JP2014201337A - 包装用ラップフィルム引出具 - Google Patents

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Satoshi Kawagoe
聡 川越
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Abstract

【課題】ラップフィルムを収納箱からスムーズに引き出すことができ、さらに
ラップフィルムと適度に粘着して引き剥がしも容易なラップフィルム引出具を
提供する。
【解決手段】曲折可能な長板状に形成され、収納箱2内にロール状に巻かれて収納された包装用ラップフィルム3の引き出し側端縁に長板1の密着片1aにラップフィルム3を密着させて引き出す引出具であって、ラップフィルム3に密着される密着面にミクロ吸着盤構造を有する粘着シール5を貼付してラップ密着面を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は食品等の包装に用いられるラップフィルムに関し、とくにその引出しに際して使用するラップフィルム引出具に関するものである。
食品等の包装に用いられる包装用ラップフィルムは、一般に、紙筒に巻回された長尺フィルムのロールとして紙箱内に収納される。そして使用に際しては、ラップフィルムをロールから連続的に繰り出し、紙箱に設けられた切断刃を用いて所望の長さに切断して使用する。
しかしながら、ラップフィルムは被包装物に付着し易い性質を有し、この性質は、密封包装する上で好ましい特徴である反面、ラップフィルム同士が局部的に重なり皺や捩れなどを生じ、取扱いを困難にする欠点でもある。
そこで、ラップフィルムの端縁に着脱可能な粘着剤のついた棒状の器具で、ラップフィルムの引出しを行うようにしたものや(特許文献1参照)。ラップフィルム収納箱に収納されたラップフィルムの引出し側の端縁に粘着させて、前記ラップフィルムを引き出すラップフィルム引出具であって、ラップフィルムに粘着可能な粘着板と、前記粘着板をその長手方向に沿って延びる長辺側の端縁が突出するように表面及び裏面の両側から挟持する本体部とからなるラップフィルム引出具が開示されている(特許文献2参照。)。また、ラップフィルムの幅と同等の長さで、やや強度のある細い短冊形の板または棒で、その両
端の二箇所に、少量の粘着剤を付け、フィルムを収納箱から引き出す際、この板または棒にフィルムの先端部分を粘着させて引き出すもの(特許文献3参照)や食品包装用ラップフィルムと同じ巾の、長方形の薄い板の片面に粘着材を付け、前記板をラップフィルムが入った箱の前面とラップフィルム引き出し口の裏面との間に隙間を作り、箱の上蓋の上面に付いた蛇腹部を箱の前方向に押し拡げ、刃の付いた上蓋をずらして、前記隙間に前記板を差し込み密着させ、弛みなく張った状態で必要量引張り出し切断して食品を包装した後、前記板を前記引き出し口の裏の隙間に再び収納し、連続使用できるようにされたもの(特許文献4参照。)等種々の構成のものが提案されている。
特開昭63−105629号公報 特許第3979537号公報 実開平7−28840号公報 特許第3146933号 特開2000−73534号公報
しかしながら、従来のラップフィルム取出具を用いた場合には、以下のような問題が生じていた。ラップフィルム引出具は、ラップフィルムを引き出すためにある程度の粘着力を必要とするが、包装後にはラップフィルムから剥がす必要があるため、粘着力が強すぎてもよくない。しかし、粘着剤の物性の調整だけで適度な粘着力を得ることは甚だ困難である。すなわち、粘着剤自体の粘着力が強すぎるとラップフィルムが強く接着しすぎて剥離することが困難になる。また、粘着剤層には徐々に塵埃が付着し、ラップフィルムに対する粘着力が低下すると共に、不衛生になるという欠点がある。
また、特許文献1に記載された発明のように、粘着剤を引出具本体の裏面に間隔を空けて付着させたものがあるが、これはラップフィルムを引き剥がすときのスムーズさに欠け、乱雑にフィルムが破れるおそれがある。さらに、特許文献2に記載された発明のように、粘着剤を本体部の裏面の両端のみに付着させたものがあるが、これではラップの中央部分が引出具に粘着せずに浮いた状態となり、ラップフィルムをスムーズに引き出すことができない。
そこで、本発明者は鋭意研究を行い、この粘着材としてミクロ吸着盤構造を有する粘着材を用いることを知得した。この粘着材は、粘着層の表面に微細なクレーター状の窪みが形成されたもので、被接着物に対してその窪みが吸盤のように作用する。これは、例えば、発泡剤を含むアクリルエマルジョンを原料として、これを機械的に攪拌することによって連続気泡を生じせしめ、これを布や紙等の基材に塗布し加熱乾燥することによって得られる(特許文献5参照。)。本発明もまた上記従来技術の課題に鑑み、ラップフィルムを収納箱からスムーズに引き出すことができ、さらにラップフィルムと適度に密着して引き剥がしも容易なラップフィルム引出具を提供することを目的とする。
このため本発明のラップフィルム引出具は、実質的に弧状を呈する角度に折曲可能な長板状に形成され、収納箱内にロール状に巻かれて収納された包装用ラップフィルムの引き出し側端縁に密着させると共に、引き出す引出具であって、ミクロ吸着盤構造を有する粘着材によりラップ密着面を設けたことを第1の特徴とする。また、引出具の長さに応じてミクロ吸着盤構造を有する粘着シールを複数個貼付したことを第2の特徴とする。さらに、吹付け塗布加工によりミクロ吸着盤構造を有する粘着層を設けたことを第3の特徴とする。さらに、引出具を収納箱と一体的且つ切離可能に形成したことを第4の特徴とする。
本発明によれば、フィルムとラップ密着面とは接着はするが、強く粘着するものではないので、引き剥がしも極めて容易にできる。すなわち、ラップフィルム引出具のラップとの密着面を、ミクロ吸着盤構造を有する粘着シールを貼付けるか又は粘着材を塗布して形成することによって、ラップフィルムの取り出しに際しては良好に粘着し、ラップ端の両隅が垂れることなく全体にわたって確実に粘着保持することができる。その結果、引き出し幅が短くてもラップを確実に切断することができ、引き出したラップ全体を均等にピンと張ることができる。このためラッピングし易くなり、切断刃による切れ味も良好になる。また、ラップと引出具は強力に接着されているわけではなく、表面同士が密着しているだけなので、ラッピングした後のラップフィルムを引出具から容易に剥がすことができる。また、引出具を、実質的に弧状を呈する角度に折曲可能な長板状に形成したので、巻き戻り防止のためにラップの端部が箱の前面に仮止された状態からの引き剥がし性に優れ、塩化ビニリデンあるいはポリエチレンといったラップの材質を問わずに、優れた離脱性能が得られる。
本発明に係るラップフィルム引出具を示す(a)は斜視図、(b)は粘着シールを台紙に貼り付けた状態を示す平面図である。 本発明に係るラップフィルム収納箱と引出具の使用状態を示す斜視図である。 本発明に係るラップフィルム引出具の使用状態を示す(a)は斜視図、(b)は(a)左側面図である。 本発明に係るラップフィルム引出具の使用状態を示す斜視図である。 本発明に係るラップフィルム引出具の使用状態を示す斜視図である。 収納箱の折蓋内にラップフィルム引出具を収納した状態を示す斜視図である。
以下、図面に示す実施例に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、本発明のラップフィルム収納箱2は、その折蓋2aの先端に切断刃4が取り付けられている。尚、この切断刃4の取り付け位置は、収納箱2からラップフィルム3が引き出され切断可能な場所であればどこでもよく特に限定されるものではない。ただ、一般的にはラップフィルム3を切断する際、収納箱2の前板2bとこの前板2bと重なる折蓋2aとの間でラップフィルム3を挟んで、外側から折蓋2aを押さえながら切断する仕様が好適に採用されている。
ラップフィルム3は、巻回ロールの形態で一般的に市販されている食品包装用ラップフィルムであり、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン等の材質からなる。この種のラップフィルムは、被包装物に付着又は密着する性質を有し、食品等の被包装物を密封保存するのに適しており、一般家庭における食品又は台所用品の日常的包装や、商工業的な食品包装材料として広く普及している。ここで、ポリ塩化ビニリデン製のラップは密着性が高く、ポリエチレン製のラップはそれに比較して密着性に劣るが、いずれの材質であっても、引き出されたラップの巻き戻り防止のために、ラップの端部が、糊やその他の加工によって収納箱2の前板2bに接着される仮止手段が講じられている。
図2に示すように、ラップフィルム引出具1には、その全長に渡って密着面となる(折り返し片)がプレス加工して折り畳み可能に形成され、折線が筋入れ加工され、折り返し片1aの表面に密着面が形成されている。この密着面には、粘着シール5が複数枚(本実施例では3枚)貼付され、これにより、ラップフィルム3と密着層5の表面同士が適度に粘着し、ラップフィルム3の取り出しに際しては良好な粘着性を有し、スムーズな引き出しを行うことができ、かつ、被包装物をラッピングした後のラップフィルム3を引出具1から容易に引き剥がすことができる。
図3に示すように、ラップフィルム引出具1は、収納箱2の短手方向に対して実質的に弧状を呈する角度に折曲可能な長板状に形成されている。巻き戻り防止のためにラップの端部が箱の前面に仮止された状態からの引き剥がし性に優れ、塩化ビニリデンあるいはポリエチレンといったラップの材質を問わずに、優れた離脱性能が得られる。尚、ラップフィルム引出具1の材質は、紙材又は弾力性のある材質であればプラスチック等が好適である。ラップフィルム3との密着時に全体が弧状に撓ることにより密着し易くなる。ここでは、ラップフィルム引出具1のラップ3との密着面を、ミクロ吸着盤構造を有する粘着シール5を貼付して形成している。この粘着シール5は、予め剥離台紙5aに複数個貼付した状態で提供し、引出具の長さに応じて、すなわち、引き出すラップフィルム3の粘着力調整のため粘着シールを複数個貼付して使用する。
この粘着シール5は、粘着層の表面に微細なクレーター状の窪みが形成された粘着シールで、被接着物に対してその窪みが吸盤のように作用する。このため、塵埃や異物の付着により粘着力が低下しても、水拭き等をして乾燥させるだけで簡単に復元できるので清潔な状態で何度も使用できる。尚、引出具1の密着面は、吹付け塗布加工等により粘着層を設けるものでもよい。
すなわち、密着面にミクロ吸着盤構造を有する粘着シール5を設けたことにより、引出具1はラップフィルム3と密着し、巻き戻り防止の仮止め手段からの引き剥がし及び所望する長さの引き出しに充分な粘着力は付与されるが、ラップフィルム3が強く接着し過ぎることがない。また、引出具1に塵埃が多量に付着し、ラップフィルム3の保持性が低下したり、不衛生になるという欠点も解消できる。さらに、ラッピングした後のラップフィルム3を引出具1から容易に引き剥がすことができる。また、引出具1は、とくに左右両端部も確実に粘着でき、引き出したラップをピンと張ることができる
以下にラップフィルム引出具1を用いて、フィルム収納箱2に収納されたラップフィルム3を引き出して、料理等をラッピングする方法について説明する。
最初に、図3に示すように、ラップフィルム3の引き出し側の端縁に、ラップフィルム引出具1の一方面を貼着させる。次に、図4及び図5に示すように、ラップフィルム引出具1を引っ張って、ラップフィルム3を所望する長さだけ引き出し、料理皿等を覆った後、収納箱2に取付けられた切断刃4により切断する。最後に、ラップフィルム3を皿の形状に合わせて整えてラッピングが完了する。
また、図6に示すように、ラップフィルム引出具1は、使用後にロールの始端に再び粘着させ、そのまま収納箱2の折蓋2aに挟み込んでおけば、紛失を防止でき収納場所にも困らない。また、ラップの引き出し端がロール本体に巻き付くことを防止でき、次に使用する際にも引き出す手掛かりを施した状態となり清潔で便利である。また、予め引出具1を収納箱2と一体的に成形し、キリトリ線を設けて、箱から切り離して使用するようにしても良い。
1 ラップフィルム引出具
1a 密着片(折り返し片)
1b 折線
2 収納箱
2a 折蓋
2b 前板
3 ラップフィルム
4 切断刃
5 粘着シール(ミクロ吸盤)
5a 台紙

Claims (4)

  1. 実質的に弧状を呈する角度に折曲可能な長板状に形成され、収納箱内にロール状に巻かれて収納された包装用ラップフィルムの引き出し側端縁に密着させると共に引き出す引出具であって、ミクロ吸着盤構造を有する粘着材によりラップ密着面を設けたことを特徴とするラップフィルム引出具。
  2. 引出具の長さに応じてミクロ吸着盤構造を有する粘着シールを複数個貼付したことを特徴とする請求項1記載のラップフィルム引出具。
  3. 吹付け塗布加工によりミクロ吸着盤構造を有する粘着層を設けたことを特徴とする請求項1記載のラップフィルム引出具。
  4. 収納箱と一体的且つ切離可能に形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のラップフィルム引出具。
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