定の係合要素が滑り状態か否かの判断は、変速機入力軸回転速度Nin(タービン回転速度Nt)が、現在の変速段の変速比と車速Vから求めた変速機入力軸回転速度Nin(t)(タービン回転速度Nt(t))と一致しているか否かに基づき判断している例を説明したが、所定の係合要素が滑り状態か否かの判断はこれに限られない。たとえば、「油圧制御回路4c内のシフトソレノイドバルブへ変速指令を出力してから一定時間経過前であること」や「シフトソレノイドバルブへの油圧指令値が、変速時のトルク相およびイナーシャ相に相当する値に至っていないこと」に基づいて、所定の係合要素が滑り状態でないと判断してもよい。また、これら判断要素の論理和あるいは論理積を用いて、所定の係合要素が滑り状態か否かの判断を行ってもよい。
本実施の形態では、エンジン2にトルクコンバータ3を介して変速機4を接続した車両1について説明したが、エンジン2に加え、動力源として電動機(モータジェネレータ)を備えたハイブリッド車であってもよい。たとえば、エンジン2の出力軸とトルクコンバータ3の入力軸(ポンプ軸)との間にモータジェネレータを配置し、エンジン2とモータジェネレータの間にクラッチを配置したハイブリッド車両であってもよい。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車両、2 エンジン、3 トルクコンバータ、4 変速機、4a 入力軸、4b 出力軸、4c 油圧制御回路、5 プロペラシャフト、6 ディファレンシャルギヤ、7 ドライブシャフト、8 駆動輪、11 第1遊星歯車機構、12 第2遊星歯車機構、13 第3遊星歯車機構、14 第4遊星歯車機構、100 変速機ECU、C1 第1クラッチ機構、C2 第2クラッチ機構、C3 第3クラッチ機構、C4 第4クラッチ機構、B1 第1ブレーキ機構、B2 第2ブレーキ機構
Claims (1)
- 複数の係合要素の係合動作の組み合わせによって複数段の変速を行う有段式自動変速機の変速制御装置であって、
第1変速の実行中に第2変速の要求がなされた場合、前記第1変速の変速動作において開放され、かつ、前記第2変速の変速動作において係合される所定の係合要素の滑り状態を判定する滑り状態判定手段と、
前記滑り状態判定手段によって前記所定の係合要素が滑り状態でないと判定されたとき、前記第1変速を中止し、前記第2変速における目標変速段への変速を実行する制御手段と、を備える変速制御装置。
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