JP2021080008A - 湿潤シート包装用袋及びその製法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 袋入り湿潤シート製品は、大量生産されることを前提としているため、同一の湿潤シートを同一の包装袋・蓋フラップにて包装したものを出荷せざるを得ない。一方この蓋フラップに広告加工を施しこれを販促品として配布することを希望する者も潜在的には多数存在するはずであるが、品質上問題のあるものしか供給できていないのが実情であった。【解決手段】 袋本体に設けられる湿潤シート取出し口が、対向面に粘着剤層を配した仮封止シールで塞がれた湿潤シート包装袋の該仮封止シールの上には、一端側は剥がさず他端側の端部から湾曲させて開く形式の、同じく対向面に粘着剤層が配され該仮封止シールよりも大きい広告用フラップが、該仮封止シールを内包させる形で配置する。【選択図】 図1
Description
本発明は、湿潤シート包装用袋の構造、より詳細には、複数枚数収納された湿潤シートの中から一部枚数だけを取り出す際にその一端側から湾曲させて開き、取り出し後は再封される部材である蓋フラップ周辺の構造に特徴のある湿潤シート包装用袋の構造並びにその製法に関するものである。
シート状の不織布又は紙を水や薬剤で湿潤させたものを複数枚束ねて柔軟な袋で包装した湿潤シート包装用袋が、多種多数存在している。
具体的には、除菌、殺菌、汗拭き、乳幼児のおしりふき、メイク落とし、等々の用途に供されており、複数枚束ねられた湿潤シートが柔軟な袋に収納されているものが普及してきている。よって街頭で配布される販促品として、街頭販促品のシンボル的な存在であるポケットティシュにとって代わる可能性はある。
具体的には、除菌、殺菌、汗拭き、乳幼児のおしりふき、メイク落とし、等々の用途に供されており、複数枚束ねられた湿潤シートが柔軟な袋に収納されているものが普及してきている。よって街頭で配布される販促品として、街頭販促品のシンボル的な存在であるポケットティシュにとって代わる可能性はある。
収納されている湿潤シートは、大気開放状態ではすぐに乾燥しまうので、包装用袋はできるだけ気密が維持されるよう構成されている。
最も典型的な構造は「再封タイプの蓋フラップ」を具備する構造である。複数枚束ねた状態の湿潤シートを包装袋でくるみ、この包装袋の天面に取出し口を設け、この取出し口を再封タイプの蓋フラップで覆うというものである。
最も典型的な構造は「再封タイプの蓋フラップ」を具備する構造である。複数枚束ねた状態の湿潤シートを包装袋でくるみ、この包装袋の天面に取出し口を設け、この取出し口を再封タイプの蓋フラップで覆うというものである。
蓋フラップは、袋本体に開けられた取出し口を大きく覆うものであって、本発明においては、可撓性があって容易に湾曲するという柔らかさは有しているものの、シワや折れが発生しにくい強靭性は備えているものであって、袋本体と対向する面には粘着剤層が設けられているという性質のものをいう。そして、袋本体の孔は、孔周囲を切り込んではいるが切除されない状態としている(袋本体の厚み方向にV字形で未貫通の切込みを入れた「ハーフカット線」という加工を施すことが多い。わずかな力で除去可能であるが、切除されてはいない)。ここに蓋フラップをあてがい、蓋フラップを引き剥がすときに粘着剤部分に孔の内部側部分を貼着残留させておくという構造となる。これにより、蓋フラップの粘着剤部分は、取出し口と対向する部分は粘着せず、それ以外の周縁部分でのみ粘着するという構造となる。取出し口にきっちりと嵌り込むように蓋フラップで封止できれば、気密保持(乾燥防止)効果の高いものとなる。
ここで、湿潤シートの包装方法の一例として、拭き掃除のためのウェットティッシュ10枚を包装する装置で説明する。実際には9枚以下の製品も11枚以上の製品もある(概ね5〜30枚程度)。そして枚数に応じて、包装装置構造に多少異なる点もあろうが、本発明においては区別しない。
先ずはティッシュ原反である不織布をロール状に巻いたものを「折り機」にセットする。この状態では原反不織布は乾燥している。
次に折り機で原反に、折加工・切断加工を施し、束ねたものを包装ラインに移送してゆく。この段階で、10枚ずつに束ねられている。
先ずはティッシュ原反である不織布をロール状に巻いたものを「折り機」にセットする。この状態では原反不織布は乾燥している。
次に折り機で原反に、折加工・切断加工を施し、束ねたものを包装ラインに移送してゆく。この段階で、10枚ずつに束ねられている。
包装袋は、ロール状に巻かれた包装袋原反フィルムに取出し口用の切り込み線を入れ、これを包装ラインに移送する。これとは別ルートで、蓋フラップを貼った剥離紙ロールもまた移送されて包装ラインで合流し、包装袋原反フィルムの切り込み線を覆うように剥離紙ロール上の蓋フラップが貼られてゆく。この段階で包装袋原反は、まだ平面状であって袋になっていない。
即ち10枚の湿潤シートは、乾燥状態で包装ラインまで移送され、包装直前に薬液を含浸させることになり、一方これを包装する包装袋原反フィルムは湿潤シートと出会う前に蓋フラップがセットされている、ということになる。
即ち10枚の湿潤シートは、乾燥状態で包装ラインまで移送され、包装直前に薬液を含浸させることになり、一方これを包装する包装袋原反フィルムは湿潤シートと出会う前に蓋フラップがセットされている、ということになる。
概ねこのようにして製造されるのであるが湿潤シートを濡れた状態で包装したものであるという性質上、極めて入念に保管していたとしても、使用期限は2年半から3年であり、長期保管には向かないとされる。故に3年以下で間違いなく消費されるように、製造後直ちに出荷されるというのが常識となっている。
このように湿潤シート包装用袋は、大量生産されることを前提としているため、同一の湿潤シートを同一の包装袋・蓋フラップにて包装し、出荷せざるを得ないものとなっている。
一方で袋入り湿潤シート製品は、湿潤しているが故に乾燥してしまうと使えないという欠点はあるものの、冷却・消臭・殺菌・着香といった携帯しておければ魅力的なものとなる機能を付加した製品が提供できるし、シート取り出しの際どうしても蓋フラップに注目しなければならないため、この部分に広告記載を施せば印象に残りやすい、といった効果が期待でき、販促品として好適なはずである。
そして、この湿潤シート包装用袋を販促品とするには、依頼人が指定(若しくは希望)する広告が印刷された製品を生産することとなる。ところが既述した製造法であると小口の生産数ではコストが折り合わず、メーカーが希望する最小ロット数量は大抵1万個〜3万個程度或いはそれ以上で、ユーザー側からの強い要望があってさえ5千個以下にするのは難しい、というのが現実であった。
しかしながら例えば販促品として、店頭で配布したり、顧客に送付することを検討している場合の希望個数は、生産管理上の数値であるロット数量よりも格段に小さいことが多い。
しかしながら例えば販促品として、店頭で配布したり、顧客に送付することを検討している場合の希望個数は、生産管理上の数値であるロット数量よりも格段に小さいことが多い。
なお、これら両数量の隔たりを埋めるための手法も存在している。通常の製法で大量生産された物に対して加工を加えることで広告を施すという手法である。
蓋フラップに広告印刷を施す場合を例に挙げると、先ずは包装袋メーカーに同一デザインのものを大量生産してもらい、その蓋フラップ(これを「従来フラップ」と呼ぶ)に、個別のデザインの印刷がなされた「第二の蓋フラップ」を貼りつけるという方法である。
そうすれば、例えば本来はロット数量が1万であるにも拘わらず数百個程度の注文にも対応できるということになるが、広く定着しているという状況とはなっていないのが現状である。
蓋フラップに広告印刷を施す場合を例に挙げると、先ずは包装袋メーカーに同一デザインのものを大量生産してもらい、その蓋フラップ(これを「従来フラップ」と呼ぶ)に、個別のデザインの印刷がなされた「第二の蓋フラップ」を貼りつけるという方法である。
そうすれば、例えば本来はロット数量が1万であるにも拘わらず数百個程度の注文にも対応できるということになるが、広く定着しているという状況とはなっていないのが現状である。
定着し難い理由は、従来フラップに第二の蓋フラップを貼り付けた場合、気密性が維持できなくなったり、美的でなくなったりするからである。
従来フラップについて詳述するとこれは、取出し口を開閉させるための部材であって、閉じているときに気密性が維持でき、開閉動作を繰り返しても閉じればフラップと接触する袋本体とが密着して漏れないものでなければ製品として成り立たない。また、開閉動作を繰り返しても折れたりシワができない保形性や靭性を備えている必要がある。簡単に曲がるものの、曲がったままとはならないだけのコシ・復元性を備えていて、それでいながら片手操作がしにくいほどのコシとはなっていない、等々の微妙な性質を備えることが望まれるため単一素材で理想的なものを得ることは難しく、実際には複層としたもの(ラミネート構造体)を用いることが多い。それ故、どうしても分厚いものとなる。
従来フラップについて詳述するとこれは、取出し口を開閉させるための部材であって、閉じているときに気密性が維持でき、開閉動作を繰り返しても閉じればフラップと接触する袋本体とが密着して漏れないものでなければ製品として成り立たない。また、開閉動作を繰り返しても折れたりシワができない保形性や靭性を備えている必要がある。簡単に曲がるものの、曲がったままとはならないだけのコシ・復元性を備えていて、それでいながら片手操作がしにくいほどのコシとはなっていない、等々の微妙な性質を備えることが望まれるため単一素材で理想的なものを得ることは難しく、実際には複層としたもの(ラミネート構造体)を用いることが多い。それ故、どうしても分厚いものとなる。
そして既述した従来法は、この従来フラップの上面(露出面)に第二の蓋フラップを貼り付けるものである。従って第二の蓋フラップは最終製品の最も外側層を構成するものであるが故の耐水性・耐摩擦性・耐候性が当然のこととして求められる。更に第二の蓋フラップには、広告が印刷されているので、従来フラップと同様程度或いはそれ以上の機能が求められることになる。
つまり、分厚い従来フラップに、同じく分厚い第二の蓋フラップを粘着剤で重ね合わせたものが最適ということになる。しかし厚みのあるフラップ2枚を平面状態で貼り合わせ、その一端からフラップをめくると、曲率半径の違いに起因して貼着部分で「ズレ」が発生する。このズレは、半径の小さい方にたるみを、大きい方に伸びを生じさせ、開閉動作が完了して両フラップが平坦に戻すと、たるみや伸びが隙間として残ることになる。当然ながら美的でないし、気密保持も図りにくい構造となる。
つまり、分厚い従来フラップに、同じく分厚い第二の蓋フラップを粘着剤で重ね合わせたものが最適ということになる。しかし厚みのあるフラップ2枚を平面状態で貼り合わせ、その一端からフラップをめくると、曲率半径の違いに起因して貼着部分で「ズレ」が発生する。このズレは、半径の小さい方にたるみを、大きい方に伸びを生じさせ、開閉動作が完了して両フラップが平坦に戻すと、たるみや伸びが隙間として残ることになる。当然ながら美的でないし、気密保持も図りにくい構造となる。
こうしたことから、販促品として活用したい小ロット生産を目指す者たちは、そのような包装用袋の製法の出現、広告面を簡単美的に演出できるような湿潤シート包装用袋の出現を待ち望んでいた。
そこで本発明者は上記点に鑑み鋭意研究の結果遂に本発明を成したものであってその特徴とするところは、湿潤シート包装用袋の構造に関しては、袋本体に設けられる湿潤シート取出し口が、対向面に粘着剤層を配した仮封止シールで塞がれた湿潤シート包装袋の該仮封止シールの上には、一端側は剥がさず他端側の端部から湾曲させて開く形式の、同じく対向面に粘着剤層が配され該仮封止シールよりも大きい広告用フラップが、該仮封止シールを内包させる形で配置された点
にあり、また湿潤シート包装用袋の製法にあっては、袋本体に設けられる湿潤シート取出し口が、対向面に粘着剤層を配した仮封止シールで塞がれた湿潤シート包装袋を、該仮封止シール表面には広告記載を施さない形でまずは大量生産し、その後、これら大量生産された包装袋の製品の一部に対して、一端側は剥がさず他端側の端部から湾曲させて開く形式の、粘着剤層が配され該仮封止シールよりも大きい広告用フラップを、該仮封止シールを内包させる形で貼着してゆく点にある。
にあり、また湿潤シート包装用袋の製法にあっては、袋本体に設けられる湿潤シート取出し口が、対向面に粘着剤層を配した仮封止シールで塞がれた湿潤シート包装袋を、該仮封止シール表面には広告記載を施さない形でまずは大量生産し、その後、これら大量生産された包装袋の製品の一部に対して、一端側は剥がさず他端側の端部から湾曲させて開く形式の、粘着剤層が配され該仮封止シールよりも大きい広告用フラップを、該仮封止シールを内包させる形で貼着してゆく点にある。
即ち本発明は要するに、湿潤シート取出し口を、広告用フラップだけで塞ぐのではなく、一旦は仮封止シールで塞いでおき、その後本来の蓋フラップで塞ぐようにしたことを最大の特徴とするものである。
換言すると仮封止シールは、一度剥がして再封止することも、開閉動作を繰り返しても気密性が保持されることも要求されず、将来本来の蓋フラップによって塞がれるまでの時間を待つためだけに存在する部材である。よって、柔らかくて薄いフィルム1枚で済む。
換言すると仮封止シールは、一度剥がして再封止することも、開閉動作を繰り返しても気密性が保持されることも要求されず、将来本来の蓋フラップによって塞がれるまでの時間を待つためだけに存在する部材である。よって、柔らかくて薄いフィルム1枚で済む。
そして本発明においては、最初の製造、即ちロット数量が大きいという条件下での製造には仮封止シールを用い、そこで製造を一旦終了し、広告用フラップは別工程(第二の製造)で取り付けることが可能となる。即ち、最初の製造を行なうメーカーは広告用フラップが付いていない状態の製品を中小の印刷加工業者に出荷し、当該加工業者にて広告用フラップを貼ること(第二の製造)ができる。広告用フラップの貼付作業の詳細については何ら限定しないが、どのようにして貼付するのかは製造個数等々によって適宜判断されるべきである。例えば、ある程度まとまった個数であれば自動ラベリング装置を採用するのが適切であると思われるが、10個、20個といった極端に少ない個数の場合であれば、手作業で貼付するのが合理的だと思われる状況もあり得る。
なお、薄いフィルム1枚でも構わない部材である仮封止シールによって包装袋本体の取出し口を被覆するわけであるが、脆弱であっても構わないとは言え広告用フラップを貼り付けるまでは容易に破損することは避けたい。また、強度上の安全を求めて分厚くし、それによって、フラップをめくるたびに分厚い2枚のフラップの間隙に発生するズレでシワが発生するといった事態も避けたい。また、水分や薬剤の揮散が防止できるものでなければならない。従って、仮封止シールの厚みには、材質その他の要素を加味した上での理想値、更には許容できる上限値や下限値も存在する。
本発明者が実際に実験した範囲で言うと、厚さ80μm前後のポリ塩化ビニルが好適であった。ポリ塩化ビニルの特性でもあるが、副資材の配合比によって、柔らかいものから硬いものまでいかようにでも製造できるという利点がある。同様の物性は、ポリプロピレン、ポリオレフィンでも確認できたのでこれらも仮封止シールの材質として好ましい。厚さに関しては、2軸延伸ポリプロピレンの場合であれば比較的安価に40μm程度の極めて薄いものが入手でき好ましいが、コシの強さや保形性に関してはやや問題があるとも言える。但し本発明はこれらに限定されるわけではない。
仮封止シールだけが貼られており、広告用フラップが貼られていない状態の包装用袋は、湿潤シート包装用袋を製造する者にとっては、本来は強靭な材質であるはずの蓋フラップが粗悪品に置き換わっただけのものであるが、これを最終製品とせず、これを加工することで販促品を製作し、ユーザーに提供しようとする者にとっては極めて都合が良い。
本発明に係る湿潤シート包装用袋は、袋本体に設けられる湿潤シート取出し口が、対向面に粘着剤層を配した仮封止シールで塞がれた湿潤シート包装袋の該仮封止シールの上には、一端側は剥がさず他端側の端部から湾曲させて開く形式の、同じく対向面に粘着剤層が配され該仮封止シールよりも大きい広告用フラップが、該仮封止シールを内包させる形で配置されたことを特徴とするものであり以下述べる如き効果を有する極めて高度な発明である。
(1)湿潤シート取出し口は、仮封止シールにて気密が図られているので、広告用フラップが貼着されていない状態、即ち「製造中間状態」で出荷・保管ができる。
(2)広告用フラップ貼着作業を、末端の中小印刷メーカーが行なう場合、仮封止シールには通常の蓋フラップのような靭性が求められていないので、貼着後にシワが寄ったり隙間ができたりするという問題が生じにくい。
(3)広告用フラップを貼着する作業を、湿潤シート包装用袋製造工程から分離可能とすることで、ロット数の小さな製造が行ないやすくなる。
(2)広告用フラップ貼着作業を、末端の中小印刷メーカーが行なう場合、仮封止シールには通常の蓋フラップのような靭性が求められていないので、貼着後にシワが寄ったり隙間ができたりするという問題が生じにくい。
(3)広告用フラップを貼着する作業を、湿潤シート包装用袋製造工程から分離可能とすることで、ロット数の小さな製造が行ないやすくなる。
以下図面に基づいて本発明を更に詳細に説明する。但し本発明は、実施例に挙げたものに限らない。
図1は本発明に係る湿潤シート包装用袋1(以下「本発明袋1」という)の一例を示す概略分解斜視図、図2は概略平面図、そして図3は概略分解断面図である。
図1は本発明に係る湿潤シート包装用袋1(以下「本発明袋1」という)の一例を示す概略分解斜視図、図2は概略平面図、そして図3は概略分解断面図である。
これらの図から明らかなように本発明袋1は、外装とも呼ばれる包装袋本体2内に、湿潤シート3を複数枚(実際には10枚)収納したものである。本例の場合、包装袋本体2の寸法は約210mm×120mm、湿潤シート3は約200mm×310mmのものを折り畳んで包装袋本体2に収納している。これら包装袋本体2及び湿潤シート3に関しては、材質・構造・大きさいずれについても、従来と何ら変わるところはなく、特に製品寸法に関しては図示した例よりもずっと小さくしたものがポケットタイプとして存在している。製品寸法は非常に小さくなっているが、湿潤シート3の寸法はさほど小さくはしておらず、小ぶりなシートをたくさん折り畳んで小さくしたというイメージの製品となっている。1個当たりのコスト、配布のしやすさ、貰いやすさ、等々から判断してポケットタイプが今後販促品の主流サイズとなる可能性がある。
包装袋本体2の片面には、楕円若しくは長円状の切り込み4が設けられており、この切り込み4の内部ゾーンである切り取り片21が簡単に切り離せるようになっており、図では一部をめくった状態で描出しているが実際は切り落とされてはおらず、包装袋本体2の一部を構成した状態のままである。
包装袋本体2には、本発明最大の特徴である仮封止シール5が被せられている。仮封止シール5の裏面は、ほぼ全面に粘着剤層Aが設けられている。一端部に非粘着ゾーンBを有している。本例ではこの仮封止シール5は単層素材(ポリ塩化ビニルを主材料とするプラスチック単層体)であり、これに粘着剤層Aが付帯している。従って粘着剤層Aは、仮封止シール5の一部ではなく、仮封止シール5からは独立した別体である。
この仮封止シール5は、切り取り片21を完全に内包する形状・大きさであるので、切り取り片21は仮封止シール5に、周縁に粘着部分を残すように貼着され一体化されることになる。
この仮封止シール5は、切り取り片21を完全に内包する形状・大きさであるので、切り取り片21は仮封止シール5に、周縁に粘着部分を残すように貼着され一体化されることになる。
ところでこの仮封止シール5は、従来品には存在していない部材であり、一度剥がして再封止することを想定していないどころか、一度も剥がさないことを前提として製造され、包装袋本体2に設置されている。
従来フラップの場合には、剥がす・再封止するという作業を前提に製造されているので、これらの作業が行なえるような構造上の工夫が凝らされている。
例えばフラップは、包装袋本体2の切り込み4を完全に覆う必要があるため「剥がす」と表現はしているものの実際には、片側の端からフラップを湾曲させながらめくるようにして引き剥がし始め、且つ、剥がし終えても反対側の端は包装袋本体2に貼着されていなければならない。そのためにフラップの一端にのみ非粘着ゾーンBが設けられる。他端は逆に、引き剥がし力を受けてもフラップが残存しやすいような工夫が凝らされているべきである。残存させた方の端部を急に広くし、引き剥がし動作を続行しにくくする方法は、この工夫の典型である。
一方、従来フラップにおいてその一端に非粘着ゾーンBを設けたのは、剥がす・再封止するという作業を行なうために摘まみやすくするためである。
従来フラップの場合には、剥がす・再封止するという作業を前提に製造されているので、これらの作業が行なえるような構造上の工夫が凝らされている。
例えばフラップは、包装袋本体2の切り込み4を完全に覆う必要があるため「剥がす」と表現はしているものの実際には、片側の端からフラップを湾曲させながらめくるようにして引き剥がし始め、且つ、剥がし終えても反対側の端は包装袋本体2に貼着されていなければならない。そのためにフラップの一端にのみ非粘着ゾーンBが設けられる。他端は逆に、引き剥がし力を受けてもフラップが残存しやすいような工夫が凝らされているべきである。残存させた方の端部を急に広くし、引き剥がし動作を続行しにくくする方法は、この工夫の典型である。
一方、従来フラップにおいてその一端に非粘着ゾーンBを設けたのは、剥がす・再封止するという作業を行なうために摘まみやすくするためである。
しかし、本発明における仮封止シール5の場合は、一度も剥がさないことを前提として製造されているので、一端を摘まみやすく、他端を剥がし難くする必然性はない。
にもかかわらず仮封止シール5においてもその一端に非粘着ゾーンBが設けられているが、これが設けられている理由は、従来フラップのように「指で摘まみやすくする」ためではない。詳細は後述する。
にもかかわらず仮封止シール5においてもその一端に非粘着ゾーンBが設けられているが、これが設けられている理由は、従来フラップのように「指で摘まみやすくする」ためではない。詳細は後述する。
仮封止シール5には、仮封止シール5自身を完全に内包する形状・大きさの広告用フラップ6が被せられている。この広告用フラップ6の裏面も、ほぼ全面に粘着剤層A、一端部に非粘着ゾーンBを有しており、非粘着ゾーンBの一部には摘まみ片61が設けられている。そして広告用フラップ6には、広告のための文字や図形、色彩、或いはこれらの組合せが記載されている。なお本発明においては、広告用フラップ6に広告加工が施されている必要はあるが、その他については何ら限定するものではない。広告用フラップ6以外の箇所に、例えば広告用シールを貼着するような加工は、行なっても良いし行なわなくても良い。
図2は、分解斜視図であった図1を一体化した概略平面図である。包装袋本体2上には、切り取り片21、仮封止シール5、広告用フラップ6が存在することになる。この中で切り取り片21に関しては、包装袋本体2の一部であり、部材として貼着されているのは、仮封止シール5と広告用フラップ6だけである。
図3は、図1の状態の本発明袋1の取出し概略断面図である。そして図4は、仮封止シール5を貼着しようとしている状態、図5は仮封止シール5を覆うように広告用フラップ6を貼着しようとしている状態、そして図6は広告用フラップ6を貼着し終えた状態を、それぞれ示す。
本発明袋1は、仮封止シール5を具備するものであるため、構造的には広告用フラップ6を有していない状態、即ち、広告用フラップ6貼着作業に着手していない未完成品状態のものを出荷できる。
つまり、包装袋本体2に仮封止シール5を貼着するという図4の工程を終えた段階で出荷し、広告用フラップ6を貼着するという図5の工程は、別の加工メーカーが行なうことを前提としている。
つまり、包装袋本体2に仮封止シール5を貼着するという図4の工程を終えた段階で出荷し、広告用フラップ6を貼着するという図5の工程は、別の加工メーカーが行なうことを前提としている。
図4の工程を終えただけの段階は、製品としては未完成状態であるので、内蔵されている湿潤シート3を取り出すことには不向きである。シートに保形性や靭性が備わっていることが保証されていないし、粘着剤が再封止に耐えられることも保証されていないからである。
しかしながら、開封さえしなければ気密性は維持できるので、ある程度の期間は保管しておくことができる。
しかしながら、開封さえしなければ気密性は維持できるので、ある程度の期間は保管しておくことができる。
そこで、例えば中小の印刷業者が、最低ロット数量の仮封止シール5付き製品を仕入れておけば、小ロット製造に対応できる、ということになる。
仮封止シール5には、広告加工は施されていない。そして広告加工は基本的に依頼人からの注文を受けた加工業者が行なう。
仮封止シール5だけが付いた製品のメーカー、販促品等ロット数の小さな製品を希望する者、彼らからの注文を請け負う者、が存在するという状況になれば、ロット数量が大きくなければ採算性が悪化する者と多数製造に危険を感じる者の双方に益する状況を産み出すことができる。
仮封止シール5だけが付いた製品のメーカー、販促品等ロット数の小さな製品を希望する者、彼らからの注文を請け負う者、が存在するという状況になれば、ロット数量が大きくなければ採算性が悪化する者と多数製造に危険を感じる者の双方に益する状況を産み出すことができる。
次に示す図7及び図8は、本発明袋1を開封する様子を概略的に示すものであり、図7は摘まみ片61を僅かに引き上げた状態、図8は更に引き上げて切り取り片21が剥がれた状態を示している。
広告用フラップ6が包装袋本体2に貼着されている状態でこの広告用フラップ6を剥がす場合、まず摘まみ片61を指で摘まみ、これを引き上げる、という動作をすることになる。広告用フラップ6自体は可撓性を有しているので、図7で示すように、摘まんでいる一端側から湾曲し、湾曲箇所を移動させながら剥がされてゆく。
広告用フラップ6には既述したように、仮封止シール5が貼着されており、仮封止シール5には切り取り片21が貼着されているのであるが、摘まみ片61を指で摘まみ広告用フラップ6を包装袋本体2から引き剥がす場合、粘着剤部分の貼着力によっては、仮封止シール5が包装袋本体2側に残ってしまう可能性がある。そしてこの状況は好ましくなく、袋内の湿潤シート3がスムーズに取り出せなくなる。
詳述すると、まず広告用フラップ6・包装袋本体2間の貼着力に関しては、摘まみ片61を指で摘まんで剥がすのであるから、例えばテーブルの上に置かれた本発明袋1の摘まみ片61を摘まんで引き上げた場合、粘着剤が強力だと本発明袋1がテーブルから離れてしまうこともあり得るが、引き剥がし動作はもう片方の手で包装袋本体2を押さえながら行なうのが普通であるので、ここで問題が生じることはない。
詳述すると、まず広告用フラップ6・包装袋本体2間の貼着力に関しては、摘まみ片61を指で摘まんで剥がすのであるから、例えばテーブルの上に置かれた本発明袋1の摘まみ片61を摘まんで引き上げた場合、粘着剤が強力だと本発明袋1がテーブルから離れてしまうこともあり得るが、引き剥がし動作はもう片方の手で包装袋本体2を押さえながら行なうのが普通であるので、ここで問題が生じることはない。
また仮封止シール5・切り取り片21間の貼着力に関しては、切り取り片21には粘着剤層部分がなく、貼着して一体化された状態が通常のフラップ開閉動作で影響を受けることがないので、同じくここで問題が生じることはない。
そして、広告用フラップ6・仮封止シール5間の貼着力についてのみ、微妙な問題が存在する。つまり、仮封止シール5に焦点を当ててみると、仮封止シール5は包装袋本体2に貼着されていると同時に、広告用フラップ6にも貼着されているのである。従って基本的には、外力(即ち、摘まみ片61を指で引き上げること)で広告用フラップ6が包装袋本体2から離反した時に、仮封止シール5・包装袋本体2間に生じる粘着力が、広告用フラップ6・仮封止シール5間に生じる粘着力よりも大きいものでなければならない。
更に、広告用フラップ6が包装袋本体2から引き剥がされてゆく時に、仮封止シール5の端部を引き連れる確率を高めるために、該端部に非粘着ゾーンBが設けられている。この非粘着ゾーンBが設けられていない場合、広告用フラップ6が仮封止シール5の端部付近を通過する時にこれを包装袋本体2から引き剥がすことに失敗する可能性が大きくなり目的が達成できなくなる。
仮封止シール5においてもその一端に非粘着ゾーンBが設けられている理由は、このような不都合が生じないようにするためである。仮封止シール5の非粘着ゾーンB部分のみに着目すると、片面は広告用フラップ6の粘着剤層Aに貼着されているが他方面には粘着剤が存在していないことになる。
仮封止シール5においてもその一端に非粘着ゾーンBが設けられている理由は、このような不都合が生じないようにするためである。仮封止シール5の非粘着ゾーンB部分のみに着目すると、片面は広告用フラップ6の粘着剤層Aに貼着されているが他方面には粘着剤が存在していないことになる。
広告用フラップ6を端から剥いでゆき、この非粘着ゾーンB部分を超えると、今度は粘着剤層Aが存在するゾーンに到達する。すると仮封止シール5は、上面は広告用フラップ6側の粘着剤、下面は包装袋本体2側の粘着剤に接触することとなる。しかしながら、端部が既に広告用フラップ6側に貼着していてこの部分に関しては仮封止シール5が包装袋本体2から離反しているので、それ以降も広告用フラップ6側に貼着され追従してゆく可能性が高くなる。即ち、図8に示すように問題なくめくることができる。
とは言え確実ではないので、広告用フラップ6と仮封止シール5との間に存在する粘着剤層の粘着力は、仮封止シール5と包装袋本体2との間に存在する粘着剤層の粘着力よりも大きくなるように予め設計されていると更に好ましい。
とは言え確実ではないので、広告用フラップ6と仮封止シール5との間に存在する粘着剤層の粘着力は、仮封止シール5と包装袋本体2との間に存在する粘着剤層の粘着力よりも大きくなるように予め設計されていると更に好ましい。
1 本発明に係る湿潤シート包装用袋
2 包装用袋本体
21 切り取り片
3 湿潤シート
4 切り込み
5 仮封止シール
6 広告用フラップ
61 摘まみ片
A 粘着剤層
B 非粘着ゾーン
2 包装用袋本体
21 切り取り片
3 湿潤シート
4 切り込み
5 仮封止シール
6 広告用フラップ
61 摘まみ片
A 粘着剤層
B 非粘着ゾーン
Claims (8)
- 袋本体に設けられる湿潤シート取出し口が、対向面に粘着剤層を配した仮封止シールで塞がれた湿潤シート包装袋の該仮封止シールの上には、一端側は剥がさず他端側の端部から湾曲させて開く形式の、同じく対向面に粘着剤層が配され該仮封止シールよりも大きい広告用フラップが、該仮封止シールを内包させる形で配置されたものであることを特徴とする湿潤シート包装用袋。
- 該広告用フラップと該仮封止シールとの間に存在する粘着剤層の粘着力は、該仮封止シールと袋本体との間に存在する粘着剤層の粘着力よりも大きいものである請求項1記載の湿潤シート包装用袋。
- 該仮封止シールは、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリオレフィンのいずれかのプラスチックを主材料とするものである請求項1又は2記載の湿潤シート包装用袋。
- 該広告用フラップ表面には、文字又は図形或いは色彩若しくはこれらの組み合わせによる広告が描出されているものである請求項1、2又は3記載の湿潤シート包装用袋。
- 袋本体に設けられる湿潤シート取出し口が、対向面に粘着剤層を配した仮封止シールで塞がれた湿潤シート包装袋を、該仮封止シール表面には広告記載を施さない形でまずは大量生産し、その後、これら大量生産された包装袋の製品の一部に対して、一端側は剥がさず他端側の端部から湾曲させて開く形式の、粘着剤層が配され該仮封止シールよりも大きい広告用フラップを、該仮封止シールを内包させる形で貼着してゆくことを特徴とする湿潤シート包装用袋の製法。
- 該広告用フラップと該仮封止シールとの間に存在する粘着剤層の粘着力は、該仮封止シールと袋本体との間に存在する粘着剤層の粘着力よりも大きいものである請求項5記載の湿潤シート包装用袋の製法。
- 該仮封止シールは、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリオレフィンのいずれかのプラスチックを主材料とするものである請求項5又は6記載の湿潤シート包装用袋の製法。
- 該広告用フラップ表面には、文字又は図形或いは色彩若しくはこれらの組み合わせによる広告が描出されているものである請求項5,6又は7記載の湿潤シート包装用袋の製法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2019
- 2019-11-22 JP JP2019211133A patent/JP2021080008A/ja active Pending
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