JP6665870B2 - ルツボ管理システム、ルツボ管理方法、シリカガラスルツボの製造方法、シリコンインゴットの製造方法、ホモエピタキシャルウェーハの製造方法 - Google Patents

ルツボ管理システム、ルツボ管理方法、シリカガラスルツボの製造方法、シリコンインゴットの製造方法、ホモエピタキシャルウェーハの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シリカガラスルツボの測定結果などを管理するルツボ管理システム、ルツボ管理方法、シリカガラスルツボの製造方法、シリコンインゴットの製造方法、ホモエピタキシャルウェーハの製造方法に関する。
<シリコン単結晶の製造>
シリコン単結晶(シリコンインゴット)の製造は、シリカガラスルツボを用いたチョクラルスキー法(CZ法:Czochralski)により行われる。CZ法では、まず、シリカガラスルツボの内部に多結晶シリコンを充填する。続いて、シリカガラスルツボの周囲に配置されたカーボンヒーターなどの加熱により、多結晶シリコンをシリコン融液に熔融する。そして、熔融したシリコン融液にシリコン単結晶の種結晶を接触させ、回転させながら徐々に引き上げる。これにより、シリコン単結晶の種結晶を核として成長させ、シリコン単結晶を製造する。シリコン単結晶の引き上げは1450〜1500℃ほどの状態で行われる。これは、シリカガラスルツボの軟化点である1200〜1300℃を超える温度である。
<シリカガラスルツボ>
上記シリコン単結晶を製造する際に用いられるシリカガラスルツボは、円筒状の側壁部と、湾曲した底部と、側壁部と底部とを連結し且つ底部よりも曲率が大きいコーナー部と、を備えた形状であり、シリカガラスルツボの側壁部の上端面は、円環状の平坦な面として形成されている。また、シリカガラスルツボは、例えば、当該シリカガラスルツボの内面から外面に向かって、目視や画像データなどに基づいて気泡が観察できない透明層と気泡が観察される気泡含有層とを備えるなど、複数の層を備えて構成されている。シリカガラスルツボは、直径が28インチ(約71cm)、32インチ(約81cm)、36インチ(約91cm)、40インチ(約101cm)など様々な大きさで製造されている。
上記のように、シリコン単結晶の引き上げは、シリカガラスの軟化点を超える温度で行われる。そのため、シリコン単結晶の引き上げを行うとシリカガラスルツボは変形してしまうことになる。従って、一般に、シリカガラスルツボは、シリコン単結晶の引き上げごとに用いられる。つまり、シリカガラスルツボは、シリコン単結晶の引き上げごとに別途用意することが必要となる。
<シリカガラスルツボの製造方法>
上記のようなシリカガラスルツボは、例えば、回転モールド法を用いて製造する。つまり、シリカガラスルツボは、回転している(カーボン製の)モールドの内表面にシリカ粉を堆積させてシリカ粉層を形成し、当該堆積させたシリカ粉層を減圧しながらアーク熔融することで製造する。アーク熔融を行う際に、アーク熔融の初期段階でシリカ粉を強く減圧し、その後、減圧を弱くすることで、透明層と気泡含有層とを有するシリカガラスルツボを製造することが出来る。
<先行文献>
シリカガラスルツボは、上記のように回転モールド法により製造する。このような製造方法のため、シリカガラスルツボは設計図通りに製造することが出来ない。従って、製造されたシリカガラスルツボの形状や内表面の特性などは設計図からずれているおそれがあることになる。そこで、製造されたシリカガラスルツボが設計図通りであるか否かなど、製造されたシリカガラスルツボを測定・検査することが行われている。
シリカガラスルツボを測定するための技術として、例えば、特許文献1がある。特許文献1には、シリカガラスルツボの内表面に沿って非接触で移動する内部測距部を用いたシリカガラスルツボの三次元形状測定方法が記載されている。具体的には、内部測距部は、シリカガラスルツボに向かってレーザー光を照射し、内表面からの内表面反射光と界面からの界面反射光とを検出する。そして、内部測距部は、検出結果に基づいて、内部測距部と内表面との間の距離、内部測距部と界面との間の距離を算出する。その後、特許文献1によると、測定点の三次元座標と内表面距離及び界面距離を関連付ける。これにより、内表面及び界面の三次元形状を求めることが出来る。特許文献1によると、上記のような構成を有することにより、非破壊的にシリカガラスルツボの内表面の三次元形状を測定することが出来る。
また、同様にシリカガラスルツボを測定するための技術として、例えば、特許文献2がある。特許文献2には、内部測距部によりシリカガラスルツボの内表面の三次元形状を測定する工程と、(1)異物の三次元形状測定工程と(2)歪みの三次元分布測定工程とのいずれかの工程と、を有するシリカガラスルツボの評価方法が記載されている。具体的には、(1)異物の三次元形状測定工程では、複数の測定点において画像を取得し、得られた画像中に異物が存在していると判断した場合、画像を取得した位置においてシリカガラスルツボの厚さ方向の焦点位置を変化させて複数枚の画像を取得する。これにより、異物の三次元位置を特定する。また、(2)歪みの三次元分布測定工程では、内表面三次元形状上の複数の測定点において歪み画像を取得することで、歪みの三次元分布を測定する。特許文献2によると、上記構成を有することで、ルツボの内表面又は内部に存在する異物の三次元位置を特定することができるか又はルツボの歪みの三次元分布を決定することが出来るシリカガラスルツボの評価方法を提供することが出来る。
また、シリカガラスルツボを検査するための技術としては、例えば、特許文献3がある。特許文献3には、レーザー光を照射し、照射によって生じる蛍光の波長と強度から不純物成分を特定しかつ不純物成分の含有量を算出する、という技術が記載されている。具体的には、特許文献3によると、シリカガラスルツボの内表面にマッチングオイルの薄膜を形成し、シリカガラスルツボとマッチングオイルとの界面でレーザー光を全反射させてエバネッセント波を発生させる。そして、エバネッセント波により励起された不純物成分の分子から得られる傾向強度を測定する。特許文献3によると、上記構成により、シリカガラスルツボの語句表層に存在する不純物成分の特定と含有量の検出とを行うことが出来る。
また、同様にシリカガラスルツボを検査するための技術として、例えば、特許文献4がある。特許文献4には、波長365nmの紫外光をシリカガラスルツボの側面に照射し、シリカガラスルツボ壁面に発生する420nm乃至600nmの範囲内の波長の蛍光斑点の個数を計測するシリカガラスルツボの検査方法が記載されている。特許文献4によると、上記構成により、シリカガラスルツボ中に局在する不純物を容易に検出することが出来る。
特開2013−133226号公報 特開2014−91640号公報 特開2012−17243号公報 特開平8−283092号公報 特表2014−528643号公報 特開2008−219002号公報
<問題が発生する時期の問題>
上記特許文献1乃至4の技術は、シリカガラスルツボを測定、検査する技術である。そのため、測定、検査するためには、実物のシリカガラスルツボが必要になる。
一方、実際にシリコン単結晶の引き上げを行うと、例えば、結晶の有転位化や析出などの問題が生じることがある。また、シリコン単結晶引き上げの最中にシリカガラスルツボが割れてしまう、などの問題が生じることがある。このような問題が発生した場合、問題の原因を特定するためには、引き上げを行ったシリカガラスルツボの検査を行うことが最適であると考えられる。しかしながら、上述したように、シリコン単結晶の引き上げはシリカガラスの軟化点よりも高い温度で行われる。そのため、シリコン単結晶の引き上げによりシリカガラスルツボは変形・熔融してしまうことになる。従って、シリコン単結晶の引き上げ後に変形・熔融前のシリカガラスルツボを測定・検査することは出来ず、また、測定・検査により問題の原因を特定することは出来なかった。
このように、シリコン単結晶引き上げ後に変形前のシリカガラスルツボを調査して問題の原因を特定することが出来ない、という問題が発生していた。
そこで、本発明の目的は、シリコン単結晶引き上げ後に変形前のシリカガラスルツボを調査して問題の原因を特定することが出来ない、という問題を解決することが出来るルツボ管理システム、ルツボ管理方法、シリカガラスルツボの製造方法、シリコンインゴットの製造方法、ホモエピタキシャルウェーハの製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、シリカガラスルツボをシリコン単結晶の引き上げに使用する前(使用前)の段階で、引き上げ中や引き上げ後のシリカガラスルツボの変形可能性を予測して、ルツボ変形にともなうシリコン単結晶(インゴット)への結晶欠陥の発生を抑制し、高品質なシリコン単結晶およびホモエピタキシャルウェーハを提供できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一形態であるルツボ管理システムは、
シリカガラスルツボの内表面に向かってレーザー光を照射し、シリカガラスルツボの内表面で反射した内表面反射光を検出する内部反射光検出手段と、
前記内部反射光検出手段による検出結果に基づいて、前記内表面反射光を検出した際の前記内部反射光検出手段の位置とシリカガラスルツボの内表面との間の距離である内表面距離を算出する内部距離算出手段と、
前記内表面距離と当該内表面距離の算出元となる前記内表面反射光を検出した際の前記内部反射光検出手段の位置を示す三次元座標とに基づいて、シリカガラスルツボの内表面の位置を示す三次元座標である内表面座標を算出する座標算出手段と、
シリカガラスルツボの内表面の画像データを取得する内表面画像データ取得手段と、
前記内表面画像データ取得手段が取得した画像データと当該画像データの撮影箇所を示す前記内表面座標とを対応付けた情報をシリカガラスルツボごとのルツボデータ情報として記憶するルツボデータ情報記憶手段と、
を有する
という構成を採る。
この構成によると、内部反射光検出手段が検出した内表面反射光に基づいて、内部距離算出手段が内表面距離を算出する。また、算出した内表面距離を用いて、座標算出手段がシリカガラスルツボの内表面が位置する三次元座標である内表面座標を算出する。また、内表面画像データ取得手段がシリカガラスルツボの内表面の画像データを取得する。そして、画像データと対応する内表面座標とを対応付けて記憶する。
このように、本発明によると、シリカガラスルツボの内表面の画像データと当該画像データの撮影箇所を示す内表面座標とを対応付けた情報をシリカガラスルツボごとのルツボデータ情報として記憶する。このような構成により、シリコン単結晶引き上げの際に何らかの問題が生じた場合、記憶している情報により、シリコン単結晶引き上げによる変形・溶損前の状態を参照することが出来る。その結果、シリコン単結晶引き上げによる変形・溶損前の状態から問題の原因の特定を試みることが可能となる。つまり、上記構成により、シリコン単結晶引き上げ後に変形前のシリカガラスルツボを調査して原因を特定することが可能となる。
また、本発明の他の形態であるルツボ管理方法は、
シリカガラスルツボの内表面に向かってレーザー光を照射し、シリカガラスルツボの内表面で反射した内表面反射光を検出し、
検出結果に基づいて、前記内表面反射光を検出した際の位置とシリカガラスルツボの内表面との間の距離である内表面距離を算出し、
前記内表面距離と当該内表面距離の算出元となる前記内表面反射光を検出した際の位置を示す三次元座標とに基づいて、シリカガラスルツボの内表面の位置を示す三次元座標である内表面座標を算出し、
前記内表面座標におけるシリカガラスルツボの内表面の画像データを取得し、
前記内表面座標と当該内表面座標におけるシリカガラスルツボの内表面の画像データとを対応付けてシリカガラスルツボごとのルツボデータ情報として記憶する
という構成を採る。
また、本発明の他の形態であるシリカガラスルツボの製造方法は、
シリカガラスルツボの内表面に向かってレーザー光を照射し、シリカガラスルツボの内表面で反射した内表面反射光を検出し、検出結果に基づいて、前記内表面反射光を検出した際の位置とシリカガラスルツボの内表面との間の距離である内表面距離を算出し、前記内表面距離と当該内表面距離の算出元となる前記内表面反射光を検出した際の位置を示す三次元座標とに基づいて、シリカガラスルツボの内表面の位置を示す三次元座標である内表面座標を算出し、前記内表面座標におけるシリカガラスルツボの内表面の画像データを取得し、前記内表面座標と当該内表面座標におけるシリカガラスルツボの内表面の画像データとを対応付けてシリカガラスルツボごとのルツボデータ情報として記憶する工程を含む
という構成を採る。
また、本発明の他の形態であるシリコンインゴットの製造方法は、
上述したシリカガラスルツボの製造方法により製造されたシリカガラスルツボを用いてシリコン単結晶の引き上げを行う工程を有する
という構成を採る。
また、本発明の他の形態であるホモエピタキシャルウェーハの製造方法は、上記方法によって製造したシリコンインゴットを切り出して形成されたウェーハによる基板部を形成する工程と、基板部の上にシリコン単結晶のエピタキシャル層を形成する工程と、を備える。
本発明は、以上のように構成されることにより、シリコン単結晶引き上げ後に変形前のシリカガラスルツボを調査して原因を特定することが出来ない、という問題を解決することが出来る。
本発明の第1の実施形態において測定・管理の対象となるシリカガラスルツボの構成の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態におけるルツボ管理システムの構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態における測定装置の構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態における内部測距部の構成の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態における内部測距部の構成の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態における外部測距部の構成の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態における外部測距部の構成の一例を示す図である。 内部測距部及び外部測距部による距離測定の詳細を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態における歪み画像取得部の構成の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態におけるルツボ形状情報の構成の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態における内部画像情報の構成の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態における外部画像情報の構成の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態における歪み画像情報の構成の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態におけるルツボ管理システムがシリカガラスルツボの内表面座標を算出して算出結果を格納する際の動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態におけるルツボ管理システムがシリカガラスルツボの界面座標を算出して算出結果を格納する際の動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態におけるルツボ管理システムがシリカガラスルツボの外表面座標を算出して算出結果を格納する際の動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態におけるルツボ管理システムがシリカガラスルツボの画像データを取得して格納する際の動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態におけるルツボ管理システムの構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態におけるルツボ管理システムの構成の一例を示すブロック図である。 (a)〜(c)は、本実施形態に係るシリカガラスルツボを用いたシリコン単結晶の製造方法を説明する模式図である。 シリコン単結晶のインゴットを例示する模式図である。 (a)〜(c)は引き上げ制御を説明する模式図である。 ルツボの内径の変動量を示す図である。 ボロンコフ理論に基づいて各種の欠陥が発生する状況を説明する模式図である。 単結晶育成時の引き上げ速度と欠陥分布との関係を示す模式図である。 エピタキシャルウェーハを例示する模式断面図である。 ルツボ製造からウェーハ製造までの工程を例示するフローチャートである。
[実施形態1]
本発明の第1の実施形態におけるルツボ管理システム2、ルツボ管理方法、シリカガラスルツボの製造方法、シリコンインゴットの製造方法を、図1乃至図17を参照して説明する。図1は、シリカガラスルツボ1の構成の一例を示す図である。図2は、ルツボ管理システム2の構成の一例を示すブロック図である。図3は、図2で示す測定装置3に含まれ得る構成の一例を示すブロック図である。図4、図5は、内部測距部31の構成の一例を示す図である。図6、図7は、外部測距部32の構成の一例を示す図である。図8は、内部測距部31及び外部測距部32による距離測定の詳細を説明するための図である。図9は、歪み画像取得部35の構成の一例を示す図である。図10は、ルツボ形状情報421の構成の一例を示す図である。図11は、内部画像情報422の構成の一例を示す図である。図12は、外部画像情報423の構成の一例を示す図である。図13は、歪み画像情報424の構成の一例を示す図である。図14は、ルツボ管理システム2が内表面座標を算出して格納する際の動作の一例を示すフローチャートである。図15は、ルツボ管理システム2が界面座標を算出して格納する際の動作の一例を示すフローチャートである。図16は、ルツボ管理システム2が外表面座標を算出して格納する際の動作の一例を示すフローチャートである。図17は、ルツボ管理システム2が画像データを取得して格納する際の動作の一例を示すフローチャートである。
本発明の第1の実施形態では、製造されたシリカガラスルツボ1を測定し、測定結果を記憶装置42に格納して管理するルツボ管理システム2について説明する。後述するように、本実施形態におけるルツボ管理システム2は、シリカガラスルツボ1の形状データ(例えば、内表面座標、外表面座標、界面座標)を算出して格納する。また、ルツボ管理システム2は、シリカガラスルツボ1の内表面の画像データと当該内表面の画像データの撮影箇所を示す内表面座標とを対応付けて記憶する。また、ルツボ管理システム2は、シリカガラスルツボ1に生じている歪みを示す歪み画像データを記憶する。また、ルツボ管理システム2は、シリカガラスルツボ1の外表面の画像データと当該外表面の画像データの撮影箇所を示す外表面座標とを対応付けて記憶する。このような構成により、ルツボ管理システム2は、例えばシリコン単結晶引き上げ後に変形前のシリカガラスルツボ1を調査して原因を特定することを可能とする。
<1.シリカガラスルツボ1>
図1で示すように、本実施形態におけるルツボ管理システム2による測定・管理の対象となるシリカガラスルツボ1は、円筒状の側壁部11と、湾曲した底部12と、側壁部11と底部12とを連結し且つ底部12よりも曲率が大きいコーナー部13と、を備えた形状を有している。また、シリカガラスルツボ1の側壁部11の上端面は、円環状の平坦な面として形成されている。
シリカガラスルツボ1は、当該シリカガラスルツボ1の内面から外面に向かって、目視や画像データなどに基づいて気泡が観察されない透明層111と気泡が観察される気泡含有層112とを備えている。シリカガラスルツボ1は、直径が28インチ(約71cm)、32インチ(約81cm)、36インチ(約91cm)、40インチ(約101cm)など様々な大きさを有している。
このようなシリカガラスルツボ1は、例えば、回転モールド法を用いて製造される。つまり、シリカガラスルツボ1は、回転している(カーボン製の)モールドの内表面にシリカ粉を堆積させてシリカ粉層を形成し、当該堆積させたシリカ粉層を減圧しながらアーク熔融することで製造する。アーク熔融を行う際に、アーク熔融の初期段階でシリカ粉を強く減圧し、その後、減圧を弱くすることで、内表面側に透明層111を有し外表面側に気泡含有層112を有するシリカガラスルツボ1を製造することが出来る。
シリカガラスルツボ1の製造に用いられるシリカ粉には、天然石英を粉砕して製造される天然シリカ粉と化学合成によって製造される合成シリカ粉とがある。天然シリカ粉は不純物を含んでいるが、合成シリカ粉は高純度である。一方で、合成シリカ粉を熔融して得られる合成シリカガラスは、天然シリカ粉を熔融して得られるシリカガラスよりも高温における粘度が低くなる。このように、天然シリカ粉と合成シリカ粉とはその性質において複数の差異を有している。シリカガラスルツボ1を製造する際には、天然シリカ粉と合成シリカ粉とを使い分けることが出来る。
<2.ルツボ管理システム2>
図2で示すように、本実施形態におけるルツボ管理システム2は、複数の測定装置3と、情報処理装置4と、を有している。複数の測定装置3のそれぞれと情報処理装置4とは互いに通信可能なよう接続されている。
<3.測定装置3>
図3は、ルツボ管理システム2が有することが可能な測定装置3の一例を示している。図3を参照すると、本実施形態におけるルツボ管理システム2は、測定装置3として、例えば、内部測距部31(内部反射光検出手段)と外部測距部32(外部反射光検出手段)と内表面画像取得部33(内表面画像データ取得手段)と外表面画像取得部34(外表面画像データ取得手段)と歪み画像取得部35(歪み画像データ取得手段)とを有している。
なお、ルツボ管理システム2は、図3で示す測定装置3を必ずしも全て有していなくても構わない。ルツボ管理システム2は、少なくとも内部測距部31と内表面画像取得部33とを有していればよい。
<4.内部測距部31>
内部測距部31は、レーザー変位計などからなり、後述するように、レーザー光照射部311と検出部312とを有している(図8参照)。内部測距部31は、例えば情報処理部513の制御によりシリカガラスルツボ1の内表面に沿って非接触で移動する。このとき、内部測距部31のレーザー光照射部311は、移動経路上の複数の測定点において、シリカガラスルツボ1の内表面に対して斜め方向にレーザー光を照射する。そして、内部測距部31の検出部312は、シリカガラスルツボ1の内表面で反射した内表面反射光や透明層111と気泡含有層112との界面で反射した界面反射光を検出する。このように、内部測距部31は、シリカガラスルツボ1の内表面に向かって斜め方向にレーザー光を照射し、内表面反射光や界面反射光を検出する。後述するように、内部測距部31が検出した検出結果に基づいて、内部測距部31とシリカガラスルツボ1の内表面との間の距離である内表面距離や内部測距部31と界面との間の距離である界面距離が算出され、また、シリカガラスルツボ1の内表面の座標である内表面座標が算出されることになる。
図4、図5で示すように、本実施形態における内部測距部31は、例えば、内部ロボットアーム51の先端に設置される。内部ロボットアーム51は、複数のアーム部511と、複数のジョイント部512と、情報処理部513(内部距離算出手段)と、を有しており、好ましくは、6軸多関節ロボットである。アーム部511とアーム部511とは、ジョイント部512により回転可能に支持されており、内部ロボットアーム51の一方の端部には情報処理部513が接続され、他方の端部には内部測距部31が設置されている。また、情報処理部513には図示しない外部端子が設けられており、当該外部端子を介して情報処理装置4と接続されている。このような構成により、内部測距部31を三次元的に動かすことが可能となる。このように、内部測距部31は、三次元的に移動させることが出来るよう構成された内部ロボットアーム51に設置されている。
<4−1.シリカガラスルツボ1の内表面の測定>
内部測距部31を用いてシリカガラスルツボ1の内表面の測定を行う際には、例えば、測定対象であるシリカガラスルツボ1を、回転可能に形成された回転台6上に開口部が下向きになるよう載置する。また、上記載置によりシリカガラスルツボ1に覆われる位置に設けられた基台7上に、先端に内部測距部31を設置した内部ロボットアーム51を設置する。
このように設置した後、例えば情報処理部513による制御のもと、シリカガラスルツボ1の内表面の測定が行われることになる。本実施形態においては、情報処理部513は、シリカガラスルツボ1の大まかな内表面形状データを記憶している。情報処理部513は、当該データと自身が記憶するプログラム又は情報処理装置4からの外部入力信号とに基づいてジョイント部512を回転させてアーム部511を動かすことで、内部測距部31をシリカガラスルツボ1の内表面に沿って非接触で移動させる。これにより、内部測距部31はシリカガラスルツボ1の内表面に沿って非接触で移動することとなる。そして、上記のように、内部測距部31は、移動経路上の複数の測定点においてシリカガラスルツボ1の内表面に対して斜め方向にレーザー光を照射し、内表面反射光や界面反射光を検出する。具体的には、例えば、図4に示すようなシリカガラスルツボ1の開口部近傍に近い位置から測定を開始し、図5に示すように、シリカガラスルツボ1の底部12に向かって内部測距部31を移動させる。そして、内部測距部31は、移動経路上の複数の測定点において測定(レーザー光の照射及び反射光の検出)を行う。内部測距部31は、例えば、1〜5mm(例えば、2mm)の間隔で測定を行う。上記測定は、例えば、予め内部測距部31内に記憶されたタイミングで行うことになる。なお、内部測距部31は、例えば、情報処理部513からの指示に従って測定を行うなど、外部からの指示に従って測定を行っても構わない。測定の後、内部測距部31は、測定結果(検出結果)を情報処理部513に送信する。内部測距部31は、内部測距部31内の記憶部に測定結果を一時的に格納し測定終了後にまとめて情報処理部513に測定結果を送信するよう構成しても構わないし、測定の度に逐次、測定結果を情報処理部513に送信するよう構成しても構わない。
シリカガラスルツボ1の開口部から底部12までの測定が終わると、回転台6を所定角度分回転させ、内部測距部31による同様の測定を行う。この測定は、底部12から開口部の方向に向かって行っても構わない。回転台6の回転角は、精度と測定時間とを考慮して決定される。回転台6の回転角は、例えば、2〜10度(好ましくは6.3度以下)とする。回転台6の回転は、プログラム又は外部入力信号に基づいて、例えば情報処理部513により制御される。なお、回転台6の回転角は、ロータリーエンコーダ等によって検出可能である。回転台6の回転は、内部測距部31と連動して行われることが望ましい。回転台6の回転を内部測距部31の動作と連動して行うことで、内部測距部31による測定結果に基づいて容易に三次元座標を算出することが可能となる。
例えば、上記のようにして、シリカガラスルツボ1の内表面の測定が行われる。内部測距部31による測定結果は、上記のように情報処理部513へと送信される。情報処理部513は、受信した測定結果に基づいて、内表面反射光を検出した際の内部測距部31の位置(詳しくは、検出部312の位置)とシリカガラスルツボ1の内表面との間の距離である内表面距離を算出する。また、情報処理部513は、受信した測定結果に基づいて、当該内部測距部31の位置とシリカガラスルツボ1の界面との間の距離である界面距離を算出する。そして、情報処理部513は、算出結果を情報処理装置4へと送信する。
なお、ジョイント部512の角度は当該ジョイント部512に設けられたロータリーエンコーダ等によって検出することが出来る。また、アーム部511の長さは一定であり予め定まっている。そのため、内部測距部31が測定を行う際における各測定点での内部測距部31の位置の三次元座標及び方向は容易に算出することが出来る。情報処理部513は、上記算出結果と測定結果とに基づいて、内表面距離及び界面距離を求めることになる。なお、内表面距離及び界面距離の詳細な算出方法は後述する。
<5.外部測距部32>
外部測距部32は、内部測距部31と同様に、レーザー変位計などからなり、後述するように、レーザー光照射部321と検出部322とを有している(図8参照)。外部測距部32は、例えば情報処理部523の制御により、シリカガラスルツボ1の外表面に沿って非接触で移動する。そして、外部測距部32のレーザー光照射部321は、移動経路上の複数の測定点において、シリカガラスルツボ1の外表面に対して斜め方向にレーザー光を照射する。続いて、外部測距部32の検出部322は、シリカガラスルツボ1の外表面で反射した外表面反射光を検出する。このように、外部測距部32は、シリカガラスルツボ1の外表面に向かって斜め方向にレーザー光を照射し、外表面反射光を検出する。外部測距部32が検出した検出結果に基づいて、外部測距部32とシリカガラスルツボ1の外表面との間の距離である外表面距離が算出され、また、シリカガラスルツボ1の外表面の座標である外表面座標が算出されることになる。
図6、図7で示すように、本実施形態における外部測距部32は、例えば、外部ロボットアーム52の先端に設置される。外部ロボットアーム52は、複数のアーム部521と、複数のジョイント部522と、情報処理部523(外部距離算出手段)と、を有しており、好ましくは、6軸多関節ロボットである。アーム部521とアーム部521とは、ジョイント部522により回転可能に支持されており、外部ロボットアーム52の一方の端部には情報処理部523が接続され、他方の端部には外部測距部32が設置されている。また、情報処理部523には図示しない外部端子が設けられており、当該外部端子を介して情報処理装置4と接続されている。このような構成により、外部測距部32を三次元的に動かすことが可能となる。このように、外部測距部32は、三次元的に移動させることが出来るよう構成された外部ロボットアーム52に設置されている。
<5−1.シリカガラスルツボ1の外表面の測定>
外部測距部32を用いてシリカガラスルツボ1の外表面の測定を行う際には、例えば内表面の測定を行う際と同様に、測定対象であるシリカガラスルツボ1を回転可能に形成された回転台6上に開口部が下向きになるよう載置する。また、上記載置されたシリカガラスルツボ1の外部に設けられた基台7上に、先端に外部測距部32を設置した外部ロボットアーム52を設置する。
このように設置した後、例えば情報処理部523による制御のもと、シリカガラスルツボ1の外表面の測定が行われることになる。本実施形態においては、情報処理部523は、情報処理部513と同様にシリカガラスルツボ1の大まかな外表面形状データを記憶している。情報処理部523は、当該データと自身が記憶するプログラム又は情報処理装置4からの外部入力信号とに基づいてジョイント部522を回転させてアーム部521を動かすことで、外部測距部32をシリカガラスルツボ1の外表面に沿って非接触で移動させる。これにより、外部測距部32はシリカガラスルツボ1の外表面に沿って非接触で移動することとなる。そして、上記のように、外部測距部32は、移動経路上の複数の測定点においてシリカガラスルツボ1の外表面に対して斜め方向にレーザー光を照射し、外表面反射光を検出する。具体的には、例えば、図6に示すようなシリカガラスルツボ1の開口部近傍に近い位置から測定を開始し、図7に示すように、シリカガラスルツボ1の底部12に向かって外部測距部32を移動させる。そして、外部測距部32は、移動経路上の複数の測定点において測定を行う。外部測距部32は、例えば、1〜5mm(例えば、2mm)の間隔で測定を行う。上記測定は、例えば、予め外部測距部32内に記憶されたタイミングで行うことになる。なお、外部測距部32は、例えば、情報処理部523からの指示に従って測定を行うなど、外部からの指示に従って測定を行っても構わない。測定の後、外部測距部32は、測定結果を情報処理部523に送信する。外部測距部32は、外部測距部32内の記憶部に測定結果を一時的に格納し測定終了後にまとめて情報処理部523に測定結果を送信するよう構成しても構わないし、測定の度に逐次、測定結果を情報処理部523に送信するよう構成しても構わない。
シリカガラスルツボ1の開口部から底部12までの測定が終わると、回転台6を所定角度分回転させ、同様の測定行う。この測定は、底部12から開口部の方向に向かって行っても構わない。なお、外部測距部32による測定は、内部測距部31による測定と同時に行われても構わないし、それぞれ独自に行われても構わない。内部測距部31と外部測距部32とを用いて内表面と外表面の測定を同時に行う場合、回転台6の回転は、内部測距部31及び外部測距部32の移動と連動して行うことが好ましい。
例えば、上記のようにして、シリカガラスルツボ1の外表面の測定が行われる。外部測距部32による測定結果は、上記のように情報処理部523へと送信される。情報処理部523は、受信した測定結果に基づいて、外表面反射光を検出した際の外部測距部32の位置とシリカガラスルツボ1の外表面との間の距離である外表面距離を算出する。そして、情報処理部523は、算出結果を情報処理装置4へと送信する。
なお、ジョイント部522の角度は当該ジョイント部522に設けられたロータリーエンコーダ等によって検出することが出来る。また、アーム部521の長さは一定であり予め定まっている。そのため、外部測距部32が測定を行う際における各測定点での外部測距部32の位置の三次元座標及び方向は容易に算出することが出来る。情報処理部523は、上記算出結果と測定結果とに基づいて、外表面距離を求めることになる。なお、外表面距離の詳細な算出方法は後述する。
<6.距離測定の詳細>
次に、図8を用いて、内部測距部31及び外部測距部32による距離測定の詳細について説明する。図8に示すように、内部測距部31は、ルツボ1の内表面側(透明層111側)に配置され、外部測距部32は、ルツボ1の外表面側( 気泡含有層112側)に配置される。上述したように、内部測距部31は、レーザー光を照射するレーザー光照射部311と、内表面反射光及び界面反射光を検出する検出部312とを含んでいる。同様に、外部測距部32は、レーザー光を照射するレーザー光照射部321と、外表面反射光を検出する検出部322とを含んでいる。また、内部測距部31及び外部測距部32は、図示しない制御部及び外部端子を有する。
レーザー光照射部311、321は、例えば、半導体レーザーや固体レーザーなどであり、上記のようにレーザー光を照射可能なよう構成されている。レーザー光照射部311、321が照射するレーザー光の波長は特に限定しないが、レーザー光照射部311、321の一例としては、例えば、AlGaInP(アルミニウム ガリウム インジウム リン)系可搬型レーザー光源(出力波長630nm付近)などを挙げることが出来る。検出部312及び検出部322は、例えばCCD(Charge Coupled Device)で構成され、反射光を検出可能なよう構成されている。
図8で示すように、内部測距部31のレーザー光照射部311は、シリカガラスルツボ1の内表面側からシリカガラスルツボ1の内表面に向かってレーザー光を照射する。内部測距部31のレーザー光照射部311から照射されたレーザー光は、一部が内表面(透明層111の表面)で反射し一部が屈折して透明層111内部を進む。また、屈折した光の一部が透明層111と気泡含有層112の界面で反射する。上記各地点で反射した反射光(内表面反射光、界面反射光)は、検出部312に当たって検出される。つまり、内部測距部31の検出部312は、シリカガラスルツボ1の内表面で反射した内表面反射光を検出するとともに、界面で反射した界面反射光を検出する。図8から明らかなように、内表面反射光と界面反射光とは、検出部312の異なる位置に当たっている。この当たる位置の違いによって、内部測距部31から内表面までの距離(内表面距離)及び界面までの距離(界面距離)がそれぞれ決定されることになる。具体的には、上記内表面距離及び界面距離の算出は、例えば、情報処理部513により行われる。情報処理部513は、検出部312が検出した反射光が当たった位置に基づいて三角測量法の原理により内表面や界面までの距離を算出する。つまり、レーザー光照射部311や検出部312の位置や角度は既知であるため、情報処理部513は、検出部312の検出結果に基づいて、三角測量法の原理により、内表面距離や界面距離を算出することが出来る。なお、好適な入射角θは、内表面の状態、透明層111の厚さ、気泡含有層112の状態等によって、変化しうるが例えば30〜60度の範囲となる。
なお、内部測距部31から内表面までの距離が遠すぎる場合や、内表面又は界面が局所的に傾いている場合には、反射光の検出をうまく行えない場合がある。そのような場合には、内部測距部31を内表面に近づけたり、内部測距部31を傾けてレーザー光の出射方向を変化させたりすることで、反射光を検出可能な位置及び角度を探索することが出来る。また、内表面反射光と界面反射光とを同時に検出することが難しい場合などにおいては、内部測距部31の位置及び角度を変えながらそれぞれの反射光を別々に検出しても構わない。内部測距部31をシリカガラスルツボ1の内表面に近付ける場合には、内部測距部31が内表面に接触することを避けるために、最大近接位置を設定しておいて、その位置よりも内表面に近づけないようにすることが好ましい。
また、透明層111中に独立した気泡が存在する場合、この気泡からの反射光を内部測距部31が検出してしまい、透明層111と気泡含有層112との界面を適切に検出できない場合がある。このような場合に備えるため、ある測定点Aで測定された界面の位置が前後の測定点で測定された界面の位置から大きく(例えば、予め定められた所定の基準値を超えて)ずれている場合には、測定点Aでのデータを除外してもよい。また、その場合、測定点Aからわずかにずれた位置で再度測定を行って得られたデータを採用してもよい。
また、外部測距部32のレーザー光照射部321から照射されたレーザー光は、外表面(気泡含有層112)の表面で反射し、その反射光(外表面反射光)が検出部322に当たって検出される。この検出部322上での検出位置に基づいて、情報処理部523は、外部測距部32とシリカガラスルツボ1の外表面との間の距離である外表面距離を算出することになる。なお、内部測距部31の場合と同様に、反射光の検出をうまく行えない場合には、外部測距部32の位置や角度を調整して、望ましい位置及び角度を探索することが出来る。
<7.内表面画像取得部33>
本実施形態における内表面画像取得部33は、例えば、CCDイメージセンサ等を有するカメラであり、内部ロボットアーム51の先端に設置される。内表面画像取得部33は、上記カメラなどによりシリカガラスルツボ1の内表面の画像データを撮影して取得する。本実施形態においては、内表面画像取得部33は、算出した内表面座標におけるシリカガラスルツボ1の内表面の画像データを取得する。上記のように内表面画像取得部33は、内部ロボットアーム51の先端に設置される。従って、内表面画像取得部33の位置及び向きは既知である。また、シリカガラスルツボ1の回転も上述したように制御されている。従って、内表面画像取得部33の位置及び向きとシリカガラスルツボ1の状態とに基づくことで、算出した内表面座標におけるシリカガラスルツボ1の内表面の画像データを取得することが出来る。
なお、内表面画像取得部33は、内部測距部31と同時に内部ロボットアーム51の先端に設置されても構わないし、内部測距部31の代わりに内部ロボットアーム51の先端に設置されても構わない。また、内表面画像取得部33は、例えば、内部測距部31と同様の流れにより同様の間隔でシリカガラスルツボ1の画像データを取得することが出来る。内表面画像取得部33は、内部測距部31よりも広い間隔で画像データを取得しても構わない。例えば、内表面画像取得部33は、取得する画像データの大きさに応じた間隔で画像データを取得する。具体的には、内表面画像取得部33は、50mm×50mmの大きさの画像データや30mm×30mmの大きさの画像データを取得する。そこで、内表面画像取得部33は、撮影する画像データの大きさに基づいて、過不足なくシリカガラスルツボ1の内表面を撮影可能な間隔でシリカガラスルツボ1の内表面を撮影することが出来る。
<8.外表面画像取得部34>
外表面画像取得部34は、内表面画像取得部33と同様の構成を有しており、外部ロボットアーム52の先端に設置される。外表面画像取得部34は、上記カメラなどによりシリカガラスルツボ1の外表面の画像データを撮影して取得する。外表面画像取得部34は、算出した外表面座標におけるシリカガラスルツボ1の外表面の画像データを取得する。外表面画像取得部34は、外部ロボットアーム52の先端に設置されるため、内表面画像取得部33と同様の理由により、算出した外表面座標におけるシリカガラスルツボ1の外表面の画像データを取得することが出来る。なお、外表面画像取得部34は、内表面画像取得部33と同様の間隔で画像データを撮影しても構わないし、内表面画像取得部33と異なる間隔で画像データを撮影しても構わない。
<9.歪み画像取得部35>
図9で示すように、歪み画像取得部35は、例えば、シリカガラスルツボ1に対して光を照射する光源351と光源351からの光を偏光にする偏光子352とからなる投光部353と、透過軸の方向が偏光子352と実質的に直交するように配置された検光子354と検光子354を通過した光を集光するレンズ355とレンズ355で集光された光を検出する受光器(例えば、CCDカメラ)356とからなる受光部357と、で構成される。シリカガラスルツボ1を構成するシリカガラスは、歪みがない状態では複屈折性を有さない。そのため、偏光子352を通過した光がシリカガラスルツボ1を通過しても偏光方向が変化せず、検光子354を通過する光の成分が実質的に0になる。一方、シリカガラスが歪み(残留応力)を有すると複屈折性を有するようになる。従って、歪みを有している場合、偏光子352を通過した光がシリカガラスルツボ1を通過したときに偏光方向が変化して、検光子354を通過する成分を有するようになる。そして、検光子354を通過する成分を、レンズ355を介して受光器356で検出することによって、歪み画像データを撮影することができる。なお、レンズ355は省略可能である。
なお、図9では、一例として、投光部353をシリカガラスルツボ1の外側に配置し、受光部357をシリカガラスルツボ1の内側に配置した場合を挙げた。しかしながら、配置は図9で挙げた場合に限定されない。例えば、投光部353をシリカガラスルツボ1の内側に配置し、受光部357をシリカガラスルツボ1の外側に配置しても構わない。
また、歪み画像取得部35は、内部ロボットアーム51及び外部ロボットアーム52の先端に設置することが出来る。例えば、投光部353を外部ロボットアーム52の先端に設置し、受光部357を内部ロボットアーム51の先端に設置する。このように構成することで、シリカガラスルツボ1に生じている歪みの三次元分布を容易な方法で測定することが出来る。
<10.情報処理装置4>
情報処理装置4は、測定装置3から算出結果などの各種情報(例えば、内表面距離や外表面距離、画像データ、歪み画像データなど)を受信する。そして、情報処理装置4は、受信した情報に基づいて、シリカガラスルツボ1の内表面座標や外表面座標を算出する。また、情報処理装置4は、受信した情報や、算出した内表面座標や外表面座標を記憶装置42に格納して管理する。
図2を参照すると、情報処理装置4は、座標算出部41(座標算出手段)と記憶装置42(ルツボデータ情報記憶手段)とを有している。情報処理装置4は、図示しない中央演算装置(CPU:Central Processing Unit))を有しており、記憶装置42(記憶装置42以外の図示しない記憶装置でも構わない)が記憶するプログラムをCPUが実行することで、座標算出部41などを実現する。座標算出部41は、座標算出プログラムとしてCPUで実行されてもよい。
<10−1.座標算出部41>
座標算出部41は、測定装置3から受信した算出結果などに基づいて、シリカガラスルツボ1の形状を示す三次元座標を算出する。
例えば、座標算出部41は、内部測距部31から受信した内表面距離に基づいて、シリカガラスルツボ1の内表面の三次元座標を算出する。具体的には、座標算出部41は、内表面距離と当該内表面距離の算出元となる内表面反射光を検出した際の内部測距部31の位置を示す三次元座標と内部測距部31の向きとを示す情報を取得する。そして、座標算出部41は、取得した情報に基づいて、シリカガラスルツボ1の内表面の三次元座標である内表面座標を算出する。その後、座標算出部41は、算出した内表面座標を記憶装置42に格納する。
また、座標算出部41は、内部測距部31から受信した界面距離に基づいて、シリカガラスルツボ1の透明層111と気泡含有層112との界面の三次元座標を算出する。具体的には、座標算出部41は、界面距離と当該界面距離の算出元となる界面反射光を検出した際の内部測距部31の位置を示す三次元座標と内部測距部31の向きとを示す情報を取得する。そして、座標算出部41は、取得した情報に基づいて、シリカガラスルツボ1の界面の三次元座標である界面座標を算出する。その後、座標算出部41は、算出した界面座標を記憶装置42に格納する。
また、座標算出部41は、外部測距部32から受信した外表面距離に基づいて、シリカガラスルツボ1の外表面の三次元座標を算出する。具体的には、座標算出部41は、外表面距離と当該外表面距離の算出元となる外表面反射光を検出した際の外部測距部32の位置を示す三次元座標と外部測距部32の向きとを示す情報を取得する。そして、座標算出部41は、取得した情報に基づいて、シリカガラスルツボ1の外表面の三次元座標である外表面座標を算出する。その後、座標算出部41は、算出した外表面座標を記憶装置42に格納する。
<10−2.記憶装置42>
記憶装置42は、メモリやハードディスクなどの記憶装置である。記憶装置42には、シリカガラスルツボ1の形状や画像データなどを示すルツボデータ情報がルツボごとに格納されている。具体的には、記憶装置42には、ルツボごとのルツボデータ情報として、ルツボ形状情報421と内部画像情報422と外部画像情報423と歪み画像情報424とが格納されている。
ルツボ形状情報421は、シリカガラスルツボ1の形状を示す情報である。図10(a)で示すように、ルツボ形状情報421には、シリカガラスルツボ1の内表面座標が含まれている。図10(a)の1行目は、シリカガラスルツボ1の内表面座標が(X1,Y1,Z1)であることを示している。また、図10(b)で示すように、ルツボ形状情報421には、シリカガラスルツボ1の外表面座標が含まれている。図10(b)の1行目は、シリカガラスルツボ1の外表面座標が(x1,y1,z1)であることを示している。また、ルツボ形状情報421には、シリカガラスルツボ1の界面座標が含まれている。図10(c)の1行目は、シリカガラスルツボ1の界面座標が(α1,β1,γ1)であることを示している。
上述したように、内部測距部31及び外部測距部32は、シリカガラスルツボ1の各地点について測定を行っている。そのため、ルツボ形状情報421には、シリカガラスルツボ1の内表面及び外表面、界面の各地点の三次元座標が格納されることになる。シリカガラスルツボ1の内表面、外表面、界面の各地点における三次元座標を用いることで、当該格納された情報に基づいて、シリカガラスルツボ1の内表面三次元形状、外表面三次元形状、界面の三次元形状をそれぞれ推定することが出来る。
内部画像情報422は、シリカガラスルツボ1の内表面の画像データを示す情報である。図11で示すように、内部画像情報422では、例えば、シリカガラスルツボ1の内表面の画像データと、当該画像データの撮影箇所を示す内表面座標とが対応付けられている。図11の1行目は、内表面座標(X1,Y1,Z1)を撮影した画像データがAであることを示している。このように、内部画像情報422は、シリカガラスルツボ1の内表面の画像データと当該画像データの撮影箇所を示す内表面座標とを対応付けた情報である。
外部画像情報423は、シリカガラスルツボ1の外表面の画像データを示す情報である。図12で示すように、外部画像情報423では、例えばシリカガラスルツボ1の外表面の画像データと、当該画像データの撮影箇所を示す外表面座標とが対応付けられている。図12の1行目は、外表面座標(x1,y1,z1)を撮影した画像データがaであることを示している。このように、外部画像情報423は、シリカガラスルツボ1の外表面の画像データと当該画像データの撮影箇所を示す外表面座標とを対応付けた情報である。
歪み画像情報424は、シリカガラスルツボ1に生じている歪みを表す歪み画像データを示す情報である。図13で示すように、歪み画像情報424では、例えば、歪み画像データと、当該歪み画像データの撮影箇所を示す内表面座標とが対応付けられている。図13の1行目は、内表面座標(X1,Y1,Z1)を撮影した歪み画像データがΔであることを示している。このように、歪み画像情報424は、歪み画像データと当該歪み画像データの撮影箇所を示す内表面座標とを対応付けた情報である。なお、歪み画像情報424は、歪み画像データと当該歪み画像データの撮影箇所を示す外表面座標とを対応づけた情報であっても構わない。
以上が、ルツボ管理システム2の構成の一例についての説明である。
<11.ルツボ管理システム2の動作>
次に、図14乃至図17を参照して、ルツボ管理システム2の動作(ルツボ管理システム2により行われるルツボ管理方法)について説明する。まず、図14を参照して、ルツボ管理システム2が内表面座標を算出して、算出結果を記憶装置42に格納する際のルツボ管理システム2の動作の一例について説明する。
<11−1.内表面座標を格納する際の動作>
図14に示すフローチャートは、本実施形態に係るルツボ管理方法の一態様である内表面座標を格納する際の動作である。
このルツボ管理方法は、シリカガラスルツボの内表面に向かってレーザー光を照射し、シリカガラスルツボの内表面で反射した内表面反射光を検出する工程(ステップS101)、検出結果に基づいて、前記内表面反射光を検出した際の位置とシリカガラスルツボの内表面との間の距離である内表面距離を算出する工程(ステップS102)、前記内表面距離と当該内表面距離の算出元となる前記内表面反射光を検出した際の位置を示す三次元座標とに基づいて、シリカガラスルツボの内表面の位置を示す三次元座標である内表面座標を算出する工程(ステップS103)、前記内表面座標におけるシリカガラスルツボの内表面の画像データを撮影して取得し、取得した前記画像データと当該画像データの撮影箇所を示す前記内表面座標とを対応付けた情報をシリカガラスルツボごとのルツボデータ情報として記憶する工程(ステップS104)を備える。
以下、具体的に説明する。
図14を参照すると、ルツボ管理システム2の内部測距部31は、例えば情報処理部513の制御によりシリカガラスルツボ1の内表面に沿って非接触で移動する。内部測距部31のレーザー光照射部311は、移動経路上の複数の測定点において、シリカガラスルツボ1の内表面に対して斜め方向にレーザー光を照射する。そして、内部測距部31の検出部312は、シリカガラスルツボ1の内表面で反射した内表面反射光を検出する(ステップS101)。その後、検出部312は、検出結果を情報処理部513へ送信する。
続いて、情報処理部513は、検出部312から受信した検出結果に基づいて、内表面反射光を検出した際の内部測距部31の位置とシリカガラスルツボ1の内表面との間の距離である内表面距離を算出する(ステップS102)。そして、情報処理部513は、算出結果である内表面距離や当該内表面距離の算出元となる内表面反射光を検出した際の内部測距部31の位置を示す三次元座標や内部測距部31の向きを示す情報を情報処理装置4へ送信する。
情報処理装置4は、情報処理部513から受信した情報に基づいて、シリカガラスルツボ1の内表面座標を算出する。具体的には、情報処理装置4の座標算出部41は、情報処理部513から受信した内表面距離と当該内表面距離の算出元となる内表面反射光を検出した際の内部測距部31の位置を示す三次元座標と内部測距部31の向きとに基づいて、シリカガラスルツボ1の内表面の三次元座標である内表面座標を算出する(ステップS103)。その後、座標算出部41は、算出した内表面座標を記憶装置42に格納する(ステップS104)。
ルツボ管理システム2は、例えば上記のような動作により、内表面座標を算出して算出結果を記憶装置42に格納する。
<11−2.界面座標を格納する際の動作>
続いて、図15を参照して、ルツボ管理システム2が界面座標を算出して、算出結果を記憶装置42に格納する際のルツボ管理システム2の動作の一例について説明する。
図15に示すフローチャートは、本実施形態に係るルツボ管理方法の一態様である界面座標を格納する際の動作である。
このルツボ管理方法は、内側から外側に向かって透明層と気泡含有層とを有するシリカガラスルツボの内表面に向かってレーザー光を照射し、前記内表面反射光を検出するとともに、前記透明層と前記気泡含有層との界面により反射する界面反射光を検出する工程(ステップS201)、検出結果に基づいて、前記内表面距離を算出するとともに、前記内面反射光及び前記界面反射光を検出した際の位置と前記界面との間の距離である界面距離を算出する工程(ステップS202)、前記界面距離と当該界面距離の算出元となる前記内表面反射光を検出した際の位置を示す三次元座標とに基づいて、前記界面の位置を示す三次元座標である界面座標を算出する工程(ステップS203)、前記界面座標を含む前記ルツボデータ情報を記憶する工程(ステップS204)を備える。
以下、具体的に説明する。 図15を参照すると、ルツボ管理システム2の内部測距部31は、例えば情報処理部513の制御によりシリカガラスルツボ1の内表面に沿って非接触で移動する。内部測距部31のレーザー光照射部311は、移動経路上の複数の測定点において、シリカガラスルツボ1の内表面に対して斜め方向にレーザー光を照射する。そして、内部測距部31の検出部312は、シリカガラスルツボ1の界面で反射した界面反射光を検出する(ステップS201)。その後、検出部312は、検出結果を情報処理部513へ送信する。
続いて、情報処理部513は、検出部312から受信した検出結果に基づいて、界面反射光を検出した際の内部測距部31の位置とシリカガラスルツボ1の内表面との間の距離である界面距離を算出する(ステップS202)。そして、情報処理部513は、算出結果である界面距離や当該界面距離の算出元となる界面反射光を検出した際の内部測距部31の位置を示す三次元座標や内部測距部31の向きを示す情報を情報処理装置4へ送信する。
情報処理装置4は、情報処理部513から受信した情報に基づいて、シリカガラスルツボ1の界面面座標を算出する。具体的には、情報処理装置4の座標算出部41は、情報処理部513から受信した界面距離と当該界面距離の算出元となる界面反射光を検出した際の内部測距部31の位置を示す三次元座標と内部測距部31の向きとに基づいて、シリカガラスルツボ1の内表面の三次元座標である界面座標を算出する(ステップS203)。その後、座標算出部41は、算出した界面座標を記憶装置42に格納する(ステップS204)。
ルツボ管理システム2は、例えば上記のような動作により、界面座標を算出して算出結果を記憶装置42に格納する。なお、ルツボ管理システム2は、内表面反射光を検出して内表面距離を算出し内表面座標を算出する処理と同時に、界面反射光を検出して界面距離を算出し界面座標を算出する処理を実行しても構わない。
<11−3.外表面座標を格納する際の動作>
続いて、図16を参照して、ルツボ管理システム2が外表面座標を算出して、算出結果を記憶装置42に格納する際のルツボ管理システム2の動作の一例について説明する。
図16に示すフローチャートは、本実施形態に係るルツボ管理方法の一態様である外表面座標を格納する際の動作である。
このルツボ管理方法は、シリカガラスルツボの外表面に向かってレーザー光を照射し、シリカガラスルツボの外表面で反射した外表面反射光を検出する工程(ステップS301)、検出結果に基づいて、前記外表面反射光を検出した際の位置とシリカガラスルツボの外表面との間の距離である外表面距離を算出する工程(ステップS302)、前記外表面距離と当該外表面距離の算出元となる前記外表面反射光を検出した際の位置を示す三次元座標とに基づいて、シリカガラスルツボの外表面の位置を示す三次元座標である外表面座標を算出する工程(ステップS303)、前記外表面座標におけるシリカガラスルツボの外表面の画像データを撮影して取得し、取得した前記画像データと当該画像データの撮影箇所を示す前記外表面座標とを対応付けた情報をシリカガラスルツボごとのルツボデータ情報として記憶する工程(ステップS304)を備える。
以下、具体的に説明する。
図16を参照すると、ルツボ管理システム2の外部測距部32は、例えば情報処理部523の制御によりシリカガラスルツボ1の外表面に沿って非接触で移動する。外部測距部32のレーザー光照射部321は、移動経路上の複数の測定点において、シリカガラスルツボ1の外表面に対して斜め方向にレーザー光を照射する。そして、外部測距部32の検出部322は、シリカガラスルツボ1の外表面で反射した外表面反射光を検出する(ステップS301)。その後、検出部322は、検出結果を情報処理部523へ送信する。
続いて、情報処理部523は、検出部322から受信した検出結果に基づいて、外表面反射光を検出した際の外部測距部32の位置とシリカガラスルツボ1の外表面との間の距離である外表面距離を算出する(ステップS302)。そして、情報処理部523は、算出結果である外表面距離や当該外表面距離の算出元となる外表面反射光を検出した際の外部測距部32の位置を示す三次元座標や外部測距部32の向きを示す情報を情報処理装置4へ送信する。
情報処理装置4は、情報処理部523から受信した情報に基づいて、シリカガラスルツボ1の外表面座標を算出する。具体的には、情報処理装置4の座標算出部41は、情報処理部523から受信した外表面距離と当該外表面距離の算出元となる外表面反射光を検出した際の外部測距部32の位置を示す三次元座標と外部測距部32の向きとに基づいて、シリカガラスルツボ1の外表面の三次元座標である外表面座標を算出する(ステップS303)。その後、座標算出部41は、算出した外表面座標を記憶装置42に格納する(ステップS304)。
ルツボ管理システム2は、例えば上記のような動作により、外表面座標を算出して算出結果を記憶装置42に格納する。
<11−4.画像データを格納する際の動作>
続いて、図17を参照して、ルツボ管理システム2が画像データを取得して当該取得した画像データを格納する際の動作の一例について説明する。図17に示すフローチャートは、本実施形態に係るルツボ管理方法の一態様である歪み画像データを格納する際の動作である。なお、内表面画像データを取得して格納する際の動作と外表面画像データを取得して格納する際の動作と歪み画像データを取得して格納する際の動作とは、概ね同様の動作により行われることになる。そこで、以下では、画像データを取得して当該取得した画像データを格納する際の動作の一例として、内表面画像データを取得して格納する際の動作の一例について説明する。
このルツボ管理方法は、内表面座標においてシリカガラスルツボに生じている歪みを示す歪み画像データを取得する工程(ステップS401)、取得した前記歪み画像データを含む前記ルツボデータ情報を記憶する工程(ステップS402)を備える。
以下、具体的に説明する。
図17を参照すると、内表面画像取得部33は、シリカガラスルツボ1の内表面の画像データを取得する(ステップS401)。そして、内表面画像取得部33は、取得した画像データを、情報処理部513を介して情報処理装置4へと送信する。
情報処理装置4は、内表面画像取得部33から画像データを取得する。また、情報処理装置4は、画像データを取得した際の内表面画像取得部33の位置及び向きやシリカガラスルツボ1の回転の状態から、撮影箇所を特定し、当該画像データの撮影箇所を示す内表面座標を特定する。そして、情報処理装置4は、取得した画像データと当該画像データの撮影箇所を占めす内表面座標とを対応付けて記憶装置42に格納する(ステップS402)。
ルツボ管理システム2は、例えば、上記のような動作により、シリカガラスルツボ1の内表面の画像データを取得するとともに、当該画像データを当該画像データの撮影箇所を示す内表面座標と対応付けて記憶する。なお、ルツボ管理システム2は、同様の動作により、シリカガラスルツボ1の外表面の画像データや歪み画像データを取得して格納することが出来る。
<12.構成・作用・効果>
このように、本実施形態におけるルツボ管理システム2は、測定装置3と座標算出部41と、記憶装置42と、を有している。このような構成により、座標算出部41は、測定装置3の測定結果に基づいてシリカガラスルツボ1の内表面座標や外表面座標、界面座標を算出することが出来る。また、記憶装置42は、座標算出部41による算出結果や測定装置3による測定結果を格納することが出来る。その結果、ルツボ管理システム2は、例えば、シリコン単結晶引き上げ後に変形前のシリカガラスルツボ1を調査して原因を特定することを可能とする。
つまり、ルツボ管理システム2では、シリカガラスルツボ1の内表面の画像データとその撮影箇所を示す内表面座標とを対応付けし、外表面の画像データとその撮影箇所を示す外表面座標とを対応付けし、歪み画像データとその撮影箇所を示す内表面座標とを対応付けして管理しているため、使用前(シリコン単結晶の引き上げに使用する前)のシリカガラスルツボ1について、そのシリカガラスルツボ1の三次元形状と各画像データとの対応から、使用後(シリコン単結晶の引き上げを行った後)の変形の状態を関連付けることができる。
本実施形態、このようなシリカガラスルツボ1の詳細な三次元形状のデータに基づき、シリカガラスルツボ1の撮影箇所の三次元座標と撮影した画像データとの対応付けを記憶しておくことで、実際にシリコン単結晶の引き上げを行ったシリカガラスルツボ1の変形の状態との関連性のデータをルツボ管理システム2で取り込み、蓄積していくことができる。シリコン単結晶の引き上げを行うたびにその引き上げに使用したシリカガラスルツボ1に関する大量のデータを蓄積していき、引き上げ後の変形との関連性のデータを大量に蓄積していくことで、このデータを解析(ビッグデータ解析)することによって、引き上げに使用する前のシリカガラスルツボ1の内面、外面および界面の三次元形状、内表面および外表面の画像、歪み画像に基づき、引き上げを行った後のルツボ変形を推定することが可能となる。
それにより、シリカガラスルツボ1を使用する前の検査の段階で、シリコン単結晶の引き上げ中のルツボ変形の原因となる部分を特定するための判断基準(シリコン単結晶の引き上げ時における、引き上げ装置の遮蔽板とルツボとの接触などの不具合を生じさせる基準)を決定できる。ルツボ変形が引き上げ時の不具合を発生させるほどの原因となり得ると、使用前に判断されたシリカガラスルツボ1については、修正を施してもよいし、使用中止や出荷停止する判断を行うことができる。これによって、シリコン単結晶引き上げ途中の不具合を発生させるルツボ変形を未然に防止でき、引き上げたシリコン単結晶(インゴット)の結晶欠陥を実質的にゼロにすることが可能となる。
<13.その他の構成>
なお、本実施形態には、測定装置3の一例について説明した。測定装置3は、本実施形態で説明した構成以外の構成を有していても構わない。例えば、測定装置3には、種々の物性を測定するための物性測定装置を含むことが出来る。物性測定装置は、内部測距部31や外部測距部32と同様に、内部ロボットアーム51や外部ロボットアーム52の先端に設置する。これにより、物性測定装置をシリカガラスルツボ1の内表面や外表面に沿って移動させ、シリカガラスルツボ1の各地点における物性を測定することが出来る。物性測定装置としては、例えば、赤外吸収スペクトル測定用装置、ラマンスペクトル測定用装置、共焦点顕微鏡、カメラ、表面粗さ測定装置(接触式、非接触式)などが挙げられる。物性測定装置は、内部ロボットアーム51や外部ロボットアーム52の先端に複数種類設置されても構わないし、1種類設置し適宜変更するよう構成しても構わない。物性測定装置の交換は、手動で行っても構わないし、オートチェンジャーを用いて自動で行っても構わない。上記各種物性測定装置が測定した測定結果は、情報処理装置4の記憶装置42に、対応する内表面座標や外表面座標と対応付けて格納されることになる。
また、測定装置3には、AE(Acoustic Emission)センサなどの各種センサを含むことが出来る。測定装置3としてAEセンサを用いる場合、当該AEセンサをシリカガラスルツボ1の内表面に設置した状態で、シリカガラスルツボ1に外力を加える(例えば、シリカガラスルツボ1に圧縮した空気をぶつける、または、シリカガラスルツボ1を水中に沈める)。そして、当該外力に応じて生じるAE波を検出する。測定装置3としてAEセンサを用いることで、シリカガラスルツボ1に生じているマイクロクラックなどの情報を予め記憶しておくことが可能となる。
また、本実施形態においては、測定装置3が有する情報処理部513、523が内表面距離や界面距離、外表面距離の算出を行い、情報処理装置4の座標算出部41が内表面座標や界面座標、外表面座標の算出を行うとした。しかしながら、本発明の構成は、上記場合に限定されない。例えば、情報処理部513、523が内表面座標や界面座標、外表面座標の算出を行うよう構成しても構わないし、情報処理装置4が内表面距離や界面距離、外表面距離の算出を行うよう構成しても構わない。
また、シリカガラスルツボ1を製造する際の工程として、本実施形態において説明したルツボ管理システム2を用いて構わない。つまり、シリカガラスルツボ1を製造する際に、シリカガラスルツボ1の内表面座標などを算出しておき、記憶装置42に算出結果などを格納しておく。このようにシリカガラスルツボ1を製造することで、製造されたシリカガラスルツボ1に何らかの問題が生じた際に、当該問題の原因を格納されている情報などに基づいて調査することが可能となる。また、上述した方法により製造したシリカガラスルツボ1を用いてシリコン単結晶の引き上げを行うことで、仮に引き上げの途中に何らかの不具合が生じた場合などにおいて、引き上げ前のシリカガラスルツボ1に関する情報に基づく原因究明などを行うことが出来るようになる。
[実施形態2]
次に、本発明の第2の実施形態におけるルツボ管理システムについて、図18を参照して説明する。
図18を参照すると、本実施形態におけるルツボ管理システムは、測定装置3と情報処理装置8とを有している。また、情報処理装置8は、座標算出部41と記憶装置82とルツボ評価部83(ルツボ評価手段)とを有している。このように、本実施形態におけるルツボ管理システムは、第1の実施形態におけるルツボ管理システム2と情報処理装置8の構成で差異を有している。以下、本実施形態に特徴的な構成について説明する。
<14.ルツボ評価部83>
ルツボ評価部83は、記憶装置82に格納されている情報に基づいてシリカガラスルツボ1に対する評価を行う。ルツボ評価部83は、ルツボ評価プログラムとして情報処理装置8のCPUで実行されてもよい。
例えば、ルツボ評価部83は、ルツボ形状情報421に基づいて、シリカガラスルツボ1の形状に対する評価を行う。具体的には、ルツボ評価部83は、ルツボ形状情報421に含まれる内表面座標及び外表面座標に基づいて、シリカガラスルツボ1の形状を把握する。そして、ルツボ評価部83は、把握した結果とシリカガラスルツボ1の側壁部11、底部12、コーナー部13ごとに設けられた閾値との比較を行う。例えば、閾値は、第1の閾値と第1の閾値よりも小さな値である第2の閾値とが上記側壁部11、底部12、コーナー部13ごとに予め定められている。そして、ルツボ評価部83は、側壁部11の第1の閾値よりもシリカガラスルツボ1の側壁部11の厚みが厚い場合や、側壁部11の第2の閾値よりもシリカガラスルツボ1の側壁部11の厚みが薄い場合に、シリカガラスルツボ1の側壁部11の形状を不合格であると判断する。この場合、ルツボ評価部83は、シリカガラスルツボ1の側壁部11の形状が不合格である旨を記憶装置42に格納する。また、ルツボ評価部83は、例えば、シリカガラスルツボ1の厚みが第2の閾値以上第1の閾値以下である場合に、シリカガラスルツボ1の側壁部11の形状が合格である旨を記憶装置42に格納する。ルツボ評価部83は、同様の評価を底部12やコーナー部13に対して行う。なお、ルツボ評価部83は、界面座標も加味することで、透明層111や気泡含有層112の形状の評価も行うことが出来る。
また、ルツボ評価部83は、内部画像情報422や外部画像情報423、歪み画像情報424に基づいて、シリカガラスルツボ1の評価を行う。例えば、ルツボ評価部83は、内部画像情報422や外部画像情報423に格納されている画像データから異物を検出した場合に、異物が検出された旨と当該異物が検出された内表面座標や外表面座標を対応付けて記憶装置42に格納する。また、ルツボ評価部83は、歪み画像情報424に基づいて、シリカガラスルツボ1の評価を行い、評価結果を記憶装置42に格納する。
<15.記憶装置82、評価情報825>
記憶装置82は、メモリやハードディスクなどの記憶装置である。記憶装置82には、シリカガラスルツボ1の形状や画像データなどを示すルツボデータ情報がルツボごとに格納されている。具体的には、記憶装置82には、ルツボごとのルツボデータ情報として、ルツボ形状情報421と内部画像情報422と外部画像情報423と歪み画像情報424と評価情報825とが格納されている。このように、記憶装置82は、第1の実施形態と比較して、評価情報825を含んでいる点が異なっている。以下、評価情報825について説明する。
評価情報825は、ルツボ評価部83によるシリカガラスルツボ1に対する評価を示す情報である。評価情報825としては、ルツボ評価部83によるシリカガラスルツボ1の形状に対する評価や、発見された異物などの情報が格納される。
このように、本実施形態におけるルツボ管理システムは、ルツボ評価部83を有している。このような構成により、ルツボ評価部83による評価結果を記憶装置82に格納することが出来る。その結果、例えば、シリコン単結晶引き上げ後に、シリコン単結晶引き上げ前のシリカガラスルツボ1に対する評価と引き上げ結果とを比較検討することが可能となる。
なお、本実施形態におけるルツボ管理システムも、第1の実施形態におけるルツボ管理システム2と同様に、種々の変更を行うことが出来る。
[実施形態3]
次に、本発明の第3の実施形態におけるルツボ管理システムについて、図19を参照して説明する。
図19を参照すると、本実施形態におけるルツボ管理システムは、測定装置3と情報処理装置9とを有している。また、情報処理装置9は、座標算出部41と記憶装置92と製造時情報取得部93(製造時情報取得手段)とを有している。このように、本実施形態におけるルツボ管理システムは、第1の実施形態におけるルツボ管理システム2と情報処理装置9の構成で差異を有している。以下、本実施形態に特徴的な構成について説明する。
<16.製造時情報取得部93>
製造時情報取得部93は、シリカガラスルツボ1を製造した際の各種情報である製造時情報を取得する。製造時情報取得部93は、製造時情報取得プログラムとして情報処理装置9のCPUで実行されてもよい。
製造時情報取得部93は、例えば、シリカガラスルツボ1を製造した際の側壁部11、底部12、コーナー部13の各地点における温度の経時的な変化などの製造時の条件などを示す製造時情報を取得する。そして、製造時情報取得部93は、取得した情報を記憶装置92の製造時情報925に格納する。このように、シリカガラスルツボ1の製造時の条件などを示す情報を記憶装置92に格納しておくことで、シリコン単結晶引き上げ時に何らかの問題が発生した際に、シリコン単結晶引き上げ前のシリカガラスルツボ1の状態やシリカガラスルツボ1の製造時の条件などを用いて、問題の原因を追究することが可能となる。
<シリコン単結晶の製造方法>
図20(a)〜(c)は、本実施形態に係るシリカガラスルツボを用いたシリコン単結晶の製造方法を説明する模式図である。
図20(a)に示すように、シリコン単結晶の引き上げ時には、シリカガラスルツボ1内に多結晶シリコンを充填し、この状態でシリカガラスルツボ1の周囲に配置されたヒータで多結晶シリコンを加熱して熔融させる。これにより、シリコン融液230を得る。この際、本発明のシリカガラスルツボを用いることにより、充填中のルツボの破損を防止することができる。
シリコン融液230の体積は、多結晶シリコンの質量によって定まる。したがって、シリコン融液230の液面23aの初期の高さ位置H0は、多結晶シリコンの質量とシリカガラスルツボ1の内表面の三次元形状によって決まる。すなわち、シリカガラスルツボ1の内表面の三次元形状が定まると、シリカガラスルツボ1の任意の高さ位置までの容積が特定され、これにより、シリコン融液230の液面23aの初期の高さ位置H0が決定される。
シリコン融液230の液面23aの初期の高さ位置H0が決定された後は、種結晶24の先端を高さ位置H0まで下降させてシリコン融液230に接触させる。そして、ワイヤケーブル561を回転させながらゆっくりと引き上げることによって、シリコン単結晶25を成長させる。この際、シリカガラスルツボ1は、ワイヤケーブル561の回転とは反対に回転される。
図20(b)に示すように、シリコン単結晶25の直胴部(直径が一定の部位)を引き上げているときに、液面23aがシリカガラスルツボ1の側壁部11に位置している場合には、一定の速度で引き上げると液面23aの降下速度Vmはほぼ一定になるので、引き上げの制御は容易である。
しかし、図20(c)に示すように、液面23aがシリカガラスルツボ1のコーナー部13に到達すると、液面23aの下降に伴ってその面積が急激に縮小するので、液面23aの降下速度Vmが急激に大きくなる。降下速度Vmは、コーナー部13の内表面形状に依存している。
シリカガラスルツボ1の内表面の三次元形状を正確に測定しておくことで、コーナー部13の内表面形状が分かり、したがって、降下速度Vmがどのように変化するのかを正確に予測することができる。そして、この予測に基づいて、シリコン単結晶25の引き上げ速度等の引き上げ条件が決定される。この際、本実施形態のシリカガラスルツボ1を使用することにより、予測した形状から変形することが少ないので、降下速度Vmの予測精度がより向上する。これにより、コーナー部13においても有転移化を防止し、かつ引き上げを自動化することが可能になる。
本実施形態に係るシリコン単結晶の製造方法では、シリコン単結晶25の引き上げ時にシリカガラスルツボ1の加熱による変形(側壁部11の倒れ、歪み、底部12の盛り上がりなど)が抑制されるため、シリカガラスルツボ1の内表面の三次元形状から求めた液面23aの降下速度Vmのずれが抑制され、結晶化率の高いシリコン単結晶25を歩留まり良く製造することが可能になる。なお、アルゴン雰囲気、減圧下(約660Pa〜13kPa程度)にてシリコン単結晶の引き上げは行なわれている。
<シリコン単結晶のインゴット>
本実施形態において製造したシリカガラスルツボ1を引き上げ装置にセットして、シリコン単結晶を引き上げることでシリコンインゴットを製造してもよい。
図21は、シリコン単結晶のシリコンインゴットを例示する模式図である。
シリコン単結晶のインゴット600は、本発明のシリカガラスルツボ1を引き上げ装置にセットして、上記のシリコン単結晶の製造方法によって引き上げることで製造される。
インゴット600は、種結晶24側の肩部610と、肩部610から連続する直胴部620と、直胴部620から連続する尾部630とを有する。なお、インゴット600において種結晶24は除去される。肩部610の径は、種結晶24側から直胴部620にかけて漸増する。直胴部620の径はほぼ一定である。尾部630の径は、直胴部620から離れるに従い漸減していく。
インゴット600の品質は、引き上げを行うシリカガラスルツボ1の品質と密接に関連する。例えば、シリカガラスルツボ1の不純物(例えば、ガラス中の不純物金属元素)や異物の混入は、インゴット600におけるシリコン単結晶の有転位化に繋がる。また、シリカガラスルツボ1の内表面の滑らかさ(見た目で分かるような凹凸)、表面付近の気泡の量、大きさによっては、ルツボ表面の欠け、気泡の割れ、潰れによるシリコン内への微小な破片(ルツボから剥離した粒子など)がシリコン融液へ脱落すると、これがインゴット中に混入して有転位化することに繋がる。
また、インゴット600の品質は、インゴット600の製造における引き上げ制御にも大きく左右される。以下に、インゴット600の品質と引き上げ制御との関係の具体例を説明する。
図22(a)〜(c)は引き上げ制御を説明する模式図である。
図22(a)に示すように、シリコン単結晶の成長速度をVg、シリコン単結晶の引き上げ速度をV、シリコン融液の液面の低下速度をVm、ルツボの上昇速度をC、とした場合、次の関係が成り立つ。
Vg=V+Vm−C
このうち液面低下速度Vmは、ルツボ内容積とシリコン単結晶の成長速度Vgとの関数fによって決まる(図22(b)参照)。従来の技術においては、この関数fを用いた計算によって液面低下速度Vmを求めている。また、引き上げ速度Vおよびルツボ上昇速度Cは引き上げ装置の条件として既知であるため、これによりシリコン単結晶の成長速度Vg=V+Vm−Cを求めている。
しかしながら、実際の引き上げにおいては、高温に曝されるためルツボの内面形状が変形し、内容積も変化することになる(図22(c)参照)。引き上げ装置では、シリカガラスルツボはカーボンサセプタに内挿される。したがって、シリカガラスルツボの外周面はカーボンサセプタに嵌合している状態になる。このため、シリカガラスルツボは外側には変形せず、内側のみに変形することになる。ルツボの内容積が変化してしまうと、液面低下速度Vmの計算が不正確になってしまい、シリコン単結晶の成長速度Vgを正確に定めることができなくなる。この成長速度Vgは、結晶欠陥の発生における重要な要素である。したがって、成長速度Vgを正確に制御できないと、インゴット600の品質に大きな影響を与えることになる。
シリコン融液液面位置のルツボ内半径をR、シリコン単結晶(インゴット)の直径をr、シリコン融液の密度をρL、シリコン単結晶の密度をρsとすると、液面がルツボ直胴部にある場合、以下の式が成り立つ。
Vg=ρL/ρs・(R/r)・Vm
Vg/Vm=ρL/ρs・(R/r)=k
ルツボの内側の半径の変動率をαとすると、以下の式が成り立つ。
Vg=ρL/ρs・(αR/r)・Vm
Vg=α・{ρL/ρs・(αR/r)・Vm}
このことから、Vgのずれにはαの2乗が寄与する。したがって、Rが1%変動すると、Vgは約2%変動することになる。
R=0.797m、r=0.3m、ρL=2570kg/m、ρs=2300kg/mとすると、k=7.95、1/k=0.126となる。
例えば、シリコンウェーハの厚さ1mm分に相当するシリコン単結晶(インゴット)を製造する場合、シリコン融液の液面の低下は0.126mmとなる。インゴットからシリコンウェーハを切り出す際の切断幅(ブレード等の幅)や切り出した後の研磨を考慮すると、シリコンウェーハの厚さは700μm〜800μm程度となる。インゴットのどこを切り出してもCOPが実質的にゼロとなるようにするためには、インゴットの直胴部の全域において、COPが実質的にゼロとなるようにする必要がある。また、後述する3次元構造の半導体デバイスなど、構造部がシリコンウェーハの厚さの1/10〜1/100以下の範囲に収まる場合、シリコン単結晶の引き上げにおいては、シリコンウェーハの厚さの1/10〜1/100以下の引き上げ制御(COPを実質的にゼロにするための引き上げ制御)が必要である。この場合、シリコン融液の液面の低下をコントロールするためには、0.01mm以下の精度のコントロールする必要がある。
このように、シリカガラスルツボ1の内側の径が1%変動すると、シリコン単結晶の成長速度Vgは2%変動することになる。また、シリカガラスルツボ1のコーナー部13におけるシリコン融液の液面の低下速度Vmは、シリカガラスルツボ1の直胴部におけるシリコン融液の液面の低下速度よりも高くなる。したがって、ルツボ内径の変動が液面低下の変動に与える影響は、ルツボ直胴部よりもコーナー部13のほうが大きい。
本実施形態では、実際に引き上げに使用するシリカガラスルツボ1の厚さ方向における内部残留応力を正確に測定できるため、この内部残留応力と、使用後のルツボ内径の変化との関係(操業実績に基づくルツボ内径変動量のシミュレーション)によって、使用前(シリコン単結晶の引き上げを行う前)のシリカガラスルツボ1の段階で、使用中のルツボの内径変動量を推定することができる。これにより、従来技術のように、全くルツボの変形を考慮しない場合に比べ、シリコン単結晶の成長速度Vgの目標値からのずれを低減することができ、インゴット600の直胴部620の全長にわたり欠陥を抑制(実質的にゼロに)することができる。
図23は、ルツボの内径の変動量を示す図である。
図23において横軸はルツボの内径の変動量を示し、縦軸はルツボの底部からの高さを示している。
図23のプロットは測定値である。また、線Lは、各高さでの測定値の平均を繋いだものである。
線Lで示すように、ルツボ内径の変動(すなわち、ルツボ内容積の変動)が平均的に起こることが分かる。本実施形態のように、ルツボの内面形状を基準にシリコン単結晶の上昇速度Aを変えればシリコン単結晶の全長にわたって欠陥のできない範囲に収まるようシリコン単結晶の成長速度Vgをコントロールすることが可能になる。
一方、従来技術では、CZ単結晶育成中のフィードバック制御を、ADC(自動直径制御)と液面制御との組み合わせのみで行っている。すなわち、従来技術では、実際の使用におけるルツボの形状については全く考慮されておらず、しかもルツボの形状変化を正確に把握できていないため、シリコン単結晶の引き上げにおいて成長速度Vgを正確にコントロールすることができない。すなわち、従来技術では、上記のような液面降下速度Vmが0.01mm以下の精度に対応したVgのコントロールには全く対応しておらず、半導体デバイス、特に3次元構造のデバイスの性能を十分に引き出すためのシリコン単結晶(インゴット)を製造することができるシリカガラスルツボにはなっていない。
ここで、今までのルツボの製造履歴・検査結果・使用結果からルツボの挙動をシミュレーション技術によって推定することは可能である(ルツボの挙動の例)。ここからルツボの変形について以下のことが分かる。
(1)肉厚が薄めの部分での変動量が大きい。
(2)重量の大きいルツボほど変形量が多い。
(3)外径の小さいルツボほど内面の変形量が大きい。
(4)偏心している部分での変形量が多い。
(5)カーボンサセプタの対称形でない部分でルツボの変形が生じやすい。
(6)シリカガラスルツボはセラミックでもあり、ルツボ内周面は完全な真円にはなっていない。
上記のように、Vg=V+Vm−Cによってシリコン単結晶の成長速度Vgを制御するためには、ルツボの情報を正確に把握していることが必要である。したがって、過去からのすべてのルツボの情報を関連づけて記録しておき、検索可能な状態にしておくことが望まれる。
また、シリコン単結晶の成長速度(Vg)と、固液界面付近での引き上げ軸方向の温度勾配(G)との関係を規定することがインゴット600の結晶欠陥の発生を抑制する上で重要となる。ここで、引き上げ軸方向の温度勾配(G)は、固体側よりも融液側の方が高い(言い換えると、融液側よりも固体側の方が低い)。また、引き上げ軸と直交する方向(径方向)の面内(径方向の断面の面内)の温度勾配は一定である。
本発明のシリカガラスルツボ1は、シリコン単結晶の引き上げの際の変形や倒れが抑制されるため、シリコン融液の液面と熱遮蔽部材の先端との高さHを安定させることができる。このようなシリカガラスルツボ1を用いてシリコン単結晶の引き上げを行い、得られたインゴット600においては、直胴部620における結晶欠陥は実質的にゼロである。例えば、直胴部620におけるCOP(Crystal Originated Particle)が実質的にゼロとなる。COPは、結晶欠陥の一つで、単結晶の格子点にシリコン原子がない(空孔が集まった)微細な欠陥のことを言う。COPがあることで、半導体装置の電気的特性(リーク電流、抵抗値分布、キャリア移動度など)を劣化させる原因となる。
ここで、COPの発生について説明する。
図24は、ボロンコフ理論に基づいて各種の欠陥が発生する状況を説明する模式図である。
図24に示すように、ボロンコフ理論では、引き上げ速度をV(mm/min)、インゴット(シリコン単結晶)の固液界面近傍における引き上げ軸方向の温度勾配をG(℃/mm)としたとき、それらの比であるV/Gを横軸にとり、空孔型点欠陥の濃度と格子間シリコン型点欠陥の濃度を同一の縦軸にとって、V/Gと点欠陥濃度との関係を模式的に表現している。そして、空孔型点欠陥の発生する領域と格子間シリコン型点欠陥の発生する領域の境界となる臨界点が存在することを示している。
V/Gが臨界点を下回ると、格子間シリコン型点欠陥濃度が優勢な単結晶が育成される。V/Gが臨界点より小さい(V/G)Iを下回る範囲では、単結晶内で格子間シリコン型点欠陥が支配的であって、格子間シリコン点欠陥の凝集体が存在する領域[I]が出現する。
一方V/Gが臨界点を上回ると、空孔型点欠陥濃度が優勢な単結晶が育成される。V/Gが臨界点より大きい(V/G)vを上回る範囲では、単結晶内で空孔型点欠陥が支配的であって、空孔型点欠陥の凝集体が存在する領域[V]が出現し、COPが発生する。
図25は、単結晶育成時の引き上げ速度と欠陥分布との関係を示す模式図である。
図25に示す欠陥分布は、引き上げ速度Vを徐々に低下させながらシリコン単結晶を育成し、育成した単結晶を中心軸(引き上げ軸)に沿って切断して板状試片とし、その表面の欠陥の発生状況を示したものである。欠陥分布は、板状試片の表面にCuデコレーションさせ、熱処理を施した後、その板状試片をX線トポグラフ法により観察し、欠陥の発生状況を評価した結果である。
図25に示すように、引き上げ速度を高速にして育成を行った場合、単結晶の引き上げ軸方向と直交する面内全域にわたり、空孔型点欠陥の凝集体(COP)が存在する領域[V]が発生する。引き上げ速度を低下させていくと、単結晶の外周部からOSF領域がリング状に出現する。このOSF領域は、引き上げ速度の低下に伴ってその径が次第に縮小し、引き上げ速度がV1になると消滅する。これに伴い、OSF領域に代わって無欠陥領域[P](領域[PV])が出現し、単結晶の面内全域が無欠陥領域[P]で占められる。そして、引き上げ速度がVまでに低下すると、格子間シリコン型点欠陥の凝集体(LD)が存在する領域[I]が出現し、ついには無欠陥領域[P](領域[PI])に代わって単結晶の面内全域が領域[I]で占められる。
本実施形態において、上記に示すCOPが実質的にゼロとは、COPの検出数が実質的に0個であることをいう。COPはパーティクルカウンタによって検出される。パーティクルカウンタでは0.020μm以上のパーティクルがウェーハ表面(半導体デバイス形成面)に30個以下しか検出されない場合に実質的に0個となる。本明細書において「0.020μmのCOP」とは、例えばTencor社製のSPシリーズ、またはこの装置と同等性能を有する半導体用およびシリコンウェーハ用のパーティクルカウンタ装置で測定した場合に、0.020μmのパーティクルサイズとして検出されるCOPのことをいう。
上記説明したように、直胴部620のCOPが実質的にゼロとなるインゴット600は、例えば直径300mm、厚さ約1mmにスライスされてシリコンウェーハとなる。インゴット600から切り出したシリコンウェーハを用いて製造した半導体装置では、電気的特性の安定化、劣化抑制を図ることができる。
なお、COPを検出する方法はパーティクルカウンタ以外であってもよい。例えば、表面欠陥検査装置を用いる方法、ウェーハの表面に所定厚さの酸化膜を形成した後、外部電圧を印加して、ウェーハ表面の欠陥部位で酸化膜を破壊するとともに銅を析出させ、この析出した銅を肉眼、透過電子顕微鏡(TEM)、走査電子顕微鏡(SEM)などで観察することにより欠陥(COP)を検出する方法などが挙げられる。インゴット600の直胴部620では、このような検出方法ではCOPが検出されない(実質的にゼロとなる)。
本発明のインゴット600におけるより好ましい形態は、直胴部620の全てにおいて、ベーカンシーと呼ばれる点欠陥(空孔)が凝集した領域(COPが存在するV−Rich領域)がなく、OSF(Oxidation Induced Stacking Fault)が検出されず、インタースティシャルと呼ばれる格子間型の点欠陥が存在する領域(I−Rich領域)がないこと、すなわち直胴部620の全てがニュートラル領域になっていることである。ここで、ニュートラル領域は、欠陥が全くない領域のほか、僅かにベーカンシーやインタースティシャルが含まれていても凝集した欠陥として存在しないか、検出不可能なほど小さい領域を含む。
このように、直胴部620の結晶欠陥がゼロになっていることで、インゴット600から切り出したウェーハを用いて製造した半導体装置の電気的特性の安定化および劣化抑制を図ることができる。
<ホモエピタキシャルウェーハ>
また、このインゴット600から切り出したウェーハを基板部としてホモエピタキシャルウェーハ(以下、単に「エピタキシャルウェーハ」とも言う。)を構成してもよい。図26は、エピタキシャルウェーハを例示する模式断面図である。エピタキシャルウェーハ700は、インゴット600から切り出したウェーハの基板部710と、基板部710の上に設けられたシリコン単結晶のエピタキシャル層720と、を備えている。本実施形態において、エピタキシャル層720はシリコンのホモエピタキシャル層である。エピタキシャル層720の厚さは、約0.5μm〜20μmである。
エピタキシャルウェーハ700の製造方法の一例を示す。先ず、基板部710をエピタキシャル炉の中で約1200℃まで加熱する。次に、炉内に気化した四塩化珪素(SiCl)、三塩化シラン(トリクロルシラン、SiHCl)を流す。これにより、基板部710の表面上にシリコン単結晶の膜が気相成長(エピタキシャル成長)し、エピタキシャル層720が形成される。
結晶欠陥が実質的にゼロであるインゴット600から切り出したウェーハを用いてエピタキシャルウェーハ700を構成することにより、結晶欠陥が実質的にゼロとなるエピタキシャル層720を形成することができる。
近年、半導体集積回路の微細化が進み、従来のプレーナ型トランジスタでは限界に近づいてきている。そこで、Fin型のFET(フィン型電界効果トランジスタ)構造と呼ばれているトランジスタが提唱されるようになった(例えば、特許文献5、6参照)。
従来のプレーナ型では、シリコンウェーハ表面の内部に、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)構造が構成される。
プレーナ型では、ソース、ドレインを2次元的に構成している。ところが、Fin型のFETは、シリコン表面の上層にFINと呼ばれるチャネル領域を有し、シリコンウェーハと接しており三次元構造のMOSFETとなっている。
プレーナ型はゲート長で微細化を進めたが、Fin型のFETではフィン(Fin)幅を最少寸法として管理される。フィン幅が20nm程度、つまりCOPと同程度のFin型FETもある。
そこで、フィン(Fin)直下のシリコンウェーハの表面品質として、COPのサイズを極限まで低減することを求められている。
このような3次元構造は、Fin型FETのほか、3次元NAND型のフラッシュメモリでも採用される。
このような半導体デバイスを製造するためには、品質を向上させたホモエピタキシャルウェーハが要望されている。
シリコンウェーハを用いてホモエピタキシャル層を成膜する際、シリコンウェーハのCOPのサイズをより小さく、より少なくする必要がある。シリコンウェーハ上のCOPを抑制するために熱処理する方法もあるが、シリコン単結晶のインゴットの段階でCOPを実質的にゼロにするために、引き上げ時におけるシリコン融液のコントロールをすることが重要である。本願発明者らは、シリコン融液の液面変動とシリカガラスルツボとの関係に着目して、シリコン融液をコントロールできることを見出した。
本実施形態では、AE波の検出結果に基づいてシリカガラスルツボを評価し、引き上げ中に割れや変形に影響するマイクロクラックが存在しないルツボを選択することができる。シリカガラスルツボにマイクロクラックが存在すると、シリコン単結晶引き上げ中の高温長時間でルツボが変形しやすくなる。シリコン単結晶引き上げ中に、シリカガラスルツボが変形すると、シリコン融液液面が擾乱し、引き上げ速度等の各種引き上げ条件が制御することができなくなる。引き上げ中に割れや変形に影響するマイクロクラックが存在しないルツボを使用してシリコン単結晶を引き上げることで、より引き上げ中の引き上げ速度などの条件制御が高精度に可能になり、それによって結晶欠陥が実質的にゼロになるインゴットを製造することが出来るようになる。またそのインゴットを用いたウェーハによる基板部にエピタキシャル層を形成することで、高品質なエピタキシャルウェーハを提供することができる。
なお、エピタキシャル層720は、基板部710の表面の全面に形成されていても、部分的に形成されていてもよい。これにより、結晶の完全性が求められる場合や、抵抗率の異なる多層構造を必要とする場合に対応できる高品質なエピタキシャルウェーハ700を提供することができる。
本実施形態に係るルツボ管理システムを用いることで、引き上げ中のルツボ変形などの不具合の発生を、使用前の段階で予測することができる。また、シリコン単結晶の引き上げ中のルツボ変形を高精度に予測でき、引き上げ条件(引き上げ速度など)を高精度に制御することが可能になる。それによって結晶欠陥が実質的にゼロになるインゴットを製造することが出来るようになる。またそのインゴットを切り出してウェーハを形成し、このウェーハを基板部としてホモエピタキシャル層を形成することで、高品質なホモエピタキシャルウェーハを提供することができる。
<ルツボ製造からシリコン単結晶製品製造までの工程>
図27は、ルツボ製造からウェーハ製造までの工程を例示するフローチャートである。
図27に示すステップS501〜S506まではルツボの製造工程であり、ステップS507〜S514まではインゴットの製造工程であり、ステップS515〜S521まではシリコンウェーハの製造工程であり、ステップS522〜S527まではエピタキシャルウェーハの製造工程である。
ステップS501〜S514に示すルツボ製造からインゴット製造までの一連の工程を、ルツボ−インゴット製造工程と言うことにする。
ステップS501〜S521に示すルツボ製造からシリコンウェーハ製造までの一連の工程を、ルツボ−シリコンウェーハ製造工程と言うことにする。
ステップS501〜S527に示すルツボ製造からエピタキシャルウェーハ製造までの一連の工程を、ルツボ−エピウェーハ製造工程と言うことにする。
ルツボ−インゴット製造工程、ルツボ−シリコンウェーハ製造工程およびルツボ−エピウェーハ製造工程のそれぞれにおいて、一貫した製造条件の制御および品質管理を行うため、本実施形態では、各工程を一括管理する一貫制御システムが用いられる。
本実施形態では、ルツボ製造に起因してシリコン単結晶製品(インゴット、シリコンウェーハ、エピタキシャルウェーハ)の品質までを想定した生産管理を一貫制御システムが用いられる。
従来では、例えばシリコン単結晶の引き上げによってインゴットを製造する場合、ADC(自動直径制御)で直胴部の直径を一定に制御している。直径約300mmの直胴部を全長2000mmまで引き上げる時間は、0.5mm/分として約4000分必要となる。また、シリコンインゴット製造における全体としては、(1)シリカガラスルツボへの多結晶シリコンの充填時にシリカガラスルツボが割れないように慎重に装填する作業、(2)多結晶シリコンの溶融、(3)Dashネッキング(転位除去)工程、(4)シリコンインゴットの肩部の形成、(5)直胴部全長2000mmの引き上げ、(6)シリコンインゴットに転位が入らないようにテール絞りを行い、(7)炉を冷却してシリコンインゴットの回収、を行う。このような一連の処理を行い、直径300mm、直胴部の全長2000mmのシリコンインゴットを1本製造するためには、約7日程度を費やすことになる。
この間の制御は、主に引き上げ速度と重量の関係のみで、直胴部の直径の一定、全長でのCOPフリーの引き上げを目指している。引き上げにおいて重要なシリコン融液の液面とコーン部571との高さHは、引き上げ速度が速いと高く、引き上げ速度が遅いと低くなる。従来では、高さHの制御を引き上げ装置ごとの個体差とオペレータの経験で行っている。
本実施形態では、ルツボの内面変形量を予測することによって、引き上げ時の高さHをより一定に制御できるようにしている。すなわち、引き上げ装置においてルツボはカーボンサセプタ520内に収められ、多結晶シリコンの充填によって例えば500kgの重量となる。また、引き上げ中のルツボは約1600℃の高温となり、シリコン融液によって外側に押され、カーボンサセプタ520との隙間がなくなる。カーボンサセプタ520は変形しないため、結果としてルツボはカーボンサセプタ520からの反力で内側に変形しやすくなる。
本実施形態の一貫制御システムでは、今まで使用してきたルツボの製造履歴・使用前の内部残留応力の測定結果、使用後の形状変化などの情報を蓄積し、引き上げ装置、引き上げ条件との関係から、引き上げ時のルツボの挙動、変形を使用前に事前に計算しておく。これにより、予測される引き上げ中のルツボの変形から、ルツボの内容積の変動が分かり、引き上げ中の高さHを厳密に制御することができる。したがって、結晶欠陥が実質的にゼロとなるインゴットの製造、このインゴットからのシリコンウェーハの製造、およびこのシリコンウェーハを用いたエピタキシャルウェーハの製造へと一貫した制御を行うことが可能となる。
本実施形態に係るルツボ管理システムを上記一貫制御システムに適用することで、引き上げ中のルツボ変形などの不具合の発生を、ルツボの製造条件に反映させて、引き上げ中にルツボ変形などの不具合の発生を抑制できるシリカガラスルツボ1を製造することができる。また、シリコン単結晶の引き上げ中のルツボ変形を高精度に予測でき、引き上げ条件(引き上げ速度など)を高精度に制御することが可能になる。それによって結晶欠陥が実質的にゼロになるインゴットを製造することが出来るようになる。またそのインゴットを切り出してウェーハを形成し、このウェーハを基板部としてホモエピタキシャル層を形成することで、高品質なホモエピタキシャルウェーハを提供することができる。
以上、上記実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、座標算出プログラム、ルツボ評価プログラム、製造時情報取得プログラムなど、CPUで実行されるプログラムはコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよいし、ネットワークを介して配信されてもよい。また、ルツボ管理システム2の構成要素は、同じ場所に配置されていてもよいし、ネットワークを介して適宜の場所に配置されていてもよい。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることが出来る。
1 シリカガラスルツボ
11 側壁部
12 底部
13 コーナー部
111 透明層
112 気泡含有層
2 ルツボ管理システム
3 測定装置
31 内部測距部
311 レーザー光照射部
312 検出部
32 外部測距部
321 レーザー光照射部
322 検出部
33 内表面画像取得部
34 外表面画像取得部
35 歪み画像取得部
351 光源
352 偏光子
353 透光部
354 検光子
355 レンズ
356 受光器
357 受光部
4 情報処理装置
41 座標算出部
42 記憶装置
421 ルツボ形状情報
422 内部画像情報
423 外部画像情報
424 歪み画像情報
51 内部ロボットアーム
511 アーム部
512 ジョイント部
513 情報処理部
52 外部ロボットアーム
521 アーム部
522 ジョイント部
523 情報処理部
6 回転台
7 基台
8 情報処理装置
82 記憶装置
825 評価情報
83 ルツボ評価部
9 情報処理装置
92 記憶装置
925 製造時情報
93 製造時情報取得部
600 インゴット
700 エピタキシャルウェーハ

Claims (15)

  1. シリカガラスルツボの内表面に向かってレーザー光を照射し、シリカガラスルツボの内表面で反射した内表面反射光を検出する内部反射光検出手段と、
    前記内部反射光検出手段による検出結果に基づいて、前記内表面反射光を検出した際の前記内部反射光検出手段の位置とシリカガラスルツボの内表面との間の距離である内表面距離を算出する内部距離算出手段と、
    前記内表面距離と当該内表面距離の算出元となる前記内表面反射光を検出した際の前記内部反射光検出手段の位置を示す三次元座標とに基づいて、シリカガラスルツボの内表面の位置を示す三次元座標である内表面座標を算出する座標算出手段と、
    前記座標算出手段が算出した前記内表面座標におけるシリカガラスルツボの内表面の画像データを撮影して取得する内表面画像データ取得手段と、
    前記内表面画像データ取得手段が取得した画像データと当該画像データの撮影箇所を示す前記内表面座標とを対応付けた情報をシリカガラスルツボごとのルツボデータ情報として記憶するルツボデータ情報記憶手段と、
    を有し、
    前記ルツボデータ情報記憶手段は、前記シリカガラスルツボを用いてシリコン単結晶の引き上げに使用した後の前記シリカガラスルツボの変形の状態を、使用前の前記シリカガラスルツボの前記ルツボデータ情報と関連付けて記憶する、
    ルツボ管理システム。
  2. 請求項1に記載のルツボ管理システムであって、
    前記内部反射光検出手段は、内側から外側に向かって透明層と気泡含有層とを有するシリカガラスルツボの内表面に向かってレーザー光を照射し、前記内表面反射光を検出するとともに、前記透明層と前記気泡含有層との界面により反射する界面反射光を検出し、
    前記内部距離算出手段は、前記内部反射光検出手段による検出結果に基づいて、前記内表面距離を算出するとともに、前記内面反射光及び前記界面反射光を検出した際の前記内部反射光検出手段の位置と前記界面との間の距離である界面距離を算出し、
    前記座標算出手段は、前記界面距離と当該界面距離の算出元となる前記界面反射光を検出した際の前記内部反射光検出手段の位置を示す三次元座標とに基づいて、前記界面の位置を示す三次元座標である界面座標を算出し、
    前記ルツボデータ情報記憶手段は、前記界面座標を含む前記ルツボデータ情報を記憶する
    ルツボ管理システム。
  3. 請求項1又は2に記載のルツボ管理システムであって、
    前記内表面座標においてシリカガラスルツボに生じている歪みを示す歪み画像データを取得する歪み画像データ取得手段を有し、
    前記ルツボデータ情報記憶手段は、前記歪み画像データ取得手段が取得した歪み画像データと前記内表面座標とを対応付けた情報を前記ルツボデータ情報として記憶する
    ルツボ管理システム。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のルツボ管理システムであって、
    前記内部反射光検出手段及び前記内表面画像データ取得手段は、三次元的に移動させることが出来るよう構成された内部ロボットアームに設置されており、
    シリカガラスルツボは、前記内部ロボットアームを覆うよう配置されている
    ルツボ管理システム。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のルツボ管理システムであって、
    シリカガラスルツボの外表面に向かってレーザー光を照射し、シリカガラスルツボの外表面で反射した外表面反射光を検出する外部反射光検出手段と、
    前記外部反射光検出手段による検出結果に基づいて、前記外表面反射光を検出した際の前記外部反射光検出手段の位置とシリカガラスルツボの外表面との間の距離である外表面距離を算出する外部距離算出手段と、
    を有し、
    前記座標算出手段は、前記外表面距離と当該外表面距離の算出元となる前記外表面反射光を検出した際の前記外部反射光検出手段の位置を示す三次元座標とに基づいて、シリカガラスルツボの外表面の位置を示す三次元座標である外表面座標を算出し、
    前記ルツボデータ情報記憶手段は、前記外表面座標を含む前記ルツボデータ情報を記憶する
    ルツボ管理システム。
  6. 請求項5に記載のルツボ管理システムであって、
    前記外表面座標におけるシリカガラスルツボの外表面の画像データを撮影して取得する外表面画像データ取得手段を有し、
    前記ルツボデータ情報記憶手段は、前記外表面画像データ取得手段が取得した画像データと当該画像データの撮影箇所を示す前記外表面座標とを対応付けた情報を含む前記ルツボデータ情報を記憶する
    ルツボ管理システム。
  7. 請求項5又は6に記載のルツボ管理システムであって、
    前記外部反射光検出手段及び前記外表面画像データ取得手段は、三次元的に移動させることが出来るよう構成された外部ロボットアームに設置されている
    ルツボ管理システム。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載のルツボ管理システムであって、
    前記ルツボデータ情報に基づいてシリカガラスルツボを評価するルツボ評価手段を有し、
    前記ルツボデータ情報記憶手段は、前記ルツボ評価手段による評価結果を含む前記ルツボデータ情報を記憶する
    ルツボ管理システム。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載のルツボ管理システムであって、
    シリカガラスルツボを製造する際の情報である製造時情報を取得する製造時情報取得手段を有し、
    前記ルツボデータ情報記憶手段は、前記製造時情報を含む前記ルツボデータ情報を記憶する
    ルツボ管理システム。
  10. シリカガラスルツボの内表面に向かってレーザー光を照射し、シリカガラスルツボの内表面で反射した内表面反射光を検出し、
    検出結果に基づいて、前記内表面反射光を検出した際の位置とシリカガラスルツボの内表面との間の距離である内表面距離を算出し、
    前記内表面距離と当該内表面距離の算出元となる前記内表面反射光を検出した際の位置を示す三次元座標とに基づいて、シリカガラスルツボの内表面の位置を示す三次元座標である内表面座標を算出し、
    前記内表面座標におけるシリカガラスルツボの内表面の画像データを撮影して取得し、
    取得した前記画像データと当該画像データの撮影箇所を示す前記内表面座標とを対応付けた情報をシリカガラスルツボごとのルツボデータ情報として記憶するとともに、前記シリカガラスルツボを用いてシリコン単結晶の引き上げに使用した後の前記シリカガラスルツボの変形の状態を、使用前の前記シリカガラスルツボの前記ルツボデータ情報と関連付けて記憶する
    ルツボ管理方法。
  11. 請求項10に記載のルツボ管理方法であって、
    内側から外側に向かって透明層と気泡含有層とを有するシリカガラスルツボの内表面に向かってレーザー光を照射し、前記内表面反射光を検出するとともに、前記透明層と前記気泡含有層との界面により反射する界面反射光を検出し、
    検出結果に基づいて、前記内表面距離を算出するとともに、前記内面反射光及び前記界面反射光を検出した際の位置と前記界面との間の距離である界面距離を算出し、
    前記界面距離と当該界面距離の算出元となる前記内表面反射光を検出した際の位置を示す三次元座標とに基づいて、前記界面の位置を示す三次元座標である界面座標を算出し、
    前記界面座標を含む前記ルツボデータ情報を記憶する
    ルツボ管理方法。
  12. 請求項10又は11に記載のルツボ管理方法であって、
    前記内表面座標においてシリカガラスルツボに生じている歪みを示す歪み画像データを取得し、
    取得した前記歪み画像データを含む前記ルツボデータ情報を記憶する
    ルツボ管理方法。
  13. シリカガラスルツボの製造方法であって、
    シリカガラスルツボの内表面に向かってレーザー光を照射し、シリカガラスルツボの内表面で反射した内表面反射光を検出し、検出結果に基づいて、前記内表面反射光を検出した際の位置とシリカガラスルツボの内表面との間の距離である内表面距離を算出し、前記内表面距離と当該内表面距離の算出元となる前記内表面反射光を検出した際の位置を示す三次元座標とに基づいて、シリカガラスルツボの内表面の位置を示す三次元座標である内表面座標を算出し、前記内表面座標におけるシリカガラスルツボの内表面の画像データを撮影して取得し、取得した前記画像データと当該画像データの撮影箇所を示す前記内表面座標とを対応付けた情報をシリカガラスルツボごとのルツボデータ情報として記憶するとともに、前記シリカガラスルツボを用いてシリコン単結晶の引き上げに使用した後の前記シリカガラスルツボの変形の状態を、使用前の前記シリカガラスルツボの前記ルツボデータ情報と関連付けて記憶する工程を含む
    シリカガラスルツボの製造方法。

  14. 請求項13に記載のシリカガラスルツボの製造方法により製造されたシリカガラスルツボを用いてシリコン単結晶の引き上げを行う工程を有する
    シリコンインゴットの製造方法。
  15. 請求項14記載の方法によって製造したシリコンインゴットを切り出して形成したウェーハによる基板部を形成する工程と、
    前記基板部の上にシリコン単結晶のホモエピタキシャル層を形成する工程と、を備えたホモエピタキシャルウェーハの製造方法。
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