以下、一実施形態の構成を、図面を参照して説明する。
図1ないし図3において、11は電気掃除機を示し、この電気掃除機11は、この電気掃除機11を掃除に使用しない収納状態で支持する図示しない支持装置(充電台)とともに電気掃除装置を構成するものである。
そして、この電気掃除機11は、掃除機本体12と、この掃除機本体12に直接接続された延長管13および吸込口体としての床ブラシ14からなる風路体15とを備えた、いわゆるスティック型の電気掃除機である。
掃除機本体12は、例えば本体部21と、この本体部21に対して着脱可能な集塵部である集塵装置22とを備えている。本体部21の内部には、電動送風機25、この電動送風機25の動作により吸い込んだ塵埃量を検出する塵埃量検出手段(塵埃量検出部)26、例えばマイコンなどの制御手段(制御部)27、電源である電池28、電池28の電圧を検出する電圧検出手段(電圧検出部)29、および、電池28の温度を検出する温度検出手段(温度検出部)30などが収容されている。すなわち、掃除機本体12には、電動送風機25、塵埃量検出手段26、制御手段27、電池28、電圧検出手段29、および、温度検出手段30が備えられている。また、本体部21は、長手状に形成されており、長手方向の一端部に、床ブラシ14を被掃除面上で移動させて操作する把持操作用の把持部31が突設され、長手方向の他端部に延長管13の一端部が挿入接続される塵埃吸込部としての接続部32が突設されている。そして、この本体部21は、把持部31を上端側として把持した状態で両端側を上下方向に傾斜状に沿わせて使用される。そして、この本体部21の内部には、接続部32から集塵装置22へと連通する集塵風路部34と、集塵装置22から電動送風機25の吸込側に連通する連通風路部35とが形成されている。
電動送風機25には、例えばDCブラシレスモータなどが用いられる。
塵埃量検出手段26は、電動送風機25の駆動により集塵装置22に吸い込まれる塵埃量を検出するものである。この塵埃量検出手段26は、例えば発光部26aと受光部26bとを備え、これら発光部26aと受光部26bとが集塵風路部34に互いに対向して配置されている。そして、発光部26aからの発光量に対する受光部26bでの受光量の大小により、集塵風路部34を通過する塵埃量、すなわち集塵装置22に吸い込まれる塵埃量の多寡を検出し、その検出値(検出値に対応する信号)を制御手段27に出力している。なお、以下、塵埃量検出手段26により検出する塵埃量とは、あるタイミングに検出した塵埃量だけでなく、所定時間以内に複数回検出した塵埃量の累積値あるいは平均値なども含むものとする。
制御手段27は、電池28から給電されており、塵埃量検出手段26、電圧検出手段29および温度検出手段30を所定周期で読み取るとともに、電池28から電動送風機25への通電時間を制御することで、電動送風機25の動作を制御している。具体的に、この制御手段27の通電時間の制御としては、例えばPWM制御が用いられ、上記所定周期よりも長い所定の一定周期中の通電オン時間と通電オフ時間との比率、すなわち通電時間比(通電オン時間の幅)と、その維持時間とを可変することで、電池28から電動送風機25へと供給される電圧(電流)を可変設定するようになっている。すなわち、電池28から電動送風機25への通電時間とは、通電時間比と維持時間との積によって決定される。ここで、電池28の電圧が一定であれば、電池28から電動送風機25への通電時間を増加させた場合、電動送風機25の通電量(入力)も増加することになるが、電池28の電圧は一定ではないため、通電時間の増加は通電量(入力)の増加と必ずしも一致しない場合もある。そして、この制御手段27による電動送風機25の動作モードとしては、例えば強モード、中モードあるいは弱モードなどの、通電時間比(吸込力)を略一定に維持するモードと、通電時間(通電時間比と継続期間との少なくともいずれか)を自動制御する自動モードなどとがある。
電池28は、電動送風機25、塵埃量検出手段26、制御手段27、電圧検出手段29および温度検出手段30などに給電するもので、本実施形態では、例えば充電可能なリチウムイオン電池などの二次電池などが用いられる。すなわち、本実施形態の電気掃除機11は、充電式のコードレスクリーナである。そして、この電池28は、制御手段27により充放電が制御されている。
電圧検出手段29は、電池28の電圧を検出し、その検出値(検出値に対応する信号)を制御手段27に出力している。なお、以下、電圧検出手段29により検出する電池28の電圧とは、あるタイミングに検出した電圧だけでなく、所定時間以内に複数回検出した電圧の平均値なども含むものとする。また、この電圧検出手段29の機能は、制御手段27に一体的に内蔵されていてもよい。
温度検出手段30は、電池28の温度を直接的に検出(例えば電池28に温度検出手段30を密着させて温度を検出)、または間接的に検出(例えば電池28を覆うカバーなどの温度を検出)し、その検出値(検出値に対応する信号)を制御手段27に出力している。なお、以下、温度検出手段30により検出する電池28の温度とは、あるタイミングに検出した温度だけでなく、所定の短時間以内に複数回検出した温度の平均値なども含むものとする。また、この温度検出手段30の機能は、制御手段27に一体的に内蔵されていてもよい。
把持部31は、手許操作部、あるいはハンドルなどとも呼ばれるもので、この把持部31には、電動送風機25の動作などを設定する設定手段(設定部)としての設定ボタン36が上部に沿って配置されている。そして、この設定ボタン36は、制御手段27と電気的に接続されており、この設定ボタン36により設定された動作をするように制御手段27が電池28から電動送風機25への通電時間(通電時間比と継続期間との少なくともいずれか)を制御することなどによって、制御手段27が電動送風機25を駆動制御するようになっている。
接続部32は、円筒状に形成されており、先端側に本体接続口38が開口されている。また、この接続部32の上部には、延長管13を掃除機本体12(本体接続口38)に対して着脱可能に保持するクランプ39が設けられている。
本体接続口38は、集塵風路部34の上流端となる部分であり、集塵装置22と連通している。この本体接続口38の内部には、延長管13と電池28および制御手段27などとを電気的に接続するための図示しない対をなす(一対の)端子部が露出している。
集塵装置22は、例えば電動送風機25の動作により空気とともに吸い込んだ塵埃を空気から分離して溜めるものである。この集塵装置22は、例えばフィルタを用いるものや、直進分離をするものなど、任意のものを用いることができるが、本実施形態では、例えば塵埃を遠心分離(サイクロン分離)する、円筒状の集塵カップとする。この集塵装置22は、本体部21の下端側の上部、すなわち接続部32の上部にて、把持部31の下方(前方)の位置に着脱可能となっている。
延長管13は、掃除機本体12(本体部21)と床ブラシ14とを接続する長尺状の管部である。この延長管13は、一端側である基端側が接続部32(本体接続口38)に挿入されてクランプ39により着脱可能に保持されているとともに、他端側である先端側に、床ブラシ14を着脱可能に保持する保持体としてのクランプ部40が配置されている。
そして、床ブラシ14は、延長管13の他端側、すなわち掃除機本体12と反対側の端部である下端部に着脱可能となっている。この床ブラシ14は、左右方向である幅方向に長手状、すなわち横長のケース体45と、このケース体45に対して回動可能に突設された接続管46とを一体的に備えている。そして、ケース体45の被掃除面に対向する下部には、吸込口53が開口されている。この吸込口53には、回転清掃体を回転可能に配置してもよい。また、接続管46は、吸込口53と連通しており、延長管13の先端側(上流側)に着脱可能に接続されるようになっている。
次に、上記一実施形態の動作を説明する。
掃除の際には、掃除機本体12(接続部32(本体接続口38))に対して、延長管13の基端側を接続してクランプ39により着脱可能に係止保持するとともに、この延長管13の先端側に、床ブラシ14の接続管46を挿入接続してクランプ部40により着脱可能に係止保持する。この状態で、床ブラシ14が(延長管13、本体接続口38、集塵装置22を介して)電動送風機25の吸込側と連通する。
そして、電気掃除機11では、把持部31を把持した使用者が床ブラシ14を被掃除面に載置し、把持部31に設けた設定ボタン36を操作することで設定した動作で制御手段27が電動送風機25を駆動させるとともに、床ブラシ14を被掃除面上で前後方向や斜め方向などに交互に走行させながら、電動送風機25の駆動により生じた負圧を利用して被掃除面の塵埃を吸い込む。すなわち、電動送風機25の駆動により生じた負圧は、連通風路部35、集塵装置22、集塵風路部34、本体接続口38、延長管13、床ブラシ14(接続管46および吸込口53)と作用し、この床ブラシ14の吸込口53から塵埃を空気とともに吸い込む。
なお、使用者は、床面の汚れ具合や種類に応じて、床ブラシ14の回転清掃体を適宜回転させ、床面に入り込んだ塵埃などを掻き取ることもできる。
そして、含塵空気は、接続管46を経由して延長管13へと流れた後、この延長管13を介して集塵装置22へと運ばれて空気から分離されて捕集される。塵埃が分離された空気は、電動送風機25に吸い込まれて電動送風機25を冷却した後、図示しない排気口から掃除機本体12の外部へと排気される。
次に、上記の掃除動作時の制御手段27による電池28の放電制御方法を、図4に示すフローチャートも参照しながら説明する。
概略として、制御手段27は、まず、電気掃除機11(電動送風機25)の停止状態(非使用状態)から、設定ボタン36の入力操作を受けると、電動送風機25を所定通電時間比で起動する。そして、電動送風機25の起動後、制御手段27は、設定ボタン36の入力操作、塵埃量検出手段26により検出する塵埃量、電圧検出手段29により検出する電池28の電圧、および、温度検出手段30により検出する電池28の温度を監視しつつ、これらの監視に応じて電動送風機25の動作を制御する。
具体的に、電動送風機25の通電時間比を略一定制御する動作モードにおいて、制御手段27は、電池28の温度が比較的低く(所定の上限温度未満で)、かつ、電池28の残量が充分であって、電動送風機25を起動可能である場合には、設定ボタン36により設定された動作モードに応じた通電時間比で電動送風機25を起動した後、設定ボタン36の入力操作があれば動作モードを切り換え(電気掃除機11(電動送風機25)の動作を停止する停止モードも含む)、電池28の温度が所定の上限温度(上限温度以上)になったとき、あるいは電池28の残量が所定以下になったときに電気掃除機11(電動送風機25)を強制停止する。ここで、上限温度(限界温度)とは、電池28の仕様などにより予め設定されているものである。
また、電動送風機25の通電時間を塵埃量検出手段26および温度検出手段30の出力値に基づいて自動制御する自動モードにおいて、制御手段27は、電池28の温度が比較的低く、電池28の残量が充分で電動送風機25を所定通電時間比(例えば第1通電時間比)で起動した後、塵埃量が所定量未満であるときには、電池28の温度に拘らず電池28から電動送風機25への通電時間比を第1通電時間比とした状態を維持する。また、制御手段27は、塵埃量が所定量以上であるときには、この検出時の電池28の温度、換言すれば、制御手段27により通電時間比を変化させる直前の塵埃量が所定量以上となる直前の電池28の温度が、上限温度よりも低い所定の第1規制温度未満であれば、この電池28の温度と第1規制温度との差に基づいて電池28から電動送風機25への通電時間、本実施形態では通電時間比および継続期間を設定し、電池28の温度が第1規制温度以上でかつ上限温度よりも低い第2規制温度未満であれば、電池28の温度を順次参照しつつこの温度と第2規制温度との差に基づきながら電動送風機25の通電時間比をフィードバック制御する。すなわち、本実施形態では、この自動モードにおいて、電動送風機25を起動した後、塵埃量が所定量以上でない場合、電池28の温度が所定の上限温度未満で、かつ、電池28の残量が充分である限り、電池28から電動送風機25への通電時間比を電池28の温度に応じて変化させず(電池28の温度に拘らず電動送風機25の入力を略一定とし)、塵埃量が所定量以上でかつ電池28の温度が第1規制温度未満である場合には、通電時間比を第1通電時間比よりも大きい所定の第2通電時間比、例えば100%の通電時間比(フル通電)に設定するとともにこの第2通電時間比を維持する継続期間を、電池28の温度が低いほど長く設定し、塵埃量が所定量以上でかつ電池28の温度が第1規制温度以上第2規制温度未満である場合には、通電時間比を第2通電時間比以下で、かつ、電池28の温度が低いほど大きく設定する。ここで、第1規制温度および第2規制温度とは、それぞれ上限温度に対して、通電時間の増加に伴う温度上昇時のオーバシュート分などの所定のマージンを取って低く設定された温度である。また、電池28の温度は、この電池28の種類に応じて、この電池28に流れる電流値、すなわち通電時間に対応して決定されるもので、電池28の残量とは基本的に無関係となっている。さらに、第2通電時間比は、通電オン時間が通電オフ時間よりも長くなるように設定すれば、すなわち50%より大きく設定すれば、例えば90%や95%などでもよく、必ずしも100%の通電時間比でなくてもよい。
そして、設定ボタン36の入力操作があれば動作モードを切り換え(電気掃除機11(電動送風機25)の動作を停止する停止モードも含む)、電池28の温度が上限温度以上になる、または、電池28の残量が所定以下になれば電気掃除機11(電動送風機25)を強制停止する。
より詳細に、制御手段27は、塵埃量検出手段26により検出した塵埃量、電圧検出手段29により検出した電池28の電圧、および、温度検出手段30により検出した電池28の温度のそれぞれを随時参照しつつ、電気掃除機11(電動送風機25)の停止状態(非使用状態)で設定ボタン36の入力待ちの状態であり(ステップ1)、設定ボタン36の入力操作を検出すると、電池28の電圧が所定の起動可能電圧以上であるかどうかを判断する(ステップ2)。この起動可能電圧は、電池28の放電終止電圧よりも僅かに高い電圧であり、設定ボタン36により設定された動作モードに応じて設定されていてもよいし、全ての動作モードに共通の電圧でもよい。
ステップ2において、起動可能電圧以上でない(起動可能電圧未満である)と判断した場合には、制御手段27は、電動送風機25を起動させず、例えば図示しないLEDなどの報知手段によって、電池28の残量が不足している、あるいは電池28の充電を促すなどの報知を行い(ステップ3)、制御を終了する。一方、ステップ2において、起動可能電圧以上であると判断した場合には、制御手段27は電池28の温度が所定の上限温度未満であるかどうかを判断する(ステップ4)。そして、このステップ4において、上限温度未満でない(上限温度以上である)と判断した場合には、電動送風機25を起動させず、ステップ3に進む。一方、ステップ4において、上限温度未満であると判断した場合には、制御手段27は、電動送風機25を設定ボタン36により設定された動作モードに応じて起動する。すなわち、制御手段27は、設定された動作モードを判断し(ステップ5)、この設定された動作モードが自動モード以外の動作モード、例えば強モード、中モード、あるいは弱モードなどであると判断した場合には、それぞれの動作モードに対応した通電時間比に切り換えて電動送風機25を動作させる(ステップ6)。そして、この動作の後、電池28の電圧が所定の停止電圧(停止基準電圧、電池28が過放電とならない放電終止電圧より僅かに大きい電圧)より大きいかどうかを判断する(ステップ7)。このステップ7において、電圧が所定の停止電圧より大きくない(所定の停止電圧以下である)と判断した場合には、制御手段27は電動送風機25を強制停止させ(ステップ8)、報知手段などによって、電池28の残量が不足している、あるいは電池28の充電を促すなどの報知を行い(ステップ9)、制御を終了する。一方、ステップ7において、電圧が所定の停止電圧より大きいと判断した場合には、電池28の残量が充分にあるものと判断し、制御手段27は電池28の温度が所定の上限温度未満であるかどうかを判断する(ステップ10)。そして、このステップ10において、上限温度未満でない(上限温度以上である)と判断した場合には、ステップ8に進み、上限温度未満であると判断した場合には、設定ボタン36による動作モードの切り換えの入力を待ち(ステップ11)、設定ボタン36による動作モードの切り換えの入力がないと判断した場合には、ステップ7に進み、設定ボタン36による動作モードの切り換えの入力があったと判断した場合には、その入力が停止操作であるかどうかを判断する(ステップ12)。そして、このステップ12において、停止操作であると判断した場合、制御手段27は電動送風機25(電気掃除機11)の動作を停止させ(ステップ13)、掃除制御を終了し、停止操作でないと判断した場合、ステップ5に進む。なお、自動モード以外の動作モードで電動送風機25を動作させる場合、集塵装置22の分離性能によっては塵埃が溜まるに従い吸込力が低下することもあるので、制御手段27は、例えば図示しない電流検出手段により検出する電動送風機25の電流および風量検出手段により検出する電動送風機25の吸込風量などを参照することで、これらに応じて、動作モード毎に設定された吸込力の範囲内となるように電池28から電動送風機25への通電時間比を順次変化させる制御を行ってもよい。また、被掃除面の塵埃量が多いことを報知する報知手段などを電気掃除機11に備える場合には、自動モード以外の動作モードで電動送風機25を動作させたときにも、塵埃量検出手段26により検出した塵埃量に応じて、報知手段などにより報知することで、使用者の使い勝手を向上するようにしてもよい。
一方、ステップ5において、動作モードが自動モードであると判断した場合には、まず、制御手段27が電動送風機25を所定通電時間(所定通電時間比)で起動させる(ステップ14)。このとき、電動送風機25の通電時間比は、所定の小さい通電時間比、例えば第1通電時間比とする。次いで、この所定通電時間比で電動送風機25が動作している状態で、制御手段27は電池28の電圧が所定の停止電圧(停止基準電圧、電池28が過放電とならない放電終止電圧より僅かに大きい電圧)より大きいかどうかを判断する(ステップ15)。このステップ15において、電圧が所定の停止電圧より大きくない(所定の停止電圧以下である)と判断した場合には、ステップ8に進み、電圧が所定の停止電圧より大きいと判断した場合には、制御手段27は塵埃量が所定量以上であるかどうかを判断する(ステップ16)。そして、このステップ16において、塵埃量が所定量以上でない(所定量未満である)と判断した場合には、塵埃が少ない被掃除面を掃除しているものと判断し、制御手段27は電池28から電動送風機25への通電時間比を所定の第1通電時間比に設定し(ステップ17)、設定ボタン36による動作モードの切り換えの入力を待つ(ステップ18)。
一方、ステップ16において、塵埃量が所定量以上であると判断した場合には、塵埃が多い被掃除面を掃除しているものと判断し、制御手段27は電池28の温度が第1規制温度未満であるかどうかを判断する(ステップ19)。このステップ19において、第1規制温度未満であると判断した場合には、制御手段27は、電池28から電動送風機25への通電時間比を第2通電時間比に設定済みかどうかを判断する(ステップ20)。このステップ20において、設定済みでないと判断した場合には、制御手段27は、電池28から電動送風機25への通電時間比を第2通電時間比に設定するとともに電池28の温度と所定の第1規制温度との差ΔT1と第2通電時間比での電池28の温度上昇率ΔT1とから推定した、所定の第1規制温度に到達する時間(ΔT/ΔT1)を継続期間として設定、すなわち電池28の温度と第1規制温度との差ΔT1に基づいて電池28から電動送風機25への通電時間を設定し(ステップ21)、ステップ18に進む。一方、ステップ20において、設定済みであると判断した場合には、そのままステップ18に進む。
また、ステップ19において、第1規制温度未満でない(第1規制温度以上である)と判断した場合には、制御手段27は、第2通電時間比状態での継続期間が所定時間以上経過したかどうか、すなわち第2通電時間比に設定してから所定の継続期間が経過したかどうかを判断する(ステップ22)。そして、このステップ22において、所定時間以上経過してないと判断した場合には、そのままステップ18に進み、所定時間以上経過したと判断した場合には、制御手段27は、電池28の温度が第2規制温度未満であるかどうかを判断する(ステップ23)。このステップ23において、第2規制温度未満であると判断した場合には、制御手段27は現在の電池28の温度と第2規制温度との差に基づいて通電時間比を第2通電時間比以下の通電時間比の範囲で相対的に大きく(例えば第1通電時間比より大きく)設定し(ステップ24)、ステップ18に進む。また、ステップ23において、第2規制温度未満でないと判断した場合には、制御手段27は現在の電池28の温度と第2規制温度との差に基づいて通電時間比を第2通電時間比以下の通電時間比の範囲で相対的に小さく設定し(ステップ25)、ステップ18に進む。
そして、ステップ18において、設定ボタン36による動作モードの切り換えの入力がないと判断した場合には、ステップ15に進み、設定ボタン36による動作モードの切り換えの入力があったと判断した場合には、ステップ12に進む。
具体的に、上記に示す自動モードでの電池28の放電制御と温度との関係を図5(a)ないし図5(c)に示す一実施例を参照して説明すると、まず、設定ボタン36の操作により自動モードがオンされると、制御手段27は、電池28から電動送風機25への通電時間比Pを第1通電時間比(所定通電時間比)P1に設定する。通電時間比Pが第1通電時間比P1である期間、電池28の温度Tpは初期温度Tp0から徐々に上昇する。
次いで、塵埃量が所定量以上であるとき(図5(c)のハイレベル(Hレベル)信号時)、電池28の温度Tpが第1規制温度TTp1未満であれば、制御手段27は、電池28から電動送風機25への通電時間比Pを第2通電時間比P2(例えばフル通電)に増加させるとともに、この第2通電時間比P2での継続期間を、この第2通電時間比P2とする直前の電池28の温度Tp1と第1規制温度TTp1との差に基づいて予想し(例えば継続期間t1)、この継続期間の間、第2通電時間比P2を維持する。この間、電池28の温度Tpは第1規制温度TTp1へと略リニアに急激に上昇する。
また、電池28の温度Tpが第1規制温度TTp1以上となった状態で塵埃量が所定量以上であるとき(図5(c)のハイレベル(Hレベル)信号時)、制御手段27は、電池28から電動送風機25への通電時間比Pを、電池28の温度Tpの現在の値と第2規制温度TTp2との差に基づいて通電時間比P3に設定する。この結果、電池28の温度Tpが上昇し、第2規制温度TTp2以上となると、制御手段27は、電池28から電動送風機25への通電時間比Pを、電池28の温度Tpの現在の値と第2規制温度TTp2との差に基づいて通電時間比P3より小さい通電時間比P4に設定する。この結果、電池28の温度Tpが減少する。なお、通電時間比P3,P4は、それぞれ一定でもよいし、可変設定されてもよい。
このため、電池28の温度Tpは、第1規制温度TTp1へと連続的に上昇した後、第2規制温度TTp2を挟んで上下を繰り返す制御となる。
一定時間掃除をすると、掃除している箇所の塵埃量が減少するため、通常は塵埃量が少ないときの制御となる。すなわち、塵埃量が所定量以上でなくなる(図5(c)のローレベル(Lレベル)信号)ので、制御手段27は、電池28から電動送風機25への通電時間比Pを第1通電時間比P1にする。この結果、電池28の温度Tpは時間の経過とともに徐々に、例えば減少率が鈍化するように減少する。
続いて、掃除している箇所の塵埃量が減少すると、使用者は掃除終了でない限り、塵埃量が多い他の箇所を掃除するように床ブラシ14などを移動させるため、通常は塵埃量が多いときの制御が行われる。すなわち、塵埃量が所定量以上となるので、制御手段27は、電池28から電動送風機25への通電時間比Pを第2通電時間比P2とするとともに、この第2通電時間比P2での継続期間を、温度Tp2と第1規制温度TTp1との差に基づいて予想し(例えば継続期間t2)、この継続期間の間、第2通電時間比P2を維持する。
また、電池28の温度Tpが第1規制温度TTp1以上となった状態で塵埃量が所定量以上であるとき(図5(c)のハイレベル(Hレベル)信号時)、制御手段27は、電池28から電動送風機25への通電時間比Pを、電池28の温度Tpの現在の値と第2規制温度TTp2との差に基づいて通電時間比P3に設定する。この結果、電池28の温度Tpが上昇し、第2規制温度TTp2以上となると、制御手段27は、電池28から電動送風機25への通電時間比Pを、電池28の温度Tpの現在の値と第2規制温度TTp2との差に基づいて通電時間比P3より小さい通電時間比P4に設定する。
さらに一定時間掃除をすると、掃除している箇所の塵埃量が減少するため、通常は塵埃量が少ないときの制御となるので、制御手段27が電池28から電動送風機25への通電時間比Pを第1通電時間比P1にすることで、電池28の温度Tpが時間の経過とともに徐々に減少する。
さらに続いて、掃除している箇所の塵埃量が減少して、塵埃量が多い他の箇所を掃除するように使用者が床ブラシ14などを移動させると、塵埃量が所定量以上となるので、制御手段27は、電池28から電動送風機25への通電時間比Pを第2通電時間比P2とするとともに、この第2通電時間比P2での継続期間を、温度Tp3と第1規制温度TTp1との差に基づいて予想し(例えば継続期間t3)、この継続期間の間、第2通電時間比P2を維持する。
以下、自動モードでは、これらの制御を掃除終了、あるいは他の動作モードに切り換わるまで繰り返す。
このように、上記一実施形態によれば、塵埃量検出手段26により検出した塵埃量が所定量以上である場合、この塵埃量が所定量以上となる直前の塵埃量が所定量未満であるときの電池28の温度と所定の第1規制温度との差に基づいて制御手段27が電動送風機25の通電時間(通電時間比および継続期間)を設定するので、電池28の過温度を防止し、かつ、通電時間の設定の際に、塵埃量に応じて電動送風機25の通電時間を変化させる直前の電池28の温度を用いるので、随時電池28の温度を参照しながら電動送風機25の通電時間を制御する場合などと比較して、電池28の上限温度一杯まで電池28を使用せずに電池28の使用時間を確保しつつ、塵埃量に応じて電動送風機25の駆動を効果的に制御できる。
すなわち、塵埃が少ない場合には、電池28をより長持ちさせるような第1通電時間比にし、塵埃が多い場合には、通電時間比を第1通電時間比よりも増加させた第2通電時間比に設定するとともに、この通電時間比を、電池28の温度が上限温度を超えないように、電池28の温度が所定の第1規制温度となることが想定される継続期間の間維持するので、第2通電時間比を例えばフル通電などとすることで電動送風機25の吸込力を急激に上昇させることができ、反応を向上できる。
また、塵埃量検出手段26により検出した塵埃量が所定量以上である場合、電池28の温度が所定の第1規制温度以上であるときには、電池28の温度を参照しつつこの温度と第1規制温度よりも高い所定の第2規制温度との差に基づきながら電動送風機25の通電時間(通電時間比)を設定するので、電池28を必要以上の高温から保護しつつ、充分な吸込力を確保できる。
なお、上記一実施形態において、電池28の放電制御は、自動モードの開始から終了まで継続して行うものとしたが、必要なタイミングでのみ行うようにしてもよい。
また、電気掃除機11は、例えば被掃除面上を走行可能な掃除機本体12に対してホース体および延長管13を介して床ブラシ14が接続される、いわゆるキャニスタ型や、被掃除面上を自律走行しつつ自動掃除する、自律走行式(自走式)電気掃除機、すなわちロボットクリーナなどでもよい。
さらに、集塵装置22は、掃除機本体12の本体部21に着脱されるものだけでなく、掃除機本体12に一体的に内蔵されているものでもよい。
本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。