JP2021088698A - 粘着シート、積層シート、フレキシブル画像表示装置部材及びフレキシブル画像表示装置 - Google Patents

粘着シート、積層シート、フレキシブル画像表示装置部材及びフレキシブル画像表示装置 Download PDF

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裕子 早川
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Abstract

【課題】部材シートと粘着シートが積層されてなる積層シートにおいて、接触や加圧による衝撃を受けても当該部材シートにかかるストレスを吸収して傷つきを防ぐことができる良好な耐衝撃性を示し、さらには歪からの復元性が良好な粘着シートを提供すること。【解決手段】下記(1)及び(2)の要件を満たす粘着シート。(1) 周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により得られる損失弾性率の−60℃〜25℃の温度範囲での最大値(tanδ(max))が、1.5以上である。(2) 3,000Paの応力を印加した時に測定されるクリープコンプライアンス値を最小クリープコンプライアンスJ(t)min(MPa−1)とし、当該最小クリープコンプライアンスJ(t)minが測定されてから3757秒後まで3,000Paの応力を印加し続け、その間に測定される最大のクリープコンプライアンス値を最大クリープコンプライアンスJ(t)max(MPa−1)とした場合に、当該最小クリープコンプライアンスJ(t)minと最大クリープコンプライアンスJ(t)maxとの差から算出されるクリープコンプライアンス変動値ΔlogJ(t)が1.0未満である。【選択図】なし

Description

本発明は、曲面からなる画像表示装置や、折り曲げ可能な屈曲性画像表示装置などに好適に用いることができる粘着シート又は粘着層、フレキシブル画像表示装置部材、該粘着シート又は該粘着層を用いた積層シート及び該積層シートを用いたフレキシブル画像表示装置に関する。
近年、有機発光ダイオード(OLED)や量子ドット(QD)を用いた、曲面からなる画像表示装置や、折り曲げ可能な屈曲性画像表示装置が開発され、広く商用化されつつある。
このような表示装置では、カバーレンズ、円偏光板、タッチフィルムセンサー、発光素子等の複数の部材シートが、透明な粘着シートで貼り合された積層構造をしており、ある粘着シートに焦点を当てると、第1の部材シートと粘着シートが積層された積層シートとみなすことができる。
折り畳み可能な屈曲性画像表示装置に関しては、直接装置の表面に触れて操作するタッチパネル機能が付随することが多い。
従って、折り畳み可能な屈曲性画像表示装置は、タッチパネル操作を想定し、手指やタッチペンが接触しても表面が割れない耐衝撃性や、歪が生じても解放された後に早急に歪が取り除かれて初期状態まで回復する復元性が求められる。
一方、透明粘着シートに含有する腐食成分や、外部環境から内部に侵入した腐食成分が、金属配線や透明電極を腐食するという問題を抱えていた。
さらに近年のセンサーの大型化や狭額縁化に伴い、銅配線、銀メッシュ電極、銀ナノワイヤー透明電極など、より一層腐食しやすい金属部材を備えた表示装置や入力装置が増えている。
特許文献1には、クリープコンプライアンス変動値と緩和弾性率変動値の積値を好適な範囲とすることで、繰り返し屈曲デバイスに適用して、屈曲状態から解放した後、粘着剤層の変形を抑制し、屈曲状態に置かれたことによる影響を緩和するように高い復元性を示す、繰り返し屈曲デバイス用粘着剤及び粘着シート、ならびに屈曲積層部材及び繰り返し屈曲デバイスが開示されている。
特開2019−123826号公報
しかしながら、粘着シートのクリープコンプライアンス変動値と緩和弾性率変動値の積値を、特許文献1に開示されるように好適な範囲に制御しても、接触や加圧による衝撃を吸収しきれず、粘着シートの被着体である部材シートにストレスがかかって傷がついたり、歪の影響が残って復元性が不十分となってしまったりする等の不具合が生じることがあった。
そこで、本発明は、部材シートと粘着シートが積層されてなる構成を備えた積層シートにおいて、接触や加圧による衝撃を受けても、当該部材シートにかかるストレスを吸収して傷つきを防ぐことができる良好な耐衝撃性を示し、さらには歪からの復元性が良好な粘着シート又は粘着層、これらを用いた積層シート、フレキシブル画像表示装置部材及びフレキシブル画像表示装置を提供せんとするものである。
本発明は、下記(1)及び(2)の要件を満たす粘着シートを提案する。
(1) 周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により得られる損失弾性率の−60℃〜25℃の温度範囲での最大値(tanδ(max))が、1.5以上である。
(2) 3,000Paの応力を印加した時に測定されるクリープコンプライアンス値を最小クリープコンプライアンスJ(t)min(MPa−1)とし、当該最小クリープコンプライアンスJ(t)minが測定されてから3757秒後まで3,000Paの応力を印加し続け、その間に測定される最大のクリープコンプライアンス値を最大クリープコンプライアンスJ(t)max(MPa−1)とした場合に、当該最小クリープコンプライアンスJ(t)minと最大クリープコンプライアンスJ(t)maxとの差から算出されるクリープコンプライアンス変動値ΔlogJ(t)が1.0未満である。
本発明はまた、2つのフレキシブル部材が粘着層を介して貼り合わされた構成を有し、前記粘着層が、前記(1)及び(2)の要件を満たす、フレキシブル画像表示装置部材を提案する。
本発明はさらに、前記粘着シート又は粘着層の少なくとも片面に部材シートを備えた積層シートを提案する。この際、当該部材シートは、(3)ASTM D882に準拠して測定した25℃の引張強度が、10MPa〜900MPaである。
本発明はまた、前記積層シートを備えたフレキシブル画像表示装置を提案する。
本発明が提案する粘着シート又は粘着層は、クリープコンプライアンス変動値ΔlogJ(t)を、1.0未満とし、且つ、損失弾性率の−60℃〜25℃の温度範囲での最大値を特定の範囲に調整することで、接触や加圧による衝撃を受けても当該部材シートにかかるストレスを吸収して傷がつくことを防ぐことができ、さらに歪からの良好な復元性を示すことができる。
次に、実施の形態例に基づいて本発明を説明する。但し、本発明が次に説明する実施形態に限定されるものではない。
<<本粘着シート>>
本発明の実施形態の一例に係る粘着シート(以下、「本粘着シート」と称することがある。)は、下記(1)及び(2)の要件を満たす。
(1) 周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により得られる損失弾性率の−60℃〜25℃の温度範囲での最大値(tanδ(max))が、1.5以上である。
(2) 3,000Paの応力を印加した時に測定されるクリープコンプライアンス値を最小クリープコンプライアンスJ(t)min(MPa−1)とし、当該最小クリープコンプライアンスJ(t)minが測定されてから3757秒後まで3,000Paの応力を印加し続け、その間に測定される最大のクリープコンプライアンス値を最大クリープコンプライアンスJ(t)max(MPa−1)とした場合に、当該最小クリープコンプライアンスJ(t)minと最大クリープコンプライアンスJ(t)maxとの差から算出されるクリープコンプライアンス変動値ΔlogJ(t)が1.0未満である。
<<本フレキシブル画像表示装置部材>>
本発明の実施形態の一例に係るフレキシブル画像表示装置部材(以下、「本フレキシブル画像表示装置部材」と称することがある。)は、2つのフレキシブル部材が粘着層を介して貼り合わされた構成を有し、前記粘着層(以下、「本粘着層」と称することがある。)が、下記(1)及び(2)の要件を満たす。
(1) 周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により得られる損失弾性率の−60℃〜25℃の温度範囲での最大値(tanδ(max))が、1.5以上である。
(2) 3,000Paの応力を印加した時に測定されるクリープコンプライアンス値を最小クリープコンプライアンスJ(t)min(MPa−1)とし、当該最小クリープコンプライアンスJ(t)minが測定されてから3757秒後まで3,000Paの応力を印加し続け、その間に測定される最大のクリープコンプライアンス値を最大クリープコンプライアンスJ(t)max(MPa−1)とした場合に、当該最小クリープコンプライアンスJ(t)minと最大クリープコンプライアンスJ(t)maxとの差から算出されるクリープコンプライアンス変動値ΔlogJ(t)が1.0未満である。
なお、本粘着層は、その形態に制限はなく、予めシート状に成形されたシート状粘着製品が本フレキシブル画像表示装置部材に貼り合わされて形成されたものであっても、本フレキシブル画像表示装置部材に粘着層が直接形成されたものであってもよい。
<<本粘着シート及び本粘着層>>
先ず、本粘着シート及び本粘着層について説明する。
<貯蔵剪断弾性率と損失正接>
本粘着シート及び本粘着層は、周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により得られる損失弾性率の−60℃〜25℃の温度範囲での最大値(tanδ(max))が、1.5以上であることが好ましく、1.6以上であるのがより好ましく、1.7以上であるのがさらに好ましい。
他方、当該最大値(tanδ(max))の上限値に関しては、折り畳みからの復元性維持の観点から、4.0以下であるのが好ましい。
tanδ(max)を上記範囲とすることで、例えば本粘着シート又は本粘着層を部材シートに貼着して積層シート或いはフレキシブル画像表示装置部材を形成した際、常温から高温において、積層シート及びフレキシブル画像表示装置部材の折り曲げ時の層間応力を小さくすることができ、接触や加圧による衝撃を受けても、粘着シート又は粘着層で衝撃吸収するため、衝撃による部材シート及びフレキシブル画像表示装置部材の傷つきを防ぐことができる。
tanδ(max)を上記範囲にするための方法としては、本粘着シート又は本粘着層を製造する際、本粘着シート又は本粘着層の主成分をなす樹脂の種類及びその質量平均分子量、さらに主成分以外の樹脂の配合を調整するなどすればよい。
但し、この方法に限定するものではない。
さらに、本粘着シート及び本粘着層は、周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により得られる−20℃の貯蔵剪断弾性率(G’(−20℃))が、1.0MPa以下であるのが好ましく、0.70MPa以下であるのがより好ましく、0.60MPa以下であるのがさらに好ましい。他方、当該貯蔵剪断弾性率(G’(−20℃))の下限値に関しては、高温側での形状維持の観点から、0.05MPa以上であるのが好ましい。
本粘着シート及び本粘着層の貯蔵剪断弾性率(G’(−20℃))を1.0MPa以下とすることで、低温での折り曲げ時の層間応力を小さくすることができ、部材シート又はフレキシブル部材のデラミや割れを抑制することができる。
一般的に粘着シート及び粘着層は、低温から常温間にガラス転移温度(Tg)があるため、貯蔵剪断弾性率(G’(−20℃))は貯蔵剪断弾性率(G’(60℃))よりも大きくなる。
しかし、貯蔵剪断弾性率G’(−20℃))が1.0MPa以下であれば、低温で折り曲げ操作をしても、部材シート又はフレキシブル部材の割れを防止することができる。
さらに本粘着シート及び本粘着層は、周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により得られる60℃の貯蔵剪断弾性率(G’(60℃))が、0.005MPa以上0.20MPa未満であるのが好ましく、0.18MPa以下であるのが好ましく、中でも0.15MPa以下であるのがより好ましく、その中でも0.12MPa以下であるのがさらに好ましい。
他方、当該貯蔵剪断弾性率(G’(60℃))の下限値に関しては、形状維持の観点から、0.004MPa以上であるのが好ましい。
貯蔵剪断弾性率(G’(60℃))を上記範囲とすることで、例えば本粘着シート又は本粘着層を部材シートに貼着して積層シート或いはフレキシブル画像表示装置部材を形成した際、常温から高温において、積層シート又はフレキシブル画像表示装置部材の折り曲げ時の層間応力を小さくすることができ、部材シート又はフレキシブル部材のデラミや割れを抑制することができる。
本粘着シート及び本粘着層の周波数1Hzの剪断測定における60℃の損失正接(tanδ(60℃))は、0.60以下であるのが好ましく、0.55以下であるのがより好ましく、0.50以下であるのがさらに好ましい。他方、当該損失正接(tanδ(60℃))の下限値に関しては、粘着力維持の観点から、0.20以上であるのが好ましい。
損失正接(tanδ(60℃))を上記範囲とすることで、粘着シート及び本粘着層の流動を抑えることができ、例えば本粘着シート又は本粘着層を部材シートに貼着して積層シート或いはフレキシブル画像表示装置部材を形成した際、当該積層シート又はフレキシブル画像表示装置部材を折り曲げ状態から開いた際の復元性を良好にすることができる。
なお、本粘着シート及び本粘着層の貯蔵剪断弾性率(G’(60℃))が0.20MPa未満であっても、損失正接(tanδ(60℃))が大きい場合は、本粘着シート又は本粘着層が高温屈曲時にクリープ変形することになる。
しかしながら、損失正接(tanδ(60℃))を0.60以下とすることで、クリープ変形を抑えることができ、折り曲げ状態から開いた際の復元性も良好にできる。
<損失正接(tanδ)の極大点、及び、ガラス転移温度(Tg)>
本粘着シート及び本粘着層の周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により得られる損失正接の極大点は、−25℃以下にあるのが好ましい。
当該損失正接(tanδ)の極大点は、ガラス転移温度(Tg)と解釈することができ、ガラス転移温度(Tg)が上記範囲にあることで、本粘着シート及び本粘着層の貯蔵剪断弾性率(G’(−20℃))を1.0MPa以下に調整しやすい。
なお、「ガラス転移温度」とは、損失正接(tanδ)の主分散のピークが現れる温度をいう。よって、周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により得られる損失正接(tanδ)の極大点が1点のみ観察される場合、言い換えれば、tanδ曲線が単峰山形状を呈する場合、ガラス転移温度(Tg)が単一であるとみなすことができる。
損失正接(tanδ)の「極大点」とは、tanδ曲線におけるピーク値、すなわち微分した際に正(+)から負(−)に変化する変曲点の中で、所定範囲或いは全体範囲において最大の値を持つ点の意味である。
種々の温度における弾性率(貯蔵弾性率)G’、粘性率(損失弾性率)G”及びtanδ=G”/G’は、ひずみレオメーターを用いて測定することができる。
貯蔵剪断弾性率(G’)及び損失正接(tanδ)は、本粘着シート及び本粘着層を構成する樹脂(例えば後述するアクリル系(共)重合体、及び、硬化性化合物)の種類、及び、その質量平均分子量などを調整したり、さらに粘着シート及び粘着層のゲル分率などを調整したりすることによって、上記範囲に調整することができる。但し、これらの方法に限定されるものではない。
<クリープコンプライアンス>
本粘着シート及び本粘着層について、3,000Paの応力を印加した時に測定されるクリープコンプライアンス値を最小クリープコンプライアンスJ(t)min(MPa−1)とし、当該最小クリープコンプライアンスJ(t)minが測定されてから3757秒後まで3,000Paの応力を印加し続け、その間に測定される最大のクリープコンプライアンス値を最大クリープコンプライアンスJ(t)max(MPa−1)とした場合に、当該最小クリープコンプライアンスJ(t)minと最大クリープコンプライアンスJ(t)maxとの差から算出されるクリープコンプライアンス変動値ΔlogJ(t)が、1.0未満であることが好ましい。
上記クリープコンプライアンス変動値ΔlogJ(t)を小さくするためには、本粘着シート及び本粘着層の架橋構造において、架橋点の数を増やしたり、長鎖構造を有する架橋構造とすることで架橋点間分子量を大きくした分子鎖絡み合い構造としたり、ゲル分率を大きくするといった方法を採用するのが好ましい。
また、本粘着シート及び本粘着層を形成するポリマーの種類及びその質量平均分子量などを調整することでも、クリープコンプライアンス変動値ΔlogJ(t)を調整可能である。
但し、クリープコンプライアンス変動値ΔlogJ(t)の調整方法は、これらの方法に限定されるものではない。
近年、画像表示装置の軽量化の要望により、使用される部材シートは薄膜化の傾向にあ
り、部材シートへのストレスの低減化が重要となっている。
ここで、画像表示装置に含まれ、本粘着シート及び本粘着層に貼着される部材シートとしては、例えばシクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等を主成分とするシートを挙げることができる。
中でも環状オレフィン樹脂を主成分とするシートの25℃の引張強度は、厚み100μmで40MPa〜60MPaと低く、このような引張強度が低い部材シートを用いた積層シートの場合、折り曲げ時に割れが生じやすく、従来技術の範囲では割れを解消することが困難であった。
なお、上記「主成分」とは、部材シートを構成する樹脂成分の中で最も多い質量比率を占める成分であることをいい、具体的には、部材シート又は該部材シートを形成する樹脂組成物の50質量%以上を占めるものであり、中でも55質量%以上、その中でも60質量%以上を占めるのがさらに好ましい。
ところが、本粘着シート及び本粘着層について、3,000Paの応力を印加した時に測定されるクリープコンプライアンス値を最小クリープコンプライアンスJ(t)min(MPa−1)とし、当該最小クリープコンプライアンスJ(t)minが測定されてから3757秒後まで3,000Paの応力を印加し続け、その間に測定される最大のクリープコンプライアンス値を最大クリープコンプライアンスJ(t)max(MPa−1)とした場合に、当該最小クリープコンプライアンスJ(t)minと最大クリープコンプライアンスJ(t)maxとの差から算出されるクリープコンプライアンス変動値ΔlogJ(t)が、1.0未満であれば、本粘着シート及び本粘着層を部材シートに貼着し、高温下で折り畳み操作を行った場合であっても、屈曲状態に置かれたことによる影響が残らない復元性に優れた粘着シート及び本粘着層とすることができる。
かかる観点から、前記クリープコンプライアンス変動値ΔlogJ(t)は1.0未満であるのが好ましく、中でも0.9以下、その中でも0.8以下であるのがさらに好ましい。
<金属成分量>
本粘着シート及び本粘着層は、金属元素の含有量(二種類以上の金属元素を含有する場合はその合計含有量)が1000ppm未満であるのが好ましく、中でも800ppm以下であるのがより好ましく、中でも600ppm以下、その中でも400ppm以下であるのが特に好ましい。
本粘着シート及び本粘着層に含まれる金属元素の総含有量を上記範囲とすることで、銅や銀の腐食をより一層効果的に抑制することができる。
上記金属元素としては、粘着剤に含まれる金属成分であり、かつ、腐食硬化をしやすいという観点から、Fe、Zn、Zr、Bi、Al及びSnからなる群から選択される一種又は二種以上であるのが好ましい。
なお、粘着樹脂中の金属成分の含有量は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置を使用して、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法と絶対検量線法で粘着シート及び粘着層中の金属成分の定量を行うことができる。
この際、定量下限値(50ppm)以上検出された元素の総量を用いることができる。
本粘着シート及び本粘着層において、金属元素の含有量を上記範囲に調整する方法としては、(メタ)アクリロイル基含有成分の製造方法を調整してこれら元素含有量を調整したり、(メタ)アクリロイル基含有成分を洗浄してその条件を調整したりする方法を挙げることができる。
但し、これらの方法に限定するものではない。
<ゲル分率>
本粘着シート及び本粘着層のゲル分率は、70%以上であることが好ましく、75%以上であることがさらに好ましく、80%以上であることがより好ましい。
本粘着シート及び本粘着層のゲル分率が70%以上であることにより、形状を十分に保持することができる。
<全光線透過率、ヘイズ>
本粘着シート及び本粘着層の全光線透過率は85%以上であることが好ましく、88%以上であることがさらに好ましく、90%以上であることがより好ましい。
また、本粘着シート及び本粘着層は、ヘイズが1.0%以下であることが好ましく、0.8%以下であることがさらに好ましく、特に0.5%以下であることがより好ましい。
本粘着シート及び本粘着層のヘイズが1.0%以下であることにより、画像表示装置用の用途に使用することができる。
本粘着シート及び本粘着層のヘイズを上記範囲にするためには、本粘着シート及び本粘着層が有機粒子等の粒子を含まないことが好ましい。
<厚み>
本粘着シート及び本粘着層の厚みは、特に制限されるものではなく、その厚みが5μm以上であれば、ハンドリング性が良好であり、また、厚みが1000μm以下であれば、積層体の薄型化に寄与することができる。
よって、本粘着シート及び本粘着層の厚みは、5μm以上であるのが好ましく、中でも8μm以上、特に10μm以上であるのがより好ましい。
一方、上限に関しては、1000μm以下であるのが好ましく、中でも500μm以下、特に250μm以下であるのがさらに好ましい。
<アクリル系(共)重合体>
本粘着シート及び本粘着層は、(メタ)アクリレートをモノマー成分として有するアクリル系(共)重合体及び後述する硬化性化合物、を含む樹脂組成物を硬化して形成されることが好ましい。
硬化前成分としてアクリル系(共)重合体を含むことで、本粘着シート及び本粘着層の接着力及び凝集力を高めることができる。
また、本粘着シート及び本粘着層は、前記アクリル系(共)重合体を構成するモノマー成分の混合物又はその部分重合物と、後述する硬化性樹脂とを含む樹脂組成物を硬化して形成することもできる。
当該(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリロイル基を一つ有する単官能(メタ)アクリレート(a1)の他、(メタ)アクリロイル基を二つ以上有する多官能(メタ)アクリレート(a2)を挙げることができ、中でも前記単官能(メタ)アクリレート(a1)が好ましい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」とはアクリル及びメタクリルを、「(メタ)アクリロイル」とはアクリロイル及びメタクリロイルを、「(メタ)アクリレート」とはアクリレート及びメタクリレートをそれぞれ包括する意味である。
また、「(共)重合体」とは、単独重合体及び共重合体をそれぞれ包括する意味である。
以下、アクリル系(共)重合体を形成するモノマー成分について詳述する。
(単官能(メタ)アクリレート(a1))
アクリル系(共)重合体の構成モノマーとなる単官能アクリレートとしては、アルキル(メタ)アクリレート以外に、カルボキシル基含有(メタ)アクリレート、水酸基含有(メタ)アクリレート、エポキシ基含有(メタ)アクリレート、アミノ基含有(メタ)アクリレート、アミド基含有(メタ)アクリレート等の官能基を有する(メタ)アクリレートを挙げることができる。
本粘着シート及び本粘着層においては、アクリル系(共)重合体の構成モノマーである単官能アクリレートとして、本粘着シート及び本粘着層のガラス転移温度を調整する観点から、アルキル(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
当該アルキル(メタ)アクリレートとしては、直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレートのいずれも採用することができる。例としては、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、及び、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらのアルキル(メタ)アクリレートの中でも、アクリル系(共)重合体のガラス転移温度を調整する観点から、単官能(メタ)アクリレート(a1)が炭素数4〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートであることが好ましく、炭素数4〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートであることがさらに好ましい。
単官能(メタ)アクリレート(a1)のアルキル炭素数が4〜20の範囲内であれば、粘着シートのガラス転移温度を上記の範囲に調整しやすくなる。分岐構造であるアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートは、炭素数が大きい場合でも結晶性がなく低いガラス転移温度であるので、特に好ましい。
(多官能(メタ)アクリレート(a2))
アクリル系(共)重合体の構成モノマーとして、上記単官能(メタ)アクリレート(a1)の他、複数の(メタ)アクリレート基を有する多官能(メタ)アクリレートを含有していてもよい。
多官能(メタ)アクリレート(a2)は、特に制限はないが、本粘着シート及び本粘着層の貯蔵剪断弾性率60℃の貯蔵剪断弾性率(G’(60℃))を0.20MPa未満に調整しやすくする観点から、多官能ウレタン(メタ)アクリレートであることが好ましい。
前記のクリープコンプライアンス変動値ΔlogJ(t)を1.0未満に調整するためには、架橋ネットワークを形成する必要がある。
上記したアルキル(メタ)アクリレートに加えて、多官能ウレタン(メタ)アクリレートをモノマー成分として選択することで、適切なネットワーク形成をしやすくなる。
したがって、アクリル系(共)重合体として、多官能ウレタン(メタ)アクリレートをモノマー成分として含むウレタンアクリル系(共)重合体を使用することが好ましい。
特に架橋密度を上げ過ぎず、且つ貯蔵剪断弾性率(G’(60℃))を0.20MPa未満にする観点から、多官能(メタ)アクリレート(a2)は、2〜3個の(メタ)アクリレート基を有する2〜3官能のウレタン(メタ)アクリレートがより好ましく、2官能ウレタン(メタ)アクリレートが特に好ましい。
多官能ウレタン(メタ)アクリレートの種類は特に制限はないが、好ましくは、分子内に2個以上の水酸基を有するポリオール化合物と、分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物と、少なくとも分子中に1個以上の水酸基を含有する(メタ)アクリレートとの反応生成物からなる多官能ウレタン(メタ)アクリレートであることが好ましい。
前記の分子内に2個以上の水酸基を有するポリオール化合物としては、例として、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、カプロラクトンジオール、ビスフェノールポリオール、ポリイソプレンポリオール、水添ポリイソプレンポリオール、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ひまし油ポリオール、ポリカーボネートジオール等を挙げることができる。
中でも、透明性に優れ、耐久性に優れることから、ポリカーボネートジオール、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオールが好ましく、特に好ましくは、高温高湿度条件下でも白濁を生じないという観点からポリカーボネートジオール、水添ポリブタジエンポリオールを挙げることができる。これらは単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。
前記の分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物は、例えば芳香族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネートなどを挙げることができ、中でも柔軟性のある硬化物が得られるという観点で、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネートが好ましい。これらは単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。
ここで、前記芳香族ポリイソシアネートの例としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジソシアナート、トリフェニルメタントリイソシアネートなどを挙げることができる。
前記脂環式ポリイソシアネートの例としては、イソホロンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ノルボルナンジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等を挙げることができる。
前記脂肪族ポリイソシアネートの例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,6,11−ウンデカトリイソシアネート等を挙げることができる。
中でも、高温高湿度下に置いた場合に接着層に白濁が生じない硬化物が得られることから、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネートが好ましい。
前記の少なくとも分子中に1個以上の水酸基を含有する(メタ)アクリレートは、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール等の二価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等の三価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート又はジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらは単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。
多官能ウレタン(メタ)アクリレートの合成方法は特に限定されるものではなく、公知の方法を使用することができる。例えば、分子内に2個以上の水酸基を有するポリオール化合物と、分子内に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物とを、モル比(ポリオール化合物:イソシアネート化合物)で好ましくは3:1〜1:3、より好ましくは2:1〜1:2の割合で、希釈剤(例えば、メチルエチルケトン、メトキシフェノール等)中で反応させることによって、ウレタンプレポリマーを得る。得られたウレタンプレポリマー中に残存するイソシアネート基と、これと反応するのに十分な量の少なくとも分子中に1個以上の水酸基を含有する(メタ)アクリレートとを反応させることによって、多官能ウレタン(メタ)アクリレートが得られる。
この時に用いる触媒としては、例えば、オレイン酸鉛、テトラブチルスズ、三塩化アンチモン、トリフェニルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ジブチル錫ジラウレート、ナフテン酸銅、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、オクテン酸亜鉛、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸コバルト、テトラ−n−ブチル−1,3−ジアセチルオキシジスタノキサン、トリエチルアミン、1,4−ジアザ[2,2,2]ビシクロオクタン、N−エチルモルホリンなどを挙げることができる。
上記のアクリル系(共)重合体として、ウレタン(メタ)アクリレートをモノマー成分として含有するアクリル系(共)重合体、その中でも、多官能ウレタン(メタ)アクリレートをモノマー成分として含有するアクリル系(共)重合体は好ましい一例である。
(その他モノマー成分)
本粘着シートは、上記以外の(メタ)アクリレート成分をアクリル系(共)重合体のモノマー成分として含有することができる。
例えば、部材シート又はフレキシブル部材との密着性を向上させるために、極性官能基を有するモノマーを含有することが好ましい。
モノマーが有する極性官能基としては、水酸基、チオール基、カルボキシル基、カルボニル基、エステル基、アミノ基、アミド基、グリシジル基、シラノール基などを挙げることができる。中でも部材との密着性を向上させ、周辺部材を腐食させにくい極性官能基として水酸基、アミノ基、アミド基、カルボニル基、エステル基、グリシジル基、シラノール基が好ましい。中でも特に密着性の向上に効果が高いものとして水酸基、アミノ基、アミド基、グリシジル基が好ましい。
このような極性官能基を含有するモノマーとしては、例えば4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ジエチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、アクリロイルモルフォリン、4−t−ブチルシクロヘキシルアクリレートなどを挙げることができる。中でも4−ヒドロキシブチルアクリレート、ジエチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、アクリロイルモルフォリンがコストや密着性の観点から特に好ましい。
また、上記単官能モノマー以外にも2官能以上のアクリレートを含有してもよい。
<硬化性化合物>
硬化性化合物は、熱又は光照射により硬化する性質を有する化合物である。本粘着シート及び本粘着層において、硬化性化合物は上記アクリル系共重合体と架橋構造を形成していることが好ましい。
なお、「架橋構造を形成している」とは、ポリマー鎖が化学結合を介して架橋している場合のみならず、ポリマー鎖内又はポリマー鎖間の水素結合、静電的相互作用、ファンデルワールス力等の相互作用による非共有結合によって(疑似)架橋している場合も含む。
硬化性化合物は、硬化してアクリル系(共)重合体と架橋構造を形成する観点から、分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物であることが好ましい。
特に硬化性化合物は(メタ)アクリレートであることが好ましく、とりわけ、単官能(メタ)アクリレートであることが好ましい。例えば、ウレタン(メタ)アクリレートを挙げることができる。
なお、ここで単官能(メタ)アクリレートとは、(メタ)アクリロイル基を一つ有する(メタ)アクリレートをいう。
硬化性化合物は、ホモ重合した時の重合体のガラス転移温度が−40℃以下であることが好ましく、−45℃以下であることがより好ましい。
硬化性化合物がかかる範囲のガラス転移温度を有することにより、上記アクリル系(共)重合体のガラス転移温度を比較的高く設定することができるようになる。
したがって、本粘着シート及び本粘着層が、接着性を担保しながら、かつ、曲げ変形時の座屈に耐える柔軟性を付与し、耐屈曲性を兼備できるという、特に優れた効果を奏することができる。
その中でも、硬化性化合物としては、グリコール骨格を有する(メタ)アクリレートであることが好ましい。グリコール骨格を有する(メタ)アクリレートは、硬化後のガラス転移温度を低くしやすく、該骨格成分の分子量を調整することで柔軟性等も付与しやすい。
前記グリコール骨格としては、例えば、エチレングリコール骨格、プロピレングリコール骨格、ジエチレングリコール骨格、ブタンジオール骨格、ヘキサンジオール骨格、1,4−シクロヘキサンジメタノール骨格、グリコール酸骨格、ポリグリコール骨格などを挙げることができる。これらの中でもとりわけ、ポリエチレングリコール骨格及び/又はポリプロピレングリコール骨格であることがさらに好ましい。
さらに硬化性化合物は、質量平均分子量(MW)が5,000以上、より好ましくは7,000以上、さらに好ましくは9,000以上の(メタ)アクリレートであることが好ましい。
硬化性化合物がこのような(メタ)アクリレートであれば、直線構造が長く結合した骨格により、ガラス転移温度が低い硬化性化合物とすることができ、良好な柔軟性を付与することができる。
とりわけ、質量平均分子量5,000以上、より好ましくは7,000以上、さらに好ましくは9,000以上のグリコール骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。このようなウレタン(メタ)アクリレートを用いることで、被着体への良好な濡れ性も付与することができる。
硬化性化合物は、前記(メタ)アクリル系(共)重合体100質量部に対して15質量部を超え75質量部未満の割合で含有されるのが好ましい。かかる割合で前記光硬化性化合物を含有することで、粘着力と耐屈曲性をバランスよく兼備することができる。
かかる観点から、硬化性化合物は、前記(メタ)アクリル系(共)重合体100質量部に対して15質量部を超え75質量部未満の割合で含有されるのが好ましく、その中でも20質量部以上或いは70質量部以下、その中でも30質量部以上或いは65質量部以下の割合で含有されるのが好ましい。
硬化性化合物は、2種以上併用してもよい。
<ラジカル開始剤>
硬化性化合物を硬化させて本粘着シート又は本粘着層を得るために用いるラジカル開始剤としては、例えば紫外線や可視光線等の光、より具体的には、波長200nm〜780nmの光を照射することにより活性なラジカル種を発生する化合物を、好ましい例として挙げることができる。
前記ラジカル開始剤としては、開裂型光開始剤及び水素引抜型開始剤のいずれも使用することができる。ただし、水素引抜型開始剤を使用した場合、アクリル系(共)重合体からも水素引抜反応を起こして、光硬化性化合物のみならずアクリル系(共)重合体も架橋構造に取り込まれ、架橋点が多い架橋構造を形成することができるため好ましい。
また、水素引抜型開始剤は、一度光硬化反応に用いた後であっても、再度光照射をすることで、繰り返し活性種として機能し得ることから、後述する、いわゆる後硬化(ポストキュア)タイプとしてシートを使用する場合においては、後硬化時の光反応の起点となることができる点で好ましい。
前記水素引抜型光開始剤としては、例えばベンゾフェノン、4−メチル−ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4−(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン、2−ベンゾイル安息香酸メチル、ベンゾイル蟻酸メチル、ビス(2−フェニル−2−オキソ酢酸)オキシビスエチレン、4−(1,3−アクリロイル−1,4,7,10,13−ペンタオキソトリデシル)ベンゾフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、3−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、又はこれらの誘導体などを挙げることができる。
ラジカル開始剤の含有量の下限値としては、(メタ)アクリル系(共)重合体100質量部に対して0.005質量部以上であることが好ましく、0.03質量部以上であることがより好ましく、0.05質量部以上であることが最も好ましい。
また、その上限値としては、前記(メタ)アクリル系(共)重合体100質量部に対して5質量部以下であることが好ましく、3質量部以下であることがより好ましく、2質量部以下であることが最も好ましい。
<その他成分>
本粘着シート及び本粘着層は、上記アクリル系(共)重合体及び硬化性化合物以外の成分(「その他成分」とも称する)を含有することができる。その他成分については特に制限されず、本粘着シート及び本粘着層は、他のモノマー成分やポリマー成分を含有していてもよい。
本粘着シート及び本粘着層は、その他成分として、防錆剤を含有してもよい。
防錆剤の種類としては、トリアゾール類、ベンゾトリアゾール類が特に好ましく、タッチパネル上の透明電極が腐食するのを防止することができる。
好ましい添加量は本粘着シート及び本粘着層に対して0.01〜5質量%であるのが好ましく、中でも0.1質量%以上或いは3質量%以下であるのがさらに好ましい。
本粘着シート及び本粘着層は、その他成分として、シランカップリング剤を含有してもよい。
シランカップリング剤の種類としては、グリシジル基を含有する物や、(メタ)アクリル基、ビニル基を有するものが特に好ましい。
これらを含有することで、粘着シート及び本粘着層を用いて積層体にした際に、部材シート又はフレキシブル部材との密着性が向上し、湿熱環境下での発泡現象を抑制することができる。
好ましいシランカップリング剤の含有量は、本粘着シート及び本粘着層に対して0.01〜3質量%であるのが好ましく、中でも0.1質量%以上或いは1質量%以下であるのがさらに好ましい。被着体によっては、シランカップリング剤は0.01質量%の含有量であっても効果を発現することができる。
一方で、3質量%以下に調整することで脱アルコールによる発泡を抑えることができる。
本粘着シート及び本粘着層は、その他成分として、重合開始剤、硬化促進剤、充填剤、カップリング剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、安定剤、顔料、又はこれらの幾つかの組み合わせを含有してもよい。
これら添加剤の量は、典型的には、粘着シート及び本粘着層の硬化に悪影響を与えないように、又は粘着シート及び本粘着層の物理的特性に悪影響を与えないように選択するのが好ましい。
<本粘着シートの好ましい用途>
本粘着シートは、ディスプレイ部材を構成する部材(「ディスプレイ部材」とも称する)、とりわけ、ディスプレイを作製するのに用いるディスプレイ用のフレキシブル部材の貼合に使用することが好ましく、フレキシブルディスプレイを作製するのに用いるフレキシブルディスプレイ用の粘着部品として使用することが特に好ましい。
なお、フレキブル部材については、後述するものと同一のものを使用することができる。
<本フレキシブル画像表示装置部材の構成要素>
次に、本フレキシブル画像表示装置部材の構成要素のうち、本粘着層以外の要素について説明する。
(フレキシブル部材)
本フレキシブル画像表示装置部材を構成するフレキシブル部材としては、例えば有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ等のフレキシブルディスプレイ、カバーレンズ(カバーフィルム)、偏光板、偏光子、位相差フィルム、バリアフィルム、視野角補償フィルム、輝度向上フィルム、コントラスト向上フィルム、拡散フィルム、半透過反射フィルム、電極フィルム、透明導電性フィルム、金属メッシュフィルム、タッチセンサーフィルム等のディスプレイ用のフレキシブル部材を挙げることができる。これらのうちのいずれか1種又は2種のうちの2つを組み合わせて使用すればよい。例えばフレキシブルディスプレイと、その他のフレキシブル部材との組み合わせや、カバーレンズと、その他のフレキシブル部材との組み合わせを挙げることができる。
なお、フレキシブル部材とは、屈曲可能な部材、とりわけ、繰り返し屈曲可能な部材であることを意味する。特に、屈曲半径が25mm以上の湾曲形状に固定が可能な部材、とりわけ、屈曲半径25mm未満、より好ましくは、屈曲半径3mm未満での繰り返しの曲げ作用に耐えることができる部材であるのが好ましい。
上述の構成において、フレキブル部材の主成分は、例えばシクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、エポキシ樹脂及びポリイミド樹脂などを挙げることができ、これらのうちに一種の樹脂であっても、又は二種以上の樹脂であってもよい。
ここで「主成分」とは、フレキブル部材を構成する成分の中で最も多い質量比率を占める成分であることをいい、具体的にはフレキシブル部材を形成する樹脂組成物の50質量%以上を占めるものであり、55質量%以上、中でも60質量%以上を占めるのがさらに好ましい。
また、フレキブル部材は、薄膜ガラスからなるものであってもよい。
上述の構成において、2つのフレキシブル部材のいずれか一方、すなわち第1のフレキブル部材は、特に、ASTM D882に準拠して測定した25℃の引張強度が10MPa〜900MPaであることが好ましく、中でも15MPa以上或いは800MPa以下、中でも20MPa以上或いは700MPa以下であることがさらに好ましい。
また、他方のフレキシブル部材、すなわち、第2の部材シートに関しては、ASTM D882に準拠して測定した25℃の引張強度が10MPa〜900MPaであることが好ましく、中でも15MPa以上或いは800MPa以下、中でも20MPa以上或いは700MPa以下であることがさらに好ましい。
引張強度の高いフレキシブル部材しては、ポリイミドフィルムやポリエステルフィルム等を挙げることができ、これらの引張強度としては一般に900MPa以下である。
他方、引張強度がやや低いフレキシブル部材シートとしては、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、環状オレフィンポリマー(COP)フィルム等を挙げることができ、これらの引張強度としては10MPa以上である。
本フレキシブル画像表示装置部材は、このような引張強度がやや低い材料からなるフレキシブル部材を有していても、本粘着層の作用により割れなどの不具合を抑制することができる。
<<本積層シート>>
本発明の実施形態の一例に係る積層シート(以下、「本積層シート」と称することがある。)は、上述した本粘着シート又は本粘着層の少なくとも片面に、(3)の要件を満たす部材シートを備える。
(3) ASTMD882に準拠して測定した25℃の引張強度が、10MPa〜900
MPaである。
本積層シートは、部材シート(以下「第1の部材シート」と称することがある)と、本粘着シート又は本粘着層と、任意の部材シート(以下「第2の部材シート」と称することがある)とが、この順で積層されてなる構成を備えた積層シートであるのが好ましい。
この際、第2の部材シートも上記(3)の要件を満たすことが好ましい。
第1の部材シートと第2の部材シートは同じでもよいし、異なるものでもよい。
本積層シートの厚みは、特に制限されるものではない。例えば、画像表示装置に使用される場合の一例としては、本積層シートはシート状であり、その厚みが0.01mm以上であれば、ハンドリング性が良好であり、また、厚みが1.0mm以下であれば、積層体の薄型化に寄与することができる。
よって、本積層シートの厚みは、0.01mm以上であるのが好ましく、中でも0.03mm以上、特に0.05mm以上であるのがより好ましい。一方、上限に関しては、1.0mm以下であるのが好ましく、中でも0.7mm以下、特に0.5mm以下であるのがさらに好ましい。
<部材シート>
フレキシブル画像表示装置の構成や本粘着シート又は本粘着層の位置にも依るが、第1の部材シート及び第2の部材シートとしては、カバーレンズ、偏光板、位相差フィルム、バリアフィルム、タッチセンサーフィルム、発光素子等を挙げることができる。
特に、画像表示の構成を考慮すると、第1の部材シートは、タッチ入力機能を有することが好ましい。本粘着シート又は本粘着層が前述した第2の部材シートを有する場合、第2の部材シートもタッチ入力機能を有していてもよい。
部材シートの主成分は、例えばシクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、エポキシ樹脂及びポリイミド樹脂などを挙げることができ、これらのうちに一種の樹脂であっても、又は二種以上の樹脂であってもよい。
ここで「主成分」とは、部材シートを構成する成分の中で、最も多い質量比率を占める成分であることをいい、具体的には部材シート又は該部材シートを形成する樹脂組成物の50質量%以上を占めるものであり、55質量%以上、中でも60質量%以上を占めるのがさらに好ましい。
また、部材シートは薄膜ガラスであってもよい。ここで、薄膜ガラスとは、上記で挙げた部材シートの厚みを有するガラスを指す。
さらに、第1の部材シートに関しては、ASTM D882に準拠して測定した25℃の引張強度が10MPa〜900MPaであることが好ましく、中でも15MPa以上或いは800MPa以下、中でも20MPa以上或いは700MPa以下であることがさらに好ましい。
本粘着シート又は本粘着層が前述した第2の部材シートを有する場合、第2の部材シートに関しては、ASTM D882に準拠して測定した25℃の引張強度が10MPa〜900MPaであることが好ましく、中でも15MPa以上或いは800MPa以下、中でも20MPa以上或いは700MPa以下であることがさらに好ましい。
引張強度の高い部材シートとしては、ポリイミドフィルムやポリエステルフィルム等を挙げることができ、これらの引張強度としては一般に900MPa以下である。
他方、引張強度がやや低い部材シートとしては、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、環状オレフィンポリマー(COP)フィルム等を挙げることができ、これらの引張強度としては10MPa以上である。本積層シートは、このような引張強度がやや低い材料からなる部材シートを有していても、粘着シートの作用により割れなどの不具合を抑制することができる。
<<本粘着シート、本積層シートの製造方法>>
次に、本粘着シート、本積層シートの製造方法について説明する。但し、以下の説明は、本粘着シート及び本積層シートを製造する方法の一例であり、本粘着シート及び本積層シートはかかる製造方法により製造されるものに限定されるものではない。
本粘着シートの作製においては、アクリル系(共)重合体、光硬化性化合物、ラジカル開始剤、その他の成分などを含有する本粘着シート形成用樹脂組成物を調製し、当該樹脂組成物をシート状に成形し、アクリル系モノマーを架橋すなわち重合反応させて硬化させ、必要に応じて適宜加工を施すことにより、本粘着シートを作製すればよい。
また、本粘着層の作製においては、上記と同様にして本粘着層形成用樹脂組成物を調整し、これを部材シート又はフレキシブル部材上にコーティングし、当該樹脂組成物を硬化させることにより、本粘着層を形成すればよい。
但し、この方法に限定するものではない。
そして、本粘着シート又は本粘着層を、第1の部材シート乃至第2の部材シートに貼着することにより、本積層シートを作製することができる。
但し、このような製造方法に限定するものではない。
本粘着シート又は本粘着層形成用樹脂組成物を調製する際、上記原料を、温度調節可能な混練機(例えば、一軸押出機、二軸押出機、プラネタリーミキサー、二軸ミキサー、加圧ニーダー等)を用いて混練すればよい。
なお、種々の原料を混合する際、シランカップリング剤、酸化防止剤等の各種添加剤は、予め樹脂とともにブレンドしてから混練機に供給してもよいし、予め全ての材料を溶融混合してから供給してもよいし、添加剤のみを予め樹脂に濃縮したマスターバッチを作製し供給してもよい。
本粘着シート又は本粘着層に硬化性を付与するためには、上述のように、本粘着シート又は本粘着層形成用樹脂組成物を重合、言い換えれば架橋させるのが好ましい。
この際、第1の部材シート乃至第2の部材シートに本粘着シート又は本粘着層形成用樹脂組成物を塗布して重合させてもよいし、本粘着シート又は本粘着層形成用樹脂組成物を重合させて貼着してもよい。
本粘着シート形成用樹脂組成物をシート状に成形する方法としては、公知の方法、例えばウェットラミネーション法、ドライラミネート法、Tダイを用いる押出キャスト法、押出ラミネート法、カレンダー法やインフレーション法、射出成型、注液硬化法等を採用することができる。中でも、シートを製造する場合は、ウェットラミネーション法、押出キャスト法、押出ラミネート法が好適である。
また、本粘着シート又は本粘着層形成用樹脂組成物がラジカル開始剤を含む場合、熱及び/又は活性エネルギー線を照射し硬化させることにより、硬化物を製造することができる。
特に、本粘着シート又は本粘着層形成用樹脂組成物を成形体、例えばシート体に成形したものに、熱及び/又は活性エネルギー線を照射することにより、本粘着シート又は本粘着層を製造することができる。
ここで、照射する活性エネルギー線としては、α線、β線、γ線、中性子線、電子線などの電離性放射線、紫外線、可視光線などを挙げることができ、中でも光学装置構成部材へのダメージ抑制や反応制御の観点から紫外線が好適である。
また、活性エネルギー線の照射エネルギー、照射時間、照射方法などに関しては特に限定されず、重合開始剤を活性化させてモノマー成分を重合できればよい。
ラジカル開始剤として水素引抜開始剤を用いた場合、アクリル系(共)重合体からも水素引抜反応を起こして、光硬化性化合物のみならずアクリル系(共)重合体も架橋構造に取り込まれ、架橋点が多い架橋構造を形成することができる。従って、本粘着シート又は本粘着層は水素引抜開始剤を用いて硬化してなるものであることが好ましい。
また、本粘着シートの製造方法の別の実施態様として、後述する本粘着シート形成用樹脂組成物を適切な溶剤に溶解させ、各種コーティング手法を用いて実施することもできる。
コーティング手法を用いた場合、上記の活性エネルギー線照射硬化の他、熱硬化させることにより本粘着シートを得ることもできる。
コーティングの場合、粘着シートの厚みは塗工厚みと塗工液の固形分濃度によって調整できる。
なお、ブロッキング防止や異物付着防止の観点から、本粘着シート又は本粘着層の少なくとも片面に、離型層が積層されてなる保護フィルムを設けることもできる。
また、必要に応じて、エンボス加工や種々の凹凸(円錐や角錐形状や半球形状など)加工を行ってもよい。また、各種部材シートへの接着性を向上させる目的で、表面にコロナ処理、プラズマ処理及びプライマー処理などの各種表面処理を行ってもよい。
<<本フレキシブル画像表示装置部材の製造方法>>
本フレキシブル画像表示装置部材の製造方法としては、特に制限されるものではなく、上述のように、本粘着層形成用の樹脂組成物をフレキブル部材上に塗布して形成しても良いし、予め当該樹脂組成物を用いてシート状に成形した後に、フレキブル部材と貼合しても良い。
<<画像表示装置>>
本積層シートを組み込むことで、例えば本積層シートを他の画像表示装置構成部材に積層することで、本積層シートを備えたフレキシブル画像表示装置を形成することができる。
フレキシブル画像表示装置とは、繰り返し折り曲げても折り曲げの跡を残さず、折り曲げを解放した際には折り曲げる前の状態まで素早く回復することができ、折り曲げても歪みなく画像を表示できる可能な画像表示装置を言う。
より具体的には、屈曲半径が25mm以上の湾曲固定形状が可能な部材、とりわけ、屈曲半径25mm未満、より好ましくは、屈曲半径3mm未満での繰り返しの曲げ作用に耐えることができる部材からなる画像表示装置をいう。
<<語句の説明など>>
本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
また、画像表示パネル、保護パネル等のように「パネル」と表現する場合、板体、シート及びフィルムを包含するものである。
本明細書において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
また、「X以上」(Xは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
本発明は、以下の実施例により更に説明する。但し、下記に示す実施例に本発明が限定解釈されるものではない。
<原料>
先ず、実施例・比較例で調製した樹脂組成物の原料の詳細について説明する。
1.アクリル系(共)重合体
・2−エチルヘキシルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート及び4−ヒドロキシアクリレートからなるアクリル系共重合体(質量平均分子量:約70万)
2.硬化性化合物
・ウレタンアクリレート;プロピレングリコール骨格含有単官能ウレタンアクリレート、PEM−X264(AGC社製)、質量平均分子量:約10,000、ガラス転移温度:−53℃
3.イソシアネート系原料
・Baxenden社製Trixeneブロックイソシアネート品番「7982」
4.熱硬化触媒
・楠本化成社製「K−KAT XK672」(金属成分としてZnとZrを含む触媒)
5.ラジカル開始剤
・4−メチルベンゾフェノン(水素引抜型開始剤)
6.シランカップリング剤
・信越シリコーン社製「KBM403」
7.防錆剤
・1,2,3−ベンゾトリアゾール
8.溶剤
・酢酸エチル
9.アクリル系粘着シート
・市販品のアクリル系粘着シート(厚み:50μm)
Figure 2021088698
[粘着シートの作製1]
比較例1では、以下のようにして粘着シートを得た。
市販品のアクリル系粘着シートを、シリコーン離型処理された厚さ100μmの離型フィルム(三菱ケミカル社製PETフィルム)上に、展開した。
次に、当該アクリル系粘着シートの上からシリコーン離型処理された厚さ75μmの離型フィルム(三菱ケミカル社製PETフィルム)を積層して積層体を形成し、メタルハライドランプ照射装置(ウシオ電機社、UVC−0516S1、ランプUVL−8001M3−N)を用いて、離型フィルムを通して前記アクリル系粘着シートに対して、波長365nmの照射量が積算で2000mJ/cmとなるように光照射を行い、厚み50μmの粘着シート(サンプル)の表裏両側に離型フィルムが積層された粘着シート積層体を得た。
[粘着シートの作製2]
実施例1〜2では、以下のようにして粘着シートを得た。
表1に示した質量比で原料を配合して溶剤を含んだ樹脂組成物を作製し、シリコーン離型処理された前述の厚さ100μmの離型フィルム上に、樹脂組成物の厚みが220μmとなるようにシート状に展開した。
次に、離型フィルムと共に当該シート状の樹脂組成物を90℃に加熱した乾燥機内に入れて10分保持し、樹脂組成物が含有する溶剤を揮発させた。
さらに、溶剤を乾燥させた当該シート状の樹脂組成物の上に、シリコーン離型処理された前述の厚さ75μmの離型フィルムを積層して積層体を形成し、メタルハライドランプ照射装置(ウシオ電機社、UVC−0516S1、ランプUVL−8001M3−N)を用いて、離型フィルムを通して前記樹脂組成物に対して、波長365nmの照射量が積算で表1に記載の値となるように光照射を行い、50μmの粘着シート(サンプル)の表裏両側に離型フィルムが積層された粘着シート積層体を得た。
[粘着シートの作製3]
比較例2では、以下のようにして粘着シートを得た。
表1に示した質量比で原料を配合して溶剤を含んだ樹脂組成物を作製し、シリコーン離型処理された前述の厚さ100μmの離型フィルム上に、樹脂組成物の厚みが220μmとなるようにシート状に展開した。
次に、離型フィルムと共に当該シート状の樹脂組成物を90℃に加熱した乾燥機内に入れて10分保持し、樹脂組成物が含有する溶剤を揮発させた。さらに、溶剤を乾燥させた当該シート状の樹脂組成物の上に、シリコーン離型処理された前述の厚さ75μmの離型フィルムを積層して積層体を形成し、積層体を140℃に加熱した電気炉内に入れて60分保持して熱処理を行い、50μmの粘着シート(サンプル)の表裏両側に離型フィルムが積層された粘着シート積層体を得た。
[粘着シートの測定/評価]
実施例及び比較例で得た粘着シート(サンプル)の測定・評価を次のように行った。
<クリープコンプライアンス>
実施例及び比較例で作製した各粘着シート積層体から離型フィルムを取り除き、粘着シート(サンプル)を複数層積層することで厚さ1.0mmの積層体とした。得られた粘着剤層の積層体から、直径8mmの円柱体(高さ1.0mm)を打ち抜き、これをサンプルとした。上記サンプルについて、粘弾性測定装置(T.A.Instruments社製,製品名「DHR 1」)を用いて、以下の条件で3,000Paの応力を印加し続け、クリープコンプライアンスJ(t)(MPa−1)を測定した。その測定結果から、3,000Paの応力が印加された時の値を最小クリープコンプライアンスJ(t)min(MPa−1)とし、当該最小クリープコンプライアンスJ(t)minが測定されてから3757秒後までに測定された最大クリープコンプライアンスJ(t)max(MPa−1)を導出した。
(測定条件)
・粘着治具:Φ8mmパラレルプレート
・測定温度:25℃
<貯蔵剪断弾性率(G’)、損失正接(tanδ)>
実施例及び比較例で作製した各粘着シート積層体から離型フィルムを取り除き、粘着シート(サンプル)を複数層積層することで厚さ1.0mmの積層体とした。得られた粘着剤層の積層体から、直径8mmの円柱体(高さ1.0mm)を打ち抜き、これをサンプルとした。上記サンプルについて、粘弾性測定装置(T.A.Instruments社製,製品名「DHR 1」)を用いて、以下の測定条件下で、貯蔵剪断弾性率(G’)及び損失正接(tanδ)を測定した。
得られたデータから、損失弾性率の−60℃〜25℃の温度範囲での最大値(tanδ(max))、−20℃における貯蔵剪断弾性率G’(−20℃)、60℃における貯蔵剪断弾性率G’(60℃)、損失正接(tanδ)の極大点があらわれる温度(ガラス転移温度(Tg))を求めた。
(測定条件)
・粘着治具:Φ8mmパラレルプレート、
・歪み:0.1%
・周波数:1Hz
・測定温度:−60〜100℃
・昇温速度:5℃/分の条件
<ゲル分率>
実施例及び比較例で作製した各粘着シート積層体から離型フィルムを取り除き、約0.1gの粘着シート(サンプル)を採取し、酢酸エチルに24時間浸透させた後、75℃で4.5時間乾燥させ、その後に残留したゲル成分の質量分率を求めゲル分率とした。
<金属成分含有量>
粘着樹脂約0.2gをテフロン(登録商標)製分解容器に秤取り、電子工業用硝酸を加えてマイルストーンゼネラル社製マイクロウェーブ分解装置ETHOS−UPにて加圧分解後、メルク社製超純水製造装置で精製した超純水で全量を50mlとしたものを検液として使用した。
上記検液に対し、アジレント社製高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP−AES)を使用して、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法と絶対検量線法で粘着剤中の金属成分の定量を行った。
なお、金属成分含有量としては、定量下限値(50ppm)以上検出された元素の総量を用いた。
[積層シートの作製]
実施例及び比較例で作製した各粘着シート積層体の離型フィルムを取り除き、粘着シート(サンプル)の両面に第1の部材シート及び第2の部材シートをハンドロールにより貼り合わせ、積層シート(サンプル)を得た。
この際、実施例及び比較例では、第1の部材シート及び第2の部材シートとしてポリイミドフィルム(宇部興産社製「ユーピレックス50S」厚さ50μm)を用いた。
[積層シートの評価]
実施例・比較例で得た粘着シート(サンプル)を用いて上記のように作製した積層シート(サンプル)を次のように評価した。
<耐衝撃性試験>
積層シート(サンプル)の両面の離型フィルムを取り除き、粘着シート(サンプル)の両面にポリイミドフィルム(宇部興産社製「ユーピレックス50S」厚さ50μm)をハンドローラーで貼り合わせ、ポリイミドフィルム/粘着シート(サンプル)/ポリイミドフィルムで構成される積層体を作製した。作製した積層体を、金属板上に設置した感圧紙の上に重ねた。さらにステンレス製の球(5g)を用意し、ステンレス製の球を積層体上に、所定の高さから落下させた。落下させた後、感圧紙から積層体を取り除き、感圧紙に記録された、球のバウンド回数を数えた。
落下高さ:5cm
評価:「〇」バウンド回数が1回以下のものを耐衝撃性が良好とした。
評価:「×」バウンド回数が2回以上のものを耐衝撃性が不十分とした。
<残留歪試験>
積層シート(サンプル)の両面の離型フィルムを取り除き、粘着シート(サンプル)の両面にポリイミドフィルム(宇部興産社製「ユーピレックス50S」厚さ50μm)をハンドローラーで貼り合わせ、ポリイミドフィルム/粘着シート(サンプル)/ポリイミドフィルムで構成される積層体を作製した。作製した積層体を曲率半径R=3mmにて屈曲し、室温下(23℃)で3時間保管後、治具を開いて復元性を評価した。同様に部材シート(CPIフィルム)のみの復元性を確認したところ、フィルムの内角度は治具を開いて5秒後に90°以上に回復した。
評価:「〇」治具を開いて5秒後にフィルムの内角度が90℃以上に回復した。
評価:「×」治具を開いて5秒後にフィルムの内角度が90℃以上に回復しなかった。
<腐食性試験>
実施例及び比較例で作製した各粘着シート積層体から、一方の離型フィルムを取り除き、裏打ちフィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製「コスモシャインA4300」、厚さ100μm)をハンドローラーにて粘着シート(サンプル)にロール圧着した。続いてもう一方の離型フィルムを取り除き、TPK社製の銀ナノワイヤー(40nm径)シートの、銀ナノワイヤーコート面に、ハンドローラーにてロール圧着した。これを、85℃85%RHに制御した恒温恒湿槽に入れて、300時間後のシート抵抗値の上昇率を測定した。
シート抵抗値の測定にはナプソン社製「EC−80」を用いた。なお、下記の評価基準で評価した。
評価「〇」:300時間後にシートの抵抗値上昇率が10%未満
評価「×」:300時間後にシートの抵抗値上昇率が10%以上
以下動的及び静的屈曲試験においては、積層体の第1の部材シート及び第2の部材シートとして、CPIフィルム(主成分:透明ポリイミド、KOLON社製「C_50」、25℃引張強度:307MPa)を用いた。
粘着シート及び積層シートの測定、評価によって得られた結果を表2に示す。
Figure 2021088698
周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により得られる損失弾性率の−60℃〜25℃の温度範囲での最大値(tanδ(max))が1.5以上、かつ、クリープコンプライアンス変動値ΔlogJ(t)が1.0未満である、実施例1〜2の積層シートでは、耐衝撃性試験及び残留歪試験において良好な結果を示した。さらに、実施例1〜2の積層シートでは、動的屈曲性試験と静的屈曲性試験においても良好な復元性を示した。
しかし、クリープコンプライアンス変動値ΔlogJ(t)が1.0以上である比較例1の積層シートでは、残留歪試験において良好な結果が得られなかった。さらに周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により得られる損失弾性率の−60℃〜25℃の温度範囲での最大値(tanδ(max))が1.5未満の比較例1では耐衝撃性試験において良好な結果が得られなかった。
イソシアネートの熱架橋反応による得られた比較例2の粘着シートは、金属成分含有量は熱架橋反応に必要な触媒に含まれる金属成分により1800ppmと高く、金属腐食性試験において300時間後にシートの抵抗値上昇率が10%以上となり不良となった。従って、比較例2の粘着シートは耐衝撃性試験及び残留歪試験の評価を行わなかった。

Claims (26)

  1. 下記(1)及び(2)の要件を満たす粘着シート。
    (1) 周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により得られる損失弾性率の−60℃〜25℃の温度範囲での最大値(tanδ(max))が1.5以上である。
    (2) 3,000Paの応力を印加した時に測定されるクリープコンプライアンス値を最小クリープコンプライアンスJ(t)min(MPa−1)とし、当該最小クリープコンプライアンスJ(t)minが測定されてから3757秒後まで3,000Paの応力を印加し続け、その間に測定される最大のクリープコンプライアンス値を最大クリープコンプライアンスJ(t)max(MPa−1)とした場合に、当該最小クリープコンプライアンスJ(t)minと最大クリープコンプライアンスJ(t)maxとの差から算出されるクリープコンプライアンス変動値ΔlogJ(t)が1.0未満である。
  2. 周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により得られる−20℃の貯蔵剪断弾性率(G’(−20℃))が1.0MPa以下である請求項1に記載の粘着シート。
  3. 周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により得られる損失正接の極大点が−25℃以下である請求項1又は2に記載の粘着シート。
  4. ゲル分率が70%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の粘着シート。
  5. (メタ)アクリレートをモノマー成分として有するアクリル系(共)重合体及び硬化性化合物を含む樹脂組成物から形成される請求項1〜4のいずれかに記載の粘着シート。
  6. 前記樹脂組成物が、ラジカル開始剤を含む請求項5に記載の粘着シート。
  7. 前記硬化性化合物が、ウレタン(メタ)アクリレートである請求項5又は6に記載の粘着シート。
  8. 前記ウレタン(メタ)アクリレートが、グリコール骨格を有する(メタ)アクリレートである請求項7に記載の粘着シート。
  9. 金属元素の含有量が1000ppm未満である請求項1〜7のいずれかに記載の粘着シート。
  10. 前記金属元素が、Fe,Zn,Zr,Bi,Al及びSnからなる群から選択される一種又は二種以上である請求項9に記載の粘着シート。
  11. 2つのフレキシブル部材が粘着層を介して貼り合わされた構成を有するフレキシブル画像表示装置部材であって、
    前記粘着層は、(1)及び(2)の要件を満たす、フレキシブル画像表示装置部材。
    (1) 周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により得られる損失弾性率の−60℃〜25℃の温度範囲での最大値(tanδ(max))が1.5以上である。
    (2) 3,000Paの応力を印加した時に測定されるクリープコンプライアンス値を最小クリープコンプライアンスJ(t)min(MPa−1)とし、当該最小クリープコンプライアンスJ(t)minが測定されてから3757秒後まで3,000Paの応力を印加し続け、その間に測定される最大のクリープコンプライアンス値を最大クリープコンプライアンスJ(t)max(MPa−1)とした場合に、当該最小クリープコンプライアンスJ(t)minと最大クリープコンプライアンスJ(t)maxとの差から算出されるクリープコンプライアンス変動値ΔlogJ(t)が1.0未満である。
  12. 前記粘着層は、周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により得られる−20℃の貯蔵剪断弾性率(G’(−20℃))が1.0MPa以下である請求項11に記載のフレキシブル画像表示装置部材。
  13. 前記粘着層は、周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により得られる損失正接の極大点が−25℃以下である請求項11又は12に記載のフレキシブル画像表示装置部材。
  14. 前記粘着層は、ゲル分率が70%以上である請求項11〜13のいずれかに記載のフレキシブル画像表示装置部材。
  15. 前記粘着層は、(メタ)アクリレートをモノマー成分として有するアクリル系(共)重合体及び硬化性化合物を含む樹脂組成物から形成される請求項11〜14のいずれかに記載のフレキシブル画像表示装置部材。
  16. 前記樹脂組成物が、ラジカル開始剤を含む請求項15に記載のフレキシブル画像表示装置部材。
  17. 前記硬化性化合物が、ウレタン(メタ)アクリレートである請求項15又は16に記載のフレキシブル画像表示装置部材。
  18. 前記ウレタン(メタ)アクリレートが、グリコール骨格を有する(メタ)アクリレートである請求項17に記載のフレキシブル画像表示装置部材。
  19. 前記粘着層は、金属元素の含有量が1000ppm未満である請求項11〜17のいずれかに記載のフレキシブル画像表示装置部材。
  20. 前記金属元素が、Fe,Zn,Zr,Bi,Al及びSnからなる群から選択される一種又は二種以上である請求項19に記載のフレキシブル画像表示装置部材。
  21. 前記2つのフレキシブル部材の少なくとも一方が、(3)の要件を満たす、請求項11〜20のいずれかに記載のフレキシブル画像表示装置部材。
    (3) ASTMD882に準拠して測定した25℃の引張強度が、10MPa〜900MPaである。
  22. 請求項1〜10のいずれかに記載の粘着シートの少なくとも片面に、(3)の要件を満たす部材シートを備えた積層シート。
    (3) ASTMD882に準拠して測定した25℃の引張強度が、10MPa〜900MPaである。
  23. 粘着層の少なくとも片面に部材シートを備えた積層シートであって、
    前記粘着層は、下記(1)及び(2)の要件を満たし、
    前記部材シートは、下記(3)の要件を満たす、積層シート。
    (1) 周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により得られる損失弾性率の−60℃〜25℃の温度範囲での最大値(tanδ(max))が1.5以上である。
    (2) 3,000Paの応力を印加した時に測定されるクリープコンプライアンス値を最小クリープコンプライアンスJ(t)min(MPa−1)とし、当該最小クリープコンプライアンスJ(t)minが測定されてから3757秒後まで3,000Paの応力を印加し続け、その間に測定される最大のクリープコンプライアンス値を最大クリープコンプライアンスJ(t)max(MPa−1)とした場合に、当該最小クリープコンプライアンスJ(t)minと最大クリープコンプライアンスJ(t)maxとの差から算出されるクリープコンプライアンス変動値ΔlogJ(t)が1.0未満である。
    (3) ASTMD882に準拠して測定した25℃の引張強度が、10MPa〜900MPaである。
  24. 前記部材シートの主成分が、シクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、エポキシ樹脂及びポリイミド樹脂からなる群から選択される一種又は二種以上の樹脂であることを特徴とする請求項22又は23に記載の積層シート。
  25. 前記部材シートが、薄膜ガラスである請求項22又は23に記載の積層シート。
  26. 請求項22〜25のいずれかに記載の積層シートを備えたフレキシブル画像表示装置。
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