JP2022158253A - 多自由度モータ - Google Patents
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Abstract
【課題】十分なモータ出力を得ることのできる好適な構成の多自由度モータを提供する。【解決手段】ステータ10は、コイルC2~C4(,C5~C7)が複数の回転軸の1つである軸X周りに並んで配置され、またこの軸X周りのコイルC2~C4(,C5~C7)の並ぶ方向と交差する方向にコイルC1及びコイルC5~C7(,C2~C4)が配置されて構成される。ステータ10では、コイルC1~C7の励磁にて複数軸(例えば軸X,Y,Z)周りの駆動磁界を好適に生じさせることが可能である。ロータ20の磁極部21については、球体状をなすロータ20の外周面20aに対応する曲面形状をなし、ロータ20の外周面20aに割り当てられた領域に広く設けることが可能である。つまり、十分なモータ出力を得ることのできる好適な構成のモータMとして提供可能である。【選択図】図6
Description
本発明は、多自由度モータに関する。
従来、コイルを有するステータと永久磁石等の磁極部を有するロータとが互いに球面上で対向するように構成され、2軸若しくは3軸周りの回転出力を可能とする多自由度モータの提案がなされている(例えば特許文献1参照)。
上記特許文献1に開示の多自由度モータでは、ロータの外周面においてその球面に内接する仮想正多角面体の頂点位置に永久磁石等の磁極部を局所的に設ける構成等であり、十分なモータ出力が得られるかが懸念されるものである。そのため、本発明者は、多自由度モータの好適な構成について検討していた。本開示の目的は、十分なモータ出力を得ることのできる好適な構成の多自由度モータを提供することにある。
上記課題を解決する多自由度モータは、球体状のロータ(20)と、前記ロータの周囲に配置されるコイル(C1~C7等)を有するステータ(10)とを備え、前記ステータの前記コイルに生じる駆動磁界に基づいて、複数の回転軸(X,Y,Z)周りの前記ロータの駆動を可能とした多自由度モータ(M)であって、前記ステータは、前記コイルを構成する複数のコイル(C2~C4等)が前記複数の回転軸の1つである第1軸(X)周りに並んで配置されるとともに、前記第1軸周りの前記コイルの並ぶ方向と交差する方向に少なくとも1つのコイル(C1,C5~C7等)が配置されて構成され、前記ロータは、自身の外周面(20a)に割り当てられた領域に曲面形状の磁極部(21等)が備えられて構成されている。
上記態様によれば、多自由度モータのステータは、複数のコイルが複数の回転軸の1つである第1軸周りに並んで配置され、またこの第1軸周りのコイルの並ぶ方向と交差する方向に少なくとも1つのコイルが配置されて構成される。ステータでは、各コイルの励磁にて複数軸周りの駆動磁界を好適に生じさせることが可能である。ロータの磁極部は、球体状をなすロータの外周面に対応する曲面形状をなし、ロータの外周面に割り当てられた領域に広く設けることが可能である。つまり、十分なモータ出力を得ることのできる好適な構成の多自由度モータとして提供することが可能である。
以下、多自由度モータの一実施形態について説明する。
[モータの構成]
図1及び図2に示す本実施形態のモータMは、3軸周りの回転出力を可能とする多自由度モータとして構成されたものである。本実施形態のモータMは、全体の外形が球体状をなしている。モータMは、外側に設けられるステータ10と、ステータ10の内側に回転可能に収容されるロータ20とを備えている。
[モータの構成]
図1及び図2に示す本実施形態のモータMは、3軸周りの回転出力を可能とする多自由度モータとして構成されたものである。本実施形態のモータMは、全体の外形が球体状をなしている。モータMは、外側に設けられるステータ10と、ステータ10の内側に回転可能に収容されるロータ20とを備えている。
[ステータの構成]
図2、図3及び図4に示すように、ステータ10は、第1及び第2ケース11,12と第1~第7コイルC1~C7とを備えている。第1及び第2ケース11,12は、全体が中空球体状をなし、球体の中間部分で分割する構成をなしている。第1ケース11は下側の半球部分、第2ケース12は上側の半球部分であり、各ケース11,12の中央開口縁11a,12a同士を当接させて組み合わされる。なお、説明の便宜上、第1ケース11を下側、第2ケース12を上側としたがこれは一例であり、モータMの使用状態による第1及び第2ケース11,12の位置関係はこれに限らない。各ケース11,12は、コイルC1の内側やコイルC2~C4,C5~C7間に設けられる後述の凸設部11d,11f,12dを除いて、略全体が磁性金属材料で作製されている。各ケース11,12は、モータケースとしての機能と各コイルC1~C7のバックヨークとしての機能とを有している。また、各ケース11,12には、各コイルC1~C7の内側に位置する部位に一体若しくは別体装着の磁性金属製の凸状のティース部(図示略)が設けられていてもよい。
図2、図3及び図4に示すように、ステータ10は、第1及び第2ケース11,12と第1~第7コイルC1~C7とを備えている。第1及び第2ケース11,12は、全体が中空球体状をなし、球体の中間部分で分割する構成をなしている。第1ケース11は下側の半球部分、第2ケース12は上側の半球部分であり、各ケース11,12の中央開口縁11a,12a同士を当接させて組み合わされる。なお、説明の便宜上、第1ケース11を下側、第2ケース12を上側としたがこれは一例であり、モータMの使用状態による第1及び第2ケース11,12の位置関係はこれに限らない。各ケース11,12は、コイルC1の内側やコイルC2~C4,C5~C7間に設けられる後述の凸設部11d,11f,12dを除いて、略全体が磁性金属材料で作製されている。各ケース11,12は、モータケースとしての機能と各コイルC1~C7のバックヨークとしての機能とを有している。また、各ケース11,12には、各コイルC1~C7の内側に位置する部位に一体若しくは別体装着の磁性金属製の凸状のティース部(図示略)が設けられていてもよい。
図2及び図3に示すように、第1ケース11は、底面部を有する中空半球状をなしている。第1ケース11は、半球面状の内周面11bを有している。第1ケース11の内周面11bには、底面部に円環凹状の底面凹部11cが設けられている。底面凹部11cには、第1コイルC1が収容される。第1コイルC1は、円環凹状の底面凹部11cに対応した円環状となるように巻回された形状をなしている。また、第1コイルC1は、第1ケース11の内周面11bに沿うような曲面形状をなしている。
第1ケース11における底面凹部11cより内側の底面中央部には、第1ケース11の内周面11bから凸状をなす凸設部11dが設けられている。凸設部11dの上面には、ボール13が回転可能に脱落しないようにして保持されている。ボール13は、自身の一部が凸設部11dの上面から突出している。
第1ケース11における底面凹部11cと中央開口縁11aとの間の内周面11bには、周方向等間隔に3つの側面凹部11eが設けられている。各側面凹部11eは、それぞれ四角凹状をなし、互いに同形状をなしている。各側面凹部11eには、それぞれ対応する第2~第4コイルC2~C4が収容される。第2~第4コイルC2~C4は、四角凹状の各側面凹部11eにそれぞれ対応した四角環状に巻回された形状で、互いに同形状をなしている。また、各コイルC2~C4は、第1ケース11の内周面11bに沿うような曲面形状をなしている。
各側面凹部11e間の3箇所(図2及び図3では2箇所図示)には、それぞれ第1ケース11の内周面11bから凸状をなす凸設部11fが設けられている。各凸設部11fの上面は、各コイルC2~C4とともに一様の球面上において面一となっている。各凸設部11fの上面には、2個のボール13が回転可能に脱落しないようにして保持されている。各ボール13は、周方向と直交する上下方向に互いに所定間隔を有して配置されている。各ボール13は、自身の一部が各凸設部11fの上面からそれぞれ突出している。各凸設部11f及び各ボール13は、互いに同一構成である。
図2及び図4に示すように、第2ケース12は、第1ケース11と組み合わされる中央開口縁12aを有するとともに、第1ケース11の底面部と対向する天井部が円形状に開口する上部開口部12xを有する中空半球状をなしている。第2ケース12についても、第1ケース11と同様、半球面状の内周面12bを有している。
第2ケース12における上部開口部12xと中央開口縁12aとの間の内周面12bには、周方向等間隔に3つ(図2及び図4では2つ図示)の側面凹部12cが設けられている。各側面凹部12cは、それぞれ四角凹状をなし、互いに同形状をなしている。各側面凹部12cには、それぞれ対応する第5~第7コイルC5~C7が収容される。第5~第7コイルC5~C7は、四角凹状の各側面凹部12cにそれぞれ対応した四角環状に巻回された形状で、互いに同形状をなしている。また、各コイルC5~C7は、第2ケース12の内周面12bに沿うような曲面形状をなしている。
各側面凹部12c間の3箇所(図2及び図4では1箇所図示)には、それぞれ第2ケース12の内周面12bから凸状をなす凸設部12dが設けられている。各凸設部12dの上面は、各コイルC5~C7とともに一様の球面上において面一となっている。各凸設部12dの上面には、2個のボール13が回転可能に脱落しないようにして保持されている。各ボール13は、周方向と直交する上下方向に互いに所定間隔を有して配置されている。各ボール13は、自身の一部が各凸設部12dの上面からそれぞれ突出している。各凸設部12d及び各ボール13は、互いに同一構成である。
そして、複数のボール13は、第2ケース12の周方向3箇所にそれぞれ一対、上記した第1ケース11の周方向3箇所にそれぞれ一対、さらに底面中央部に1個設けられ、各突出部分がロータ20の外周面にそれぞれ当接する。合計13個(図2~図4では7個図示)のボール13は、第1及び第2ケース11,12の内周面11b,12bの適所に点在し、ロータ20を回転可能に支持する。つまり、各ボール13は、ロータ20を回転可能に支持するいわゆるボール軸受として機能する。
図1に示すように、第1及び第2ケース11,12は、互いの中央開口縁11a,12a同士を当接させて組み合わされる。第1及び第2ケース11,12の各中央開口縁11a,12a部分の外周部には、それぞれ径方向外側に突出する取付部11y,12yが設けられている。互いの取付部11y,12yは取付ねじ(図示略)により互いに固定され、第1及び第2ケース11,12は中空球体状をなすように構成される。
第1及び第2ケース11,12の固定状態において、第1~第7コイルC1~C7は、図6、図7及び図8に示すように、ロータ20の周囲を覆う態様にて配置される。第1ケース11側に設置の第1~第4コイルC1~C4について、第1コイルC1は、第1ケース11の底面部に位置している。第1コイルC1の周囲に位置する第2~第4コイルC2~C4は、自身のコイル中心が互いに周方向に120°間隔をなしている。第2ケース12側に設置の第5~第7コイルC5~C7についても、自身のコイル中心が互いに周方向に120°間隔をなしている。また、第1ケース11側の第2~第4コイルC2~C4と、第2ケース12側の第5~第7コイルC5~C7とは、周方向に互いにコイル半分ずつずらした配置、すなわち構造的に60°ずつずれた配置となっている。なお、上記した取付部11y,12yによる各ケース11,12の固定については、各ケース11,12の周方向の相対位置関係を変更できるようになっている。つまり、第2~第4コイルC2~C4と第5~第7コイルC5~C7との周方向の相対位置関係が変更できるようにもなっている。
第2~第7コイルC2~C7の具体的な配置態様としては、第2及び第3コイルC2,C3の間に第7コイルC7が配置される。第3及び第4コイルC3,C4の間に第5コイルC5が配置される。第4及び第2コイルC4,C2の間に第6コイルC6が配置される。つまり、モータMの中心Oを挟んで、第2コイルC2と第5コイルC5とが対向する位置関係で配置される。第3コイルC3と第6コイルC6とが対向する位置関係で配置される。第4コイルC4と第7コイルC7とが対向する位置関係で配置される。このような対向位置関係にある第2及び第5コイルC2,C5は、励磁時にロータ20側の表面に現れる磁極が逆になるコイルの巻回態様となっている。第3及び第6コイルC3,C6、また第4及び第7コイルC4,C7も同様に、それぞれ励磁時にロータ20側の表面に現れる磁極が逆になるコイルの巻回態様となっている。
また、ステータ10は、第1~第6センサS1~S6を備えている(図8参照)。各センサS1~S6は、磁気センサにて構成される。各センサS1~S6は、モータMの底面部に位置する第1コイルC1の外周部周りに集約して配置されている。各センサS1~S6は、例えば図3等に示す第1ケース11の内周面11bに設置されている。なお、第1ケース11に設置される各センサS1~S6の図面は省略している。
各センサS1~S6の具体的な配置態様としては、第1センサS1は、第1コイルC1と第4コイルC4との間で、第4コイルC4の周方向中央位置に配置される。第2センサS2は、第1コイルC1の外周部に近接し、第4コイルC4と第2コイルC2との中間位置に配置される。第3センサS3は、第1コイルC1と第2コイルC2との間で、第2コイルC2の周方向中央位置に配置される。第4センサS4は、第1コイルC1の外周部に近接し、第2コイルC2と第3コイルC3との中間位置に配置される。第5センサS5は、第1コイルC1と第3コイルC3との間で、第3コイルC3の周方向中央位置に配置される。第6センサS6は、第1コイルC1の外周部に近接し、第3コイルC3と第4コイルC4との中間位置に配置される。各センサS1~S6は、各コイルC1~C7の通電に基づく界磁磁束の影響の小さい位置に配置される。
なお、第1センサS1、第3センサS3及び第5センサS5は、自身の検出面を第1ケース11の内周面11bの法線方向に向けた姿勢となる配置としている。また、第2センサS2、第4センサS4及び第6センサS6は、自身の検出面を第1ケース11の内周面11bの接線方向に向けた姿勢となる配置としている。
ちなみに、本実施形態のモータMの3つの回転軸については次の通りである。図6に示す第1コイルC1を底面側としたモータMの姿勢において、第1コイルC1の中心軸及びモータMの中心Oを通る上下方向の軸をロール軸X、モータMの中心Oを通りロール軸Xと直交する軸をピッチ軸Y、モータMの中心Oを通りロール軸X及びピッチ軸Yと直交する軸をヨー軸Zとする。ロール軸Xは、本実施形態では第1軸としている。ピッチ軸Yとヨー軸Zとは、第2~第4コイルC2~C4と第5~第7コイルC5~C7との間に位置し、ヨー軸Zは、第6コイルC6と第7コイルC7との中間位置でかつ第2コイルC2の周方向中央位置である。ピッチ軸Yは、ロール軸X周りにそのヨー軸Zから90°回転した位置である。
[ロータの構成]
図5に示すように、ロータ20は、球体をなしている。ロータ20は、自身の外周面20aにN極又はS極が現れる計8つの磁極部21を備えている。各磁極部21は、永久磁石にて構成される。ロータ20を第1半球部20xと第2半球部20yとした場合、各磁極部21は、各半球部20x,20yで周方向90°毎の4つの同等の領域全体を曲面形状の磁極面として構成される。つまり、各磁極部21は、8つ全てが同等の大きさで構成される。各磁極部21は、図5においてN極とS極とを濃淡で区別して示すように、各半球部20x,20yのそれぞれで周方向に交互に異なる磁極が現れる配置となっている。さらに、各半球部20x,20y同士においても隣接する各磁極部21が異なる磁極となる配置となっている。このようなロータ20は、磁極が現れる自身の外周面20aがステータ10の各コイルC1~C7と対向する(図6参照)。ロータ20は、各コイルC1~C7への通電により生じる回転磁界を受けて回転する。
図5に示すように、ロータ20は、球体をなしている。ロータ20は、自身の外周面20aにN極又はS極が現れる計8つの磁極部21を備えている。各磁極部21は、永久磁石にて構成される。ロータ20を第1半球部20xと第2半球部20yとした場合、各磁極部21は、各半球部20x,20yで周方向90°毎の4つの同等の領域全体を曲面形状の磁極面として構成される。つまり、各磁極部21は、8つ全てが同等の大きさで構成される。各磁極部21は、図5においてN極とS極とを濃淡で区別して示すように、各半球部20x,20yのそれぞれで周方向に交互に異なる磁極が現れる配置となっている。さらに、各半球部20x,20y同士においても隣接する各磁極部21が異なる磁極となる配置となっている。このようなロータ20は、磁極が現れる自身の外周面20aがステータ10の各コイルC1~C7と対向する(図6参照)。ロータ20は、各コイルC1~C7への通電により生じる回転磁界を受けて回転する。
なお、ロータ20は、各磁極部21の径方向内側に磁性金属製のロータコア(図示略)を備えていてもよい。また、ロータコアを備えていなくてもよい。また、ロータ20は、内部が充実した中実体であってもよく、内部が空洞の中空体であってもよい。
そして、ロータ20を例えばアンバランスに構成し、ロータ20の3軸周りの回転によりモータMが振動源として機能する振動モータに適用可能である。また、ロータ20に出力軸(図示略)を設け、第2ケース12の上部開口部12xから出力軸を突出させて構成し、3軸周りの回転出力を出力軸から取り出すことも可能である。この場合、出力軸の可動範囲に応じて、第2ケース12の上部開口部12xの形状や第1~第7コイルC1~C7の形状及び配置等の検討が必要である。
[モータMの制御]
図10に示すように、モータMの回転駆動を制御する制御装置50は、第1~第4インバータINV1~INV4を備えている。第1インバータINV1は、第1コイルC1と接続される。第1インバータINV1は、第1コイルC1に対して駆動電圧VP1を供給する。第2インバータINV2は第2コイルC2と接続され、第2コイルC2と第5コイルC5とは直列に接続される。第2インバータINV2は、第2及び第5コイルC2,5に対して駆動電圧VP2を供給する。第3インバータINV3は第3コイルC3と接続され、第3コイルC3と第6コイルC6とは直列に接続される。第3インバータINV3は、第3及び第6コイルC3,6に対して駆動電圧VP3を供給する。第4インバータINV4は第4コイルC4と接続され、第4コイルC4と第7コイルC7とは直列に接続される。第4インバータINV4は、第4及び第7コイルC4,7に対して駆動電圧VP4を供給する。上記した図6にて示したモータMの中心Oを挟んで対向関係にある第2及び第5コイルC2,C5、第3及び第6コイルC3,C6、第4及び第7コイルC4,C7については、それぞれが対応する同一のインバータINV2~INV4から駆動電圧VP2~VP4の供給を受け、それぞれの励磁タイミングが同期するものとなっている。
図10に示すように、モータMの回転駆動を制御する制御装置50は、第1~第4インバータINV1~INV4を備えている。第1インバータINV1は、第1コイルC1と接続される。第1インバータINV1は、第1コイルC1に対して駆動電圧VP1を供給する。第2インバータINV2は第2コイルC2と接続され、第2コイルC2と第5コイルC5とは直列に接続される。第2インバータINV2は、第2及び第5コイルC2,5に対して駆動電圧VP2を供給する。第3インバータINV3は第3コイルC3と接続され、第3コイルC3と第6コイルC6とは直列に接続される。第3インバータINV3は、第3及び第6コイルC3,6に対して駆動電圧VP3を供給する。第4インバータINV4は第4コイルC4と接続され、第4コイルC4と第7コイルC7とは直列に接続される。第4インバータINV4は、第4及び第7コイルC4,7に対して駆動電圧VP4を供給する。上記した図6にて示したモータMの中心Oを挟んで対向関係にある第2及び第5コイルC2,C5、第3及び第6コイルC3,C6、第4及び第7コイルC4,C7については、それぞれが対応する同一のインバータINV2~INV4から駆動電圧VP2~VP4の供給を受け、それぞれの励磁タイミングが同期するものとなっている。
第1~第4インバータINV1~INV4は、制御回路51により制御される。制御回路51は、モータMの適所に設置の第1~第6センサS1~S6から得るロール軸X、ピッチ軸Y、及びヨー軸Zの3軸周りのロータ20の回転位置に基づいて第1~第4インバータINV1~INV4を制御する。
ここで、第1~第6センサS1~S6は、それぞれの配置位置における図9に示すxn成分、yn成分及びzn成分の磁束を検出する(nは1~6)。xn成分は、第1ケース11の内周面11b(図3参照)の曲面の法線方向である。yn成分は、その曲面の接線方向で第1ケース11の内周面11bの周方向に沿った方向である。zn成分は、その曲面の接線方向でxn成分及びyn成分と直交する方向である。第1~第6センサS1~S6は、自身の配置位置でのx1~x6方向、y1~y6方向及びz1~z6方向の検出磁束に基づくセンサ信号SG1~SG6をそれぞれ制御回路51に出力する。なお、各センサS1~S6の上記配置においては、yn成分が他の成分よりも各コイルC1~C7の磁場の影響を受け難い。換言すると、yn成分にロータ20の磁極部21の漏れ磁束が多く含まれることから、各センサS1~S6の検出磁束のyn成分のみ又はyn成分を主に用いることでロータ20の回転位置が好適に検出可能である。
図11及び図12に示す各種波形は、第1~第6センサS1~S6の検出磁束の一例である。ちなみに、図12に示す波形は、ロータ20の磁極部21が仮に無いものとして、第1~第7コイルC1~C7に矩形波通電を行った際のロータ20の回転位置(図中、ロータ回転角)に対する磁束密度の変化波形である。これに対して図11に示す波形は、ロータ20の磁極部21が実際有り、各コイルC1~C7に矩形波通電を行った際のロータ20の回転位置に対する磁束密度の変化波形である。また、図13に示す各種波形は、無通電起電圧波形及び各コイルC1~C7に対する矩形波通電波形の一例である。矩形波通電波形は、第1~第4インバータINV1~INV4から出力される駆動電圧VP1~VP4の一例である。磁束密度の変化波形及び電圧波形は、モータMのロール軸X、ピッチ軸Y、ヨー軸Zの3軸(図6参照)それぞれのものを示している。図12に示すように、各センサS1~S6の検出磁束において、ロータ20の3軸それぞれの回転方向による磁束密度の変化態様、例えば変化形状や周期等が異なっている。
そして、図10に示すように、制御回路51は、第1~第6センサS1~S6の検出磁束に対応する各センサ信号SG1~SG6の取得に基づいて、ロール軸X、ピッチ軸Y、及びヨー軸Zの3軸周りのロータ20の回転位置を認識する。制御回路51は、都度のロータ20の回転位置の検出に基づいて各インバータINV1~INV4を制御し、都度好適な各駆動電圧VP1~VP4を生成する。すなわち、制御回路51は、駆動電圧VP1~VP4を通じてモータMの3軸周りの回転制御を行う。
[ステータのコイルの具体構成例]
図3及び図4等に示した第1及び第2ケース11,12の各内周面11b,12bの各側面凹部11e,12cに設置される第2~第7コイルC2~C7については、以下のような具体構成が検討されている。
図3及び図4等に示した第1及び第2ケース11,12の各内周面11b,12bの各側面凹部11e,12cに設置される第2~第7コイルC2~C7については、以下のような具体構成が検討されている。
図14に示すように、コイルC2~C7は、断面円形状の丸線や断面矩形状の平角線等の導線15が四角環状に巻回されて構成される。巻回態様は、例えばα巻である。コイルC2~C7は、ロール軸X周りの各ケース11,12の周方向に沿った辺が長辺部Ca、長辺部Caと直交する方向の辺が短辺部Cbである。長辺部Caにおいて隣接する導線15間の隙間Laの方が短辺部Cbにおいて隣接する導線15間の隙間Lbよりも相対的に大きい設定である。つまり、コイルC2~C7の構成において、導線15の高占積率を狙いつつ、渦電流損の低減効果等が期待できる。
図15に示す態様では、コイルC2~C7は、断面矩形状の平角線よりなる導線16が四角環状に巻回されて構成される。巻回態様は、例えばα巻である。平角線よりなる導線16は、自身の幅方向Wがロール軸Xの直交方向に沿った配置である。導線16は、各ケース11,12の内周面11b,12bの曲面形状に合わせて幅方向Wにずらしながら配置される。この態様においても、導線16の高占積率及び渦電流損の低減効果等が期待できる。
図16に示す態様では、コイルC2~C7は、断面円形状の丸線や断面矩形状の平角線等の導線17が四角環状に巻回されて構成される。コイルC2~C7の巻回軸方向から見て、導線17の面積SaがコイルC2~C7の巻回形状の内側の面積Sbよりも相対的に大きい設定である。換言すると、コイルC2~C7の巻回形状の内側の面積Sbが導線17の面積Saよりも相対的に小さい設定である。つまり、導線17の占積率の高いコイルC2~C7の構成を意味している。
図17に示す態様では、コイルC2~C7は、断面矩形状の平角線よりなる導線16が四角環状に巻回された単位ユニットUを導線16の幅方向Wに複数(図中、2つ)積み重ねられて構成される。巻数の多いコイルC2~C7であっても、必要数の単位ユニットUを積み重ねることで容易に構成可能である。
図18に示す態様では、コイルC2~C7は、断面矩形状の平角線よりなる導線16が四角環状に巻回されて構成される。この態様での平角線よりなる導線16は、自身の幅方向Wが各ケース11,12の内周面11b,12bに沿った向きで、自身の厚さ方向Dが各ケース11,12の内周面11b,12bと直交する方向に積み重ねられて構成される。
図19に示す態様では、コイルC2~C7は、断面円形状の丸線よりなる導線18が四角環状に巻回されて構成される。コイルC2~C7は、一般的な丸線よりなる導線18を用い、各ケース11,12の内周面11b,12bの曲面形状に沿わせることが容易である。
[ロータの磁極部の具体構成例]
図5等に示したロータ20は、図20に示すように、個々の磁極部21毎に分割された永久磁石よりなる磁石部品25を曲面形状とし、全体として中空球体状に構成、若しくは磁性金属で球体状をなすロータコア(図示略)の外周面に固定されて構成される。各磁極部21を構成する磁石部品25は、例えばゴム材料等を用いた可撓性を有する板状のものを曲面形状に変形させて用いられる。また、磁石部品25は、例えば三次元造形装置(図示略)を用いた積層造形(AM造形)により予め曲面形状に作製したものを用いてもよい。積層造形により作製する磁石部品25は、自身の磁化方向と積層境界とが略並行となる構造とすることが好ましい。
図5等に示したロータ20は、図20に示すように、個々の磁極部21毎に分割された永久磁石よりなる磁石部品25を曲面形状とし、全体として中空球体状に構成、若しくは磁性金属で球体状をなすロータコア(図示略)の外周面に固定されて構成される。各磁極部21を構成する磁石部品25は、例えばゴム材料等を用いた可撓性を有する板状のものを曲面形状に変形させて用いられる。また、磁石部品25は、例えば三次元造形装置(図示略)を用いた積層造形(AM造形)により予め曲面形状に作製したものを用いてもよい。積層造形により作製する磁石部品25は、自身の磁化方向と積層境界とが略並行となる構造とすることが好ましい。
図21に示す態様では、ロータ20は、各磁極部21を構成する磁石部品26において、周縁部よりも中央部の厚みが段階的に厚く構成される。各磁極部21の磁束密度変化が正弦波状に近づくようにしたものである。このような形状をなす磁石部品26については、積層造形等により容易に作製可能である。
図22に示す態様では、各磁極部21を構成する磁石部品27において、図21の態様よりも中央部の厚みが厚くされ、ロータ20は中実状に構成される。各磁極部21の磁束密度変化がより正弦波状に近くなるようにしたものである。このような形状をなす磁石部品27についても、積層造形等により容易に作製可能である。また、図21及び図22に示す磁石部品26,27は自身の厚みが増すため、自身の内部で磁路が完結する極異方性配向磁石やハルバッハ配向磁石として構成し易い。
図23に示す態様では、1つの磁極部21において、さらに細かく分割された磁石部品28が用いられて各磁石部品28を集合させて構成される。1つの磁極部21を構成する複数の磁石部品28は、同一方向に着磁されたものが用いられ、全体として1つの磁極をなす。
図24に示す態様では、1つの磁石部品29aにおいて、細かく分割した領域A1毎に異なる磁極に着磁してもよい。この態様で用いる磁石部品29aは、自身の表裏面に磁束が通るパラレル配向磁石、若しくはラジアル配向磁石である。なお、この磁石部品29aを用いるロータに対しては、ステータのコイルの大きさや配置等を対応させる必要がある。
図25に示す態様では、1つの磁石部品29bにおいて細かく分割した領域A2毎に異なる磁極に着磁する態様であり、この態様で用いる磁石部品29bは、自身の内部で磁路が完結する極異方性配向磁石である。極異方性配向磁石は、例えば図21及び図22の態様のように、自身の厚みを増すと適用し易い。
図26に示す態様では、1つの磁石部品29cにおいて細かく分割した領域A3毎に異なる磁極に着磁する態様であり、この態様で用いる磁石部品29cは、自身の内部で磁路が完結するハルバッハ配向磁石である。ハルバッハ配向磁石についても、例えば図21及び図22の態様のように、自身の厚みを増すと適用し易い。
図27に示す態様では、例えばモータMが振動モータとして機能させるために、ロータ20をアンバランスに構成する例である。図27の第1例では、例えば第1及び第2半球部20x,20yの各磁極部21において異なる磁石部品30a,30bが用いられる。例えばN極の磁石部品30aはフェライト系磁石、S極の磁石部品30bはネオジ系磁石というように磁石材料が異なっている。また、磁石部品30a,30bの着磁率や厚みが異ならせてもよい。図27の第2例では、例えば第1半球部20xの一部の磁極部21aの角度範囲が他の磁極部21よりも小さく構成される。図27の第3例では、例えば第1半球部20xは磁極部21で構成され、第2半球部20yは非磁性部31で構成される。図27の第4例では、例えば第1及び第2半球部20x,20yの各磁極部21において、N極は磁石部品32、S極は磁性金属部品33にて構成される。S極の磁性金属部品33は、N極の磁石部品32の磁束を受けてS極の擬似磁極として機能する。各例のように、ロータ20が構造的又は磁気的にアンバランスとされ、振動用途のモータMのロータ20として容易に構成可能である。
本実施形態の効果について説明する。
(1)モータMにおけるステータ10は、複数のコイルC2~C4(,C5~C7)が例えば本実施形態では3つの回転軸の1つのロール軸X周りに並んで配置され、またこのロール軸X周りのコイルC2~C4(,C5~C7)の並ぶ方向と交差する方向にコイルC1及びコイルC5~C7(,C2~C4)が配置されて構成される。ステータ10では、各コイルC1~C7の励磁にて3軸X,Y,Z周りの回転磁界を好適に生じさせることが可能である。ロータ20の磁極部21は、球体状をなすロータ20の外周面20aに対応する曲面形状をなし、ロータ20の外周面20aに割り当てられた領域に広く設けることが可能である。つまり、十分なモータ出力を得ることのできる好適な構成の多自由度モータとして本実施形態のモータMを提供することができる。
(1)モータMにおけるステータ10は、複数のコイルC2~C4(,C5~C7)が例えば本実施形態では3つの回転軸の1つのロール軸X周りに並んで配置され、またこのロール軸X周りのコイルC2~C4(,C5~C7)の並ぶ方向と交差する方向にコイルC1及びコイルC5~C7(,C2~C4)が配置されて構成される。ステータ10では、各コイルC1~C7の励磁にて3軸X,Y,Z周りの回転磁界を好適に生じさせることが可能である。ロータ20の磁極部21は、球体状をなすロータ20の外周面20aに対応する曲面形状をなし、ロータ20の外周面20aに割り当てられた領域に広く設けることが可能である。つまり、十分なモータ出力を得ることのできる好適な構成の多自由度モータとして本実施形態のモータMを提供することができる。
(2)ロータ20の磁極部21を構成する磁石部品25について、可撓性を有する板状の部品を曲面形状に変形させて用いる構成とすれば、ゴム材料等の可撓性を有する板材から容易に作製することができる。
(3)ロータ20の磁極部21を構成する磁石部品25について、積層造形により予め曲面形状に作製されたものを用いる構成とすれば、積層造形にて容易に3次元形状のものを作製することができる。
(4)ロータ20の磁極部21を極異方性配向磁石又はハルバッハ配向磁石を用いる構成とすれば、ロータ20側での磁路長さを短くでき、有効磁束の増加、モータ出力の増加等が期待できる。
(5)ロータ20は、第1及び第2半球部20x,20yのそれぞれの周方向に複数の磁極部21が配置されて構成される。つまり、ロータ20の3軸周りの回転をより好適に行うことが可能である。
(6)第1ケース11の内周面11bにコイルC1,C2~C4が配置、第2ケース12の内周面12bにコイルC5~C7が配置され、中空球体状をなすように各ケース11,12が互いに組み合わされてステータ10が構成される。これにより、コイルC1,C2~C4,C5~C7を適切な位置に配置でき、しかも容易である。
(7)ステータ10は、モータMの中心Oを挟んで対向する位置関係にて配置されるコイルC2,C5、コイルC3,C6、コイルC4,C7を含んで構成される。つまり、ステータ10において、ロータ20の3軸周りの回転をより好適に行うための回転磁界を供給することが可能である。
(8)ステータ10では、モータMの中心Oを挟んで対向する位置関係をなすコイルC2,C5、コイルC3,C6、コイルC4,C7がそれぞれ同期した励磁が行われる接続態様をなす。つまり、同期励磁するもの同士でインバータINV2~INV4を共通化でき、制御装置50の構成の簡素化が期待できる。
(9)ステータ10に備えるロータ20の回転位置を検出するためのセンサS1~S6は、隣接する複数のコイルC1,C2~C4等の間に配置されて構成される。つまり、各センサS1~S6は、各コイルC1~C7の通電に基づく界磁磁束の影響の小さい位置に配置されるため、ロータ20の回転位置の検出をより精度良く行うことが期待できる。
(10)ステータ10では、センサS1~S6が一方の第1ケース11側に集約して配置されて構成される。つまり、センサS1~S6の配線の取り回しが容易になる等の効果が期待できる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・ロール軸X周りに並んで配置されるコイルC2~C4を備える場合、コイルC2~C4の並びと交差する方向にあるコイルC1又はコイルC5~C7のいずれかを省略してもよい。また、コイルC5~C7を備える場合、コイルC1を残し、コイルC2~C4を省略してもよい。また、第2ケース12の上部開口部12xを閉塞し、コイルC1と対向する新たなコイルを設けてもよい。
・ロール軸X周りに並んで配置されるコイルC2~C4を備える場合、コイルC2~C4の並びと交差する方向にあるコイルC1又はコイルC5~C7のいずれかを省略してもよい。また、コイルC5~C7を備える場合、コイルC1を残し、コイルC2~C4を省略してもよい。また、第2ケース12の上部開口部12xを閉塞し、コイルC1と対向する新たなコイルを設けてもよい。
・コイルC1~C7について、予め曲面形状に作製した基板や曲面形状に変形可能なフレキシブル基板に導体パターンを巻回形状に形成したコイルであってもよい。
・ケース11,12を2分割としたが、3分割以上、若しくは分割しない態様であってもよい。
・ケース11,12を2分割としたが、3分割以上、若しくは分割しない態様であってもよい。
・センサS1~S6の配置、数を適宜変更してもよい。
・制御装置50の構成を適宜変更してもよい。上記では7つのコイルC1~C7に対して4つのインバータINV1~INV4にて駆動したが、インバータの数の変更、コイルC1~C7との接続態様を変更してもよい。
・制御装置50の構成を適宜変更してもよい。上記では7つのコイルC1~C7に対して4つのインバータINV1~INV4にて駆動したが、インバータの数の変更、コイルC1~C7との接続態様を変更してもよい。
・モータの磁極数を適宜変更してもよい。上記モータMの構成としては、ステータ10には7つのコイルC1~C7、この場合底面部のコイルC1を除いたロール軸X周りに6つのコイルC2~C7が備えられ、ロータ20には8つの磁極部21が備えられる。すなわち、上記モータMは、ステータ10側が6スロット、ロータ20側が8極のモータとして構成されている。
図28に示す態様では、ステータ10は、例えば9つのコイルC1~C9、この場合底面部のコイルC1を除いたロール軸X周りに8つのコイルC2~C9を備える。コイルC2~C5はモータMの下側半球部分に配置され、コイルC6~C9はモータMの上側半球部分に配置される。コイルC2~C5とコイルC6~C9とは、上記と同様、周方向に互いにコイル半分ずつずれた配置となっている。ロータ20は、4つの磁極部21を備える。第1及び第2半球部20x,20yは、それぞれが2つの磁極部21として構成される。この態様のモータMのように、ステータ10側が8スロット、ロータ20側が4極のモータとして構成してもよい。
図29に示す態様では、ステータ10は、例えば5つのコイルC1~C5、この場合底面部のコイルC1を除いたロール軸X周りに4つのコイルC2~C5を備える。コイルC2~C5は、コイルC1とともにモータMの下側半球部分に配置される。ロータ20は、2つの磁極部21を備える。第1及び第2半球部20x,20yは、それぞれが磁極部21として構成される。この態様のモータMのように、ステータ10側が4スロット、ロータ20側が2極のモータとして構成してもよい。
・モータMは、互いに直交する3つの回転軸であるロール軸X、ピッチ軸Y、及びヨー軸Zの3軸周りに回転駆動するものであったが、これに限らず、互いに交差する複数の回転軸周りに回転駆動するものであってもよい。また、モータMは、回転軸周りの回転磁界で1回転以上回転駆動するもののみならず、1回転未満の駆動磁界で駆動するものであってもよい。
10 ステータ、11,12 第1及び第2ケース、11b,12b 内周面、20 ロータ、20a 外周面、20x,20y 第1及び第2半球部、21等 磁極部、25等 磁石部品、M モータ(多自由度モータ)、C1~C7等 コイル、S1~S6 センサ、X ロール軸(回転軸、第1軸)、Y ピッチ軸(回転軸)、Z ヨー軸(回転軸)、O 中心
Claims (10)
- 球体状のロータ(20)と、前記ロータの周囲に配置されるコイル(C1~C7等)を有するステータ(10)とを備え、前記ステータの前記コイルに生じる駆動磁界に基づいて、複数の回転軸(X,Y,Z)周りの前記ロータの駆動を可能とした多自由度モータ(M)であって、
前記ステータは、前記コイルを構成する複数のコイル(C2~C4等)が前記複数の回転軸の1つである第1軸(X)周りに並んで配置されるとともに、前記第1軸周りの前記コイルの並ぶ方向と交差する方向に少なくとも1つのコイル(C1,C5~C7等)が配置されて構成され、
前記ロータは、自身の外周面(20a)に割り当てられた領域に曲面形状の磁極部(21等)が備えられて構成されている、多自由度モータ。 - 前記ロータの前記磁極部は、可撓性を有する板状の磁石部品(25等)を曲面形状に変形させたものを用いて構成されている、請求項1に記載の多自由度モータ。
- 前記ロータの前記磁極部は、積層造形により予め曲面形状に作製された磁石部品(25等)を用いて構成されている、請求項1に記載の多自由度モータ。
- 前記ロータの前記磁極部は、極異方性配向磁石又はハルバッハ配向磁石を用いて構成されている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の多自由度モータ。
- 前記ロータは、第1及び第2半球部(20x,20y)において各半球部の周方向に複数の前記磁極部が配置されて構成されている、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の多自由度モータ。
- 前記ステータは、互いに組み合わされて中空球体状をなすそれぞれ中空半球状の第1及び第2ケース(11,12)を有し、
前記第1及び第2ケースの各内周面(11b,12b)のそれぞれに前記複数のコイル(C2~C4,C5~C7等)が前記第1軸周りに並んで配置されるとともに、前記第1及び第2ケースの少なくとも一方の底面部に前記第1軸周りに巻回形状をなす前記コイル(C1)が配置されて構成されている、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の多自由度モータ。 - 前記ステータは、モータの中心(O)を挟んで対向する位置関係にて配置された少なくとも1組の前記コイル(C2,C5等)を含んで構成されている、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の多自由度モータ。
- 前記ステータにおいて、前記モータの中心(O)を挟んで対向する位置関係をなす前記コイルは、同期した励磁が行われる接続態様をなしている、請求項7に記載の多自由度モータ。
- 前記ステータは、前記ロータの回転位置を検出するための前記ロータの前記磁極部の磁束を検出するセンサ(S1~S6)を備え、
前記センサは、隣接する前記複数のコイルの間に配置されて構成されている、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の多自由度モータ。 - 前記ステータは、互いに組み合わされて中空球体状をなすそれぞれ中空半球状の第1及び第2ケース(11,12)を有し、
前記センサは、前記第1及び第2ケースの一方側に集約して配置されて構成されている、請求項9に記載の多自由度モータ。
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20230303 |
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