JP5963160B2 - 球面モータ - Google Patents

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本発明は、多自由度の回転が可能な球面モータのセンサに関する。
3自由度以上の自由度を持つ多自由度アクチュエータが提案されている。例えば、特許文献1のように内部が中空の殻構造を有する球体状の外側部材の内部に球体状の内側部材を回転可能に保持し、一方の部材をステータとし、他方の部材をロータとして、ロータを3自由度、あるいはそれ以上の自由度で回転させる球面モータが知られている。この球面モータにおいて、ロータの回転を検知するための手段として、例えば特許文献2のようにジンバル機構の保持軸にエンコーダを設置し、各軸周りの回転を検知する方法や、特許文献3のようにステータ側にホール素子/ICを配置してロータに搭載された磁石の磁界を検知することによりロータの回転情報を得るといった手段がある。
また、非特許文献1には、レーザマウス用のセンサを複数用いて球体の角速度・回転角を計測する手法が記載されている。この文献には、「マウスのセンサで球体の運動を測定する手法は複数が提案されているが、我々の方法はセンサの配置の自由度が高く,演算が単純で、かつ複数のセンサを用いた信頼性の向上が特徴である。また、式の変形により平面運動の計測も可能である。ただし、速度計測手法であるため、角度および位置を得るには数値積分が必要で、僅かな計測誤差が後に大きな誤差となる弱点があった.多数のセンサと複雑なパターンを付加した球で角度を直接計測する手法もあるが、少数のセンサで実現できれば有用性がより高い。そこで、上述の手法にパーティクルフィルタを併用することで絶対計測も可能とする手法を検討した。」と記載されている。
特開2009−77463号公報 特開2009−100636号公報 特開2009−296864号公報
日本機械学会 ロボティクス・メカトロニクス講演会5月26-28,2011
ところで、特許文献2のようにエンコーダを設置する場合にはジンバル機構の保持軸を設置する必要があり、ロータの回転には回転軸基準のため回転範囲の制約が生じてしまう。また、特許文献3のようにホール素子を球面モータのステータに設置してロータの回転情報を取得する場合、1軸まわりにロータを回転させた場合でもホール素子/ICが検出する磁界(磁気)変化を検出した波形は正弦波形状とは限らないため、ホール素子からの情報でロータの磁極間を補間する正確な移動量を算出することが困難である。このため、補間処理を行わずホール素子/ICにてN極とS極が切り替わる波形上のゼロクロスポイントのみを検出点とし、回転情報として利用する場合、当該実施例の球面モータのロータは1軸まわりでロータを回転させた場合、機械角360°中にマグネットN極S極の極対数は2であり(組み合わせが2組であり)、検出の分解能は90°となる。ロータ1周あたりの検出分解能を高めるためにホール素子/ICを増設することもありえるが、この場合、素子数増加によるコスト増加やセンサの体積/数量増により他主幹部材(ステータ磁極・軸受など)への配置制約が拡大する虞がある。また、各素子への配線数は(例えば一素子あたりVcc,GND,V+,V-の4本とすれば、素子数nのとき4×n)と飛躍的に増大し複雑になる虞がある。また、ホール素子を用いる方法は、各センサの前を磁石が横切ることがトリガーであり、磁石の前を横切ったことだけが出力情報となるため単一センサではロータの回転方向が検知できず、このため複数のセンサから得られる情報を集約し演算処理を行うことが必須である。また極の切替(N極からS極、S極からN極)で検知を行うため、極の切替付近を通過しない限り、センサ出力が得られない(たとえばロータが90度回転しても、その間に磁極の切替りがなければその間検出信号は出ない)という課題も有している。更に、球面モータ内部の磁界の構成がきわめて複雑であり、ロータの位置/速度/角度の検出精度を高めるためにはセンサの素子数を増やす以外にないが、それは上記理由により困難である。
本発明は、ジンバル機構等の保持軸へのセンサの固定を必要とせず、その為ロータの回転を制限することなく、また磁気の影響を受けることなく、高い分解能でロータの回転方向/回転速度/回転量等を算出することが可能なセンサを搭載した球面モータを得ることを目的とする。
請求項1に記載の発明は、任意の方向に回転可能な球面モータのロータの動作を出力数が3以上の光学式位置センサで検知する機構を備え、前記機構は、前記ロータの回転の状態を算出するロータ回転状態算出部を有し、前記光学式位置センサは、前記ロータ表面における3方向の速度成分を検出し、前記ロータ回転状態算出部は、前記ロータ表面における前記3方向の速度成分に基づき、3次元角速度ベクトルω=(ω ,ω ,ω )の算出を行うことを特徴とする球面モータである。求項1に記載の発明によれば、ロータの回転方向/回転速度/回転量等を検出する精度を高くできる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記光学式位置センサは、既知の挟角をなす角度の少なくとも2カ所の位置に配置され、前記2カ所の位置に配置された前記光学式位置センサの位置は、回転中心を原点とするベクトルr およびr で示され、前記ベクトルr とr の位置における特定の方向の速度成分および前記ベクトルr とr の成分に基づき前記3次元角速度ベクトルω=(ω ,ω ,ω )が算出されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記3次元角速度ベクトルω=(ω ,ω ,ω )を積分することで前記ロータの回転量が算出され、前記3次元角速度ベクトルω=(ω ,ω ,ω )に前記ロータの半径を乗ずることで、前記ロータ表面の回転速度が算出されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発明において、前記ロータは、球面を外殻部材で覆われ、前記ロータの前記外殻部材に発光素子からの光の透過、あるいは吸収を防ぎ、受光素子が移動量を検出するために必要十分な光を反射し、移動により反射光量が変化する塗装または印刷が施されていることを特徴とする。請求項4に記載の発明によれば、ロータの回転に対する高品質な情報が得られ、高精度の検出精度の実現が可能となる。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の発明において、前記光学式位置センサから検出した信号を演算処理し前記ロータの回転状態を算出する演算機構を有することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の発明において、前記光学式位置センサから前記ロータまでの距離が1.0〜3.0mmであることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の発明において、前記ロータの直径が40mm以下であることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の発明において、前記光学式位置センサと前記ロータの外周面との間の距離を調整可能な距離調整手段を備えることを特徴とする。光学式位置センサの性能やロータの回転速度によって、最適な光学式位置センサとロータとの間の距離は異なる。したがって、光学式位置センサとロータとの間の距離を調整できるようにすることで、当該球面モータに適した回転検出機能に設定することができる。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の発明において、前記光学式位置センサが取り付けられた基板と、前記基板を保持する軸と、前記軸を当該軸方向への移動が可能な状態で保持する軸保持部材とを備え、前記軸保持部材が当該球面モータのステータに固定され、前記軸を移動させることで前記光学式位置センサと前記ロータの外周面との間の距離の調整が行われることを特徴とする。
本発明によれば、センサ出力を得るためにジンバル機構等の保持軸を使用する必要がない為にロータの回転(可動範囲)が制限されずに複数の出力軸(多自由度)を実現することができ、また磁気の影響を受けることなく、ロータの極数によらず高い分解能でロータの回転方向/回転速度/回転量等を算出することが可能である。また、3またはそれ以上の出力を持つ光学式位置センサを使用することにより、高い分解能でロータの回転方向/回転速度/回転量等を算出することが可能である。
実施形態の球面モータの分解斜視図である。 図1の一部を透視図とした分解斜視図である。 光学式位置センサの構造を示す斜視図である。 ステータの斜視図である。 ロータ表面と光学センサの位置関係を示す側面図である。 実施形態における制御系のブロック図である。 演算の原理の説明に用いる原理図である。
本発明を利用した一例を図面に基づいて説明する。図1および図2には、球面モータ100が示されている。球面モータ100は、ステータ110を備えている。ステータ110は、概球殻構造を有し、半球部111と112により構成され、その内周面にはステータ磁極113を複数支持し備えている。
磁極113は、図では一部しか見えていない突極を備えている。この突極は、回転中心の方向に延在した図では見えていない延在部を有し、この延在部に界磁コイル115が巻回された樹脂性のボビン114が装着されている。突極の先端(磁極113の先端)は、後述する内側のロータ120の外周面に対向する突極面116を有している。
球殻構造を有するステータ110の内側には、ロータ120が納められている。ロータ120は、球体構造を有している。ロータ120は、外側をカバー部121で覆われている。カバー部121は、直径40mm以下の非磁性材料により構成され、滑らかな外周面を有した概球殻構造を有している。カバー部121の内側には、外周面にロータマグネット125を複数備えた内球部124が収められている。つまり、ロータマグネット125は、ロータ120の外周面に露出せず、カバー部121の内側に配置されている。ロータマグネット125は、円盤状に着磁された永久磁石であり、ロータ120側の磁極を構成する。
ロータ120は、ステータに配した図示しない球面軸受構造により、ステータ110に対して3自由度以上の回転が自在な状態でステータ110の内側で保持されている。図示しない球面軸受構造は、ステータ110の内周面から回転中心の方向に突出した複数個の突出部のそれぞれの先端に、ベアリングボールを回転自在な状態で保持した構造を有している。この突出部は、ロータ120を周囲から囲むように複数が配置されている。当該ベアリングボールがカバー部121の外周面を支持することで、ロータ120は、3自由度以上の回転が自在な状態でステータ110の内側に保持されている。
ステータ110の内側には、光学式位置センサ117が配置されている。光学式位置センサ117は、発光素子と受光素子を備えており、発光素子から発せられ、ロータ120の表面で反射した光を受光素子で検出する。光学式位置センサ117は、発光素子が照射している表面を連続した画像データとして受け取り、その画像データを単位時間前の画像データと比較して差分(どの方向に、どれだけ移動しているか)を算出することにより、ロータ120表面の移動量を直交2軸の方向で取得する。
図3には、光学式位置センサアッシー200が示されている。光学式位置センサアッシー200は、基板201、光学式位置センサ117、軸203および保持部204を備えている。基板201は、IC化された光学式位置センサ117が取り付けられた電子基板である。基板201は、所定のプリントパターンを有し、そこに光学式位置センサ117の端子が半田付けされ、それにより基板201への光学式位置センサ117の固定が行われている。基板201の光学式位置センサ117が取り付けられた部分の裏面側には、軸203が固定されている。軸203は、円柱形状の部材であり、その一方の端面が基板201に固定されている。軸203は、保持部204に軸方向への移動が可能な状態で保持されている。
保持部204は、円筒部204aと円盤状のフランジ部204bを備えている。円筒部204aには、軸203に至る孔が設けられ、この孔にセットスクリュー205が取り付けられている。セットスクリュー205が取り付けられた孔の内側には、雌螺子構造が形成され、セットスクリュー205の外側には、雄螺子構造が形成されている。この雌螺子構造と雄螺子構造が噛み合うことで、円筒部204aに設けられた上記の孔にセットスクリュー305がねじ込まれている。セットスクリュー205を回し、軸203を締め付けることで、保持部204に対して軸303を固定することができる。また、セットスクリュー205を緩めることで、保持部204に対して軸203を軸方向に動かすことができる。
図4には、ステータ110の斜視図が示されている。図4に示すようにステータ110には、内側に貫通する孔210が設けられている。孔210には、光学式位置センサアッシー200の光学式位置センサ117の側が挿入され、その内側に光学式位置センサ117が格納される。この状態において、孔210の縁の部分にフランジ部204bが接触し、光学式位置センサアッシー200がステータ110に取り付けられる。また、光学式位置センサアッシー200をステータ110に取り付けた状態において、光学式位置センサ117のセンサ面がロータ120(図1,図2参照)の外周面に対向する。
図4に示す例において、光学式位置センサアッシー200は、既知の狭角(この例の場合は、90°)をなす角度で2つが配置されている。この2つの光学式位置センサ117の出力から、ロータ120の回転方向/回転速度/回転量等が算出される。この算出過程における具体的な演算の内容については後述する。
光学式位置センサアッシー200をステータ110に取り付けた状態において、セットスクリュー205を緩め、保持部204に対して軸203を軸方向に移動させ、光学式位置センサ117とステータ110の内側に保持されたロータ120(図1,図2参照)との間の距離を調整することができる。
また、図4には、図2に示す突極面116、ボビン114、界磁コイル115を備え、磁極113を構成する磁極アッシー220が示されている。磁極アッシー220は、光学式位置センサアッシー200と同様の構造により、ステータ110に設けられた孔211に取り付けられる。
光学式位置センサ117とステータ110の内側に保持されたロータ120(図1,図2参照)との間の距離を調整する方法として、シムまたはワッシャを用いる構造を採用することもできる。以下、この一例を説明する。図5は、ロータ表面と光学式位置センサの位置関係を示す側面図である。ステータ110の内周面には、光学式位置センサ117が配置されている。光学式位置センサ117と後述するロータ120との位置関係において、ロータ120の表面から光学式位置センサ117までの距離dが1.0〜3.0mm確保されている。ここで、光学式位置センサ117は、基板131に固定され、基板131は、ねじ132,133によりステータ外殻を構成する半球部112に固定されている。この構造においては、光学式位置センサ117を固定した基板131とステータ外殻を構成する半球部112との間、すなわち符号134の部分にワッシャやシム等を挟むことにより、光学式位置センサ117からロータ120までの距離dを微調整することが可能である。
図6には、実施形態における制御系演算のブロック図が示されている。図6に示す駆動系は、界磁コイル通電パターン生成部301を備えている。界磁コイル通電パターン生成部301は、球面モータ100の複数ある界磁コイル115に供給する駆動電流の通電パターンを生成する。
界磁コイル通電パターン生成部301には、球面モータ100のロータ120をどの方向にどの位の回転量で回転させるかを指示する回転指令指示信号が入力される。この回転指令指示信号に基づき、界磁コイル通電パターン生成部301は、複数ある界磁コイル115に流す駆動電流の通電パターンを生成する。
この界磁コイル115の通電パターンを決める信号は、界磁コイル通電パターン生成部301から駆動出力部302に送られる。駆動出力部302は、スイッチング素子を備え、上記の通電パターンに基づく駆動電流を界磁コイル115に供給する。複数ある界磁コイル115に駆動出力部302から供給される駆動電流が切り替わることで、ステータ110の側の磁極113とロータ120の側のロータマグネット125との間で発生する磁気吸引力と磁気反発力とが適宜切り替わり、ロータ120が回転する。つまり、図4に示す駆動系は、回転指令指示信号に基づき、この回転指令指示信号で指示された回転をロータ120が行うように球面モータ100の駆動制御を行う。
図6に示すように、光学式位置センサ117は、発光素子118と受光素子119を備えている。発光素子118は、例えば発光ダイオードやレーザ光源が用いられ、受光素子119は、例えば、各種の光センサが用いられる。発光素子118からの照射光が、ロータ120の表面で反射され、その反射光が受光素子119で検出される。使用する光の波長は、特に限定されないが、可視光や赤外光が利用される。受光素子119から出力されロータ120の反射光から検出した信号(光学式位置センサ117の出力)は、ロータ120の回転の状態に係る情報を含んでおり、この受光素子119の検出信号がロータ回転状態算出部303に入力される。
ロータ回転状態算出部303は、受光素子119から出力される検出信号に基づき、回転方向・回転量・回転速度などのロータ120の回転の状態を算出する。すなわち、ロータ120が回転すると、光学式位置センサ117に対してロータ120の表面(カバー部121の表面)が移動する。この際、ロータ120の表面の移動方向と移動量が受光素子119によって検出され、光学式位置センサ117の出力からロータ120の表面の移動方向と移動量が算出される。また、光学式位置センサによりロータ120の回転速度を検出し、これを積分することによりロータ120の姿勢を求めることができる。光学式位置センサ117の位置とロータ120の回転中心の位置、ステータと軸受とロータの各寸法は予め一定値であるので、上記のロータ120の表面の移動方向および移動量から、どの方向にどれだけの角度変位でロータ120が回転したかが算出される。ここで、計測時間当たりの回転量の変化を算出することで、ロータ120の回転速度、計測時間当たりの速度変化が加速度として求められる。以上の方法により、ロータ120の回転の状態がロータ回転状態算出部303において求められる。
ロータ回転状態算出部303で算出されたロータ120の回転の状態に係る情報は、界磁コイル通電パターン生成部301に送られる。こうして、界磁コイル通電パターン生成部301は、受光素子119からの検出信号に基づき、ロータ120の回転の状態(回転方法・方角・回転移動量)についての情報を取得する。
界磁コイル通電パターン生成部301は、回転指令指示信号に基づく目標位置へ到達させるための道程と、光学式位置センサ117から得た実際のロータ120の回転の状態とを比較し、その差が解消されるように界磁コイル115への通電パターンを調整する演算を行い、その結果を駆動出力部302への出力に反映させる。このフィードバック制御を行うことで、ロータの回転精度を向上させることができる。
(演算の具体例)
以下、ロータ回転状態算出部303において行われる演算の一例を説明する。図7(A)〜(E)には、演算の原理の説明に用いる原理図が示されている。図7(A)には、ベクトルrおよびrで示される2つの位置に光学式位置センサが配置されている場合の例が示されている。まず、簡単のためロータの半径を1とし、rおよびrで位置が示される2つの光学式位置センサが存在する平面をステータ座標系のx-y面に取る(図7(A)参照)。ここで、x軸からの角度をθとして、ベクトルrは数1で示される。
Figure 0005963160
また、ステータ座標系でのロータの角速度ω(ω,ω,ω)は、数2で表される。
Figure 0005963160
数1と数2を用いて、各ri点における表面速度は、数3で表される。
Figure 0005963160
riはx-y平面内にあるので、光学式位置センサの出力の横方向成分(x-y平面内)をΔhi、 縦方向成分(z軸方向)をΔvi とすると、図7(B)に示す関係により、数4が得られる。
Figure 0005963160
ここで、光学式位置センサの検出方向がx-y平面と一致しない場合は、光学式位置センサの出力から座標の回転変換によってh,v成分を算出する。ここに、数4は、r1, r2が線型独立ならば解くことが可能であり、一般解は、数5となる。
Figure 0005963160
以下、具体的な一例を説明する。例えば、図7(C)に示すように、θ1=0,θ2=(π/2)の場合、ω,ω,ωは、数6で示される。
Figure 0005963160
また、例えば、図7(D)に示すように、θ1=0,θ2=(2π/3)の場合、ω,ω,ωは、数7で示される。
Figure 0005963160
また、例えば、図7(E)に示すように、θ1=−θ,θ2=((π/2)+θ))の場合、ω,ω,ωは、数8に示す関係を用いて、数9で示される。
Figure 0005963160
Figure 0005963160
角速度ベクトルω(ω,ω,ω)を積分すれば、ロータの回転量が分り、ロータの姿勢(3次元的な角度位置)が求められる。また、ω(ω,ω,ω)からロータの回転の向きを知ることができる。また、ω(ω,ω,ω)に既知のロータの半径を乗ずることで、ロータ表面の3次元的な回転速度を算出することができる。また、ロータ表面の3次元的な回転速度を積分することで、ロータ表面の三次元的な移動量を算出することができる。
以上述べたように、既知の狭角をなす角度の2箇所の位置のそれぞれに光学式位置センサを配置し、その出力から上述した演算を行うことで、ロータの3次元的な回転の状態を知ることができる。すなわち、既知の狭角をなす角度の2箇所の位置のそれぞれに光学式位置センサを配置することで、この2箇所の位置に配置された2つの光学式位置センサの出力からロータの3次元的な回転方向/回転速度/回転量を得ることができる。
(原理検証結果)
パーソナルコンピュータのポインティングデバイスに用いられるマウスに備えられた光学式位置センサと同様の構造の光学式位置センサを2つ用意し、それら2個の光学式位置センサを90°の挟角をなすように固定し、センサから適切な距離に擬似ロータ球(永久磁石なし)を保持するジグを製作した。そして、パーソナルコンピュータに、2つの光学式位置センサを、USBインターフェースを介して接続し、それらから得られる球面の移動量をAPIの一つである「rawinput」から数値として取り込み、ロータ球の姿勢角として演算し、画面上に現在の姿勢を表示するソフトウエアを作成した。
そして、このシステムにおいて、ロータ球を回転させたとおりに、現在の姿勢が表示されることを確認し、直交2軸の移動量を検出する別のセンサを2つ用いて、ロータ球の回転状態を検出できることを検証した。
なお、本原理はセンサの挟角を90°に限定するものではない。更に、球面座標上の任意の位置に、任意の挟角でセンサを3個以上配置しても、演算処理ができる。3個以上のセンサからの出力を適切に処理することで、センサの移動量の取りこぼし等によるロータ姿勢検出誤差を小さくすることが可能である。
(優位性)
ロータ120の回転を光学的に検出するので、ロータ120の回転を検出する目的でジンバル機構等のロータ支持機構が必要とされない。このため、ロータ120の回転を検出するための機構に起因してロータ120の回転が制限されることがない。また、光学的な検出を行う構成であるので、構造が簡素となる。磁気センサは磁石の通過(極性変化)をトリガーとしているため、一周あたりの分解能は(360°/磁極数)であり、一方光センサは磁石の極数にかかわらず分解能は(360°/カウント数)となる。例えば本モデルでは、磁気センサでは分解能が90°であるが、仮にロータ外径φ30で分解能5600cpi(count per inchの略)の光センサを選択した場合、角度に換算すると分解能0.03°以下となり、磁気センサに比べ細分化が可能である。また、検出出力は光学的な原理のため、ロータ120の回転の検出は、球面モータ内部の複雑な磁界構成の影響を受けにくい。
ところで、仮にロータ120の外周面に凸部、凹部などの段差部分等があると、光センサと反射面の距離が変動する。また反射面の形状によっては入射光が受光部に戻らずセンサ信号(情報)が消失する。これらは、光学式位置センサ117によるロータ120の回転の検出精度の低下や誤検出の発生要因となる。これに対して、本実施形態では、ロータ120の外周面を、球表面を有するカバー部121で覆っているので、上記の反射光が乱れる現象が抑えられ、光学式位置センサ117によるロータ120の回転の検出精度の低下や誤検出が抑えられる。
また、カバー部121の表面が滑らかな球面を有し、図示しない球面軸受のベアリングボールによりロータ120を周囲から点接触で支える構造とすることで、ロータ120の3自由度以上の回転が滑らかに行える状態が、簡素な構造で実現できる。
(その他)
光学式位置センサ117を3個以上用いても良い。この場合、ステータ110の内側の複数の位置のそれぞれに、光学式位置センサ117を既知の狭角をなす角度位置で配置し、それぞれの光学式位置センサ117において、ロータ120の表面の移動量を直交2軸の方向でカウントする。そして、各光学式位置センサ117からの出力に基づいて、ロータ120の回転を検出する。この際における具体的な処理としては、例えば以下の方法が挙げられる。まず、複数ある光学式位置センサ117それぞれからの出力に基づいて、ロータ120の回転方向や回転量に係る情報を複数の光学式位置センサ117毎に検出する。次いで、統計的手法により異常値を排除し、残りの検出値を再演算することでロータ120の回転方向および回転量を取得する。こうすることで、ロータ120の回転をより高い精度で検出することができる。
光学式位置センサ117の出力に基づいて算出されたロータ120の回転位置(例えば、基準とする位置からどの方向に何度回転した状態にあるか)に係る情報を表示装置に送り、そこに表示させてもよい。また、光学式位置センサ117の出力に基づいて算出されたロータ120の回転位置に係る情報を他の装置に送り、その装置の制御に利用することもできる。
ロータ120の外殻部材に発光素子からの光の透過、あるいは吸収を防ぎ、受光素子が移動量を検出するために必要十分な光を反射し、移動により反射光量が変化する塗装または印刷を施すことも可能である。
実施形態では、出力数が2つ(直交する2軸の出力)の光学式位置センサ117を複数(実施形態では2つ)用いる例を説明したが、出力数が3以上の光学式位置センサであれば、それを一つだけ用いてシステムを構成することが可能である(勿論、複数を用いてもよい)。このような光学式位置センサとしては、検出用の光センサを2つ以上備えた光学式位置センサを挙げることができる。
本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、ロータがステータの外側にあるアウターロータ形状であってもよく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
本発明は、球面モータに利用することができる。
100…球面モータ、110…ステータ、111…半球部、112…半球部、113…磁極、114…ボビン、115…界磁コイル、116…突極面、117…光学式位置センサ、118…発光素子、119…受光素子、120…ロータ、121…カバー部、124…内球部、125…ロータマグネット、131…基板、132…ねじ、133…ねじ、134…ワッシャやシム等が挟まれる部分、200…光学式位置センサアッシー、201…基板、203…軸、204…保持部、204a…円筒部、204b…フランジ部、205…セットスクリュー、210…孔、211…孔、220…磁極アッシー。

Claims (9)

  1. 任意の方向に回転可能な球面モータのロータの動作を出力数が3以上の光学式位置センサで検知する機構を備え、
    前記機構は、前記ロータの回転の状態を算出するロータ回転状態算出部を有し、
    前記光学式位置センサは、前記ロータ表面における3方向の速度成分を検出し、
    前記ロータ回転状態算出部は、前記ロータ表面における前記3方向の速度成分に基づき、3次元角速度ベクトルω=(ω ,ω ,ω )の算出を行うことを特徴とする球面モータ。
  2. 前記光学式位置センサは、既知の挟角をなす角度の少なくとも2カ所の位置に配置され、
    前記2カ所の位置に配置された前記光学式位置センサの位置は、回転中心を原点とするベクトルr およびr で示され、
    前記ベクトルr とr の位置における特定の方向の速度成分および前記ベクトルr とr の成分に基づき前記3次元角速度ベクトルω=(ω ,ω ,ω )が算出されることを特徴とする請求項1に記載の球面モータ。
  3. 前記3次元角速度ベクトルω=(ω ,ω ,ω )を積分することで前記ロータの回転量が算出され、
    前記3次元角速度ベクトルω=(ω ,ω ,ω )に前記ロータの半径を乗ずることで、前記ロータ表面の回転速度が算出されることを特徴とする請求項1または2に記載の球面モータ。
  4. 前記ロータは、球面を外殻部材で覆われ、
    前記ロータの前記外殻部材に発光素子からの光の透過、あるいは吸収を防ぎ、受光素子が移動量を検出するために必要十分な光を反射し、移動により反射光量が変化する塗装または印刷が施されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の球面モータ。
  5. 前記光学式位置センサから検出した信号を演算処理し前記ロータの回転状態を算出する演算機構を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の球面モータ。
  6. 前記光学式位置センサから前記ロータまでの距離が1.0〜3.0mmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の球面モータ。
  7. 前記ロータの直径が40mm以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の球面モータ。
  8. 前記光学式位置センサと前記ロータの外周面との間の距離を調整可能な距離調整手段を備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の球面モータ。
  9. 前記光学式位置センサが取り付けられた基板と、
    前記基板を保持する軸と、
    前記軸を当該軸方向への移動が可能な状態で保持する軸保持部材と
    を備え、
    前記軸保持部材が当該球面モータのステータに固定され、
    前記軸を移動させることで前記光学式位置センサと前記ロータの外周面との間の距離の調整が行われることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の球面モータ。
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