(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
図2及び図3において、VCは電気掃除機である。本実施形態において、電気掃除機VCは、使用者が把持して動作させ、被掃除面上の塵埃を掃除する、スティック型のコードレス電気掃除機又は充電式電気掃除機を例に挙げて説明する。これに限られず、電気掃除機VCは、床走行型又はキャニスタ型の電気掃除機、アップライト型、ハンディ型の電気掃除機等でもよい。
電気掃除機VCは、掃除機本体1を備えている。掃除機本体1には、吸引源となる電動送風機2、本体制御部3、電動送風機2及び本体制御部3等の電源となる電池4、及び、電動送風機2の吸込側に連通して塵埃を集積する集塵部5等が配置されている。電動送風機2は、本体制御部3によりオンオフを含む動作状態が制御される。本実施形態において、本体制御部3は、電動送風機2をPWM制御する。電池4には、その状態を検出して出力する残量検出手段である出力部40が設けられている。本実施形態において、出力部40は、電池4の電力情報を検出し、外部に出力可能となっている。出力部40は、電池4と別個に備えられていてもよい。電池4としては、充電可能な二次電池が好適に用いられる。
また、電気掃除機VCは、使用者が把持して掃除操作をするための把持部6を備えている。本実施形態において、把持部6は、掃除機本体1に設けられている。これに限られず、把持部6は、後述するホース体等の風路体に設けられていてもよい。把持部6には、電動送風機2等の動作を使用者が設定するための設定手段7が設けられている。設定手段7の操作に応じて、本体制御部3の制御素子であるドライバ30に信号が送られ、この信号に基づきドライバ30がFET等のスイッチ素子である電力制御素子31のオン時間又はオフ時間を設定することで、電動送風機2と電池4との通電時間、つまり電動送風機2の入力電力が制御されて、電動送風機2の動作が制御される。
また、掃除機本体1には、接続部である本体吸込口10が設けられている。本体吸込口10は、集塵部5と連通し、集塵部5を介して電動送風機2の負圧が作用する。また、掃除機本体1には、電動送風機2の排気が排出される本体排気口11が設けられている。さらに、本体吸込口10には、集塵部5へと塵埃を吸い込むための吸込風路を形成する風路体が接続される。本実施形態において、本体吸込口10には、風路体である延長管8、又は、風路体である清掃体9が選択的に接続される。これに限られず、電気掃除機VCの種類によっては、本体吸込口10には風路体であるホース体が延長管8に代えて接続され、ホース体に延長管8がさらに接続されるように構成されていてもよい。
延長管8は、長尺に形成された直管部である。延長管8は、基端部が本体吸込口10に対して着脱可能となっている。また、延長管8は、先端部に清掃体9が着脱可能となっている。
清掃体9は、被掃除面上を走行又は移動して、被掃除面上の塵埃を集塵部5へと運ぶ吸込口体、清掃ノズル、又は、清掃ヘッドである。本実施形態において、清掃体9は、把持部6を把持した使用者が被掃除面上で移動させながら使用する床ブラシである。以下、床面等の下方の被掃除面上に清掃体9を載置した状態を基準とし、使用者から見た被掃除面上での清掃体9の進行方向を前後方向とし、被掃除面に対し垂直な方向を上下方向とし、これら前後方向と上下方向とに対し交差又は直交する方向を両側方向又は左右方向とする。
清掃体9は、本体部90を有している。本体部90は、左右方向に長手状に形成されている。本体部90は、車輪等を備え、使用者の掃除操作に応じて、被掃除面上を移動可能又は走行可能となっている。また、図1(a1)等に示すように、本体部90には、集塵口である吸込口900が形成されている。吸込口900は、本体部90の下部、つまり被掃除面に対向する位置に少なくとも一部が形成されている。本実施形態において、吸込口900には、電動送風機2(図2)の負圧が作用する。そして、掃除の際には、電動送風機2(図2)の吸引力により、吸込口900から含塵空気が吸い込まれ、この吸い込まれた含塵空気は、図2に示す本体吸込口10を介して集塵部5へと吸い込まれて、集塵部5で塵埃が捕集される。塵埃が捕集された空気は、集塵部5を通過し、電動送風機2や電池4を冷却しつつ本体排気口11から掃除機本体1の外部に排気される。
また、本実施形態において、清掃体9は、接続管91を有している。接続管91は、本体部90に一端部が接続され、延長管8又は本体吸込口10に対して他端部が着脱可能に接続される。
図1(a1)等に示すように、吸込口900には、回転体である回転清掃体92が配置されている。回転清掃体92は、回転によって被掃除面の塵埃を掻き出すものである。本実施形態において、回転清掃体92は、集塵部5(図2)へと吸い込まれて集積される塵埃を掻き出すものである。回転清掃体92は、軸状に形成され、外周部にブラシ、ブレード、あるいは起毛等の清掃部材を有している。回転清掃体92は、吸込口900の両側部に両端が回転可能に支持されている。回転清掃体92は、正逆回転可能となっている。つまり、回転清掃体92は、軸線回りに、一方向、及び、その反対の他方向にそれぞれ回転可能となっている。図示される例では、回転清掃体92は、左右方向に沿って軸線を有し、前後方向それぞれに回転可能となっている。
回転清掃体92は、図2及び図3に示す電動機93により回転される。電動機93は、直流モータである。電動機93は、本体部90内に収容される。電動機93は、プーリやタイミングベルト等からなる図示しない伝達手段を介して回転清掃体92に回転力を伝達する。電動機93は、電池4を電源として動作する。つまり、電動機93には、掃除機本体1側から配線を介して電池4の電力が給電される。配線は、本体吸込口10から延長管8を介して、又は、直接、清掃体9に接続される。電動機93は、電動送風機2に用いられている電動機よりも容量又は出力が小さい。すなわち、電動機93は、電動送風機2よりも定格消費電力又は消費電力が小さい。
そして、電動機93は、制御手段94により回転方向及び回転速度が制御される。制御手段94は、本体部90内に収容される。制御手段94は、電池4を電源として動作する。制御手段94は、電動機93の回転方向を切り換え可能な制御切換手段である。制御手段94は、電動機93に供給される電池4からの電力の極性を切り換えることで、電動機93を正転、又は、逆転させることが可能となっている。本実施形態において、制御手段94は、電気掃除機VCの電動送風機2の起動又は停止に応じて電動機93を起動又は停止させてもよいし、電動送風機2が動作していることを条件として、さらに別個の設定手段7の操作に応じて電動機93を起動又は停止させてもよい。つまり、制御手段94は、設定手段7の操作に応じて設定手段7から送られた信号に基づき、電動機93と電池4との通電時間を制御して、電動機93の回転のオンオフを設定する。これに限られず、制御手段94は、少なくとも電動送風機2が動作していることを条件として、任意の出力や操作をトリガとして起動又は停止させてもよい。
また、制御手段94は、電動機93を回転させるときには、電池4の残量を参照し、電池の残量に応じて、電動機93の制御を異ならせる。本実施形態において、制御手段94は、電池4の残量が所定量より大きいときには電動機93の制御を第一制御とし、電池4の残量が所定量以下であるときには電動機93の制御を第一制御と異なる第二制御とする。制御手段94は、出力部40から出力される電池4の電力情報を参照することで電池4の残量を参照する。
上記の電池4の残量における「所定量」とは、電池4の満充電時の電力又は定格電力に対する所定の割合となる閾値電力をいう。本実施形態において、「所定量」は、電池4の満充電時の電力又は定格電力に対する50%未満、好ましくは20%の電力をいうものとする。これに限られず、上記の「所定量」は、任意に設定してもよい。例えば、上記の「所定量」は、電池4の残量が少ないことを使用者に報知するためのランプ等の報知手段がその報知動作を開始する電力等に設定されていてもよい。
第一制御及び第二制御は、それぞれ回転清掃体92の回転方向及び回転数を設定するための電動機93の制御である。ここで、回転清掃体92の回転数とは、所定の単位時間における回転清掃体92の回転数を言うものとする。第一制御と第二制御とは、互いに異なる制御となっている。第一制御と第二制御とは、少なくとも回転清掃体92の回転方向を異ならせる制御となっている。つまり、本体部90の前進時における回転清掃体92の回転方向が第一制御と第二制御とで同一でない、及び/又は、本体部90の後進時における回転清掃体92の回転方向が第一制御と第二制御とで同一でない。
本実施形態において、第一制御は、回転清掃体92の回転方向を本体部90の進行方向に拘らず一方向に固定するように電動機93を制御するものである。すなわち、制御手段94は、本実施形態の第一制御において、回転清掃体92の軸線よりも前部が被掃除面に向かって下方向に回転するように、又は、回転清掃体92の被掃除面と接触する下部が被掃除面に対して後方に向かって力を付与する方向に回転するように電動機93を制御する。以下、この回転方向を「前方向」という。つまり、図1(a1)及び図1(a2)に示される例では、第一制御において、回転清掃体92は、本体部90の前進、後進、いずれの場合でも前方向に回転させる。このため、第一制御時には、本体部90が前進するときに回転清掃体92が順回転、つまり本体部90の進行方向と一致する回転又は回転清掃体92がその回転力によって被掃除面に対して清掃体9の進行方向に力を付与する回転となって本体部90の走行性を向上し、本体部90が後進するときに回転清掃体92が逆回転、つまり本体部90の進行方向に反する回転又は回転清掃体92がその回転力によって被掃除面に対して清掃体9の進行方向とは反対方向に力を付与する回転となって被掃除面への抵抗を増加させ、ごみ取れ性能を向上する。つまり、図2及び図3に示す制御手段94は、第一制御において、本体部90の進行方向の切り換わりに拘らず電動機93の回転方向を固定するように制御する。これに限られず、第一制御は、本体部90の前進、後進、いずれの場合でも回転清掃体92を、上記の前方向とは反対方向である後方向に回転させるように電動機93を制御するものでもよい。すなわち、本実施形態の第一制御における回転清掃体92の回転方向は、いずれの方向に固定されていてもよい。
また、本実施形態において、第二制御は、回転清掃体92の回転方向を本体部90の進行方向に応じて切り換えるように電動機93を制御するものである。図示される例では、第二制御は、本体部90の進行方向に対し回転清掃体92を順回転させて本体部90の走行性を向上するように電動機93を制御するものである。すなわち、図1(b1)及び図1(b2)に示される例では、制御手段94は、本実施形態の第二制御において、本体部90が前進するときに回転清掃体92の軸線よりも前部が被掃除面に向かって下方向に回転するように、又は、回転清掃体92の被掃除面と接触する下部が被掃除面に対して後方に向かって力を付与する方向に回転するように電動機93を制御し、本体部90が後進するときに回転清掃体92の軸線よりも前部が被掃除面から離れる上方向に回転するように、又は、回転清掃体92の被掃除面と接触する下部が被掃除面に対して前方に向かって力を付与する方向に回転するように電動機93を制御する。つまり、図2及び図3に示す制御手段94は、第二制御において、本体部90の進行方向の切り換わりに応じて電動機93の回転方向を反転させるように制御する。
そのため、本実施形態において、本体部90の前進時における回転清掃体92の回転方向は第一制御と第二制御とで同一であるものの、本体部90の後進時における回転清掃体92の回転方向は第一制御と第二制御とで反対となっている。
ここで、本体部90の進行方向は、進行方向検出手段95により検出されて制御手段94に入力される。進行方向検出手段95は、加速度センサ等を用いて電気的に構成されていてもよいし、被掃除面との接触によって本体部90の進行方向に応じて方向が切り換わるレバーやローラ等を用いて機械的に構成されていてもよい。
これら制御手段94による電動機93の制御について、図4に示すフローチャートも参照しながら説明する。
ステップS1において、制御手段94は、電池4の残量を、出力部40から出力される電力情報により参照する。
次いで、ステップS2において、制御手段94は、電池4の残量が所定量以下であるか否かを判断する。
ステップS2において、電池4の残量が所定量以下でない、つまり電池4の残量が所定量より大きいと判断した場合(ステップS2のNOの場合)には、ステップS3において、制御手段94は、電動機93の制御を第一制御とする。すなわち、本実施形態において、制御手段94は、電動機93の回転方向を本体部90の進行方向に拘らず一方向に固定する。例えば、制御手段94は、電動機93を、矢印Fに示す前進時と、矢印Rに示す後進時とで、回転清掃体92が常に前方向に回転するように制御する(図1(a1)及び図1(a2))。この後、ステップS1に戻る。
一方、ステップS2において、電池4の残量が所定量以下であると判断した場合(ステップS2のYESの場合)には、ステップS4において、制御手段94は、電動機93の制御を第二制御とする。すなわち、本実施形態において、制御手段94は、電動機93の回転方向を、本体部90の進行方向に応じて切り換え、矢印Fに示す前進時と、矢印Rに示す後進時とで、回転清掃体92が本体部90の進行方向に対し順回転となるように制御する(図1(b1)及び図1(b2))。この後、ステップS1に戻る。
このように、制御手段94は、電池4の残量を参照し、電池4の残量に応じて回転清掃体92の回転方向及び回転数を設定する電動機93の制御を異ならせるので、電池4の残量によって掃除性能が影響を受けにくくなる。
本実施形態によれば、制御手段94は、電池4の残量が所定量より大きいときには回転清掃体92の回転方向及び回転数を設定する電動機93の制御を第一制御とし、電池4の残量が所定量以下であるときには回転清掃体92の回転方向及び回転数を設定する電動機93の制御を第一制御と異なる第二制御とする。そのため、回転清掃体92を回転させる電動機93の制御を、電池4の残量が大きいときと、電池4の残量が低下したときと、のそれぞれに適した制御とすることで、電池4の残量が大きい場合でも小さい場合でも、掃除性能を確保できる。
また、本実施形態によれば、制御手段94が、電池4の残量が十分にあるときの第一制御において、回転清掃体92の回転方向を本体部90の進行方向に拘らず一方向に固定するように電動機93を制御することで、清掃体9を前進させるときと後進させるときのいずれか一方に対しては回転清掃体92の回転方向が順方向となるので、走行性が向上し、他方では回転清掃体92の回転方向が逆方向となるので、ごみ取れ性能を向上できる。すなわち、本実施形態では、第一制御時の走行性とごみ取れ性能とを両立できる。本実施形態では、第一制御において、回転清掃体92の回転方向が前方向に固定されているため、清掃体9の前進時の走行性が良好で、後進時のごみ取れ性能が向上する。この結果、電池4の残量が大きいときの掃除性能を確保できる。
また、制御手段94が、電池4の残量が低下したときの第二制御において、回転清掃体92の回転方向を本体部90の進行方向に応じて切り換えるように電動機93を制御することで、電池4の残量の低下に伴う電動機93の回転力又は回転速度の低下による走行性又はごみ取れ性能の低下を、回転清掃体92の回転方向を第一制御から変えることによってカバーできる。
すなわち、電池4の残量が低下すると、電動送風機2の吸引力も低下することで、清掃体9が被掃除面に貼り付きにくくなるため、清掃体9を被掃除面上で走行させやすくなる一方で、電動機93の回転力又は回転速度が低下することで、回転清掃体92の回転力又は回転速度が低下し、回転清掃体92による走行補助性能が低下するため、清掃体9の走行性が低下する。そこで、本実施形態では、制御手段94が、第二制御において、本体部90の進行方向に対し回転清掃体92を順回転させるように電動機93を制御することで、前進時及び後進時のそれぞれにおいて清掃体9の走行性を向上でき、掃除をより早期に終了させることが可能になるとともに、電動機93の負荷つまり消費電力が低減することで、電池4の残量を有効に利用し、電気掃除機VCを運転可能な時間を延ばすことができる。この結果、電池4の残量が低下したときの掃除性能を確保できる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について図5及び図6を参照して説明する。なお、上記の第1の実施形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態において、電池4の残量が十分にあるとき又は電池4の残量が所定量より大きいときの制御手段94による第一制御は、第1の実施形態と同様に、回転清掃体92の回転方向を本体部90の進行方向に拘らず一方向に固定するように電動機93を制御するものである。図5(a1)及び図5(a2)に示される例では、第一制御において、回転清掃体92は、本体部90の前進、及び、後進、いずれの場合でも前方向に回転させるものとする。このため、第一制御時には、本体部90が前進するときに回転清掃体92が順回転となって本体部90の走行性を向上し、本体部90が後進するときに回転清掃体92が逆回転となって被掃除面への抵抗を増加させ、被掃除面のごみ取れ性能を向上する。これに限られず、第1の実施形態と同様に、第一制御における回転清掃体92の回転方向は、いずれの方向に固定されていてもよい。
また、本実施形態において、電池4の残量が低下したとき又は電池4の残量が所定量以下のときの制御手段94による第二制御は、回転清掃体92の回転方向を本体部90の進行方向に応じて切り換えるように電動機93を制御するものである。図示される例では、第二制御は、本体部90の進行方向に対し回転清掃体92を逆回転させて被掃除面への抵抗を増加させ、ごみ取れ性能を向上するように電動機93を制御するものである。すなわち、図5(b1)及び図5(b2)に示される例では、制御手段94は、本実施形態の第二制御において、本体部90が前進するときに回転清掃体92の軸線よりも前部が被掃除面から離れる上方向に回転するように、又は、回転清掃体92の被掃除面と接触する下部が被掃除面に対して前方に向かって力を付与する方向に回転するように電動機93を制御し、本体部90が後進するときに回転清掃体92の軸線よりも前部が被掃除面に向かって下方向に回転するように、又は、回転清掃体92の被掃除面と接触する下部が被掃除面に対して後方に向かって力を付与する方向に回転するように電動機93を制御する。つまり、制御手段94は、第二制御において、本体部90の進行方向の切り換わりに応じて電動機93の回転方向を反転させるように制御する。
そのため、本実施形態において、本体部90の後進時における回転清掃体92の回転方向は第一制御と第二制御とで同一であるものの、本体部90の前進時における回転清掃体92の回転方向は第一制御と第二制御とで反対となっている。
そして、制御手段94による電動機93の制御について、図6に示すフローチャートも参照しながら説明する。
上記の第1の実施形態と同様のステップS1ないしステップS3の制御をするとともに、ステップS2において、電池4の残量が所定量以下であると判断した場合(ステップS2のYESの場合)には、ステップS5において、制御手段94は、電動機93の制御を第二制御とする。すなわち、本実施形態において、制御手段94は、電動機93の回転方向を、本体部90の進行方向に応じて切り換え、矢印Fに示す前進時と、矢印Rに示す後進時とで、回転清掃体92が本体部90の進行方向に対し逆回転となるように制御する(図5(b1)及び図5(b2))。この後、ステップS1に戻る。
このように、制御手段94は、電池4の残量を参照し、電池4の残量に応じて回転清掃体92の回転方向及び回転数を設定する電動機93の制御を異ならせるので、上記の第1の実施形態と同様に、電池4の残量によって掃除性能が影響を受けにくくなる。
また、本実施形態によれば、制御手段94は、電池4の残量が所定量より大きいときには回転清掃体92の回転方向及び回転数を設定する電動機93の制御を第一制御とし、電池4の残量が所定量以下であるときには回転清掃体92の回転方向及び回転数を設定する電動機93の制御を第一制御と異なる第二制御とすることで、上記の第1の実施形態と同様に、電池4の残量が大きい場合でも小さい場合でも、掃除性能を確保できる。
さらに、本実施形態によれば、制御手段94が、電池4の残量が十分にあるときの第一制御において、回転清掃体92の回転方向を本体部90の進行方向に拘らず一方向に固定するように電動機93を制御することで、上記の第1の実施形態と同様に、走行性とごみ取れ性能とを両立できる。
また、制御手段94が、電池4の残量が低下したときの第二制御において、回転清掃体92の回転方向を本体部90の進行方向に応じて切り換えるように電動機93を制御することで、上記の第1の実施形態と同様に、電池4の残量の低下に伴う電動機93の回転力又は回転速度の低下による走行性又はごみ取れ性能の低下を、回転清掃体92の回転方向を第一制御から変えることによってカバーできる。
すなわち、電池4の残量が低下すると、電動機93の回転力又は回転速度が低下することで、回転清掃体92の回転力又は回転速度が低下し、また、電動送風機2の吸引力が低下することで、ごみ取れ性能が低下する。そこで、本実施形態では、制御手段94が、第二制御において、本体部90の進行方向に対し回転清掃体92を逆回転させるように電動機93を制御することで、前進時及び後進時のそれぞれにおいて回転清掃体92によるごみ取れ性能を確保できる。この結果、電池4の残量が低下したときの掃除性能を確保できる。また、本体部90の進行方向に対し回転清掃体92を逆回転させるように電動機93を制御する場合、電動機93の負荷つまり消費電力は増加するものの、電動機93の消費電力は電動送風機2に用いられる電動機の消費電力よりも小さいため、電気掃除機VC全体としては大きな消費電力となることはなく、電池4の残量が低下していても電力を賄うことができる。
なお、上記の各実施形態において、第一制御及び第二制御における回転清掃体92の回転数の制御は、任意に設定してよい。すなわち、制御手段94は、第一制御及び第二制御において、回転清掃体92の回転数が維持されるように電動機93を制御してもよいし、回転清掃体92の回転数が第一制御と第二制御とで異なるように電動機93を制御してもよい。第一制御と第二制御とで回転清掃体92の回転数を異ならせる場合、第二制御での回転数を第一制御での回転数より小さくして電動機93での消費電力を抑制してもよいし、第二制御での回転数を第一制御での回転数より大きくして走行性やごみ取れ性能を向上してもよい。また、第一制御と第二制御との少なくともいずれかにおいて、本体部90の進行方向に応じて回転数を変化させるように制御してもよい。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について図7及び図8を参照して説明する。なお、上記の第1の実施形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態において、電池4の残量が十分にあるとき又は電池4の残量が所定量より大きいときの第一制御及び電池4の残量が低下したとき又は電池4の残量が所定量以下のときの第二制御は、それぞれ回転清掃体92の回転方向を本体部90の進行方向に応じて切り換えるように電動機93を制御するものである。また、本実施形態において、第一制御と第二制御とは、本体部90の進行方向に応じた回転清掃体92の回転方向が互いに逆となる制御である。図示される例では、第一制御は、本体部90の進行方向に対し回転清掃体92を第一回転数で順回転させて本体部90の走行性を向上するように電動機93を制御するものである。すなわち、図7(a1)及び図7(a2)に示される例では、制御手段94は、本実施形態の第一制御において、本体部90が前進するときに回転清掃体92の軸線よりも前部が被掃除面に向かって下方向に回転するように、又は、回転清掃体92の被掃除面と接触する下部が被掃除面に対して後方に向かって力を付与する方向に回転するように電動機93を制御し、本体部90が後進するときに回転清掃体92の軸線よりも前部が被掃除面から離れる上方向に回転するように、又は、回転清掃体92の被掃除面と接触する下部が被掃除面に対して前方に向かって力を付与する方向に回転するように電動機93を制御する。つまり、制御手段94は、第一制御において、本体部90の進行方向の切り換わりに応じて電動機93の回転方向を反転させるように制御する。
また、本実施形態において、第二制御は、本体部90の進行方向に対し回転清掃体92を第二回転数で逆回転させて被掃除面への抵抗を増加させ、ごみ取れ性能を向上するように電動機93を制御するものである。すなわち、図7(b1)及び図7(b2)に示される例では、制御手段94は、本実施形態の第二制御において、本体部90が前進するときに回転清掃体92の軸線よりも前部が被掃除面から離れる上方向に回転するように、又は、回転清掃体92の被掃除面と接触する下部が被掃除面に対して前方に向かって力を付与する方向に回転するように電動機93を制御し、本体部90が後進するときに回転清掃体92の軸線よりも前部が被掃除面に向かって下方向に回転するように、又は、回転清掃体92の被掃除面と接触する下部が被掃除面に対して後方に向かって力を付与する方向に回転するように電動機93を制御する。つまり、制御手段94は、第二制御において、本体部90の進行方向の切り換わりに応じて電動機93の回転方向を反転させ、かつ、その回転方向が第一制御のときとは反対となるように制御する。
そのため、本実施形態において、本体部90の前進時及び後進時における回転清掃体92の回転方向は第一制御と第二制御とでそれぞれ互いに反対となっている。
上記の制御に加えて、制御手段94は、第一制御での回転清掃体92の回転数である第一回転数を、第二制御での回転清掃体92の回転数である第二回転数以上とするように、電動機93の回転数を制御している。
そして、制御手段94による電動機93の制御について、図8に示すフローチャートも参照しながら説明する。
上記の第1の実施形態と同様のステップS1及びステップS2の制御をするとともに、ステップS2において、電池4の残量が所定量以下でない、つまり電池4の残量が所定量より大きいと判断した場合(ステップS2のNOの場合)には、ステップS6において、制御手段94は、電動機93の制御を第一制御とする。すなわち、本実施形態において、制御手段94は、電動機93の回転方向を、本体部90の進行方向に応じて切り換え、矢印Fに示す前進時と、矢印Rに示す後進時とで、回転清掃体92が本体部90の進行方向に対し順回転となるように制御する(図7(a1)及び図7(a2))。また、制御手段94は、電動機93の回転数を、回転清掃体92の回転数が第一回転数となるように制御する。この後、ステップS1に戻る。
また、ステップS2において、電池4の残量が所定量以下であると判断した場合(ステップS2のYESの場合)には、ステップS7において、制御手段94は、電動機93の制御を第二制御とする。すなわち、本実施形態において、制御手段94は、電動機93の回転方向を、本体部90の進行方向に応じて切り換え、矢印Fに示す前進時と、矢印Rに示す後進時とで、回転清掃体92が本体部90の進行方向に対し逆回転となるように制御する(図7(b1)及び図7(b2))。また、制御手段94は、電動機93の回転数を、回転清掃体92の回転数が第一回転数以下の第二回転数となるように制御する。すなわち、制御手段94は、電動機93の回転数を、第一制御時と同等に維持、又は、低下させる。この後、ステップS1に戻る。
このように、制御手段94は、電池4の残量を参照し、電池4の残量に応じて回転清掃体92の回転方向及び回転数を設定する電動機93の制御を異ならせるので、上記の第1の実施形態と同様に、電池4の残量によって掃除性能が影響を受けにくくなる。
また、本実施形態において、制御手段94は、電池4の残量が所定量より大きいときには回転清掃体92の回転方向及び回転数を設定する電動機93の制御を第一制御とし、電池4の残量が所定量以下であるときには回転清掃体92の回転方向及び回転数を設定する電動機93の制御を第一制御と異なる第二制御とすることで、上記の第1の実施形態と同様に、電池4の残量が大きい場合でも小さい場合でも、掃除性能を確保できる。
本実施形態においては、制御手段94が、電池4の残量が十分にあるときの第一制御において、本体部90の進行方向に応じて回転清掃体92の回転方向を切り換えるように電動機93を制御し、電池4の残量が低下したときの第二制御において、本体部90の進行方向に応じて回転清掃体92の回転方向を第一制御とは逆方向に切り換えるように電動機93を制御するため、電池4の残量の低下に伴う清掃体9の走行性又はごみ取れ性能の低下を抑制できる。
すなわち、電池4の残量が十分にある場合には、電動機93の回転力又は回転速度が確保されるため、回転清掃体92によるごみ取れ性能が高い。また、電池4の残量が十分にある場合には、電動送風機2の吸引力が強く、清掃体9が被掃除面に貼り付きやすくなる。そこで、本実施形態では、制御手段94が、第一制御において、回転清掃体92の回転方向を本体部90の進行方向に対し順方向とするように電動機93を制御することで、回転清掃体92によるごみ取れ性能を確保しつつ、清掃体9を前進させるときも後進させるときもそれぞれ回転清掃体92の回転方向が順方向となるので、電動送風機2の吸引力に起因する被掃除面への貼り付きに対して走行を補助することにより走行性が向上し、使用者が清掃体9を軽い操作性で操作でき、掃除をより早期に終了させることが可能になる。また、電動機93の負荷つまり消費電力を低減し、電池4の残量を有効に利用して、電気掃除機VCを運転可能な時間を延ばすことができる。この結果、電池4の残量が大きいときの掃除性能を確保できる。
また、電池4の残量が低下すると、電動機93の回転力又は回転速度が低下することで、回転清掃体92の回転力又は回転速度が低下し、回転清掃体92によるごみ取れ性能が低下する。そこで、本実施形態では、制御手段94が、第二制御において、本体部90の進行方向に対し回転清掃体92を逆回転させるように電動機93を制御することで、前進時及び後進時のそれぞれにおいて回転清掃体92によるごみ取れ性能を確保できる。この結果、電池4の残量が低下したときの掃除性能を確保できる。また、本体部90の進行方向に対し回転清掃体92を逆回転させるように電動機93を制御する場合、電動機93の負荷つまり消費電力は増加するものの、電動機93の消費電力は電動送風機2に用いられる電動機の消費電力よりも小さいため、電気掃除機VC全体としては大きな消費電力となることはなく、電池4の残量が低下していても電力を賄うことができる。
しかも、制御手段94は、第一制御での回転清掃体92の回転数が、第二制御での回転清掃体92の回転数以上となるように電動機93を制御することで、電池4の残量に余裕があるときの制御である第一制御において、電池4の残量を活かして順方向に回転する回転清掃体92による走行性の向上をより大きくし、掃除性能を向上できる。また、このとき、電動機93の負荷つまり消費電力は増加するものの、電動機93の消費電力は電動送風機2に用いられる電動機の消費電力よりも小さいため、電気掃除機VC全体としては大きな消費電力となることはなく、十分な電池4の残量によって電力を賄うことができる。さらに、電池4の残量が低下した状態での第二制御では、制御手段94が、回転清掃体92の回転数が第一回転数以下となるように電動機93を制御するので、電動機93での消費電力を相対的に抑制し、電池4の残量を有効に利用可能となる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について図9及び図10を参照して説明する。なお、上記の第3の実施形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態において、電池4の残量が十分にあるとき又は電池4の残量が所定量より大きいときの第一制御と電池4の残量が低下したとき又は電池4の残量が所定量以下のときの第二制御とは、上記の第3の実施形態と同様に、それぞれ回転清掃体92の回転方向を本体部90の進行方向に応じて切り換えるように電動機93を制御し、かつ、本体部90の進行方向に応じた回転清掃体92の回転方向が互いに逆となる制御である。図示される例では、第一制御は、本体部90の進行方向に対し回転清掃体92を逆回転させて被掃除面への抵抗を増加させ、ごみ取れ性能を向上するように電動機93を制御するものである。すなわち、図9(a1)及び図9(a2)に示される例では、制御手段94は、本実施形態の第一制御において、本体部90が前進するときに回転清掃体92の軸線よりも前部が被掃除面から離れる上方向に回転するように、又は、回転清掃体92の被掃除面と接触する下部が被掃除面に対して前方に向かって力を付与する方向に回転するように電動機93を制御し、本体部90が後進するときに回転清掃体92の軸線よりも前部が被掃除面に向かって下方向に回転するように、又は、回転清掃体92の被掃除面と接触する下部が被掃除面に対して後方に向かって力を付与する方向に回転するように電動機93を制御する。つまり、制御手段94は、第一制御において、本体部90の進行方向の切り換わりに応じて電動機93の回転方向を反転させるように制御する。
また、本実施形態において、第二制御は、本体部90の進行方向に対し回転清掃体92を順回転させて本体部90の走行性を向上するように電動機93を制御するものである。すなわち、図9(b1)及び図9(b2)に示される例では、制御手段94は、本実施形態の第二制御において、本体部90が前進するときに回転清掃体92の軸線よりも前部が被掃除面に向かって下方向に回転するように、又は、回転清掃体92の被掃除面と接触する下部が被掃除面に対して後方に向かって力を付与する方向に回転するように電動機93を制御し、本体部90が後進するときに回転清掃体92の軸線よりも前部が被掃除面から離れる上方向に回転するように、又は、回転清掃体92の被掃除面と接触する下部が被掃除面に対して前方に向かって力を付与する方向に回転するように電動機93を制御する。つまり、制御手段94は、第二制御において、本体部90の進行方向の切り換わりに応じて電動機93の回転方向を反転させ、かつ、その回転方向が第一制御のときとは反対となるように制御する。
そのため、本実施形態において、本体部90の前進時及び後進時における回転清掃体92の回転方向は第一制御と第二制御とでそれぞれ互いに反対となっている。
そして、制御手段94による電動機93の制御について、図10に示すフローチャートも参照しながら説明する。
上記の第1の実施形態と同様のステップS1及びステップS2の制御をするとともに、ステップS2において、電池4の残量が所定量以下でない、つまり電池4の残量が所定量より大きいと判断した場合(ステップS2のNOの場合)には、ステップS8において、制御手段94は、電動機93の制御を第一制御とする。すなわち、本実施形態において、制御手段94は、電動機93の回転方向を、本体部90の進行方向に応じて切り換え、矢印Fに示す前進時と、矢印Rに示す後進時とで、回転清掃体92が本体部90の進行方向に対し逆回転となるように制御する(図9(a1)及び図9(a2))。この後、ステップS1に戻る。
また、ステップS2において、電池4の残量が所定量以下であると判断した場合(ステップS2のYESの場合)には、ステップS9において、制御手段94は、電動機93の制御を第二制御とする。すなわち、本実施形態において、制御手段94は、電動機93の回転方向を、本体部90の進行方向に応じて切り換え、矢印Fに示す前進時と、矢印Rに示す後進時とで、回転清掃体92が本体部90の進行方向に対し順回転となるように制御する(図9(b1)及び図9(b2))。この後、ステップS1に戻る。
なお、本実施形態において、第一制御及び第二制御における回転清掃体92の回転数の制御は、任意に設定してよい。すなわち、制御手段94は、第一制御及び第二制御において、回転清掃体92の回転数が一定の回転数に維持されるように電動機93を制御してもよいし、回転清掃体92の回転数が第一制御と第二制御とで異なるように電動機93を制御してもよい。第一制御と第二制御とで回転清掃体92の回転数を異ならせる場合、第二制御での回転数を第一制御での回転数より小さくして電動機93での消費電力を抑制してもよいし、第二制御での回転数を第一制御での回転数より大きくして走行性を向上してもよい。また、第一制御と第二制御との少なくともいずれかにおいて、本体部90の進行方向に応じて回転数を変化させるように制御してもよい。
このように、制御手段94は、電池4の残量を参照し、電池4の残量に応じて回転清掃体92の回転方向及び回転数を設定する電動機93の制御を異ならせるので、上記の第1の実施形態と同様に、電池4の残量によって掃除性能が影響を受けにくくなる。
また、本実施形態において、制御手段94は、電池4の残量を参照し、電池4の残量が所定量より大きいときには回転清掃体92の回転方向及び回転数を設定する電動機93の制御を第一制御とし、電池4の残量が所定量以下であるときには回転清掃体92の回転方向及び回転数を設定する電動機93の制御を第一制御と異なる第二制御とすることで、上記の第1の実施形態と同様に、電池4の残量が大きい場合でも小さい場合でも、掃除性能を確保できる。
本実施形態においては、制御手段94が、電池4の残量が十分にあるときの第一制御において、本体部90の進行方向に応じて回転清掃体92の回転方向を切り換えるように電動機93を制御し、電池4の残量が低下したときの第二制御において、本体部90の進行方向に応じて回転清掃体92の回転方向を第一制御とは逆方向に切り換えるように電動機93を制御するため、電池4の残量の低下に伴う清掃体9の走行性又はごみ取れ性能の低下を抑制できる。
すなわち、電池4の残量に余裕がある場合には、電動送風機2の吸引力が大きいとともに、電動機93の負荷つまり消費電力をより大きくすることができるので、本実施形態では、制御手段94が、第一制御において、回転清掃体92の回転方向を本体部90の進行方向に対し逆方向とするように電動機93を制御することで、電動送風機2の大きな吸引力による良好なごみ取れ性能に加えて、回転清掃体92によるごみ取れ性能をさらに向上できる。この結果、電池4の残量が大きいときの掃除性能をさらに向上できる。
また、電池4の残量が低下すると、電動送風機2の吸引力も低下することで、清掃体9が被掃除面に貼り付きにくくなるため、清掃体9を被掃除面上で走行させやすくなる一方で、電動機93の回転力又は回転速度が低下することで、回転清掃体92の回転力又は回転速度が低下し、回転清掃体92による走行補助性能が低下するため、清掃体9の走行性が低下する。そこで、本実施形態では、制御手段94が、第二制御において、本体部90の進行方向に対し回転清掃体92を順回転させるように電動機93を制御することで、前進時及び後進時のそれぞれにおいて清掃体9の走行性を向上でき、掃除をより早期に終了させることが可能になるとともに、電動機93の負荷つまり消費電力が低減することで、電池4の残量を有効に利用し、電気掃除機VCを運転可能な時間を延ばすことができる。この結果、電池4の残量が低下したときの掃除性能を確保できる。
なお、上記の各実施形態において、清掃体9が、被掃除面を走行するための回転体である駆動輪を備える場合、回転清掃体92の回転方向を設定するための電動機93の制御に応じて、駆動輪の回転方向及び回転数を制御してもよい。
また、上記の各実施形態における制御手段94による電動機93の制御は、電気掃除機VCにおいて少なくともいずれか一つを備えていればよいが、これらのうちの複数を備え、使用者が選択できるようにしてもよいし、制御手段94が電動送風機2の入力等の任意の所定の条件に基づいて自動的に選択するようにしてもよい。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について図11を参照して説明する。なお、上記の各実施形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態の電気掃除機VCは、掃除機本体1が被掃除面上を自律走行可能な、自走式の電気掃除機である。
掃除機本体1は、上方又は下方から見て円形状に形成されている。これに限られず、掃除機本体1は任意の形状としてよい。
掃除機本体1には、電動送風機2、本体制御部3、電池4、及び、集塵部5等が配置されている。また、掃除機本体1には、単数又は複数の駆動輪12が正逆回転可能に配置されている。駆動輪12は、走行用電動機13により回転され、走行用電動機13は、本体制御部3により回転方向及び回転数又は回転角度が制御される。駆動輪12により掃除機本体1が、前進、後進、旋回等走行可能となっている。そして、本体制御部3は、走行用電動機13を制御して駆動輪12を回転させ、予め決められた走行パターンに沿って掃除機本体1を走行させてもよいし、センサを用いて障害物や壁等を検出し、これら障害物等を回避しながら予めプログラミングされた、又は、任意に設定された走行ルール等に基づいて掃除機本体1を走行させてもよい。
また、掃除機本体1には、清掃体9が被掃除面に対向する下部に一体的に設けられている。すなわち、清掃体9の本体部90は、掃除機本体1と一体的に設けられている。そのため、本実施形態において、本体部90の前後の進行方向は、掃除機本体1の前後の進行方向と同一となっている。本体部90は、被掃除面の凹凸等に追従して掃除機本体1に対し上下方向等に可動的に配置されていてもよい。
本体部90の吸込口900に回転清掃体92が正逆回転可能に配置され、回転清掃体92は、電動機93により回転され、電動機93は制御手段94により回転方向及び回転数が制御される。制御手段94は、マイコン等により本体制御部3と一体的に構成されていてもよい。制御手段94による電動機93の制御は、上記の各実施形態における制御の少なくともいずれか一つを備えていればよいが、これらのうちの複数を備え、使用者が選択できるようにしてもよいし、制御手段94が電動送風機2の入力、掃除モード等の任意の所定の条件に基づいて自動的に選択するようにしてもよい。また、掃除機本体1には、サイドブラシ等の補助清掃体がさらに設けられていてもよい。
そして、自走式の電気掃除機VCにおいても、制御手段94が電池4の残量を参照し、電池4の残量に応じて回転清掃体92の回転方向及び回転数を設定する電動機93の制御を異ならせることで、電池4の残量によって掃除性能が影響を受けにくくなる等、上記の各実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
なお、本実施形態において、電気掃除機VCは、電動送風機2によって集塵部5に塵埃を吸引するものに限られず、回転清掃体92によって集塵部5に塵埃を掻き上げるものでもよい。すなわち、本実施形態の電気掃除機VCにおいて、電動送風機2は必須の構成ではない。
また、上記の各実施形態において、制御手段94は、電池4の残量に対し、一つの閾値又は「所定量」に基づき電動機93の制御を異ならせるようにしたが、これに限られず、複数の閾値を設定して、それら閾値毎に電動機93の制御を異ならせるようにしてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲をこれらの実施形態に限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。