JP2021075397A - 伸縮ジブを有する車両クレーン、および車両クレーンの伸縮ジブ上へブレーシング装置を取り付けるための車両クレーンシステムおよび方法 - Google Patents

Abstract

【課題】伸縮ジブと、該伸縮ジブの上へ取り付けることができるブレーシング装置とを有する車両クレーンにおいて、ブレーシング装置の組立て／組立て解除が単純になる取り付ける方法を提供する。【解決手段】伸縮ジブ（２）、積荷ピックアップ手段（７）を有するリフティングケーブルを有する車両クレーンに関し、伸縮ジブ（２）のヘッドエンド上には、接続端（９ｊ）によってブレーシング装置（９）を固定することができる。ブレーシング装置（９）に対する車両クレーンの組立て／組立て解除をてより単純な方式で実行できるようにするために、伸縮ジブ（２）の上に、ブレーシング装置（９）を取り付けるための締結領域が、リフティングケーブル上で自由に懸垂され、接続端（９ｊ）を用いて伸縮ジブ（２）の伸縮により積荷ピックアップ手段（７）を昇降させかつ／または伸縮ジブ（２）をラフィングし、ブレーシング装置（９）が締結領域へ連結される。【選択図】図２

Description

本発明は、直線的に変位可能な内側ボックスを有する基本ボックスを備える伸縮ジブを有する、かつ積荷ピックアップ手段を有するリフティングケーブルを有する車両クレーンに関し、ここで、基本ボックス上または内側ボックスのヘッドエンド上には、締結領域が配置され、締結領域へは、接続端によってブレーシング装置を固定することができる。本発明は、車両クレーンの伸縮ジブへブレーシング装置を取り付けるための方法にも関する。

典型的には、車両クレーン、具体的には移動式クレーン、がどのように使用され得るかを決定するファクタは、その構造設計によって設定される。耐荷力、作動半径および揚程などの変数は、個々の伸縮ジブの設計によって略決定される。伸縮ジブへ連結され得るブレーシング装置を用いることにより、車両クレーンの変数は、時として、たとえばその耐荷力を高めかつ伸縮ジブの弾性たわみを低減する目的で変更されることが可能である。このようなブレーシングデバイスは、たとえば所謂横方向のスーパーリフトであり得、その配置は、伸縮ジブのレバーアームを効果的に短縮することに役立ち得る。これにより可能となる荷重増加は、主に、このブレーシングデバイス上の追加的なカウンタウェイトおよび対応するデフレクタとの組合せによって生み出される。

前記クレーンは、こうした車両クレーンがたいていかなりの重量であることに起因して、公道での走行用に設定されている軸方向荷重および車両重量の最大値を遵守できるようにするために、部分的に分解した形でしかその個々の使用場所へ到着しない場合が多い。これに関連して、欧州特許第１３４２６９２Ｂ１号明細書は、車両クレーンに加えて、ブレーシングデバイスの輸送用に形成される輸送ユニットを備える車両クレーンシステムを開示している。車両クレーン自体は、基本ボックスと直線的に変位可能な内側ボックスとを有する伸縮ジブを備えている。これらの車両クレーンおよび伸縮ジブは、ブレーシング装置用の一時的な格納領域が、ラフダウンされた伸縮ジブの両側へ設けられるように構成される。別個に輸送されたブレーシング装置は、現場で、伸縮ジブにより輸送ユニットから持ち揚げられ、車両クレーンの格納領域で中間的に格納される。次に、伸縮ジブは、ブレーシング装置を伸縮ジブの基本ボックス上に位置決めされた締結領域へ固定することができる略水平な組立位置へとラフダウンされる。

ドイツ特開第１０２００９０２０３３８Ａ１号明細書および欧州特許第２２４８７５４Ｂ１号明細書は、同様に設計された車両クレーンシステムを開示している。具体的には、これらの事例では、ブレーシング装置も別個の輸送ユニットで使用場所へ持ち込まれ、車両クレーンの伸縮ジブによって持ち揚げられる。しかしながら、ブレーシング装置は、その後、一部が地面で支持され、かつ一部が車両クレーンの小さい格納領域で支持される。この目的に沿って、ブレーシング装置は、折り畳み可能な支持デバイスを備える。これにより地面とブレーシング装置との間に残る空きスペースは、車両クレーンをブレーシング装置の下で動かすことにより、相応してラフダウンされる伸縮ジブを配置し、次いで車両クレーンを伸縮ジブの基本ボックスへ連結するために使用される。

これらの既知の設計は、車両クレーン上に、ブレーシング装置の組立て／組立て解除ができるように、そのために形成される、地面上または格納領域上に収容されるブレーシング装置の中間格納装置を必ず必要とする。さらに、これらは、ブレーシング装置をこれが少なくとも部分的にその格納領域で支持されるべく収容しかつ格納することが可能であるように、伸縮ジブを進行方向とは反対に、かつ車両クレーンの長手方向に平行して正確に方向づけることを常に必要とする。特に、地面が不均一または不安定である場合、その上でのブレーシング装置の少なくとも端側の支持は、困難となる可能性がある。車両クレーン上に追加の格納領域を形成することも同様に、そのために必要な設置スペースを空けておかなければならず、よってこれを他の目的には使用できない、または困難を伴わずしては使用できないという不利益を生じさせる。総じて、これまでに開示されている先行技術の実施形態には、この点でいまだ改良の余地がある。

また、移動式クレーン用のさらなる伸縮ジブブレーシングユニットがドイツ特許１０２０１８１１５６３２Ｂ３号明細書から知られている。伸縮ジブブレーシングユニットは、構造ユニットを形成するために略Ｕ字形の保持フレームで接続される２つのブレーシングサポートから成る。Ｕ字形の保持フレームは、ペンチ式に互いに接続されかつ広い収容位置から狭い締結位置へと旋回可能な２つのフレーム部を含む。伸縮ジブブレーシングユニットを移動式クレーンの伸縮ジブ上へ締結するために、伸縮ジブは、上から収容位置における保持フレーム内へ降下され、次に、フレーム部が締結位置へと旋回されて伸縮ジブの基本ボックスへ接続される。

さらに、ブレーシングサポートを移動式クレーンの伸縮ジブへ取り付ける方法は、ドイツ特開第１０２０１７０００３８９Ａ１号明細書から既知である。この目的に沿って、ブレーシングサポートは、移動式クレーンの下部キャリッジ上へ配置され、よって、伸縮ジブがラフダウンされると、これらのブレーシングサポートは、双方の長手方向側で伸縮ジブの隣に平行して、かつ同じ高さで配置される。次に、ブレーシングサポートは、各々、伸縮ジブへヒンジ式接続部を介して接続され、これにより、ブレーシングサポートの、伸縮ジブから突き出す動作位置が達成され得る。ブレーシングサポートの個々の格納エレメントは、格納エレメントが伸縮ジブから突き出すその格納位置へと至らされ、よって、ブレーシングサポートを位置合わせするための手段は、格納エレメントと協働してブレーシングサポートによる横方向の振り回しを防止する。

欧州特許第１３４２６９２Ｂ１号明細書 ドイツ特開第１０２００９０２０３３８Ａ１号明細書 欧州特許第２２４８７５４Ｂ１号明細書 ドイツ特許１０２０１８１１５６３２Ｂ３号明細書 ドイツ特開第１０２０１７０００３８９Ａ１号明細書

したがって、本発明の目的は、伸縮ジブと、該伸縮ジブの上へ取り付けることができる、車両クレーンのためのブレーシング装置とを有する車両クレーン、および、ブレーシング装置を車両クレーンの伸縮ジブ上へ、ブレーシング装置に対する車両クレーンの組立て／組立て解除が総じてより単純になるようにして取り付ける方法、を改良することにある。

この目的のデバイス部分は、請求項１に記載の特徴を有する車両クレーンにより、かつ請求項１０に記載の特徴を有する車両クレーンシステムにより達成される。この目的の方法部分は、請求項１１に記載の特徴を有する方法により達成される。従属請求項は各々、本発明の効果的な実施形態について記述している。

本発明によれば、直線的に変位可能な内側ボックスを有する基本ボックスを備える伸縮ジブを有し、かつ積荷ピックアップ手段を有するリフティングケーブルを有する車両クレーンであって、基本ボックス上または内側ボックスのうちの１つのヘッドエンド上に締結領域が配置され、締結領域へはブレーシング装置を接続端によって固定することができる車両クレーンにおいて、ブレーシング装置に対する車両クレーンの単純化された組立て／組立て解除は、基本ボックス上または内側ボックスのうちの１つの上にブレーシング装置を取り付けるための締結領域が、リフティングケーブル上で自由に懸垂される、かつ接続端を用いて内側ボックスの退縮および伸長により積荷ピックアップ手段を昇降させかつ／または伸縮ジブをラフィング（luffing）させることで、車両クレーンの動きにより締結領域の近くへ寄せられるブレーシング装置が締結領域へ連結されるような方式で形成される、という事実によって達成される。

本発明の核を成す概念は、ブレーシング装置が取り付けられるべき車両クレーンの積荷ピックアップ手段上で自由に懸垂されるブレーシング装置を、その接続端により締結領域へと、車両クレーンを動かす前述の可能性を介して操縦するというものである。ブレーシング装置を締結領域へ連結するために、基本ボックス上または関連する内側ボックスのヘッドエンド上、およびその反対側の、ブレーシング装置の接続端上に機械的エレメントが配置されている。これらの機械的エレメントは、直線的、弧状および／または円状の接合動作を介して互いへ向かって係合し合う。機械的エレメントの設計としては、次のような可能性、すなわち、その開口でピンを把持するフック、および／または対応する相補形のプラグ開口内へと動かされるピン形状またはボルト形状のプラグエレメント、を考えることができる。連結プロセスが完了すると、完成した連結は、後続ステップにおいて、機械的エレメントを介して所定位置へ、ボルトまたは同等のエレメントにより固定される。この固定プロセスは、好ましくは、固定位置が、典型的には車両クレーンが置かれている地面から上５〜１０ｍの領域内に位置決めされる、という理由で、自動的に、または半自動的に実行される。さらに、機械的エレメントが互いに向かって動かされるべき領域には、ひいては締結領域においても、ブレーシング装置を締結領域へと誘導する動きを容易にする、平坦で略漏斗形のデフレクタの形態である案内エレメントを設けることができる。

ブレーシング装置を締結領域へ近づけるこの新規発明方法には、さらに、積荷ピックアップ手段上に懸垂されるブレーシング装置の伸縮ジブに対する実際の向きが略自動的に生じる、という理由で、ブレーシング装置を車両クレーンとは別に輸送する輸送ユニットは、車両クレーンによる輸送ユニットでのブレーシング装置の収容に先行して、車両クレーンに対し大まかに方向づけされるだけでよい、という大きな優位点がある。この目的に沿って、次に、積荷ピックアップ手段は、積荷ピックアップ手段が典型的にはリフティングケーブルの長手方向に一致する垂直の回転軸に対して剛性に形成されるように、かつ、リフティングケーブルのケーブルリービングに渡る積荷ピックアップ手段の案内が、連結プロセス用にブレーシング装置をその長手方向が伸縮ジブのラフィング面に位置する状態へ自動的に配向するに足るものであるように選択される。積荷ピックアップ手段が、垂直軸を中心に回転可能なロードフックと、ブレーシング装置をピックアップするためのロードサスペンションとを備える場合、ブレーシング装置上に、自由に吊り下げられるガイドケーブルを設けることが典型的であり、よって、補助要員は、これを介してブレーシング装置を伸縮ジブに対して所望される位置に配向することができる。また、垂直軸を中心とする連結に先行して、伸縮ジブに対するブレーシング装置の向きを決定するために、積荷ピックアップ手段に回転装置、具体的には遠隔操作式の回転装置、を取り付けることも実現可能であると思われる。ブレーシング装置と伸縮ジブとの間に必要な正確な配向は、連結プロセス用の機械的エレメントの設計を介して、ひいては連結プロセスによっても実行されることが可能である。そうでなければ必要である車両クレーン上のブレーシング装置のための格納領域を省略することにより、前記クレーンは、総じてより効果的に構成されることも可能である。たとえば、そうでなければ利用可能な状態に保たれなければならなくなる領域は、今や違う目的で使用されることが可能であり、または、大きさを縮小するために全体としてより狭くなっている設計のために少なくとも部分的に省略されることが可能である。

好ましくは、本発明は、第１のプラグ接続部が締結領域において基本ボックス上へ、または内側ボックスのうちの１つの上へ配置される車両クレーンを提案する。前記プラグ接続部は、ブレーシング装置との機械的プラグ接続を形成するように構成され、すなわち、この目的に沿って、伸縮ジブの第１のプラグ接続部は、ブレーシング装置の接続端上の対応する個々の第２のプラグ接続部へ連結されることが可能であるように形成される。言い替えれば、本発明的設計は、ブレーシング装置と伸縮ジブとの間に耐荷重接続を達成するために、領域内に解放可能な接続を、具体的には、両者間にプラグイン接続および／またはボルト締めを、提供する。

これによって生じる利点は、伸縮ジブとブレーシング装置との間のプラグ接続の確立に際して、伸縮ジブのブレーシング装置に対する実際の向きが当初無関係であることにある。プラグ接続としての設計は、エレメント同士がプラグ接続されればその時点で既に耐荷重接続が確立されることから、ブレーシング装置の伸縮ジブへの極めて単純な方式による固定を可能にする。さらに、基本的に、組立ておよび組立て解除の間の中間的ストレージは不要である。たとえば、一方で、伸縮ジブは、その収容後にブレーシング装置へ直に結合されることが可能である。一方で、ブレーシング装置は、プラグ接続を外した後に伸縮ジブから取り外され得、たとえば、輸送ユニット上に格納されることが可能である。全体として、プラグ接続としての設計は、ブレーシング装置の伸縮ジブへの固定および伸縮ジブからの解放を可能にするための、迅速であると同時に単純である組立ておよび組立て解除を許容する。

さらに、ブレーシング装置と伸縮ジブとの解放可能な接続が個々の内側ボックスまたは基本ボックスの下側領域で生じるという事実により、ケーブルドラムを基本ボックスへ取り付けるためのスペースが提供されることは、利点である。

基本的な本発明概念の好ましい一展開によれば、第１のプラグ接続部は、第２のプラグ接続部を少なくとも部分的に収容するために設けられる開口チャネルを備え得る。その延長線は、２つのプラグ接続部をそれに沿って結合しかつ分離することができるプラグ軸の向きを画定する。この目的に沿って、プラグ軸は、可能な限り単純な連結を確実にするために、基本ボックスの長手方向軸、つまりは伸縮ジブ全体に平行して延びることが可能である。ある特に効果的な方式において、開口チャネルは、ブレーシング装置の第２の接続部の少なくとも部分的に形状にフィットする収容を許容するように構成されることが可能である。

あるいは、またはこれに追加して、基本ボックスの第１のプラグ接続部は、ブレーシング装置の第２のプラグ接続部の開口チャネル内へ少なくとも部分的に配置されるように提供される少なくとも１つのプラグエレメントを備えてもよい。プラグエレメントの延長線は、２つのプラグ接続部をそれに沿って結合しかつ分離することができるプラグ軸の向きを画定する。この目的に沿って、プラグ軸は、可能な限り単純な連結を確実にするために、基本ボックスの長手方向軸、つまりは伸縮ジブ全体に平行して延びることが可能である。ある特に効果的な方式において、プラグエレメントは、ブレーシング装置の第２の接続部の、開口チャネルにおける少なくとも部分的に形状にフィットする配置を許容するように構成されることが可能である。

伸縮ジブの基本ボックスおよび各内側ボックスに関して言えば、これは、上側と下側とを有する。下側は、伸縮ジブが水平に配向されている場合に、基本ボックスまたは内側ボックスの各々地面に面する側であるとされる。よって、上側は、基本ボックスまたは内側ボックスの、下側とは反対の側である。この文脈においては、第１のプラグ接続が基本ボックスまたは内側ボックスの下側に配置されることが特に効果的であるとされる。この方式では、ブレーシング装置の固定に際して、ブレーシング装置をまず基本ボックスまたは内側ボックスより上に持ち上げる必要がない。どちらかと言えば、ブレーシング装置を略下から伸縮ジブの基本ボックスまたは内側ボックスへ近づけなければならないということにおいて、連結が生じる。

ここに提示する、伸縮ジブを有する本発明の車両クレーンは、ブレーシング装置に対する極めて単純な組立て／組立て解除を可能にする。伸縮ジブが典型的にはその上部構造物上でラフィング可能式に連接される車両クレーンの一部として、ブレーシング装置は、伸縮ジブの車両クレーンの残りの部分に対する向きとは無関係に連結されかつ分離されることも可能である。既知の設計において、通常伸縮ジブと共に車両クレーンの下部キャリッジに対して回転可能である上部構造物は、これに関連して、まずは、伸縮ジブの長手方向軸が車両クレーンの長手方向に平行して延びるように配向されなければならない。上部構造物は、下部キャリッジに対して、伸縮ジブが車両クレーンの後端方向へ、またはこれを超えても延びるように回転される。車両クレーンの別段で必要な格納領域を、ブレーシング装置の少なくとも一部を支持する目的で利用できるのは、この配向に限られる。したがって、具体的には、ブレーシング装置を別個に輸送する輸送ユニットと組み合わせて、組立て／組立て解除は、全ての関連部品の互いに対するより複雑な配向および位置合わせを必要とする。この場合、本発明による設計は、ブレーシング装置の中間ストレージを省略することに起因して、必要な作業ステップが少なくとも１つ少なく、かつさらには、下部キャリッジの上部構造物に対する、および車両クレーン全体の輸送ユニットに対する相対的配向とは独立している、実質的により単純な使用法を提供する。

ある効果的な方式において、ブレーシング装置は、伸縮ジブの第１のプラグ接続部に対応する第２のプラグ接続部を有し、これにより、プラグ接続の形成による単純な連結が可能にされる。

基本的には、第２のプラグ接続部は、少なくとも部分的にブレーシング装置の残りの部分に対して旋回可能であるように、ブレーシング装置上へ特に好ましい方式で連接されることが可能である。これにより生み出される可動性により、第２のプラグ接続部は、伸縮ジブの第１のプラグ接続部によって、ブレーシング装置を伸縮ジブに固定する前であっても、かつ具体的には、ブレーシング装置の残りの部分の空間的位置合わせとは独立して、配向されることが可能である。

本発明は、ブレーシング装置が２つの連接されたブレーシングサポートと、少なくとも１つの駆動装置とを有し得ることを規定するものである。ブレーシングサポートの連接式取付けは、その旋回性、具体的には第２のプラグ接続部に対する旋回性を可能にする。少なくとも１つの駆動装置、具体的には油圧駆動装置は、２つのブレーシングサポートを少なくとも部分的に旋回させるために使用される。したがって、ブレーシング装置が伸縮ジブの基本ボックスまたは内側ボックスの１つに結合されると、ブレーシングサポートは、取付け位置から作動位置へ、かつその逆へ旋回されることが可能である。取付け位置は、ブレーシングサポートの、組立ておよび組立て解除の間に想定される特定の向き、これに関しては、ブレーシング装置と伸縮ジブとの連結および分離より前に想定される特定の向き、を意味するものと理解される。これに対して、作動位置は、ブレーシングサポートの、取付け位置に対して回転されかつ伸縮ジブをブレーシング装置により実際に補強するために使用される特定の向き、を意味するものと理解される。駆動装置は、電気式であってもよい。また、回転機構または線形駆動装置も使用可能である。

本発明による車両クレーンの好ましい一展開によれば、第１のプラグ接続部および／または第２のプラグ接続部は、具体的にはこれらの相互連結を容易にするために、挿入補助具を備えることができる。ある効果的な方式において、前記挿入補助具は、第１のプラグ接続部および／または第２のプラグ接続部に配置される少なくとも１つの傾斜面の形態で実装されてもよい。この傾斜面は、連結の間に互いに最初に接触する２つのプラグ接続部の領域のうちの少なくとも一方が、狭小部または幅広部を有するように構成されるべきである。言い替えれば、このような傾斜面は、たとえば、開口チャネルに対応するプラグエレメントの挿入を容易にするプラグ接続部の開口チャネルの前部分を広げるために使用されてもよい。あるいは、または追加的に、傾斜面は、たとえば、プラグエレメントの対応する開口チャネルへの挿入を容易にすべく、こうしたプラグエレメントの前部分を狭くするために使用されてもよい。いずれの場合も、傾斜面は、実際のプラグ接続が前記接続部の相互的近接によって形成される前の２つのプラグ接続部の相互的配向において、一定の許容誤差を許容する。

さらに、本発明は、先に論じたような伸縮ジブを有する本発明による車両クレーンと、伸縮ジブ用のブレーシング装置を輸送するために製造される輸送ユニットとを備える車両クレーンシステムに関する。

本発明による車両クレーンシステムも、全体としては、本発明による伸縮ジブおよび／または伸縮ジブシステムに関連して先に詳述した利点を提供するものであり、よって、現時点では、繰り返しを避けて、こうした関連での対応する記述を再度参照する。

本発明は、車両クレーンの伸縮ジブへブレーシング装置を取り付けるための方法にも関する。本方法は、
−車両クレーンの領域に、ブレーシングデバイスを収容して有する輸送ユニットを提供するステップと、
−伸縮ジブの積荷ピックアップ手段がブレーシングデバイスより上の領域内に配置されるまで、伸縮ジブの少なくとも１つの内側ボックスを動かす、具体的には、直線的に変位させる、かつまたは、伸縮ジブをラフィングする、かつ／または伸縮ジブを搭載する車両クレーンの上部構造物を回転させるステップと、
−車両クレーンの積荷ピックアップ手段をブレーシング装置へ接続する、具体的には、サスペンションを組み込むステップと、
−車両クレーンによって、輸送ユニットからブレーシング装置を持ち上げるステップと、
−その接続端でリフティングケーブル上へ自由に懸垂されるブレーシング装置を、締結領域に対して、内側ボックスの退縮および伸長、積荷ピックアップ手段の昇降、および／または伸縮ジブの、基本ボックス上または内側ボックスのうちの１つのヘッドエンド上の締結領域に対するラフィングによって動かすステップと、
−ブレーシング装置を基本ボックスまたは内側ボックスのうちの１つの締結領域へ連結するステップと、
−ブレーシング装置から車両クレーンの積荷ピックアップ手段を解放するステップと、を含む。

本発明による方法は、輸送ユニットから車両クレーンの伸縮ジブへのブレーシング装置の極めて単純な再配置を可能にする。この目的のためには、車両クレーンの自動組立てを略可能にする幾つかのステップが必要とされるのみである。具体的には、伸縮ジブを搭載する上部構造物のブレーシング装置に対する結果的に無関係な配向、および一方で、そうでなければ利用可能な状態に保たれなければならないはずの車両クレーンの格納領域における、ブレーシング装置の伸縮ジブの基本ボックス上または内側ボックスのうちの１つの上へのサポートなしの固定は、現場で車両クレーンを組み立てるために実行されるべき対策を大幅に容易にし、かつ低減する。

ある効果的な方式において、ある種の自動的、すなわち単純な連結は、ブレーシング装置が締結領域へ、リフティングケーブル上へ自由に懸垂されるブレーシング装置を動かすことによって連結される、という事実によって達成される。

ある好ましい実施形態において、連結プロセスは、ブレーシング装置が締結領域との連結後に機械的に固定される、という事実によって終了する。

ある効果的な実施形態では、第２のプラグ接続部は、ブレーシング装置へ第２のプラグ接続部に対応する第１のプラグ接続部によって連結されることが規定されている。

ある効果的な方式において、第１のプラグ接続部と第２のプラグ接続部との向きは、第１のプラグ接続部が第２のプラグ接続部へ、内側ボックスのうちの少なくとも１つを退縮させることにより連結され得るように選択される。

本発明は、ブレーシング装置上で連接される２つのブレーシングサポートは、伸縮ジブをブレーシング装置と組み立てた後に取付け位置から作動位置まで旋回されることを規定するものである。ある効果的な方式において、ブレーシングサポートは、少なくとも部分的に少なくとも１つの駆動装置によって旋回されてもよい。

ある特に効果的な方式では、ブレーシングデバイスは、連結の前に、その長手方向の延長線が伸縮ジブの長手方向の延長線と平行する状態で配向されることが規定されている。ブレーシング装置の伸縮ジブに対する配向は、ブレーシング装置が積荷ピックアップ手段上に懸垂されることから、略自動的に実行される。この目的に沿って、次に、積荷ピックアップ手段は、積荷ピックアップ手段が典型的にはリフティングケーブルの長手方向に一致する垂直の回転軸に対して剛性に形成されるように、かつ、リフティングケーブルのケーブルリービングに渡る積荷ピックアップ手段の案内が、連結プロセス用にブレーシング装置をその長手方向が伸縮ジブのラフィング面に位置する状態へ自動的に配向するに足るものであるように選択される。積荷ピックアップ手段が、垂直軸を中心に回転可能なロードフックと、ブレーシング装置をピックアップするためのロードサスペンションとを備える場合、ブレーシング装置上に、自由に吊り下げられるガイドケーブルを設けることが典型的であり、よって、補助要員は、これを介してブレーシング装置を伸縮ジブに対して所望される位置に配向することができる。また、垂直軸を中心とする連結に先行して、伸縮ジブに対するブレーシング装置の向きを決定するために、積荷ピックアップ手段に回転装置、具体的には遠隔操作式の回転装置、を取り付けることも実現可能であると思われる。ブレーシング装置と伸縮ジブとの間に必要な正確な配向は、連結プロセス用の機械的エレメントの設計を介して、ひいては連結プロセスによっても実行されることが可能である。

本発明による方法により達成される利点は、偶然にも既に開示されているか、伸縮ジブを有する本発明の車両クレーンに関連して少なくとも同様の考察がなされており、よって、現時点では、繰り返しを避けて、全体的にこれに関連する先の記述をも参照する。

ブレーシング装置の車両クレーンの伸縮ジブ上への取り付けに関連して先に述べた利点が、ブレーシング装置の伸縮ジブからの取り外しに関しても達成されることは、自明である。
本発明の例示的な実施形態を、以下の記述を参照してより詳細に説明する。

車両クレーンの略図を示す。 本発明の伸縮ジブへと縮小された図１の車両クレーンと、輸送ユニット上に位置決めされたブレーシング装置とを有する本発明の車両クレーンシステムを示す側面図である。 向きが変わった、非連結状態における図２の車両クレーンシステムを示す。 連結状態における図３の車両クレーンシステムを示す。 伸縮ジブとブレーシング装置との向きが変わった、図４の車両クレーンシステムを示す。 ブレーシング装置と伸縮ジブとの向きが変わった、図５の車両クレーンシステムを示す。 ブレーシング装置の伸縮ジブに対する向きがさらに変わっている、図６の車両クレーンシステムを示す。 伸縮ジブがラフアップされている、図７の車両クレーンシステムを示す。 ブレーシングロッドが延長されている、図８の車両クレーンシステムを示す。 ブレーシングロッド接続の代替設計による、図８の車両クレーンシステムを示す。 基本ボックス上のブレーシングサポートの連接を示す略図である。 図１１の側面図を示す。

図１は、地面Ｕに駐車されている、かつ輸送位置においてその長手方向Ｘ１に沿って延びる、本事例では水平方向Ｘと平行に延びる伸縮ジブ２を有する車両クレーン１の略図を示す。その伸縮ジブヘッド２ｆを備える伸縮ジブ２は、純粋に略式で図示され、よって、本発明に従って形成されたものではない。車両クレーン１は、下部キャリッジ３を有し、本図に示す例において、下部キャリッジ３は、各々が軸上で回転可能に取り付けられかつ垂直方向Ｙと平行に互いから離隔される少なくとも２つの車輪５を有する、全体で６つの軸４ａ〜４ｆを含む車輪付きランニングギヤユニット４を備える。下部キャリッジ３上には、伸縮ジブ２を搭載し、かつ上方向Ｚと平行に延びる回転軸Ｚ１を中心として下部キャリッジ３に対して回転され得る上部構造物６が配置される。その長手方向Ｘ１に延びる伸縮ジブ２は、上部構造物６上に水平ラフィング軸Ｙ１を介して連接される。

伸縮ジブ２は、上部構造物６上へラフィング可能式に連接される基本ボックス２ａを有し、かつ複数の内側ボックス２ｂ〜２ｅを含む。内側ボックス２ｂ〜２ｅは、互いに整合されたそれらの段階的断面に起因して、これらが伸縮ジブ２の長手方向Ｘ１へ適宜線形的に変位され得るように、具体的には油圧式に退縮されかつ伸長され得るように、互いに同心円状に、かつ基本ボックス２ａ内に配置される。伸縮ジブ２は、基本ボックス２ａと上部構造物６との間で作用する、ラフィングシリンダ６ａとして設計される少なくとも１つの線形駆動装置を介して、適宜ラフィング可能である。積荷ピックアップ手段７は、積荷をピックアップできるように、伸縮ジブ２の自由端上へリフティングケーブル（図２参照）を介して配置される。積荷ピックアップ手段７は、典型的には、ケーブルリービング用の下部ブロックを有するロードフックとして形成される。

図２は、その伸縮ジブ２へと縮小されている図１の車両クレーン１を、図中にはその一部のみが示されている輸送ユニット８上の輸送位置に格納されたブレーシング装置９と共に示している。図２に示す伸縮ジブ２は、本発明による設計である。輸送ユニット８は、たとえば、セミトレーラとして形成されるが、トレーラである場合もある。

このようなブレーシング装置９は、周知であって、２つのブレーシングサポート９ｂから略成るが、図２には、前側または左側の一方のみが示されている。２つのブレーシングサポート９ｂは、個々の内端において、同様に隠されている接続フレームを介して互いに接続され、よって、２つのブレーシングサポート９ｂは、互いに対して略Ｖ字式に配向される相互に平行な輸送位置から動作位置へと旋回されることが可能である。

伸縮ジブ２およびブレーシング装置９は、本発明による伸縮ジブシステム１０を形成する。伸縮ジブシステム１０を装備する図１の車両クレーン１、および伸縮ジブシステム１０のブレーシング装置９を輸送するために形成される輸送ユニット８は、本発明による車両クレーンシステム１１を形成する。

図２では車両クレーン１から分離されている伸縮ジブ２の図から、ジブは、第１のプラグ接続部１２が配置される締結領域を有することが明らかである。これと比較して、ブレーシング装置９は、接続端９ｊにおいて、伸縮ジブ２の第１のプラグ接続部１２に対応する第２のプラグ接続部１３を有し、２つのプラグ接続部１２、１３は、互いに連結されてブレーシング装置９を基本ボックス２ａへ固定し、プラグ接続を形成することができる。伸縮ジブ２は、上側Ｓ１と、上側Ｓ１の反対側であって地面Ｕに略面する下側Ｓ２とを有し、第１のプラグ接続部１２は、伸縮ジブ２の下側Ｓ２の基本ボックス２ａのヘッドとラフィングシリンダ６ａのレセプタクルとの間へ可視的に配置される。

ここでは単に例として示されている２つのプラグ接続部１２、１３の設計において、第１のプラグ接続部１２は、少なくとも基本ボックス２ａのヘッドの方向に開いている開口チャネル１２ａを有し、一方で、第２のプラグ接続部１３は、ブレーシング装置９の内端に連接されたプラグエレメント１３ａを有する。開口チャネル１２ａの延長線は、基本ボックス２ａ長手方向軸Ｘ１、つまりは伸縮ジブ２に平行して延びるプラグ軸Ｘ２を画定する。２つのプラグ接続部１２、１３は、少なくとも領域内に、互いの形状にフィットする方式で形成される。ここでは単に例として示されている設計では、２つのプラグ接続部１２、１３が各々少なくとも１つの傾斜面Ｆ１、Ｆ２、Ｆ３を有することが分かり、そのうちの２つの傾斜面Ｆ１、Ｆ２は、第２のプラグ接続部１３上に配置され、一方で１つの傾斜面Ｆ３は、第１のプラグ接続部１２上に位置決めされている。第２のプラグ接続部１３の２つの傾斜面Ｆ１、Ｆ２は、プラグエレメント１３ａがその自由端に向かって狭くなるように互いに対して配向される。第１のプラグ接続部１２の単一の傾斜面Ｆ３は、開口チャネル１２ａが挿入方向とは反対へくさび形式に広がるように位置決めされる。傾斜面Ｆ１、Ｆ２、Ｆ３は、２つのプラグ接続部１２、１３を互いにより効果的に連結できるようにするための挿入補助具として使用される。

図２から分かる状況において、輸送ユニット８の積載面８ａ上に格納されているブレーシング装置９は、サスペンション１４を組み込んだ伸縮ジブ２の積荷ピックアップ手段７へ既に連結されている。サスペンション１４は、ブレーシング装置９へ、ブレーシング装置９が積荷ピックアップ手段７上で略水平に吊るされるように接続される。

図３は、ブレーシング装置９が積荷ピックアップ手段７により、本図ではもはや見えない輸送手段８から完全に持ち上げられている状態を示す。上昇は、リフティングケーブルを積荷ピックアップ手段７上へ巻き込むことによる従来方式で生じる。伸縮ジブ２のラフィングまたは内側ボックス２ａ〜２ｅの伸長も同じく、積荷ピックアップ手段７の昇降を実行することができる。また、この目的に沿って、これらの３つの動きを任意に組み合わせることも可能である。さらに、伸縮ジブ２は、ラフィング軸Ｙ１を中心としてラフアップされており（黒い曲線矢印参照）、よって、図２の図解よりも急勾配で位置合わせされている。同時に、またはこれに続いて、伸縮ジブ２の自由端に位置決めされる内側ボックス２ｅは、直線的に変位されており、よって、伸縮ジブ２が少なくとも部分的に伸長されている（黒い直線矢印参照）。図から分かるように、伸縮ジブ２のラフィングおよび伸長と、リフティングケーブルを介する積荷ピックアップ手段７の昇降との組合せにより、２つのプラグ接続部１２、１３は、第２のプラグ接続部１３のプラグエレメント１３ａが、第１のプラグ接続部１２の開口チャネル１２ａの方向へ略面するように互いに対して配向される。好ましくは、プラグエレメント１３ａは、その長手方向の延長線がプラグ軸Ｘ２と平行するように配向される。さらに、プラグエレメント１３ａの端には、供給プラグ部１３ｂが配置され、ブレーシング装置９は、これを介して車両クレーン１へ電気的および油圧的に連結されることが可能である。供給プラグ部１３ｂの相手方として、本図には、第１のプラグ接続部１２のそのベース領域に供給連結部１２ｃが示されている。

２つのプラグ接続部１２、１３のこの相互的な隣接配置は、伸縮ジブ２のラフィング角度、伸縮ジブ２の伸長長さ、および２つのプラグ接続部１２、１３の、各々伸縮ジブ２の基本ボックス２ａ上およびブレーシング装置９の内端上での取付け位置が互いに対して適宜適合化されるという理由から、こうした方式で達成されることが可能である。

ブレーシング装置９は、連結に先行して、その長手方向の延長線が伸縮ジブ２の長手方向の延長線と平行する状態で配向される。ブレーシング装置９の伸縮ジブ２に対する配向は、ブレーシング装置９が積荷ピックアップ手段７上で自由に懸垂されることから、略自動的に実行される。この目的に沿って、次に、積荷ピックアップ手段７は、積荷ピックアップ手段７が典型的にはリフティングケーブルの長手方向に一致する垂直の回転軸に対して剛性に形成されるように、かつ、リフティングケーブルのケーブルリービングに渡る積荷ピックアップ手段７の案内が、連結プロセス用にブレーシング装置９をその長手方向が伸縮ジブ２のラフィング面に位置し、かつ、ひいては伸縮ジブ２の長手方向の延長線のためのその長手方向に平行する状態へ自動的に配向するに足るものであるように選択される。積荷ピックアップ手段７が、垂直軸を中心に回転可能であるブレーシング装置９をピックアップするためのロードフックを備える場合、ブレーシング装置９上で自由に吊り下げられるガイドケーブルを設けることが可能であり、よって、補助要員は、これを介してブレーシング装置９を伸縮ジブ２に対して所望される位置に配向することができる。また、垂直軸を中心とする連結に先行して、伸縮ジブ２に対するブレーシング装置９の向きを決定するために、積荷ピックアップ手段７に被駆動式回転装置、具体的には遠隔操作式の回転装置、を取り付けることも実現可能であると思われる。ブレーシング装置９と伸縮ジブ２との間に必要な正確な配向は、連結プロセス用の機械的エレメントの設計を介して、ひいては連結プロセス自体によって実行されることも可能である。

図４は、ブレーシング装置９が既に伸縮ジブ２の基本ボックス２ａ上へ固定されている状態を示す。図から分かるように、第１および第２のプラグ接続部１２、１３は、伸縮ジブ２またはその内側ボックス２ｅの退縮（黒い直線矢印参照）によって互いに連結されている。内側ボックス２ｅの退縮により、第２のプラグ接続部１３のプラグエレメント１３ａは、第１のプラグ接続部１２の開口チャネル１２ａ内へ変位され、こうしてプラグ接続が形成されている。次に、第２のプラグ接続部１３は、第１のプラグ接続部１２上のボルト状のロックエレメント１２ｂを介して、第１のプラグ接続部１２内に自動的に、または手動でロックされる。達成されたこの取付け位置において、ブレーシング装置９は、さらに、第１および第２のプラグ接続部１２、１３の領域内で、詳細には図示されていない油圧および／または電気式供給ラインを介して手動または自動的に伸縮ジブ２または車両クレーン１へ接続される。

図５は、伸縮ジブ２とブレーシング装置９との組立てにおける、サスペンション１４を積荷ピックアップ手段７およびブレーシング装置９から取り外すための次のステップを示す。図４に示されている位置と比較すると、サスペンション１４を好ましい作動位置内で地面Ｕに対して動かし、次いでブレーシング装置９および積荷ピックアップ手段７からサスペンション１４を取り外すために、伸縮ジブ２は、図４とはかなり遠くへラフダウンされ（黒い曲線矢印参照）、かつブレーシング装置９は、図１２に初めて示される直立用シリンダ９ｄ上へピボット軸Ｙ２を中心にして十分に位置合わせされている（黒い曲線矢印参照）。この状態で、ブレーシング装置９は、既に、伸縮ジブ２の基本ボックス２ａによって完全に搭載されている。これにより先の張力から解放され得、よってこの点では弛緩されているサスペンション１４は、こうして取外しが可能である。伸縮ジブ２上に吊るされたブレーシング装置９は、その自由端９ａおよび回転可能式に配置された偏向ローラ９ｃと共に地面Ｕ上に浮かんでいる。

図６は、伸縮ジブ２とブレーシング装置９との向きが図５とは変わっている、図５の車両クレーンシステム１１を示す。伸縮ジブ２は、さらにラフダウンされており、よって、その長手方向Ｘ１は、略水平に配向されていて、伸縮ジブのヘッド２ｆへの到達がより容易である。２つのブレーシングサポート９ｂは、さらに直立されており、よって、ブレーシング装置９の自由端９ａは、伸縮ジブ２より上に位置決めされている。さらに、第４の内側ボックス２ｅは、伸縮ジブのヘッド２ｆと共に、ブレーシング装置９の自由端９ａが伸縮ジブのヘッド２ｆのほぼ上に位置決めされるほど十分に伸長されている。次に、２つのブレーシングサポート９ｂの各々に配置されているテンションフレーム９ｆからフロントテンションケーブル９ｇが送り出され、かつ各事例において、ブレーシングサポート９ｂに沿って各々の自由端９ａの方向にそのロケーションにおける偏向ローラ９ｃへと案内され、次に、その下で伸縮ジブのヘッド２ｆの方向へ自由に懸垂される。次に、テンションケーブル９ｇは、その自由端で伸縮ジブのヘッド２ｆの頂部に締結される。この場合、テンションフレーム９ｆは、各事例において、ブレーシングサポート９ｂの下側３分の１の領域内で連接される。図６からは、各事例において、後側のブレーシングロッド９ｈは、ブレーシングサポート９ｂの各々の自由端９ａに関節式に取り付けられることも分かる。ブレーシングロッド９ｈは、ブレーシングサポート９ｂの上側の静止位置にあることが示されている。

図７は、図６と比較するとブレーシングサポート９ｂが略垂直に位置合わせされている車両クレーンシステム１１を示す。テンションケーブル９ｇは、テンションフレーム９ｆからさらに、対応式に送り出されている。

図８は、伸縮ジブ２が、ブレーシングロッド９ｈがその固定点を介して伸縮ジブのフット２ｇ上で垂直に自由に懸垂されるほど、ラフィング軸Ｙ１を中心にして図７のそれよりラフアップされている、図７の車両クレーンシステム１１を示す。重力による結果として、ブレーシングロッド９ｈは、ブレーシングサポート９ｂ上にあるその静止位置から、垂直な取付け位置まで旋回している。

図１０は、図９に比較すると、ブレーシングロッド９ｈが伸縮ジブのフット２ｇへ代替方法で固定されている、図８の車両クレーンシステム１１を示す。この目的に沿って、ブレーシングサポート９ｂは、ブレーシングロッド９ｈの自由端を伸縮ジブのフット２ｇの領域に固定することができる、具体的にはボルト締めできるまで、伸縮ジブのフット２ｇの方向へ９０゜の位置を超えて旋回される。次に、同様に内側ロッドにより伸長または延長されることが可能なブレーシングロッド９ｈは、固定エレメント９ｉを介してロック解除され、よって、次のステップにおいて、ブレーシングサポート９ｂは、９０゜の位置まで旋回し戻され得、かつブレーシングロッド９ｈは、その伸長可能な最大位置へと伸長される。

図１１は、伸縮ジブ２の基本ボックス２ａ上のブレーシングサポート９ｂの連接を示す略図である。ブレーシングサポート９ｂは、直立軸Ｙ２を中心にして、複数の取付け位置（図３〜図６参照）と動作位置（図７および図８参照）との間で旋回可能であることが分かる。さらに、ブレーシングサポート９ｂは、ピボット軸Ｘ３を中心にしてＶ字形の動作位置へと横方向にピボットアウトされてもよい。油圧ピボットシリンダ９ｅは、この旋回動作のために設けられる。

図１２は、図１１の側面図を示す。本図には、直立軸Ｙ２およびピボット軸Ｘ３も見受けられる。さらに、直立軸Ｙ２を中心とする動作のための油圧直立用シリンダ９ｄが示されている。

これまでに述べた例示的な実施形態では、ブレーシング装置９を基本ボックスまたは内側ボックスの締結領域へ連結するための機械的エレメントが、第１および第２のプラグ接続部として形成されているが、他の構造設計も可能であることは自明である。本質的に、これらの機械的エレメントは、互いに対する線形的、円状および／または球状の接合運動を介して互いに係合され合うことが可能である。したがって、ボルトをその開口で把持するフックは、機械的エレメントの他の可能な設計として実現可能である。２つの機械的エレメントが互いに向かって動きかつ互いに係合される連結方向は、例示された実施形態に記述されているような、上から下、および伸縮ジブの長手方向の延長線に平行である必要はなく、下から上、前から後、後から前、または伸縮ジブの長手方向に対して任意の傾斜位置であってもよい。したがって、締結領域は、基本ボックスまたは内側ボックスのうちの１つの下側に、および側面にも配置されてもよい。また、第１のプラグ接続部は、伸縮ジブの下部だけでなく、側面または上部にも配置されることが規定されてもよい。ある従来方式では、ブレーシング装置の輸送ユニットは、セミトレーラである。また、輸送は、重量積載物車両または関連するトレーラの積載面上で実行されてもよい。移動式クレーンの他のコンポーネント、たとえばカウンタウェイトまたはラティスマストのジブセクションなどは、ほとんどがブレーシング装置と共に輸送される。

１ 車両クレーン
２ 伸縮ジブ
２ａ 基本ボックス
２ｂ 第１の内側ボックス
２ｃ 第２の内側ボックス
２ｄ 第３の内側ボックス
２ｅ 第４の内側ボックス
２ｆ 伸縮ジブのヘッド
２ｇ 伸縮ジブのフット
３ 下部キャリッジ
４ 車輪付きランニングギヤユニット
４ａ 軸
４ｂ 軸
４ｃ 軸
４ｄ 軸
４ｅ 軸
４ｆ 軸
５ タイヤ
６ 上部構造物
６ａ ラフィングシリンダ
７ 積荷ピックアップ手段
８ 輸送ユニット
８ａ 積載面
９ ブレーシング装置
９ａ 自由端
９ｂ ブレーシングサポート
９ｃ 偏向ローラ
９ｄ 直立用シリンダ
９ｅ ピボットシリンダ
９ｆ テンションフレーム
９ｇ テンションケーブル
９ｈ ブレーシングロッド
９ｉ 固定エレメント
９ｊ 接続端
１０ 伸縮ジブシステム
１１ 車両クレーンシステム
１２ 第１のプラグ接続部
１２ａ 開口チャネル
１２ｂ ロックエレメント
１２ｃ 供給連結部
１３ 第２のプラグ接続部
１３ａ プラグエレメント
１３ｂ 供給プラグ部
１４ サスペンション
Ｆ１ 傾斜面
Ｆ２ 傾斜面
Ｆ３ 傾斜面
Ｓ１ 上側
Ｓ２ 下側
Ｕ 地面
Ｘ 水平方向
Ｘ１ 長手方向
Ｘ２ プラグ軸
Ｘ３ 直立軸
Ｙ 垂直方向
Ｙ１ ラフィング軸
Ｙ２ ピボット軸
Ｚ 上方向
Ｚ１ 回転軸

Claims (17)

1. 直線的に変位可能な内側ボックス（２ｂ〜２ｅ）を有する基本ボックス（２ａ）を備える伸縮ジブ（２）を有し、かつ積荷ピックアップ手段（７）を有するリフティングケーブルを有する車両クレーン（１）であって、
   前記基本ボックス（２ａ）上または前記内側ボックス（２ｂ〜２ｅ）のうちの１つのヘッドエンド上に締結領域が配置され、前記締結領域へはブレーシング装置（９）を接続端（９ｊ）によって固定することができるものであり、
   前記基本ボックス（２ａ）上または前記内側ボックス（２ｂ〜２ｅ）のうちの１つの上には、前記ブレーシング装置（９）を取り付けるための前記締結領域が、前記リフティングケーブル上で自由に懸垂され、かつ前記接続端（９ｊ）を用いて前記内側ボックス（２ｂ〜２ｅ）の退縮および伸長により前記積荷ピックアップ手段（７）を昇降させかつ／または前記伸縮ジブ（２）をラフィングさせることで、前記車両クレーン（１）の動きにより前記締結領域の近くへ寄せられるブレーシング装置（９）が前記締結領域へ連結されるような方式で形成されることを特徴とする、
   車両クレーン（１）。
2. 前記締結領域において、プラグ接続を形成するように構成される第１のプラグ接続部（１２）は、前記基本ボックス（２ａ）上、または前記内側ボックス（２ｂ〜２ｅ）のうちの１つの上に配置され、かつ前記ブレーシング装置（９）の前記接続端（９ｊ）に配置される対応する第２のプラグ接続部（１３）へ連結され得ることを特徴とする、
   請求項１に記載の車両クレーン（１）。
3. 前記第１のプラグ接続部（１２）は、前記第２のプラグ接続部（１３）、具体的にはプラグエレメント（１３ａ）を備える第２のプラグ接続部（１３）、を少なくとも部分的に収容するように設けられる開口チャネル（１２ａ）を備え、前記開口チャネルの延長線は、前記基本ボックス（２ａ）の長手方向軸（Ｘ１）に平行して延びるプラグ軸（Ｘ２）を画定することを特徴とする、
   請求項１または請求項２に記載の車両クレーン（１）。
4. 前記第１のプラグ接続部（１２）は、前記第２のプラグ接続部（１３）の開口チャネルにおける少なくとも部分的な、具体的には形状にフィットする配置のために設けられるプラグエレメントを備え、前記プラグエレメントの延長線は、前記基本ボックス（２ａ）の長手方向軸（Ｘ１）に平行して延びるプラグ軸を画定することを特徴とする、
   請求項１または請求項２に記載の車両クレーン（１）。
5. 前記基本ボックス（２ａ）および各内側ボックス（２ｂ〜２ｅ）は、上側（Ｓ１）と、前記上側とは反対側の下側（Ｓ２）とを有し、前記第１のプラグ接続部（１２）は、前記基本ボックス（２ａ）の、または前記内側ボックス（２ｂ〜２ｅ）のそのヘッドエンドの前記下側（Ｓ２）に配置されることを特徴とする、
   先行する請求項１〜請求項４のいずれか１項に記載の車両クレーン（１）。
6. 前記ブレーシング装置（９）は、前記伸縮ジブ（２）の前記第１のプラグ接続部（１２）に対応する、かつ具体的には、前記ブレーシング装置（９）上へ連接される第２のプラグ接続部（１３）を有することを特徴とする、
   先行する請求項１〜請求項５のいずれか１項に記載の車両クレーン（１）。
7. 前記ブレーシング装置（９）は、連接された２つのブレーシングサポート（９ｂ）と、少なくとも１つの駆動装置とを有し、前記ブレーシング装置（９）が前記基本ボックス（２ａ）へ連結されると、前記ブレーシングサポート（９ｂ）は、少なくとも部分的に前記駆動装置によって取付け位置から作動位置へ、かつその逆へ旋回され得ることを特徴とする、
   先行する請求項１〜請求項６のいずれか１項に記載の車両クレーン（１）。
8. 前記第１のプラグ接続部（１２）および／または前記第２のプラグ接続部（１３）は、少なくとも１つの傾斜面（Ｆ１〜Ｆ３）の形態である挿入補助具を備えることを特徴とする、
   先行する請求項１〜請求項７のいずれか１項に記載の車両クレーン（１）。
9. 前記ブレーシング装置（９）の自由端（９ａ）には、少なくとも１つの、具体的には回転可能に取り付けられる偏向ローラ（９ｃ）が配置されることを特徴とする、
   先行する請求項１〜請求項８のいずれか１項に記載の車両クレーン（１）。
10. 先行する請求項１〜請求項９のいずれか１項に記載の車両クレーン（１）と、伸縮ジブシステム（１０）の前記ブレーシング装置（９）を輸送するために形成される輸送ユニット（８）とを備える、
    車両クレーンシステム（１１）。
11. ブレーシング装置（９）を車両クレーン（１）の伸縮ジブ（２）へ取り付けるための方法であって、
    −前記車両クレーン（１）の領域に、前記ブレーシングデバイス（９）を収容して有する輸送ユニット（８）を提供するステップと、
    −前記車両クレーン（１）の積荷ピックアップ手段（７）を前記ブレーシング装置（９）へ接続する、具体的には、サスペンション（１４）を組み込むステップと、
    −前記車両クレーン（１）によって、前記輸送ユニット（８）から前記ブレーシング装置（９）を持ち上げるステップと、
    −その接続端（９ｊ）でリフティングケーブル上へ自由に懸垂される前記ブレーシング装置（９）を、締結領域に対して、前記内側ボックス（２ｂ〜２ｅ）の退縮および伸長、前記積荷ピックアップ手段（７）の昇降、および／または前記伸縮ジブ（２）の、基本ボックス（２ａ）上または前記内側ボックス（２ｂ〜２ｅ）のうちの１つのヘッドエンド上の前記締結領域に対するラフィングによって動かすステップと、
    −前記ブレーシング装置（９）を前記基本ボックス（２ａ）または前記内側ボックス（２ｂ〜２ｅ）のうちの１つの前記締結領域へ連結するステップと、
    −前記ブレーシング装置（９）から前記車両クレーン（１）の前記積荷ピックアップ手段（７）を解放するステップと、を含む、
    方法。
12. 前記ブレーシング装置（９）は、前記締結領域へ、前記リフティングケーブル上に自由に懸垂される前記ブレーシング装置（９）を動かすことによって連結されることを特徴とする、
    請求項１１に記載の方法。
13. 前記ブレーシング装置（９）は、前記締結領域へ連結された後に機械的に固定されることを特徴とする、
    請求項１１または請求項１２に記載の方法。
14. 前記ブレーシング装置（９）上の第２のプラグ接続部（１３）は、前記第２のプラグ接続部（１３）に対応する第１のプラグ接続部（１２）へ連結されることを特徴とする、
    先行する請求項１１〜請求項１３のいずれか１項に記載の方法。
15. 前記第１のプラグ接続部（１２）は、前記第２のプラグ接続部（１３）へ、前記内側ボックス（２ｂ〜２ｅ）のうちの少なくとも１つを退縮させることにより結合されることを特徴とする、
    請求項１４に記載の方法。
16. 前記ブレーシングデバイス（９）上に連接される２つのブレーシングサポート（９ａ、９ｂ）は、取付け位置から作動位置へ、具体的には少なくとも部分的に１つの駆動装置により旋回されることを特徴とする、
    先行する請求項１１〜請求項１５のいずれか１項に記載の方法。
17. 前記ブレーシング装置（９）は、連結に先行して、その長手方向の延長線が前記伸縮ジブ（２）の長手方向の延長線と平行する状態で配向されることを特徴とする、
    先行する請求項１１〜請求項１６のいずれか１項に記載の方法。

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