JP2021076768A - 音声再生プログラム、および音声再生装置 - Google Patents

音声再生プログラム、および音声再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】音声再生プログラム、および音声再生装置において、より臨場感のある音声の再生ができるようにする。【解決手段】コンピュータを、所定の音響効果を付して、仮想空間内の音として音声を再生する再生手段と、再生手段が付す音響効果を制御するための第1パラメータを生成する再生制御手段として機能させる。仮想空間は、複数のエリアに区分けされ、各エリアには、エリアに設定されている温度、湿度、および天候の少なくともひとつを含んだ第2パラメータが対応付けられる。仮想空間内には、音を発する仮想の音源が配置される。再生制御手段は、音源が存在するエリアに対応付けられた第2パラメータに基づいて、第1パラメータを生成する。【選択図】図1

Description

本発明は、音声再生プログラム、および音声再生装置に関する。
ゲームプログラムの中には、仮想空間内のキャラクタと、草や木などのオブジェクトとが接触した場合に効果音(例えば接触音)を発生させるものがある(例えば特許文献1を参照)。特許文献1の例では、キャラクタと複数のオブジェクトとの距離に応じてひとつのオブジェクトを対象オブジェクトとして特定している。特許文献1の例では、対象オブジェクトとキャラクタが接触したものとして所定のリアクション(接触音の発生等)を行っている。
特開2018−201786号公報
前記の特許文献の例では、距離に基づいて発音の有無を制御している。この制御によって、ユーザは臨場感を得られるが、臨場感の更なる向上のニーズがある。
そこで、本発明の目的は、音声再生プログラム、および音声再生装置において、より臨場感のある音声の再生ができるようにすることにある。
第1の発明は、コンピュータを、所定の音響効果を付して、仮想空間内の音として音声を再生する再生手段と、前記再生手段が付す音響効果を制御するための第1パラメータを生成する再生制御手段と、して機能させ、前記仮想空間は、複数のエリアに区分けされ、各エリアには、前記エリアに設定されている温度、湿度、および天候の少なくともひとつを含んだ第2パラメータが対応付けられ、前記仮想空間内には、前記音を発する仮想の音源が配置されており、前記再生制御手段は、前記音源が存在するエリアに対応付けられた第2パラメータに基づいて、前記第1パラメータを生成することを特徴とする音声再生プログラムである。
第1発明において、前記第1パラメータは、音量、および残響特性の少なくともひとつを定めるパラメータとすることができる。
前記発明においては、前記再生制御手段は、前記音が聴取される仮想の受音点と、前記音源との距離を求め、前記第2パラメータを用いて、求めた距離の値を増加または減少させる補正を行い、前記再生制御手段は、補正した距離に基づいて、前記第1パラメータを生成してもよい。
前記発明においては、前記仮想空間には、仮想の時刻が設定されており、前記再生制御手段は、前記時刻に応じて、前記第2パラメータを補正してもよい。
前記発明においては、前記仮想空間には、位置が固定された静的オブジェクトが配置されており、前記再生制御手段は、前記音が聴取される仮想の受音点と、前記静的オブジェクトとの距離に応じて、前記第2パラメータを補正してもよい。
前記発明においては、前記仮想空間には、位置が変化する動的オブジェクトが配置されており、前記再生制御手段は、前記動的オブジェクトの動作に応じて、前記第2パラメータを補正してもよい。
また、第2の発明は、前記の何れかの音声再生プログラムを記憶した記憶部と、前記音声再生プログラムを実行する制御部と、を備えたことを特徴とする音声再生装置である。
本発明によれば、より臨場感のある音声の再生が可能になる。
本実施形態のゲーム装置の構成を示すブロック図である。 距離−音量特性カーブを例示する。 一日の気温変化率を表す関数の例をグラフで示す。
[実施形態]
以下、本発明の実施形態にかかる音声再生プログラム、および音声再生装置について、図面を参照して説明する。本発明の音声再生プログラムは、ゲームプログラムとして実装されている。音声再生装置は、ゲーム装置として実現されている。
本実施形態で説明するゲームプログラムは、例えば、パーソナルコンピュータ、プレイステーション(登録商標)、XBox(登録商標)、PlayStation Vita(登録商標)などのゲーム装置において実行される。
このゲームプログラムによるゲームでは、ユーザの操作を受けて、プレイヤキャラクタを三次元の仮想ゲーム空間(以下、単に仮想空間という)で活動させたり、プレイヤキャラクタ同士でグループを編成して様々なアクションを行わせたりする。
仮想空間内には、動作を自立的に実行可能なオブジェクト(以下、動的オブジェクトという)が存在する。動的オブジェクトは、例えばAI(Artificial Intelligence)によって動作したり、予め定められた定型的な動作をしたりする。本ゲームにおける動的オブジェクトには、プレイヤキャラクタと戦うモンスター等を例示できる。
仮想空間内には、位置が固定されたオブジェクト(以下、静的オブジェクトという)も存在する。静的オブジェクトとしては、焚き火、松明などを例示できる。
〈ゲーム装置の構成〉
ゲーム装置5は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。図1は、本実施形態のゲーム装置5の構成を示すブロック図である。ゲーム装置5には、ディスプレイ61、スピーカ62およびコントローラ63が外部接続または内蔵される。ゲーム装置5では、例えば、インストールされたゲームプログラムおよびゲームデータに基づいてゲームが進行する。なお、ゲーム装置5同士も、通信ネットワーク(図示を省略)または近距離無線通信装置(図示せず)を用いて、互いにデータ通信を行うことができる。
ゲーム装置5は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、記憶部55および制御部56を有する。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54および記憶部55は、バス59を介して制御部56と電気的に接続されている。
ネットワークインターフェース51は、例えばゲーム装置5や外部のサーバ装置(図示を省略)との間で各種データを送受信するために、前記通信ネットワークに通信可能に接続される。
グラフィック処理部52は、制御部56から出力されるゲーム画像情報に従って、プレイヤキャラクタおよびゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部52はディスプレイ61と接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ61上に表示される。
オーディオ処理部53は、制御部56の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。オーディオ処理部53はスピーカ62と接続されており、再生および合成されたゲーム音声は、スピーカ62から出力される。
操作部54は、コントローラ63と接続され、操作入力に関するデータをコントローラ63との間で送受信する。例えば、ユーザは、コントローラ63に設けられたボタン等の操作子(図示略)を操作することにより、ゲーム装置5に操作信号を入力する。
記憶部55は、HDD、RAMおよびROM等で構成される。記憶部55は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶することができる。また、記憶部55には、他のゲーム装置5から受信した他アカウント情報なども記憶される。
制御部56は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、ゲーム装置5の動作を制御する。例えば、制御部56は、前記ゲームプログラムを実行することにより、グラフィック処理部52およびオーディオ処理部53等を動作させる。
〈オーディオ処理部の機能的構成〉
オーディオ処理部53は、ゲーム音声(以下、単に音声という場合もある)を再生する。オーディオ処理部53は、音声の再生において音像定位を行う。オーディオ処理部53は、音像定位を行うため、音声が聴取される仮想の受音点(以下、仮想マイクL)を仮想空間に設定する。この例では仮想マイクLは、プレイヤキャラクタの近傍に設定されている。仮想マイクLは、プレイヤキャラクタの移動にともなって移動する。
このゲームでは、仮想空間内に存在する音源(仮想の音源)から音声が発せられたように、音響的な演出が行われる。オーディオ処理部53は、仮想の音源(オブジェクトなど)から発せられた音声を、あたかも仮想マイクLで集音したかのような音響表現で、スピーカ62に出力する。すなわち、仮想マイクLは、仮想の聴取者であり、オーディオ処理部53による音像定位の基準点である。
オーディオ処理部53は、音声の再生や合成の機能を司る、いわゆるミドルウエアを実行する。オーディオ処理部53は、ミドルウエアを実行することにより、再生手段531として機能する。再生手段531は、仮想空間内の音として音声を再生する機能を有している。
本ゲームでは、仮想空間にて繰り広げられる各キャラクタの動作、各キャラクタの位置などに応じて、各場面に適した楽曲(BGM)、効果音、環境音などの音声が出力される。効果音、環境音などのデジタルデータは、ゲームデータとして記憶部55に格納されている。
再生手段531は、例えば、プレイヤキャラクタが何らかのオブジェクト(例えば草むらの草など)に接触したと見なせる場合に接触音を再生する。詳しくは、再生手段531は、プレイヤキャラクタと、プレイヤキャラクタに最近傍のオブジェクトとの距離が、所定閾値以下の場合に、両者が接触したと見なして、接触音などの効果音を再生する。
再生手段531は、仮想の受音点(仮想マイクL)と仮想の音源(動的オブジェクトなど)との位置関係に応じて、音量調整、リバーブ(残響音の付与)などの音響効果を音声に付している。再生手段531は、再生制御手段561(後述)から与えられた第1パラメータ(後述)に応じて、どのような音響効果を付すかを決定している。
〈制御部の機能的構成〉
制御部56は、ゲームプログラムを実行することにより、再生制御手段561として機能する。再生制御手段561は、再生手段531が付す音響効果を決定するためのパラメータ(以下、第1パラメータという)を生成する。第1パラメータは、音量、および残響特性の少なくともひとつを定めるための情報を含んでいる。
再生制御手段561は、仮想空間内の状況を把握し、その状況を第1パラメータの生成に反映する。第1パラメータの生成手順を説明するにあたり、本ゲームプログラムの仮想空間の構成を詳しく説明する。
仮想空間は、複数のステージに区分されている。ステージには、森、荒れ地、台地といった地形的な特徴が設定されている。各ステージは、複数のエリアに区分けされている。エリアには、戦闘エリア、キャンプ地といった特徴が設定されている。
例えば、戦闘エリアは、プレイヤキャラクタと他のキャラクタとの戦闘が行われるエリアである。キャンプ地は、プレイヤキャラクタ等が体力回復や補給を行うエリアである。各エリアには、動的オブジェクト、静的オブジェクトが存在する。
仮想空間には、時間(時刻)の概念が取り入れられている。仮想空間では、昼から夜に変化するといった状況変化がおこる。仮想空間の各エリアには、温度、湿度、および天候が設定されている。エリアによっては、温度、湿度、および天候の少なくともひとつが、時間の経過に応じて変化する。
仮想空間には、プレイヤキャラクタなどのオブジェクトが移動可能な面を規定するために、メッシュが配置されている。このメッシュは、ディスプレイ61には表示されない。メッシュは、ノンプレイヤキャラクタ(動作を自立的に実行可能なオブジェクト)の進行ルートを決定するための経路探索にも使われる。メッシュを構成するノード(以下、特徴点という)には、所定の情報が対応付けられている。特徴点もディスプレイ61には表示されない。
それぞれの特徴点に対応付けられている情報を、以下では、特徴点情報と呼ぶ。特徴点情報には、特徴点の座標値、特徴点が属するエリアを特定する情報が含まれている。特徴点情報は、プレイヤキャラクタと、プレイヤキャラクタに最近傍のオブジェクトとの接触の判定(〈オーディオ処理部の機能的構成〉の欄を参照)にも用いられる。
特徴点情報には、第2パラメータが含まれている。第2パラメータは、特徴点が属するエリアに設定されている、気温の情報(気温情報Ta)、湿度(湿度Ha)の情報、および天候の情報を含んでいる。気温情報Taは、昼の気温(最高気温)の情報と、夜の気温(最低気温)の情報とを含んでいる。
本ゲームプログラムでは、同一エリア内の特徴点は全て、気温情報Taの値が同じである。同様に、同一エリア内の特徴点は全て、湿度Haの値が同じである。
再生制御手段561は、第2パラメータに基づいて第1パラメータを生成する。具体的に、再生制御手段561は、以下の処理を行う。
(1)再生制御手段561は、プレイヤキャラクタが存在するエリアを特定する。具体的には、再生制御手段561は、プレイヤキャラクタに最も近い特徴点(以下、最近傍点という)を探索することでエリアを特定する。再生制御手段561は、特定したエリア内の何れか特徴点(例えば最近傍点)の特徴点情報を読み取って、第2パラメータを取得する。
(2)再生制御手段561は、第2パラメータから得た気温情報Ta、および湿度Haに基づいて、音速Vt(単位:m/s)を求める。再生制御手段561は、音速Vtの算出に以下の式(1)を用いている。
Vt=331.5+0.6t+0.15h …式(1)
式(1)のtは、気温情報Taを基に求めた気温(以下、補正気温Tcという)である。hは、湿度Haを補正した値(以下、補正湿度Hc)である。補正気温Tc、および補正湿度Hcの求め方は後述する。音速Vtは、音源の音が仮想マイクLに到達する時間の決定、音の周波数特性の決定などに利用できる。
(3)再生制御手段561は、仮想マイクLと仮想の音源との距離を補正した値(以下、補正距離Dcという)を求める。再生制御手段561は、補正距離Dcの算出に以下の式(2)を用いている。
補正距離Dc=D−(基準気温−補正気温Tc)×p …式(2)
式(2)において、Dは、仮想マイクLと仮想の音源との距離である。基準気温(℃)は、昼間の気温として想定される定数である。例えば、基準気温(℃)には、最高気温になると考えられる14時の気温を採用することが考えられる。pは、正の係数である。pの値は、ゲームプログラムの開発者が任意に定めてよい。
式(2)では、補正気温Tcが低下すると、補正距離Dcが低下する。例えば、夜になって、昼間よりも気温が下がると、補正距離Dcが昼間よりも小さくなる。
(4)再生制御手段561は、補正距離Dcに基づいて、第1パラメータを求める。例えば、再生制御手段561は、補正距離Dcに応じて音量を決定する。
再生制御手段561は、距離と音量との関係を規定した距離−音量特性カーブを、音量の決定に用いる。図2に、距離−音量特性カーブを例示する。距離−音量特性カーブは、横軸が距離であり、縦軸が音量である。本ゲームプログラムでは、距離−音量特性カーブは、関数で実装されている。
図2から分かるように、再生制御手段561は、距離が大きくなるに従って音量を小さく制御する。換言すると、再生制御手段561は、補正距離Dcに基づいて、距離減衰を再現している。
再生制御手段561は、湿度に応じて音の残響特性(例えば残響時間)を決定する。本ゲームプログラムには、湿度と、音の残響時間との関係を示す関数(以下、湿度−残響時間関数)が実装されている。
音は、湿度が高いほど響きにくくなると経験的に言われている。本ゲームプログラムでは、湿度が高いほど残響時間が短くなるように、湿度−残響時間関数を定めている。再生制御手段561は、湿度−残響時間関数に基づいて、補正湿度Hcにおける残響特性(例えば残響時間)を決定する。
(5)音量、残響時間が定まったら、再生制御手段561は、それらを第1パラメータとして、再生手段531に送る。
〈補正気温Tcの決定〉
再生制御手段561は、以下の要素を考慮して補正気温Tcを決定する。
(要素1)時間帯(0〜24時)
(要素2)エリアの天候(良天候/悪天候など)
(要素3)静的オブジェクトの状態(松明、焚き火などの炎の有無)
(要素4)動的オブジェクトの動作(モンスターが火球を吐く動作など)。
要素1は、時間帯による気温変化を音声の再生に反映するため用いられる。本ゲームプログラムでは、一日の気温変化を関数化している。図3に、一日の気温変化率を表す関数の例をグラフで示す。
図3のグラフでは、縦軸は気温である。この縦軸に示してある温度は、例示に過ぎない。図3のグラフの横軸は、時刻である。図3の例では、24時間を、6時〜14時、14時〜22時、22時〜6時の3つに区分している。図3の例では、気温(一年間の平均)を、区分毎に直線で近似している。これらの直線は、互いに変化率(傾き)が異なっている。
気温変化率が直線で近似されていると、昼の気温と夜の気温との割合から、現在の時刻における気温(気温Ttとする)を求めることができる。昼の気温と夜の気温とは、気温情報Taから得ることができる。
要素2は、天候による気温変化を音声の再生に反映するため用いられる。再生制御手段561は、天候に応じたオフセット値を、気温Tt(要素1を参照)に加算する。オフセット値は、任意に定めてよい。ここでは、オフセット値の一例として、悪天候に対して−3℃、良天候時に対して0℃を挙げる。
要素3は、所定の静的オブジェクトによる気温変化を音声の再生に反映するため用いられる。仮想空間には、周囲の気温を変化させる状態をとる静的オブジェクトが存在する。周囲の気温を変化させうる静的オブジェクトとしては、一例として、松明、焚き火といった、熱を発する静的オブジェクトを挙げることができる。
周囲の気温を変化させうる静的オブジェクトと、プレイヤキャラクタとの距離が所定範囲の場合には、再生制御手段561は、両者の距離に応じたオフセット値を気温Ttに加算する。再生制御手段561は、距離が離れるほどより小さなオフセット値を選択する。
要素4は、所定の動的オブジェクトによる気温変化を音声の再生に反映するため用いられる。仮想空間には、周囲の気温が変化するような動作を行う動的オブジェクトが存在する。周囲の気温を変化させる動作には、一例として、火球を吐き出すモンスターの動作を挙げることができる。
熱を発する動的オブジェクトと、プレイヤキャラクタとの距離が所定範囲の場合には、再生制御手段561は、所定のオフセット値を気温Ttに加算する。再生制御手段561は、所定時間(例えば5秒)が経過すると、オフセット値を徐々にゼロに戻す。オフセット値をゼロに戻すのは、動的オブジェクトによる気温の変化は、一時的と考えられるからである。なお、このオフセット値は任意に定めてよい。「所定範囲」も任意に定めてよい。
〈補正湿度Hcの決定〉
再生制御手段561は、エリアに規定されている湿度Ha(第2パラメータ)と、要素2(天候)とを考慮して補正湿度Hcを決定する。本実施形態では、再生制御手段561は、天候に応じたオフセット値を湿度Haに加算して補正湿度Hcを生成する。ここでは、オフセット値の一例として、悪天候に対して+10%、良天候時に対して0%を挙げる。
〈動作例〉
例えば、昼間に、プレイヤキャラクタと同エリアに居るモンスターが、吠える動作を行うとする。モンスターの吠える声を再生するために、再生制御手段561は、プレイヤキャラクタに最近傍の特徴点(最近傍点)を探索する。
再生制御手段561は、最近傍点に対応した第2パラメータに基づいて、補正気温Tcを求める。再生制御手段561は、補正気温Tcに基づいて、補正距離Dcを計算する。更に、再生制御手段561は、第2パラメータ等に基づいて補正湿度Hcを求める。
再生制御手段561は、補正距離Dcに基づいて、音量(距離減衰)を決定する。再生制御手段561は、補正湿度Hcに基づいて残響特性を決定する。再生制御手段561は、音速、音量、残響特性を規定する情報を第1パラメータとして再生手段531に送る。
再生手段531は、再生制御手段561から受け取った第1パラメータに基づいて、音声の再生を行う。これにより、エリア(仮想空間)の状況(気温、湿度、天候等)に応じた音響効果が付されてスピーカ62から音が出力される。
また、昼間よりも気温が下がった夜に、プレイヤキャラクタと同エリアに居るモンスターが、吠える動作を行うとする。この場合には、補正距離Dcは、昼間の補正距離Dcよりも小さな値となる。
したがって、再生制御手段561は、音量(第1パラメータ)を、昼間の音量よりも大きく設定する。その結果、再生手段531は、モンスターの吠える声を、昼間よりも大きな音量で再生する。換言すると、本ゲームプログラムでは、夜は遠くまで音が聞こえる、という現象を再現している。
以上をまとめると、本件発明は、コンピュータを、所定の音響効果を付して、仮想空間内の音として音声を再生する再生手段(オーディオ処理部53)と、前記再生手段が付す音響効果を制御するための第1パラメータを生成する再生制御手段(制御部56)と、して機能させ、前記仮想空間は、複数のエリアに区分けされ、各エリアには、前記エリアに設定されている温度、湿度、および天候の少なくともひとつを含んだ第2パラメータが対応付けられ、前記仮想空間内には、前記音を発する仮想の音源が配置されており、前記再生制御手段は、前記音源が存在するエリアに対応付けられた第2パラメータに基づいて、前記第1パラメータを生成することを特徴とする音声再生プログラムである。
〈本実施形態の効果〉
本実施形態では、エリア(仮想空間)に設定された気温、湿度に応じた音響効果が付されて音声が再生される。例えば、本実施形態では、夜は遠くまで音が聞こえる、という現象を再現できる。本実施形態によれば、より臨場感のある音声の再生が可能になる。
[その他の実施形態]
なお、温度、湿度、および天候の全てを、第1パラメータの生成に用いる必要はない。温度、湿度、および天候の一部のみを、第1パラメータの生成に用いてもよい。一方、これらとは別の要素を用いて、第1パラメータを生成することも可能である。
ひとつのエリア内に、互いに値が異なる複数種類の第2パラメータ(気温、湿度、天候など)を設定してもよい。例えば、同エリア内であっても、池の近く特徴点と、池から遠く離れた位置の特徴点とで、気温と湿度を異ならせるといった応用が考えられる。このように特徴点によって第2パラメータの値が異なる場合には、プレイヤキャラクタに最近傍の特徴点に設定されている特徴点情報を用いて、音声の再生を行うとよい。
第2パラメータに応じて、再生する環境音を切り替えてもよい。これにより、例えば、気温に応じて、鳴いている動物の種類を変えるといった演出が可能になる。
静的オブジェクトに基づくオフセット値は、時刻に応じて変更してもよい。例えば、松明は、時刻によって、点いたり消えたりする場合がある。松明が消えている場合には、オフセット値をゼロにすることが考えられる。
静的オブジェクト用のオフセット値は、特徴点情報に含めてもよい。こうすることで、ゲームプログラムの実行中にオフセット値を算出せずにすむ。換言すると、複数の静的オブジェクトが存在しても、処理負荷の増大を抑えることが可能になる。
オフセット値は、ステージ毎に定義できるようにしてもよし、エリア毎に定義できるようにしてもよい。
距離Dの補正に用いるパラメータは、気温(補正気温Tc)には限定されない。その他のパラメータ(例えば補正湿度Hc)を用いてもよい。
湿度(補正湿度Hc)を時刻に応じて変化させるようにしてもよい。
静的オブジェクトの状態に応じて変化させるパラメータは、気温には限定されない。例えば、静的オブジェクトの状態に応じて湿度を変化させてもよい。
動的オブジェクトの動作に応じて変化させるパラメータは、気温には限定されない。例えば、動的オブジェクトの動作に応じて、湿度を変化させてもよい。
天候には、雪の影響を考慮してもよい。例えば、雪のある状態では、音の減衰を大きくするといった演出が考えられる。
第2パラメータは、必ずしも、特徴点情報に含める必要はない。別のデータとして実装してもよい。一例として、エリアの情報(例えばエリアに付された番号)をキーとして検索可能なリストとして実装することが考えられる。
音声再生プログラムは、ゲームプログラム以外に適用してもよい。例えば、映画、アニメーションなどに音響効果を付すプログラムおよび装置にも応用できる。
ゲームプログラムは、いわゆるオンラインゲーム用のゲームプログラムとして実装してもよい。ゲームプログラムがオンラインゲーム用である場合には、制御部56、オーディオ処理部53等で行っていた処理をそれらに代わってサーバ側で行ってもよいし、サーバ側とクライアント(ゲーム装置5)側とで分担してもよい。
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本発明の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
5 ゲーム装置(音声再生装置)
53 オーディオ処理部
56 制御部
531 再生手段
561 再生制御手段

Claims (7)

  1. コンピュータを、
    所定の音響効果を付して、仮想空間内の音として音声を再生する再生手段と、
    前記再生手段が付す音響効果を制御するための第1パラメータを生成する再生制御手段と、
    して機能させ、
    前記仮想空間は、複数のエリアに区分けされ、
    各エリアには、前記エリアに設定されている温度、湿度、および天候の少なくともひとつを含んだ第2パラメータが対応付けられ、
    前記仮想空間内には、前記音を発する仮想の音源が配置されており、
    前記再生制御手段は、前記音源が存在するエリアに対応付けられた第2パラメータに基づいて、前記第1パラメータを生成することを特徴とする音声再生プログラム。
  2. 請求項1において、
    前記第1パラメータは、音量、および残響特性の少なくともひとつを定めるパラメータであることを特徴とする音声再生プログラム。
  3. 請求項1、または請求項2において、
    前記再生制御手段は、前記音が聴取される仮想の受音点と、前記音源との距離を求め、前記第2パラメータを用いて、求めた距離の値を増加または減少させる補正を行い、
    前記再生制御手段は、補正した距離に基づいて、前記第1パラメータを生成することを特徴とする音声再生プログラム。
  4. 請求項1から請求項3の何れかにおいて、
    前記仮想空間には、仮想の時刻が設定されており、
    前記再生制御手段は、前記時刻に応じて、前記第2パラメータを補正することを特徴とする音声再生プログラム。
  5. 請求項1から請求項4の何れかにおいて、
    前記仮想空間には、位置が固定された静的オブジェクトが配置されており、
    前記再生制御手段は、前記音が聴取される仮想の受音点と、前記静的オブジェクトとの距離に応じて、前記第2パラメータを補正することを特徴とする音声再生プログラム。
  6. 請求項1から請求項5の何れかにおいて、
    前記仮想空間には、位置が変化する動的オブジェクトが配置されており、
    前記再生制御手段は、前記動的オブジェクトの動作に応じて、前記第2パラメータを補正することを特徴とする音声再生プログラム。
  7. 請求項1から請求項6の何れかの音声再生プログラムを記憶した記憶部と、
    前記音声再生プログラムを実行する制御部と、
    を備えたことを特徴とする音声再生装置。
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