JP2021071444A - 回転角検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転角の検出精度悪化を抑制可能にした回転角検出装置を提供する。【解決手段】回転角検出装置10は、ステアリングシャフト11の回転を、この回転に連動して回転する2つの従動歯車のそれぞれの回転を検出する2つのセンサの出力を基に演算する角度演算部20を備えている。回転角検出装置10は、2つのセンサのうち少なくとも一方のゼロ点を補正する補正部31を備えている。補正部31は、第1従動歯車14の周期数を演算し、周期数を演算するにあたって計算上発生するずれ量を測定し、上限及び下限を有する規定範囲とずれ量とを基にゼロ点を補正する一連の処理を、ユーザ使用中に実行する。【選択図】図1

Description

本発明は、回転体の回転角検出を行う回転角検出装置に関する。
回転角検出装置としては、被検出物の回転角を絶対値で算出する絶対角測定方式が知られている。絶対角測定方式の回転角検出装置としては、例えば、特許文献1に記載の構成が知られている。この回転角検出装置は、被検出物である回転体と一体回転する主動歯車に連動して回転する2つの従動歯車を備えている。これら従動歯車は、それぞれ歯数が異なるため、主動歯車の回転に伴う2つの従動歯車の回転角は、それぞれ異なる。このように形成された2つの従動歯車にそれぞれセンサ等の検出部を設け、これら検出部の出力から、これら従動歯車の回転角を検出する。そして、検出した回転角に基づいて、回転体の絶対回転角を算出する。
特開2010−236935号公報
主動歯車と2つの従動歯車とを組み合わせた構成において、例えば気温などの環境の変化によって、検出される従動歯車の回転角が変化することがある。そのため、これら回転角から演算される回転体の絶対回転角には、この変化に起因したずれ量が含まれる場合がある。よって、回転角の検出精度の悪化の懸念があった。
本発明の目的は、回転角の検出精度悪化を抑制可能にした回転角検出装置を提供することにある。
上記課題を解決するための回転角検出装置は、回転体と一体回転する主動歯車に第1従動歯車及び第2従動歯車が連動するように組み付けられ、前記第1従動歯車の回転を第1センサにより検出し、前記第2従動歯車の回転を第2センサにより検出し、前記第1センサ及び前記第2センサのセンサ出力を基に前記回転体の回転角を演算する角度演算部と、前記第1従動歯車及び前記第2従動歯車の回転時の前記第1センサ及び前記第2センサのセンサ出力の基準が合うように、前記第1センサの前記センサ出力のゼロ点と前記第2センサの前記センサ出力のゼロ点とが調整されている場合、これらゼロ点のうち少なくとも一方を補正する補正部とを備え、前記補正部は、前記第1センサ及び前記第2センサのセンサ出力を基に前記第1従動歯車及び前記第2従動歯車の少なくとも一方の回転情報を演算し、前記回転情報を演算するにあたって計算上発生するずれ量を測定し、上限及び下限の範囲と前記ずれ量とを基に、前記ゼロ点を補正する一連の処理を、ユーザ使用中に実行する。
本発明の回転角検出装置は、回転角の検出精度悪化を抑制可能にする。
回転角検出装置の構成図。 センサの出力を示すグラフ。 センサ出力の誤差を示すグラフ。 従動歯車の回転情報に発生するずれ量を示すグラフ。 初期設定の流れを示すフロー。 補正後のセンサの出力を示すグラフ。 ユーザ使用中におけるゼロ点補正値の調整を示す説明図。 ユーザ使用中におけるゼロ点補正値の調整の流れを示すフロー。
以下、回転角検出装置の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1に示すように、回転角検出装置10は、図示しないステアリングに一体回転可能に連結されたステアリングシャフト11に組み付けられている。回転角検出装置10は、ステアリングシャフト11の周囲に配設される図示しないステアリングコラム等の構造体に固定される箱体状のハウジング12を備えている。このハウジング12内には、ステアリングシャフト11に一体回転可能に且つ同軸状に外嵌された主動歯車13が収容されるとともに、当該主動歯車13と連動して回転する第1従動歯車14及び第2従動歯車15が収容されている。本例の第1従動歯車14は、主動歯車13に噛合し、第2従動歯車15は、第1従動歯車14に噛合している。
第1従動歯車14及び第2従動歯車15は、それぞれ歯数が異なるように形成されている。このため、ステアリングシャフト11の回転に連動して主動歯車13が回転した場合、主動歯車13の絶対回転角度θに対する第1従動歯車14の絶対回転角度α´と、第2従動歯車15の絶対回転角度β´とは、それぞれ異なった値となる。例えば、主動歯車13の歯数をz、第1従動歯車の歯数をm、第2従動歯車の歯数をL、且つm<L<zとした場合、主動歯車13が1回転したときは、第1従動歯車はz/m回転、第2従動歯車はz/L回転する。
第1従動歯車14及び第2従動歯車15には、永久磁石である第1磁石16及び第2磁石17がそれぞれ設けられている。第1磁石16及び第2磁石17は、第1従動歯車14及び第2従動歯車15とそれぞれ同一軸上に一体回転する。回転角検出装置10は、第1磁石16の磁界を検出する第1センサとしての第1磁気センサ18と、第2磁石17の磁界を検出する第2センサとしての第2磁気センサ19とを備えている。第1磁気センサ18及び第2磁気センサ19には、例えば4つの磁気抵抗素子がブリッジ状に接続されてなるいわゆるMRセンサが採用可能である。磁気抵抗素子の抵抗値は、与えられる磁界(磁束の向き)に応じて変化する。そして、第1磁気センサ18及び第2磁気センサ19は、与えられる磁界(磁束の向き)の変化に応じて、ブリッジ状の回路の中点電位を検出信号としてハウジング12内に設けられたマイクロコンピュータ20に出力する。
第1磁気センサ18は、第1従動歯車14の回転に伴う第1磁石16の磁束の方向の変化に基づき、2つのアナログ信号、すなわち第1正弦波信号Vs1及び第1余弦波信号Vc1を出力する。第1正弦波信号Vs1及び第1余弦波信号Vc1は、第1従動歯車14が第1磁気センサの検出範囲Ωだけ回転したときに、すなわち、主動歯車13が(m/z)Ωだけ回転したときに1周期となる。これらアナログ信号は、第1従動歯車14の回転角度αに応じて連続的に変化し、これが周期ごとに繰り返される波形をとる。第1余弦波信号Vc1の位相は、第1正弦波信号Vs1に対して1/4周期ずれている。
第2磁気センサ19は、第2従動歯車15の回転に伴う第2磁石17の磁束の方向の変化に基づき、2つのアナログ信号、すなわち第2正弦波信号Vs2及び第2余弦波信号Vc2を出力する。第2正弦波信号Vs2及び第2余弦波信号Vc2は、第2従動歯車15が第2磁気センサの検出範囲Ωだけ回転したときに、すなわち、主動歯車13が(L/z)Ωだけ回転したときに1周期となる。これらアナログ信号は、第2従動歯車15の回転角度βに応じて連続的に変化し、これが周期ごとに繰り返される波形をとる。第2余弦波信号Vc2の位相は、第2正弦波信号Vs2に対して1/4周期ずれている。
回転角検出装置10は、第1磁気センサ18及び第2磁気センサ19からの出力を基に主動歯車13(ステアリングシャフト11)の絶対回転角度θを演算する角度演算部21を備えたマイクロコンピュータ20を備えている。マイクロコンピュータ20には、ステアリングシャフト11の360°を超える回転角度を含む角度である絶対回転角度θを演算するためのプログラムが格納されている。角度演算部21は、当該プログラムにより絶対回転角度θを演算する。
角度演算部21は、ステアリングシャフト11の絶対回転角度θを求めるに際して、まず第1磁気センサ18及び第2磁気センサ19からの出力をA/D変換器(図示略)を通じて取得する。そして、角度演算部21は、このA/D変換後の出力に基づき第1磁気センサ18の検出範囲Ωにおける第1従動歯車14の回転角度αと、第2磁気センサ19の検出範囲Ωにおける第2従動歯車15の回転角度βとを求める。
すなわち、回転角度αは、第1正弦波信号Vs1及び第1余弦波信号Vc1に基づく逆正接「α=tan−1(Vs1/Vc1)」として、角度演算部21により算出される。また、回転角度βは、第2正弦波信号Vs2及び第2余弦波信号Vc2に基づく逆正接「β=tan−1(Vs2/Vc2)」として、角度演算部21により算出される。
<絶対回転角度θの算出>
角度演算部21による主動歯車13の絶対回転角度θの演算処理について説明する。
主動歯車13の絶対回転角度θと、第1従動歯車14の絶対回転角度α´には、それらの歯数z、mにより、次式(1)で示される関係が成立する。
θ=mα´/z・・・(1)
第1従動歯車14の絶対回転角度α´は、次式(2)のように表せる。
α´=α+iΩ・・・(2)
ここで、αは、前述の第1磁気センサ18の検出範囲Ωにおける第1従動歯車14の回転角度である。iは、第1磁気センサ18の回転情報としての周期数(回転数)を示す。周期数iは、第1磁気センサ18の検出範囲Ωを何回繰り返しているのかを示す値であり、整数値(0周期、1周期、2周期・・・)である。
式(1)に式(2)を代入すると、次式(3)が得られる。
θ=m(α+iΩ)/z・・・(3)
角度演算部21は、この式(3)に基づいて、主動歯車13の絶対回転角度θを求める。すなわち、第1従動歯車14の回転角度αと周期数iとが分かれば、主動歯車13の絶対回転角度θを算出可能である。このように、絶対回転角度θは、周期数i(回転数)と回転角度α(又はβでも可)とを基に算出される。
<周期数iの算出>
角度演算部21により周期数iを求める考え方を説明する。前述した歯数の違いにより、主動歯車13がθだけ回転したときの、第1従動歯車14の絶対回転角度α´及び第2従動歯車15の絶対回転角度β´は異なる。絶対回転角度α´と絶対回転角度β´の差には、以下のような関係が成立する。
α´−β´=θ{z(L−m)/mL}
これより、主動歯車13の絶対回転角度θは、次式(4)のように表せる。
θ=Δab・mL/z(L−m)・・・(4)
ここで、Δabは「α´−β´」を示している。Δabは回転角度α及び回転角度βによって、次のように算出できる。
・Δab=α−β (α−β≧0)
・Δab=α−β+Ω (α−β<0)
式(3)及び式(4)から、周期数iは次式(5)により求められる。
i=(θab−θa)/(mΩ/z)・・・(5)
ただし、θab及びθaは、次のようにして算出される値である。
・θab=Δab・mL/z(L−m)
{Δab=α−β (α−β≧0)、Δab=α−β+Ω (α−β<0)}
・θa=mα/z
角度演算部21は、式(5)に基づいて、回転角度α及び回転角度βから第1従動歯車14の周期数iを求める。このように、周期数i(回転数)は、差Δabと回転角度α(又はβでも可)とを基に算出される。
<ゼロ点補正>
マイクロコンピュータ20は、回転角検出装置10の初期設定を行う初期設定部22を備える。初期設定部22は、例えば回転角検出装置10の組み立て時、組み立て後、及び車両への搭載後などの初期の検査時に、一連の初期設定を実行する。初期設定は、例えば回転角検出装置10の出荷前に実施されることが好ましい。初期設定部22は、第1磁気センサ18及び第2磁気センサ19のセンサ出力のゼロ点を調整するゼロ点調整部23を備えている。
ゼロ点調整部23は、第1従動歯車14の回転基準と、第1磁気センサ18のセンサ出力の基準とが合うように、第1磁気センサ18のセンサ出力のゼロ点を調整する。ゼロ点調整部23は、第1従動歯車14の回転基準(例えば、0°)と第1磁気センサ18の出力の基準とのずれを基に、第1ゼロ点補正値としての第1補正値Aを演算する。すなわち、ゼロ点調整部23は、第1従動歯車14が回転基準に位置するときの第1磁気センサ18の出力を求め、このときの出力のずれを第1補正値Aとして設定する。第1補正値Aは、例えばマイクロコンピュータ20の記憶部32に保持される。角度演算部21は、この第1補正値Aを基に補正された第1磁気センサ18の出力から回転角度αを求める。
また、ゼロ点調整部23は、第2従動歯車15の回転基準と、第2磁気センサ19のセンサ出力の基準とが合うように、第2磁気センサ19のセンサ出力のゼロ点を調整する。ゼロ点調整部23は、第2従動歯車15の回転基準(例えば、0°)と第2磁気センサ19の出力の基準とのずれを基に、第2ゼロ点補正値としての第2補正値Bを演算する。すなわち、ゼロ点調整部23は、第2従動歯車15が回転基準に位置するときの第2磁気センサ19の出力を求め、このときの出力のずれを第2補正値Bとして設定する。第2補正値Bは、例えばマイクロコンピュータ20の記憶部32に保持される。角度演算部21は、この第2補正値Bを基に補正された第2磁気センサ19の出力から回転角度βを求める。
図2に、ゼロ点補正によって算出される回転角度α,βの変化波形を図示する。同図に示すように、ゼロ点補正後は、回転角度αの回転基準と回転角度βの回転基準とが一致する。そして、主動歯車13が回転して第1従動歯車14及び第2従動歯車15が回転すると、回転基準を起点に第1従動歯車14及び第2従動歯車15が各々設定された周期に沿って回転する。
回転角度α及び回転角度βは、主動歯車13の絶対回転角度θに対して、第1従動歯車14及び第2従動歯車15の歯数の違いに応じて、異なる値となる。回転角度α及び回転角度βは、それぞれの歯数に応じて、所定の周期で立ち上がりと立ち下がりとを繰り返す。回転角度α及び回転角度βは、所定の周期として、第1従動歯車14及び第2従動歯車15が磁気センサの検出範囲Ωだけ回転する毎に、すなわち主動歯車13がmΩ/z、あるいはLΩ/zだけ回転する毎に、それぞれ立ち上がりと立ち下がりを繰り返す。
このため、回転角度α及び回転角度βの差Δabは、主動歯車13の絶対回転角度θに対して、ゼロ点調整部23によってゼロ点を調整した位置を基準(本例では0)として直線的に変化する。本例の回転角検出装置10は、主動歯車13(ステアリングシャフト11)の絶対回転角度θを基準の位置から右回り又は左回りに回る複数周の回転を検出する。
なお、回転角度α及び回転角度βの差Δabは、絶対回転角度θが所定値に達したときに無くなる。これは、第1従動歯車14の歯数m及び第2従動歯車15の歯数Lの違いに応じて直線的に変化するΔabが第1磁気センサ18及び第2磁気センサ19の検出範囲Ωに達することで起きる。よって、回転角検出装置10の絶対回転角度θの演算範囲は、絶対回転角度θにおいてゼロ点の基準位置から再び回転角度α及び回転角度βの差Δabがゼロとなる所定値までの範囲となる。
<誤差とずれ量>
図3に破線で示すように、第1磁気センサ18及び第2磁気センサ19の出力には、誤差が含まれることがある。これは、例えば歯車の寸法のばらつき、組付け位置のばらつき、及び、歯車間のバックラッシなどに起因する。これにより、回転角度α及び回転角度βは、主動歯車13の絶対回転角度θに対して直線的に変化する理論的な値(図3の実線)と比べて、プラス側又はマイナス側にずれる誤差を含んだ値となる。この誤差の大きさや正負の方向は、主動歯車13の絶対回転角度θの変化に伴い不規則に変化している。
回転角度α及び回転角度βに含まれる誤差により、周期数iを演算するにあたって、周期数iにはずれ量(以降、ずれ量mod_iと記載する)が含まれる。ずれ量mod_iは、周期数iを整数の回転数として算出する場合、計算上発生する端数(小数点以下)に相当する。ずれ量mod_iは式(5)により演算した周期数iの真値(実際の第1磁気センサ18の周期数)からのずれで示される。
図4に示すように、ずれ量mod_iは、絶対回転角度θの変化に伴って変動する。これは、ずれ量mod_iが主動歯車13の絶対回転角度θの変化に伴いプラス方向及びマイナス方向に不規則に変化する回転角度α及び回転角度βの誤差に起因して生じるためである。
ここで、「α−β≧0」の関係が成り立つ場合を一例として、ずれ量mod_iについて説明する。「α−β≧0」のとき、式(5)は、次式(6)のように展開される。
i=(mα−Lβ)/{(L−m)Ω}・・・(6)
式(6)の関係により、例えば「α−β」が大きくなるように誤差を含む場合、ずれ量mod_iは、プラス側に生じる。一方、例えば「α−β」が小さくなるように誤差を含む場合、ずれ量mod_iは、マイナス側に生じる。ずれ量mod_iは、回転角度α及び回転角度βの誤差の組み合わせによって、絶対回転角度θにおいて真値からのずれ幅の大きいところがあったりずれ幅の小さいところがあったりする。ずれ量mod_iは、次式(7)のように表せる。
mod_i=(mΔα−LΔβ)/{(L−m)Ω}・・・(7)
ただし、Δα及びΔβは、それぞれ回転角度α及び回転角度βにおける誤差である。なお、式(7)は、「α−β<0」のときにも成り立つ。
主動歯車13の絶対回転角度θを演算するにあたって周期数iがずれ量mod_iを含む場合、絶対回転角度θは、ずれ量mod_iに影響を受けたものになることが懸念される。そのため、角度演算部21は、絶対回転角度θを演算するにあたって、周期数iの端数を丸めて演算する。本例では、角度演算部21は、周期数iの小数点以下の端数を、四捨五入によって丸める。
しかし、周期数iを丸める場合、周期数iの丸め値が真値と異なった値になることがある。例えば、周期数iの小数点以下の端数を四捨五入する場合、ずれ量mod_iが0.5以上又は−0.5以下である場合、周期数iは真値とは異なる値となってしまう。例えば、ずれ量mod_iが0.5以上1.0未満である場合、周期数iは、四捨五入で繰り上げられ、真値より1だけ大きい値になる。また、ずれ量mod_iが−1.0を超え−0.5以下である場合、周期数iは四捨五入で繰り下げられ、真値より1だけ小さい値になる。そのため、ずれ量mod_iは、周期数iの計算上の限度、すなわち丸めによって誤った値とならない範囲で規定される限度内に収めることが求められる。本例では、ずれ量mod_iの計算上の限度は、−0.5を超え0.5未満の範囲である。
<ゼロ点補正値の補正>
図1に戻り、初期設定部22は、初期設定において、ずれ量mod_iの測定を行うとともに、測定したずれ量mod_iに基づいてずれ量mod_iを計算上の限度内に収めるために第2補正値Bを補正する初期補正部24を備える。
続いて、第2補正値Bの補正の方法を説明する。ここで、ゼロ点調整部23によって第1補正値A及び第2補正値Bが設定されたとき、主動歯車13の絶対回転角度θと、第1磁気センサ18及び第2磁気センサ19の出力(回転角度α及び回転角度β)との理想的な関係が決まる。マイクロコンピュータ20は、この理想的な関係に基づき、絶対回転角度θに対する周期数iの真値を予め記憶しているものとする。また、マイクロコンピュータ20は、初期設定時、絶対回転角度θを、例えば外部から取得可能とする。
初期補正部24は、実際に主動歯車13を回転させたときの絶対回転角度θに対する周期数iとその真値とを比較することにより、ずれ量mod_iを測定する。この測定は、マイクロコンピュータ20が自動で行ってもよいし、測定者の所定操作をトリガにして行われてもよい。さらに、初期補正部24は、測定したずれ量mod_iの最大値と最小値との平均値から中心ずれ量C1を求める。ただし、中心ずれ量C1に対する、誤差Δα及び誤差Δβのそれぞれの寄与度はわからない。そのため、本例では、誤差Δαはゼロであるとする。そして、初期補正部24は、絶対回転角度θの算出に直接関係しない誤差Δβを補正、すなわち第2補正値Bを補正する。中心ずれ量C1は、次式(8)のように表せる。
C1=(Δimax+Δimin)/2・・・(8)
ただし、Δimaxは、ずれ量mod_iの最大値であり、Δiminは、ずれ量mod_iの最小値である。
初期補正部24は、この中心ずれ量C1がゼロとなるように第2補正値Bを補正する。すなわち、回転角度βの誤差Δβを、回転角度αの誤差Δαの分まで含めて補正する。式(7)に「Δα=0」を代入して、次式(9)を得る。
mod_i=−LΔβ/{(L−m)Ω}・・・(9)
中心ずれ量C1をゼロにするためには、ずれ量mod_iを「−C1」だけオフセットさせればよい。式(9)より、ずれ量mod_iを「−C1」だけオフセットさせるための第2補正値Bのオフセット量Cは、次式(10)のように表せる。
C=C1(L−m)Ω/L・・・(10)
そして、初期補正部24は、オフセット量Cを第2補正値Bに加算し、新たな第2補正値B´を得る。初期補正部24は、新たな第2補正値B´で、第2補正値Bを更新し、これを記憶部32に記憶する。
<初期設定方法>
次に、回転角検出装置10の初期設定方法について、図5及び図6を用いて説明する。なお、本例の初期設定方法は、回転角検出装置10の組み立て時の初期段階で実施される。
図5に示すように、S101(Sは、ステップの略、以下同様)では、初期設定部22は、ゼロ点調整部23によるゼロ点の調整を実行する。本例の場合、ゼロ点調整部23は、第1従動歯車14及び第2従動歯車15の任意の回転位置を回転基準として、第1磁気センサ18及び第2磁気センサ19のセンサ出力の基準と合うように、第1補正値A及び第2補正値Bを設定する。
S102では、初期設定部22は、主動歯車13を実際に回転させたときのずれ量mod_iの測定を初期補正部24により実行する。ずれ量mod_iは、回転角検出装置10における主動歯車13の回転検出範囲の全域において測定される。
S103では、初期設定部22は、初期補正部24により第2補正値Bの補正を行う。初期補正部24は、S102において測定したずれ量mod_iに基づき、計算される中心ずれ量C1がゼロとなるオフセット量Cを求める。そして、初期補正部24は、オフセット量Cを第2補正値Bに加算して、新たな第2補正値B´を設定する。すなわち、初期補正部24は、第2補正値B´の補正により、第2磁気センサ19の出力を補正することで、ずれ量mod_iをオフセットさせる。
図6に示すように、同図の2点鎖線で示した第2補正値B´で補正した回転角度βは、1点鎖線で示した第2補正値Bにより補正された回転角度βから、オフセット量Cの分だけ補正された値になる。これにより、ずれ量mod_iは、「−C1」だけオフセットされる。すなわち、S102において検出された中心ずれ量C1は、ゼロとなる。なお、図6では、回転角度α及び回転角度βは、誤差を含まない仮想の波形によって示されている。
仮に、中心ずれ量C1がプラス側に振れている場合、ずれ量mod_iの最大値Δimaxが0.5以上になる可能性が高くなる。また、中心ずれ量C1がマイナス側に振れている場合、ずれ量mod_iの最小値Δiminが−0.5以下になる可能性が高くなる。本例の初期設定方法によれば、中心ずれ量C1がゼロとなるようにオフセットさせることで、ずれ量mod_iは、ゼロを中心とした範囲に入れ易くなる。そのため、ずれ量mod_iは、−0.5を超え0.5未満の限度内に収めやすくなる。よって、周期数iは、四捨五入によって値が概算されて演算される場合であっても、誤った値になり難い。
<ユーザ使用中のゼロ点補正>
図1に戻り、マイクロコンピュータ20は、第1磁気センサ18及び第2磁気センサ19の少なくとも一方のセンサ出力のゼロ点を、ユーザ使用中に補正する補正部31を備えている。補正部31を設けるのは、初期設定後、例えば外気温の変化などの環境の変化があった場合に、中心ずれ量C1がプラス側又はマイナス側にずれて、周期数iが間違った値になるのを抑制するためである。補正部31は、例えば車両のイグニッションサイクルの1サイクル内で測定されたずれ量mod_iを基に、ゼロ点の補正を行う。なお、本実施形態の場合、車両のイグニッションサイクルの1サイクルは、イグニッション状態がオフからオンに遷移してから、再度オフに遷移したときまでの期間とする。なお、イグニッション状態のオフからオンへは、ACCオンを経由して遷移してもよい。
マイクロコンピュータ20の記憶部32には、ゼロ点の補正に用いられるずれ量mod_iの規定範囲Tが記憶されている。規定範囲Tは、これまでに測定されたずれ量mod_iの範囲に基づき設定される範囲である。なお、規定範囲Tは、ユーザ使用中のゼロ点補正が一度も行われていない場合、初期設定時に記憶された範囲、すなわちS102で測定された最大値Δimax及び最小値Δiminを、それぞれ「−C1」だけオフセットした値に設定されている。
本例の場合、補正部31は、イグニッションサイクルの1サイクル内で測定されたずれ量mod_iが規定範囲Tを外れた場合に、ゼロ点の補正を行う。したがって、本例において、1サイクルで測定されたずれ量mod_iが規定範囲Tを外れることがゼロ点の補正を行う条件に該当する。補正部31は、ユーザ使用中に、ずれ量mod_iに基づきオフセット量Cを算出し、このオフセット量Cを第2補正値Bに加算することにより、ゼロ点の補正を行う。
図7に示すように、規定範囲Tは、上限Tmax及び下限Tminを有している。補正部31は、1サイクル内で測定したずれ量mod_iの最大値Δimax及び規定範囲Tの上限Tmaxのうち大きい方と、測定したずれ量mod_iの最小値Δimin及び規定範囲Tの下限Tminのうち小さい方との平均値から求まる中心ずれ量C1を求める。補正部31は、求めた中心ずれ量C1を基に、式(10)によりオフセット量Cを求める。補正部31は、第2補正値Bを、オフセット量Cを加算した新たな第2補正値B´で更新し、これを記憶部32に記憶する。
また、補正部31は、オフセットを行う度に、規定範囲Tを更新する。補正部31は、中心ずれ量C1の算出に用いた値の組をオフセットした範囲に、規定範囲Tを更新して記憶部32に記憶する。具体的には、補正部31は、「Δimax」及び「Tmax」のうち大きい方を、「−C1」だけオフセットした値を、新たな上限Tmaxとする。また、補正部31は、「Δimin」及び「Tmin」のうち小さい方を、「−C1」だけオフセットした値を、新たな下限Tminとする。補正部31は、次のサイクルでは、更新された規定範囲Tを用いて処理を行う。
以下、本実施形態の作用について説明する。ここでは、1サイクル内で測定されたずれ量mod_iの値の範囲が、図7に示す範囲R1、範囲R2、範囲R3、及び範囲R4をとる場合の、補正部31の処理について説明する。
範囲R1は、「Tmax」より小さい最大値Δimax(R1)と、「Tmin」より大きい最小値Δimin(R1)とを有するものとする。範囲R2は、「Tmax」より小さい最大値Δimax(R2)と、「Tmin」より小さい最小値Δimin(R2)とを有するものとする。範囲R3は、「Tmax」より大きい最大値Δimax(R3)と、「Tmin」より大きい最小値Δimin(R3)とを有するものとする。範囲R4は、「Tmax」より大きい最大値Δimax(R4)と、「Tmin」より小さい最小値Δimin(R4)とを有するものとする。
ずれ量mod_iの値の範囲が範囲R1をとる場合、補正部31は、ずれ量mod_iが規定範囲Tを外れていないと判定する。このとき、補正部31は、ゼロ点の補正を行わない。また、規定範囲Tは、維持される。
ずれ量mod_iの値の範囲が範囲R2をとる場合、補正部31は、ずれ量mod_iが規定範囲Tを外れていると判定する。補正部31は、上限Tmaxと最小値Δimin(R2)とを用いて中心ずれ量C1を演算し、これからオフセット量Cを求める。また、補正部31は、上限Tmaxと最小値Δimin(R2)とをそれぞれ「−C1」だけオフセットした値に、上限Tmax及び下限Tminを更新する。
ここで、この中心ずれ量C1の演算についての考え方を説明する。上限Tmaxは、初期設定からこれまでに検出された中で、最もプラス側に乖離の大きい値である。また、このサイクルでは上限Tmaxを超えるずれ量mod_iが検出されなかったものの、今後、潜在的に上限Tmaxと同じ値のずれ量mod_iが検出され得る。さらに、最小値Δimin(R2)がこれまでに検出された最もマイナス側に乖離の大きい値である。そのため、検出され得る値の中で、最も乖離の大きい上限Tmax及び最小値Δimin(R2)の組を演算に用いる。
ずれ量mod_iの値の範囲が範囲R3をとる場合、補正部31は、ずれ量mod_iが規定範囲Tを外れていると判定する。補正部31は、最大値Δimax(R3)と下限Tminとを用いて中心ずれ量C1を演算し、これからオフセット量Cを求める。また、補正部31は、最大値Δimax(R3)と下限Tminとをそれぞれ「−C1」だけオフセットした値に、上限Tmax及び下限Tminを更新する。この場合も、範囲R2の場合と同様の考え方に沿って、検出され得る値の中で、最も乖離の大きい最大値Δimax(R3)及び下限Tminの組を演算に用いる。
ずれ量mod_iの値の範囲が範囲R4をとる場合、補正部31は、ずれ量mod_iが規定範囲Tを外れていると判定する。補正部31は、最大値Δimax(R4)と最小値Δimin(R4)とを用いて中心ずれ量C1を演算し、これからオフセット量Cを求める。また、補正部31は、最大値Δimax(R4)と最小値Δimin(R4)とをそれぞれ「−C1」だけオフセットした値に、上限Tmax及び下限Tminを更新する。この場合も、検出され得る値の中で、最も乖離の大きい最大値Δimax(R4)及び最小値Δimin(R4)の組を演算に用いる。
図8に示すように、S201では、イグニッションサイクルの1サイクルが完了した場合に、マイクロコンピュータ20は、ゼロ点の補正の処理を開始する。なお、マイクロコンピュータ20は、1サイクルの期間中、自動でずれ量mod_iの測定をしている。マイクロコンピュータ20は、例えば周期数iの丸め前の値と丸め後の値との差によって、ずれ量mod_iを測定する。
S202では、補正部31は、1サイクル内で測定されたずれ量mod_iが、記憶部32に記憶された規定範囲Tを外れたか否かを判定する。補正部31は、ずれ量mod_iが規定範囲Tを外れた場合、S203へ移行する。一方、補正部31は、ずれ量mod_iが規定範囲T内に収まる場合、処理を終了する。
S203では、補正部31は、測定したずれ量mod_iの最大値Δimax及び規定範囲Tの上限Tmaxのうち大きい方と、測定したずれ量mod_iの最小値Δimin及び規定範囲Tの下限Tminのうち小さい方との平均値から求まる中心ずれ量C1を求める。そして、補正部31は、求めた中心ずれ量C1を基によりオフセット量Cを求め、このオフセット量Cを第2補正値Bに加算して、ゼロ点の補正を行う。これにより、ずれ量mod_iが「−C1」だけオフセットされ、中心ずれ量C1をゼロになるようにゼロ点が補正される。補正部31は、ずれ量mod_iが規定範囲Tを外れる度に更新するので、初期設定後に、ずれ量mod_iが変化した場合でも、ゼロ点を補正することができる。また、検出され得る値の中で、最も乖離の大きい値の組を用いて中心ずれ量C1を計算するので、好適にゼロ点を補正することができる。
S204では、補正部31は、中心ずれ量C1の演算に用いた値の組をオフセットした値で規定範囲Tを更新する。上述の通り、検出され得る値の中で、最も乖離の大きい値の組で規定範囲Tを更新するので、規定範囲Tを好適に広げることができる。
また、ステアリングシャフト11の絶対回転角度θは、第1従動歯車14の回転角度αと、第1従動歯車14の周期数iから求められる値である(式(3)参照)。S203において、ずれ量mod_iをオフセットするにあたって、回転角度βを補正する第2補正値Bのみを補正した。すなわち、絶対回転角度θの演算に直接影響する回転角度αを補正しないので、ずれ量mod_iをオフセットするための補正によって絶対回転角度θの検出精度を低下してしまうという事態の発生を抑制できる。むしろ、ずれ量mod_iをオフセットすることにより周期数iが誤った値になり難いので、それだけ、絶対回転角度θの検出精度の低下を抑制できる。
以下、本実施形態の効果について説明する。
(1)回転角検出装置10は、第1磁気センサ18のセンサ出力のゼロ点と、第2磁気センサのセンサ出力のゼロ点とのうち少なくとも一方を補正する補正部31を備えている。補正部31は、第1従動歯車14の周期数iを演算し、周期数iを演算するにあたって計算上発生するずれ量mod_iを測定し、規定範囲Tとずれ量mod_iとを基にゼロ点を補正する一連の処理を、ユーザ使用中に実行する。この構成によれば、ユーザ使用中に、例えば気温が変化するなど環境の変化が生じ、ずれ量mod_iが変化した場合でも、ゼロ点を補正することができる。したがって、回転角の検出精度悪化を抑制できる。
(2)回転角検出装置10は、規定範囲Tの上限Tmax及び下限Tminを記憶する記憶部32を備えている。補正部31は、測定したずれ量mod_iが、規定範囲Tを外れた場合に、ゼロ点の補正を行う。この構成によれば、周期数iの計算値が真値から大きく乖離して規定範囲Tを超えた場合に、ゼロ点の補正を行うことができる。
(3)周期数iは、四捨五入によって端数が丸められた数値である。また、補正部31は、規定範囲Tの上限Tmax及びずれ量mod_iの最大値Δimaxのうち大きい方と、規定範囲Tの下限Tmin及びずれ量mod_iの最小値Δiminのうち小さい方との平均値から中心ずれ量C1を求める。補正部31は、中心ずれ量C1がゼロとなるようにずれ量mod_iをオフセットさせる。この構成によれば、周期数iのずれ量mod_iは、ゼロを中心とした範囲の中に入り易くなる。これにより、ずれ量mod_iを端数として四捨五入して周期数iを求める場合、端数の繰り上げや繰り下げに影響を受け難くなるので、周期数iが誤った値をとる可能性が低くなる。また、中心ずれ量C1の算出において、検出され得る値の中で最も乖離の大きい値の組を用いるので、好適にゼロ点を補正することができる。
(4)補正部31は、ゼロ点を補正した場合、記憶部32に記憶された規定範囲Tの上限Tmax及び下限Tminの値を変更後の新たな値に更新する。この構成によれば、ユーザ使用中に規定範囲Tを補正することができる。これにより、回転角の検出精度の悪化抑制に寄与できる。また、検出され得る値の中で、最も乖離の大きい値の組を用いて、規定範囲Tを更新すれば、規定範囲Tを好適に広げることができる。
(5)補正部31は、規定範囲T及びずれ量mod_iを基にオフセット量Cを演算し、第2補正値Bを補正する。この構成によれば、この構成によれば、ステアリングシャフト11の回転角演算に直接関係のない第2磁気センサ19のセンサ出力の第2補正値Bを、第1磁気センサ18のセンサ出力のずれも含めて補正する。よって、回転角検出装置10において、回転角の検出精度悪化を抑制するのに一層有利となる。
(6)回転角検出装置10は、第1磁気センサ18及び第2磁気センサ19のセンサ出力のゼロ点の基準を合わせ、ずれ量mod_iを測定して、ずれ量mod_iを基にゼロ点を補正する一連の処理を、初期の検査時に実行する初期設定部22を備えている。この構成によれば、初期設定時に補正されたゼロ点を、ユーザ使用中にも補正できる。これにより、回転角の検出精度悪化を抑制するのに一層有利となる。
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
[補正部31によるゼロ点の補正について]
・補正部31は、中心ずれ量C1をゼロとなるように補正を行ったが、これに限定されず、中心ずれ量C1をゼロの近傍の値になるように補正するのでもよい。
・周期数iの端数の丸め方法及びずれ量mod_iの計算上の限度は、変更できる。例えば、切り上げや切り捨てにより端数を丸めてもよい。ただし、小数点以下の端数を切り上げる場合、ずれ量mod_iの計算上の限度は、−1.0を超え0以下の範囲である。また、小数点以下の端数を切り捨てる場合、ずれ量mod_iの計算上の限度は、0以上1.0未満である。すなわち、丸め方法に応じて、ずれ量mod_iの計算上の限度は適宜変更される。
・ずれ量mod_iは、周期数iにおいて端数となる小数点以下の値に相当するものに限定されず、理想の周期数iに対するずれ量であれば、種々のパラメータが適用可能である。
・回転情報は、周期数iに限定されず、歯車回転に係るパラメータであればよい。
・補正部31によるずれ量mod_iの測定方法は、周期数iの丸め前後の値の差を計算するのでもよいし、別の装置により測定された周期数iの真値を取得し、この真値と周期数iとの差を計算するのでもよい。すなわち、ずれ量mod_iの測定方法は、特に限定されない。
・補正部31によるずれ量mod_iの測定サイクルは、イグニッションサイクルに従うことに限定されない。例えば、一定間隔で測定されてもよいし、ユーザによる操作の実行により測定を行うものでもよい。
・補正部31がゼロ点の補正を行う所定の条件は、特に限定されない、補正部31は、測定されたずれ量mod_iが規定範囲Tを外れた場合、ずれ量mod_iがゼロから所定幅以上乖離した場合、一定時間が経過した場合、ユーザによる操作が実行された場合、又はこれらの組み合わせの場合に補正を実行してもよい。
・補正部31において、規定範囲Tとずれ量mod_iとを基にゼロ点を補正するとは、補正を行う条件の判定、及びゼロ点補正の演算の少なくとも一方を、規定範囲Tとずれ量mod_iとを基に行うことである。例えばずれ量mod_iが規定範囲Tを外れた場合に、測定されたずれ量mod_iのみを用いてオフセット量Cを算出してもよい。また、ずれ量mod_iが固定の閾値を超えた場合に、規定範囲T及びずれ量mod_iをパラメータに用いてオフセット量Cを算出してもよい。
・補正部31は、初期設定において設定されたゼロ点補正値を調整することに限定されず、ゼロ点を調整する別のパラメータを補正するものであってもよい。
・補正部31は、第1磁気センサ18のゼロ点を調整してもよいし、第2磁気センサ19のゼロ点を調整してもよいし、これらの両方を調整してもよい。すなわち、第1磁気センサ18及び第2磁気センサ19の少なくとも一方のゼロ点を調整すればよい。
[初期設定について]
・初期設定におけるずれ量mod_iの測定時、絶対回転角度θの検出方法は限定されない。例えば、回転角検出装置10とは別の測定器を用いて測定した絶対回転角度θを、マイクロコンピュータ20に入力するようにしてもよい。また、例えば予め決められた角速度で主動歯車13を回転させ、主動歯車13の回転を開始してからの時間に基づき、初期補正部24が絶対回転角度θを検出するようにしてもよい。すなわち、初期設定における絶対回転角度θの検出方法は、適宜変更可能である。
・初期設定部22は、回転角検出装置10とは別の装置に設けられてもよい。
・初期設定部22におけるゼロ点の補正方法と、補正部31によるゼロ点の補正方法は異なるものであってもよい。また、初期設定の方法は、特に限定されない。
・初期設定は、演算から導かれたオフセット量Cでゼロ点を調整する作業に限らず、例えば作業者がオフセット量Cとして固定値を入力する作業としてもよい。
[その他]
・第1磁気センサ18及び第2磁気センサ19の検出範囲Ωは、センサの特性により適宜変更される。
・第1センサ及び第2センサは、MRセンサに限定されない。例えば、他の磁気式や光学式のセンサが適用できる。
・歯車の歯数m、L、zは適宜変更可能である。ただし、これらの歯数間において、次の関係を保つ必要がある。すなわち、「z>m、L」かつ「m≠L」という関係式が成立するように歯数を設定する。この場合、歯数の少ない方の従動歯車が本例における第1従動歯車に相当する。
・歯車の噛合の態様は特に限定されない。例えば、主動歯車13に第1従動歯車14及び第2従動歯車15がそれぞれ噛合していてもよい。
・回転角検出装置10は、ステアリングの回転角を検出するステアリングアングルセンサに限定されない。回転体全般について、その回転態様を検出する回転検出装置に適用可能である。
次に、上記実施形態及び変形例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)回転体と一体回転する主動歯車に第1従動歯車及び第2従動歯車が連動するように組み付けられ、前記第1従動歯車の回転を第1センサにより検出し、前記第2従動歯車の回転を第2センサにより検出し、前記第1センサ及び前記第2センサのセンサ出力を基に前記回転体の回転角を演算することと、前記第1従動歯車及び前記第2従動歯車の回転時の前記第1センサ及び前記第2センサのセンサ出力の基準が合うように、前記第1センサの前記センサ出力のゼロ点と前記第2センサの前記センサ出力のゼロ点とが調整されている場合、これらゼロ点のうち少なくとも一方を補正することと、を行うように構成された回路を備え、前記回路は、前記第1センサ及び前記第2センサのセンサ出力を基に前記第1従動歯車及び前記第2従動歯車の少なくとも一方の回転情報を演算し、前記回転情報を演算するにあたって計算上発生するずれ量を測定し、上限及び下限を有する範囲と前記ずれ量とを基に、前記ゼロ点を補正する一連の処理を、ユーザ使用中に実行するように構成される回転角検出装置。
(ロ)回転体と一体回転する主動歯車に第1従動歯車及び第2従動歯車が連動するように組み付けられ、前記第1従動歯車の回転を第1センサにより検出し、前記第2従動歯車の回転を第2センサにより検出し、前記第1センサ及び前記第2センサのセンサ出力を基に前記回転体の回転角を演算する回転角検出装置の補正方法であって、前記第1従動歯車及び前記第2従動歯車の回転時の前記第1センサ及び前記第2センサのセンサ出力の基準が合うように、前記第1センサの前記センサ出力のゼロ点と前記第2センサの前記センサ出力のゼロ点とが調整されている場合、これらゼロ点のうち少なくとも一方を補正することを備え、前記第1センサ及び前記第2センサのセンサ出力を基に前記第1従動歯車及び前記第2従動歯車の少なくとも一方の回転情報を演算し、前記回転情報を演算するにあたって計算上発生するずれ量を測定し、上限及び下限を有する範囲と前記ずれ量とを基に、前記ゼロ点を補正する一連の処理を、ユーザ使用中に実行することを含む補正方法。
(ハ)回転体と一体回転する主動歯車に第1従動歯車及び第2従動歯車が連動するように組み付けられ、前記第1従動歯車の回転を第1センサにより検出し、前記第2従動歯車の回転を第2センサにより検出し、前記第1センサ及び前記第2センサのセンサ出力を基に前記回転体の回転角を演算する回転角検出装置の補正装置であって、前記第1従動歯車及び前記第2従動歯車の回転時の前記第1センサ及び前記第2センサのセンサ出力の基準が合うように、前記第1センサの前記センサ出力のゼロ点と前記第2センサの前記センサ出力のゼロ点とが調整されている場合、これらゼロ点のうち少なくとも一方を補正する補正部を備え、前記補正部は、前記第1センサ及び前記第2センサのセンサ出力を基に前記第1従動歯車及び前記第2従動歯車の少なくとも一方の回転情報を演算し、前記回転情報を演算するにあたって計算上発生するずれ量を測定し、上限及び下限を有する範囲と前記ずれ量とを基に、前記ゼロ点を補正する一連の処理を、ユーザ使用中に実行する補正装置。
10…回転角検出装置、11…ステアリングシャフト、12…ハウジング、13…主動歯車、14…第1従動歯車、15…第2従動歯車、16…第1磁石、17…第2磁石、18…第1磁気センサ、19…第2磁気センサ、20…マイクロコンピュータ、21…角度演算部、22…初期設定部、23…ゼロ点調整部、24…初期補正部、31…補正部、32…記憶部。

Claims (6)

  1. 回転体と一体回転する主動歯車に第1従動歯車及び第2従動歯車が連動するように組み付けられ、前記第1従動歯車の回転を第1センサにより検出し、前記第2従動歯車の回転を第2センサにより検出し、前記第1センサ及び前記第2センサのセンサ出力を基に前記回転体の回転角を演算する角度演算部と、
    前記第1従動歯車及び前記第2従動歯車の回転時の前記第1センサ及び前記第2センサのセンサ出力の基準が合うように、前記第1センサの前記センサ出力のゼロ点と前記第2センサの前記センサ出力のゼロ点とが調整されている場合、これらゼロ点のうち少なくとも一方を補正する補正部とを備え、
    前記補正部は、前記第1センサ及び前記第2センサのセンサ出力を基に前記第1従動歯車及び前記第2従動歯車の少なくとも一方の回転情報を演算し、前記回転情報を演算するにあたって計算上発生するずれ量を測定し、上限及び下限を有する範囲と前記ずれ量とを基に、前記ゼロ点を補正する一連の処理を、ユーザ使用中に実行する
    回転角検出装置。
  2. 前記上限及び前記下限の各値が記憶された記憶部を備え、
    前記補正部は、ユーザ使用中において、予め前記記憶部に記憶されている上限及び下限の前記範囲内から前記ずれ量が外れた場合に、前記ゼロ点の補正を実行する
    請求項1に記載の回転角検出装置。
  3. 前記回転情報は、端数が四捨五入される数値であり、
    前記補正部は、前記ずれ量の最大値及び前記上限のうち大きい方と、前記ずれ量の最小値及び前記下限のうち小さい方との平均値から求まる前記ずれ量の範囲の中心としての中心ずれ量を算出し、前記中心ずれ量がゼロ又はその近傍となるように前記ゼロ点を補正する
    請求項1又は2に記載の回転角検出装置。
  4. 前記補正部は、前記ゼロ点を補正した場合、記憶部に記憶された前記上限及び下限の値を、変更後の新たな値に更新する
    請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の回転角検出装置。
  5. 前記補正部は、前記範囲と前記ずれ量とに基づいてオフセット量を演算し、前記第1センサのセンサ出力と前記第1センサの前記回転情報とを基に前記回転体の回転角が演算される場合に、前記オフセット量を基に前記第2センサの前記ゼロ点を補正する
    請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の回転角検出装置。
  6. 前記第1センサ及び前記第2センサの前記センサ出力の前記ゼロ点の基準を合わせ、前記回転情報の前記ずれ量を測定して、前記ずれ量を基に前記ゼロ点を補正する一連の処理を、初期の検査時に実行する初期設定部を備える
    請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の回転角検出装置。
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