JP2021073434A - ミスフォールドタンパク質を検出するためのデバイスおよびその使用方法 - Google Patents

ミスフォールドタンパク質を検出するためのデバイスおよびその使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ヒト女性において、子癇前症の可能性を検出するためにポイントオブケアで使用可能である簡単な診断デバイスを提供する。【解決手段】哺乳動物における疾患または障害に関連する関心対象のタンパク質を検出するための診断デバイス、ならびにこれらのデバイスを使用する方法に関する。特に、関心対象のタンパク質は、ある特定のミスフォールドタンパク質障害を有する疑いがあるまたはリスクがある哺乳動物を含めた哺乳動物における、かかる障害に関連するミスフォールドタンパク質であり得る。【選択図】図2

Description

米国産科婦人科学会によると、子癇前症を含めた妊娠の高血圧障害は、世界中で妊娠のおよそ10%を悪化させ、産婦および胎児の罹患および死亡の主要な原因である[参考文献:Hypertension in Pregnancy、Report of the American College of Obstetricians and Gynecologists’Task Force on Hypertension in Pregnancy、Obstetrics and Gynecology 122 第122巻、第5号、2013年11月(ACOG 2013年ガイドライン)]。さらに、これらの状態は、早産および関連する周産期合併症の主要な原因である[参考文献:Ananth CV、Vintzileos AM.J Matern Fetal Neonatal Med.2006年:19(12):773−82]。妊娠中の高血圧は、1)子癇前症−子癇、2)慢性高血圧、3)混合型子癇前症を有する慢性高血圧、または4)妊娠高血圧に分類することができる。
子癇前症−子癇は、産婦の死亡、早産、および出産のための医療費の上昇の主要な原因である、妊娠に関係する状態であるが、ほとんど解明されていない。世界的に、76,000人の妊婦の死が、子癇前症に起因する。子癇前症は、米国では妊娠に関係する死の5分の1に関与し、この状態は、発作、臓器不全および死に至ることがある。最も一般的には妊娠約20週後に発症し、女性は産褥期を通してリスクがある。この状態は、子癇として知られる発作またはけいれんを引き起こすことがある。子癇前症は、軽症、重症、重症度が低いもの、重症度が高いものに分類するか、重症の特徴のない子癇前症、もしくは重症の特徴のある子癇前症に分類することができる。子癇前症のサブタイプであるHELLP症候群は、溶血、肝酵素上昇および血小板数減少の症候を有する患者として特徴付けられる。普通ではない症候が集まって存在する子癇前症は、非定型子癇前症(atypical preeclampsia)として知られている。
唯一の公知の治療法は赤ん坊を分娩させることであり、その結果として、子癇前症は、医学的適応による早産の主要な原因であり、すべての早産の17%と推定されている。米国の医療制度の費用は、子癇前症による分娩および母親および乳児の看護のために、130億ドルを超えると推定されている。現在、子癇前症は、その症候、すなわちほとんどの場合、高血圧および尿中タンパク質の存在によってしか特徴付けられないために、診断が依然として課題である。子癇前症の診断の改善に向けた研究は一般に、上方または下方制御される公知の血中バイオマーカーを探索してきたが、世界的に有用な診断薬をもたらした発見はほとんどなく、あったとしてもごくわずかである。
子癇前症の診断に起因する医学的適応による分娩(MIDPE)が必要とされる、重症の子癇前症を有する女性の尿検体を利用する研究および質量分析による不偏タンパク質プロファイリング手法から、SERPINA−1およびアルブミンの独特な非ランダムな切断産物が見出された。SERPINA−1の断片がミスフォールドして超分子凝集体を形成する傾向があるという知見から、子癇前症はアルツハイマー病とよく似たミスフォールディング障害であり得るという提案が導かれた[米国特許第8,263,342号明細書、およびBuhimschiら、Am J Obstet Gynecol.2008年11月;199(5):551.e1−551.16.doi:10.1016/j.ajog.2008.07.006を参照されたい]。
さらに、ミスフォールドタンパク質がコンゴーレッド(CR)色素に結合すること(「コンゴーレッド親和性」)に基づいて、ミスフォールドタンパク質が子癇前症を有する女性の尿から見出された。これらの(単数または複数の)ミスフォールドタンパク質または立体配座状態に依存する抗アミロイド凝集体抗体に結合した「超分子凝集体」は、子癇前症の女性由来の胎盤における高活性なアミロイド前駆体タンパク質(APP)プロセシング経路およびアミロイド様タンパク質沈着物に関連するものであった。[Buhimschiら、Sci.Transl.Med.6、245ra92(2014年)を参照されたい]。ドットブロット親和性アッセイによって洗浄後に保持されたCRの割合(ミスフォールドタンパク質に結合することに起因する)が測定され(元のCRの割合(%)として)、結果はコンゴーレッド保持率(%)(CRR)として報告された。
80人の女性(40人は医学的適応による分娩が必要とされる人であり、40人は「対照」である健康な妊娠であった)の可能性調査において、CRR(%)は、重症の子癇前症の尿の方が有意に高く(P<0.001)、感度および特異度は100%であった。582人の女性の検証試験(横断的および縦断的コホート中)において、重症の子癇前症および既存の高血圧または蛋白尿に併発した子癇前症を有する女性は、すべての他の臨床的分類よりCRR(%)が高かった(P<0.001)。さらに、軽症の子癇前症と診断された女性の75%、重症な子癇前症と診断された女性の89%、および混合型子癇前症と診断された女性の91%のCRRの結果は、他のすべての群より高かった(P<0.05)。全体的に、CRRは単独で、MIDPEを必要とする子癇前症の予測において、検証コホート中で85.9%の感度および85.00の特異度、95%の陽性尤度比および95%の陰性尤度比を有していた。CRRは、子癇前症に現在使用されている臨床スクリーニング法に優っていた(米国産科婦人科学会(ACOG)推奨カットオフにおいて、血圧または尿中タンパク質ディップスティックと比較するとP<0.001;尿中タンパク質と組み合わせた血圧と比較するとP=0.004)(Buhimschiら、Sci.Transl.Med.6、245ra92(2014年)および米国特許第9,229,009号明細書)。
コンゴーレッドがセルロースとも結合することを使用した簡単な紙ベースのアッセイが作成された。正常な尿−色素混合物を試験紙に適用すると、紙の中のセルロースに結合している色素が緊密に中央に寄った赤い点として視覚化される。対照的に、コンゴーレッド親和性の尿中タンパク質を有する女性からの尿だと、色素はタンパク質に結合しているためにもはやセルロースには結合せず、代わりに拡散するように分散し、ハローとして視覚化される。(米国特許出願公開第20150293115号明細書を参照されたい。)子癇前症ではないことを確認するために陣痛および分娩トリアージセンターの診察を受けた346人の女性の臨床研究では、患者の尿がCRによる簡単な紙アッセイ(CRD)を使用して試験された。CRD試験は、ACOG 2013ガイドラインによって定義される通りの子癇前症の診断に対して、79%の感度、89%の特異度、91%の陰性適中率、74%の陽性適中率であることが実証された[参考文献:Roodら 2016年 AJOG 214巻、第1号、別冊、S24−S25頁]。CRD試験は、尿を試験紙に適用する前に尿を色素と混合するステップが必要であり、その結果を読取って解釈することが難しいことがある。
米国特許第8,263,342号明細書 米国特許第9,229,009号明細書 米国特許出願公開第2015/0293115号明細書
Hypertension in Pregnancy、Report of the American College of Obstetricians and Gynecologists’Task Force on Hypertension in Pregnancy、Obstetrics and Gynecology 122 第122巻、第5号、2013年11月(ACOG 2013年ガイドライン) Ananth CV、Vintzileos AM.J Matern Fetal Neonatal Med.2006年:19(12):773−82 Buhimschiら、Am J Obstet Gynecol.2008年11月;199(5):551.e1−551.16.doi:10.1016/j.ajog.2008.07.006 Buhimschiら、Sci.Transl.Med.6、245ra92(2014年) Roodら 2016年 AJOG 214巻、第1号、別冊、S24−S25頁
上記のことを考慮すると、妊娠中の哺乳動物、とりわけヒト女性において、子癇前症の可能性を検出するためにポイントオブケアで使用可能である簡単な診断デバイスに対する、満たされていない非常に重要な要求が、依然として存在している。かかるデバイスは、女性が子癇前症のリスクを有しているまたは子癇前症を有しているのかどうか、従って直ちに治療的介入を受けるべきかどうかについて早期に情報を提供することによって、数千の妊娠中の女性だけでなく彼女らの胎児の命を救う可能性がある。
本明細書で言及されたすべての特許および刊行物は、これらの全体が参照により本明細書に組込まれる。
(発明の要旨)
本発明は、哺乳動物の生体試料中の少なくとも1種のタンパク質を検出するための診断デバイスを含む。該デバイスは、a)試料受容材料、b)検出試薬、c)トラップ、d)毛細管床を含み、試料受容材料は、生体試料を受容することが可能であり;検出試薬は、生体試料中に存在する少なくとも1種のタンパク質に反応性であり(すなわち結合し);トラップは、試料受容材料と接触しており、生体試料中の少なくとも1種のタンパク質に結合している検出試薬を、生体試料中の少なくとも1種のタンパク質に結合していない検出試薬から分離することができ、これによって、生体試料中の少なくとも1種のタンパク質に結合している検出試薬がトラップを通って流動することができ、生体試料中の少なくとも1種のタンパク質に結合していない検出試薬がトラップによって捕捉され;毛細管床は、トラップと接触しており、生体試料がトラップを通って流動した後に生体試料を含有するように構成されている。毛細管床は、生体試料中に少なくとも1種のタンパク質が検出された場合、結合されている検出試薬を表示する。試料受容材料、トラップ、および毛細管床は、順に接触するように構成される。デバイスの試料受容材料は、例えば検出試薬を含んでもよい。また、検出試薬は、試料受容材料上にあっても試料受容材料内にあってもよい。
さらに、デバイスは、筐体またはカセット内に入れられていてもよい。筐体またはカセットは、生体試料を適用するためのウェル(または他の実体)を含んでもよく、得られた結果を読取るための窓をさらに含んでいてもよい。デバイスは、種々の臨床および非臨床の環境において、または臨床試験室において、ポイントオブケアで使用されてもよい。
上で述べたように、検出試薬は、生体試料中の少なくとも1種のタンパク質に結合する。この少なくとも1種のタンパク質は、例えば、ミスフォールドタンパク質、タンパク質凝集体、超分子タンパク質凝集体、ならびにこれらの混合物および各タンパク質の断片であってもよい。少なくとも1種のタンパク質は、βシート構造を含んでもよい。加えて、少なくとも1種のタンパク質は、コンゴーレッド親和性であってもよい。ミスフォールドタンパク質は、例えば、α1アンチトリプシン(SerpinA1)、セルロプラスミン、重鎖IgG、軽鎖IgG、インターフェロン誘導性タンパク質6−16(IF16−6、G1P3)、アルブミン、これらの混合物もしくはこれらの断片、または各タンパク質の断片を含んでもよい。しかし、ミスフォールドタンパク質は、これらのタンパク質に限定されない。例えば、ミスフォールドタンパク質は、タンパク質ミスフォールディング障害を引き起こすかまたは該障害に関連する任意のタンパク質(またはタンパク質の組合わせ)であってもよい。
検出試薬は、例えば、アゾ染料、チオフラビンT、またはアゾ染料の類似体であってもよい。本発明に関連して利用されてもよいアゾ染料の例は、コンゴーレッド(すなわち、4−アミノ−3−[4−[4(1−アミノ−4−スルホナト−ナフタレン−2−イル)ジアゼニルフェニル]フェニル]ジアゼニル−ナフタレン−1−スルホン酸)二ナトリウムである。(コンゴーレッドの類似体も利用されてもよい。例えば、式C3222Naの第二級ジアゾ染料も、本発明のデバイスに関連して本明細書に記載される検出試薬として使用されてもよい。)コンゴーレッドは、上で言及した試料受容材料上に予め担持されていてもよい。
本発明のデバイスの試料受容材料は、例えば、ニトロセルロース、セルロース、ガラス繊維、綿、メッシュ織物、不織布材料、多孔性プラスチック、ポリマーおよび/またはポリエステルを含んでもよい。ポリエステルは、例えばポリエチレンであってもよい。
本発明のデバイスのトラップは、例えば、ニトロセルロース、セルロース、ガラス繊維、綿/ガラス繊維、メッシュ織物、不織布材料、ポリマー、および/またはポリスルホンを含んでもよい。
本発明のデバイスの毛細管床は、例えば、ニトロセルロース、クロマトグラフィー用ペーパー、ポリスルホンおよび/またはセルロースのような材料を含んでもよい。
本発明のデバイスは、およそ10分以内、好ましくはおよそ5分以内、より好ましくはおよそ3分以内、最も好ましくは1分以内で試験結果を生じることに留意するべきである。さらに、定性的または半定量的な結果を可視化によって得ることができる。その上、所望であれば、少なくとも1種のタンパク質の量が測定されるような、半定量的または定量的な結果を得ることもできる。
本発明はまた、上で述べた通りの診断デバイスであって、生体試料中のミスフォールドタンパク質を検出するために、生体試料中の凝集タンパク質を検出するために、および/または生体試料中の超分子凝集タンパク質を検出するために利用される診断デバイスを含み、ここでは、該試料は、哺乳動物、例えば、ヒト、霊長類、または遺伝子操作された哺乳動物から得られる。ある場合では、該哺乳動物は、妊娠中であり得る。上で述べた通りのデバイスは、子癇前症を検出するために使用されてもよく、これは、検出試薬が、生体試料に含有されるミスフォールドタンパク質、凝集タンパク質および/または超分子凝集タンパク質(すなわち、妊娠中の哺乳動物における子癇前症に関連するタンパク質)に反応性である(すなわち結合する)ときに診断され得る。デバイスのトラップは、デバイスの検出試薬と競合的に結合するように構成されてもよい。デバイスは、試料受容材料、トラップおよび毛細管床を含む、ラテラルフローデバイスまたはストリップとして構成されてもよい。
加えて、本発明は、哺乳動物の生体試料中の少なくとも1種のタンパク質を検出する方法であって、a)前記哺乳動物の生体試料を、少なくとも1種のタンパク質を検出試薬に結合させるのに十分な時間および条件下で、本発明の診断デバイスの試料受容材料に適用するステップ;およびb)毛細管床上で検出試薬の存在を検出するステップを含み、毛細管床上の検出試薬の存在が、前記生体試料中に存在する少なくとも1種のタンパク質の存在を示す方法を包含する。
該方法は、タンパク質ミスフォールディング障害を有するかまたはタンパク質ミスフォールディング障害を有するリスクのある哺乳動物の生体試料中の少なくとも1種のタンパク質を検出するために使用されてもよい。この方法は、(a)哺乳動物の生体試料を、少なくとも1種のタンパク質を検出試薬に結合させるのに十分な時間および条件下で、上で述べた診断デバイスの試料受容材料に適用するステップ、ならびに(b)結合している検出試薬の存在を毛細管床上で検出するステップを含み、毛細管床上の検出試薬の存在は、生体試料中に存在する少なくとも1種のタンパク質の存在を示し、そして、該哺乳動物がタンパク質ミスフォールディング障害を有することを示す。ここでも、少なくとも1種のタンパク質は、例えば、ミスフォールドタンパク質、凝集タンパク質、超分子凝集タンパク質、もしくはこれらの混合物、またはコンゴーレッド親和性タンパク質のような、βシート構造を有するタンパク質であってもよい。少なくとも1種のタンパク質は、コンゴーレッド親和性であってもよく、および/またはβシート構造を有していてもよい。より具体的には、ミスフォールドタンパク質は、例えば、α1アンチトリプシン(SerpinA1)、セルロプラスミン、重鎖IgG、軽鎖IgG、インターフェロン誘導性タンパク質6−16(IF16−6、G1P3)、アルブミン、これらの混合物もしくは断片、または各タンパク質の断片であってもよい。タンパク質ミスフォールディング障害は、例えば、子癇前症、アルツハイマー病、プリオン病またはパーキンソン病であり得る。タンパク質ミスフォールディング障害として特徴付けられる他の疾患または状態に見出されるミスフォールドタンパク質も、本発明のデバイスを使用して検出され得る。本発明のデバイスを使用する子癇前症の診断に関して、例えば、軽症の子癇前症、重症の子癇前症、非定型子癇前症、血液透析(hemodialysis)−肝酵素上昇−血小板数減少(HELLP)症候群および子癇を含めた異なる形態の子癇前症が診断されてもよい。さらに、患者は、妊娠の高血圧障害を患っていてもよい。よって、本方法は、慢性高血圧もしくは妊娠高血圧もしくは他の原因による高血圧のような高血圧状態から子癇前症を鑑別するように、または上で述べた子癇前症のタイプを鑑別するように、妊娠のある特定の高血圧障害を鑑別診断するために利用されてもよい。
上の方法に使用され、試料受容パッドに適用される生体試料は、例えば、尿(クリーンキャッチすなわち自然に採尿したもの)、血液、唾液、組織、間質液、血清、血漿、脳脊髄液、羊水、または抽出物質(例えば、鼻汁、耳垢、糞便物質、および組織から抽出されたもの)であってもよい。該方法は、哺乳動物、例えば、ヒト、霊長類および遺伝子操作された哺乳動物からの生体試料に関連して利用される。哺乳動物は、妊娠中であり得る。ヒトの場合、該方法は、妊娠およそ8週から42週(すなわち在胎週齢)、好ましくは妊娠約18から41週、より好ましくは妊娠約20から41週または20週から分娩までの妊婦に関連して利用されてもよい。しかし、本発明の方法はまた、分娩後の哺乳動物に関連して利用されてもよい。該方法によって該デバイスを使用して検出される少なくとも1種のタンパク質は、定性的または半定量的結果を得るために可視化によって検出されても、半定量的または定量的結果を得るために測定によって検出されてもよいことが留意されるべきである。可視化の後で、少なくとも1種のタンパク質は、半定量的または定量的結果を得るために測定されてもよい。
加えて、本発明は、上述のデバイスを含むキットを含む。このキットは、標準物質または対照試薬だけでなく、該デバイスを使用するための指示書も含んでもよい。また、該キットは、試料のアプリケーターをも含んでもよい。
カセットまたは筐体内の本発明のデバイスの試験ストリップの写真を示す図である。図1の左側の枠は、生体試料と接触する前の筐体内のデバイスを図示しており、該デバイスは、試料ウェル、結果窓、および対照線を有する。右側の枠は、子癇前症に関連するミスフォールドタンパク質について陰性、弱陽性、および陽性であることが分かっている尿試料を試験したデバイスの結果を示している。 本発明のデバイスの試験ストリップの実施形態の例を示す図である。ストリップは、対照色素、表示ストリップ(すなわち毛細管床)、トラップ(例えば、3個の材料)、第2の試料パッド(すなわち試料受容材料)、第1の試料パッド(すなわち試料受容材料)および試料パッド上で乾燥させた色素を含む。 本発明の診断デバイスのある実施形態を示す図である。図3Aは、試料パッド、トラップおよび表示ストリップを有する上面図である。図3Bは、側面から見た、図3Aと同じ実施形態を示す図である。試料パッド、トラップおよび表示ストリップは、突き合わされていてもよい。図3Cは、試料パッド、トラップおよび表示ストリップが互いに重なり合っている実施形態を示す(側面図)。 試験ストリップ内の異なる材料構成を示す図である。図4Aは、2つの試料パッド、トラップおよび表示ストリップ(毛細管床)を順に有し、各部品が隣接する部品と重なり合っている、本発明の代替実施形態を示す図である。図4Bは、試験ストリップ内の異なる材料構成を示す図であり、順に重なり合う、2つの試料パッド、3重トラップおよび表示ストリップを有し、各部品が隣接する部品と重なり合っている、本発明の別の代替実施形態を示す図である。 本発明の試験ストリップのディップスティック構成の例を示す図である。この実施形態は、試験ストリップの上面上にカバーテープを有するように構成される。試験ストリップの上部では、テープは不透明色であり、ストリップを把持するために使用されてもよい。中央では、テープは透明であり、結果を見るための窓となる。テープは、透明な窓が、例えば、トラップのおよそ10mm上になるように置かれてもよい。窓部分のテープは、結果を容易に見ることができるように、ある色(例えば、白)によって囲まれていてもよい。トラップの下では、テープは、トラップを覆うために不透明色である。ストリップの最下部で、テープは、ストリップのどちらの端部を試験試料中に浸すのかを示す矢印を表示してもよく、試験ストリップを試料中に浸す最大レベルを示す線を表示してもよい。試験ストリップの下端部には、浸漬したときに試験試料の吸い上げが容易になるように、カバーテープがなくてもよい。
本発明は、デバイス、およびこのデバイスを利用する方法である。より具体的には、該デバイスは、生体検体中の関心対象のタンパク質を検出するために幾つかの臨床および非臨床の環境において使用することができるラテラルフロークロマトグラフィー迅速試験である。該デバイスは、哺乳動物においてタンパク質ミスフォールディング障害を検出するために使用することができる。哺乳動物には、1種以上のかかる障害を有する疑いまたはリスクがあり得る。
該デバイスは、本明細書に記載する幾つかの異なる実施形態を有する。基本的に、これは、生体試料中の関心対象のタンパク質(1種または複数種)を検出するための試験ストリップを含む(例えば、図1を参照されたい)。検出は、連続した反応群を活用して行われる。試験ストリップは、毛細管現象を有する1本のラテラルフローアッセイまたはクロマトグラフィー用材料、およびクロマトグラフィー用溶媒の輸送が開始する第1の端部を有する。これは、クロマトグラフィー用溶媒の輸送が終了する第2の端部も有する。該ストリップは、第1の端部と第2の端部との間に配置される複数のゾーンまたは領域を含む(例えば、図2および3を参照されたい)。該ゾーンは、検出試薬、例えば色素を染み込ませる第1のゾーンを含む。この検出試薬は、生体試料中の関心対象のタンパク質(1種または複数種)と特異的に結合する。第1のゾーンはまた、生体試料を受容する。これと比較して、第1のゾーンの下流にある第2のゾーンは、生体試料中の関心対象のタンパク質(1種または複数種)と結合している検出試薬を第3のゾーンに輸送させながら、生体試料中の関心対象のタンパク質(1種または複数種)と結合していない検出試薬を保持する。試験ストリップの第3のゾーンは、第2のゾーンの下流に位置し、試料が第2のゾーンを通った後に、それを受容する。第3のゾーンは、試料中に関心対象のタンパク質が存在すれば、検出試薬を表示する。これは、生体試料中のタンパク質(1種または複数種)の測定値として検出試薬結合タンパク質を検出する手段も含む。一実施形態では、該デバイスは、患者からの生体試料中のミスフォールドタンパク質の存在を判断し、患者がタンパク質ミスフォールディング障害を有するか否かを判断することを可能にする。タンパク質(1種または複数種)の存在は、可視化によって定性的または半定量的に判定することができ、またはデバイス内に存在し得る測定実体を使用することによって半定量化または定量化してもよい。生体試料が第1のゾーンに適用された後、第1のゾーンは試料中に検出試薬を放出し、第2のゾーンは、結合していない検出試薬からタンパク質(1種または複数種)に結合している検出試薬を分離し、結合している検出試薬だけを第3ゾーンに輸送させ、次いで第3のゾーンは、結合している検出試薬を見るまたは測定するために表示する。第1のゾーンは、試料受容材料であってもよい。第2のゾーンは、トラップであってもよい。第3のゾーンは、毛細管床または表示ストリップであってもよい。
デバイスの具体的な要素または構成要素、およびこれらの要素の特性または性質は、以下の通りに詳細に説明される。
デバイスの構成要素に使用される材料
試料受容材料、トラップ、および毛細管床は、同一の材料または異なる材料から作製することができる。材料は、一般に、ラテラルフローデバイスおよびクロマトグラフィーの技術分野で公知である[参考文献:EMD Millipore、ビレリカ、MAから入手可能な、EMD Millipore Rapid Lateral Flow Test Strips Considerations for Product Developmentを参照されたい]。膜は、毛細管流動に影響を与え、したがって試薬の沈着およびアッセイ性能に影響を与える物理的および化学的性質に基づいて選択される。これらの材料として、例えば、ニトロセルロース、ろ紙、クロマトグラフィー用ペーパー、セルロース、可塑性ポリマー、非対称ポリスルホン膜、綿、リンターおよび/またはガラス繊維、ポリエステル、ポリエチレン、ならびにポリスルホンが挙げられるが、これらに限定されない。膜は、例えば、ニトロセルロース、ポリフッ化ビニリデン、ナイロン、およびポリエーテルスルホンを含めた、ポリマーから作製されていてもよい。パッド材料を試料受容材料として使用して、試料が制御されて一様に受容されるように、またデバイスの隣接するストリップ材料に流れやすくなるようにすることが多い。パッド材料は多孔質であり、セルロース(すなわち、ろ紙)、ガラス繊維、メッシュ織物および合成不織布材料、またはポリエステルで作製されていることが多い。特に、試料中に含有される無関係の物質をアッセイしようとする試料の部分から分離して取り出す(例えば、細胞物質を流体から分離して取り出す)ことが望ましいならば、フィルターマトリックスが試料の受容に使用されてもよい。これらのフィルターマトリックスは、例えば、セルロース、非対称ポリスルホン膜(Vivid(商標)血漿分離膜および非対称サブミクロン(BTS)ポリスルホン膜が挙げられるが、これらに限定されない)であってもよい。吸収パッドは、例えばデバイスのストリップの端部のウィック(wick)として、ラテラルフローストリップを通して試料を引き寄せるために使用することができ、またアッセイされる試料の量を増加させて、アッセイの感度を高めることができる。これらの吸収パッドは、セルロースまたはコットンリンターであることが多く、厚さ、圧縮率、および総容積の均一性に基づいて最適に選択される。ストリップ全体は、裏当てカード上に組立てられてもよく、該カードは、プラスチック製裏材および接着剤からなるカードであることが多い。これらの様々な材料は、本明細書に記載する通りのラテラルフローデバイスにおける特定の目的のために考えられることが多いが、各材料は、本発明の受容材料、トラップ、および表示ストリップの目的に適した性質ごとに考慮することができる。材料のさらなる考察については実施例を参照されたい。
試験ストリップ、具体的には表示ストリップの構成に利用される他の材料は、ラテラルフロー技術およびクロマトグラフィーの技術分野で公知である。
デバイスの要素または構成要素
試料受容材料(試料パッド)
デバイスの第1の要素(以降、試料受容材料または試料パッドと称する)は、スポンジとしての役割を果たし、試験しようとする過剰な試料流体を保持する。受容材料は試料を吸収するだけでなく、これを隣接する次の材料に向かって流動させるすなわち吸い上げることができる。受容材料は、典型的には、試料中に存在し得る関心対象のタンパク質だけでなく検出試薬(例えば色素)に対しても不活性であり、よってこれらと反応しないので、タンパク質および検出試薬を、該材料を通ってラテラルフローデバイス内の隣接する材料に向かって流動させるすなわち吸い上げることができる。
試料受容材料は、哺乳動物もしくは患者からの試料中に浸されてもよく、または代替的に、試料が、試料受容材料に間接的もしくは直接的に適用されてもよい。試料は、例えば、計量チップを有するスポイト、ピペット、ホールピペット、または患者の試料を繰り返して分注することができるピペットによって、試料受容材料に適用されてもよい。試料受容材料が生体試料中に浸されるように構成されているならば(例えば、図5を参照されたい)、試料受容材料は比較的長くてもよい(例えば、約10mmであるが、これに限定されない)。試料受容材料が、例えば、スポイトまたはピペットによって適用された試料を受容するように構成されているならば、試料受容材料は比較的短くてもよい(約5mmから約10mmの間であるが、これに限定されない)。一般的には、幅は、2mmから10mmであってもよく、最も一般的には、2.5から5mm(±0.5mm)であってもよい。試料受容材料の長さおよび幅の変動は可能であり、カセットまたは筐体のサイズならびに検出試薬と十分に混合する生体試料の能力のような要因に依存する。
特に、試料受容パッドは、生体試料と検出試薬(例えば、色素)が自由に混合し得る毛細管マトリックスとしての役割を果たす。試料パッドは、分析物(例えば、検出しようとする生体試料中の関心対象のタンパク質)と検出試薬との間の最適化された化学反応に適した、乾燥形態の検出試薬も有していてもよい。検出試薬は、試料受容材料上に予め担持されていてもよい。一実施形態では、生体試料(例えば、尿)は、試料受容パッドに添加されると検出試薬を溶解し、次いで、試料と検出試薬色素との混合物は、試料パッドを通って流動することによって、デバイスを横断してトラップなどの隣接する材料まで輸送される。
代替的に、試料パッドは、一連の2つ以上の試料パッドを含む(例えば、図4を参照されたい)。例えば、第1のパッドが試料を受容し、第2が検出試薬を含有してもよく、それによって、生体試料は、第1の要素(パッド)から、関心対象の分析物と検出試薬との間の最適化された化学反応に適した乾燥形式の検出試薬を含有する第2の要素(パッド)に移動する。2つ以上の試料受容材料が利用されるならば、どれか1つが検出試薬を含んでもよい。好ましくは、第1の試料受容材料が検出試薬を含み、第2の試料受容材料は含まない。
さらに別の実施形態では、第1の試料パッドが生体試料を受容し、試料中に存在し得る不溶性材料を分離して取り出すまたは保持するように設計される。次いで、ろ過された試料は、第1の試料パッドを通って流動し、または第2のパッドに流動し、第1または第2の試料パッドのいずれかに検出試薬が組込まれ、検出試薬と試料との適切な混合を可能にする。第2のパッドは、第1のパッドと同一の組成物を有していても、または異なる組成物を有していてもよい。
さらに、また別の実施形態では、第1の試料パッドは試料を受容するとともに検出試薬も含有し、第2のパッドは、ストリップ内の次の隣接する材料、例えばトラップに入る前に、検出試薬を関心対象の分析物と混合させるための追加的な時間をもたらす。
追加的な実施形態では、試料受容材料は検出試薬用の基材を含み、この基材は乾燥状態で保持される。検出試薬は、試料受容材料上にあっても、または試料受容材料内にあってもよい。患者の試料が添加されると、検出試薬が放出される。基材は、患者の試料と反応せず、またはこれを吸収せず、患者の試料は適用されるとマトリックスを通って隣接する材料、例えばトラップ上に移動する。
試料は、例えば、デバイスの試料ウェルまたは試料を受容するための他の実体を通して、カセットまたは筐体内に適用されてもよく、または入れられてもよいことが留意されるべきである。試料ウェルまたは実体は、カセットまたは筐体内にて、試料受容材料(例えば試験ストリップ)が組立てられるかまたは収容されるときに、試料受容材料の上方に配置されてもよい(図1を参照されたい)。
試料受容材料または試料パッドとして有用な材料は、一般に、ラテラルフローデバイスおよびクロマトグラフィーの技術分野で公知であり[参考文献:EMD Millipore、ビレリカ、MAから入手可能なEMD Millipore Rapid Lateral Flow Test Strips Considerations for Product Developmentを参照されたい]、試料の受容、制御された一様な毛細管流動、および試料のろ過に影響を及ぼす物理的および化学的性質に基づいて選択される。加えて、試料受容材料が検出試薬も含有するのであれば、理想的には、該材料は、検出試薬を保持するのに適したマトリックスであり、これを試験試料の添加時に最適に放出する。パッド材料は多孔質であり、セルロース(例えば、ろ紙)、ガラス繊維、メッシュ織物、合成不織布材料、または多孔性プラスチック、例えばポリエステルで作製されることが多い。試料受容材料として使用することができる他の材料は、例えば、ポリスルホン非対称膜、Ahlstrom(登録商標)8950のような綿/ガラス繊維材料、可塑性ポリマー膜、例えばポリエチレン(例えば高密度ポリエチレン)、ポリテトラフルオロエチレン、および多孔質ガラス繊維膜(例えば、Porex、フェアバーン、GAを参照されたい)。材料のさらなる説明については、実施例を参照されたい(すなわち、実施例2および6)。
本発明のデバイスに使用される試料受容材料は、検出試薬がセルロースに親和性の色素であるとき、セルロースであってもよいが、生体試料中の関心対象の変性タンパク質(1種または複数種)に結合させるのに十分な検出試薬が存在することを条件とすることに留意するべきである。より具体的には、セルロースが、生体試料中の関心対象のタンパク質、例えばミスフォールドタンパク質(1種または複数種)との結合に関して、検出試薬を「打ち負かす」ことは許容できない。その代わりに、試料受容材料が、関心対象の変性タンパク質(1種または複数種)より検出試薬との反応性が低いマトリックス中に存在するならば、セルロースが試料受容材料に使用されてもよい。(セルロースとは、本明細書での目的のために、式(C10を有する有機化合物として定義され、特に、数百から何千ものβ(1−>4)結合D−グルコース単位の直鎖からなる多糖である。)
トラップ
次に、流体(例えば、試料、または検出試薬と混合された試料)は、試料受容材料または試料パッドから、結合していない検出試薬があれば保持するように設計されたフィルター(以降、「トラップ」と称する)を通って流動する。特に、トラップは、ラテラルフローデバイス内で、遊離の検出試薬(例えば、色素)を、タンパク質に結合している検出試薬から分離する役目を果たす。具体的には、トラップ材料は、試料が中を通って次の隣接する材料に流動することを許容するが、関心対象のタンパク質(1種または複数種)が生体試料中に存在しなければ、結合していない検出試薬を保持するか、その流動を遅延させるか、またはそれと結合する。
トラップは、検出試薬(例えば、色素)を含有する試料パッドまたは一連の試料パッド要素と境界を接するが、好ましくはこれらと重なり合う(例えば、図3を参照されたい)。トラップは、試験試料の関心対象のタンパク質(1種または複数種)(例えば、ミスフォールドタンパク質(1種または複数種))に結合している検出試薬を試験試料のタンパク質(1種または複数種)に結合していない検出試薬から分離するように機能し、よって、結合している検出試薬が中を通って流動することを許容しながら、結合していない検出試薬を保持する。代替的に、トラップは、同一のまたは異なる材料の、1つ以上の一連のフィルターであってもよい。
理論に拘束されるものではないが、トラップ材料は、検出試薬用の基材を含有して、結合していない検出試薬がトラップ材料に結合し、次の材料に流動しないようにすることができる。既にタンパク質に結合している検出試薬は、トラップ中の基材に結合せず、ストリップ内の次の材料に流動する。基材は、トラップ材料(例えばセルロース)であってもよく、またはこれは、トラップ材料を化学修飾したものもしくはトラップ材料に付加したものあってもよい。代替的に、トラップ材料組成物の構造的特徴が、結合していない検出試薬を保持してもよい。
また、トラップは、結合されていない検出試薬の保持を最適化するために、重なり合ったまたは連続した複数個の材料から構成されていてもよい(図4を参照されたい)。複数の部品は、同一のまたは異なる材料から作製されていてもよい。フィルターマトリックス、例えば、セルロース、非対称ポリスルホン膜(Vivid(商標)血漿分離膜、および非対称サブミクロン(BTS)ポリスルホン膜が挙げられるが、これらに限定されない)のような熱可塑性ポリマーがトラップに使用されてもよい。トラップ材料のさらなる説明については、実施例を参照されたい(例えば、実施例2、4、5、8、13、14、および16)。
実際に良好に機能し、デバイスを通して尿および色素に結合しているタンパク質を流動させることができる、実に多くのニトロセルロース材料があったことは、意外であり、極めて驚くべきことであった。例えば、Whatman(登録商標)AE99ニトロセルロース膜は、極めて良好に機能した。(表1を参照されたい)。適度に良好に機能したセルロース材料もあったが(例えば、Ahlstrom(登録商標)601、319、247、Whatman(登録商標)CF1、CF3、CF4;EMI11513、5475、5493)、良好に動作しなかったセルロース材料もあった(例えば、Ahlstrom(登録商標)270)。驚くべきことに、材料のうち、タンパク質が結合しているCR色素を流動させながら、結合していない色素を保持することに関して良好に動作した材料は、Vivid(商標)血漿分離材料(Pall Corporation)および非対称サブミクロン(BTS)ポリスルホン膜(Pall Corporation)であった。(表1および2を参照されたい。)
検出試薬がコンゴーレッドのような色素であるとき、トラップ材料は、例えば、ろ紙、セルロース系、および/またはEMI 11513、EMI 5475、EMI 5493、1281、642、Standard 17、C048、LF1、LF1、VF2、CF1、CF3、Ahlstrom 319のような材料であってもよい。トラップは、例えば、約5−10mmの長さであってもよく、またはそれぞれの長さが5−10mmである一連の部品であってもよい。
一実施形態では、トラップは、遊離の検出試薬(例えば、色素)を保持するが、タンパク質が結合している色素を通して流動させる。特定の実施形態では、トラップはセルロースから構成され、検出試薬はコンゴーレッドである。
検出試薬
検出試薬は、試料中の関心対象のタンパク質(1種または複数種)に反応性である物質である。例えば、検出試薬は、哺乳動物からの生体試料、例えば患者の試料中に存在する、ミスフォールドタンパク質(1種または複数種)(例えば、コンゴーレッド親和性のタンパク質)、凝集タンパク質、および/または超分子凝集タンパク質に反応性であるかまたは結合親和性を有する物質であってもよい。検出試薬は、試薬パッド上に予め担持されていてもよい(例えば、試薬パッド上に塗布されている、または試薬パッドが検出試薬または色素中に浸されている)。試薬パッドは、試料受容材料または試料受容パッドであってもよい。
一態様では、検出試薬は、生体試料中に関心対象のタンパク質のサブセットが存在すれば、これを染色する色素である。一実施形態では、検出試薬は、ミスフォールドタンパク質と反応することができる。例えば、該色素は、緩衝化されているまたは緩衝化されていない、コンゴーレッド(CR)またはこれの類似体のようなアゾ色素であってもよい。代替的に、他の色素を検出試薬として使用され得るが、これらの色素が、生体試料または患者試料中の関心対象のミスフォールドタンパク質、凝集タンパク質、および/または超分子タンパク質(1種または複数種)に親和性がある(およびそれらに結合するかまたはそれらと反応することができる)場合に限られる。かかる色素の例として、以下の文献に記載されるもののようなコンゴーレッド類似体が挙げられるが、これらに限定されない:Sellarajah Sら、Synthesis of analogues of Congo red and evaluation of their anti−prion activity、J Med Chem.2004年10月21日;47(22):5515−34;およびHelene Rudykら、Screening Congo red and its analogues for their ability to prevent the formation of PrP−res in scrapie−infected cells、Journal of General Virology(2000年)、81、1155−1164。ミスフォールドタンパク質(1種または複数種)を検出するための検出試薬はまた、例えば、チオフラビンTであってもよい。
さらに、本発明の一態様では、検出試薬はデバイス内で乾燥形態で存在するだけでなく、他の形態で存在してもよい。検出試薬の形態は、試料が適用されたときにこれと最適に混合するのに適したものであり、また関心対象のタンパク質に結合させるのに適したものである。検出試薬の形態は、デバイスの長期間の安定性または貯蔵寿命に適したものである。一実施形態では、乾燥した検出試薬は色素である。さらに、色素はコンゴーレッドであってもよく、例えば、0.1ugから800ug、より好ましくは0.2ugから480ug、さらにより好ましくは1ugから400ug、さらにより好ましくは2.5から120ugの量でデバイス内に存在してもよい。
コンゴーレッド(CR)(例えば、緩衝化されているまたは緩衝化されていない)は、試料受容材料に予め塗布されていてもよい。例えば、キット製造中にCR溶液を材料に塗布し、乾燥させた後に、組立および包装を行うことができる(図2および実施例6を参照されたい)。
検出試薬は検出可能であり、すなわち肉眼で見ることができ、さもなければ、例えば、目視試験および/または機械もしくは電子読取機(1種または複数種)によって検出される。
本発明は、例えばデバイスの製造または組立中に、試験デバイス内に組込まれる検出試薬を提供する。これは、試験に添加する前に、色素と生体試料とを混合する必要があった、以前のミスフォールドタンパク質検出用デバイスを凌ぐ改善である。好ましい実施形態では、試験ストリップは、検出試薬を含有する試料受容材料を含有する。生体試料が試験デバイスの試料受容材料中に添加されると、これは試料受容材料中で検出試薬と混合され、生体試料−検出試薬混合物がデバイスを通って流動する。
毛細管床(「表示ストリップ」)
タンパク質が結合している検出試薬を含むかまたは含まない試料(例えば、尿)は、トラップを通過して毛細管床(以降、「表示ストリップ」と称する)上に移動し、そこで貯留する。よって、表示ストリップは、試料を吸い上げて流動させ、検出試薬の有無を表示する。特に、表示ストリップは、試料を吸い上げて流動させ、検出試薬に結合している分析物の有無を表示する。検出試薬または結合している試薬は、次いで人間または機械的手段によって視覚化することができ(定性的結果を得るために)、および/または次いで測定することができる(すなわち、半定量的または定量的に)。表示ストリップによって、全体にわたる試料の一様な流れ、および関心対象のタンパク質が存在するときの検出試薬の比較的均一な表示が最適に得られる。ある特定の実施形態では、表示ストリップ上の検出試薬の強度または濃度が、試料中の関心対象のタンパク質の量に相当し得る。別の実施形態では、検出試薬が表示ストリップを流動して上昇する距離が、生体試料中の関心対象のタンパク質の量を示し得る。さらに、検出試薬の強度と表示ストリップを上昇した距離との両方が、試料中のタンパク質の濃度を示し得る。さらに、ミスフォールドタンパク質凝集体または超分子凝集体を検出する場合は、検出試薬の強度と表示ストリップを上昇する距離との両方が、試料中に存在するタンパク質凝集体の大きさを示し得る。毛細管床に適した材料として、例えば、ニトロセルロースまたはクロマトグラフィー用ペーパーが挙げられる。また、ポリスルホン非対称膜は、適切な表示ストリップをもたらす。他の適切な材料として、CytoSep(登録商標)1660およびMN−260のような、CytoSep(登録商標)膜が挙げられる。ラテラルフローストリップの毛細管床は、ラテラルフローストリップのカセットまたは筐体(後述)の、結果目視窓の下の位置に合わせて配置される。材料のさらなる説明については実施例を参照されたい(例えば、実施例2、3および9)。タンパク質が結合している検出試薬が存在すれば、検出試薬は窓内で視覚化される(図1を参照されたい)。
ウィック
任意選択的に、デバイスはウィックを含有する。ウィックは、本発明のストリップまたはデバイス内の第3のゾーンまたは表示ストリップの後に配置されてもよい。使用時に、デバイスに適用された生体試料(例えば、流体)は、表示ストリップから移動を続け、最終的な多孔質吸収材料、すなわち「ウィック」の中に至る。ウィックは、試料貯留部としての役割を果たし、ストリップを通って試料を引き寄せる機能も果たすことができる。吸収パッドは、例えば、デバイスのストリップの端部におけるウィックとして、ラテラルフローストリップを通して試料を引き寄せるために使用することができ、アッセイされる試料の量を増加させ、アッセイの感度を高めることができる。これらの吸収パッドは、セルロースまたはコットンリンターであることが多く、厚さ、圧縮率、および総容積の均一性に基づいて最適に選択される。
裏当てカード
デバイスは、裏当てカードを有してもよい。ストリップ全体は、裏当てカード(例えば、Lohmann、オレンジ、VAから入手可能なもの)上に組立てられてもよく、該カードは、プラスチック製裏材および接着剤からなるカードであることが多い。
筐体/カセット
本発明の一実施形態では、診断デバイスは、筐体またはカセット内に、収容されるか、収納されるか、または封入される。デバイスは筐体またはカセットをさらに含んでもよく、これらとして、デバイスを収納する、カートリッジ、プラスチックデバイス、またはこの目的のために構成された押出しプラスチック部品が挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの汎用的なカセット筐体が(例えば、Kanani Biologicals、グジャラート、インドまたはEASE−Medtrend Biotech LTD、上海、中国から)市販されており、またはここでの目的のために特注製造されてもよい(例えば、米国意匠特許出願第29/533,647号を参照されたい)。デバイスは、試料を受容するための試料ウェルを有する筐体またはカセット内に構成されてもよく、ここでは、ストリップがカセット内で組立てられるかまたはこれに収容される場合に、試料ウェルがストリップの試料受容材料の上方に配置される。さらに、デバイスは、筐体またはカセット内で立てられる場合に、表示ストリップまたはストリップの毛細管床が筐体の結果目視窓の下に配置されるように構成されてもよい。
一実施形態では、本発明のデバイスは、例えば、毛細管床(すなわち、結果窓)上の検出試薬(例えば、色素)の強度などの結果を定量化することができる電子読取機をも含み、そして、結果を表示するための表示スクリーン(例えば、LEDスクリーン)をさらに含んでもよい。この読取機は、筐体の一部であっても、または筐体と一体に組立てられた要素、例えば結果表示窓内の要素であってもよい。かかる読取機は、例えば、Venkatraman、Biosensors and Bioelectronics 第74巻、2015年12月15日、150−155頁、PCT出願WO2013083686A1号、PCT出願WO2004010143A2号、およびPCT出願WO2006010072A2号に記載されている。
カバーテープ
筐体を有しているかまたは有していないデバイスは、保護用粘着テープ(例えば、Lohmann、オレンジ、VAから入手可能なもの)、またはデバイスを損傷から保護し、試験結果を適正に読取りを可能にする他の材料などのカバーをさらに含んでもよい。例えば、デバイスは、尿ディップスティックのようなディップスティックとして使用されるように構成されてもよい。この実施形態では、ラテラルフローストリップは、保護用粘着テープで覆われていてもよい(図5および実施例11を参照されたい)。
試行対照試薬
好ましい実施形態では、デバイスが使用される前に目視窓内に見える対照試薬が毛細管床上に存在してもよい。(図1および図2、実施例12を参照されたい。)生体試料(例えば、流体)が毛細管床を通って流れると、対照試薬が溶解し、表示ストリップに吸い上げられて対照試薬の線が拡散しそして/または対照が運び去られ、その結果、対照試薬が結果窓に見えなくなるかもしくはぼやける、または何らかの他の相違が視覚化されるかもしくは測定されてもよい。目視窓内の対照試薬の変化によって、試験試料(例えば、流体)が添加されたことおよびデバイスを通って適正に流れたことが示され、例えば、試行対照としての役目を果たす(実施例12を参照されたい)。対照試薬は、例えば肉眼によって、視覚的に検出可能であり、さもなければ、例えば機械的試験および/または電子読取機によって検出または測定される。一実施形態では、対照試薬はタルトラジンである。試行対照試薬として使用されてもよい他の色素として、FD&C青色1号−ブリリアントブルーFCF、E133(青色)、FD&C青色2号−インジゴチン、E132(藍色)、FD&C緑色3号−ファストグリーンFCF、E143(ターコイズ色)、FD&C赤色3号−エリスロシン、E127(桃色)、FD&C赤色40号−アルラレッドAC、E129(赤色)、FD&C黄色5号−タルトラジン、E102(黄色)、FD&C黄色6号−サンセットイエローFCF、E110(橙色)が挙げられる。
検出される関心対象のタンパク質
上述のように、本発明は、関心対象のタンパク質、より具体的には、ミスフォールドタンパク質、凝集タンパク質、および/または超分子タンパク質凝集体を検出するためのデバイスおよびこのデバイスを利用する方法を対象とする。αヘリックスは、機能性タンパク質の、その天然立体配座における重要な構造モチーフであることが知られている。対照的に、タンパク質の立体配座が変化すると、βシート構造モチーフ(すなわち、βシート構造)またはミスフォールドタンパク質になることがあり、これは次にタンパク質凝集および毒性を引き起こす傾向がある。したがって、ミスフォールドタンパク質は、タンパク質凝集体または超分子凝集体の形態であり得、子癇前症、アルツハイマー病、プリオン病、およびパーキンソン病のようなミスフォールドタンパク質障害と関連し得る。
特に、本発明のデバイスおよび方法によって検出される、子癇前症に関連するこれらのミスフォールドタンパク質、タンパク質凝集体、および/または超分子凝集体として、例えば、α1アンチトリプシン(セルピンA1)、セルロプラスミン、重鎖IgG、軽鎖IgG、インターフェロン誘導タンパク質6−16(IF16−6、G1P3)、アルブミン、ならびに各タンパク質の断片、これらの混合物、およびかかる混合物の断片が挙げられてもよいが、これらに限定されない。これらのタンパク質は、本発明のデバイスに利用される検出試薬(後述する)に対して結合親和性を有する。例えば、これらのミスフォールドタンパク質はコンゴーレッド親和性であり、コンゴーレッドと称される色素に対して親和性を有する。
本発明のデバイスはまた、子癇前症以外のタンパク質ミスフォールディング障害を検出するために使用されてもよい。例えば、該デバイスは、アルツハイマー病、脳βアミロイド血管症、緑内障における網膜神経節細胞の変性、プリオン病、パーキンソン病および他のシヌクレイン病、タウオパシー、前頭側頭葉変性症(FTLD)、FLTD−FUS、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハンチントン病および他のトリプレットリピート病、認知症(家族性イギリス型およびデンマーク型)、アミロイドーシスを有する遺伝性脳出血、CADASIL、アレキサンダー病、様々なアミロイドーシス、セリノパシー(Serinopathies)、II型糖尿病、封入体筋炎/ミオパチー、白内障、ロドプシン変異を有する網膜色素変性、甲状腺髄様癌、プロラクチン産生下垂体腺腫、遺伝性格子状角膜ジストロフィー、マロリー小体、肺胞蛋白症、アミロイド産生性歯原性腫瘍、嚢胞性線維症、鎌状赤血球症、ならびに重症疾患ミオパチーのようなミスフォールドタンパク質障害または状態におけるミスフォールドタンパク質を検出するために利用されてもよい。
生体試料
検出しようとする関心対象のタンパク質(1種または複数種)は、哺乳動物からの生体試料中に見出すことができる。生体試料は、例えば、クリーンキャッチすなわち自然採尿から得られた尿、脳脊髄液、羊水、または関心対象のタンパク質(1種または複数種)を含んでいる可能性のある任意の体液試料(例えば、血液、唾液、羊水、脳脊髄液、血漿、または血清)であってもよい。試料はまた、患者からの排泄物の抽出物、例えば、鼻汁、糞便物質、もしくは耳垢からの抽出物、または適正な溶液で抽出され、デバイスに適用される組織の分析物であってもよい。関心対象のタンパク質は、例えば、妊娠中または分娩後の哺乳動物からの生体試料中に見出され得る。
患者
患者は、哺乳動物であり得る。さらに、哺乳動物は、妊娠中であり得、例えば、妊娠中の女性、妊娠中の霊長類、または実験室での研究に利用されるもののような、子癇前症の身体症状および徴候(例えば、高血圧および尿中タンパク質)を有するように設計された遺伝子操作された動物モデルであり得る。好ましくは、子癇前症の診断の場合、患者は、任意の妊娠中の女性であり得る。こうした妊娠中の女性は、子癇前症を有する疑いがあるかまたは子癇前症を有するリスクがある場合がある。例えば、この疑いは以下に基づいている:1)例えば、米国産科婦人科学会(the American College of Obstetrics and Gynecology)ガイドライン(ACOG)(Hypertension in Pregnancy、Report of the American College of Obstetricians and Gynecologists’Task Force on Hypertension in Pregnancy、Obstetrics and Gynecology 122 第122巻、第5号、2013年11月)、具体的には、例えば表E−1(「ACOG 2013ガイドライン」)に記述されているような、子癇前症の徴候および症候を呈すること、および/または2)子癇前症の1つ以上のリスク因子を有していること(例えば、以前の妊娠に子癇前症が関与する女性、複数の胎児を身ごもっている女性、心血管または腎臓に異常のある女性、またはループスのような自己免疫疾患を有する女性)。
キット
本発明はまた、試料中の関心対象のタンパク質を検出するためのキットを含む。一実施形態では、キットは、妊娠中の哺乳動物からの試料に存在する、子癇前症に関連するミスフォールドタンパク質を検出するためのデバイスを含む。キットは、上で述べた通りの本発明のデバイスを、上で述べた任意の代替実施形態で含む。キットはまた、患者の試料を試料受容材料に適用するための手段、例えば、ピペット(例えば、Genesee Scientific、サンディエゴ、CAから入手可能な先の細いホールピペット)またはスポイト、対照、ならびに該デバイスを使用するための指示書も含んでもよい。よって、該デバイスは、独立主体として利用することができるだけでなく、ある臨床または非臨床の環境においてより有利であり得るキットの形態でも使用することができる。キットは、ホイルまたはマイラーパウチ中に包装されてもよい。キットのパウチは、1個ずつ、または複数個ずつ、例えば、1包装当たり2、5、10、15、25、50、または100キットで、さらに包装されてもよい。
デバイスを使用するための環境およびデバイスを利用する方法
本発明のデバイスは、例えば、臨床試験室(病院環境内または病院環境外のいずれか)、即応医療環境、医師の個人的試験室、救急治療部(例えば、病院内)において、または患者の傍らで行う試験もしくはポイントオブケアデバイスとして、医療関係者、非医療専門家によって、または患者がヒトであるときは患者自身であっても使用することができる。さらに、該デバイスは、他の診断アッセイ(例えば、sFlt−1、PlGF、PP−A、PP13、ペントラキシン、インヒビン−A、および可溶性エンドグリンのような、子癇前症に関連する他のタンパク質(すなわち、バイオマーカー)を検出するイムノアッセイなどのイムノアッセイ)、および/または子癇前症の診断に一般に利用される他の方法もしくは所見(例えば、血圧測定値、子癇前症の診断に使用される臨床検査(血小板数、血清クレアチニン濃度(concertation)、血清ALT(アラニンアミノ基転移酵素(alaninine aminotransferase))およびAST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)を含む)、および体重増加、めまい、頭痛、かすみ目のような他の徴候または症候等)と組み合わせて使用することができる。
例えば、本発明は、妊娠の高血圧障害を患う患者または子癇前症を有する疑いがあり得る患者において子癇前症を診断するかまたは鑑別診断を行う方法を含み、該方法は、a)妊娠中の患者の血圧を判断するステップ(ここで、妊娠中の患者において140/90mm/Hgより高い血圧が、妊娠中の患者における子癇前症を示す可能性がある)、およびb)患者からの生体試料を本発明のデバイスに適用するステップを含みそれにより、少なくとも1種の関心対象のタンパク質の患者の生体試料中における検出は、患者における子癇前症の診断を提供するかもしくは支援する、または鑑別診断としての役割を果たす。
さらに、本発明はまた、子癇前症を患っている疑いのある妊娠中の哺乳動物を治療する方法であって、a)妊娠中の哺乳動物が子癇前症を有することを示す少なくとも1種のタンパク質の存在を判断するために、哺乳動物からの生体試料を本発明のデバイスに適用するステップ;およびb)子癇前症を治療するために、妊娠中の哺乳動物を分娩させるステップを含む方法を包含する。さらに、該デバイスはまた、患者がミスフォールドタンパク質(1種または複数種)を生体試料中に発現しているか否かを判断するために分娩後に使用されてもよい。ミスフォールドタンパク質(1種または複数種)が存在するならば、さらなる患者管理または治療的介入(例えば、硫酸マグネシウムまたは他の血圧降下剤の投与)が子癇前症を治療するために必要となる場合があり、または患者は、生体試料中にタンパク質がもはや検出できなくなる時を示すために本発明のデバイスを使用して監視されてもよい。加えて、本発明のデバイスは、治療的介入後に、治療が成功したか否かを判断するために、または生体試料中に存在する関心対象のタンパク質の量もしくは存在の変化(例えば、減少、不在、または増加)を測定するために利用されてもよい。よって、本発明のデバイスは、子癇前症もしくは他のタンパク質ミスフォールディング障害を解決するために、さらなる治療的介入が必要であるかどうかを判断するために、治療的介入が有効であったかどうかおよび/または代替形態の治療的介入もしくは増加した用量の治療薬を投与するかどうかを判断するために、患者の治療前および治療後に使用されてもよい。
デバイスの利点およびデバイスを利用する方法
本発明のデバイスは、少なくとも次の理由で既存のデバイスより有利である。すなわち、1)該デバイスによって、試験手順のステップが減少し、試験手順が単純化する;2)該デバイスは、標準化された試験材料を使用して、最適に製造できる;3)該デバイスによって、試験キット中の検出試薬の安定性が改善されて、貯蔵寿命が長くなる;4)結果はすべての読取りがより単純で簡単でありながら、5)相対的に低いコストを保つ;および6)ポイントオブケアでの使用または臨床試験室環境での使用に適した迅速な結果を出す。
特に、提供されるデバイスおよび方法は、潜在的な子癇前症を検出するための公知の紙のキット(例えば、米国特許出願公報第20150293115号を参照されたい)よりも、使用者が必要とするステップが少なく、結果を読取りやすく、紙のキットより安定であり、これによって少なくとも6ヵ月、好ましくは1年、さらにより好ましくは2年、さらにより好ましくは3年、さらにより好ましくは4年、さらにより好ましくは5年の長い貯蔵寿命がもたらされるという点で、遥かに優れている。本発明のデバイスはまた、最低限の訓練しか受けていないポイントオブケアでの使用者に適した迅速な結果を生じる(すなわち、生体試料(例えば、尿)を該デバイスに適用してから3分以内、好ましくは2分以内、より好ましくは1分以内)。
本発明は、以下の非限定的な実施例を使用することによって例示することができる。
実施例1]
サンプルデバイス
図1は、カセットまたは筐体内の本発明のデバイスの試験ストリップの写真を示している。図1の左側の枠は、生体試料と接触する前の筐体内のデバイスを図示している。右側の枠は、子癇前症に関連するミスフォールドタンパク質に対して、陰性、弱陽性、および陽性であることが分かっている尿試料を試験したデバイスの結果を示している。
図2は、本発明のデバイスの試験ストリップの実施形態の例を示している。ストリップは、対照色素、表示ストリップ、トラップ(例えば、3個の材料)、第2の試料パッド、第1の試料パッド、および試料パッド上で乾燥させた色素を含む。
図3Aは、本発明の診断デバイスの一実施形態を示す。図3Aは、上面図を示す。図Bは、図3Aにおける実施形態と同じであるが、側面から見た実施形態を示す。試料パッド、トラップ、および表示ストリップは突き合わされていてもよい。図3Cは、試料パッド、トラップ、および表示ストリップが互いに重なり合っている実施形態を示す(側面図)。
図4は、試験ストリップ内の異なる材料構成を示す。図4Aは、2つの試料パッド、トラップ、および表示ストリップ(毛細管床)を順に有する、本発明の代替実施形態を示す。各部品は隣接する部品と重なり合っている。図4Bは、順に重なり合う2つの試料パッド、3重トラップ、および表示ストリップを有する本発明の別の代替実施形態を示し、各部品は隣接する部品と重なり合っている。
図5は、本発明の試験ストリップのディップスティック構成の例を示す。この実施形態は、試験ストリップの上面上にカバーテープを有するように構成される。試験ストリップの上部では、テープは不透明色であり、ストリップを把持するために使用されてもよい。中央では、テープは透明であり、結果を見るための窓となる。テープは、透明な窓が、例えば、トラップのおよそ10mm上になるように置かれてもよい。窓部分のテープは、結果を容易に見ることができるように、ある色(例えば、白)によって囲まれていてもよい。トラップの下では、テープは、トラップを覆うために不透明色である。ストリップの最下部で、テープは、ストリップのどちらの端部を試験試料中に浸すのかに関する矢印を表示してもよく、試験ストリップを試料中に浸す最大レベルを示す線を表示してもよい。試験ストリップの下端部には、浸漬したときに試験試料の吸い上げが容易になるように、カバーテープがなくてもよい。
実施例2]
材料の試験
子癇前症を有しているまたは有していない妊娠中の女性からの尿試料を鑑別する能力について、様々な紙状材料を試験した。コンゴーレッド(CR)色素(Sigma.セントルイス、MO)を尿試料に添加し、1滴を材料に添加して、試料の受容、トラップ、および表示ストリップに適した特性を査定した。得られたスポットを約3分後に可視化し、子癇前症患者からの尿と対照である正常な妊娠からの尿との間の視覚的な相違について評価した(表1)。「優良」という結果は、材料が、子癇前症患者からのCR尿と対照の妊娠患者からのCR尿との間に視覚的に観察可能な相違をもたらすのに適しているため、診断試験デバイスに有用であり得ることを示す。「不良」という結果は、材料が、CR子癇前症陽性とCR対照の尿の間に視覚的に観察可能な相違をもたらすのに適していなかったことを示す。最も適していない材料である「不良」という結果からの尺度から、「微妙」はわずかに良いが理想的ではなく、「許容」はさらに良く、「良好」は一層良く、「より良好」はさらに向上し、「優良」は最も適した材料である。ポリスルホン(polysufone)非対称材料は、最も良好な結果を生じることが判明した。CF3およびCF4のようなある特定の綿材料は良く機能したが、他方で、Ahlstrom 270のような他の綿は良く機能しなかった。ニトロセルロースおよびガラス繊維材料は一般に、この目的には良く機能しなかった。
Figure 2021073434
Figure 2021073434
実施例3
試験ストリップ
BTSおよびVivid(商標)は、子癇前症患者からのCR尿と対照妊娠患者からのCR尿との間で視覚的に観察可能な相違をもたらすことにおいて優良な結果を実証したので、試験ストリップを、Ahlstrom(登録商標)8950(綿/ガラス繊維組成物)(「8950」)の試料パッド、およびBTSまたはVivid(商標)の試行ストリップまたは毛細管床を使用して組立てた。コンゴーレッドを尿試料に添加し、この試料をボルテックスし、次いで試料を試験ストリップの8950の末端に適用した。結果を、BTSまたはVivid(商標)膜試行ストリップ上で観察した。Vivid(商標)膜を含有するストリップに適用された子癇前症を有する女性からの尿は、極めて明白なシグナル(桃色/赤色のコンゴーレッド染色)を生じ、陰性尿はシグナルを示さなかった。シグナルは量に依存し、量が減少するとシグナルが減少した。BTSストリップは、陽性尿と陰性尿との間で相違を示さず、試料の量が多くなると両方とも陽性に染色された。試料の量を減少させながら適用すると、陽性尿および陰性尿のシグナルは等しく減少した。
Figure 2021073434
これらの結果から、Vivid(商標)材料は本発明の診断試験デバイスに適していたのに対して、BTSは良く動作しなかったことが示される。
実施例4
トラップ材料の評価
Vivid(商標)およびBTS膜を、試料パッドと試行ストリップ(すなわち、毛細管床または表示ストリップ)との間に配置され、子癇前症陽性尿と結合したCRを通して表示ストリップまで流動させると同時に、陰性尿(すなわち、子癇前症を有していない女性由来の、関心対象のタンパク質を含有していない尿)が適用されたときにCR色素の保持を補助したかどうかを判定することにより、トラップ用の材料として評価した。試験ストリップを、試験パッドとしての8950、およびVivid(商標)膜またはBTS膜のいずれか、それに続くCytoSep(登録商標)1660試行ストリップを含むように組立てた。CRを添加した尿を8950に適用し、結果をCytoSep(登録商標)1660試行ストリップ上で観察した。
陽性尿(すなわち、子癇前症を有している女性由来の、関心対象のタンパク質を含有する尿)−コンゴーレッド色素を適用したとき、すべてのストリップ上にCR染色が見られた。陰性尿−コンゴーレッドが適用されたとき、Vivid(商標)膜のトラップで作製したストリップは陰性であったが、BST膜のトラップで作製したストリップは幾らか色素の染色を示した。Vivid(商標)材料は、陽性尿を試験したときにはCR色素を通過させながら、陰性尿を試験したときにはCR色素を保持するのに有効なトラップであった。BTSは、それより有効性の少ないトラップであった。
実施例5
試験ストリップ内に予め担持される検出試薬に使用するための材料の評価
コンゴーレッド色素を試料パッド材料に塗布し、そのまま乾燥させた。陽性尿を適用し、試料パッドから放出された色素についての結果を観察した。
Figure 2021073434
検出試薬(すなわち、この場合には色素)は、理想的には、生体試料、すなわち尿の適用時に試料パッド材料から放出される。POREX(登録商標)4894およびPorex(登録商標)X−4897を含めた幾つかの材料は、色素を良好に放出させるので、診断試験デバイスに非常に適している。加えて、Fusion材料(ガラスマイクロファイバー)およびWhatman(登録商標)33のような幾つかの材料も色素を放出させ、適している。
実施例6
試験ストリップ内に組込んだ、色素を有する試料パッドの評価
コンゴーレッド色素を注入したPorex(登録商標)X4897およびPOREX(登録商標)4894を含む試料パッド材料を、Vivid(商標)xのトラップおよびMN−260の試行または表示ストリップを有する試験ストリップ内に組込んだ。尿を各ストリップの試料パッドに適用し、結果をMN−260の表示ストリップ上で観察した。
結果:試料パッド材料は、尿が添加されたときに色素を放出した。子癇前症陽性尿を添加すると、MN260材料が陽性に染色された。ほとんどの場合、子癇前症陰性尿を添加してもMN260は染色されなかった;しかし、ある場合には、MN260のストリップの始端で幾らかの染色があった。これらの結果から、Porex(登録商標)、Vivid(商標)、MN260の材料の構成によって、子癇前症陽性尿を子癇前症陰性尿から鑑別する手段が得られ、それによって有用な診断試験デバイスを得ることができたことが示される。
実施例7
ラテラルフローアッセイカセット中での試験ストリップの評価
Fusion 5の上に載せた色素注入済みPOR−4899試料パッド、続いてトラップとしての役目を果たすVivid X膜、次いでMN260の表示ストリップから、ストリップを組立てた。ストリップを汎用的なカセットに入れ、試料パッドがカセットの試料ポートの真下になり、MN260がカセットの結果窓から見えるようにした。[75ul]75マイクロリットルの尿を試料ポート内に添加し、結果を結果窓で確認した。陽性尿を添加したときに赤色の染色が結果窓に見えたのに対して、陰性尿を添加したときには染色は観察されなかった。この構成によって、子癇前症陽性尿を子癇前症陰性尿から鑑別する有用な診断デバイスが得られた。
実施例8
トラップの改良
ストリップ上で試験した陰性尿が、特に時間の経過と共に、結果ストリップに吸い上げられた幾らかの色素の筋を生じることが時折あった。陰性試料に対して陽性試料をもっとよく分離できるか、また陰性尿に伴うこの筋を排除できるかを見るために、追加的なトラップ構成を評価した。ストリップを、Fusion 5の上に載せた色素注入済みPOR−4899試料パッド、ずらしてあるが重なり合う2つのVivid(商標)Xの層のトラップ、およびMN260の結果ストリップを用いて組立てた。陰性尿を適用することによって試験したとき、二重層トラップによって色素の漏出および筋が防止され、それによって子癇前症陽性尿を子癇前症陰性尿から鑑別するための改善された診断試験デバイスが得られた。
実施例9
デバイスのストリップ構成
POR−4899に、Kinematic分注機を使用して6μl/cmで分注したコンゴーレッド色素溶液で線を付けた。POR−4588は、4μl/cmで線を付けた。パッドを37℃で1時間乾燥させ、乾燥棚内に保管した。試験ストリップを、線を付けたPOR材料、1層のVivid(商標)Xのトラップ、およびMN260を使用して組立てた。POR−4899のストリップは、尿を試験したときに良く動作したが、POR−4588を含有するストリップは、陰性尿を試験したときに表示ストリップ上に色素の漏出を生じた。POR−4588を4μl/cmで線を付けた場合についてさらに評価すると、陰性尿の流れはきれいになった。次いで、POR−4588を、6または8μl/cmで線を付けて二重のVivid(商標)トラップと共に組立てた場合について評価した。6μl/cmの色素の線を有するこのストリップ組立品は、陽性尿で試験したときに最良の結果を与え、陰性尿で試験したときに色素の漏出または筋の量が最小になった。さらに、3層のVivid(商標)トラップおよび8μl/cmで線を付けたPOR−4588を有するストリップを評価すると、良好な結果およびより強い陽性シグナルが得られた。
Figure 2021073434
8μl/cmで塗布したコンゴーレッドを有するPOR−4599および二重のvividトラップで構成したデバイスは、子癇前症陰性尿を試験したときにきれいな陰性の結果を生じ、子癇前症陽性尿を試験したときは強い陽性の結果を生じたので、好ましい診断試験デバイス構成である。
実施例10
ディップスティック形式の試験設計の評価
試験ストリップを、6、8、または10μl/cmで線を付けたPOR−4588および3層のVivid(商標)トラップ、ならびにMN260を使用して組立てた。ストリップを、60μlの尿中に浸した。尿はストリップに成功裏に吸い上げられ、8μl/cmで線を付けたバージョンが、きれいな陰性試験結果と共に最良の陽性試験結果を生じた。したがって、診断試験デバイスの最適なディップスティック形式はこのように構成することができ、これは診断を目的として子癇前症陽性尿を子癇前症陰性尿から鑑別するのに有用である。
実施例11
診断試験デバイス構成のさらなる評価
2つのPorex(登録商標)試料パッド(1つには色素で線を付ける)、3層のVivid(商標)トラップ、およびMN260で作製した試験ストリップを、カセット/筐体内で、および尿試験用ディップスティックとして試験した。カセット筐体によって結果が改善されたが、その理由は恐らく、試料パッド上の中心スポット上における試料の制御された流動、良好な色素の取り込み、ストリップの中央に吸い上げられる流動、および試行ストリップの結果のより均一な染色の結果である。試験した5つの陰性尿はすべて陰性であり、5つの陽性尿は、2つが弱陽性、3つが陽性の結果となった。ディップスティックとして、試験ストリップを試験管中の100μlの尿の中に入れた。3分の時点で、陽性尿および陰性尿の結果は両方ともすべて陰性であった。しかし、さらに時間が経つと、5分までに陽性尿の結果は、2つが弱陽性、3つが陽性となったが、陰性尿は陰性のままであった。したがって、これらの試験構成は、子癇前症診断試験デバイスに適している。
実施例12
試行対照の評価
この実験の目的は、試料がいつ成功裏にストリップに吸い上げられて流れたかを示す対照、すなわち「試行対照」を調査することであった。陰性の生体試料を試験したときに表示または結果ストリップ上に何も染色が観察されなければ、これが陰性の結果なのか、または試験が正しく実行されなかったか(すなわち、試料が実際に何も添加されなかったのか、不十分な試料が添加されたのか、またはストリップの不十分な試料の吸い上げが起こったのか)を見分けるのは困難である。線状の水溶性着色剤を、試行ストリップ材料を横切るように噴霧し、筐体内に組立てられたときにこれがカセットの結果窓の上部に見えるように配置した。試料ポートを通して尿試料を試料パッドに添加し、結果窓を通して流動を観察した。試料が対照色素の線に到達したとき、この線は溶解し、試料と共に流れた。試行対照の線の消失は、試料がストリップを成功裏に流れたことを容易に視認できる指標となった。該対照は、尿の試験結果の読取りを妨げなかった。対照の線の色素の例は、タルトラジンである。試行対照として使用されてもよい他の色素として、FD&C青色1号−ブリリアントブルーFCF、E133(青色)、FD&C青色2号−インジゴチン、E132(藍色)、FD&C緑色3号−ファストグリーンFCF、E143(ターコイズ色)、FD&C赤色3号−エリスロシン、E127(桃色)、FD&C赤色40号−アルラレッドAC、E129(赤色)、FD&C黄色5号−タルトラジン、E102(黄色)、FD&C黄色6号−サンセットイエローFCF、E110(橙色)が挙げられる。
実施例13
トラップ用の代替材料の調査
試験ストリップを、2つのPorex(登録商標)試料パッド(第1の試料パッドにはコンゴーレッド(CR)色素の線を付ける)、表5に一覧表示される通りの種々の代替トラップ材料、およびMN260の試行ストリップを用いて組立てた。陰性尿の試料を組立てた試験ストリップ上で試験し、各トラップの、1)試料中に関心対象のタンパク質が存在しないときにCR色素を保持する能力、および2)CRに結合しているタンパク質を保持しない能力について評価した。
Figure 2021073434
結果:これらのトラップ材料のほとんどが、コンゴーレッド親和性タンパク質陽性の生体試料(コンゴーレッド親和性タンパク質陽性尿)をコンゴーレッド親和性タンパク質陰性の生体試料(コンゴーレッド親和性タンパク質陰性尿)から鑑別する見込みがあることを示した。
陰性試料を試験するときの検出試薬(CR)の保持をさらに改善するために、次に、表6に記載する選択トラップ材料を3層で使用して試験ストリップを作製した。
Figure 2021073434
結果:三重層のトラップは、非結合CR検出試薬を、表示ストリップに進入させずに保持するのに有効であった。しかし、EMI 11513およびC048で作製した三重トラップ構成はまた、陽性試料を試験したときにシグナル結果の強度を低減させた。試験したこれらのトラップのうち、642で作製した三重トラップが、陽性試料と陰性試料の両方について最も良好な結果を生じた。
実施例14
トラップ材料のさらなる調査
本発明の診断試験デバイスにおけるトラップとして使用するのに適した材料をさらに調査するために、2つのPorex(登録商標)試料パッド(第1の試料パッドにはCR色素で線を付けた(8ul/cm))、表7に記載する通りのトラップ、およびMN260の試行ストリップを有するストリップを組立てた。各構成のストリップを、コンゴーレッド親和性陰性尿試料、2つの弱陽性コンゴーレッド親和性タンパク質試料および2つの強陽性コンゴーレッド親和性タンパク質試料を用いて試験した。
Figure 2021073434
驚いたことに、5493の結果は、5475より強度が弱く、5493は5475より吸収性が約4倍高く、毛細管上昇性が2倍速かった。これらの結果は、より低い吸収性およびより遅い毛細管上昇が、強いシグナルのために好ましいことを示唆する。同様に、CF3はCF1より弱く、吸収が2倍である。材料238は237よりシグナルが弱く、吸い上げ速度が2倍であり、また319は、この紙の線のうち最強色の結果を示し、吸い上げ速度が最も低かった。MN615より速く流れる物質であるMN640は、MN615よりシグナルが弱い。
結果から、吸収性がより少なく、毛細管上昇または吸い上げ速度がより遅い材料が、より確固たるシグナルに好ましい材料であり得ることが示される。
実施例15
診断試験デバイスの評価
Fusion 5(GEによって作製される独自開発の単層マトリックス膜)の上に載せた色素注入済みPorex(登録商標)試料パッド、Vivid(商標)膜ストリップトラップおよびMN260の毛細管床膜を含む、完全な試験ストリップを組立てた。このストリップを汎用のLFAカセットケース内に収容した。尿試料を円形の試料ウェルに添加し、3分の時点で結果を長方形の窓で確認した。
結果:陰性尿では窓に色素は何も観察されず、弱陽性尿では薄い桃色が観察され、強陽性尿試料では強い桃色が観察された。これらの結果から、これは、子癇前症を診断するために試料中のコンゴーレッド親和性タンパク質を検出するための診断試験デバイスに適した構成であることが示される。
実施例16
最適なトラップ材料のさらなる評価
色素注入済みPorex(登録商標)試料パッド、第2のPorex(登録商標)パッド(色素なし)、11513、5475、319、247、またはCF1の単層または二重層トラップ、Whatman 470のウィックを有するMN260膜の毛細管床を含む、完全な試験ストリップを組立てた。MN260は、試行対照のタルトラジン色素の線を含有していた。試験試料の色素注入済みPorex(登録商標)パッド上への添加のために最適化し、また、タルトラジン色素が試験実行前に観察できて試験実行後に観察されないように目視窓の中央がMN260膜の上に置かれるよう最適化した、LFA様カセット内に、試験ストリップを収納した。尿試料を円形の試料ウェルに添加し、3分の時点で結果を長方形の窓で確認した。
結果
3分の時点で、陰性尿では窓に色素は何も観察されず、弱陽性尿では薄い桃色が観察され、強陽性尿試料では強い桃色/赤色が観察された。さらに、黄色のタルトラジン色素の線が、試料添加前はくっきりしていて、試料を吸い上げるにつれて移動することを観察することができ、3分の時点でほとんど見えないまたは完全に消え失せていた。これらの結果から、これは、子癇前症を診断するために試料中のコンゴーレッド親和性タンパク質を検出するための診断試験デバイスに適した構成であることが示される。
実施例17
本発明のデバイスの結果対CRD試験の結果
本発明の試験デバイスを、子癇前症の疑いのある女性におけるコンゴーレッドドット(Congo Red dot:CRD)試験の研究(Roodら、2016年 AJOG、214(1)s24−s25)からの105の臨床尿を試験することによって評価した。試料は、強陽性試料が27、陰性試料が28、弱陽性試料が50となるように選択した。試料の陰性/陽性状態は、CRR(%)(Irina A.Buhimschiら、Sci.Transl.Med.6、245ra92(2014年))によって判断した。試料を試験デバイスに添加し、3分の時点で、結果を目視で、陰性(−または0)、弱陽性(+または1)または強陽性(++または2)のいずれかに採点した。
結果から、試験デバイスの結果は、試料のうち103/105(98%)においてCRDの結果と一致していたことが示された。本発明のデバイスの試験結果は、子癇前症の宣告された診断(ACOGガイダンス:Hypertension in Pregnancy Report of the American College of Obstetricians and Gynecologists’Task Force on Hypertension in Pregnancy、2013年 Obstetrics & Gynecology 122(5):1122−1131に基づく)と比較すると、感度91%、特異度64%、正確度82%と共に陽性適中率83%および陰性適中率79%を示した。
試験試料を試験の試料ウェルに添加すると、液体の最前線がストリップを移動して上がるのが30秒までに観察された。最前線は、約1分の時点で黄色色素の対照の線に当たり、約1.5分までに窓の端部まで移動した。液体の最前線が移動して結果窓内に入ると、30秒以内に、強陽性の結果がはっきり現れ、それ以降も見えた。結果窓全体が1.5分以内に着色された。弱陽性の結果は、強陽性よりも決定に時間がかかるが、それは、液体の最前線が一般に陰性に見え、試料の添加後約1−3分の時点で結果窓に色が現れるためである。図1に結果の例を示す。
実施例18
尿試料対照を使用したデバイスの評価
120ug/デバイスの色素を注入したPorex(登録商標)4588試料パッド、第2のPorex(登録商標)パッド(色素なし)、Ahlstrom 319の二重層のトラップ、Whatman 470のウィックを有するMN260膜毛細管床を含む、デバイスの試験ストリップを組立てた。MN260は、試行対照のタルトラジン色素の線を含有していた。試験試料が色素注入済みPorex(登録商標)パッド上に添加されるように、また目視窓の中央がMN260膜の上方に置かれ、試験実行前にタルトラジン色素が観察でき、試験実行後に観察されないように最適化したLFA様カセット内に、試験ストリップを収容した。
子癇前症であることが確認されている5人の患者からの尿分析物をプールして、陽性アッセイ対照を作成した。コンゴーレッド親和性タンパク質の存在は、コンゴーレッドドットブロット試験(Buhimschi 2014年)によって確認した。リン酸緩衝生理食塩水(10mMリン酸塩、pH 7.4、150mM NaCl)を、陰性対照として、および陽性アッセイ対照の希釈系列を作製するために、使用した。以下の希釈液を調製した(試料対緩衝液の総容積の比率):希釈なし、1:4、1:8、1:15、1:40。この希釈系列の各尿試料を、デバイス上で二重で試験した。
結果:デバイス上で各尿試料について特定の希釈でそれぞれ反復すると、同じ染色密度を呈する。試験の結果を以下の表に示す。
Figure 2021073434
これらのデータから、診断デバイスがコンゴーレッド親和性タンパク質を検出することができ、この効果が滴定可能であることが実証される。これらのデータから、該デバイスが、コンゴーレッド親和性タンパク質の濃度の増大に相当する赤色の漸進的な視覚的尺度を呈することも示される。

Claims (34)

  1. 哺乳動物の生体試料中の少なくとも1種のタンパク質を検出するための診断デバイスであって、
    a)試料受容材料、
    b)検出試薬、
    c)トラップ、
    d)毛細管床
    を含み、
    前記試料受容材料が、生体試料を受容することが可能であり、
    前記検出試薬が、前記生体試料中に存在する少なくとも1種のタンパク質に反応性であり、
    前記トラップが、前記試料受容材料と接触しており、前記トラップが、前記生体試料中の前記少なくとも1種のタンパク質に結合している前記検出試薬を、前記生体試料中の前記少なくとも1種のタンパク質に結合していない前記検出試薬から分離することができ、これによって、前記生体試料中の前記少なくとも1種のタンパク質に結合している前記検出試薬が前記トラップを通って流動することができ、前記生体試料中の前記少なくとも1種のタンパク質に結合していない前記検出試薬が前記トラップによって捕捉され、
    前記毛細管床が、前記トラップと接触しており、前記生体試料が前記トラップを通って流動した後に、前記毛細管床が、前記生体試料を含有するように構成され、
    前記試料受容材料、前記トラップ、および前記毛細管床が、順に接触するように構成されており、
    前記少なくとも1種のタンパク質が前記生体試料中に存在するならば、前記毛細管床が検出試薬を表示する、診断デバイス。
  2. 前記試料受容材料が前記検出試薬を含む、請求項1に記載の診断デバイス。
  3. 前記検出試薬が、前記試料受容材料上または前記試料受容材料中にある、請求項1に記載の診断デバイス。
  4. 前記検出試薬が乾燥形態である、請求項3に記載の診断デバイス。
  5. 前記生体試料を前記試料受容材料に適用した後に、前記試料受容材料が前記検出試薬を前記生体試料中に放出する、請求項1に記載の診断デバイス。
  6. 前記試料受容材料が、前記検出試薬を前記生体試料と混合するためのマトリックスである、請求項5に記載の診断デバイス。
  7. 検出試薬を生体試料と混合した後に、前記試料受容パッドが、混合した検出試薬および生体試料を、前記試料受容パッドに隣接する前記毛細管床に放出する、請求項6に記載の診断デバイス。
  8. 請求項1に記載の診断デバイスを入れる、筐体またはカセット。
  9. 前記検出試薬が、ミスフォールドタンパク質、タンパク質凝集体、超分子タンパク質凝集体、ミスフォールドタンパク質の断片、タンパク質凝集体の断片、超分子タンパク質凝集体の断片、これらの混合物、および前記混合物の断片からなる群から選択される少なくとも1種のタンパク質と結合する、請求項1に記載の診断デバイス。
  10. 前記ミスフォールドタンパク質が、α1アンチトリプシン(セルピンA1)、セルロプラスミン、重鎖IgG、軽鎖IgG、インターフェロン誘導タンパク質6−16(IF16−6、G1P3)、アルブミン、およびこれらの断片からなる群から選択される、請求項9に記載の診断デバイス。
  11. 前記少なくとも1種のタンパク質がコンゴーレッド親和性である、請求項1に記載のデバイス。
  12. 前記検出試薬が、アゾ染料、チオフラビンTおよびアゾ染料の類似体からなる群から選択される、請求項1に記載の診断デバイス。
  13. 前記アゾ染料がコンゴーレッドである、請求項12に記載の診断デバイス。
  14. 前記コンゴーレッドが前記試料受容材料上に予め担持されている、請求項13に記載の診断デバイス。
  15. 前記試料受容材料が、ニトロセルロース、セルロース、ガラス繊維、綿、メッシュ織物、不織布材料、多孔性プラスチック、ポリマーおよびポリエステルからなる群から選択される材料を含む、請求項1に記載の診断デバイス。
  16. 前記ポリエステルがポリエチレンである、請求項15に記載の診断デバイス。
  17. 前記トラップが、ニトロセルロース、セルロース、ガラス繊維、綿/ガラス繊維、メッシュ織物、不織布材料、ポリマー、およびポリスルホンからなる群から選択される材料を含む、請求項1に記載の診断デバイス。
  18. 前記トラップがセルロースである、請求項17に記載の診断デバイス。
  19. 前記毛細管床が、ニトロセルロース、クロマトグラフィー用ペーパー、ポリスルホン、およびセルロースからなる群から選択される材料を含む、請求項1に記載の診断デバイス。
  20. 哺乳動物の生体試料中の少なくとも1種のタンパク質を検出する方法であって、
    a)前記哺乳動物の生体試料を、請求項1に記載の前記診断デバイスの前記試料受容材料に、前記少なくとも1種のタンパク質を前記検出試薬に結合させるのに十分な時間および条件下で適用すること;および
    b)前記毛細管床上で検出試薬の存在を検出すること
    を含み、前記毛細管床上の検出試薬の存在が、前記生体試料中に存在する前記少なくとも1種のタンパク質の存在を示す、方法。
  21. 前記哺乳動物が、タンパク質ミスフォールディング障害を有する疑いがある、またはタンパク質ミスフォールディング障害を有するリスクがある、請求項20に記載の方法。
  22. 前記少なくとも1種のタンパク質が、ミスフォールドタンパク質、凝集タンパク質、超分子凝集タンパク質、ミスフォールドタンパク質の断片、凝集タンパク質の断片、超分子凝集タンパク質の断片、これらの混合物、および前記混合物の断片からなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
  23. 前記ミスフォールドタンパク質が、α1アンチトリプシン(セルピンA1)、セルロプラスミン、重鎖IgG、軽鎖IgG、インターフェロン誘導タンパク質6−16(IF16−6、G1P3)、アルブミン、およびこれらの断片からなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
  24. 前記タンパク質ミスフォールディング障害が、子癇前症、アルツハイマー病、プリオン病およびパーキンソン病からなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
  25. 前記子癇前症が、軽症の子癇前症、重症の子癇前症、非定型子癇前症、血液透析−肝酵素上昇−血小板数減少(HELLP)症候群および子癇からなる群から選択される、請求項24に記載の方法。
  26. 前記生体試料が、尿、血液、唾液、組織、間質液、血清、血漿、脳脊髄液、羊水および抽出物質からなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
  27. 前記哺乳動物が妊娠中である、請求項21に記載の方法。
  28. 前記妊娠中の哺乳動物が、ヒト、霊長類および遺伝子操作された哺乳動物からなる群から選択される、請求項27に記載の方法。
  29. 前記哺乳動物がヒトである、請求項28に記載の方法。
  30. 前記ヒトが、妊娠およそ8週から42週である、請求項29に記載の方法。
  31. 前記哺乳動物が分娩後である、請求項21に記載の方法。
  32. 前記少なくとも1種のタンパク質が、定性的結果または半定量的結果を得るために可視化によって検出されてもよいし、または半定量的または定量的結果を得るために測定によって検出されてもよい、請求項22に記載の方法。
  33. 請求項1に記載のデバイスを含む、キット。
  34. 標準物質または対照試薬をさらに含む、請求項33に記載のキット。
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