JP2021082730A - 半導体発光素子 - Google Patents

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【課題】インコヒーレントな光を積層方向に出力することができる半導体発光素子を提供する。【解決手段】半導体発光素子1Aは、活性層12、下側クラッド層11、上側クラッド層14及び光回折層13を有する積層体10と、上側クラッド層14上に設けられた第1電極4及び第2電極5と、対向電極6と、を備える。光回折層13は、基本層21と、基本層21の屈折率とは異なる屈折率を有し、基本層21において周期的に配列された複数の異屈折率領域22と、を有する。第2電極5は、積層体10の積層方向に垂直な一の方向において第1電極4の少なくとも一部の両側に位置するように配置されている。積層体10には、第1電極4下の第1領域101と第2電極5下の第2領域102との間を電気的に分離する分離領域18が設けられている。複数の異屈折率領域22は、基本層21において、積層方向から見た場合に第1領域101と重なる部分に設けられている。【選択図】図3

Description

本発明は、半導体発光素子に関する。
特許文献1に記載の半導体発光素子は、活性層と、活性層を挟む一対のクラッド層と、活性層と一方のクラッド層との間に設けられた位相変調層と、を備えている。位相変調層は、基本層と、基本層の屈折率とは異なる屈折率を有し、基本層において2次元状に周期的に配列された異屈折率領域と、を有している。活性層において発生した光は、位相変調層において2次元の定在波を形成し、面内方向に発振することでレーザ光となり、積層方向に出射する。
特許文献2には、ダブルヘテロ構造の積層体がイオン注入領域によって利得領域と損失領域とに電気的に分離された端面発光型の光半導体素子が記載されている。この光半導体素子は、時間的にインコヒーレントな光を出力するスーパールミネッセントダイオードとして機能し得る。
特開2018−198302号公報 特開2018−182306号公報
本発明は、インコヒーレントな光を積層方向に出力することができる半導体発光素子を提供することを目的とする。
本発明の半導体発光素子は、活性層、活性層を挟む第1クラッド層及び第2クラッド層、並びに、活性層と第1クラッド層との間、又は活性層と第2クラッド層との間に設けられた光回折層を有する積層体と、互いに離間するように第2クラッド層上に設けられた第1電極及び第2電極と、積層体に対して第1電極及び第2電極とは反対側に設けられた少なくとも1つの対向電極と、を備え、光回折層は、基本層と、基本層の屈折率とは異なる屈折率を有し、基本層において基本層の厚さ方向に垂直な平面に沿って周期的に配列された複数の異屈折率領域と、を有し、第2電極は、積層体の積層方向に垂直な一の方向において第1電極の少なくとも一部の両側に位置するように配置されており、積層体には、第1電極下の第1領域と第2電極下の第2領域との間を電気的に分離する分離領域が設けられており、複数の異屈折率領域は、基本層において、積層方向から見た場合に第1領域と重なる部分に設けられている。
この半導体発光素子では、第2クラッド層上に互いに離間するように第1電極及び第2電極が設けられており、第1電極下の第1領域と第2電極下の第2領域とが分離領域によって互いに電気的に分離されている。そして、第2電極が、積層体の積層方向に垂直な一の方向において第1電極の少なくとも一部の両側に位置するように配置されている。これにより、第1電極と対向電極との間に順バイアスをかけて第1領域を利得領域として機能させると共に、第2電極と対向電極との間に逆バイアスをかけて第2領域を損失領域として機能させることで、第1領域において発生した光の共振を第1領域の両側の第2領域によって抑制することができ、インコヒーレントな光を発生させることができる。更に、活性層と第1クラッド層又は第2クラッド層との間に光回折層が設けられており、光回折層には、積層方向から見た場合に第1領域と重なる部分に異屈折率領域が設けられている。これにより、活性層において発生したインコヒーレントな光を光回折層によって回折させて積層方向に出力することができる。よって、この半導体発光素子によれば、インコヒーレントな光を積層方向に出力することができる。
分離領域は、イオン注入領域、不純物拡散領域、第2クラッド層とは伝導型が異なる半導体領域、又は前記第2クラッド層とは不純物濃度が異なる半導体領域によって構成されていてもよい。この場合、分離領域での光の反射を抑制することができ、第1領域において発生した光の共振を一層効果的に抑制することができる。
光回折層は、活性層と第2クラッド層との間に設けられており、分離領域は、第2クラッド層から光回折層に至っていてもよい。この場合、第1領域と第2領域との間の電気的な分離を一層確実化することができる。
本発明の半導体発光素子は、半導体基板を更に備え、積層体は、第1クラッド層が第2クラッド層に対して半導体基板側に位置するように、半導体基板上に配置されており、光回折層は、活性層と第2クラッド層との間に設けられていてもよい。この場合、製造時に、半導体基板上に活性層を形成した後に光回折層を形成することができる。そのため、光回折層を形成した後に活性層が形成される場合と比べて、活性層の平坦性を確実に確保することができる。
複数の異屈折率領域は、基本層において、積層方向から見た場合に第1領域と重なる部分及び第2領域と重なる部分にわたって設けられていてもよい。この場合、異屈折率領域の配列端が第2領域に位置することとなり、当該配列端での反射に起因する光の共振を確実に抑制することができる。
第1電極は、直線状に延在する部分を有していてもよい。この場合、第1領域の幅を狭くすることができ、第1領域において発生した光の共振を一層確実に抑制することができる。
第1電極は、複数の第1直線状部を有し、第2電極は、複数の第1直線状部と互い違いに配置された複数の第2直線状部を有していてもよい。この場合、第1領域の幅を狭くすることができ、第1領域において発生した光の共振を一層確実に抑制することができる。更に、光の出射領域を大きく確保することができる。
第1電極は、積層方向から見た場合に、第2電極によって囲まれていてもよい。この場合、第1領域において発生した光の共振を、第1領域を囲む第2領域によって効果的に抑制することができる。
基本層の厚さ方向に垂直な平面に沿って基本層に仮想的な格子点の群が設定された場合に、複数の異屈折率領域の各々の重心の格子点に対する位置は、所定の変調パターンに従って設定されていてもよい。この場合、変調パターンに応じた形状の光を積層方向に出力することができる。
第1領域は、第1電極と少なくとも1つの対向電極との間に順バイアスがかけられることにより、利得領域として機能し、第2領域は、第2電極と少なくとも1つの対向電極との間に逆バイアスがかけられることにより、損失領域として機能してもよい。この場合、上述したとおり、第1領域において発生した光の共振を第1領域の両側の第2領域によって抑制することができ、インコヒーレントな光を積層方向に出力することができる。
本発明によれば、インコヒーレントな光を積層方向に出力することができる半導体発光素子を提供することが可能となる。
実施形態に係る半導体発光素子の平面図である。 半導体発光素子の底面図である。 図1のIII−III線に沿っての断面図である。 光回折層における異屈折率領域の配置を示す図である。 第1変形例に係る半導体発光素子の平面図である。 第1変形例に係る半導体発光素子の底面図である。 図5のVII−VII線に沿っての断面図である。 第2変形例に係る半導体発光素子の平面図である。 第2変形例に係る半導体発光素子の底面図である。 図8のX−X線に沿っての断面図である。 第3変形例における異屈折率領域の配置を示す図である。 第3変形例における異屈折率領域の配置を示す図である。 第4変形例における異屈折率領域の配置を示す図である。 第4変形例における異屈折率領域の配置を示す図である。 (a)〜(c)は、第5〜第7変形例における第1電極及び第2電極の配置を示す図である。 (a)及び(b)は、第8及び第9変形例における第1電極及び第2電極の配置を示す図である。 (a)〜(c)は、第10〜第12変形例における第1電極及び第2電極の配置を示す図である。 (a)及び(b)は、第13及び第14変形例における第1電極及び第2電極の配置を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
[半導体発光素子の構成]
図1〜図3に示されるように、半導体発光素子1Aは、半導体基板2と、積層体10と、を備えている。積層体10は、下側クラッド層11(第1クラッド層)、活性層12、光回折層13、上側クラッド層14(第2クラッド層)及びコンタクト層15が、この順に半導体基板2の表面2a上に積層されることにより構成されている。すなわち、積層体10は、下側クラッド層11が上側クラッド層14に対して半導体基板2側に位置するように、半導体基板2上に配置されている。活性層12は、下側クラッド層11と上側クラッド層14との間に挟まれている。光回折層13は、活性層12と上側クラッド層14との間に設けられている。以下、積層体10の積層方向をZ方向とし、Z方向に垂直な一の方向をX方向とし、Z方向及びX方向に垂直な方向をY方向として説明する。半導体基板2及び各層11〜15の厚さ方向は、積層体10の積層方向に平行である。
光回折層(回折格子層)13は、基本層21と、基本層21に設けられた複数の異屈折率領域22と、を有している。異屈折率領域22は、基本層21の屈折率とは異なる屈折率を有する領域である。異屈折率領域22は、基本層21において、基本層21の厚さ方向に垂直な平面(XY平面)に沿って、周期的に配列されている。光回折層13の詳細については後述する。
半導体基板2及び各層11〜15は、例えばGaAs系半導体、InP系半導体、窒化物系半導体等の化合物半導体によって構成されている。一例として、半導体基板2はGaAs基板である。下側クラッド層11、活性層12、光回折層13、上側クラッド層14及びコンタクト層15は、III族元素のGa,Al,In及びV族元素のAsからなる群に含まれる元素により構成される化合物半導体層である。具体例として、下側クラッド層11はAlGaAs層であり、活性層12は多重量子井戸構造(例えば、障壁層がAlGaAsからなり、井戸層がInGaAsからなる)を有し、上側クラッド層14はAlGaAs層であり、コンタクト層15はGaAs層である。
下側クラッド層11には半導体基板2と同じ導電型が付与されており、上側クラッド層14及びコンタクト層15には半導体基板2とは逆の導電型が付与されている。一例では、半導体基板2及び下側クラッド層11はn型であり、上側クラッド層14及びコンタクト層15はp型である。光回折層13は、半導体基板2とは逆の導電型を有する。不純物濃度は、例えば1×1017〜1×1021/cmである。図3では各部が概略的に示されているが、実際には半導体基板2は積層体10と比べて極めて厚い。
半導体発光素子1Aは、第1電極(ゲイン電極)4と、第2電極(吸収電極)5と、対向電極6と、を更に備えている。第1電極4及び第2電極5は、互いに離間するように、コンタクト層15を介して上側クラッド層14上に設けられている。第1電極4及び第2電極5は、コンタクト層15を介して上側クラッド層14と電気的に接続されている。コンタクト層15上には、第1電極4及び第2電極5を囲むように保護層16が設けられている。対向電極6は、半導体基板2の裏面2b上に設けられており、半導体基板2と電気的に接続されている。すなわち、対向電極6は、積層体10に対して第1電極4及び第2電極5とは反対側に設けられている。対向電極6は、開口6aを有している。例えば、対向電極6は、矩形状の外形を有し、開口6aは、矩形状に形成されている(図2)。半導体基板2の裏面2b上には、対向電極6を囲むように反射防止層17が設けられている。
第1電極4、第2電極5及び対向電極6は、例えばAu系の金属からなる。保護層16は、例えば、シリコン窒化物(例えばSiN)、シリコン酸化物(例えばSiO)等の絶縁膜からなる。反射防止層17は、例えば、シリコン窒化物(例えばSiN)、シリコン酸化物(例えばSiO)等の誘電体単層膜、又は誘電体多層膜からなる。誘電体多層膜には、例えば、酸化チタン(TiO)、二酸化シリコン(SiO)、一酸化シリコン(SiO)、酸化ニオブ(Nb)、五酸化タンタル(Ta)、フッ化マグネシウム(MgF)、酸化チタン(TiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化セリウム(CeO)、酸化インジウム(In)、酸化ジルコニウム(ZrO)等の誘電体層群から選択される2種類以上の誘電体層が積層された膜を用いることができる。例えば、波長λの光に対する光学膜厚で、λ/4の厚さの膜が積層される。
図1に示されるように、第1電極4は、複数(この例では6つ)の第1直線状部4aと、それらの第1直線状部4aの端部同士を接続する第1接続部4bと、を有している。各第1直線状部4aは、矩形の層状に形成され、X方向に沿って直線状に延在している。複数の第1直線状部4aは、互いに同一の形状を有しており、Y方向に沿って並んでいる。第1接続部4bは、矩形の層状に形成され、Y方向に沿って直線状に延在している。すなわち、第1接続部4bは、複数の第1直線状部4aと直交するように延在している。
第2電極5は、複数(この例では6つ)の第2直線状部5aと、それらの第2直線状部5aの端部同士を接続する第2接続部5bと、を有している。各第2直線状部5aは、矩形の層状に形成され、X方向に沿って直線状に延在している。複数の第2直線状部5aは、互いに同一の形状を有しており、Y方向に沿って並んでいる。
複数の第2直線状部5aは、複数の第1直線状部4aと互い違いに配置されている。すなわち、Y方向において最も一方側(図1中の最も上側)に位置する第2直線状部5aを除いて、各第2直線状部5aは、隣り合う2つの第1直線状部4aの間に位置している。換言すれば、隣り合う2つの第2直線状部5aは、Y方向において第1直線状部4aの両側に位置している(Y方向において第1直線状部4aを挟むように配置されている)。
第2直線状部5aは、第1直線状部4aと平行に延在している。複数の第1直線状部4a及び複数の第2直線状部5aは、Y方向に沿って等間隔で並んでいる。第2直線状部5aは、第1直線状部4aと同一の形状を有している。第2接続部5bは、矩形の層状に形成され、Y方向に沿って直線状に延在している。すなわち、第2接続部5bは、複数の第2直線状部5aと直交するように延在している。第2接続部5bは、第1接続部4bと平行に延在している。第2接続部5bは、第1接続部4bと同一の形状を有している。
積層体10には、分離領域(電流遮蔽領域)18が設けられている。分離領域18は、積層体10において、第1電極4下の第1領域101と第2電極5下の第2領域102とを電気的に分離している。第1領域101は、第1電極4の直下の領域であり、Z方向から見た場合に積層体10において第1電極4と重なる領域である。第2領域102は、第2電極5の直下の領域であり、Z方向から見た場合に積層体10において第2電極5と重なる領域である。
分離領域18は、Z方向から見た場合に第1直線状部4aと第2直線状部5aとの間において延在する複数の第1部分18aと、Z方向から見た場合に第1直線状部4aと第2接続部5bとの間、又は第1接続部4bと第2直線状部5aとの間において延在し、複数の第1部分18aの端部同士を接続する複数の第2部分と、を有している。各第1部分18aは、Y方向に垂直なXZ平面に沿って延在している。各第2部分は、X方向に垂直なYZ平面に沿って延在している。分離領域18は、Z方向において、コンタクト層15の表面15aから上側クラッド層14に至っている。分離領域18の端部は、Z方向における上側クラッド層14の中間点を超えて、光回折層13の近傍に至っている。
分離領域18は、例えば、イオン注入によってプロトン、ボロン等が積層体10に添加されることにより形成されたイオン注入領域である。分離領域18がイオン注入領域によって構成されていることにより、分離領域18と第1領域101及び第2領域102との間の屈折率差を小さくすることができ、分離領域18での光の反射を抑制することができる。
図4を参照しつつ、光回折層13の詳細を説明する。上述したとおり、光回折層13は、基本層21と、基本層21の屈折率とは異なる屈折率を有する複数の異屈折率領域22と、を有している。XY平面に沿って光回折層13に仮想的な格子点Oの群が設定された場合に、各異屈折率領域22の重心Gは、格子点O上に位置している。この例では、各格子点Oは、正方格子を構成している。正方格子の一辺はX方向に平行であり、他辺はY方向に平行である。Z方向から見た場合における各異屈折率領域22の形状は、例えば円形状である。各異屈折率領域22は、例えば、基本層21における上側クラッド層14側の表面21aからZ方向に沿って延在している(図3)。半導体発光素子1Aの駆動時に活性層12において発生させられる光の波長をλとし、nを自然数とすると、X方向又はY方向に隣り合う異屈折率領域22の重心G同士は、nλだけ離れている。
図3に示されるように、複数の異屈折率領域22は、基本層21において、Z方向から見た場合に第1領域101(第1電極4)と重なる部分及び第2領域102(第2電極5)と重なる部分にわたって設けられている。この例では、複数の異屈折率領域22は、第1領域101と重なる部分の全体に設けられている。また、複数の異屈折率領域22は、第1領域101と重なる部分同士を接続するように、第2領域102と重なる部分にも設けられている。すなわち、複数の異屈折率領域22は、隣り合う第1領域101によって挟まれた第2領域102と重なる部分にも設けられている。なお、図3及び図4では異屈折率領域23が概略的に示されているが、実際には図示された間隔よりも短い間隔で、多数の異屈折率領域22が配列されている。
一例として、基本層21はGaAsからなり、異屈折率領域22は空孔である。異屈折率領域22は、基本層21とは屈折率が異なる半導体が空孔内に埋め込まれることにより構成されていてもよい。この場合、基本層21の空孔はエッチングにより形成されてもよい。有機金属気相成長法、スパッタ法又はエピタキシャル法を用いて半導体が空孔内に埋め込まれてもよい。基本層21の空孔内に半導体を埋め込むことにより異屈折率領域22が形成された後、更に、その上に異屈折率領域22と同一の半導体が堆積されてもよい。異屈折率領域22が空孔である場合、該空孔にアルゴン、窒素、水素といった不活性ガス又は空気が封入されていてもよい。
[半導体発光素子の駆動方法]
半導体発光素子1Aの駆動方法の一例を説明する。第1電極4と対向電極6との間に順バイアスがかけられる。例えば、対向電極6を接地電位として第1電極4に正電圧(例えば+1.5〜+2V)が印加される。これにより、第1領域101が利得領域(ゲイン領域)として機能し、当該利得領域がレーザダイオードとして光を発振させようとする。その一方で、第2電極5と対向電極6との間に逆バイアスがかけられる。例えば、対向電極6を接地電位として第2電極5に負電圧(例えば−5V)が印加される。これにより、第2領域102が損失領域(吸収領域)として機能し、当該損失領域がレーザダイオードとしての光発振を止めようとする。その結果、第1領域101及び第2領域102がスーパールミネッセントダイオードとして機能し、時間的にインコヒーレントな光が発生する。図3では、活性層12のうち駆動時に利得領域として機能する領域が符号12aで示され、損失領域として機能する領域が符号12bで示されている。
活性層12において発生した光は、光回折層13において回折され、光回折層13の格子構造(異屈折率領域22の配列パターン)に応じて2次元の定在波を形成する。これにより形成された平面状の光は、活性層12、下側クラッド層11及び半導体基板2を通り、半導体基板2の裏面2bからZ方向に沿って出力される。図3中に矢印で示されるように、この例では、出力光は対向電極6の開口6aから出力される。
[作用及び効果]
半導体発光素子1Aでは、上側クラッド層14上に互いに離間するように第1電極4及び第2電極5が設けられており、第1電極4下の第1領域101と第2電極5下の第2領域102とが分離領域18によって互いに電気的に分離されている。そして、第2電極5が、Y方向において第1電極4の少なくとも一部の両側に位置するように配置されている。これにより、第1電極4と対向電極6との間に順バイアスをかけて第1領域101を利得領域として機能させると共に、第2電極5と対向電極6との間に逆バイアスをかけて第2領域102を損失領域として機能させることで、第1領域101において発生した光の共振を第1領域101の両側の第2領域102によって抑制することができ、インコヒーレントな光を発生させることができる。更に、活性層12と上側クラッド層14との間に光回折層13が設けられており、光回折層13には、Z方向から見た場合に第1領域101と重なる部分に異屈折率領域22が設けられている。これにより、活性層12において発生したインコヒーレントな光を光回折層13によって回折させてZ方向に出力することができる。よって、半導体発光素子1Aによれば、インコヒーレントな光を積層方向(Z方向)に出力することができる。
分離領域18が、イオン注入領域によって構成されている。これにより、分離領域18での光の反射を抑制することができ、第1領域101において発生した光の共振を一層効果的に抑制することができる。
積層体10が、下側クラッド層11が上側クラッド層14に対して半導体基板2側に位置するように、半導体基板2上に配置されており、光回折層13が、活性層12と上側クラッド層14との間に設けられている。これにより、製造時に、半導体基板2上に活性層12を形成した後に光回折層13を形成することができる。そのため、光回折層13を形成した後に活性層12が形成される場合と比べて、活性層12の平坦性を確実に確保することができる。
複数の異屈折率領域22が、基本層21において、Z方向から見た場合に第1領域101と重なる部分及び第2領域102と重なる部分にわたって設けられている。これにより、異屈折率領域22の配列端が第2領域102に位置することとなり、当該配列端での反射に起因する光の共振を確実に抑制することができる。
第1電極4が、直線状に延在する第1直線状部4aを有している。これにより、第1領域101の幅を狭くすることができ、第1領域101において発生した光の共振を一層確実に抑制することができる。
第1電極4が、複数の第1直線状部4aを有し、第2電極5が、複数の第1直線状部4aと互い違いに配置された複数の第2直線状部5aを有している。これにより、第1領域101の幅を狭くすることができ、第1領域101において発生した光の共振を一層確実に抑制することができる。更に、光の出射領域を大きく確保することができる。
[変形例]
図5〜図7に示される第1変形例の半導体発光素子1Bでは、Z方向から見た場合に、第1電極4が円形状に形成され、第2電極5が円環状に形成されている。第1電極4は、第2電極5によって囲まれている。換言すれば、第2電極5は、Z方向に垂直な任意の方向において、第1電極4の両側に位置している。すなわち、第2電極5は、Z方向に垂直な第1の方向、並びにZ方向及び第1の方向の双方に垂直な第2の方向の各々において、第1電極4の両側に位置している。分離領域18は、Z方向から見た場合に第1電極4と第2電極5との間において円環状に延在している。
第1変形例の半導体発光素子1Bによっても、上記実施形態の半導体発光素子1Aと同様に、インコヒーレントな光を積層方向に出力することができる。また、第1電極4が、Z方向から見た場合に第2電極5によって囲まれている。これにより、第1領域101において発生した光の共振を、第1領域101を囲む第2領域102によって効果的に抑制することができる。
図8〜図10に示される第2変形例の半導体発光素子1Cでは、第1変形例の半導体発光素子1Aと同様に、Z方向から見た場合に、第1電極4が円形状に形成され、第2電極5が円環状に形成されている。第1電極4は、第2電極5によって囲まれている。半導体発光素子1Cでは、対向電極6が半導体基板2の裏面2bの全体に設けられている。対向電極6は、出力光の波長に対して透明な材料により形成されており、透明電極とされている。反射防止層17は、対向電極6上に設けられている。
光回折層13は、活性層12と下側クラッド層11との間に設けられている。半導体発光素子1Cは、メサ型に形成されている。すなわち、半導体基板2は、第1部分2cと、第1部分2cよりも幅広な第2部分2dと、を有している。積層体10は、第1部分2cの表面2a上に配置されている。対向電極6は、第2部分2dの裏面2b上に設けられている。出力光は、対向電極6を透過して半導体基板2の裏面2b側から出力される。第2変形例の半導体発光素子1Cによっても、上記実施形態の半導体発光素子1Aと同様に、インコヒーレントな光を積層方向に出力することができる。
図11及び図12に示される第3変形例、又は図13及び図14に示される第4変形例のように異屈折率領域22が配置されてもよい。第3変形例及び第4変形例では、複数の異屈折率領域22の各々の重心Gの格子点Oに対する位置が、所定の変調パターンに従って設定されている。換言すれば、複数の異屈折率領域22の各々の重心Gの位置が、所定の変調パターンに従って格子点Oからずれている。これにより、変調パターンに応じて出力光の空間位相を変調することができ、変調パターンに応じた形状の光を積層方向に出力することができる。すなわち、第3変形例及び第4変形例では、光回折層13は、位相変調層としても機能する。
図11及び図12に示されるように、第3変形例では、異屈折率領域22の重心Gの位置が回転方式で格子点Oからずらされている。正方格子の格子点Oを中心とする正方形状の単位構成領域Rが、X方向に沿った複数列及びY方向に沿った複数行に配置され、2次元状に設定されている。複数の異屈折率領域22は、各単位構成領域R内に1つずつ設けられている。各単位構成領域R内において、異屈折率領域22の重心Gは、格子点Oから離れて配置されている。回転方式としては、例えば下記参考文献に記載されたものを用いることができる。
(参考文献):国際公開2018−230612号
図11において、x1〜x4で示された破線は単位構成領域RにおけるX方向の中心位置を示し、y1〜y3で示された破線は単位構成領域RにおけるY方向の中心位置を示す。破線x1〜x4と破線y1〜y3の各交点は、単位構成領域R(0,0)〜R(3,2)の中心である格子点O(0,0)〜O(3,2)を示す。この仮想的な正方格子の格子定数はaである。格子定数aは、発光波長に応じて調整される。
異屈折率領域22の配置は、所定の変調パターンに従って定められる。変調パターンは、例えば、出力光の目標形状(目標画像)をフーリエ変換して得られる位相分布である。各異屈折率領域22の重心Gを格子点Oからずらす方向及び距離は、変調パターンに応じて決定される。格子点Oからずらす距離r(図12参照)は、正方格子の格子定数をaとしたときに0<r≦0.3aの範囲であることが好ましい。距離rは、全ての異屈折率領域22について同一であってもよいが、一部の異屈折率領域22についての距離rが他の異屈折率領域22についての距離rと異なっていてもよい。
図12には、回転方式により決定された異屈折率領域22の配置の一例が示されている。単位構成領域R(x,y)は、格子点O(x,y)において互いに直交するs軸及びt軸によって規定される。s軸はX方向に平行な軸であり、図11中の破線x1〜x4に対応する。t軸はY方向に平行な軸であり、図11中の破線y1〜y3に対応する。st平面において、格子点O(x,y)及び重心Gを通る直線とs軸との成す角度がφ(x,y)で与えられる。回転角度φ(x,y)が0°である場合、格子点O(x,y)から重心Gへ向かうベクトルの方向はs軸の正方向と一致する。格子点O(x,y)から重心Gへ向かうベクトルの長さ(距離rに相当)は、r(x,y)で与えられる。
図11に示されるように、光回折層13においては、異屈折率領域22の重心Gの格子点O(x,y)周りの回転角度φ(x,y)が、出力光の目標形状に応じて単位構成領域Rごとに独立して設定される。回転角度φ(x,y)は、単位構成領域R(x,y)において特定の値を有するが、必ずしも特定の関数で表わされるとは限らない。例えば、回転角度φ(x,y)は、出力光の目標形状を波数空間上に変換し、この波数空間の一定の波数範囲を2次元逆離散フーリエ変換して得られる複素振幅の位相項から決定される。
図13及び図14に示されるように、第4変形例では、異屈折率領域22の重心Gの位置が軸シフト方式で格子点Oからずらされている。軸シフト方式としては、例えば上記参考文献に記載されたものを用いることができる。
図14に示されるように、各異屈折率領域22の重心Gは、直線L上に配置されている。直線Lは、単位構成領域R(x,y)の格子点O(x,y)を通り、正方格子の各辺に対して傾斜する直線である。s軸に対する直線Lの傾斜角はθである。傾斜角θは、光回折層13内において一定である。傾斜角θは、0°<θ<90°を満たし、一例ではθ=45°である。或いは、傾斜角θは、180°<θ<270°を満たし、一例ではθ=225°であってもよい。或いは、傾斜角θは、90°<θ<180°を満たし、一例ではθ=135°であってもよい。或いは、傾斜角θは、270°<θ<360°を満たし、一例ではθ=315°であってもよい。このように、傾斜角θは、0°,90°,180°及び270°以外の角度である。
図13に示されるように、各異屈折率領域22の重心Gと、単位構成領域R(x,y)の格子点O(x,y)との間の距離r(x,y)は、出力光の目標形状に応じて異屈折率領域22ごとに設定される。距離r(x,y)の分布は、x(図13の例ではx1〜x4)とy(図13の例ではy1〜y3)の値で決まる位置ごとに特定の値を有するが、必ずしも特定の関数で表わされるとは限らない。距離r(x,y)の分布は、出力光の目標形状を逆フーリエ変換して得られる複素振幅分布のうち位相分布を抽出したものから決定される。
例えば、図14に示されるように、単位構成領域R(x,y)における位相P(x,y)がP0である場合には距離r(x,y)が0に設定され、位相P(x,y)がπ+P0である場合には距離r(x,y)が最大値R0に設定され、位相P(x,y)が−π+P0である場合には距離r(x,y)が最小値−R0に設定される。その中間の位相P(x,y)に対しては、r(x,y)={P(x,y)−P0}×R0/πとなるように距離r(x,y)が設定される。初期位相P0は、任意に設定される。
第3変形例及び第4変形例によっても、上記実施形態と同様に、インコヒーレントな光を積層方向に出力することができる。また、複数の異屈折率領域22の各々の重心Gの格子点Oに対する位置が、所定の変調パターンに従って設定されている。これにより、変調パターンに応じた形状の光を積層方向に出力することができる。なお、第3変形例及び第4変形例のように、複数の異屈折率領域22の各々の重心Gの格子点Oに対する位置が所定の変調パターンに従って設定されている構成についても、複数の異屈折率領域22が基本層21において基本層21の厚さ方向に垂直な平面(XY平面)に沿って周期的に配列されている構成に含まれる。
図15(a)に示される第5変形例、図15(b)に示される第6変形例、図15(c)に示される第7変形例、図16(a)に示される第8変形例、図16(b)に示される第9変形例、図17(a)に示される第10変形例、図17(b)に示される第11変形例、図17(c)に示される第12変形例、図18(a)に示される第13変形例、又は図18(b)に示される第14変形例のように第1電極4及び第2電極5が配置されてもよい。図15(a)〜図18(b)では、理解の容易化のために第1電極4にハッチングが付されている。また、第1電極4と第2電極5とが隣接して示されているが、実際には第1電極4と第2電極5との間には隙間が空いており、当該隙間の下には分離領域18が設けられている。
図15(a)に示されるように、第5変形例では、第1電極4は、Z方向から見た場合に渦巻き状に延在している。第2電極5は、Z方向に垂直な任意の方向において、第1電極4の一部の両側に位置するように配置されている。すなわち、第2電極5は、Z方向に垂直な第1の方向、並びにZ方向及び第1の方向の双方に垂直な第2の方向の各々において、第1電極4の一部の両側に位置している。
図15(b)に示されるように、第6変形例では、第1電極4は、複数の第1直線状部4aと、それらの第1直線状部4aの端部同士を接続する第1接続部4bと、を有している。第2電極5は、Y方向において各第1直線状部4aの両側に位置している。また、第2電極5は、X方向において第1接続部4bの両側に位置している。
図15(c)に示されるように、第7変形例では、第1電極4は、複数の第1直線状部4aと、複数の第1接続部4bと、を有している。複数の第1直線状部4aは、Y方向に沿って並んでいる。複数の第1接続部4bは、Y方向に沿って直線状に延在し、Y方向に隣り合う第1直線状部4aの端部同士を互い違いに接続している。第2電極5は、Y方向において各第1直線状部4aの両側に位置している。また、第2電極5は、X方向において各第1接続部4bの両側に位置している。
図16(a)に示されるように、第8変形例では、第2電極5は、2つの環状部5cと、2つの環状部5cに接続された直線状部5dと、外側部5eと、を有している。各環状部5cは、円環状に形成されており、一方の環状部5cが他方の環状部5cを囲んでいる。外側部5eは、直線状部5dに接続されており、2つの環状部5c及び直線状部5dを囲んでいる。第1電極4は、第2電極5によって囲まれた領域内に配置されている。第2電極5は、Z方向に垂直な任意の方向において第1電極4の両側に位置している。
図16(b)に示されるように、第9変形例では、第2電極5は、2つの環状部5cと、2つの環状部5cにそれぞれ接続された2つの直線状部5dと、外側部5eと、を有している。各環状部5cは、円環状に形成されており、一方の環状部5cが他方の環状部5cを囲んでいる。外側部5eは、各直線状部5dに接続されており、2つの環状部5c及び2つの2つの直線状部5dを囲んでいる。第1電極4は、第2電極5によって囲まれた領域内に配置されている。第2電極5は、Z方向に垂直な任意の方向において第1電極4の両側に位置している。
図17(a)に示されるように、第10変形例では、第2電極5は、六方格子状に延在している。第1電極4は、第2電極5によって囲まれた領域内に配置されている。第2電極5は、Z方向に垂直な任意の方向において第1電極4の両側に位置している。
図17(b)に示されるように、第11変形例では、第2電極5は、複数の第2直線状部5aと、外側部5eと、を有している。外側部5eは、矩形環状に形成されている。各第2直線状部5aは、X方向及びY方向に対して傾斜して延在している。複数の第2直線状部5aは、外側部5eの対角線に沿ってそれぞれ延在する2つの第2直線状部5aと、外側部5eの各辺の中点同士を結ぶように延在する4つの第2直線状部5aと、を含んでいる。第1電極4は、第2電極5によって囲まれた領域内に配置されている。第2電極5は、Z方向に垂直な任意の方向において第1電極4の両側に位置している。
図17(c)に示される第12変形例では、第2電極5は、複数の第2直線状部5aと、外側部5eと、を有している。外側部5eは、矩形環状に形成されている。各第2直線状部5aは、X方向及びY方向に対して傾斜して延在している。複数の第2直線状部5aは、X方向及びY方向に対して傾斜した方向に沿って等間隔で並んでいる。第1電極4は、第2電極5によって囲まれた領域内に配置されている。第2電極5は、Z方向に垂直な任意の方向において第1電極4の両側に位置している。
図18(a)に示されるように、第13変形例では、第2電極5は、複数の第2直線状部5aと、外側部5eと、内側部5fと、を有している。内側部5fは、円環状に形成されている。外側部5eは、円環状に形成されており、内側部5fを囲んでいる。複数の第2直線状部5aは、内側部5f及び外側部5eの中心を中心として放射状に延在し、内側部5fと外側部5eとを接続している。複数の第2直線状部5aは、内側部5f及び外側部5eの中心を中心とする円の周方向に沿って等間隔で並んでいる。第1電極4は、第2電極5によって囲まれた領域内に配置されている。第2電極5は、Z方向に垂直な任意の方向において第1電極4の両側に位置している。
図18(b)に示されるように、第14変形例では、第2電極5は、複数の第2直線状部5aと、外側部5eと、を有している。外側部5eは、矩形環状に形成されている。各第2直線状部5aは、X方向沿って延在している。複数の第2直線状部5aは、Y方向に沿って並んでいる。隣り合う第2直線状部5a間の間隔は、一定ではなく、隣り合う第2直線状部5aごとに異なっている。第1電極4は、第2電極5によって囲まれた領域内に配置されている。第2電極5は、Z方向に垂直な任意の方向において第1電極4の両側に位置している。
第6〜第14変形例によっても、上記実施形態と同様に、インコヒーレントな光を積層方向に出力することができる。
本発明は、上述した実施形態及び変形例に限られない。例えば、各構成の材料及び形状には、上述した材料及び形状に限らず、様々な材料及び形状を採用することができる。上記実施形態及び変形例では、分離領域18の端部が上側クラッド層14内に位置していたが、分離領域18は、上側クラッド層14から光回折層13に至っていてもよい。この場合、第1領域101と第2領域102との間の電気的な分離を一層確実化することができる。
分離領域18は、不純物ドーピングによって深い準位が形成された不純物拡散領域によって構成されてもよい。不純物拡散領域は、例えば、熱拡散又はイオン注入により、鉄、酸素、クロム等が積層体10にドープされることによって形成される。或いは、分離領域18は、上側クラッド層14とは伝導型が異なる半導体領域によって構成されてもよい。例えば、上側クラッド層14がp型の半導体である場合、分離領域18は、n型又はi型の半導体領域によって構成されてもよい。或いは、分離領域18は、上側クラッド層14とは不純物濃度が異なる半導体領域によって構成されてもよい。例えば、分離領域18は、上側クラッド層14よりも不純物濃度が低く且つ上側クラッド層14と伝導型が同一である半導体領域によって構成されてもよい。分離領域18が不純物拡散領域、上側クラッド層14とは伝導型が異なる半導体領域、又は上側クラッド層14とは不純物濃度が異なる半導体領域によって構成されている場合でも、分離領域18での光の反射を抑制することができ、第1領域101において発生した光の共振を効果的に抑制することができる。分離領域18は、空隙によって構成されてもよい。
上記実施形態及び変形例では、1つの対向電極6が共通電極として半導体基板2の裏面2b上に設けられていたが、複数の対向電極6が半導体基板2の裏面2b上に設けられてもよい。複数の異屈折率領域22は、Z方向から見た場合に第1領域101と重なる部分のみに設けられていてもよい。この場合、複数の異屈折率領域22は、Z方向から見た場合に第1領域101と重なる部分の少なくとも一部に設けられていればよい。上記実施形態及び変形例では、格子点Oが正方格子を構成していたが、格子点Oは、三角格子又は六方格子を構成するものであってもよい。
上記実施形態では、第1電極4及び第2電極5に逆位相の交流電圧が印加されてもよい。この場合、第1領域101及び第2領域102が交互に利得領域及び損失領域として機能する。すなわち、第1領域101及び第2領域102の一方が利得領域として機能する間、他方が損失領域として機能する。図5〜図7に示される第1変形例において、第1電極4が透明電極として構成され、対向電極6に開口6aが設けられなくてもよい。この場合、光回折層13からの光は、上側クラッド層14及びコンタクト層15を通り、第1電極4を透過してZ方向に出力される。或いは、第1変形例において、対向電極6に開口6aが設けられず、対向電極6が透明電極として形成され、光が対向電極6を透過して半導体基板2の裏面2b側から出力されてもよい。第2電極5は、必ずしもZ方向に垂直な方向において第1電極4の少なくとも一部の両側に位置していなくてもよく、Z方向に垂直な方向において第1電極4の少なくとも一部の一方側のみに位置していてもよい。すなわち、第2電極5は、第1電極4の片側に並ぶように配置されてもよい。この場合でも、インコヒーレントな光を積層方向に出力し得る。
1A,1B,1C…半導体発光素子、2…半導体基板、4…第1電極、4a…第1直線状部、5…第2電極、6…対向電極、10…積層体、11…下側クラッド層(第1クラッド層)、12…活性層、13…光回折層、14…上側クラッド層(第2クラッド層)、18…分離領域、21…基本層、22…異屈折率領域、101…第1領域、102…第2領域、G…異屈折率領域の重心、O…格子点。

Claims (10)

  1. 活性層、前記活性層を挟む第1クラッド層及び第2クラッド層、並びに、前記活性層と前記第1クラッド層との間、又は前記活性層と前記第2クラッド層との間に設けられた光回折層を有する積層体と、
    互いに離間するように前記第2クラッド層上に設けられた第1電極及び第2電極と、
    前記積層体に対して前記第1電極及び前記第2電極とは反対側に設けられた少なくとも1つの対向電極と、を備え、
    前記光回折層は、基本層と、前記基本層の屈折率とは異なる屈折率を有し、前記基本層において前記基本層の厚さ方向に垂直な平面に沿って周期的に配列された複数の異屈折率領域と、を有し、
    前記第2電極は、前記積層体の積層方向に垂直な一の方向において前記第1電極の少なくとも一部の両側に位置するように配置されており、
    前記積層体には、前記第1電極下の第1領域と前記第2電極下の第2領域との間を電気的に分離する分離領域が設けられており、
    前記複数の異屈折率領域は、前記基本層において、前記積層方向から見た場合に前記第1領域と重なる部分に設けられている、半導体発光素子。
  2. 前記分離領域は、イオン注入領域、不純物拡散領域、前記第2クラッド層とは伝導型が異なる半導体領域、又は前記第2クラッド層とは不純物濃度が異なる半導体領域によって構成されている、請求項1に記載の半導体発光素子。
  3. 前記光回折層は、前記活性層と前記第2クラッド層との間に設けられており、
    前記分離領域は、前記第2クラッド層から前記光回折層に至っている、請求項1又は2に記載の半導体発光素子。
  4. 半導体基板を更に備え、
    前記積層体は、前記第1クラッド層が前記第2クラッド層に対して前記半導体基板側に位置するように、前記半導体基板上に配置されており、
    前記光回折層は、前記活性層と前記第2クラッド層との間に設けられている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体発光素子。
  5. 前記複数の異屈折率領域は、前記基本層において、前記積層方向から見た場合に前記第1領域と重なる部分及び前記第2領域と重なる部分にわたって設けられている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体発光素子。
  6. 前記第1電極は、直線状に延在する部分を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体発光素子。
  7. 前記第1電極は、複数の第1直線状部を有し、
    前記第2電極は、前記複数の第1直線状部と互い違いに配置された複数の第2直線状部を有している、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体発光素子。
  8. 前記第1電極は、前記積層方向から見た場合に、前記第2電極によって囲まれている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体発光素子。
  9. 前記基本層の厚さ方向に垂直な平面に沿って前記基本層に仮想的な格子点の群が設定された場合に、前記複数の異屈折率領域の各々の重心の前記格子点に対する位置は、所定の変調パターンに従って設定されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の半導体発光素子。
  10. 前記第1領域は、前記第1電極と前記少なくとも1つの対向電極との間に順バイアスがかけられることにより、利得領域として機能し、
    前記第2領域は、前記第2電極と前記少なくとも1つの対向電極との間に逆バイアスがかけられることにより、損失領域として機能する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の半導体発光素子。
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