JP5706355B2 - 回転角度検出装置 - Google Patents
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Description
次に、回転角度検出装置11の電気的構成を説明する。図3に示すように、回転角度検出装置11は、前述した第1及び第2の磁気センサ20,21、並びにマイクロコンピュータ23に加えて、電源回路24を備えている。電源回路24は、図示しない車両のバッテリから入力される電圧を、第1及び第2の磁気センサ20,21、並びにマイクロコンピュータ23等の回転角度検出装置11の各部にそれぞれ応じた所定レベルの電圧に変換し、それら電圧を回転角度検出装置11の各部に供給する。第1及び第2の磁気センサ20,21、並びにマイクロコンピュータ23等はそれぞれ電源回路24から安定して供給される所定レベルの電圧を動作電源として動作する。
第1及び第2の磁気センサ20,21は、それぞれ四つの異方性磁気抵抗素子(AMR素子)をブリッジ状に接続した回路を備えている。この異方性磁気抵抗素子は、異方性磁気抵抗効果を有するNi−Co等の強磁性体からなり、その抵抗値は与えられる磁界(正確には、磁束の向き)に応じて変化する。そして、第1及び第2の磁気センサ20,21は、それらに与えられる磁界の変化(正確には、磁束の向きの変化)に応じて前記ブリッジ状の回路の中点電位を磁束の検出信号として出力する。
マイクロコンピュータ23は、CPU(中央演算装置)25、EEPROM(電気的に書き換えできるROM)26及びRAM(書き込み読み出し専用メモリ)27等を備えている。
γ=f{(α−β)} …(式1)
続いて、この内部角度γに検出範囲角度ε考慮することにより、内部補正角度σを求め、当該内部補正角度σに零点角度γ0を考慮することにより、ステアリングシャフト12の回転角度θを求める。内部補正角度σは次の(式2−1)〜(式2−3)のいずれか、回転角度θは次の(式3)で表される。内部補正角度σの算出に(式2−1)〜(式2−3)のいずれを採用するかについては、後に詳細に説明する。なお、これら(式1)、(式2−1)〜(式2−3)、及び(式3)は、予めEEPROM26に記憶されている。
σ=γ−ε …(式2−2)
σ=γ …(式2−3)
θ=σ−γ0 …(式3)
CPU25の角度演算部28は、(式1)と(式2−1)〜(式2−3)いずれかと(式3)との組み合わせに基づいてステアリングシャフト12の回転角度θを算出する。そして、算出した回転角度θを、車両安定性制御システム及び電子制御サスペンションシステム等の走行安定性を向上させるための種々のシステム(正確には、それらの制御装置)に送る。
まず、検出範囲角度εを考慮することについて説明する。上述したように、回転角度検出装置11は、主動歯車14に歯数の異なる第1及び第2の従動歯車15,16を噛み合わせた構成とされている。従って、主動歯車14が際限なく回転するとすれば、当該主動歯車14が検出範囲角度εだけ回転する度に第1及び第2の従動歯車15,16の回転角度α,βの差は、同一の値となる。すなわち、主動歯車14が検出範囲角度εの範囲内で回転すると仮定すれば、第1及び第2の従動歯車15,16の回転角度α,βの差から主動歯車14の回転角度(内部角度γ)を求めることができる。従って、検出範囲角度εは、回転可能角度δを含んでいる必要がある。なお、本例の回転角度検出装置11の検出範囲角度εは、ステアリングシャフト12の回転可能角度δ(Lock to Lock)と等しく設定されるものとする。
次に、回転角度検出装置11による零点角度γ0の演算処理について図6に示すフローチャートに従って説明する。当該処理は、EEPROM26に格納されたキャリブレーションプログラムに沿って実行される。
次に、回転角度検出装置11によるステアリングシャフト12の回転角度θの演算処理について図7に示すフローチャートに従って説明する。当該処理は、EEPROM26に格納された回転角度算出プログラムに沿って実行される。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)CPU25は、内部角度γと、零点角度γ0から検出範囲角度εを2で割ったものを引いた値、及び零点角度γ0と検出範囲角度εを2で割ったものとを足し合わせた値との大小関係をそれぞれ比較することにより、内部角度γに検出範囲角度εを足す又は引く補正処理の要否を判断する。そして、補正処理が必要であれば内部角度γに補正処理を施した内部補正角度σを算出する。また補正処理が必要なければ内部角度γを内部補正角度σとして取り扱う。そして、内部補正角度σから零点角度γ0を引くことによりステアリングシャフト12の回転角度θを求める。以上からわかるように、回転角度θを算出するまでにCPU25における判断処理は、内部角度γと、零点角度γ0から検出範囲角度εを2で割ったものを引いた値、及び零点角度γ0と検出範囲角度εを2で割ったものとを足し合わせた値との大小関係の比較のみである。すなわち、本例の回転角度検出装置11では、CPU25は、例えば内部角度γの増減等を監視する必要がないため、回転角度θを算出するまでにCPU25にかかる負荷が小さい。このため、内部角度γの増減等を監視する必要がある回転角度検出装置11に比べて回転角度θを算出するまでにかかる時間が短い。
・上記実施形態において、図7に示すステップS2−4の処理は、ステップS2−3、又はステップS2−6、又はステップS2−7の処理と同時に行ってもよい。このように処理すれば、上記実施形態と同様の効果を得るとともに、回転角度θの演算にかかる処理が1つ少ないので、当該回転角度θの演算にかかる時間は上記実施形態よりも短い。なお、この場合、EEPROM26に記憶される回転角度θを算出する(式4−1)〜(式4−3)は、上述の(式2−1)〜(式2−3)と(式3)とを組み合わせたものとなる。
θ=γ−ε−γ0 …(式4−2)
θ=γ−γ0 …(式4−3)
・上記実施形態において、各種のデータの記憶手段として、EEPROM26を使用するようにしたが、他の種類の不揮発メモリ(ROM)を使用するようにしてもよい。例えば、フラッシュメモリ、EPROM(消去及び書き込み可能なROM)等が記憶手段として採用可能である。
・上記実施形態において、回転角度検出装置11をステアリングシャフト12の回転角度θを検出するために使用したが、例えばエンジンのクランクシャフト、産業用ロボットのアーム部等の他の回転体(被検出物)の回転角度を求めるために使用してもよい。
(イ)請求項1又は2に記載の回転角度検出装置において、前記検出手段は、前記2つの従動歯車に一体回転可能に設けられた磁石と、前記磁石に対向するように配設されるとともに、当該磁石から発せられる磁界の方向の変化又は磁界の強度の変化に応じた検出信号を出力する磁気センサと、を備える回転角度検出装置。
Claims (1)
- 被検出物と一体的に回転する主動歯車に2つの従動歯車を噛合させて前記主動歯車の回転に伴う前記2つの従動歯車の回転角度をそれぞれ検出する検出手段と、
前記検出手段において検出した回転角度に基づいて前記主動歯車の回転角度である内部角度を算出する内部角度算出手段と、
前記内部角度が前記被検出物の回転可能範囲に含まれるか否かを判断する補正判断手段と、
前記補正判断手段において、前記内部角度が前記被検出物の回転可能範囲に含まれないと判断された場合に、前記内部角度が前記被検出物の回転可能範囲に含まれるように補正し、当該補正後の前記内部角度に基づき前記被検出物の回転角度を算出する回転角度算出手段と、
前記主動歯車が同一の方向に回転したときに前記2つの従動歯車の回転角度がある値からこれと同一の値となるまで変化したときの前記主動歯車の回転角度である検出範囲角度と、前記被検出物が回転することができる回転可能範囲の中央値と対応する前記主動歯車の回転角度である零点角度とを記憶する記憶手段と、を備え、
前記補正判断手段は、前記零点角度から前記検出範囲角度を2で割ったものを引いた値と前記内部角度との大小関係、前記零点角度と前記検出範囲角度を2で割ったものとを足し合わせた値と前記内部角度との大小関係を比較し、前記内部角度が前記零点角度から前記検出範囲角度を2で割ったものを引いた値より小さい場合、又は前記内部角度が前記零点角度と前記検出範囲角度を2で割ったものとを足し合わせた値よりも大きい場合に、前記内部角度が前記被検出物の回転可能範囲内に含まれないと判断し、
前記回転角度算出手段は、前記内部角度が前記零点角度から前記検出範囲角度を2で割ったものを引いた値より小さい場合には、前記補正として前記内部角度に前記検出範囲角度を足し、前記内部角度が前記零点角度と前記検出範囲角度を2で割ったものとを足し合わせた値よりも大きい場合には、前記補正として前記内部角度から前記検出範囲角度を引き、当該補正後の内部角度から前記零点角度を引くことによって前記被検出物の回転角度を算出する回転角度検出装置。
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JP2012027493A JP5706355B2 (ja) | 2012-02-10 | 2012-02-10 | 回転角度検出装置 |
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