JP2021084820A - 不純物分析方法及びシリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

不純物分析方法及びシリコン単結晶の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】効率的かつ簡便にシリコン単結晶中の炭素濃度を推定する方法を提供する。【解決手段】CZシリコン単結晶中の不純物を分析する方法であって、CZシリコン単結晶育成装置のルツボ内にチャージしたシリコン原料を溶融し、該シリコン原料の溶融完了後かつシリコン単結晶育成の直胴工程を開始する前までに、合成石英製のサンプリング容器1を用いて、前記ルツボ内にあるシリコン融液をサンプリングし、該サンプリングされたシリコン融液中における炭素濃度を分析することで、育成される前記CZシリコン単結晶中の炭素濃度を推定する不純物分析方法。【選択図】図1

Description

本発明は、チョクラルスキー法(CZ法)によって育成されるシリコン単結晶中の不純物の分析方法及びシリコン単結晶の製造方法に関する。
シリコン単結晶を得るために広く用いられている結晶育成の方法として、CZ法がある。CZ法では、石英ルツボ中で多結晶原料を溶解させシリコン溶融液を形成した後、種結晶を溶融液に接触させて引上げることにより、単結晶を育成している。従来、CZ法で育成されたシリコン単結晶は、主にロジックやメモリーの基板材料として用いられることが多かった。これらのデバイスについては、デバイスの微細化の進展により、要求される不純物濃度がより低濃度化してきている。さらに、近年では、パワーデバイス用途や撮像素子用途においても、CZ法で育成されたシリコン単結晶が用いられるようになってきており、これらのデバイスにおいて問題となる不純物の種類や濃度は変化してきている。デバイス毎に異なる要求に対応するためにも、単結晶中の不純物濃度を管理することが以前にも増して重要になってきている。
通常、単結晶中の炭素濃度の定量はFT−IR法により行なうが、この手法における炭素濃度検出下限は、積算回数やリファレンス等の改善を加えたものでも、5×1014atoms/cm程度である。この問題を解決するために、特許文献1や非特許文献1、非特許文献2ではフォトルミネッセンス(PL)法を用いた定量方法が開示されている。特に、非特許文献2では、3×1013atoms/cm程度の炭素濃度を定量できたとの報告があり、PL法が、5×1014atoms/cm以下の炭素濃度を定量するための有効な手法となっている。
これらの手法はいずれも、単結晶中の不純物濃度を直接測定するものだが、より高感度に測定する手法として残湯分析の手法がある。例えば、特許文献2では、CZ法によって単結晶シリコンを引上げた後に、ルツボ内のシリコン融液の残湯中の不純物を分析する手法が開示されている。この手法では、一つのルツボから2本以上の単結晶シリコンを育成するマルチ操業を実施し、ルツボに投入されたシリコン原料の総重量に対するマルチ操業で育成されたシリコン結晶の総重量の割合である総合固化率を0.90以上として、マルチ操業後におけるシリコン結晶育成後のルツボ内の残湯の不純物を分析する。この手法では、マルチ操業によって総合固化率を稼ぐことで残湯に不純物を凝集させるため、単結晶中の不純物を直接分析する手法に比べて、高感度に不純物濃度を測定することができるとされている。また、特許文献3には、CIP材容器を用いて操業完了後の残湯を掬い、掬った残湯中の不純物濃度を分析する手法が開示されている。
特開2019−124483号公報 特開2016−223976号公報 特開2017−81806号公報
M. Nakamura et al., J. Electorochem chem. Soc. 141(1993)3576 中川聡子 応用物理 第84巻 第11号 (2015)
上記特許文献1、非特許文献1、非特許文献2に示されるフォトルミネッセンス(PL)法を用いた定量方法では、炭素濃度を測定するための前処理として電子線照射が必要であり、炭素濃度定量のために要する工程数が増えてしまう。このため、PL法を用いて結晶中の炭素濃度を管理するという方法では、単結晶育成完了から炭素濃度が判明するまでに時間を要し、生産効率が低下してしまうという問題がある。
特許文献2に示される手法では、単結晶シリコンの育成完了後の残湯を分析するため、マルチ操業が全て完了した後でないと不純物濃度を知ることができないという問題がある。また、特許文献3に示される手法では、残湯を掬うときに、CIP材中の炭素分が掬った残湯中に混入してしまうため、原料融液中の炭素濃度の定量を行うことが難しいという問題がある。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、効率的かつ簡便にシリコン単結晶中の炭素濃度を推定する方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、CZシリコン単結晶中の不純物を分析する方法であって、CZシリコン単結晶育成装置のルツボ内にチャージしたシリコン原料を溶融し、該シリコン原料の溶融完了後かつシリコン単結晶育成の直胴工程を開始する前までに、合成石英製のサンプリング容器を用いて、前記ルツボ内にあるシリコン融液をサンプリングし、該サンプリングされたシリコン融液中における炭素濃度を分析することで、育成される前記CZシリコン単結晶中の炭素濃度を推定する不純物分析方法を提供する。
このような不純物分析方法は簡便な手法であり、シリコン原料の溶融完了後、直胴工程前に融液のサンプリングを行うため、単結晶育成完了後に単結晶中の炭素濃度を定量する場合や、マルチ操業完了後の残湯を定量する場合に比べて、定量結果が判明するまでに要する時間を削減することができ、効率的に不純物分析を行うことができる。
このとき、上記サンプリングされたシリコン融液を、該シリコン融液の凝固が一方向に向けて進行するように凝固させた後に、前記シリコン融液の凝固開始位置から凝固が進行した方向への位置に基づいて定まる所定の凝固率の領域から分析用のサンプルを取り出し、該サンプルの炭素濃度の分析を行う不純物分析方法とすることができる。
これにより、高い感度で炭素濃度を定量することができる。
このとき、前記分析用のサンプルを、0.70≦凝固率<0.80の領域から取り出す不純物分析方法とすることができる。
これにより、さらに高い感度で炭素濃度を定量することができる。
このとき、上記炭素濃度の分析をSIMS法により行う不純物分析方法とすることができる。
これにより、より簡便、効率的に、より高感度、高精度の分析を行うことができる。
このとき、上記不純物分析方法を用いてシリコン単結晶中における炭素濃度を管理する工程と、上記シリコン融液をサンプリングした後に、CZ法によりシリコン単結晶を育成する工程とを含むシリコン単結晶の製造方法とすることができる。
これにより、不純物濃度の管理を行いながら、効率よく、単結晶を製造することができる。
以上のように、本発明の不純物分析方法によれば、効率的かつ簡便に、シリコン単結晶中の炭素濃度を推定することが可能となる。原料溶融完了後、直胴工程に入る前までにシリコン単結晶の原料であるシリコン融液のサンプリングを行うため、単結晶中の炭素濃度を定量する場合や、マルチ操業完了後の残湯を定量する場合に比べて、定量結果が判明するまでに要する時間を削減することができる。
サンプリング容器の好適例を示す。 本発明に係る炭素濃度分析及びシリコン単結晶製造のフローの一例を示す。 溶融完了後の融液中炭素濃度と、単結晶育成完了後の残湯中の炭素濃度を示す。 融液中炭素濃度=1.3×1015atoms/cmから推定した、単結晶中炭素濃度の偏析曲線を示す。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
上述のように、効率的かつ簡便にシリコン単結晶中の炭素濃度を推定する不純物分析方法が求められていた。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、CZシリコン単結晶中の不純物を分析する方法であって、CZシリコン単結晶育成装置のルツボ内にチャージしたシリコン原料を溶融し、該シリコン原料の溶融完了後かつシリコン単結晶育成の直胴工程を開始する前までに、合成石英製のサンプリング容器を用いて、前記ルツボ内にあるシリコン融液をサンプリングし、該サンプリングされたシリコン融液中における炭素濃度を分析することで、育成される前記CZシリコン単結晶中の炭素濃度を推定する不純物分析方法により、単結晶中の炭素濃度を定量する場合や、マルチ操業完了後の残湯を定量する場合に比べて、定量結果が判明するまでに要する時間を削減することができ、効率的かつ簡便にシリコン単結晶中の炭素濃度を推定することが可能となることを見出し、本発明を完成した。
以下、図面を参照して説明する。
まず、本発明に係る不純物分析方法及びシリコン単結晶の製造方法で使用する装置等について説明する。本発明に係る不純物分析方法及びシリコン単結晶の製造方法は、公知のチョクラルスキー法(CZ法)による引き上げ装置を用いた単結晶製造に適用可能である。使用する引き上げ機やHZ(ホットゾーン)等の構造は特に限定されず、公知の一般的なCZシリコン単結晶の引き上げ機を使用することができる。また、磁場印加CZ法(MCZ法)による引上げ機を使用できることも、言うまでもない。
本発明に係る不純物分析方法及びシリコン単結晶の製造方法においては、CZシリコン単結晶育成装置のルツボ内にチャージしたシリコン原料を溶融し、該シリコン原料の溶融完了後かつシリコン単結晶育成の直胴工程を開始する前までに、シリコン融液のサンプリングを行うが、このサンプリングにおいては、合成石英製のサンプリング容器を用いて行うことが重要である。仮に、不純物濃度の高い材料を用いたサンプリング容器や、金属や炭素によって汚染されたサンプリング容器を用いて融液のサンプリングを行うと、サンプリング中にこれらの不純物が融液中に混入し、単結晶中の金属不純物や炭素濃度が著しく増加する可能性がある。このため、サンプリング容器としては、不純物濃度の低い合成石英製のものを使用する。合成石英は、高純度のものほど好ましい。このような材質のサンプリング容器を用いて、シリコン原料の溶融完了後かつシリコン単結晶育成の直胴工程を開始する前までにサンプリングしたシリコン融液中における炭素濃度を分析することで、育成されるCZシリコン単結晶中の炭素濃度を推定する。これにより、単結晶育成完了後に単結晶中の炭素濃度を定量する場合や、マルチ操業完了後の残湯を定量する場合に比べて、定量結果が判明するまでに要する時間を削減することができ、効率的に不純物分析を行うことができる。
サンプリング容器の形状は、シリコン融液のサンプリングを行うことができるものであれば、特に限定されないが、図1に示すようなサンプリング容器を用いることが好ましい。図1に示すように、サンプリング容器1の底面に、断面寸法3×3mmあるいはそれ以下の断面寸法の溝2を設けて、該溝2を垂直方向(y方向)に伸ばした構造の合成石英製のサンプリング容器1を融液のサンプリングに使用することが好ましい。このように、サンプリング容器の底面の溝2の断面寸法を、3×3mmあるいはそれ以下とすると、サンプリング容器を結晶取り出し用チャンバーまで引き上げる時に、サンプリング容器1の溝2に取り込んだ原料融液が落下するのを有効に防ぐことができる。
このようなサンプリング容器1を用い、サンプリング容器1の底面から数ミリ程度の高さまでサンプリング容器を原料融液に浸した状態でCZ炉内を加圧すると、サンプリング容器1の溝2内部と融液表面には圧力差が生じるため、この圧力差を利用して、容易に、サンプリング容器1の溝2に原料融液を取り込むことができる。
そして、サンプリングされたシリコン融液を、該シリコン融液の凝固が一方向に向けて進行するように凝固させた後に、シリコン融液の凝固開始位置から凝固が進行した方向への位置に基づいて定まる所定の凝固率の領域から分析用のサンプルを取り出し、該サンプルの炭素濃度の分析を行うことが好ましい。これにより、単結晶中の炭素濃度を定量する場合に比べて、高い感度で炭素濃度を定量することが可能となる。
また、上記のようにして分析用のサンプルを取り出す場合に、分析用のサンプルを、0.70≦凝固率<0.80の領域から取り出すことが、より好ましい。これにより、さらに高い感度で炭素濃度を定量することが可能となる。
ここで、偏析現象と固化率に関して簡単に説明する。シリコンが固化(凝固、結晶化などということもある)する際には、融液中の不純物は結晶中に取り込まれにくい。この時の融液中の不純物濃度に対して、結晶中に取り込まれる不純物濃度比を偏析係数kという。したがって、ある瞬間の結晶中の不純物濃度Cは、その時の融液中の不純物濃度CとC=k×Cという関係である。kは一般に1より小さい値であり、したがって、結晶中に取り込まれる不純物濃度は、溶融液中の不純物濃度よりも低い。結晶成長は連続的に行われるので、不純物は融液中に多く残されることとなり、融液中の不純物濃度は徐々に高くなる。これに伴い結晶中の不純物濃度も高くなり、その濃度を初期の原料の重量に対する結晶化した重量を比率で表した固化率x、初期の融液中不純物濃度CL0を用いると、
(x)=CL0・k・(1−x)(k−1)
と表される。
したがって、固化形成又は結晶育成後の溶融液中の不純物濃度は、最後に固化/結晶化した部分の濃度の1/k倍高濃度である。例えば、炭素原子の場合、偏析係数が0.07であるので、融液中の炭素濃度は結晶中濃度より十数倍高いことになる。また、固化率が高ければ高いほど、溶融液重量に対して結晶中に取り込まれずに取り残される不純物の濃度が高くなる。このような偏析現象を利用して、固化物又は結晶中の不純物濃度を低く保ちながら、溶融液中の不純物濃度を高くすることができる。
サンプリング後に凝固したシリコン融液の凝固率をxとすると、0.70≦x<0.80の領域は、炭素濃度が引き上げた単結晶の場合に比べて十分高くなり、なおかつ、偏析曲線C(x)の傾きは、x≧0.80の高い凝固率側の領域に比べると小さくなるため、0.70≦x<0.80の領域をピンポイントに測定する手法を採用すれば、より高感度かつ高精度な測定が可能となる。結晶中の炭素濃度を定量する手法として、FT−IR法、PL法の他にSIMS法がある。なかでも、SIMS法の測定領域は、数10μm〜100μmφ程度と他の手法に比べて非常に狭いため、結晶中の任意の凝固率の点をピンポイントに測定することができるため、より簡便、効率的に、より高感度かつ高精度の炭素濃度分析を行うことができる。
このように、サンプリングされたシリコン融液を、シリコン融液の凝固が一方向に向けて進行するように凝固させた後に、凝固開始位置から凝固が進行した方向への位置に基づいて定まる所定の凝固率の領域から分析用のサンプルを取り出し、サンプルの炭素濃度の分析を行うこと、特に、凝固した融液の0.70≦x<0.80の領域を測定用サンプルとして取り出し、さらに、該分析用サンプルの炭素濃度の測定をSIMS法によって分析することにより、高感度かつ高精度に、炭素濃度を定量することが可能となる。
上述のように、単結晶育成前のシリコン原料の溶融完了後、シリコン単結晶育成の直胴工程を開始する前までに、融液のサンプリングを行い、凝固させた融液の0.70≦x<0.80の領域を測定用サンプルとして取り出すことがより好ましい。このような領域から測定用サンプルを取り出すには、サンプリングされたシリコン融液を、このシリコン融液の凝固が一方向に向けて進行するように凝固させた後に、シリコン融液の凝固開始位置から凝固が進行した方向への位置に基づいて定まる所定の凝固率の領域から、分析用のサンプルを取り出すことが好ましい。このようにすれば、所望の領域から測定用サンプルを、容易に取り出すことができる。
本発明者が鋭意調査した結果、図1に示すようなサンプリング容器1を使用して、サンプリング容器1の溝2に原料融液を取り込み、融液のサンプリングを行った後、サンプリング容器1を結晶取り出し用チャンバーまで引き上げて、サンプリング容器1を冷やしながらサンプリングした融液を凝固させることで、熱源(ヒーター)との距離が遠い側から熱源(ヒーター)との距離が近い側の順に融液が凝固することを見出した。これを利用すれば、より簡便に、所望の領域から分析用のサンプルを取り出すことができる。なお、凝固した融液の凝固率の判別方法の詳細は、具体例に基づいて後述する。
シリコン単結晶の製造方法は、一般的なCZシリコン単結晶の引き上げ方法に従って実施することができる。本発明に係る不純物分析方法の一例として、図2に示すフローを参照しながら結晶中炭素濃度の推定方法について説明する。
(工程1)
まず、CZシリコン単結晶育成装置のルツボ内にチャージしたシリコン原料を溶融する、原料溶融工程を進める。
(工程2)
合成石英製のサンプリング容器を用いて、原料溶融完了後かつシリコン単結晶育成の直胴工程を開始する前までに、原料融液のサンプリングを行う。サンプリングした原料融液を、凝固が一方向に向けて進行するように凝固させ、凝固したサンプルを取り出す。
この工程は、例えば、以下のようにして行うことができる。まず、シードチャックホルダーの先端に黒鉛製の治具を取り付け、該黒鉛製治具の先端に合成石英製のサンプリング容器を取り付ける。その後、ワイヤーを下降させて、溶融完了後の液体状態の原料融液に容器底面から数ミリ程度の高さまでサンプリング容器を浸し、CZ炉内を加圧する。サンプリング容器を融液に浸した状態でCZ炉内を加圧することで、サンプリング容器の溝内部と融液表面には圧力差が生じるため、この圧力差を利用してサンプリング容器の溝に原料融液を取り込む。その後、例えば、ワイヤーを所定の速度で10分間上昇させ、ワイヤー上昇終了時の位置を保ったまま5分間放置してサンプリング容器の粗熱を除去する。この粗熱除去が完了した後に、サンプリング容器を結晶取り出し用のチャンバーまで引き上げて、サンプリング容器が室温程度の温度になるまで放置し、その後、単結晶の取り出しと同じ要領でサンプリング容器を取り出す。
(工程3)
上記のようにして凝固させた融液を、凝固率xがx≧0.80の領域を除去した後に、除去した部分に隣接する、0.70≦x<0.80の領域を分析用サンプルとして取り出す。
この工程において、凝固した融液の凝固率は、以下のように判別することが可能である。サンプリングした融液を凝固させると、固体と液体の密度差に起因して体積膨張が生じ、この体積膨張によって、粒状の領域がサンプリング容器の底面付近に必ず形成される。この体積膨張によって生じる粒状の領域は、サンプリングした融液の中で最後に凝固する領域となっており、シリコンの固体と液体の密度の値から、凝固率x≧0.90の領域に相当すると考えられるため、まずは、この粒状の領域を除去する。このようにして除去した粒状の領域に隣接した位置から、図1中のy方向に、0.80≦x<0.90の領域が存在するため、凝固したサンプルの重量比から0.80≦x<0.90の領域を推定し、この領域を除去する。最後に、除去した領域に隣接した位置から図1中のy方向に、0.70≦x<0.80の領域が存在するため、重量比から0.70≦x<0.80の領域を推定し、評価用のサンプルを取り出すことができる。
(工程4)
取り出した分析用サンプルの炭素濃度を、SIMS法によって分析する。
(工程5)
工程5では、シリコン単結晶の育成として、種付け、直胴工程を順次行う。このとき、工程4での分析による定量結果が判明した後に、単結晶中炭素濃度の規格上限値を超えないことを確認してから、工程5として、種付け、直胴工程を進めるという方法でも、問題なく単結晶の製造は行えるが、定量結果が判明するまでの間に、同時並行で種付け、直胴工程を進めることで、操業を停止することなくより効率よく単結晶を製造することができる。工程4の炭素濃度の定量結果が判明するまでの間に、工程5を進めておき、例えば、直胴工程中に、融液中炭素濃度が高く、単結晶中炭素濃度の規格上限値を超えることが判明した場合には、以降のマルチ操業を終了することで、炭素不良を防止することができる。また、再溶融を行った後に、単結晶中炭素濃度の規格上限値を超えないように単結晶の固化率を制限して単結晶の育成を行うという方法によっても、炭素不良を防止することができる。
また、単結晶製造プロセス中における単結晶中への炭素の混入は、引上げ機炉内の炭素部材と、シリコンメルトから蒸発するSiOガスとの反応によって生成された炭素含有ガスに起因している。単結晶製造プロセス中において、炭素部材とSiOガスの反応によって生じる炭素含有ガスは、ヒーターパワーやメルトの温度が他の工程に比べ高く、SiOの蒸発面積が最も大きくなる原料溶融工程、パワー放置工程で主に生成される。このため、直胴工程中に生じる炭素含有ガスの単結晶中炭素濃度に対する影響は、原料溶融工程、パワー放置工程で生成される炭素含有ガスの寄与に比べると大幅に小さいと考えられる。このため、溶融完了後、シリコン単結晶育成の直胴工程を開始する前までに、原料融液をサンプリングして、該サンプリングされた融液中の炭素濃度を分析、測定すれば、実質的に、単結晶中の炭素濃度を推定したことになる。また、このようにしてシリコン単結晶中における炭素濃度を管理する工程と、CZ法によりシリコン単結晶を育成する工程を行うことで、効率的にシリコン単結晶の製造を行うことが可能となる。
以下、実施例を挙げて本発明について詳細に説明するが、これは本発明を限定するものではない。
(実施例1)
直径660mm(26インチ)の石英ルツボに200kgの原料をチャージして、溶融し、溶融完了後に融液のサンプリングを行った。溶融完了後の融液のサンプリングは、図1に示すような合成石英製のサンプリング容器を用いた。液体状態の融液にサンプリング容器を容器底面から数ミリ程度の高さまで浸し、容器を浸す前後の圧力差ΔP=10hPaとなるようにCZ炉内を加圧してサンプリング容器の溝に原料融液を取り込んだ。その後、ワイヤーを7mm/minで10分間上昇させ、ワイヤー上昇終了時の位置を保ったまま、5分間放置を行った。この5分間の放置が完了した後に、サンプリング容器を結晶取り出し用チャンバーまで引き上げて、容器が室温程度の温度になるまで放置した後に、単結晶の取り出しと同じ要領でサンプリング容器を取り出した。凝固した融液の固化率をxとして、0.70≦x<0.80に相当する領域から評価用のサンプルを取り出して、SIMS法により炭素濃度の定量を行った。溶融完了後の融液のサンプリングが完了した後に、直径200mmで重量が約150kgのシリコン単結晶を育成した。
また、本発明に係る炭素濃度の分析の効果を確認するために、単結晶育成完了後に従来法による残湯のサンプリングを行った。この残湯のサンプリングでは、側面に融液採取孔を有した合成石英製のサンプリング容器を用いて行い、CZ炉内の圧力を一定にして行った。このとき、サンプリングしたときの固化率は0.75となる。
溶融完了後にサンプリングした融液を分析して得た炭素濃度と、単結晶育成完了後の残湯中の炭素濃度の比較を行った結果、図3に示す通り、溶融完了後にサンプリングした融液の、凝固率xが0.70≦x<0.80の領域における炭素濃度と、単結晶育成完了後の残湯中の炭素濃度は、同程度の値となった。このことから、溶融完了後の原料融液をサンプリングして炭素濃度を分析することによって、単結晶育成完了後の残湯を評価した場合と同等の精度で、メルト中炭素濃度を推定できることが確認できた。
(実施例2)
上記実施例1とは別に、単結晶中炭素濃度C=2.0×1014atoms/cmを炭素濃度の規格上限値として定めて、単結晶の育成を行った。直径660mm(26インチ)の石英ルツボに200kgの原料をチャージして、溶融し、溶融完了後に融液のサンプリングを行った。溶融完了後にサンプリングした融液の、凝固率xが0.70≦x<0.80の領域の炭素濃度を分析、定量したところ、1.3×1015atoms/cmの炭素濃度値が得られた。ここで得られた、凝固率xが0.70≦x<0.80の領域の炭素濃度をもとに、単結晶中炭素濃度の偏析曲線を推定した。
図4に、融液中炭素濃度=1.3×1015atoms/cmから推定した、単結晶中炭素濃度の偏析曲線を示す。図4に示す通り、単結晶の固化率yがy>0.55以上の領域で、単結晶中炭素濃度Cの規格上限値2.0×1014atoms/cmを超える可能性があることがわかった。そこで、直胴部分の固化率yがy≦0.50になるように重量を制限して単結晶育成を行い、育成した単結晶のC濃度をSIMS法で確認したところ、全ての直胴部分で単結晶中炭素濃度C<2.0×1014atoms/cmとなった。このようにして、単結晶育成前にサンプリングした融液の、凝固率xが0.70≦x<0.80の領域の炭素濃度を求めておいて、仮に、凝固率xが0.70≦x<0.80の領域の炭素濃度が想定よりも高かった場合、引き上げる単結晶の固化率を制限することで、単結晶中炭素濃度Cの規格上限値を超えない単結晶を得ることができることを確認できた。
(比較例)
上記実施例1、2とは別に、単結晶中炭素濃度C=2.0×1014atoms/cmを炭素濃度の規格上限値として定めて、固化率が0.75になるまで単結晶の育成を行った。単結晶育成完了後に残湯のサンプリングを行い、サンプリングした固化率0.75のときの炭素濃度を定量したところ、1.6×1015atoms/cmの炭素濃度値が得られた。念のため、育成した単結晶の固化率yが、y=0.60のときのサンプルの炭素濃度CをSIMS法で確認したところ、C=2.6×1014atoms/cmの炭素濃度値が得られ、固化率が0.6の位置でも規格上限値を超えていることが分かった。このように、従来の、残湯中の炭素濃度から結晶中炭素濃度を推定する手法では、意図せず発生する炭素濃度不良を防止することができないことがわかった。
上記実施例、比較例の結果より、本発明に係るCZシリコン単結晶中の不純物を分析する方法によれば、従来法による単結晶育成完了後の残湯を評価した場合と同等の精度で、メルト中炭素濃度を推定できることが確認でき、効率的かつ簡便に、シリコン単結晶中の炭素濃度を推定することが可能となることがわかる。また、意図せず発生する炭素濃度不良を防止することも可能となることがわかる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…サンプリング容器、 2…溝。

Claims (5)

  1. CZシリコン単結晶中の不純物を分析する方法であって、
    CZシリコン単結晶育成装置のルツボ内にチャージしたシリコン原料を溶融し、該シリコン原料の溶融完了後かつシリコン単結晶育成の直胴工程を開始する前までに、合成石英製のサンプリング容器を用いて、前記ルツボ内にあるシリコン融液をサンプリングし、該サンプリングされたシリコン融液中における炭素濃度を分析することで、育成される前記CZシリコン単結晶中の炭素濃度を推定することを特徴とする不純物分析方法。
  2. 上記サンプリングされたシリコン融液を、該シリコン融液の凝固が一方向に向けて進行するように凝固させた後に、前記シリコン融液の凝固開始位置から凝固が進行した方向への位置に基づいて定まる所定の凝固率の領域から分析用のサンプルを取り出し、該サンプルの炭素濃度の分析を行うことを特徴とする請求項1に記載の不純物分析方法。
  3. 前記分析用のサンプルを、0.70≦凝固率<0.80の領域から取り出すことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の不純物分析方法。
  4. 上記炭素濃度の分析をSIMS法により行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の不純物分析方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の不純物分析方法を用いてシリコン単結晶中における炭素濃度を管理する工程と、
    上記シリコン融液をサンプリングした後に、CZ法によりシリコン単結晶を育成する工程とを含むことを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
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