JP2013120125A - 回転角度検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】組付工数及びコストが抑制される絶対角度検出方式の回転角度検出装置を提供する。
【解決手段】回転角度検出装置11は、ステアリングシャフト12と一体的に回転する主動歯車14a,14bに噛合する第1及び第2の従動歯車15,16を備える。第1の従動歯車15には第1の磁石17が、第2の従動歯車16には第2の磁石18が固定される。回転角度検出装置11は、第1及び第2の磁石17,18の間に、これらにより形成される合成磁界を検出する磁気センサ20を備える。回転角度検出装置11のCPU25は、磁気センサ20を通じて検出する合成磁界の強さに基づいて、主動歯車14a,14b、すなわちステアリングシャフト12の回転角度を算出する。
【選択図】図3
【解決手段】回転角度検出装置11は、ステアリングシャフト12と一体的に回転する主動歯車14a,14bに噛合する第1及び第2の従動歯車15,16を備える。第1の従動歯車15には第1の磁石17が、第2の従動歯車16には第2の磁石18が固定される。回転角度検出装置11は、第1及び第2の磁石17,18の間に、これらにより形成される合成磁界を検出する磁気センサ20を備える。回転角度検出装置11のCPU25は、磁気センサ20を通じて検出する合成磁界の強さに基づいて、主動歯車14a,14b、すなわちステアリングシャフト12の回転角度を算出する。
【選択図】図3
Description
本発明は、回転体の角度を検出する回転角度検出装置に関するものである。
近年では、車両の高機能化に伴い、車両には車両安定性制御システム及び電子制御サスペンションシステム等の走行安定性を向上させるための種々のシステムが搭載されつつある。これらシステムは、ステアリングの操舵角を車両の姿勢情報の一つとして取得し、その姿勢情報に基づいて車両の姿勢が安定的な状態になるように制御する。そのため、ステアリングの操舵角を検出するための回転角度検出装置が例えば車両のステアリングコラム内に組み込まれている。この種の回転角度検出装置としては、操舵角を絶対値で検出する絶対角検出方式及び操舵角を相対値で検出する相対角検出方式がある。いずれの検出方式にするかは製品仕様等に応じて決定される。
そうした2方式のうち絶対角検出方式の回転角度検出装置としては、例えば特許文献1に示される構成が知られている。この回転角度検出装置は、ステアリングシャフトと一体的に回転する主動歯車、及び当該主動歯車に歯合する2つの従動歯車を備えている。両従動歯車には磁石が一体回転可能に設けられている。また、2つの従動歯車の歯数は異なっており、これにより主動歯車の回転に伴う両従動歯車の回転角度を異ならせるようにしている。そして、回転角度検出装置の制御装置は、両従動歯車にそれぞれ対応して設けられた、すなわち2つの磁気センサにより両従動歯車の回転角度を検出し、それら検出した回転角度に基づいてステアリングシャフトの回転角度を求める。
前記従来の回転角度検出装置は、2つの磁気センサを採用しているため、2つ分の組付工数及びコストがかかるという課題があった。
本発明は、こうした実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、組付工数及びコストが抑制される絶対角度検出方式の回転角度検出装置を提供することにある。
本発明は、こうした実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、組付工数及びコストが抑制される絶対角度検出方式の回転角度検出装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、被検出物と一体的に回転する主動歯車と、前記主動歯車に噛合し、当該主動歯車の回転に伴い異なる速度で回転する2つの従動歯車と、前記2つの従動歯車のそれぞれに固定される2つの磁石と、前記2つの磁石の間に設けられて、当該2つの磁石により形成される合成磁界を検出する磁気センサと、前記磁気センサによって検出される合成磁界の強さに基づいて前記被検出物の回転角度を算出する制御手段とを備えたことを要旨とする。
従来の回転角度検出装置では、2つの従動歯車のそれぞれに固定され、当該従動歯車の回転に伴い回転する2つの磁石によりそれぞれ形成される磁界を、2つの磁気センサによって検出することにより、主動歯車(被検出物)の回転角度を求めていた。このため、回転角度検出装置を組立てる際、磁気センサ2つ分の組付工数がかかる。その点、同構成によれば、2つの磁石により形成される合成磁界を1つの磁気センサにより検出する。主動歯車の回転角度と合成磁界の強さとの間には比例関係が存在するので、磁気センサが1つであっても、主動歯車の回転角度、ひいては被検出物の回転角度を求めることができる。このため、従来に比べ、磁気センサ1つ分の組付工数及びコストを抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の回転角度検出装置において、前記2つの従動歯車は、回転中心軸が一致するように且つ回転中心軸方向に沿って並んで設けられることを要旨とする。
同構成によれば、2つの従動歯車の回転中心軸が一致しているので、当該回転中心軸方向に2つの従動歯車が並ぶ。このため、回転角度検出装置を、2つの従動歯車の径方向において小型化することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の回転角度検出装置において、前記磁気センサは、前記2つの従動歯車の前記回転中心軸上に配設されることを要旨とする。
同構成によれば、従動歯車の回転の有無にかかわらず、磁気センサと2つの磁石それぞれとの距離が一定となる。従って、磁気センサにおいて、2つの磁石それぞれから発生する磁界の強さは、磁界の向きによらず一定である。このため、合成磁界の強さは、2つの磁石それぞれから発生する磁界の向きに依存する。このようにしても、制御手段は、合成磁界の強さから被検出物の回転角度を検出することができる。
同構成によれば、従動歯車の回転の有無にかかわらず、磁気センサと2つの磁石それぞれとの距離が一定となる。従って、磁気センサにおいて、2つの磁石それぞれから発生する磁界の強さは、磁界の向きによらず一定である。このため、合成磁界の強さは、2つの磁石それぞれから発生する磁界の向きに依存する。このようにしても、制御手段は、合成磁界の強さから被検出物の回転角度を検出することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の回転角度検出装置において、前記2つの磁石は、前記2つの従動歯車の前記回転中心軸上に設けられることを要旨とする。
同構成によれば、磁石と磁気センサとの距離は、磁石が従動歯車の他の位置(例えば、回転中心軸から従動歯車の径方向にずれた位置)に配設されている場合に比べて近くなる。磁石との距離が近いほど、当該磁石から発生する磁界の強さは強い。このため、磁気センサは、2つの磁石それぞれから発生する磁界が互いに打ち消し合って合成磁界の強さが弱くなった場合でも、合成磁界を検出しやすい。従って、制御手段は、合成磁界の強さから被検出物の回転角度を検出することができる。
同構成によれば、磁石と磁気センサとの距離は、磁石が従動歯車の他の位置(例えば、回転中心軸から従動歯車の径方向にずれた位置)に配設されている場合に比べて近くなる。磁石との距離が近いほど、当該磁石から発生する磁界の強さは強い。このため、磁気センサは、2つの磁石それぞれから発生する磁界が互いに打ち消し合って合成磁界の強さが弱くなった場合でも、合成磁界を検出しやすい。従って、制御手段は、合成磁界の強さから被検出物の回転角度を検出することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の回転角度検出装置において、前記2つの磁石は、互いに同じ強さの磁界を発生するものであって、前記磁気センサは、前記2つの磁石との距離が等しく配設されることを要旨とする。
同構成によれば、磁気センサにおいて、2つの磁石の磁石から発生する互いの磁界が完全に打ち消し合う状態を生じさせることができる。これを利用すれば、回転角度検出装置が検出する被検出物の回転角度と、実際の被検出物の回転角度とのずれの有無を容易に判断することができる。
本発明では、組付工数及びコストが抑制される絶対角度検出方式の回転角度検出装置を提供することができる。
以下、本発明を、ステアリングの操舵角を検出する回転角度検出装置に具体化した一実施の形態について図1〜図5を参照して説明する。
図1に示すように、回転角度検出装置11は、図示しないステアリングに一体回転可能に連結されたステアリングシャフト12に装着されている。回転角度検出装置11は、ステアリングシャフト12の周囲の図示しないステアリングコラム等の構造体に固定された箱体状のハウジング13を備えている。図2に示すように、このハウジング13内には、ステアリングシャフト12に一体回転可能に外嵌された第1及び第2の主動歯車14a,14bが収容されるとともに、当該第1及び第2の主動歯車14a,14bに噛合する第1及び第2の従動歯車15,16が回転可能に支持されている。従って、ステアリングシャフト12が回転すると、第1及び第2の主動歯車14a,14bは一体的に回転し、それに伴って第1及び第2の従動歯車15,16もそれぞれ回転する。なお、第1の主動歯車14aは、ピッチ円直径D1、モジュールM1、歯数Zとされている。第2の主動歯車14bは、ピッチ円直径D2、モジュールM2、歯数Zとされている。第1の従動歯車15は、ピッチ円直径d1、モジュールM1、歯数z1とされている。第2の従動歯車16は、ピッチ円直径d2、モジュールM2、歯数z2とされている。なお、各モジュールと歯数とが、次の(式1)を満たすように設定する。
図1に示すように、回転角度検出装置11は、図示しないステアリングに一体回転可能に連結されたステアリングシャフト12に装着されている。回転角度検出装置11は、ステアリングシャフト12の周囲の図示しないステアリングコラム等の構造体に固定された箱体状のハウジング13を備えている。図2に示すように、このハウジング13内には、ステアリングシャフト12に一体回転可能に外嵌された第1及び第2の主動歯車14a,14bが収容されるとともに、当該第1及び第2の主動歯車14a,14bに噛合する第1及び第2の従動歯車15,16が回転可能に支持されている。従って、ステアリングシャフト12が回転すると、第1及び第2の主動歯車14a,14bは一体的に回転し、それに伴って第1及び第2の従動歯車15,16もそれぞれ回転する。なお、第1の主動歯車14aは、ピッチ円直径D1、モジュールM1、歯数Zとされている。第2の主動歯車14bは、ピッチ円直径D2、モジュールM2、歯数Zとされている。第1の従動歯車15は、ピッチ円直径d1、モジュールM1、歯数z1とされている。第2の従動歯車16は、ピッチ円直径d2、モジュールM2、歯数z2とされている。なお、各モジュールと歯数とが、次の(式1)を満たすように設定する。
(Z+z1)×M1=(Z+z2)×M2 ・・・(式1)
このため、第1及び第2の主動歯車14a,14bの回転角度に対する第1及び第2の従動歯車15,16の回転角度はそれぞれ異なる。また、(式1)が満足するとき、図2に示すように、第1及び第2の従動歯車15,16は、互いの回転中心軸Oの軸方向が一致する。
このため、第1及び第2の主動歯車14a,14bの回転角度に対する第1及び第2の従動歯車15,16の回転角度はそれぞれ異なる。また、(式1)が満足するとき、図2に示すように、第1及び第2の従動歯車15,16は、互いの回転中心軸Oの軸方向が一致する。
第1及び第2の従動歯車15,16には、第1及び第2の磁石(永久磁石)17,18が一体回転可能に設けられている。第1の磁石17は、第1の従動歯車15の下部開口部を介して下方を臨むように、第2の磁石18は、第2の従動歯車16の上部開口部を介して上方を臨むように設けられている。また、ハウジング13の内部において、第1の従動歯車15と第2の従動歯車16との間には、プリント基板19が第1及び第2の従動歯車15,16の回転中心軸Oに対して直交するように配設されている。そして、当該プリント基板19の上面には、磁気センサ20が第1の磁石17に対向するように配設されている。ここでは、磁気センサ20は、第1及び第2の磁石17,18からの距離が等しくなるように配設されている。また、プリント基板19の下面において、第1及び第2の従動歯車15,16の回転中心軸Oからずれた位置には、マイクロコンピュータ23が設けられている。なお、マイクロコンピュータ23は、第2の従動歯車16に干渉しないように設けられている。また、第1及び第2の磁石17,18は、互いに同じ強さの磁界を発生する。
<電気的構成>
次に、回転角度検出装置11の電気的構成を説明する。図3に示すように、回転角度検出装置11は、前述した磁気センサ20、並びにマイクロコンピュータ23に加えて、電源回路24を備えている。電源回路24は、図示しない車両のバッテリから入力される電圧を、磁気センサ20、並びにマイクロコンピュータ23等の回転角度検出装置11の各部にそれぞれ応じた所定レベルの電圧に変換し、それら電圧を回転角度検出装置11の各部に供給する。磁気センサ20、並びにマイクロコンピュータ23等はそれぞれ電源回路24から安定して供給される所定レベルの電圧を動作電源として動作する。
次に、回転角度検出装置11の電気的構成を説明する。図3に示すように、回転角度検出装置11は、前述した磁気センサ20、並びにマイクロコンピュータ23に加えて、電源回路24を備えている。電源回路24は、図示しない車両のバッテリから入力される電圧を、磁気センサ20、並びにマイクロコンピュータ23等の回転角度検出装置11の各部にそれぞれ応じた所定レベルの電圧に変換し、それら電圧を回転角度検出装置11の各部に供給する。磁気センサ20、並びにマイクロコンピュータ23等はそれぞれ電源回路24から安定して供給される所定レベルの電圧を動作電源として動作する。
<磁気センサ>
磁気センサ20は、例えばホールICからなる。磁気センサ20は、第1及び第2の従動歯車15,16の径方向に任意に設定されるX方向及びY方向における磁界(磁束密度)を検出する。ここでは、図2に示すように、右方向をX方向、紙面に垂直方向をY方向とする。そして、磁気センサ20は、X方向の磁束密度に応じた電気信号と、Y方向の磁束密度に応じた電気信号とを生成する。なお、磁気センサ20は、第1の従動歯車15と第2の従動歯車16との間に配設されているので、図4(a)及び図4(b)に示すように、磁気センサ20の周囲には、第1の磁石17からの磁界と第2の磁石18からの磁界とが合成された合成磁界が形成される。従って、磁気センサ20は、合成磁界のX方向成分及びY方向成分を検出する。図3に示すように、磁気センサ20により生成された2つの電気信号は、マイクロコンピュータ23に送られる。
磁気センサ20は、例えばホールICからなる。磁気センサ20は、第1及び第2の従動歯車15,16の径方向に任意に設定されるX方向及びY方向における磁界(磁束密度)を検出する。ここでは、図2に示すように、右方向をX方向、紙面に垂直方向をY方向とする。そして、磁気センサ20は、X方向の磁束密度に応じた電気信号と、Y方向の磁束密度に応じた電気信号とを生成する。なお、磁気センサ20は、第1の従動歯車15と第2の従動歯車16との間に配設されているので、図4(a)及び図4(b)に示すように、磁気センサ20の周囲には、第1の磁石17からの磁界と第2の磁石18からの磁界とが合成された合成磁界が形成される。従って、磁気センサ20は、合成磁界のX方向成分及びY方向成分を検出する。図3に示すように、磁気センサ20により生成された2つの電気信号は、マイクロコンピュータ23に送られる。
<マイクロコンピュータ>
マイクロコンピュータ23は、CPU(中央演算装置)25、EEPROM(電気的に書き換えできるROM)26及びRAM(書き込み読み出し専用メモリ)27等を備えている。
マイクロコンピュータ23は、CPU(中央演算装置)25、EEPROM(電気的に書き換えできるROM)26及びRAM(書き込み読み出し専用メモリ)27等を備えている。
EEPROM26には、回転角度検出装置11の全体を統括的に制御するための各種の制御プログラム及びデータが予め格納されている。RAM27はEEPROM26の制御プログラムを展開してCPU25が各種処理を実行するためのデータ記憶領域、即ち作業領域である。
EEPROM26に格納される制御プログラムとしては、回転角度算出プログラムがある。回転角度算出プログラムは、磁気センサ20からの電気信号に基づいてステアリングシャフト12の回転角度θを絶対値で求めるためのプログラムである。
図3に示されるように、CPU25には、角度演算部28が設けられている。角度演算部28は、EEPROM26に格納された回転角度算出プログラムに従って、ステアリングシャフト12の回転角度θを求める。
次に、ステアリングシャフト12の回転に伴う合成磁界の変化について説明する。
前述したように、第1及び第2の従動歯車15,16の歯数は異なっていることから、第1及び第2の主動歯車14a,14bの回転に伴う第1及び第2の従動歯車15,16の回転角度も異なる値となる。このため、図4(a)及び図4(b)に示すように、磁気センサ20における合成磁界の向き及び強さも変化する。合成磁界は、ベクトルによって表されるので、例えば、図4(a)に示すように、第1及び第2の磁石17,18が、ともにX方向に向かってN極、S極の順とされている場合には、磁気センサ20における合成磁界を示すベクトルはX方向に向かう。合成磁界の大きさは、第1の磁石17の磁界と第2の磁石18の磁界とを足し合わせた磁界となる。この状態のとき、合成磁界の大きさは最大となる。図4(b)に示すように、第1の磁石17がX方向に向かってN極、S極の順とされ、第2の磁石18が、X方向に向かってS極、N極の順とされている場合には、磁気センサ20における合成磁界を示すベクトルは0(ゼロ)となる。第1の磁石17から磁気センサ20に入る磁界の向きと第2の磁石18から磁気センサ20に入る磁界の向きとは、互いに反対方向であって、これら磁界は互いに打ち消し合うからである。この状態のとき、合成磁界の大きさは最小となる。なお、本実施の形態では、磁気センサ20と第1の磁石17との距離、及び磁気センサ20と第2の磁石18との距離が等しく設定されていることと、第1及び第2の磁石17,18は、互いに同じ強さの磁界を発生することにより、図4(b)に示す状態、すなわち、合成磁界の大きさが最小となるとき、磁気センサ20における合成磁界の大きさは、0(零)となる。このように、磁気センサ20における合成磁界の向き及び強さは、第1及び第2の主動歯車14a,14b、すなわち、ステアリングシャフト12の回転角度θに応じて変化する。このため、ステアリングシャフト12の回転角度θに対して磁気センサ20における合成磁界のX方向及びY方向への強さは、図5に示すように変化する。なお、図5において、横軸の左端はステアリングシャフト12における反時計方向への回転限度、横軸の右端はステアリングシャフト12における時計方向への回転限度を示す。
前述したように、第1及び第2の従動歯車15,16の歯数は異なっていることから、第1及び第2の主動歯車14a,14bの回転に伴う第1及び第2の従動歯車15,16の回転角度も異なる値となる。このため、図4(a)及び図4(b)に示すように、磁気センサ20における合成磁界の向き及び強さも変化する。合成磁界は、ベクトルによって表されるので、例えば、図4(a)に示すように、第1及び第2の磁石17,18が、ともにX方向に向かってN極、S極の順とされている場合には、磁気センサ20における合成磁界を示すベクトルはX方向に向かう。合成磁界の大きさは、第1の磁石17の磁界と第2の磁石18の磁界とを足し合わせた磁界となる。この状態のとき、合成磁界の大きさは最大となる。図4(b)に示すように、第1の磁石17がX方向に向かってN極、S極の順とされ、第2の磁石18が、X方向に向かってS極、N極の順とされている場合には、磁気センサ20における合成磁界を示すベクトルは0(ゼロ)となる。第1の磁石17から磁気センサ20に入る磁界の向きと第2の磁石18から磁気センサ20に入る磁界の向きとは、互いに反対方向であって、これら磁界は互いに打ち消し合うからである。この状態のとき、合成磁界の大きさは最小となる。なお、本実施の形態では、磁気センサ20と第1の磁石17との距離、及び磁気センサ20と第2の磁石18との距離が等しく設定されていることと、第1及び第2の磁石17,18は、互いに同じ強さの磁界を発生することにより、図4(b)に示す状態、すなわち、合成磁界の大きさが最小となるとき、磁気センサ20における合成磁界の大きさは、0(零)となる。このように、磁気センサ20における合成磁界の向き及び強さは、第1及び第2の主動歯車14a,14b、すなわち、ステアリングシャフト12の回転角度θに応じて変化する。このため、ステアリングシャフト12の回転角度θに対して磁気センサ20における合成磁界のX方向及びY方向への強さは、図5に示すように変化する。なお、図5において、横軸の左端はステアリングシャフト12における反時計方向への回転限度、横軸の右端はステアリングシャフト12における時計方向への回転限度を示す。
図5に示すように、磁気センサ20における合成磁界のX方向成分及びY方向成分の振幅の大きさは、ステアリングシャフト12が反時計方向へ回転するに従って大きくなり、ステアリングシャフト12が時計方向へ回転するに従って小さくなる。これは、ステアリングシャフト12が反時計方向へ回転するに従って、第1及び第2の磁石17,18の位置関係が図4(a)に示す状態に、ステアリングシャフト12が時計方向へ回転するに従って、第1及び第2の磁石17,18の位置関係が図4(b)に示す状態に近づくためである。合成磁界の強さは、三平方の定理から、X方向における強さの2乗と、Y方向における強さの2乗とを足し合わせたものの平方根に等しい。従って、図5に示すように、ステアリングシャフト12の回転角度θに対し、磁気センサ20における合成磁界の強さは、直線的に変化する。すなわち、合成磁界の強さは主動歯車14a,14bの回転角度θに対して固有の値となる。このため、当該平方根の値に基づいて主動歯車14a,14b、即ちステアリングシャフト12の回転角度θ(絶対値)の即時検出が可能となる。
具体的には、ステアリングシャフト12の回転角度θは、磁気センサ20における合成磁界のX方向成分の強さX(式中では、Xの上に→を付したものの絶対値)の2乗と、Y方向成分の強さY(式中では、Yの上に→を付したものの絶対値)の2乗とを足し合わせたものの平方根の関数であり、(式2)のように表される。
<回転角度θの演算処理>
次に、回転角度検出装置11によるステアリングシャフト12の回転角度θの演算処理について説明する。当該処理は、EEPROM26に格納された回転角度算出プログラムに沿って実行される。
次に、回転角度検出装置11によるステアリングシャフト12の回転角度θの演算処理について説明する。当該処理は、EEPROM26に格納された回転角度算出プログラムに沿って実行される。
CPU25の角度演算部28は、磁気センサ20からの電気信号に基づいて、合成磁界のX方向の強さX及びY方向の強さYを得る。次に、得られた合成磁界のX方向の強さX及びY方向の強さYを、EEPROM26に記憶されている(式2)に代入することにより、ステアリングシャフト12の回転角度θを絶対値で求める。
以上の処理により、一つの磁気センサ20を使用してステアリングシャフト12の回転角度θを求めることができる。そして、CPU25は、角度演算部28において算出された精度の確保された回転角度θを、車両安定性制御システム及び電子制御サスペンションシステム等の走行安定性を向上させるための種々のシステム(正確には、それらの制御装置)に送る。
<実施の形態の効果>
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)第1及び第2の従動歯車15,16の回転中心軸Oの径方向に任意に設定されるX軸方向及びY軸方向における磁界の強さを検出する1つの磁気センサ20を設けた。磁気センサ20は、第1及び第2の従動歯車15,16に固定される第1及び第2の磁石17,18のそれぞれから発生する磁界による合成磁界の強さを検出する。CPU25は、合成磁界の強さに基づいて、第1及び第2の従動歯車15,16が噛合する第1及び第2の主動歯車14a,14b、ひいてはステアリングシャフト12の回転角度を算出する。このように、本例の回転角度検出装置11では、1つの磁気センサ20を採用するのみで、ステアリングシャフト12の回転角度を検出することができる。従って、第1及び第2の磁石17,18に対して2つの磁気センサを使用する従来の回転角度検出装置に比べ、磁気センサ1つ分の組付工数及び製品コストを抑制することができる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)第1及び第2の従動歯車15,16の回転中心軸Oの径方向に任意に設定されるX軸方向及びY軸方向における磁界の強さを検出する1つの磁気センサ20を設けた。磁気センサ20は、第1及び第2の従動歯車15,16に固定される第1及び第2の磁石17,18のそれぞれから発生する磁界による合成磁界の強さを検出する。CPU25は、合成磁界の強さに基づいて、第1及び第2の従動歯車15,16が噛合する第1及び第2の主動歯車14a,14b、ひいてはステアリングシャフト12の回転角度を算出する。このように、本例の回転角度検出装置11では、1つの磁気センサ20を採用するのみで、ステアリングシャフト12の回転角度を検出することができる。従って、第1及び第2の磁石17,18に対して2つの磁気センサを使用する従来の回転角度検出装置に比べ、磁気センサ1つ分の組付工数及び製品コストを抑制することができる。
(2)第1及び第2の従動歯車15,16は、回転中心軸(ここでは回転中心軸O)が一致するように設けた。これにより、回転角度検出装置11を、第1及び第2の従動歯車15,16の回転中心軸Oの径方向において、小型化することができる。
(3)第1及び第2の磁石17,18は、その回転中心軸が回転中心軸Oと一致するように第1及び第2の従動歯車15,16に固定した。これにより、磁気センサ20と第1の磁石17との距離、及び磁気センサ20と第2の磁石18との距離は一定となる。従って、磁気センサ20における第1及び第2の磁石17,18のそれぞれから発生する磁界の強さは、磁界の向きによらず一定である。このため、合成磁界の強さは、2つの磁石それぞれから発生する磁界の向きに依存する。これにより、CPU25は、合成磁界の強さから被検出物の回転角度を検出することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、第1及び第2の従動歯車15,16の回転中心軸は、一致していなくてもよい。このように構成した場合であれ、上記実施形態の(1)の効果と同様の効果を得ることができる。
・上記実施形態において、第1及び第2の従動歯車15,16の回転中心軸は、一致していなくてもよい。このように構成した場合であれ、上記実施形態の(1)の効果と同様の効果を得ることができる。
・上記実施形態において、第1及び第2の磁石17,18は、第1及び第2の従動歯車15,16において、回転中心軸Oからずれた位置に固定してもよい。このように構成した場合であれ、上記実施形態の(1)の効果と同様の効果を得ることができる。
・上記実施形態において、磁気センサ20は、第1及び第2の従動歯車15,16の回転中心軸からずれた位置に配設されてもよい。このように構成した場合、磁気センサにおける合成磁界の強さは、第1及び第2の磁石17,18の回転角度に加え、磁気センサと第1及び第2の磁石17,18との距離にも依存する。従って、CPU25は、磁気センサと第1及び第2の磁石17,18との距離を考慮すれば、磁気センサにおける合成磁界の強さから、ステアリングシャフト12の回転角度θを検出することができる。
・上記実施形態において、磁気センサ20は、同じ強さの磁界を発生させる第1及び第2の磁石17,18との距離が等しくなる位置に配設した。このため、図5の右端に示すように、第1及び第2の磁石17,18の回転角度によっては、磁気センサ20において、合成磁界を検出できない角度((本例では、図4(b)に示す状態))が存在する。従って、これを利用すれば、回転角度検出装置11が検出するステアリングシャフト12の回転角度と、実際のステアリングシャフト12の回転角度とのずれの有無、例えば、上記実施形態においては、合成磁界を検出できない角度が、実際のステアリングシャフト12における時計方向への回転限度であるか否かを容易に判断することができる。
・上記実施形態において、第1及び第2の磁石17,18を永久磁石としたが、通電することにより磁力(磁界)を発生する電磁石としてもよい。
・上記実施形態において、各種のデータの記憶手段として、EEPROM26を使用するようにしたが、他の種類の不揮発メモリ(ROM)を使用するようにしてもよい。例えば、フラッシュメモリ、EPROM(消去及び書き込み可能なROM)等が記憶手段として採用可能である。
・上記実施形態において、各種のデータの記憶手段として、EEPROM26を使用するようにしたが、他の種類の不揮発メモリ(ROM)を使用するようにしてもよい。例えば、フラッシュメモリ、EPROM(消去及び書き込み可能なROM)等が記憶手段として採用可能である。
・上記実施形態において、回転角度検出装置11をステアリングシャフト12の回転角度θを検出するために使用したが、例えばエンジンのクランクシャフト、産業用ロボットのアーム部等の他の回転体(被検出物)の回転角度を求めるために使用してもよい。
11…回転角度検出装置、12…ステアリングシャフト、13…ハウジング、14a…第1の主動歯車,14b…第2の主動歯車、15…第1の従動歯車、16…第2の従動歯車、17…第1の磁石、18…第2の磁石、19…プリント基板、20…磁気センサ、23…マイクロコンピュータ、24…電源回路、25…制御手段及び回転方向検出手段としてのCPU、26…EEPROM、27…RAM、28…角度演算部。
Claims (5)
- 被検出物と一体的に回転する主動歯車と、
前記主動歯車に噛合し、当該主動歯車の回転に伴い異なる速度で回転する2つの従動歯車と、
前記2つの従動歯車のそれぞれに固定される2つの磁石と、
前記2つの磁石の間に設けられて、当該2つの磁石により形成される合成磁界を検出する磁気センサと、
前記磁気センサによって検出される合成磁界の強さに基づいて前記被検出物の回転角度を算出する制御手段とを備えた回転角度検出装置。 - 請求項1に記載の回転角度検出装置において、
前記2つの従動歯車は、回転中心軸が一致するように且つ回転中心軸方向に沿って並んで設けられる回転角度検出装置。 - 請求項2に記載の回転角度検出装置において、
前記磁気センサは、前記2つの従動歯車の前記回転中心軸上に配設される回転角度検出装置。 - 請求項2又は3に記載の回転角度検出装置において、
前記2つの磁石は、前記2つの従動歯車の前記回転中心軸上に設けられる回転角度検出装置。 - 請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の回転角度検出装置において、
前記2つの磁石は、互いに同じ強さの磁界を発生するものであって、
前記磁気センサは、前記2つの磁石との距離が等しく配設される回転角度検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011268208A JP2013120125A (ja) | 2011-12-07 | 2011-12-07 | 回転角度検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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2011
- 2011-12-07 JP JP2011268208A patent/JP2013120125A/ja active Pending
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