JP2021075249A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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【課題】積雪量の多い路面における走行性能を向上することを可能にした空気入りタイヤを提供する。【解決手段】トレッド部1のタイヤ幅方向最外側端部のタイヤ幅方向外側に隣接する一対のサイド領域のうち、車両装着時に車両に対して内側となる側を内側サイド領域のみに、サイドウォール部2の外表面から1.5mm以上隆起した複数のサイドブロック23を設け、サイドブロック23を構成するブロックゴム層RbのJIS硬度Hbとトレッド部1を構成するトレッドゴム層R1のJIS硬度Htとが、Hs≦Ht+5の関係を満たすようにする。【選択図】図1

Description

本発明は、雪上路面の走行を意図した空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、積雪量の多い路面における走行性能を向上することを可能にした空気入りタイヤに関する。
近年、未舗装路の走行を意図した空気入りタイヤにおいて、トレッド部のタイヤ幅方向最外側に位置するショルダーブロックの更にタイヤ幅方向外側のサイド領域にサイドブロックを設けることが行われている(例えば、特許文献1を参照)。このようなタイヤでは、サイドブロックによって形成されたサイド領域の凹凸が未舗装路の路面に対して効果的に作用するので、未舗装路での走行性能を向上することができる。また、このようなサイドブロックは、雪上路面における走行性能にも効果を発揮する。即ち、雪上路面では、路面上の雪にタイヤが埋もれるので、サイドブロックが路面上の雪を効果的に噛み込み、雪上路面における走行性能(スノー性能)を向上することができる。しかしながら、従来のタイヤのサイド領域にそのままサイドブロックを設けただけでは、本来のタイヤ性能に影響が出る虞がある。そのため、他のタイヤ性能に影響を及ぼすことなくスノー性能を向上するための対策が求められている。また、スノー性能の更なる改善(例えば、積雪量の多い路面における走行性能の向上)も求められている。
特開2013‐119277号公報
本発明の目的は、積雪量の多い路面における走行性能を向上することを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、車両に対する装着方向が指定された空気入りタイヤにおいて、前記トレッド部のタイヤ幅方向最外側端部のタイヤ幅方向外側に隣接する一対のサイド領域のうち、車両装着時に車両に対して内側となる側を内側サイド領域とし、車両装着時に車両に対して外側となる側を外側サイド領域としたとき、前記一対のサイド領域のうちの前記内側サイド領域のみに、前記サイドウォール部の外表面から1.5mm以上隆起した複数のサイドブロックが設けられ、前記サイドブロックを構成するブロックゴム層のJIS硬度Hbと前記トレッド部を構成するトレッドゴム層のJIS硬度Htとが、Hb≦Ht+5の関係を満たすことを特徴とする。
本発明の発明者は、積雪量が多い路面を車両が走行する際のタイヤ周辺の雪の挙動について鋭意研究した結果、車両装着時に車両に対して内側となる側では、雪は車体に押されて圧縮されて、内側サイド領域に押し付けられる傾向があるのに対して、車両装着時に車両に対して外側となる側では、雪はタイヤに押し退けられて、外側サイド領域に接触してもタイヤから離れるように移動することを知見した。本発明は、この知見に基づき、雪が押し付けられる傾向があり、スノー性能への寄与が大きい内側サイド領域については、隆起高さ1.5mm以上の十分に大きなサイドブロックを設けてスノー性能の向上を図っている。一方で、雪が離間するためスノー性能に寄与しにくい外側サイド領域については、サイドブロックを設けずに他のタイヤ性能への影響を抑制している。更に、サイドブロックを構成するブロックゴム層の硬度をトレッドゴム層の硬度と同等以下に設定しているので、サイドブロックが路面上の雪に対して良好に作用するようになり、効果的にスノー性能を向上することができる。
本発明では、内側サイド領域においてサイドブロックを除いた非隆起部分をサイド溝としたとき、サイド溝の深さがサイドブロックの最大隆起高さの75%以上であることが好ましい。このようにサイドブロック間に十分な深さの溝を設けることで、サイド溝内に十分な量の雪を噛み込むことが可能になり、雪柱剪断力を向上することができ、スノー性能を向上するには有利になる。
本発明では、サイドブロックの頂面にサイド溝よりも溝幅が小さく、且つ、0.3mm以上3mm以下の溝幅を有する補助溝が設けられていることが好ましい。このようにサイドブロックの頂面を平坦にせずに補助溝を設けることで、補助溝内に雪を噛み込んだり、補助溝によるエッジ効果を付加することができるので、スノー性能を向上するには有利になる。
本発明では、内側サイド領域の面積に対するサイド溝および補助溝の総面積の割合が30%以上70%以下であることが好ましい。このように内側サイド領域に適度に溝を設けることで、サイドブロックとサイド溝や補助溝によって形成される凹凸のバランスが良好になり、スノー性能を向上するには有利になる。
本発明では、ブロックゴム層の内層側にブロックゴムよりも高硬度のゴム層を有することが好ましい。これにより、サイドブロックの土台となる部分が高硬度になり、サイドブロックの倒れ込みを抑制することができ、スノー性能を向上するには有利になる。また、相対的に軟らかいため発熱しやすい傾向があるブロックゴム層によって発熱性が悪化することを防止することもできる。
本発明では、サイドブロックのそれぞれの頂面内および/または複数の前記サイドブロックの頂面どうしの間に、隆起高さの差が0.5mm以上の段差を有することが好ましい。これにより、サイドブロックの凹凸形状を複雑化することができ、スノー性能を向上するには有利になる。
本発明では、サイドブロックの頂面に、頂面から高低差1.0mm以内の範囲で突出または陥没した複数の要素からなる凹凸加工が施されていることが好ましい。これにより、サイドブロックの凹凸形状を複雑化することができ、スノー性能を向上するには有利になる。
本発明では、タイヤ周方向に隣り合うサイドブロックどうしの間に位置する非隆起部分に摩耗限度を示すインジケータが設けられていることが好ましい。これにより、サイドブロックの摩滅に伴うスノー性能の低下を確認することが可能になる。
本発明では、トレッドゴム層のJIS硬度Htが70以下であることが好ましい。これにより、トレッド部が雪上路面を走行するのに適した硬度になり、それに伴い、サイドブロックの硬度も適度な範囲に収まるので、スノー性能を向上するには有利になる。
本発明において、「接地端」とは、タイヤを正規リムにリム組みして正規内圧を充填した状態で平面上に垂直に置いて正規荷重を加えたときに形成される接地領域のタイヤ軸方向の両端部である。「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えば、JATMAであれば標準リム、TRAであれば“Design Rim”、或いはETRTOであれば“Measuring Rim”とする。「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表“TIRE ROAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”であるが、タイヤが乗用車用である場合には180kPaとする。「正規荷重」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表“TIRE ROAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“LOAD CAPACITY”であるが、タイヤが乗用車用である場合には前記荷重の88%に相当する荷重とする。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの子午線断面図である。 本発明の実施形態からなる空気入りタイヤのトレッド面を示す正面図である。 車両が積雪量の多い路面を走行する際のタイヤ周辺の雪の挙動を模式的に示す説明図である。 本発明のサイド領域の一部を拡大して示す説明図である。 本発明のサイド領域の一部を拡大して示す説明図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の空気入りタイヤは、トレッド部1と、このトレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、サイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とを備えている。図1において、符号CLはタイヤ赤道を示し、符号Eは接地端を示す。尚、図1は子午線断面図であるため描写されないが、トレッド部1、サイドウォール部2、ビード部3は、それぞれタイヤ周方向に延在して環状を成しており、これにより空気入りタイヤのトロイダル状の基本構造が構成される。以下、図1を用いた説明は基本的に図示の子午線断面形状に基づくが、各タイヤ構成部材はいずれもタイヤ周方向に延在して環状を成すものである。
本発明の空気入りタイヤは、車両に対する装着方向が指定されている。具体的には、図のIN側が車両に装着する際に車両に対して内側にするように指定された側(以下、車両内側という)であり、図のOUT側が車両に装着する際に車両に対して外側にするように指定された側(以下、車両外側という)である。このような装着方向は、例えばタイヤ外表面の任意の部位に設けられた表示を見ることで判別することができる。
左右一対のビード部3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りに車両内側から外側に折り返されている。また、ビードコア5の外周上にはビードフィラー6が配置され、このビードフィラー6がカーカス層4の本体部と折り返し部とにより包み込まれている。一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層(図1では2層)のベルト層7が埋設されている。各ベルト層7は、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。これらベルト層7において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°〜40°の範囲に設定されている。更に、ベルト層7の外周側にはベルト補強層8が設けられている。ベルト補強層8は、タイヤ周方向に配向する有機繊維コードを含む。ベルト補強層8において、有機繊維コードはタイヤ周方向に対する角度が例えば0°〜5°に設定されている。
トレッド部1におけるカーカス層4およびベルト層7の外周側にはトレッドゴム層R1が配される。サイドウォール部2におけるカーカス層4の外周側(タイヤ幅方向外側)にはサイドゴム層R2が配される。ビード部3におけるカーカス層4の外周側(タイヤ幅方向外側)にはリムクッションゴム層R3が配される。トレッドゴム層R1は、物性の異なる2種類のゴム層(キャップトレッドゴム層およびアンダートレッドゴム層)がタイヤ径方向に積層した2層構造であってもよい。
本発明は、このような一般的な断面構造の空気入りタイヤに適用されるが、その基本構造は上述のものに限定されない。また、本発明は、後述のサイド領域に関するものであるので、トレッド部1の詳細な形状は、未舗装路に好適なブロックを主体としたトレッドパターンであれば、図2の例に限定されない。
図2に示す空気入りタイヤのトレッド部1の表面には、タイヤ赤道CLの両側でタイヤ周方向に沿って延在する一対の主溝10が形成される。これら主溝10は、最大幅が例えば9mm〜20mm、溝深さが10mm〜18mmである。
これら主溝10によって区画された3列の陸部は、様々な溝によって更にブロックに区画され、トレッドパターン全体がブロックを基調としたブロックパターンになっている。図示の例では、複数のブロックのうち一対の主溝のタイヤ幅方向外側にショルダーブロック21が区画され、一対の主溝の間にはセンターブロック22が区画されている。
ショルダーブロック21は、主溝10から接地端Eを超えて延在するショルダーラグ溝31によって区画されて、タイヤ周方向に複数個のショルダーブロック21が配列されている。センターブロック22は、一対の主溝10どうしを連結してタイヤ幅方向に延在するセンターラグ溝32aと、タイヤ周方向に隣り合うセンターラグ溝32aどうしを連結する補助溝32bとによって区画されて、補助溝32bの両側に配置された2列のセンターブロック22がタイヤ周方向に繰り返し配列されている。これらブロック(ショルダーブロック21およびセンターブロック22)の踏面には任意でサイプや細溝を設けることができる。
尚、主溝10によって区画された陸部を更にブロックに分割するラグ溝のうち、ショルダーラグ溝31は、溝幅が例えば9mm〜20mm、溝深さが例えば12mm〜17mmであるとよく、センターラグ溝32aは、溝幅が例えば7mm〜13mm、溝深さが例えば11mm〜14mmであるとよい。特に、ショルダーラグ溝31は主溝10と同一の溝深さを有するとよい。また、補助溝32bは、溝幅が例えば7mm〜10mm、溝深さが例えば9mm〜12mmであるとよい。更に、任意で形成されるサイプ41とは、溝幅が例えば0.5mm〜2.0mm、溝深さが例えば2mm〜15mmである微細な溝であり、任意で形成される細溝42とは、主溝10やラグ溝に対して溝幅および溝深さが充分に小さい溝であり、溝幅が例えば0.5mm〜4.0mm、溝深さが例えば2mm〜15mmである。
ショルダーブロック21が設けられたショルダー領域のタイヤ幅方向外側に隣接するサイド領域のうち、車両内側のサイド領域(内側サイド領域)に、サイドウォール部2の外表面から隆起したサイド陸部が設けられる。このサイド陸部は、サイド溝33によって更に複数のサイドブロック23に区画されている。言い換えると、内側サイド領域に複数のサイドブロック23が設けられており、この複数のサイドブロック23を除いた非隆起部分がサイド溝33である。本発明では、複数のサイドブロック23の中に、サイドウォール部の外表面からの隆起高さHが1.5mm以上、好ましくは2mm〜7mmのものが必ず含まれる。即ち、内側サイド領域に、サイドウォール部の外表面からの隆起高さHが1.5mm以上、好ましくは1mm〜6mmであるサイドブロック23が必ず設けられている。尚、サイドウォール部の外表面からの隆起高さHが1.5mm未満の微細なブロックは任意で設けることもできる。
ショルダーブロック21が設けられたショルダー領域のタイヤ幅方向外側に隣接するサイド領域のうち、車両外側のサイド領域(外側サイド領域)にも、サイドウォール部2の外表面から隆起したサイド陸部(不図示)を設けることはできる。但し、内側サイド領域と異なり、サイドウォール部の外表面からの隆起高さHが1.5mm以上の陸部は設けられない。即ち、外側サイド領域には、サイドウォール部の外表面からの隆起高さHが1.5mm未満の微細な陸部を任意で設けることができる。外側サイド領域に微細な陸部を設ける場合、その陸部はサイド溝33によって更に複数の微細なブロック23に区画することもできる。
以降の説明では、サイドウォール部の外表面からの隆起高さHが1.5mm以上のブロックをサイドブロック23と呼び、1.5mm未満の微細な陸部は実質的に隆起していないものと見做す。つまり、本発明では、内側サイド領域および外側サイド領域からなる一対のサイド領域のうち、内側サイド領域のみにサイドブロック23が設けられていることになる。本発明では、内側サイド領域のみに十分な隆起高さのサイドブロック23を設けることが重要であるので、個々のサイドブロック23の形状や、内側サイド領域内での配置は特に限定されない。図示の例では、サイド溝33がショルダーラグ溝31の延長線上に位置し、実質的に連続的に延在していることで、各ショルダーブロック21のタイヤ幅方向外側の延長位置にサイドブロック23が配置されている。また、図示の例では、ショルダーブロック21のタイヤ幅方向外側の側面とサイドブロック23の頂面との境界位置に、タイヤ全周に亘って延在する突条24が存在している。
内側サイド領域のみに設けられたサイドブロック23を構成するゴム層をブロックゴム層Rbとすると、ブロックゴム層Rbの硬度Hbはトレッド部1を構成するトレッドゴム層R1の硬度Htと同等以下に設定されている。ここで、ブロックゴム層Rbの硬度Hbがトレッドゴム層R1の硬度Htと「同等」とはHb=Ht±5の関係にあることを意味する。従って、ブロックゴム層Rbの硬度Hbとトレッドゴム層R1の硬度Htとは、Hb≦Ht+5の関係を満たしている。尚、硬度Hb,Htは、JIS‐K6253に準拠して、Aタイプのデュロメータを用いて温度23℃の条件にて測定されるデュロメータ硬さ(所謂、JIS‐A硬度)である。
本発明は、車両が雪道を走行する際のタイヤ周辺の雪の挙動、特に、車両内側と車両外側での雪の挙動の違いに着目して、内側サイド領域と外側サイド領域の構造を設定するものである。即ち、本発明の発明者は、車両が雪道(特に、積雪量が多い雪道)を走行する際のタイヤ周辺の雪の挙動について鋭意研究した結果、図3に示すように、空気入りタイヤTの車両装着時に車両に対して内側となる側(図中のIN側)は、車体CBの下側となるので、路面上の雪Sは車体CBに押されて圧縮されて、車両内側IN(特に、内側サイド領域)に押し付けられる傾向があるのに対して、空気入りタイヤTの車両装着時に車両に対して外側となる側(図中のOUT側)では、雪SはタイヤTに押し退けられて、車両外側OUT(特に、外側サイド領域)に接触してもタイヤTから離れるように(図中の矢印方向に)移動することを知見した。本発明は、この知見に基づき、雪が押し付けられる傾向がある内側サイド領域についてはスノー性能に有利な構造(サイドブロック23)を設け、雪が離間する傾向がある外側サイド領域についてはサイドブロックを設けずに他のタイヤ性能への影響を抑えるものである。更に、サイドブロック23を構成するブロックゴム層Rbの硬度をトレッドゴム層R1の硬度と同等以下に設定しているので、サイドブロック23が路面上の雪に対して良好に作用するようになり、効果的にスノー性能を向上することができる。
このとき、サイドブロック23の隆起高さHが1.5mm未満であると、実質的に隆起していないのと同等になるため、サイドブロック23によって雪を噛み込むことができず、スノー性能を向上する効果が得られない。外側サイド領域にも隆起高さHが1.5mm以上のブロックが設けられると、外側サイド領域は雪が離間する傾向があるため、そのブロックでは雪を噛み込むことができず、スノー性能を向上する効果が見込めない。ブロックゴム層Rbの硬度Hbとトレッドゴム層R1の硬度Htとが、Hb>Ht+5の関係であると、サイドブロック23が硬すぎるため、雪上路面に対して密着しにくくなり、スノー性能を良好に確保することが難しくなる。
サイド溝33の深さは特に限定されないが、サイドブロック23の最大隆起高さの好ましくは75%以上、より好ましくは80%〜90%であるとよい。このようにサイドブロック23の間に十分な深さの溝を設けることで、サイド溝33内に十分な量の雪を噛み込むことが可能になり、雪柱剪断力を向上することができ、スノー性能を向上するには有利になる。サイド溝33の深さが、サイドブロック23の最大隆起高さの75%未満であると、サイド溝33内に十分な量の雪を噛み込むことできず、スノー性能の更なる向上が見込めなくなる。
サイドブロック23の凹凸形状を複雑であるほど雪を噛み込む効果や、エッジ効果を高めることができるので、サイドブロック23の頂面にサイド溝33よりも溝幅が小さく、且つ、0.3mm以上2mm以下の溝幅を有する補助溝43を設けることもできる。ここでいう補助溝43とは、溝幅が0.3mm以上1.5mm以下のサイプ43aと、溝幅が1.5mm超3mm以下の細溝43bの両方を含む。補助溝43を設ける場合、サイプ43aのみを設けても、細溝43bのみを設けても、サイプ43aおよび細溝43bを組み合わせて設けてもよい。補助溝43の溝深さは、サイドブロック23の最大隆起高さの例えば15%〜30%に設定することができる。このようにサイドブロック23の頂面を平坦にせずに補助溝43を設けることで、補助溝43によるエッジ効果を付加することができ、スノー性能を向上するには有利になる。
本発明では、内側サイド領域における溝面積比率が30%以上70%以下であることが好ましい。尚、内側サイド領域の面積に対する、内側サイド領域に設けられた溝要素(サイド溝33および補助溝43(サイプ43a、細溝43b)のうち、当該内側サイド領域に設けられたもの)の総面積の割合である。内側サイド領域の面積とは、内側サイド領域内のサイドブロック23のタイヤ径方向最外側の点を結んだ円(ショルダーブロック21とサイドブロック23の境界、図示の例では突条24)とサイドブロック23のタイヤ径方向最内側の点を結んだ円との間の領域の面積である。このように内側サイド領域に適度に溝を設けることで、サイドブロック23とサイド溝33や補助溝43によって形成される凹凸のバランスが良好になり、スノー性能を向上するには有利になる。内側サイド領域における溝面積比率が30%未満であると、溝面積が小さすぎて凹凸が少なくなるため、雪を十分に噛み込むことができず、スノー性能を向上する効果が限定的になる。内側サイド領域における溝面積比率が70%を超えると、溝面積が過大になりサイドブロック23が小さくなるため、ブロック剛性を十分に確保できず、サイドブロック23の倒れ込みが生じやすくなり、スノー性能を向上する効果が限定的になる。
本発明は、雪道の走行を意図したタイヤに関するので、トレッド部1を構成するトレッドゴム層R1としては、雪道の走行に適したゴムを用いることが好ましい。具体的には、トレッドゴム層R1の硬度HtがJIS‐A硬度で70以下であることが好ましい。一般的に、一年を通じて使用することが意図されたオールシーズン用タイヤのトレッドゴム層R1の硬度は62〜72程度、冬用タイヤのトレッドゴム層R1の硬度は45〜60程度であるので、上述のように硬度を設定することで、雪上路面の走行を意図したタイヤとして適切な硬度に設定することができる。また、それに伴い、サイドブロック23の硬度も、上述の関係(Hs≦Ht+5)から適度な範囲に収まるので、スノー性能を向上するには有利になる。
上述のようにサイドブロック23を構成するブロックゴム層Rbは、トレッドゴム層R1と同等以下の硬度を有する比較的軟らかいゴムで構成される。そのため、サイドブロック23は倒れ込みが生じやすくなる虞がある。そこで、ブロックゴム層Rbの内層側にブロックゴム層Rbよりも高硬度のゴム層を配することが好ましい。例えば、図示の例では、サイドゴム層R2の硬度がブロックゴム層Rbよりも大きいため、ブロックゴム層Rbの内層側にブロックゴム層Rbよりも高硬度のゴム層(サイドゴム層R2)が配置された構造になっている。このような構造にすることで、サイドブロック23の土台となる部分(サイドウォール部2)が高硬度になり、サイドブロック23の倒れ込みを抑制することができ、スノー性能を向上するには有利になる。また、ブロックゴム層Rbは、相対的に軟らかいため発熱しやすい傾向があるが、ブロックゴム層Rbよりも高硬度のゴム層(サイドゴム層R2)と併用することで、発熱性の悪化を防止することもできる。尚、サイドゴム層R2の硬度は特に限定されないが、JIS‐A硬度で例えば52〜57程度に設定することができる。
上述のように内側サイド領域はスノー性能への寄与が大きいので、内側サイド領域に設けたサイドブロック23の凹凸形状を複雑化することがスノー性能の向上には有効である。例えば、サイドブロック23のそれぞれの頂面内および/または複数のサイドブロック23の頂面どうしの間に、隆起高さHの差ΔHが0.5mm以上の段差を設けることが好ましい。具体的には、個々のサイドブロック23の頂面の全体を平滑にせずに、隆起高さの異なる2つ以上の部分で構成し、これら部分の隆起高さHの差ΔHを0.5mm以上にすることが好ましい。或いは、複数のサイドブロック23の隆起高さを均一にせずに、サイドブロック23どうしの間で隆起高さを異ならせて、隆起高さHが0.5mm以上異なる2種類以上のサイドブロック23が内側サイド領域内に含まれるようにすることが好ましい。このようにサイドブロック23を構成することで、スノー性能への寄与が大きい内側サイド領域では、サイドブロック23の凹凸形状を複雑化することができ、スノー性能を向上するには有利になる。このとき隆起高さHの差ΔHが0.5mm未満であると、実質的に隆起高さに違いが生じないため、サイドブロック23の凹凸形状を複雑化することができない。尚、この構造であっても、サイドブロック23内で最も隆起高さが低い部分の隆起高さHは1.5mm以上である。
サイドブロック23の凹凸形状を複雑化する目的で、サイドブロックの頂面に、頂面から高低差1.0mm以内の範囲で突出または陥没した複数の要素からなる凹凸加工を施すこともできる。具体的には、図4(a)に示すセレーション加工51、図4(b)に示す突起加工52、図4(c)に示すディンプル加工53などを施すとよい。いずれの場合も、サイドブロックの凹凸形状を複雑化することができ、スノー性能を向上するには有利になる。
図4(a)では、サイドブロック23の頂面にセレーション加工51が施されている。セレーション加工51とは、断面視で鋸歯状となるように平行に並んだ複数の微細な溝(深さ1mm以下、ピッチ1mm以下)を設ける表面加工である。これによりサイドブロック23の頂面にセレーション加工51に起因するエッジ効果を付与することができ、スノー性能を向上するには有利になる。図4(b)では、サイドブロック23の頂面からの突出高さが0.5mm未満である複数の微細な突起52が設けられている。これにより、雪上路面を走行する際に複数の突起52が雪に喰い込むので、スノー性能を向上するには有利になる。図4(c)では、サイドブロック23の頂面からの凹み量が1mm以下である複数のディンプル53が設けられている。これにより、ディンプル53によって付加される凹凸に起因するエッジ効果が得られて、スノー性能を向上するには有利になる。
本発明では、サイドブロック23が摩滅すると所望の性能(スノー性能)が得られなくなる。そこで、冬用タイヤにおいてトレッド部1の溝内に設けられるスノープラットホームに相当する要素を内側サイド領域に設けることが好ましい。具体的には、図5に示すように、タイヤ周方向に隣り合うサイドブロック23どうしの間に位置する非隆起部分(サイド溝33)に摩耗限度を示すインジケータ54を設けることもできる。このインジケータ44のサイドウォール表面(非隆起部分の表面)からの突出高さは、対象となるタイヤに応じて適宜設定することができるが、隆起高さHの例えば15%〜30%にするとよい。
上述の様々な構造は、泥等が押し付けられる傾向がある内側サイド領域についてはマッド性能に有利な構造を付与し、泥等が離間する傾向がある外側サイド領域についてはサイドブロックを設けることで低下する虞のある性能(例えば騒音性能)を補う構造を付与するという本発明の技術思想から外れない限りは、組み合わせて採用することができる。
タイヤサイズがLT265/70R17 121Qであり、図1に例示する基本構造を有し、内側サイド領域および外側サイド領域のそれぞれにおけるサイドブロックの有無、サイドブロックの隆起高さ、各部の硬度(トレッド部1を構成するトレッドゴム層の硬度Ht,サイドブロックを構成するサイドゴム層の硬度Hb、サイドウォール部を構成するサイドゴム層の硬度Hs)、サイド溝の溝深さ、内側サイド領域における溝面積比率、サイドブロック頂面の補助溝の有無、サイドブロック頂面の段差の有無、サイドブロック頂面の凹凸加工の有無を、それぞれ表1〜2のように設定した比較例1〜2、実施例1〜15の17種類の空気入りタイヤを作製した。
表1〜2の「補助溝の有無」の欄については、設けた補助溝の種類(サイプ、細溝)も併せて記載した。表1〜2の「凹凸加工の有無」の欄については、施した凹凸加工の種類(セレーション加工、ディンプル加工)も併せて記載した。比較例2は、車両外側のみにサイドブロックを設けた例であり、表中の各欄には、便宜的に、外側サイド領域に設けたサイドブロックの数値を記載している。
これら空気入りタイヤについて、下記の評価方法により、スノー性能(積雪量3cmの場合と積雪量30cmの場合)および転がり抵抗を評価し、その結果を表1〜2に併せて示した。
スノー性能(3cm積雪、30cm積雪)
各試験タイヤをリムサイズ17×8Jのホイールに組み付けて、空気圧を350kPaとして試験車両(四輪駆動のSUV)に装着し、積雪量3cmの雪上路面からなるテストコースおよび積雪量30cmの雪上路面からなるテストコースのそれぞれにおいて発進性についてテストドライバーによる官能評価を行った。評価結果は、比較例1の値を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほどスノー性能が優れることを意味する。尚、指数値が「103」以下では十分なスノー性能が得られなかったことを意味する。
低転がり抵抗性能
各試験タイヤをリムサイズ17×8Jのホイールに組み付けて、ISO28580に準拠して、ドラム径1707.6mmのドラム試験機を用い、空気圧350kPa、荷重5kN、速度60km/hの条件で転がり抵抗を測定した。評価結果は、比較例1の測定値の逆数を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど転がり抵抗が低い(低転がり抵抗性能に優れる)ことを意味する。尚、指数値が「95」以上であれば、比較例1と同等レベルの低転がり抵抗性能を維持していることを意味する。特に、指数値が「97」以上であれば、比較例1との差が小さく、優れた低転がり抵抗性能を発揮したことを意味する。
Figure 2021075249
Figure 2021075249
表1〜2から明らかなように、実施例1〜15の空気入りタイヤは、サイドブロックを設けない比較例1と同等の良好な低転がり性能を維持しながら、優れたスノー性能を発揮することができた。特に、積雪量が多い場合に、スノー性能を効果的に高めることができた。一方、車両外側のみにサイドブロックを設けた比較例2では、スノー性能を十分に向上することができなかった。特に、スノー性能に関して、積雪量が多い場合に特に良好な性能を示すといった顕著な差は見られなかった。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルト補強層
10 主溝
20 ブロック
21 ショルダーブロック
22 センターブロック
23 サイドブロック
24 突条
31 ショルダーラグ溝
32a センターラグ溝
32b 補助溝
33 サイド溝
CL タイヤ赤道
E 接地端

Claims (9)

  1. タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、車両に対する装着方向が指定された空気入りタイヤにおいて、
    前記トレッド部のタイヤ幅方向最外側端部のタイヤ幅方向外側に隣接する一対のサイド領域のうち、車両装着時に車両に対して内側となる側を内側サイド領域とし、車両装着時に車両に対して外側となる側を外側サイド領域としたとき、
    前記一対のサイド領域のうちの前記内側サイド領域のみに、前記サイドウォール部の外表面から1.5mm以上隆起した複数のサイドブロックが設けられ、
    前記サイドブロックを構成するブロックゴム層のJIS硬度Hsと前記トレッド部を構成するトレッドゴム層のJIS硬度Htとが、Hs≦Ht+5の関係を満たすことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記内側サイド領域において前記サイドブロックを除いた非隆起部分をサイド溝としたとき、前記サイド溝の深さが前記サイドブロックの最大隆起高さの75%以上であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記サイドブロックの頂面に前記サイド溝よりも溝幅が小さく、且つ、0.3mm以上3mm以下の溝幅を有する補助溝が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記内側サイド領域の面積に対する前記サイド溝および前記補助溝の総面積の割合が30%以上70%以下であることを特徴とする請求項3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ブロックゴム層の内層側に前記ブロックゴムよりも高硬度のゴム層を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記サイドブロックのそれぞれの頂面内および/または複数の前記サイドブロックの頂面どうしの間に、隆起高さの差が0.5mm以上の段差を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記サイドブロックの頂面に、前記頂面から高低差1.0mm以内の範囲で突出または陥没した複数の要素からなる凹凸加工が施されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  8. タイヤ周方向に隣り合う前記サイドブロックどうしの間に位置する非隆起部分に摩耗限度を示すインジケータが設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  9. トレッドゴム層のJIS硬度Htが70以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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