JP2021088022A - コレット装置 - Google Patents
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Abstract
Description
従来のコレット装置200は、本体部210、締付ナット220、リング230、コレット240を有している。
本体部210は、本体部内周面211、本体部外周面212および本体部内周面211によって形成される本体部内側空間210aを有している。本体部内周面211は、先端側に、テーパー面に形成されている本体部内周面部分211aを有している。本体部外周面212は、先端側に、雄ネジが形成されている本体部外周面部分212aを有している。
締付ナット220は、締付ナット内周面221、締付ナット外周面222および締付ナット内周面221によって形成される締付ナット内側空間220aを有している。締付ナット内周面221は、締付ナット内周面部分221a〜221cを有している。締付ナット内周面部分221cには、本体部外周面部分212aに形成されている雄ネジとネジ結合可能(螺合可能)な雌ネジが形成されている。締付ナット内周面部分221aと221bによって、リング230を挿入可能な締付ナット内側空間部分が形成される。締付ナット内周面部分221aには、周方向に沿って延在しているとともに、軸方向に沿った断面で見て、径方向外側に窪んでいる円弧形状を有する環状溝223が形成されている。また、締付ナット220は、締付ナット外周面222と環状溝223の間に、径方向に沿って延在する挿入孔224が形成されている。
リング230は、リング内周面231、リング外周面232およびリング内周面231によって形成されるリング内側空間230aを有している。リング内周面231は、先端側に、テーパー面に形成されているリング内周面部分231bを有している。リング外周面232には、周方向に沿って延在しているとともに、軸方向に沿った断面で見て、径方向内側に窪んでいる円弧形状を有する環状溝233が形成されている。
コレット240は、コレット内周面241、コレット外周面242およびコレット内周面241により形成されるコレット内側空間240aを有している。コレット外周面242は、先端側に、リング内周面部分231bとテーパー係合可能なテーパー面に形成されているコレット外周面部分242aを有し、後端側に、本体部内周面部分211aとテーパー係合可能なテーパー面に形成されているコレット外周面部分242fを有している。また、コレット240は、軸方向および径方向に沿って延在する複数のすり割りを有している。複数のすり割りは、後端側が固定され、コレット先端面240Aに開口している第1のすり割り243と、先端側が固定され、コレット後端面240Bに開口している第2のすり割り244(図示省略)を有している。第1のすり割り243と第2のすり割り244は、周方向に沿って交互に配置されている。
締付ナット220とリング230が組み付けられた状態で、コレット240を、後端側から締付ナット内側空間220aおよびリング内側空間230a内に挿入する。これにより、コレット外周面部分242aがリング内周面部分231bに対向する位置に配置されるとともに、リング内周面231に形成されているフランジ部235がコレット外周面242に形成されている係止溝245に挿入され、コレット240がリング230に装着される。
そして、締付ナット内周面部分221cに形成されている雌ネジを本体部外周面部分212aに形成されている雄ネジにネジ結合(螺合)させる。この時、コレット外周面部分242fは、本体部内周面部分211aに対向する位置に配置される。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、締付部材と押圧部材を相対的に回転可能に連結するボールを簡単な構成で配置することができるコレット装置を提供することを目的とする。
本体部は、好適には、後端側が工作機械の主軸に取り付けられ、先端側に締付部材が取り付けられる。本体部は、単一の部材により構成することもできるし、複数の部材により構成することもできる。
締付部材は、締付部材内周面、締付部材外周面および締付部材内周面により形成される締付部材内側空間を有する筒状に形成されている。締付部材は、ネジ結合によって、本体部に対する相対的な回転および軸方向に沿った移動が可能である。好適には、本体部外周面の先端側に形成された雄ネジと、締付部材内周面の後端側に形成された雌ネジによってネジ結合部が構成される。
押圧部材は、押圧部材内周面、押圧部材外周面および押圧部材内周面により形成される押圧部材内側空間を有する筒状に形成されている。押圧部材は、締付部材内側空間内に挿入される。
コレットは、コレット内周面、コレット外周面およびコレット内周面により形成されるコレット内側空間を有する筒状に形成されている。コレットは、押圧部材内側空間内に挿入される。コレット内側空間には、工具の工具シャンク部が挿入可能である。
締付部材内周面と押圧部材外周面との間には、複数のボールが周方向に沿って配置される。複数のボールは、押圧部材の、締付部材に対する相対的な回転は可能であるが、軸方向に沿った移動は不能となるように配置される。
そして、締付部材の、軸方向に沿った後端側への移動に連動して押圧部材が軸方向に沿って後端側に移動することにより、押圧部材内周面によってコレット外周面が押圧され、コレット内側空間内に挿入されている工具シャンク部がコレット内周面によって挟持されるように構成されている。
本発明では、押圧部材を、締付部材内側空間内に先端側から挿入可能に構成されている。すなわち、押圧部材の最大外径が、締付部材内側空間の、先端側の締付部材内側空間部分の最小内径より小さく設定されている。
締付部材内周面は、締付部材第1内周面部分を有している。締付部材第1内周面部分は、周方向に沿って延在しているとともに、軸方向に沿った断面で見て、径方向外側に窪んでいる断面形状を有している。好適には、締付部材第1内周面部分は、円弧形状(「略円弧形状」を含む)の部分を含んでいる。
押圧部材外周面は、押圧部材第1外周面部分、押圧部材第2外周面部分、押圧部材第3外周面部分を有している。押圧部材第2外周面部分は、押圧部材第1外周面部分より後端側に配置され、押圧部材第1外周面部分の外径より大きい外径を有している。押圧部材第3外周面部分は、押圧部材第1外周面部分と押圧部材第2外周面部分の間に形成され、周方向に沿って延在しているとともに、軸方向に沿った断面で見て、径方向内側に窪んでいる断面形状を有している。好適には、押圧部材第3外周面部分は、円弧形状(「略円弧形状」を含む)の部分を含んでいる。
そして、押圧部材が、締付部材第1内周面部分と押圧部材第3外周面部分が対向する対向位置に配置された状態において、ボールが締付部材第1内周面部分と押圧部材第3外周面部分の間に保持可能に構成されている。
また、押圧部材を、対向位置より後端側のボール挿入位置に移動可能に構成されている。さらに、押圧部材がボール挿入位置に配置された状態において、ボールを、押圧部材と締付部材との間の空隙を介して締付部材第1内周面部分に対応する位置に挿入可能に構成されている。
本発明では、押圧部材をボール挿入位置および対向位置に配置する作業を行うだけで、ボールを押圧部材と締付部材の間に配置することができる。すなわち、従来のコレット装置のように、締付部材に挿入孔を形成する作業および閉塞ボルトで挿入孔を閉塞する作業を行う必要がない。これにより、ボールを、締付部材と押圧部材の間に、簡単な構成で容易に配置することができる。
本発明の異なる形態では、押圧部材が対向位置から後端側に移動するのを防止する移動防止部材が設けられている。移動防止部材としては、例えば、サークリップが用いられる。移動防止部材の配置位置は、適宜設定可能である。
本形態では、押圧部材が対向位置から後端側に移動するのを防止することができる。
本発明の異なる形態では、締付部材第1内周面部分および押圧部材第3外周面部分より先端側に、締付部材内周面と押圧部材外周面との間をシールするシール部材が設けられている。シール部材としては、例えば、Oリングが用いられる。シール部材の配置位置は、適宜設定可能である。
本形態では、工具を冷却する冷却液が締付部材内周面と押圧部材外周面との間の隙間を介して流れるのを防止することができる。
本発明の異なる形態では、締付部材内周面は、締付部材第1内周面部分より後端側に配置され、締付部材第1内周面部分より径方向内側に飛び出ている締付部材第2内周面部分を有している。リングは、締付部材内側空間の、締付部材第2外周面部分より先端側の締付部材内側空間部分に、先端側から挿入される。好適には、締付部材第2内周面部分に、ネジ結合部を構成する雌ネジが形成される。
本形態では、押圧部材が、締付部材第2内周面部分より先端側の締付部材内側空間部分に、先端側から挿入されるため、押圧部材の外周面の最大外径を、径方向内側に飛び出ている締付部材第2内周面部分の内径より大きく設定することができる。これにより、押圧部材の肉厚を厚くすることができ、押圧部材の強度を高めることができる。また、締付部材第2内周面部分により形成される突部を、押圧部材をボール挿入位置に配置する際における位置決め部材として用いることにより、押圧部材をボール挿入位置に容易に配置することができる。
本明細書では、コレット装置の中心線Pの延在方向(図1、図6では、左右方向)を「軸方向」といい、工具(工具シャンク部)がコレット内側空間内に挿入される側(図1、図6では、矢印Aで示される右側)を「軸方向に沿った一方側(軸方向一方側)」あるいは「先端側」といい、工具(工具シャンク部)がコレット内側空間内に挿入される側と反対側(図1、図6では、矢印Bで示される左側)を「軸方向に沿った他方側(軸方向他方側)」あるいは「後端側」という。勿論、各方向の定義は、適宜変更可能である。
また、軸方向に直角な断面で見て、中心線Pを中心とする円に沿った方向を「周方向」といい、中心線Pを通る線の方向を「径方向」という。
図1は、一実施形態のコレット装置100の断面図である。また、図2は、一実施形態のコレット装置100を構成する締付ナット120、リング130の断面図である。また、図5は、図1に矢印Vで示されている部分の拡大図である。
なお、図1、図5は、リング130が対向位置に配置されている状態を示している。「対向位置」は、締付ナット内周面部分121fとリング外周面部分132bが対向し、締付ナット内周面部分121fとリング外周面部分132bの間にボール150を保持可能な位置を示す。
本体部110は、好適には、1つの部材で構成されるが、複数の部材で構成することもできる。本体部110の後端部は、工作機械の主軸に取り付けられ、本体部110の先端部に、締付ナット120が取り付けられる。
本体部110は、本体部内周面111、本体部外周面112、本体部先端面110Aを有している。本体部内周面111によって本体部内側空間110aが形成される。
本体部内周面111は、先端側に本体部内周面部分111aを有している。本体部内周面部分111aは、テーパー面に形成されている。本体部内周面部分111aにより形成される本体部内側空間部分には、コレット140の後端部(コレット外周面部分142fに対応する部分)が挿入される。
本体部外周面112は、先端側に本体部外周面部分112aを有している。本体部外周面部分112aには、締付ナット120の締付ナット内周面部分121gに形成される雌ネジとネジ結合(螺合)可能な雄ネジが形成される。
締付ナット内周面121は、締付ナット内周面部分121a〜121gを有している。
締付ナット内周面部分121aは、先端側に配置され、内径M1を有している。
締付ナット内周面部分121cは、締付ナット内周面部分121aより後端側に配置され、締付ナット内周面部分121aの内径M1より小さい内径M2(M2<M1)を有している。締付ナット内周面部分121cには、本体部外周面部分112aに形成される雄ネジとネジ結合(螺合)可能な雌ネジが形成される。
締付ナット内周面部分121eは、締付ナット内周面部分121cより後端側に配置され、締付ナット内周面部分121cの内径M2より大きい内径を有している。
締付ナット内周面部分121cと締付ナット内周面部分121aおよび121eの間には、締付ナット内周面部分121bおよび121dが形成されている。締付ナット内周面部分121bは、軸方向に沿った断面で見て、後端側から先端側に向かって径方向内側から径方向外側に向かうように傾斜している直線形状(「略直線形状」を含む)に形成されている。締付ナット内周面部分121dは、軸方向に沿った断面で見て、先端側から後端側に向かって径方向内側から径方向外側に向かうように傾斜している直線形状(「略直線形状」を含む)に形成されている。締付ナット内周面部分121b〜121dによって、締付ナット内周面部分121aより径方向内側に飛び出ている突部が形成される。
締付ナット内周面部分121aによって、リング130が挿入される締付ナット内側空間部分が形成される。
締付ナット内周面部分121aには、締付ナット内周面部分121fと121gが形成されている。締付ナット内周面部分121gは、締付ナット内周面部分121fより後端側に形成されている。
締付ナット内周面部分121fは、周方向に沿って延在しているとともに、軸方向に沿った断面(図2に示されている断面)で見て、径方向外側に窪んでいる断面形状を有している。本実施形態では、締付ナット内周面部分121fは、部分121f1と、部分121fより先端側および後端側に配置されている部分121f2および121f3を有している。部分121f1は、円弧形状(「略円弧形状」を含む)に形成されている。部分121f2は、後端側から先端側に向かって径方向外側から径方向内側に向かうように傾斜している直線形状(「略直線形状」を含む)に形成され、部分121f3は、先端側から後端側に向かって径方向外側から径方向内側に向かうように傾斜している直線形状(「略直線形状」を含む)に形成されている。締付ナット内周面部分121fの断面形状は、後述するボール150の形状に応じて設定される。
締付ナット内周面部分121gは、周方向に沿って延在しているとともに、軸方向に沿った断面で見て、径方向外側に窪んでいる断面形状を有している。本実施形態では、締付ナット内周面部分121gは、部分121g1と部分121g2を有している。部分121g1は、円弧形状(「略円弧形状」を含む)に形成されている。部分121g2は、部分121g1より後端側に配置され、先端側から後端側に向かって径方向外側から径方向内側に向かうように傾斜している直線形状(「略直線形状」を含む)に形成されている。締付ナット内周面部分121gの断面形状は、後述するサークリップ(スナップリング)170の形状に応じて設定される。
また、締付ナット内周面部分121a〜121gが、本発明の「締付部材内周面部分」に対応し、締付ナット内周面部分121fが、本発明の「締付部材第1内周面部分」に対応し、締付ナット内周面部分121cが、本発明の「締付部材第2内周面部分」に対応し、締付ナット内周面部分121gが、本発明の「締付部材第3内周面部分」に対応する。また、締付部材内周面部分121b〜121dによって、本発明の「締付部材第1内周面部分より径方向内側に飛び出ている突部」が形成される。
リング内周面131は、リング内周面部分131a〜131fを有している。リング内周面部分131bは、先端側に配置され、コレット140のコレット外周面部分142aとテーパー係合可能なテーパー面に形成されている。リング外周面部分131c〜131eによって、凹部が形成される。また、リング内周面部分131e、131fおよびリング後端面130Bによって、径方向内側に飛び出ているフランジ部が形成される。
リング外周面132は、リング外周面部分132a〜132eを有している。リング外周面部分132aは、先端側に形成され、外径N1を有している。リング外周面部分132cは、リング外周面部分132aより後端側に配置され、リング外周面部分132aの外径N1より大きい外径N2(N1<N2)を有している。リング外周面部分132bは、リング外周面部分132aと132cの間に配置され、周方向に沿って延在しているととともに、軸方向に沿った断面で見て、径方向内側に窪んでいる断面形状を有している。本実施形態では、リング外周面部分132bは、円弧形状(「略円弧形状」を含む)に形成されている。リング外周面部分132bの断面形状は、後述するボール150の形状に応じて設定される。
リング外周面部分132dは、先端側から後端側に向かって径方向外側から径方向内側に向かうように傾斜している直線形状(「略直線形状」を含む)に形成されている。
リング外周面部分132aには、リング外周面部分132eが形成されている。リング外周面部分132eは、周方向に沿って延在しているとともに、軸方向に沿った断面で見て、径方向内側に窪んでいる断面形状を有している。本実施形態では、リング外周面部分132eは、円弧形状(「略円弧形状」を含む)に形成されている。リング外周面部分132eの断面形状は、後述するOリング160の形状に応じて設定される。
ここで、リング130を、締付部材内側空間120a内に後端側から挿入するには、リング130の最大外径(本実施形態では、リング外周面部分132cの外径N2)を、締付部材内周面部分121cの内径M2より小さくする(N2<M2)必要がある。この場合、リング130の肉厚が薄くなってリング130の強度が低くなる。あるいは、リング130の強度の低下を防止するために、締付部材内周面121cの内径M2を大きくすることが考えられる。この場合には、締付部材120の強度の低下を防止するために、締付部材120の肉厚を大きくする必要があり、締付部材120の重量が増大する。
本実施形態のように、締付部材内側空間120aの先端側に、締付部材内周面部分121aによって、リング130が先端側から挿入可能な締付部材内側空間部分を形成するとともに、締付部材内側空間部分より後端側に、締付部材内周面部分121b〜121dにより形成され、締付部材内周面部分121aより径方向内側に飛び出ている突部を形成することにより、リング130の強度の低下を防止することができるとともに、締付部材120の強度を、重量を増大させることなく高めることができる。
また、リング内周面部分131a〜131fが、本発明の「押圧部材内周面部分」に対応する。
また、リング外周面部分132a〜132eが、本発明の「押圧部材外周面部分」に対応し、リング外周面部分132aが、本発明の「押圧部材第1外周面部分」に対応し、リング外周面部分132cが、本発明の「押圧部材第2外周面部分」に対応し、リング外周面部分132bが、本発明の「押圧部材第3外周面部分」に対応し、リング外周面部分132dが、本発明の「押圧部材第4外周面部分」に対応し、リング外周面部分132eが、本発明の「押圧部材第5外周面部分」に対応する。
また、締付ナット内周面部分121aとリング外周面部分132eの間には、Oリング160が設けられる。これにより、工具300を冷却する冷却液が、締付ナット内周面121とリング外周面132の間の空隙を介して流れるのを防止することができる。
また、締付ナット内周面部分121gとリング外周面部分132dの間には、サークリップ(スナップリングとも呼ばれる)170が設けられる。これにより、リング130が、対向位置から後端側に移動するのを防止することができる。
コレット外周面142は、コレット外周面部分142a〜142fを有している。コレット外周面部分142aは、先端側に配置され、リング内周面部分131bとテーパー係合可能なテーパー面に形成されている。コレット外周面部分142c〜142eによって、径方向内側に窪んでいる係止溝145が形成される。コレット外周面部分142fは、後端側に配置され、本体部内周面部分111aとテーパー係合可能なテーパー面に形成されている。
また、コレット140は、軸方向および径方向に沿って延在する複数のすり割りを有している。複数のすり割りは、後端側が固定され、コレット先端面140Aに開口している第1のすり割り143と、先端側が固定され、コレット後端面140Bに開口している第2のすり割り144(図示省略)を有している。第1のすり割り143と第2のすり割り144は、周方向に沿って交互に配置されている。
図3は、リング130がボール挿入位置に配置されている状態を示す断面図である。図4は、図3の、矢印IVで示されている部分の拡大図である。図5は、リング130が対向位置に配置されている状態を示している図1の、矢印Vで示されている部分の拡大図である。
なお、「ボール挿入位置」は、リング130と締付ナット120との間の隙間を介してボール150を締付ナット内周面部分121fに対応する位置に挿入可能な位置を示す。
次に、リング130を、締付ナット内側空間120a内を軸方向に沿って後端側に移動させ、図1、図5に示されている対向位置を経て、図3、図4に示されているボール挿入位置に配置する。
本実施形態では、リング130をボール挿入位置に配置した状態において、リング130と締付ナット120との間に、ボール150の直径Dより大きい間隔S(D<S)の隙間が発生するように構成されている。具体的には、リング先端面130Aの外周側端部と締付ナット内周面部分121fの先端側端部との間に、間隔Sの隙間が発生するように構成される。本実施形態では、締付ナット内周面部分121fの、先端側に配置されている部分121f2が、後端側から先端側に向かって径方向外側から径方向内側に向かうように傾斜している直線形状に形成されているため、締付部材内周面121とリング外周面132との間に、間隔Sの隙間を容易に形成することができる。
また、本実施形態では、締付ナット内周面部分121fより後端側に、締付ナット内周面部分121b〜121dによって、締付ナット内周面部分121aおよび121fより径方向内側に飛び出ている突部が形成されている。そして、リング130を、突部(突部を形成する締付ナット内周面部分121c)に当接させることによって、リング130がボール挿入位置に配置されるように構成されている。これにより、リング130をボール挿入位置に容易に配置することができる。
そして、リング130をボール挿入位置に配置した状態で、ボール150を、リング130と締付ナット120との間の隙間を介して、締付部材内周面部分121fに対応する位置に挿入する。なお、締付部材内周面部分121fに対応する位置に挿入したボール150が落下するおそれがある場合には、ボール150の落下を防止する対策を講じる。例えば、締付部材内周面部分121fにグリース等の潤滑剤を塗布する。
ボール150の挿入が完了したら、リング130を、締付部材内側空間120a内を軸方向に沿って先端側に移動させ、図1、図5に示されている対向位置に配置する。リング130が対向位置に配置されると、ボール150は、締付ナット内周面部分121fとリング外周面部分132bの間に保持される。なお、締付ナット内周面部分121aとリング外周面部分132aとの間の間隔は、ボール150の外径Dより小さく設定されている。
また、締付ナット内周面部分121gとリング外周面部分132dの間に、リング130の、後端側への移動を防止するサークリップ170を設ける。
また、締付ナット内周面部分121aとリング外周面部分132aとの間に、シール用のOリング160を設ける。
そして、締付ナット内周面部分121cに形成されている雌ネジを本体部外周面部分112aに形成されている雄ネジにネジ結合(螺合)させる。この時、コレット外周面部分142fは、本体部内周面部分111aに対向する位置に配置される。
締付ナット120を周方向に沿って他方側(例えば、反時計方向)に回転させると、締付ナット120およびリング130が、本体部110に対して、軸方向に沿って先端側に移動する。これにより、リング内周面部分131bによる、コレット外周面部分142aに対する径方向内側および後端側への押圧が解除され、工具シャンク部310の挟持が解除される。
本体部の本体部内周面および本体部外周面の形状は、種々変更可能である。
締付部材として用いられる締付ナットの締付ナット内周面および締付ナット外周面の形状は、実施形態で説明した形状に限定されない。また、締付部材は、ネジ結合によって、本体部に対して相対的な回転および軸方向に沿った移動が可能であればよく、締付ナットに限定されない。
押圧部材として用いられるリングのリング内周面およびリング外周面の形状は、実施形態で説明した形状に限定されない。また、押圧部材は、締付部材に対する相対的な回転は可能であるが、軸方向に沿った移動が不能であればよく、リングに限定されない。
コレットのコレット内周面およびコレット外周面の形状は、実施形態で説明した形状に限定されない。
移動防止部材としては、押圧部材の、締付部材に対する後端側への移動を防止することができればよく、サークリップに限定されない。また、移動防止部材は、省略することもできる。
シール部材としては、冷却液が締付部材と押圧部材との間の隙間を介して流れるのを防止することができればよく、Oリングに限定されない。また、シール部材は、省略することもできる。
110、210 本体部
110A、201A 本体部先端面
110a、210a 本体部内側空間
111、211 本体部内周面
111a、211a 本体部内周面部分
112、212 本体部外周面
112a、212a 本体部外周面部分
120、220 締付ナット(締付部材)
120A、220A 締付ナット先端面(締付部材先端面)
120B、220B 締付ナット後端面(締付部材後端面)
120a、220a 締付ナット内側空間(締付部材内側空間)
121、221 締付ナット内周面(締付部材内周面)
121a〜121g、221a〜221c 締付ナット内周面部分(締付部材内周面部分)
122、222 締付ナット外周面(締付部材外周面)
130、230 リング(押圧部材)
130A、230A リング先端面(押圧部材先端面)
130B、230B リング後端面(押圧部材後端面)
130a、230a リング内側空間(押圧部材内側空間)
131、231 リング内周面(押圧部材内周面)
131a〜131f、231b リング内周面部分(押圧部材内周面部分)
132、232 リング外周面(押圧部材外周面)
132a〜132e リング外周面部分(押圧部材外周面部分)
135、235 フランジ部
140、240 コレット
140A、240A コレット先端面
140B、240B コレット後端面
140a、240a コレット内側空間
141、241 コレット内周面
142、242 コレット外周面
142a〜142f、242a、242f コレット外周面部分
143、243 すり割り
145、245 係止溝
150、250 ボール
160 Oリング(シール部材)
170 サークリップ(移動防止部材)
223 環状溝
224 挿入孔
225 閉塞ボルト
233 環状溝
300 工具
310 工具シャンク部
312 シャンク部外周面
Claims (4)
- 本体部と、締付部材と、押圧部材と、コレットと、を備え、
前記締付部材は、締付部材内周面、締付部材外周面および前記締付部材内周面により形成される締付部材内側空間を有する筒状に形成され、ネジ結合によって、前記本体部に対する相対的な回転および軸方向に沿った移動が可能であり、
前記押圧部材は、押圧部材内周面、押圧部材外周面および前記押圧部材内周面により形成される押圧部材内側空間を有する筒状に形成され、前記締付部材内側空間内に挿入され、
前記コレットは、コレット内周面、コレット外周面および前記コレット内周面によって形成されるコレット内側空間を有する筒状に形成され、前記押圧部材内側空間内に挿入され、
前記締付部材内周面と前記押圧部材外周面との間には、複数のボールが周方向に沿って配置され、
前記締付部材の、軸方向に沿った後端側への移動に連動して前記押圧部材が軸方向に沿って後端側に移動することにより、前記押圧部材内周面によって前記コレット外周面が押圧され、前記コレット内側空間内に挿入されている工具シャンク部が前記コレット内周面によって挟持されるように構成されているコレット装置であって、
前記押圧部材を、前記締付部材内側空間内に先端側から挿入可能に構成され、
前記締付部材内周面は、径方向外側に窪んでいる断面形状を有しているとともに、周方向に沿って延在している締付部材第1内周面部分を有し、
前記押圧部材外周面は、押圧部材第1外周面部分と、前記押圧部材第1外周面部分より後端側に形成され、前記押圧部材第1外周面部分の外径より大きい外径を有する押圧部材第2外周面部分と、前記押圧部材第1外周面部分と前記押圧部材第2外周面部分の間に形成され、径方向内側に窪んでいる断面形状を有しているとともに、周方向に沿って延在している押圧部材第3外周面部分を有し、
前記押圧部材が、前記締付部材第1内周面部分と前記押圧部材第3外周面部分が対向する対向位置に配置された状態において、前記ボールが前記締付部材第1内周面部分と前記押圧部材第3外周面部分の間に保持可能に構成され、
前記押圧部材を、前記対向位置より後端側のボール挿入位置に移動可能に構成されているとともに、前記押圧部材が前記ボール挿入位置に配置された状態において、前記ボールを、前記押圧部材と前記締付部材との間の空隙を介して前記締付部材第1内周面部分に対応する位置に挿入可能に構成されていることを特徴とするコレット装置。 - 請求項1に記載のコレット装置であって、
前記押圧部材が前記対向位置から後端側に移動するのを防止する移動防止部材が設けられていることを特徴とするコレット装置。 - 請求項1または2に記載のコレット装置であって、
前記締付部材第1内周面部分および前記押圧部材第3外周面部分より先端側に、前記締付部材内周面と前記押圧部材外周面との間をシールするシール部材が設けられていることを特徴とするコレット装置。 - 請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載のコレット装置であって、
前記締付部材内周面は、前記締付部材第1内周面部分より後端側に形成され、前記締付部材第1内周面部分より径方向内側に飛び出ている締付部材第2内周面部分を有していることを特徴とするコレット装置。
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