JP2021075882A - ウインドレギュレータ - Google Patents

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公宏 木下
Kimihiro Kinoshita
公宏 木下
慎一 荒木
Shinichi Araki
慎一 荒木
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Abstract

【課題】ウインドガラスの下死点到達時に入力される荷重を好適に制御することができるウインドレギュレータを提供する。【解決手段】ウインドガラスの昇降方向に延びるガイドレールと、前記ウインドガラスを支持するとともに、前記ガイドレールに前記昇降方向に摺動自在に支持されるスライダと、を有し、前記スライダは、前記ガイドレールに対する摺動部であるシューと、前記シューを支持するシューベースと、を有し、前記シューは、前記ウインドガラスの下死点を規定するストッパ部を支持するストッパ支持部を有する、ことを特徴とするウインドレギュレータ。【選択図】図15

Description

本発明は、ウインドレギュレータに関する。
特許文献1には、ウインドレギュレータのストッパ構造が開示されている。このストッパ構造は、ガイドレールと、窓ガラスを取り付けてガイドレールに沿って移動するキャリアプレートと、ガイドレールの端部近辺に設けられてキャリアプレートを停止させるストッパと、を有している。キャリアプレートにガイドレール内を摺動するスライダが取り付けられ、そのスライダの移動方向における端部にクッションが設けられ、ガイドレールの開口端を塞ぐように、クッションが衝突するストッパが設けられている。
特開2001−49949号公報
しかしながら、本発明者の鋭意研究によれば、特許文献1のストッパ構造は、窓ガラス(キャリアプレート、スライダ)の全閉位置(下死点位置)を規定する機能は担っているものの、ストッパにクッションが衝突したときに入力される荷重をどのように制御するかという視点はなく、この点で改良の余地があった。すなわち、特許文献1のストッパ構造は、ストッパにクッションが衝突したときの荷重が繰り返し入力されることによって、ガイドレール、キャリアプレート、スライダ等の周辺部品に損傷や故障が発生するおそれがあった。
本発明は、以上の問題意識に基づいて完成されたものであり、ウインドガラスの下死点到達時に入力される荷重を好適に制御することができるウインドレギュレータを提供することを目的とする。
本実施形態のウインドレギュレータは、ウインドガラスの昇降方向に延びるガイドレールと、前記ウインドガラスを支持するとともに、前記ガイドレールに前記昇降方向に摺動自在に支持されるスライダと、を有し、前記スライダは、前記ガイドレールに対する摺動部であるシューと、前記シューを支持するシューベースと、を有し、前記シューは、前記ウインドガラスの下死点を規定するストッパ部を支持するストッパ支持部を有する、ことを特徴とする。
前記シューは、前記シューベースの少なくとも一部に対向して前記シューベースに支持される対向支持部を有してもよい。
前記シューベースは、前記昇降方向に延びる主壁部を有し、前記シューベースの前記主壁部と、前記シューとは、前記シューベースと前記シューの第1の支持部を構成してもよい。
前記シューベースは、前記ウインドガラスの下端部を支持するガラス支持部を有し、前記シューベースの前記ガラス支持部と、前記シューの前記ストッパ支持部とは、前記シューベースと前記シューの第2の支持部を構成してもよい。
前記シューは、前記摺動部と前記ストッパ支持部を連結する連結部を有してもよい。
前記シューベースは、前記シューを固定するシュー固定部として、前記シューの貫通孔と位置合わせされる固定孔と、前記貫通孔との位置合わせ状態で前記固定孔に挿入される固定ピンと、を有してもよい。
前記ストッパ部と前記ストッパ支持部は、前記昇降方向と前記昇降方向と直交する方向の少なくとも一方において、前記ガイドレールからはみ出してもよい。
前記シューは、相対的に硬度が低い材料を含んで構成され、前記シューベースは、相対的に硬度が高い材料を含んで構成されてもよい。
本発明によれば、ウインドガラスの下死点到達時に入力される荷重を好適に制御することができるウインドレギュレータを提供することができる。
本実施形態のウインドレギュレータを搭載した車両ドアの側面図である。 本実施形態のウインドレギュレータを搭載した車両ドアの分解斜視図である。 ウインドガラスとスライダベースとスライダシューとラックの分解斜視図である。 スライダベースのシューベースに対するラックの支持構造を示す第1の図である。 スライダベースのシューベースに対するラックの支持構造を示す第2の図である。 スライダベースのシューベースに対するラックの支持構造を示す第3の図である。 図4の矢印A方向から見た拡大斜視図である。 図5のB−B線に沿う矢視断面図である 図6のC−C線に沿う矢視断面図である。 図6のD−D線に沿う矢視断面図である。 スライダベースのシューベースの下端部に対するスライダシューの支持構造を示す第1の図である。 スライダベースのシューベースの下端部に対するスライダシューの支持構造を示す第2の図である。 スライダベースのシューベースとスライダシューのストッパ構造を示す第1の図である。 スライダベースのシューベースとスライダシューのストッパ構造を示す第2の図である。 図14のE−E線に沿う矢視断面図である。 ガイドレールに対するモータユニットの支持構造の一例を示す図である。
図1〜図16を参照して、本実施形態によるウインドレギュレータ1について詳細に説明する。
ドア10は、車両ボディ(図示略)の右側前席の側方に取り付けられる側面ドアであり、車両ボディにはドア10によって開閉されるドア開口(図示略)が形成されている。ドア10は、ドアパネル10a(一点鎖線で仮想的に示す)とドアフレーム10bとを備えている。ドアパネル10aの上縁部とドアフレーム10bとによって囲まれる窓開口10cが形成されている。
以下の説明における車内側と車外側は、ドア10を閉じた状態での車両ボディの内側と外側に対応しており、車内側と車外側を結ぶ方向(ドア10の厚み方向)を車内外方向と呼ぶ。また、ドアフレーム10bのうち、窓開口10cに向く側を内周側、窓開口10cの反対側(ドア10を閉じた状態でボディ開口の内縁に向く側)を外周側とし、内周側と外周側を結ぶ方向を内外周方向と呼ぶ。
図示を省略するが、ドアパネル10aは、車内側に位置するインナパネルと、車外側に位置するアウタパネルとを組み合わせて構成されている。インナパネルとアウタパネルの間にドアパネル内空間(図示略)が形成されており、ドアパネル内空間の上縁は窓開口10c側に開口している。
ドアフレーム10bは、ドア10の上縁に位置するアッパサッシュ(ドアサッシュ)11と、アッパサッシュ11からドアパネル10aへ向けて概ね上下方向に延びている立柱サッシュ(ドアサッシュ)12及びフロントサッシュ(ドアサッシュ)13とを有している。立柱サッシュ12はドアフレーム10bの最後部に位置しており、ドア10の後部上方の角隅部は、アッパサッシュ11の後端と立柱サッシュ12の上端が交わるドアコーナー部10dとなっている。ドアコーナー部10dでは、アッパサッシュ11の後端と立柱サッシュ12の上端が、接続部材を介して接続されている。立柱サッシュ12とフロントサッシュ13は略平行に延びており、立柱サッシュ12が窓開口10cの後縁を形成し、フロントサッシュ13が窓開口10cの前縁を形成する。また、アッパサッシュ11が窓開口10cの上縁を形成する。
立柱サッシュ12は、ドアコーナー部10dから下方(斜め下方)に延びてドアパネル内空間に挿入される。アッパサッシュ11は、ドアコーナー部10dから前方に延び、途中から前方に進むにつれて下方に湾曲して、ドアパネル内空間に達する。フロントサッシュ13は、アッパサッシュ11の途中位置から下方(斜め下方)に延びてドアパネル内空間に挿入される。アッパサッシュ11と立柱サッシュ12とフロントサッシュ13はそれぞれ、ドアパネル内空間内でドアパネル10aに対して固定される。
ドアパネル内空間には、前部にミラーブラケット14が配され、後部にロックブラケット15が配されている。ミラーブラケット14とロックブラケット15はそれぞれドアパネル10aに対して固定され、ミラーブラケット14にフロントサッシュ13が固定され、ロックブラケット15に立柱サッシュ12が固定される。ミラーブラケット14の一部は、ドアパネル10aよりも上方に突出してアッパサッシュ11とフロントサッシュ13の間の三角状のスペースに収まる形状をなし、ミラーブラケット14の当該部分に対してドアミラー(図示略)などが取り付けられる。ロックブラケット15にはドアロック機構(図示略)などが取り付けられる。
ドアパネル内空間の上縁付近に、前後方向に延びるベルトラインリンフォース16が配されている。ベルトラインリンフォース16は、車内側に位置するインナリンフォース16aと車外側に位置するアウタリンフォース16bで構成されている(図2)。インナリンフォース16aの前端がミラーブラケット14に固定され、後端がロックブラケット15に固定されている。
立柱サッシュ12とフロントサッシュ13に沿って昇降して窓開口10cを開閉させるウインドガラスWが設けられる。ウインドガラスWは、ウインドレギュレータ1によって、全閉位置(図1の位置)と全開位置との間で昇降し、全閉位置ではウインドガラスWの上縁がアッパサッシュ11まで達する。全閉位置から全開位置へ下降したウインドガラスWは、ドアパネル内空間に収容される。
立柱サッシュ12に組み込まれる(立柱サッシュ12を構成する)ガイドレール20によって、ウインドガラスWが昇降方向へ移動可能に支持及び案内される。そのため、ガイドレール20は、全開位置から全閉位置までのウインドガラスWの後縁部分の移動範囲に対応する長さを有しており、立柱サッシュ12よりも下方のドアパネル内空間の下端付近まで延びている。また、フロントサッシュ13も、全開位置から全閉位置までのウインドガラスWの前縁部分の移動範囲に対応する長さを有しており、ドアパネル内空間の下端付近まで延びている。ガイドレール20の材質は、鉄やアルミなどの金属製でもよいし、合成樹脂のような非金属製でもよい。ウインドガラスWは、車外側に向けて凸となる湾曲形状を有している。ウインドガラスWの湾曲形状に対応して、立柱サッシュ12(ガイドレール20)も車外側に向けて凸となる湾曲形状を有している。
本実施形態のウインドレギュレータ1は、ガイドレール20が立柱サッシュ12に組み込まれる(立柱サッシュ12を構成する)とともに、ウインドレギュレータ1の構成要素がガイドレール20(立柱サッシュ12)に組み込まれている。
具体的に、ウインドレギュレータ1は、スライダベース(スライダ)30と、シューベース40と、スライダシュー(シュー)50と、スライダシュー(シュー)60と、ラック70と、モータユニット(駆動部)80とを有している。シューベース40とスライダシュー50とスライダシュー60は、スライダベース30の構成要素となっている。シューベース40の一端部(上端部)にスライダシュー50が支持されており、シューベース40の他端部(下端部)にスライダシュー60が支持されている(これらの支持構造については後に詳細に説明する)。スライダベース30(シューベース40、スライダシュー50、スライダシュー60)とラック70は、その少なくとも一部が、ガイドレール20(立柱サッシュ12)に組み込まれて、ガイドレール20(立柱サッシュ12)の内部空間に入り込んでいる。
ガイドレール20は、ウインドガラスWの駆動方向(昇降方向、上下方向)に延びる長尺部材によって構成されている。スライダベース30のシューベース40は、ウインドガラスWを支持(固定)するとともに、ウインドガラスWの駆動方向(昇降方向)に延びる長尺部材によって構成されている。また、スライダベース30のシューベース40は、ガイドレール20に対して、ウインドガラスWの駆動方向(昇降方向)に摺動自在に支持されている。
ラック70は、スライダベース30のシューベース40に支持される(これらの支持構造については後に詳細に説明する)。ラック70は、ウインドガラスWの駆動方向(昇降方向)に延びる長尺部材によって構成されている。ラック70は、スライダベース30のシューベース40のうち、スライダシュー50とスライダシュー60が取り付けられる上下端の一部を除いた長さを有している。すなわち、ラック70は、ウインドガラスWの駆動方向(昇降方向)のうち、スライダシュー50とスライダシュー60の間に支持される。
以上のようにして、ウインドガラスWに対して、スライダベース30(シューベース40、スライダシュー50、スライダシュー60)とラック70がそれぞれ取り付けられて、ウインドウアッセンブリとなる。
モータユニット80は、例えば、ガイドレール20に支持されている。モータユニット80は、モータMと、モータMによって正逆に回転駆動されるピニオンギヤ81とを有している。また、ラック70には、モータユニット80のピニオンギヤ81と噛合するラックギヤ75(図7〜図10)が設けられている。図2に示すように、ガイドレール20は、ドアパネル内空間で内周側壁の一部を切り欠いた切欠部21を有しており、この切欠部21を通じて、モータユニット80のピニオンギヤ81とラック70のラックギヤ75が噛合している。
ウインドレギュレータ1が組み付けられた状態でモータユニット80のモータMを駆動してピニオンギヤ81を回転させると、ラックギヤ75を介してガイドレール20の長手方向への移動力に変換される。すると、ラック70を支持(固定)したスライダベース30(シューベース40)が、スライダシュー50とスライダシュー60をガイドレール20に対して摺動させながら、ウインドガラスWと共に移動する。従って、ピニオンギヤ81が正逆に回転すると、ラック70を含むウインドウアッセンブリが、ガイドレール20に沿って昇降する。このように、モータユニット(駆動部)80は、ラック70を介してスライダベース30をウインドガラスWの駆動方向(昇降方向)に駆動する機能を持つ。
図4〜図10を参照して、スライダベース30のシューベース40に対するラック70の支持構造について詳細に説明する。なお、図1〜図3と、図4〜図10とでは、スライダベース30のシューベース40とラック70の構造が微妙に異なっているが、これは作図の便宜上の理由によるものであり、両者の支持構造は、図4〜図10に特徴的に表現されている。
スライダ30のシューベース40は、ウインドガラスWの駆動方向(昇降方向)に延びる主壁部41を有している。主壁部41の駆動方向(昇降方向)の一部である一端側(上端側)には、主壁部41を切り欠いた形状の荷重受け凹部42が形成されている。主壁部41の駆動方向(昇降方向)の荷重受け凹部42とは異なる位置である他端側(下端側)には、複数(ここでは6つ)の係合孔43が略等間隔で形成されている。係合孔43は、駆動方向(昇降方向)に延びる長孔により形成されている。
上述したように、ラック70は、ウインドガラスWの駆動方向(昇降方向)に延びる長尺部材である。ラック70の駆動方向(昇降方向)の一部である一端側(上端側)には、荷重受け凹部42に挿入される荷重受け凸部71が形成されている。ラック70の駆動方向(昇降方向)の荷重受け凸部71とは異なる位置である他端側(下端側)には、複数(ここでは6つ)の係合爪72が略等間隔で形成されている。また、ラック70の駆動方向(昇降方向)の荷重受け凸部71とは異なる位置である他端側(下端側)には、隣接する係合爪72の間に位置する押さえ壁73が形成されている。
図6、図8等に示すように、ラック70の荷重受け凸部71は、スライダ30のシューベース40の荷重受け凹部42に挿入されて、荷重受け凹部42の駆動方向(昇降方向)の一端側(上端側)と他端側(下端側)に対向する(微小クリアランス、最小クリアランスで嵌め込まれる)。これにより、例えば、ウインドガラスWの昇降時(特に上死点到達時)にスライダベース30のシューベース40とラック70の支持部に荷重が掛かったときであっても、当該荷重を好適に受け止めることができる。しかも、ラック70の荷重受け凸部71とスライダ30のシューベース40の荷重受け凹部42は、ウインドガラスWの上死点を規定するための駆動方向(昇降方向)の一端部(上端部)又はその近傍に位置しているので、ウインドガラスWの上死点到達時の荷重をより好適に受け止めることができる。さらに、ラック70に荷重受け凸部71を形成して、スライダ30のシューベース40に荷重受け凹部42を形成するだけなので、簡単な構成で組付性良くスライダベース30のシューベース40とラック70を支持することができる。
なお、ラック70の荷重受け凸部71は、必ずしも、荷重受け凹部42の駆動方向(昇降方向)の一端側(上端側)と他端側(下端側)に当接していなくてもよく、常時は非当接で、例えば、ウインドガラスWの昇降時(特に上死点到達時)にスライダベース30のシューベース40とラック70の支持部に荷重が掛かったときにだけ当接して、当該荷重を受け止めてもよい。
図9、図10等に示すように、ラック70の係合爪72は、スライダ30のシューベース40の主壁部41の一側面(図中の右側)から係合孔43に係合する。一方、ラック70の押さえ壁73は、スライダ30のシューベース40の主壁部41の他側面(図中の左側)から主壁部41を押さえる。このように、ラック70の係合爪72と押さえ壁73によって主壁部41を両側面から挟み込むようにして支持することで、スライダベース30のシューベース40とラック70を強固に支持(固定)することができる。
荷重受け凸部71と荷重受け凹部42の駆動方向(昇降方向)のクリアランスは、係合爪72と係合孔43の駆動方向(昇降方向)のクリアランスより十分に小さく設定されている。これにより、スライダベース30のシューベース40とラック70の支持部に掛けられた荷重を好適に受け止めるとともに、スライダベース30のシューベース40とラック70を強固に支持(固定)することができる。また、スライダベース30のシューベース40とラック70の製造(成形)について高精度な寸法精度が要求されない(荷重受け凸部71と荷重受け凹部42の寸法精度だけ確保すればよい)という利点がある。
係合爪72と係合孔43は、互いに係合されるものであるから、駆動方向(昇降方向)の位置が一致している。これに対して、押さえ壁73は、係合爪72と係合孔43とは、駆動方向(昇降方向)の位置を異ならせて配置されている(駆動方向(昇降方向)にオフセットされている)。これにより、ラック70を成形する際に、接離方向にのみ移動するスライドレス金型を使用することができるので(接離方向と直交する方向に移動するスライド金型を使用しないですむので)、ラック70を簡単かつ低コストに成形することができる。
図9、図10等に示すように、ラック70は、係合爪72と押さえ壁73を接続する本体部74を有している。本体部74は、断面視したときに、中実のブロック形状(矩形形状)をなしており、図中の下側に係合爪72と押さえ壁73が突出しており、図中の右側に、モータユニット80のピニオンギヤ81に噛合するラックギヤ75が臨んでいる。また、本体部74は、図中の上側に突出する突出部76と、図中の左側に突出する突出部77とを有している。突出部76、77は、本体部74のうち、ラックギヤ75が存在しない箇所に配置されている。
突出部76、77は、駆動方向(昇降方向)に延びるガイドレール20の内面に向かって突出しており、ラック70に倒れ方向の力が加わったときにガイドレール20の内面に弾接することで、ラック70の倒れ防止機能を発揮する。突出部76、77は、ラックギヤ75と離れた位置(ブロック状の本体部74の異なる面)でガイドレール20の内面に弾接しており、ラック70が図中の反時計回り方向に倒れることを確実に防止することができる。仮に、ラック70が図中の時計回り方向に若干倒れたとしても、ラックギヤ75とピニオンギヤ81の噛合は確保(保証)されるので、ウインドレギュレータ1の動作に悪影響を与えることはない。
図11、図12を参照して、スライダベース30のシューベース40の下端部に対するスライダシュー60の支持構造について詳細に説明する。ここでは説明を省略するが、スライダベース30のシューベース40の上端部に対するスライダシュー50の支持構造も同様である。なお、図1〜図3と、図11、図12とでは、スライダベース30のシューベース40とスライダシュー60の構造が微妙に異なっているが、これは作図の便宜上の理由によるものであり、両者の支持構造は、図11、図12に特徴的に表現されている。
スライダシュー60は、ガイドレール20のガイド空間内に収まるブロック状の摺動基部(摺動部)61と、摺動基部61から突出してガイドレール20の内面に弾接して摺動する片持ち形状の弾接部62とを有している。また、スライダシュー60は、駆動方向(昇降方向)に延びてシューベース40の主壁部41が挿入される挿入孔63と、摺動基部61と挿入孔63を駆動方向(昇降方向)と直交する方向に貫通する貫通孔64とを有している。
スライダベース30のシューベース40は、主壁部41の下端部近傍に穿設された固定孔44を有している。スライダシュー60の挿入孔63にシューベース40の主壁部41を挿入して、貫通孔64と固定孔44を位置合わせして、この位置合わせ状態で、貫通孔64と固定孔44に固定ピン(スプリングピン)45を挿入することにより、シューベース40の下端部にスライダシュー60が固定(支持)される。すなわち、固定孔44と固定ピン45は、シューベース40がスライダシュー60を固定(支持)するための「シュー固定部(シュー支持部)」を構成する。
図13〜図15を参照して、スライダベース30のシューベース40とスライダシュー60のストッパ構造について詳細に説明する。
スライダベース30のシューベース40は、駆動方向(昇降方向)に延びる主壁部41と、ウインドガラスWの下端部を支持するガラス支持部46を有している。ガラス支持部46は、主壁部41と直交する位置関係で駆動方向(昇降方向)に延びる延出壁46Aと、延出壁46Aを駆動方向(昇降方向)と直交する方向に折り曲げた曲折壁46Bとを有している。
スライダシュー60は、ウインドガラスWの下死点を規定するクッションゴム(ストッパ部)90を支持するクッションゴム支持部(シューロア、ストッパ支持部)65を有している。クッションゴム90は、例えば、弾性変形可能なゴム材料(樹脂材料)から構成され、下端部が丸みを帯びた弾接部91と、上端部近傍に位置する係合爪92とを有している。クッションゴム支持部65は、クッションゴム90を収容する収容凹部65Aと、収容凹部65Aに形成された係合孔65Bとを有している。クッションゴム90を収容凹部65Aに収容して、係合爪92を係合孔65Bに係合することで、クッションゴム支持部65にクッションゴム90が支持される。クッションゴム支持部65に支持されたクッションゴム90は、ウインドガラスWの下降時に、ストッパブラケット100に弾性変形して当接することによって、ウインドガラスWの下死点を規定する。なお、図14、図15では、クッションゴム90がストッパブラケット100に当接して弾性変形していない自由状態を描いている。なお、ストッパブラケット100は、インナパネルに設けられていてもよいし、その他の部位に設けられていてもよい。
また、上述したように、スライダベース30のシューベース40では、スライダシュー60の貫通孔64と位置合わせされる固定孔44と、貫通孔64との位置合わせ状態で固定孔に挿入される固定ピン45とが、スライダシュー60を固定(支持)する「シュー固定部(シュー支持部)」を構成する。
本実施形態のウインドレギュレータ1では、シューベース40ではなくスライダシュー60が、ウインドガラスWの下死点を規定するクッションゴム90を支持するクッションゴム支持部65を有している。このため、クッションゴム支持部65及びクッションゴム90によって、ウインドガラスWの下死点到達時に入力される荷重を好適に制御することができる。
図15に示すように、スライダシュー60は、シューベース40の主壁部41の下端部41Xに対向(当接)する対向部(当接部)66を有している。シューベース40の主壁部41の下端部41Xと、スライダシュー60の対向部(当接部)66とは、シューベース40とスライダシュー60の第1の支持部(メイン支持部)を構成している。シューベース40の主壁部41の下端部41Xと、スライダシュー60の対向部(当接部)66との当接を確保(保証)することで、ウインドガラスWの下死点到達時に入力される荷重を「第1の支持部、メイン支持部」で受け止めることができる。
さらに、図15に示すように、シューベース40のガラス支持部46(曲折壁46B)と、スライダシュー60のクッションゴム支持部65とは、シューベース40とスライダシュー60の第2の支持部(サブ支持部)を構成している。シューベース40のガラス支持部46(曲折壁46B)と、スライダシュー60のクッションゴム支持部65とは、駆動方向(昇降方向)のクリアランスを持って配置されており、ウインドガラスWの下死点到達時に入力される荷重を「第2の支持部、サブ支持部」で分散させることができる。あるいは、シューベース40のガラス支持部46(曲折壁46B)と、スライダシュー60のクッションゴム支持部65とは、常時は非当接で、ウインドガラスWの下死点到達時にだけ当接して、入力される荷重を「第2の支持部、サブ支持部」で受け止めることもできる。
スライダシュー60は、摺動基部(摺動部)61とクッションゴム支持部(ストッパ支持部)65を連結する連結部(連結腕)67を有している。これにより、クッションゴム支持部65にクッションゴム90を介して荷重が入力されたときに、当該荷重がガラス支持部46に伝達されることを防止しながら、当該荷重が摺動基部(摺動部)61に伝達されることを助長することができる。
スライダシュー60は、クッションゴム支持部65と対向部66と連結部67とに囲まれた略三角形状の薄肉部68を有している。この薄肉部68により、スライダシュー60の成形を容易にすることができる。
ここで、スライダシュー60は、相対的に硬度が低い材料(例えば樹脂材料)を含んで構成され、シューベース40は、相対的に硬度が高い材料(例えば金属材料)を含んで構成されることが好ましい。これにより、クッションゴム90を介してクッションゴム支持部65に入力され、連結腕67を介して伝達されてきた荷重をスライダシュー60からシューベース40に伝達して、当該シューベース40で受け止めて制御することが可能になる。
また、クッションゴム(ストッパ部)90とクッションゴム支持部(ストッパ支持部)65は、駆動方向(昇降方向)において、ガイドレール20からはみ出すように配置されている。なお、クッションゴム(ストッパ部)90とクッションゴム支持部(ストッパ支持部)65は、駆動方向(昇降方向)と、駆動方向(昇降方向)と直交する方向との少なくとも一方において、ガイドレール20からはみ出すように配置されていればよい。これにより、ガイドレール20を不用意に大きく作り込む必要がなくなり、ウインドレギュレータ1の小型化やレイアウト効率の向上を図ることができる。もちろん、クッションゴム(ストッパ部)90とクッションゴム支持部(ストッパ支持部)65は、駆動方向(昇降方向)において、ガイドレール20の内部に入り込んで配置されていてもよい(ガイドレール20に収納されていてもよい)。
図16A、図16Bは、ガイドレール20に対するモータユニット80の支持構造の一例を示す図である。モータユニット80をドアパネルやリンフォース等に支持するのではなく、ガイドレール20に支持することにより、モータユニット80のピニオンギヤ81とラック70のラックギヤ75を好適に噛合させることができる。
図16A、図16Bに示すように、モータユニット80は、モータMとピニオンギヤ81を支持するモータブラケット82を有している。モータブラケット82には、駆動方向(昇降方向)に離間する一対のボルト挿通孔83が形成されている。ガイドレール20には、一対のボルト挿通孔83に対応する一対のボルト挿通孔22が形成されている。一対のボルト挿通孔83と一対のボルト挿通孔22が位置合わせされるように、モータユニット80をガイドレール20に組み付けて、一対のボルト挿通孔83と一対のボルト挿通孔22に締結ボルト(図示略)を挿通して締め付けることにより、モータユニット80をガイドレール20が一体化される。
本発明の実施の形態は上記実施形態やその変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩又は派生する別技術によって、本発明の技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、本発明の技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施形態をカバーしている。
以上の実施形態では、ウインドレギュレータの構成要素を立柱サッシュ内に組み込んだ場合を例示しているが、ウインドレギュレータをドアパネル(インナパネル又はアウタパネル)に固定するタイプにも本発明を適用可能である。
以上の実施形態では、スライダシュー50、60とラック70を別体で成形する場合を例示して説明したが、スライダシュー50、60とラック70を一体に成形することも可能である。
以上の実施形態では、荷重受け凸部71と荷重受け凹部42を各1つずつ設けた場合を例示して説明したが、荷重受け凸部と荷重受け凹部を複数個ずつ設ける態様も可能である。例えば、荷重受け凹部として、駆動方向に相対的に長い第1の荷重受け凹部と、駆動方向に相対的に短い第2の荷重受け凹部とを設けて、荷重受け凸部として、駆動方向に相対的に長い第1の荷重受け凸部と、駆動方向に相対的に短い第2の荷重受け凸部とを設けてもよい。この場合、第1の荷重受け凸部は、第1の荷重受け凹部に挿入され、第1の荷重受け凹部の駆動方向の一端側と他端側に対向し、第2の荷重受け凸部は、第2の荷重受け凹部に挿入され、第2の荷重受け凹部の駆動方向の一端側と他端側に対向する。第1の荷重受け凸部と第1の荷重受け凹部は、メインの荷重受け凸部とメインの荷重受け凹部と呼んでもよく、第2の荷重受け凸部と第2の荷重受け凹部は、サブの荷重受け凸部とサブの荷重受け凹部と呼んでもよい。
以上の実施形態では、スライダベース30のシューベース40に荷重受け凹部42を設けて、ラック70に荷重受け凸部71を設ける場合を例示して説明したが、この位置関係を逆にして、スライダベース30のシューベース40に荷重受け凸部を設けて、ラック70に荷重受け凹部を設けてもよい。すなわち、荷重受け凹部は、スライダとラックの一方に設けられており、荷重受け凸部は、スライダとラックの他方に設けられており、荷重受け凸部は、荷重受け凹部に挿入されて、荷重受け凹部の駆動方向の一端側と他端側に対向していればよい。さらに、荷重受け凸部又は荷重受け凹部をスライダに設ける場合、必ずしも、スライダの主壁部に設ける必要はなく、スライダのその他の部位に設けてもよい。
以上の実施形態では、スライダシュー60の対向部66が、シューベース40の主壁部41の下端部41Xに対向(当接)する「第1の支持部、メイン支持部」を構成する場合を例示して説明した。しかし、スライダシュー60の対向部66は、シューベース40の少なくとも一部に対向してシューベース40に支持される「対向支持部」であればよい。
さらには、「第1の支持部、メイン支持部」と「第2の支持部、サブ支持部」を構成するシューベース40とスライダシュー60の各構成要素は、必ずしも昇降方向(上下方向)に対向している必要はなく、種々の設計変更が可能である。例えば、「第1の支持部、メイン支持部」と「第2の支持部、サブ支持部」を構成するシューベース40とスライダシュー60の各構成要素は、昇降方向(上下方向)と直交する方向成分を含んで対向していてもよいし、両者が対向しない形で互いに支持されていてもよい。
1 ウインドレギュレータ
20 ガイドレール
30 スライダベース(スライダ)
40 シューベース
41 主壁部
41X 下端部(第1の支持部、メイン支持部)
42 荷重受け凹部
43 係合孔
44 固定孔(シュー固定部、シュー支持部)
45 固定ピン(スプリングピン、シュー固定部、シュー支持部)
46 ガラス支持部(第2の支持部、サブ支持部)
46A 延出壁
46B 曲折壁(第2の支持部、サブ支持部)
50 スライダシュー(シュー)
60 スライダシュー(シュー)
61 摺動基部(摺動部)
62 弾接部
63 挿入孔
64 貫通孔
65 クッションゴム支持部(シューロア、ストッパ支持部、第2の支持部、サブ支持部)
65A 収容凹部
65B 係合孔
66 対向部(当接部、対向支持部、第1の支持部、メイン支持部)
67 連結部(連結腕)
68 薄肉部
70 ラック
71 荷重受け凸部
72 係合爪
73 押さえ壁
74 本体部
75 ラックギヤ
76 突出部
77 突出部
80 モータユニット(駆動部)
90 クッションゴム(ストッパ部)
91 弾接部
92 係合爪
100 ストッパブラケット
W ウインドガラス

Claims (8)

  1. ウインドガラスの昇降方向に延びるガイドレールと、
    前記ウインドガラスを支持するとともに、前記ガイドレールに前記昇降方向に摺動自在に支持されるスライダと、
    を有し、
    前記スライダは、前記ガイドレールに対する摺動部であるシューと、前記シューを支持するシューベースと、を有し、
    前記シューは、前記ウインドガラスの下死点を規定するストッパ部を支持するストッパ支持部を有する、
    ことを特徴とするウインドレギュレータ。
  2. 前記シューは、前記シューベースの少なくとも一部に対向して前記シューベースに支持される対向支持部を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のウインドレギュレータ。
  3. 前記シューベースは、前記昇降方向に延びる主壁部を有し、
    前記シューベースの前記主壁部と、前記シューとは、前記シューベースと前記シューの第1の支持部を構成する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のウインドレギュレータ。
  4. 前記シューベースは、前記ウインドガラスの下端部を支持するガラス支持部を有し、
    前記シューベースの前記ガラス支持部と、前記シューの前記ストッパ支持部とは、前記シューベースと前記シューの第2の支持部を構成する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のウインドレギュレータ。
  5. 前記シューは、前記摺動部と前記ストッパ支持部を連結する連結部を有する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のウインドレギュレータ。
  6. 前記シューベースは、前記シューを固定するシュー固定部として、前記シューの貫通孔と位置合わせされる固定孔と、前記貫通孔との位置合わせ状態で前記固定孔に挿入される固定ピンと、を有する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のウインドレギュレータ。
  7. 前記ストッパ部と前記ストッパ支持部は、前記昇降方向と前記昇降方向と直交する方向の少なくとも一方において、前記ガイドレールからはみ出す、
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のウインドレギュレータ。
  8. 前記シューは、相対的に硬度が低い材料を含んで構成され、
    前記シューベースは、相対的に硬度が高い材料を含んで構成される、
    ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のウインドレギュレータ。
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