JP2021086982A - 圧電薄膜素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】機械的強度及び圧電特性に優れた圧電薄膜素子の提供。【解決手段】圧電薄膜素子は、少なくとも一対の隣り合う圧電層p(1)及びp(2)を備え、一対の圧電層p(1)及びp(2)が、直接的又は間接的に積層されており、一対の圧電層p(1)及びp(2)其々の分極方向P1及びP2が、圧電層p(1)及びp(2)の積層方向Dに平行であり、分極方向P1及びP2が、互いに逆であり、一方の圧電層p(1)は、AlNを含み、他方の圧電層p(2)は、1価元素及び5価元素が添加されたAlNを含み、1価元素が、Li、K、Na及びAgからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素であり、5価元素が、Nb、V、Ta、Bi及びSbからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素である。【選択図】図1

Description

本発明は、圧電薄膜素子(piezoelectric thin film device)に関する。
近年、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)が注目されている。MEMS(微小電気機械システム)とは、機械要素部品及び電子回路等が一つの基板上に微細加工技術によって集積化されたデバイスである。マイクロフォン、センサ、ハーベスタ又はアクチュエータ等の機能を有するMEMSには、圧電薄膜(圧電層)が利用される。圧電薄膜を構成する圧電性組成物は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O,略称;PZT)、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、及び窒化アルミニウム(AlN)等である。
AlNの圧電定数d(圧電歪定数)は、PZT等の従来のペロブスカイト型酸化物に比べて小さい。しかし、AlNの比誘電率は比較的低いので、AlNの圧電定数g(電圧出力定数)は比較的大きい。またAlNの結晶構造及び圧電特性は、高温において比較的安定である。さらにAlNは比較的安価である。これらの理由により、近年、AlNを用いた圧電薄膜素子が研究されている。
例えば、下記特許文献1に記載の圧電薄膜素子は、電極を介して積層された第1の圧電薄膜及び第2の圧電薄膜を備えている。下記特許文献2に記載の圧電薄膜素子は、互いに直接積層された第1の圧電薄膜及び第2の圧電薄膜を備えている。下記特許文献1及び2のいずれの場合も、第1の圧電薄膜は、AlNからなり、第2の圧電薄膜は、Ge(ゲルマニウム)を含有するAlNからなっている。第2の圧電薄膜がGeを含有することにより、第2の圧電薄膜の分極方向が第1の圧電薄膜の分極方向と逆になり、圧電薄膜素子の圧電特性が向上する。
国際公開第2015/133422号パンフレット 国際公開第2017/094520号パンフレット
特許文献1に記載されているように、AlNへの4価の(tetravalent)Geの添加により、3価の(trivalent)Alの欠損がAlNへ導入される。Geの添加に伴うAlの欠損の導入により、AlN内での電荷補償が行われ、分極方向が逆転した圧電薄膜が得られる。しかしながら、AlNの結晶内においてAlが欠損することにより、圧電薄膜の機械的強度が低下してしまう。例えば、Geが添加されたAlNからなる圧電薄膜が基板の表面に形成される場合、圧電薄膜の切断に伴って、クラック(亀裂)が圧電薄膜に形成され易い。
本発明の目的は、機械的強度及び圧電特性に優れた圧電薄膜素子を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る圧電薄膜素子は、少なくとも一対の隣り合う圧電層を備え、一対の圧電層が、直接的又は間接的に積層されており、一対の圧電層其々の分極方向が、圧電層の積層方向に略平行であり、一対の圧電層其々の分極方向が、互いに逆であり、一対の圧電層のうち一方の圧電層は、窒化アルミニウムを含み、一対の圧電層のうち他方の圧電層は、1価(monovalent)元素及び5価(pentavalent)元素が添加された窒化アルミニウムを含み、1価元素が、リチウム、カリウム、ナトリウム及び銀からなる群より選ばれる少なくとも一種の元素であり、5価元素が、ニオブ、バナジウム、タンタル、ビスマス及びアンチモンからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素である。
本発明の一側面に係る圧電薄膜素子は、少なくとも一対の圧電層と、少なくとも3つの電極層と、を備えてよく、一対の圧電層が、電極層を介して間接的に積層されていてよく、圧電層及び電極層が、交互に積層されていてよい。
本発明の一側面に係る圧電薄膜素子は、一対の圧電層と、2つの電極層と、を備えてよく、一対の圧電層が、電極層に介在されることなく、互いに直接積層されていてよく、一対の圧電層が、2つの電極層の間に配置されていてよい。
1価元素及び5価元素が添加された窒化アルミニウム中のアルミニウム、1価元素及び5価元素の含有量の合計が、[ETOTAL]原子%と表されてよく、1価元素及び5価元素が添加された窒化アルミニウム中の1価元素の含有量の合計が、[E1]原子%と表されてよく、1価元素及び5価元素が添加された窒化アルミニウム中の5価元素の含有量の合計が、[E5]原子%と表されてよく、([E1]+[E5])/[ETOTAL]が、0.03以上0.55以下であってよい。
1価元素及び5価元素が添加された窒化アルミニウム中の1価元素の含有量の合計が、[E1]原子%と表されてよく、1価元素及び5価元素が添加された窒化アルミニウム中の5価元素の含有量の合計が、[E5]原子%と表されてよく、[E1]/[E5]が、0.4以上1.4以下であってよい。
本発明によれば、機械的強度及び圧電特性に優れた圧電薄膜素子が提供される。
図1は、本発明の一実施形態に係る圧電薄膜素子(多層型素子)の模式的な断面図である。 図2は、本発明の別の一実施形態に係る圧電薄膜素子(バイモルフ型素子)の模式的な断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態が説明される。図面において、同等の構成要素には同等の符号が付される。本発明は下記実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る圧電薄膜素子は、少なくとも一対の隣り合う圧電層を備える。圧電層は、圧電薄膜と同義である。一対の圧電層は、直接的又は間接的に積層されている。一対の圧電層其々の分極方向は、圧電層の積層方向に略平行である。積層方向とは、一対の圧電層其々の表面に垂直な方向と言い換えられてよい。一対の圧電層のうち一方の圧電層は、窒化アルミニウム(AlN)を含む。一対の圧電層のうち他方の圧電層は、1価元素E1及び5価元素E5が添加された窒化アルミニウムを含む。E1及びE5を窒化アルミニウムへ添加することにより、AlNの分極方向が逆転する。つまり、一対の圧電層其々の分極方向は、互いに逆である。各圧電層の分極方向は、電界下における各圧電層の分極ベクトルの向きと同じであってよい。
E1は、リチウム(Li)、カリウム(K)、ナトリウム(Na)及び銀(Ag)からなる群より選ばれる少なくとも一種の元素である。E5は、ニオブ(Nb)、バナジウム(V)、タンタル(Ta)、ビスマス(Bi)及びアンチモン(Sb)からなる群より選ばれる少なくとも一種の元素である。説明の便宜のため、E1及びE5が添加された窒化アルミニウムは、(Al,E1,E5)Nと表記される。E1及びE5等の添加元素を全く含まない窒化アルミニウムは、純AlNと表記される。一対の隣り合う圧電層のうち、(Al,E1,E5)Nを含む層は、(Al,E1,E5)N層と表記される。一対の隣り合う圧電層のうち、(Al,E1,E5)N層とは異なる圧電層は、AlN層と表記される。
純AlNからなる従来の圧電層の圧電定数(例えばd33)は小さいため、電界の印加に伴う従来の圧電層の変位量は小さい。一方、本実施形態に係る圧電薄膜素子においては、一対の圧電層が積層され、且つ一対の圧電層其々の分極方向は互いに逆である。その結果、本実施形態に係る圧電薄膜素子は、純AlNからなる一対の圧電層を備える従来の圧電薄膜素子に比べて、優れた圧電特性を有することができる。例えば、電界下において、分極方向が互いに逆である一対の圧電層の変位量の合計は、分極方向が同じである純AlNからなる一対の圧電層の変位量の合計よりも大きい。
上述の通り、4価のGeがAlNへ添加される場合、3価のAlの欠損がAlNへ導入される。Geの添加に伴うAlの欠損の導入により、AlN内での電荷補償が行われ、分極方向が逆転した圧電層が得られる。しかしながら、AlNの結晶内においてAlが欠損することに因り、圧電層の機械的強度が低下してしまう。一方、本実施形態の場合、窒化アルミニウムへのE1及びE5の添加に伴って、AlNの結晶内においてAlは欠損し難い。ただし、AlNの結晶構造を構成するAlの一部はE1又はE5で置換される。AlNの結晶構造中のAlの一部をE1又はE5で置換することにより、AlNの結晶構造が歪んだり、結晶構造中の原子間の化学結合の強度が変化したりする。以上の理由により、(Al,E1,E5)Nを含む圧電層のスティフネス(stiffness)は、Geが添加された従来のAlNからなる圧電層のスティフネスに比べて小さい。スティフネスは、式「T=c×S」におけるスティフネス定数cを意味する。式中のTは、圧電層に作用する応力である。Sは、応力Tと一次関係にある圧電層の歪である。スティフネスの単位は、例えば、Pa又はN/mである。スティフネスが小さいほど、圧電層が柔らかく、圧電層に大きな応力が作用し難い。したがってスティフネスが小さいほど、圧電層の形成過程又は圧電薄膜素子の完成後において、圧電層が破損し難い。換言すれば、スティフネスが小さい圧電層は、機械的強度に優れている。上述の通り、(Al,E1,E5)Nを含む圧電層のスティフネスは、従来のAlNからなる圧電層に比べて小さい。したがって、(Al,E1,E5)Nを含む圧電層を備える圧電薄膜素子は、従来のAlNからなる圧電層を備える圧電薄膜素子に比べて高い機械的強度を有することができる。上記と同様の理由から、本実施形態に係る圧電薄膜素子の製造過程(加工)中の圧電層の破壊も抑制される。ただし、圧電薄膜素子が高い機械的強度を有する理由は、上記の理由に限定されるものではない。
1価元素及び5価元素が添加された窒化アルミニウム中のアルミニウム、1価元素及び5価元素の含有量の合計は、[ETOTAL]原子%と表されてよい。つまり、(Al,E1,E5)N中のAl、E1及びE5の含有量の合計は、[ETOTAL]原子%と表されてよい。(Al,E1,E5)Nが複数種のE1を含む場合、E1の含有量は、複数種のE1の含有量の合計を意味する。(Al,E1,E5)Nが複数種のE5を含む場合、E5の含有量は、複数種のE5の含有量の合計を意味する。1価元素及び5価元素が添加された窒化アルミニウム中の1価元素の含有量の合計は、[E1]原子%と表されてよい。つまり、(Al,E1,E5)N中のE1の含有量の合計は、[E1]原子%と表されてよい。1価元素及び5価元素が添加された窒化アルミニウム中の5価元素の含有量の合計は、[E5]原子%と表されてよい。つまり、(Al,E1,E5)N中のE5の含有量の合計は、[E5]原子%と表されてよい。
([E1]+[E5])/[ETOTAL]は、0.03以上0.55以下であってよい。([E1]+[E5])/[ETOTAL]が0.03以上0.55以下である場合、E1及びE5の添加によってAlNの分極方向が逆転し易く、圧電薄膜素子の機械的強度及び圧電特性が向上し易い。同様の理由から、([E1]+[E5])/[ETOTAL]は、0.04以上0.53以下、又は0.11以上0.28以下であってもよい。
[E1]/[E5]は、0.40以上1.40以下であってよい。[E1]/[E5]が0.40以上1.40以下である場合、E1及びE5の添加によってAlNの分極方向が逆転し易く、圧電薄膜素子の機械的強度及び圧電特性が向上し易い。同様の理由から、E1]/[E5]は、0.43以上1.33以下であってもよい。
一対の隣り合う圧電層のうち一方の圧電層は、アルミニウム(Al)及び窒素(N)のみからなっていてよく、1価元素E1及び5価元素E5を含まなくてよい。つまり、一対の隣り合う圧電層のうちAlN層は、純AlNのみからなっていてよい。AlN層の分極方向が(Al,E1,E5)N層の分極方向と逆であり、且つ圧電薄膜素子の機械的強度及び圧電特性が損なわれない限りにおいて、AlN層は添加元素を更に含んでよい。添加元素は、例えば、2価(divalent)元素、3価(trivalent)元素、及び4価(tetravalent)元素からなる群より選ばれる少なくとも一種の元素であってよい。2価元素は、例えば、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)及びバリウム(Ba)からなる群より選ばれる少なくとも一種の元素であってよい。3価元素は、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、ランタノイド及びインジウム(In)からなる群より選ばれる少なくとも一種の元素であってよい。4価元素は、ゲルマニウム(Ge)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)及びハフニウム(Hf)からなる群より選ばれる少なくとも一種の元素であってよい。AlN層は、添加元素として1価元素E1及び5価元素E5のうち一方のみを更に含んでもよい。
一対の隣り合う圧電層のうち他方の圧電層は、Al、E1、E5及びNのみからなっていてよい。つまり、一対の隣り合う圧電層のうち(Al,E1,E5)N層は、(Al,E1,E5)Nのみからなっていてよい。(Al,E1,E5)N層の分極方向がAlN層の分極方向と逆であり、且つ圧電薄膜素子の機械的強度及び圧電特性が損なわれない限りにおいて、(Al,E1,E5)N層は、E1及びE5に加えて、他の添加元素を更に含んでよい。他の添加元素は、例えば、上記の2価元素、上記の3価元素、及び上記の4価元素からなる群より選ばれる少なくとも一種の元素であってよい。仮に、一対の隣り合う圧電層の両方がE1及びE5を含まず、且つ、一対の隣り合う圧電層のうち一方が3価元素(例えばSc)を含む場合、圧電薄膜素子は優れた圧電特性を有し得る。しかし、3価元素を含む圧電層のスティフネスは比較的大きい。したがって、一対の隣り合う圧電層の両方がE1及びE5を含まず、且つ、一対の隣り合う圧電層のうち一方が3価元素を含む場合、圧電薄膜素子は高い機械的強度を有し難い。
AlN及び(Al,E1,E5)N其々の結晶構造は、ウルツ鉱型構造(wurtzite structure)であってよい。一対の隣り合う圧電層其々において、ウルツ鉱型構造の(001)面が、圧電層の積層方向に略垂直であってよい。換言すれば、一対の隣り合う圧電層其々において、ウルツ鉱型構造の(001)面が、各圧電層の表面に略平行であってよい。窒化アルミニウムの圧電特性が発現する結晶方位は、ウルツ鉱型構造の[001]である。換言すれば、ウルツ鉱型構造の[001](結晶方位)は、ウルツ鉱型構造の分極方向と平行である。したがって、一対の隣り合う圧電層其々において、ウルツ鉱型構造の(001)面が、圧電層の積層方向に略垂直であることにより、圧電薄膜素子の圧電特性が向上し易い。一対の隣り合う圧電層其々は、ウルツ鉱型構造を有する多結晶であってよい。一対の隣り合う圧電層其々は、ウルツ鉱型構造を有する単結晶であってもよい。
本実施形態に係る圧電薄膜素子は、多層型素子又はバイモルフ(bimоrph)型素子であってよい。多層型素子及びバイモルフ型素子其々の具体例が、以下に説明される。
多層型素子は、少なくとも一対の隣り合う圧電層と、少なくとも3つの電極層と、を備えている。一対の圧電層は、一つの電極層を介して間接的に積層されている。圧電層及び電極層は、交互に積層されている。つまり、一つの圧電層が、二つの電極層の間に配置されている。
図1は、多層型素子の具体例を示している。図1に示される多層型素子10Aの断面は、圧電層及び電極層の積層方向Dに平行である。換言すれば、図1に示される多層型素子10Aの断面は、圧電層及び電極層其々の表面に垂直である。
多層型素子10Aは、n組の圧電層のペアを有してよい。つまり、圧電層の総数は、2n(つまり偶数)であってよい。nは、1上である任意の整数である。nは、例えば、1以上100以下であってよい。ただし、nは限定されない。多層型素子10Aが備える任意の一対の隣り合う圧電層は、第(2k−1)圧電層及び第2k圧電層と表される。kは、1以上n以下である任意の整数である。例えば、kが1である場合、第(2k−1)圧電層は第1圧電層であり、第2k圧電層は第2圧電層である。図1中のp(1)は、第1圧電層である。p(2)は、第2圧電層である。p(2k−1)は、第(2k−1)圧電層である。p(2k)は、第2k圧電層である。p(2n−1)は、第(2n−1)圧電層である。p(2n)は、第2n圧電層である。第(2k−1)圧電層及び第2k圧電層其々の厚みは、互いに同じであってよい。第(2k−1)圧電層及び第2k圧電層其々の厚みは、互いに異なってもよい。
多層型素子10Aは、少なくとも3つの電極層を備える。電極層の総数は、2n+1(つまり奇数)であってよい。任意の3つの電極層は、第(2k−1)電極層、第2k電極層、及び第(2k+1)電極層と表わされる。例えば、kが1である場合、第(2k−1)電極層は第1電極層であり、第2k電極層は第2電極層であり、第(2k+1)電極層は第3電極層である。第(2k−1)電極層は、分離された複数の電極部から構成されていてよい。第2k電極層は、分離された複数の電極部から構成されていてよい。第(2k+1)電極層は、分離された複数の電極から構成されていてよい。図1中のe(1)は、第1電極層である。e(2)は、第2電極層である。e(3)は、第3電極層である。e(2k−1)は、第(2k−1)電極層である。e(2k)は、第2k電極層である。e(2k+1)は、第(2k+1)電極層である。e(2n−1)は、第(2n−1)電極層である。e(2n)は、第2n電極層である。e(2n+1)は、第(2n+1)電極層である。第一電極層e1は、基板の表面に直接的又は間接的に積層されていてよい。つまり、多層型素子は、基板を更に備えてよい。一部又は全部の電極層は、内部電極層であってよい。例えば、第1電極層及び第(2n+1)電極層を除く全電極層は、内部電極層であってよい。第(2k−1)電極層、第2k電極層、及び第(2k+1)電極層其々の厚みは、互いに同じであってよい。第(2k−1)電極層、第2k電極層、及び第(2k+1)電極層其々の厚みは、互いに異なってもよい。第(2k−1)電極層、第2k電極層、及び第(2k+1)電極層其々の組成は、互いに同じであってよい。第(2k−1)電極層、第2k電極層、及び第(2k+1)電極層其々の組成は、互いに異なってもよい。
第(2k−1)圧電層は、第(2k−1)電極層に直接積層され、第2k電極層は、第(2k−1)圧電層に直接積層され、第2k圧電層は、第2k電極層に直接積層され、第(2k+1)電極層は、第2k圧電層に直接積層されている。つまり、第(2k−1)圧電層及び第2k圧電層は、第2k電極層を介して間接的に積層されている。例えば、kが1である場合、第1圧電層は、第1電極層に直接積層され、第2電極層は、第1圧電層に直接積層され、第2圧電層は、第2電極層に直接積層され、第3電極層は、第2圧電層に直接積層されている。つまり、第1圧電層及び第2圧電層は、第2電極層を介して間接的に積層されている。各圧電層は、各圧電層と隣り合う各電極層の表面の一部又は全体を覆っていてよい。
第(2k−1)電極層及び第(2k+1)電極層は、第1外部電極に電気的に接続されている。第2k電極層は、第2外部電極に電気的に接続されている。第1外部電極は、第2k電極層及び第2外部電極と電気的に絶縁されている。第2外部電極は、第(2k−1)電極層、第(2k+1)電極層、及び第1外部電極と電気的に絶縁されている。第(2k−1)電極層及び第(2k+1)電極層は、電位において等価であってよい。
隣り合う第(2k−1)圧電層及び第2k圧電層のうち一方の圧電層は、窒化アルミニウム(AlN)を含む。つまり、第(2k−1)圧電層及び第2k圧電層のうち一方の圧電層は、上記のAlN層である。隣り合う第(2k−1)圧電層及び第2k圧電層のうち他方の圧電層は、1価元素及び5価元素が添加された窒化アルミニウムを含む。つまり、第(2k−1)圧電層及び第2k圧電層のうち他方の圧電層は、上記の(Al,E1,E2)N層である。図1に示される多層型素子10Aの場合、第(2k−1)圧電層がAlN層であり、第2k圧電層が(Al,E1,E5)N層である。ただし、第(2k−1)圧電層が(Al,E1,E5)N層であってよく、且つ第2k圧電層がAlN層であってよい。
第(2k−1)圧電層の分極方向P1は、第(2k−1)圧電層及び第2k圧電層の積層方向Dに略平行である。第2k圧電層の分極方向P2も、第(2k−1)圧電層及び第2k圧電層の積層方向Dに略平行である。積層方向Dは、第(2k−1)圧電層及び第2k圧電層其々の表面に略垂直であり、第(2k−1)圧電層から第2k圧電層へ向かう方向と言い換えられてよい。第(2k−1)圧電層の分極方向P1及び第2k圧電層の分極方向P2は、互いに逆である。例えば、kが1である場合、第1圧電層の分極方向P1及び第2圧電層の分極方向P2のいずれも、積層方向Dに略平行であり、第1圧電層の分極方向P1及び第2圧電層の分極方向P2は、互いに逆である。仮に第(2k−1)圧電層の分極方向P1が第2k圧電層の分極方向P2と同じである場合、第(2k−1)圧電層及び第2k圧電層其々の圧電効果が互いに打ち消し合うため、多層型素子10Aは優れた圧電特性を有し難い。
図1に示される多層型素子10Aの場合、第(2k−1)圧電層はAlN層であり、第(2k−1)圧電層の分極方向P1は積層方向Dと同じであり、第2k圧電層は(Al,E1,E5)N層であり、第2k圧電層の分極方向P2は、積層方向Dと逆である。ただし、第(2k−1)圧電層が(Al,E1,E5)N層であり、第2k圧電層がAlN層である場合、第(2k−1)圧電層の分極方向P1は、積層方向Dと逆であってよく、第2k圧電層の分極方向P2は、積層方向Dと同じであってよい。第(2k−1)圧電層が(Al,E1,E5)N層であり、第2k圧電層がAlN層である場合、第(2k−1)圧電層の分極方向P1は、積層方向Dと同じであってもよく、第2k圧電層の分極方向P2は、積層方向Dと逆であってもよい。
第(2k−1)圧電層がAlN層であり、第2k圧電層が(Al,E1,E5)N層である場合、第(2k−1)圧電層が重なる第(2k−1)電極層の表面の状態を制御することにより、第(2k−1)圧電層の分極方向P1を、積層方向Dと逆にしてよく、第2k圧電層が重なる第2k電極層の表面の状態を制御することにより、第2k圧電層の分極方向P2を、積層方向Dと同じにしてよい。例えば、第(2k−1)電極層、第(2k−1)圧電層、第2k電極層及び第2k圧電層がこの順に形成される過程において、酸化膜が第(2k−1)電極層及び第2k電極層其々の表面に形成される場合、第(2k−1)圧電層の形成過程の初期では、Al及びNのうちAlが先に第(2k−1)電極層の表面に蒸着し易い。その結果、第(2k−1)圧電層の分極方向P1は、積層方向Dと逆になり易く、E1及びE5を含む第2k圧電層の分極方向P2は、積層方向Dと同じになり易い。
バイモルフ型素子は、一対の隣り合う圧電層と、2つの電極層と、を備える。つまり、バイモルフ型素子が備える圧電層の総数は、2である。バイモルフ型素子の場合、一対の圧電層は、電極層に介在されることなく、互いに直接積層されていている。つまり、一対の圧電層が互いに接している。一対の圧電層は、2つの電極層の間に配置されている。
図2は、バイモルフ型素子の具体例を示している。図2に示されるバイモルフ型素子10Bの断面は、圧電層及び電極層の積層方向Dに平行である。換言すれば、図2に示されるバイモルフ型素子10Bの断面は、圧電層及び電極層其々の表面に垂直である。
バイモルフ型素子10Bは、第1電極層e(1)と、第1電極層e(1)に直接積層された第1圧電層p(1)と、電極層に介在されることなく第1圧電層p(1)に直接積層された第2圧電層p(2)と、第2圧電層p(2)に直接積層された第2電極層e(2)とを備える。つまり、第1圧電層p(1)及び第2圧電層p(2)は、互いに接しており、第1電極層e(1)及び第2電極層e(2)の間に配置されている。第1圧電層p(1)は、第1電極層e(1)の表面の一部又は全体を覆ってよい。第2圧電層p(2)は、第1圧電層p(1)の表面の一部又は全体を覆ってよい。第2電極層e(2)は、第2圧電層p(2)の表面の一部又は全体を覆ってよい。第1圧電層p(1)及び第2圧電層p(2)其々の厚みは、互いに同じであってよい。第1圧電層p(1)及び第2圧電層p(2)其々の厚みは、互いに異なってもよい。第1電極層e(1)及び第2電極層e(2)其々の厚みは、互いに同じであってよい。第1電極層e(1)及び第2電極層e(2)其々の厚みは、互いに異なってもよい。第1電極層e(1)及び第2電極層e(2)其々の組成は、互いに同じであってよい。第1電極層e(1)及び第2電極層e(2)其々の組成は、互いに異なってもよい。
第1電極層e(1)は、第1外部電極に電気的に接続されている。第2電極層e(2)は、第2外部電極に電気的に接続されている。第1外部電極は、第2電極層e(2)及び第2外部電極と電気的に絶縁されている。第2外部電極は、第1電極層e(1)及び第1外部電極と電気的に絶縁されている。
第1圧電層p(1)及び第2圧電層p(2)のうち一方の圧電層は、窒化アルミニウム(AlN)を含む。つまり、第1圧電層p(1)及び第2圧電層p(2)のうち一方の圧電層は、上記のAlN層である。第1圧電層p(1)及び第2圧電層p(2)のうち他方の圧電層は、1価元素及び5価元素が添加された窒化アルミニウムを含む。つまり、第1圧電層p(1)及び第2圧電層p(2)のうち他方の圧電層は、上記の(Al,E1,E2)N層である。図2に示されるバイモルフ型素子10Bの場合、第1圧電層p(1)がAlN層であり、第2圧電層p(2)が(Al,E1,E5)N層である。ただし、第1圧電層p(1)が(Al,E1,E5)N層であってよく、且つ第2圧電層p(2)がAlN層であってよい。
第1圧電層p(1)の分極方向P1は、第1圧電層p(1)及び第2圧電層p(2)の積層方向Dに略平行である。第2圧電層p(2)の分極方向P2も、第1圧電層p(1)及び第2圧電層p(2)の積層方向Dに略平行である。積層方向Dは、第1圧電層p(1)及び第2圧電層p(2)の其々の表面に略垂直であり、第1圧電層p(1)から第2圧電層p(2)へ向かう方向と言い換えられてよい。第1圧電層p(1)の分極方向P1及び第2圧電層p(2)の分極方向P2は、互いに逆である。
図2に示されるバイモルフ型素子10Bの場合、第1圧電層p(1)はAlN層であり、第1圧電層p(1)の分極方向P1は積層方向Dと同じであり、第2圧電層p(2)は(Al,E1,E5)N層であり、第2圧電層p(2)の分極方向P2は、積層方向Dと逆である。ただし、第1圧電層p(1)が(Al,E1,E5)N層であり、第2圧電層p(2)がAlN層である場合、第1圧電層p(1)の分極方向P1は、積層方向Dと逆であってよく、第2圧電層p(2)の分極方向P2は、積層方向Dと同じであってよい。第1圧電層p(1)が(Al,E1,E5)N層であり、第2圧電層p(2)がAlN層である場合、第1圧電層p(1)の分極方向P1は、積層方向Dと同じであってもよく、第2圧電層p(2)の分極方向P2は、積層方向Dと逆であってもよい。
第1圧電層p(1)がAlN層であり、第2圧電層p(2)が(Al,E1,E5)N層である場合、第1圧電層p(1)が重なる第1電極層e(1)の表面の状態を制御することにより、第1圧電層p(1)の分極方向P1を、積層方向Dと逆にしてよく、第2圧電層p(2)の分極方向P2を、積層方向Dと同じにしてよい。例えば、第1電極層e(1)、第1圧電層p(1)、及び第2圧電層p(2)がこの順に形成される過程において、酸化膜が第1電極層e(1)の表面に形成される場合、第1圧電層p(1)の形成過程の初期では、Al及びNのうちAlが先に第1電極層e(1)の表面に蒸着し易い。その結果、第1圧電層p(1)の分極方向P1は、積層方向Dと逆になり易く、E1及びE5を含む第2圧電層p(2)の分極方向P2は、積層方向Dと同じになり易い。
多層型素子10A及びバイモルフ型素子10Bのいずれの場合も、積層方向Dにおける各圧電層の厚みは、例えば、0.1μm以上30μm以下であってよい。各圧電層の厚みは、略均一であってよい。多層型素子10A及びバイモルフ型素子10Bのいずれの場合も、積層方向Dにおける各電極層の厚みは、例えば、例えば、0.01μm以上1μm以下であってよい。
多層型素子10A及びバイモルフ型素子10Bのいずれの場合も、各電極層は、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、金(Au)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、ルテニウム(Ru)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、チタン(Ti)、イットリウム(Y)、スカンジウム(Sc)及びマグネシウム(Mg)からなる群より選ばれる少なくとも一種の金属元素Mであってよい。各電極層は、少なくとも二種の金属元素Mを含む合金であってよい。各電極層は、金属元素Mの単体であってもよい。
多層型素子10Aは、第1電極層、第1圧電層、第2電極層、第2圧電層及び第3電極層をこの順に積層することに作製されてよい。または、多層型素子10Aは、第(2k−1)電極層、第(2k−1)圧電層及び第2k電極層及び第2k圧電層をこの順に積層する工程をn回繰り返し、且つ最後に第(2n+1)電極層を第2n圧電層に積層することによって作製されてもよい。
バイモルフ型素子10Bは、第1電極層、第1圧電層、第2圧電層及び第2電極層をこの順に積層することに作製されてよい。
多層型素子10A及びバイモルフ型素子10Bのいずれの場合も、第一電極層は基板の表面に形成されてよい。第一電極層は、密着層を介して基板の表面に形成されてもよい。必要に応じて、基板の一部又は全体が圧電薄膜素子から除去されてもよい。基板は、例えば、半導体基板(シリコン基板、若しくはガリウム砒素基板等)、光学結晶基板(サファイア基板等)、絶縁体基板(ガラス基板、若しくはセラミックス基板等)、又は金属基板(ステンレス鋼板等)であってよい。密着層は、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)及びセリウム(Ce)からなる群より選ばれる少なくとも一種の元素を含んでよい。密着層は、金属単体、合金又は化合物(酸化物など)であってよい。密着層は、圧電組成物、高分子、又はセラミックスから構成されていてもよい。密着層は、界面層、支持層、バッファ層又は中間層と言い換えられてよい。基板の厚みは、例えば、50μm以上10000μm以下であってよい。密着層の厚みは、例えば、0.003μm以上1μm以下であってよい。
各圧電層は、少なくとも一種のターゲットを用いたスパッタリングによって形成されてよい。複数のターゲットを用いたスパッタリング(co‐sputtering、又はmulti‐sputtering)によって、各圧電層が形成されてもよい。ターゲットは、各圧電層を構成する元素のうち少なくとも一種を含む。所定の組成を有するターゲットの選定及び組合せにより、目的とする組成を有する圧電層を形成することができる。ターゲットは、例えば、金属単体、合金、窒化物又は酸化物であってよい。AlN層の形成に用いるターゲットは、少なくともAlを含む。AlN層の形成に用いるターゲットは、必要に応じて、上述の添加元素を含んでよい。(Al,E1,E2)N層の形成に用いるターゲットは、少なくともAl、E1及びE2を含む。(Al,E1,E2)N層の形成に用いるターゲットは、必要に応じて、上述の添加元素を含んでよい。各電極層も、スパッタリングによって形成されてよい。上記の密着層も、スパッタリングによって形成されてよい。
スパッタリングの雰囲気の組成は、圧電薄膜素子を構成する各層の組成を左右する。例えば、各圧電層を形成するためのスパッタリングの雰囲気は、窒素ガスであってよい。つまり、各圧電層に含まれるNは、スパッタリングの雰囲気に由来してよい。各圧電層を形成するためのスパッタリングの雰囲気は、希ガス(例えばアルゴン)と窒素とを含む混合ガスであってもよい。各ターゲットに与えられる入力パワー(電力密度)は、各層の組成及び厚みの制御因子である。スパッタリングの雰囲気の全圧、雰囲気中の原料ガス(例えば窒素)の分圧又は濃度、各ターゲットのスパッタリングの継続時間、各層の形成過程における基板表面の温度、及び基板バイアス等も、各層の組成及び厚みの制御因子である。エッチング(例えばプラズマエッチング)により、各層の形状又寸法が調整されてよい。
各圧電層の結晶構造は、X線回折(XRD)法によって特定されてよい。各圧電層の組成は、蛍光X線分析法(XRF法)、エネルギー分散型X線分析法(EDX)、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP‐MS)、レーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析法(LA‐ICP‐MS)、及び電子線マイクロアナライザ(EPMA)のうち少なくともいずれか一つの分析方法によって特定されてよい。各圧電層の厚みは、圧電層の積層方向に平行な圧電薄膜素子の断面において、走査型電子顕微鏡(SEM)によって測定されてよい。各電極層及び密着層も、上記の方法によって分析されてよい。
本実施形態に係る圧電薄膜素子の用途は、多岐にわたる。圧電薄膜素子は、例えば、圧電マイクロフォン、ハーベスタ、発振子、又は音響多層膜であってよい。圧電薄膜素子は、例えば、圧電アクチュエータであってもよい。圧電アクチュエータは、ハプティクス(haptics)に用いられてよい。つまり、圧電アクチュエータは、皮膚感覚(触覚)によるフィードバックが求められる様々なデバイスに用いられてよい。皮膚感覚によるフィードバックが求められるデバイスとは、例えば、ウェアラブルデバイス、タッチパッド、ディスプレイ、又はゲームコントローラであってよい。圧電アクチュエータは、例えば、ヘッドアセンブリ、ヘッドスタックアセンブリ、又はハードディスクドライブに用いられてよい。圧電アクチュエータは、例えば、プリンタヘッド、又はインクジェットプリンタ装置に用いられてもよい。圧電アクチュエータは、圧電スイッチに用いられてもよい。圧電薄膜素子は、例えば、圧電センサであってもよい。圧電センサは、例えば、ジャイロセンサ、圧力センサ、脈波センサ、超音波センサ、PMUT(Piezoelectric Micromachined Ultrasonic Transducer)等の超音波トランスデューサ、又はショックセンサに用いられてよい。上述された各圧電薄膜素子は、MEMSの一部又は全部であってよい。
以下では実施例及び比較例により、本発明が詳細に説明される。本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
基板として、表面が熱酸化膜で覆われたシリコン(Si)の単結晶が用いられた。熱酸化膜の厚みは、1μmであった。真空チャンバー内でのRFマグネトロンスパッタリングにより、Tiからなる密着層が基板の表面全体に形成された。換言すれば、密着層は、基板を覆う熱酸化膜の表面に形成された。密着層が形成された基板の表面は、Siの(100)面に平行であった。基板の厚みは、625μmであった。基板の厚みは均一であった。密着層の厚みは、0.03μmであった。密着層の厚みは均一であった。真空チャンバー内の雰囲気は、Arガスであった。スパッタリングターゲットとしては、Tiの単体が用いられた。
真空チャンバー内でのRFマグネトロンスパッタリングにより、Moからなる第1電極層e(1)が密着層の表面全体に形成された。スパッタリングターゲットしては、Moの単体が用いられた。第1電極層e(1)の厚みは均一であった。第1電極層e(1)の厚みは、0.3μmに調整された。真空チャンバー内の雰囲気は、Arガスであった。
真空チャンバー内でのRFマグネトロンスパッタリングにより、第1圧電層p(1)が、第1電極層e(1)の表面全体に形成された。後述の通り、第1圧電層p(1)は、添加元素を含まない窒化アルミニウムからなっていた。スパッタリングターゲットとしては、Alの単体が用いられた。真空チャンバー内の雰囲気は、Ar及びNの混合ガスであった。第1圧電層p(1)の形成過程における基板、密着層及び第1電極層e(1)の温度は、300℃に維持された。第1圧電層p(1)の厚みは均一であった。第1圧電層p(1)の厚みT1は、下記表1に示される値に調整された。
第1電極層e(1)の場合と同様の方法で、Moからなる第2電極層e(2)が第1圧電層p(1)の表面全体に形成された。
真空チャンバー内でのRFマグネトロンスパッタリングにより、第2圧電層p(2)が、第2電極層e(2)の表面全体に直接形成された。後述の通り、第2圧電層p(2)は、Li及びNbを含む窒化アルミニウムからなっていた。スパッタリングターゲットとしては、AlLi合金、AlNb合金、及びAlの単体が用いられた。第2圧電層p(2)の組成が、下記表1に示される組成に一致するように、各スパッタリングターゲットの入力パワー(電力密度)が調整された。換言すれば、([E1]+[E5])/[ETOTAL]及び[E1]/[E5]が下記表1に示される各値に一致するように、各スパッタリングターゲットの入力パワーが調整された。([E1]+[E5])/[ETOTAL]及び[E1]/[E5]の定義は、上述の通りである。真空チャンバー内の雰囲気は、Ar及びNの混合ガスであった。第2圧電層p(2)の形成過程における基板、密着層及び第1電極層e(1)、第1圧電層p(1)及び第2電極層e(2)の温度は、300℃に維持された。第2圧電層p(2)の厚みは均一であった。第2圧電層p(2)の厚みT2は、下記表1に示される値に調整された。
第1電極層e(1)の場合と同様の方法で、Moからなる第3電極層e(3)が第2圧電層p(2)の表面全体に形成された。
以上の手順で作製された積層体は、基板と、基板に直接積層された密着層と、密着層に直接積層された第1電極層e(1)と、第1電極層e(1)に直接積層された第1圧電層p(1)と、第1圧電層p(1)に直接積層された第2電極層e(2)と、第2電極層e(2)に直接積層された第2圧電層p(2)と、第2圧電層p(2)に直接積層された第3電極層e(3)と、を備えていた。フォトリソグラフィにより、基板上の積層構造のパターニングを行った。パターニング後、積層体全体をダイシングにより切断することにより、四角形状の実施例1の圧電薄膜素子を得た。実施例1の圧電薄膜素子は、上述の多層型素子に相当する。つまり、実施例1の圧電薄膜素子は、一対の圧電層と、3つの電極層を備え、一対の圧電層が、電極層を介して間接的に積層されており、圧電層及び電極層が、交互に積層されていた。
上述の方法により、複数の実施例1の圧電薄膜素子が作製された。これらの圧電薄膜素子の作製過程又は作製後において、以下の分析及び測定が実施された。
<圧電層の組成及び結晶構造>
第1圧電層p(1)及び第2圧電層p(2)其々の組成が、蛍光X線分析法(XRF法)及びレーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析法(LA−ICP−MS)により分析された。XRF法には、株式会社リガク製の波長分散型蛍光X線装置(AZX-400)を用いた。LA−ICP−MS法には、Agilent社製の分析装置(7500s)を用いた。また第1圧電層p(1)及び第2圧電層p(2)其々の結晶構造が、X線回折(XRD)法により分析された。XRD法には、株式会社リガク製の多目的X線回折装置(SmartLab)を用いた。
分析の結果は、第1圧電層p(1)はAlNからなることを示していた。第2圧電層p(2)の組成は、下記表1に示される組成に一致した。つまり、分析結果に基づいて算出された([E1]+[E5])/[ETOTAL]及び[E1]/[E5]は、下記表1に示される各値に一致した。第1圧電層p(1)及び第2圧電層p(2)のいずれも、ウルツ鉱型構造を有していた。
<圧電層の分極方向>
第1圧電層p(1)の分極方向P1、及び第2圧電層p(2)の分極方向P2が、以下の方法により特定された。
[分極方向P2]
第1電極層e(1)が第2電極層e(2)及び第3電極層e(3)と電気的に絶縁された状態において、交流電圧を第2電極層e(2)と第3電極層e(3)の間に印加することにより、第2圧電層p(2)のみの圧電応答が測定された。圧電応答の測定には、圧電応答顕微鏡(Piezo‐Response Microscope;PRM)が用いられた。圧電応答顕微鏡としては、株式会社日立ハイテクノロジーズ製のAFM5000が用いられた。第2圧電層p(2)の圧電応答に基づき、第2圧電層p(2)の分極方向P2が特定された。
[分極方向P1]
第3電極層e(3)、第2圧電層p(2)及び第2電極層e(2)を積層方向Dに沿って部分的に除去することにより、第1圧電層p(1)の表面の一部を露出させた。第3電極層e(3)、第2圧電層p(2)及び第2電極層e(2)の除去には、集束イオンビーム(Focused Ion Beam;FIB)加工装置が用いられた。集束イオンビーム加工装置としては、日本FEI(株)製のNova200iが用いられた。露出する第1圧電層p(1)の表面に、仮電極が直接形成された。つまり、第1圧電層p(1)の一部が、仮電極及び第1電極層e(1)の間に配置された。仮電極は、第2圧電層p(2)、第2電極層e(2)及び第3電極層e(3)と電気的に絶縁されていた。交流電圧を仮電極と第1電極層e(1)の間に印加することにより、第1圧電層p(1)のみの圧電応答が測定された。圧電応答の測定には、上記の圧電応答顕微鏡が用いられた。第1圧電層p(1)の圧電応答に基づき、第1圧電層p(1)の分極方向P1が特定された。
第1圧電層p(1)の分極方向P1は、「上向き」であった。第2圧電層p(2)の分極方向P1は、「下向き」であった。「上向き」とは、圧電層及び電極層の積層方向Dである。(図1参照。)換言すれば、「上向き」とは、第1圧電層p(1)及び第2圧電層p2(2)其々の表面に垂直であり、第1圧電層p(1)から第2圧電層p2(2)へ向かう方向である。「下向き」とは、積層方向Dと逆である方向である。
<圧電定数d33
実施例1の圧電薄膜素子の圧電定数d33(単位:pm/V)を測定した。圧電定数d33の測定の詳細は以下の通りであった。
第1電極層e(1)及び第3電極層e(3)と、第2電極層e(2)との間に交流電圧が印加された。交流電圧の印加に伴う圧電薄膜素子(多層型素子)の変位量がレーザーで測定された。交流電圧の周波数は、500Hzであった。交流電圧の最大値は、100Vであった。変位量の測定には、自作の評価システムが用いられた。圧電薄膜素子の変位量を印加電圧で割ることにより、圧電定数d33が導出された。
実施例1の圧電定数d33(3点測定点平均値)は、下記表1に示される。実施例1のように圧電薄膜素子が多層型素子である場合、圧電定数d33の測定において、第1電極層e(1)及び第3電極層e(3)其々の電位は互いに等しい。換言すれば、第2電極層e(2)は、第1電極層e(1)及び第3電極層e(3)の反対極に相当する。
<クラック発生率R
上記の方法で、板状の実施例1の圧電薄膜素子が作製された。板状の圧電薄膜素子の寸法は、100mm×100mmであった。この圧電薄膜素子を切断して、10mm角の100個のサンプルを作製した。各サンプルは、チップ状の圧電薄膜素子である。第1圧電層p(1)及び第2圧電層p(2)のうち少なくとも一方においてクラックが形成されているサンプルの数nが、光学顕微鏡を用いて数えられた。クラック発生率Rは、(n個/100個)×100%と定義される。つまりクラック発生率Rは、n%と表される。実施例1のクラック発生率Rは、下記表1に示される。
(実施例2〜8、比較例1〜3)
実施例2〜7の場合、第2圧電層p(2)の組成が、下記表1に示される組成に一致するように、各スパッタリングターゲットの入力パワーが調整された。
実施例8の場合、第2圧電層p(2)用のスパッタリングターゲットとして、AlLi合金、AlV合金及びAl単体の単体が用いられた。実施例8の第2圧電層p(2)の組成が、下記表1に示される組成に一致するように、各スパッタリングターゲットの入力パワーが調整された。
比較例1の場合、第1圧電層p(1)及び第2圧電層p(2)のいずれも、AlNからなっていた。
比較例2の場合、第1圧電層p(1)の厚みT1が1000nmに調整された。比較例2の場合、第2圧電層p(2)及び第3電極層e(3)は形成されなかった。つまり、比較例2の圧電薄膜素子を構成する圧電層は、第1圧電層p(1)のみであり、比較例2の圧電薄膜素子を構成する電極層は、第1電極層e(1)及び第2電極層e(2)のみであった。
比較例3の場合、第2圧電層p(2)用のスパッタリングターゲットとして、Alの単体及びGeの単体が用いられた。比較例3の第2圧電層p(2)の組成が、下記表1に示される組成に一致するように、各スパッタリングターゲットの入力パワーが調整された。
上記の事項を除いて実施例1と同様の方法で、実施例2〜8及び比較例1〜3其々の圧電薄膜素子が作製された。実施例1と同様の方法で、実施例2〜8及び比較例1〜3其々の圧電薄膜素子に関する分析及び測定が実施された。
実施例2〜8及び比較例1〜3のいずれの場合も、第1圧電層p(1)は、ウルツ鉱型構造を有するAlNからなっていた。実施例2〜8、比較例1,3の場合、第2圧電層p(2)の組成が下記表1に示される組成に一致し、第2圧電層p(2)はウルツ鉱型構造を有していた。
実施例2〜8及び比較例1〜3其々の第1圧電層p(1)の分極方向P1は、下記表1に示される。実施例2〜8及び比較例1,3其々の第2圧電層p(2)の分極方向P2は、下記表2に示される。実施例2〜8及び比較例1〜3其々のd33は、下記表1に示される。実施例2〜8及び比較例1〜3其々のRは、下記表1に示される。
(実施例9〜16、比較例4及び5)
実施例9〜16及び比較例5の場合、第2圧電層p(2)が第1圧電層p(1)の表面全体に直接積層され、第2電極層e(2)が第2圧電層p(2)の表面全体に直接積層された。実施例9〜16及び比較例5の場合、第3電極層e(3)は形成されなかった。つまり、実施例9〜16及び比較例5其々の圧電薄膜素子は、互いに接する一対の圧電層が2つの電極層の間に配置されているバイモルフ型素子であった。
実施例9〜15の場合、第2圧電層p(2)の組成が、下記表2に示される組成に一致するように、各スパッタリングターゲットの入力パワーが調整された。
実施例16の場合、第2圧電層p(2)用のスパッタリングターゲットとして、AlLi合金、AlV合金及びAl単体の単体が用いられた。実施例16の第2圧電層p(2)の組成が、下記表2に示される組成に一致するように、各スパッタリングターゲットの入力パワーが調整された。
比較例4の場合、第1圧電層p(1)の厚みT1が1000nmに調整された。また比較例4の場合、第2圧電層p(2)及び第3電極層e(3)は形成されなかった。つまり、比較例4の圧電薄膜素子を構成する圧電層は、第1圧電層p(1)のみであり、比較例4の圧電薄膜素子を構成する電極層は、第1電極層e(1)及び第2電極層e(2)のみであった。
比較例5の場合、第2圧電層p(2)用のスパッタリングターゲットとして、Alの単体及びGeの単体が用いられた。比較例5の第2圧電層p(2)の組成が、下記表2に示される組成に一致するように、各スパッタリングターゲットの入力パワーが調整された。
上記の事項を除いて実施例1と同様の方法で実施例9〜16及び比較例4,5其々の圧電薄膜素子が作製された。実施例1と同様の方法で、実施例9〜16及び比較例4,5其々の圧電薄膜素子に関する分析及び測定が実施された。
ただし、バイモルフ型素子の場合、第1圧電層p(1)の分極方向P1、及び第2圧電層p(2)の分極方向P2が、以下の方法により特定された。
[分極方向P1]
第2電極層e(2)及び第2圧電層p(2)を積層方向Dに沿って部分的に除去することにより、第1圧電層p(1)の表面の一部を露出させた。第2電極層e(2)及び第2圧電層p(2)の除去には、上記の集束イオンビーム加工装置が用いられた。露出する第1圧電層p(1)の表面に、仮電極が直接形成された。つまり、第1圧電層p(1)の一部が、仮電極及び第1電極層e(1)の間に配置された。仮電極は、第2圧電層p(2)及び第2電極層e(2)と電気的に絶縁されていた。交流電圧を仮電極と第1電極層e(1)の間に印加することにより、第1圧電層p(1)のみの圧電応答が測定された。圧電応答の測定には、上記の圧電応答顕微鏡が用いられた。第1圧電層p(1)の圧電応答に基づき、第1圧電層p(1)の分極方向P1が特定された。
[分極方向P2]
基板、密着層、第1電極層e(1)及び第1圧電層p(1)を積層方向Dに沿って部分的に除去することにより、第2圧電層p(2)の表面の一部を露出させた。基板、密着層、第1電極層e(1)及び第1圧電層p(1)の除去には、上記の集束イオンビーム加工装置が用いられた。露出する第2圧電層p(2)の表面に、仮電極が直接形成された。つまり、第2圧電層p(2)の一部が、仮電極及び第2電極層e(2)の間に配置された。仮電極は、第1圧電層p(1)及び第1電極層e(1)と電気的に絶縁されていた。交流電圧を仮電極と第2電極層e(2)の間に印加することにより、第2圧電層p(2)のみの圧電応答が測定された。圧電応答の測定には、上記の圧電応答顕微鏡が用いられた。第2圧電層p(2)の圧電応答に基づき、第2圧電層p(2)の分極方向P2が特定された。
実施例9〜16及び比較例4,5のいずれの場合も、第1圧電層p(1)は、ウルツ鉱型構造を有するAlNからなっていた。実施例9〜16及び比較例5の場合、第2圧電層p(2)の組成は下記表2に示される組成に一致し、第2圧電層p(2)はウルツ鉱型構造を有していた。
実施例9〜16及び比較例4,5其々の第1圧電層p(1)の分極方向P1は、下記表2に示される。実施例9〜16及び比較例5其々の第2圧電層p(2)の分極方向P2は、下記表2に示される。実施例9〜16及び比較例4,5其々のRは、下記表2に示される。
実施例9〜16及び比較例4,5其々の圧電薄膜素子から、長方形状の試料(cantilever)が作製された。試料の寸法は、幅3mm×長さ15mmであった。試料の一端が固定され、試料の他方の一端が自由端である状態において、交流電圧が試料中の圧電層へ印加された。交流電圧の印加に伴う試料の自由端の変位量Δが、レーザーで測定された。測定には、自作の評価システムを用いた。交流電圧の周波数は、500Hzであった。交流電圧の最大値は、10Vであった。実施例9〜16及び比較例4,5其々の変位量Δ(単位;nm)は、下記表2に示される。変位量Δが大きいほど、圧電薄膜素子の圧電特性は向上する。
Figure 2021086982
Figure 2021086982
本発明に係る圧電薄膜素子は、例えば、マイクロフォン、センサ、ハーベスタ又はアクチュエータに用いられてよい。
10A…圧電薄膜素子(多層型素子)、10B…圧電薄膜素子(バイモルフ型素子)、p(1)…第1圧電層、p(2)…第2圧電層、p(2k−1)…第(2k−1)圧電層、p(2k)…第2k圧電層、p(2n−1)…第(2n−1)圧電層、p(2n)…第2n圧電層、e(1)…第1電極層、e(2)…第2電極層、e(3)…第3電極層、e(2k−1)…第(2k−1)電極層、e(2k)…第2k電極層、e(2k+1)…第(2k+1)電極層、e(2n−1)…第(2n−1)電極層、e(2n)…第2n電極層、e(2n+1)…第(2n+1)電極層、D…積層方向、P1…第(2k−1)圧電層の分極方向、P2…第(2k)圧電層の分極方向。

Claims (5)

  1. 少なくとも一対の隣り合う圧電層を備え、
    一対の前記圧電層が、直接的又は間接的に積層されており、
    一対の前記圧電層其々の分極方向が、前記圧電層の積層方向に略平行であり、
    一対の前記圧電層其々の分極方向が、互いに逆であり、
    一対の前記圧電層のうち一方の前記圧電層は、窒化アルミニウムを含み、
    一対の前記圧電層のうち他方の前記圧電層は、1価元素及び5価元素が添加された窒化アルミニウムを含み、
    前記1価元素が、リチウム、カリウム、ナトリウム及び銀からなる群より選ばれる少なくとも一種の元素であり、
    前記5価元素が、ニオブ、バナジウム、タンタル、ビスマス及びアンチモンからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素である、
    圧電薄膜素子。
  2. 少なくとも一対の前記圧電層と、少なくとも3つの電極層と、を備え、
    一対の前記圧電層が、前記電極層を介して間接的に積層されており、
    前記圧電層及び前記電極層が、交互に積層されている、
    請求項1に記載の圧電薄膜素子。
  3. 一対の前記圧電層と、2つの電極層と、を備え、
    一対の前記圧電層が、前記電極層に介在されることなく、互いに直接積層されており、
    一対の前記圧電層が、2つの前記電極層の間に配置されている、
    請求項1に記載の圧電薄膜素子。
  4. 前記1価元素及び前記5価元素が添加された前記窒化アルミニウム中のアルミニウム、前記1価元素及び前記5価元素の含有量の合計が、[ETOTAL]原子%と表され、
    前記1価元素及び前記5価元素が添加された前記窒化アルミニウム中の前記1価元素の含有量の合計が、[E1]原子%と表され、
    前記1価元素及び前記5価元素が添加された前記窒化アルミニウム中の前記5価元素の含有量の合計が、[E5]原子%と表され、
    ([E1]+[E5])/[ETOTAL]が、0.03以上0.55以下である、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧電薄膜素子。
  5. 前記1価元素及び前記5価元素が添加された前記窒化アルミニウム中の前記1価元素の含有量の合計が、[E1]原子%と表され、
    前記1価元素及び前記5価元素が添加された前記窒化アルミニウム中の前記5価元素の含有量の合計が、[E5]原子%と表され、
    [E1]/[E5]が、0.4以上1.4以下である、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の圧電薄膜素子。
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