JP2007155482A - 回転角度検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】個別の構造を用いることなく、回転体の回転角度及び回転数を絶対値で容易且つ確実に検出することができる回転角度検出装置を提供する。
【解決手段】回転体連動機構4は、回転板3と連動して回転する連動回転体5と、ハウジング2に固着された案内部6と、連動回転体5及び案内部6内に収容され、連動回転体5とともに回転し、且つその回転の軸方向に移動する従動体7とを備えている。従動体7の一面には磁石8が配設され、ハウジング2の固定部2aにおいて磁石8と対向する箇所にはMIセンサ9が配設されている。MIセンサ9は演算部10に電気的に接続され、演算部10は、該MIセンサ9によって検出された磁石8の磁界の変化を示す検出信号に基づいて、ステアリングシャフトSの回転角度及び回転数を算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば車両においてステアリングホイールの操舵角を検出する回転角度検出装置に関するものである。
近年、自動車において、VSC(Vehicle Stability Control)システム(R)、ESP(Electronic Stability Program)システム(R)といった車両安定性制御システムや、電子制御サスペンションシステムなどを搭載する場合には、そのシステム制御のためにステアリングの操舵角を検出する必要がある。このため、従来、こうした車両においては、操舵角を検出するための回転角度検出装置をステアリングコラム内に組み込むことが行われている。
一般に、回転角度検出装置としては、例えば特許文献1に示されるような絶対角検出方式の回転角度検出装置と、例えば特許文献2に示されるような相対角検出方式の回転角度検出装置とが知られている。
具体的には、特許文献1に示される絶対角検出方式の回転角度検出装置では、3つの光センサと1つの磁気抵抗素子が用いられ、各光センサによって回転板の1回転中の角度を検出し、磁気抵抗素子からの出力電圧に基づいて回転板の回転数を検出するようになっている。詳しくは、回転板には周方向にそれぞれパターンの異なる3列のスリット列が設けられ、それらスリット列と対応する位置に各光センサが配置されている。そして、それらスリット列のスリットの有無に基づいて各光センサは、合計3ビットのコードを出力するようになっている。このコードは、回転板の1回転中において重複しないようになっている。このため、回転角度検出装置は、該コードを認識することにより、回転板の回転角を絶対値で検出することができる。
こうした絶対角検出方式の回転角度検出装置によれば、回転板の回転角を絶対値で検出することが可能であるため、機能停止中に回転板が回転されても、機能復帰時には該回転板の回転角度を検出することができる。しかし、こうした絶対角検出方式の回転角度検出装置では、角度検出のための素子数が多く必要であるとともに、回転板に設けるスリットのパターン設計が難しいといった不都合がある。
一方、特許文献2に示される相対角検出方式の回転角度検出装置では、3つの光センサが用いられ、各光センサによって回転板の回転角度を検出するとともに、フェールセーフが行われるようになっている。詳しくは、回転板には周方向に等間隔で複数のスリットが設けられ、回転板が回転されるとそれらスリットの有無に基づいて各光センサは交番2進符号を出力するようになっている。そして、回転角度検出装置は、基準となる角度データに各光センサからの交番2進符号の変移数を加減算することにより、回転板の回転角度を相対的に算出するようになっている。
こうした相対角検出方式の回転角度検出装置によれば、最低で2つの光センサを用いれば回転板の回転角度を検出することができるとともに、回転板に設けるスリットのパターンも単純で済むため、該スリットのパターン設計も容易となる。
ところが、相対角検出方式の回転角度検出装置においては、機能停止状態で回転板が回転されると、機能停止直前の回転板の回転角度と、機能復帰時における実際の回転板の回転角度とが相違してしまう。このため、たとえ車両がイグニッションOFF状態(エンジン停止状態)となっても、回転角度検出装置は回転板の回転角度を検出し続けなければならない。しかし、車両のイグニッションOFF状態においても回転角度検出装置を動作させると、その電力消費によってバッテリ上がりが生じてしまうおそれがある。すなわち、回転角度検出装置に対して多量の暗電流が流れてしまい、これに起因してバッテリ上がりが生じてしまうおそれがある。
特開2002−98522号公報 特開2000−46536号公報
ところで、これら絶対角検出方式及び相対角検出方式の何れの回転角度検出装置を用いた場合においても、回転板の回転数を検出するためには、個別の回転数検出機構が必要となる。すなわち、例えば図8に示すように、回転角度検出装置51は、回転板52の回転角度を検出するための角度検出機構53と、回転板52の回転数を検出するための回転数検出機構54とを個別に備えていなければならない。このため、回転角度検出装置51として構造が複雑になるとともに、回転数検出機構54を配設するためのスペースを回転板52の近傍に確保しなければならない。特に、回転板52の回転角度と回転数とを絶対値で求めるためにはこうした個別の構造が必要となる場合が多く、回転角度検出装置として大型化する傾向にある。
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、個別の構造を用いることなく、回転体の回転角度及び回転数を絶対値で容易且つ確実に検出することができる回転角度検出装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、回転体の回転に伴って従動体を回転させるとともに、該従動体を、その回転の軸方向に移動させて固定部に近接・離間させる回転体連動機構と、前記従動体または前記固定部に配設され、該従動体と該固定部との相対的な回転角度及び距離を検出する検出手段と、該検出手段による検出結果に基づいて前記回転体の回転角度及び回転数を算出する算出手段とを備えることを要旨とする。
上記構成によると、回転体の回転に伴って従動体が回転されるとともに、従動体はその回転の軸方向に移動して固定部に対して近接・離間する。そして、検出手段は、その従動体と固定部との相対的な位置関係を検出し、その検出結果に基づいて回転体の回転角度及び回転数が算出手段によって算出される。従動体と固定部との相対的な位置関係は、回転体の回転角度及び回転数に応じてそれぞれ異なる位置関係となるため、回転体の回転角度及び回転数を絶対値で求めることが可能となる。しかも、回転角度を検出するための構造と回転数を検出するための構造とを個別に設ける必要もない。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の回転角度検出装置において、前記従動体及び前記固定部において相対する面の一方に磁石が配設されるとともに、他方に前記検出手段として前記磁石の磁界を検出する磁気検出素子が配設され、前記磁気検出素子は、前記磁石との相対的な回転及び該磁石との相対的な距離の変化に基づいて変化する磁界の変化を検出し、前記算出手段は、該磁気検出素子によって検出された前記磁界の変化に基づいて、前記回転体の回転角度及び回転数を求めることを要旨とする。
上記構成によると、検出手段は磁気検出素子によって構成され、従動体の回転量及び軸方向への直線移動量が磁石の磁界の変化として検出される。そして、その磁界の変化に基づいて回転体の回転角度及び回転数が算出手段によって算出される。従動体及び固定部において相対する面の一方に磁石が配設され、他方に磁気検出素子が配設されることにより、磁気検出素子によって検出される磁界は、従動体の回転及び軸方向への直線移動によってそれぞれ個別の検出値として検出される。このため、算出手段は、回転体の回転角度及び回転数を絶対値で確実に算出することが可能となる。
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の回転角度検出装置において、前記磁気検出素子は、前記磁石との相対的な回転に基づいて変化する磁界の変化を示す回転要因磁気変化と、該磁石との相対的な距離の変化に基づいて変化する磁界の変化を示す距離要因磁気変化とを個別に検出する磁気インピーダンス素子によって構成され、前記算出手段は、該磁気インピーダンス素子によって検出された各磁界の変化に基づいて、前記回転体の回転角度及び回転数を求めることを要旨とする。
上記構成によると、磁気検出素子として磁気インピーダンス素子が用いられている。磁気インピーダンス素子は、相対する磁石の回転に基づいて変化する磁界の変化と、該磁石との相対的な距離の変化に基づいて変化する磁界の変化とを高精度に検出可能である。このため、磁気検出素子として磁気インピーダンス素子を用いることにより、回転体の回転角度及び回転数を高精度に検出可能となる。
請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転角度検出装置において、前記回転体連動機構は、前記回転体の回転に連動して回転する連動回転体と、該連動回転体の軸方向に遊嵌されて該連動回転体とともに回転する前記従動体と、前記固定部側に配設され、該回転の軸方向に前記従動体を案内する案内部とを備えていることを要旨とする。
上記構成によると、回転体が回転すると、その回転に連動して連動回転体及び従動体が回転する。従動体は連動回転体の軸方向に遊嵌されており、回転に伴って案内部により該軸方向に案内される。このため、従動体は回転体とともに確実に回転するとともに、その回転に伴って確実に軸方向に移動する。よって、従動体と検出手段との位置関係が、回転体の回転に基づいて確実に変化する。
以上詳述したように、本発明によれば、個別の構造を用いることなく、回転体の回転角度及び回転数を絶対値で容易且つ確実に検出することができる回転角度検出装置を提供することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明の回転角度検出装置を車両におけるステアリングの操舵角を検出する操舵角検出装置として具体化した一実施形態を図1〜図4に基づき詳細に説明する。
図1(a),(b)に示すように、回転角度検出装置としての操舵角検出装置1は、図示しない車両のステアリングコラム内に配設され、回転体としてのステアリングシャフトSに装着されている。操舵角検出装置1は、ステアリングシャフトSの周囲の構造体に固定されたハウジング2内に配設されている。ステアリングシャフトSの外周面には、該ステアリングシャフトSとともに回転する回転板3が形成されている。また、回転板3の外周面にはギア部3aが形成されている。そして、回転板3の近辺には、回転板3に従動して回転する回転体連動機構4が配設されている。
図2及び図3に併せ示すように、回転体連動機構4は、回転板3と連動して回転する連動回転体5と、ハウジング2に固着された案内部6と、連動回転体5及び案内部6内に収容され、連動回転体5とともに回転し、且つその回転の軸方向に移動する従動体7とを備えている。
連動回転体5は、ギア部3aと歯合する円形状をなすギア部5aと、その軸心部位において該ギア部5aの一方の面から突出してハウジング2に支持される支持部5bと、該ギア部5aの他方の面から突出する円筒状の筒部5cとによって構成されている。なお、筒部5cを構成する周壁には、軸方向と平行に延びる一対のスリット5dが軸心に対して対称となるように設けられている。このため、ステアリングシャフトSが回転されると、回転板3の回転に伴って連動回転体5も回転されることとなる。なお、本実施形態において連動回転体5は、回転板3の1回転当たり、3回転する歯数比で形成されている。
案内部6には、連動回転体5の筒部5cの外径よりも若干大径に設定されるとともに内周面に雌ネジ部が形成された貫通孔6aが、該連動回転体5の軸心と一致するように設けられている。
そして、図2及び図3に示すように、連動回転体5の筒部5cは、内周面5eの径よりも若干小径に設定された円柱状の従動体7を収容した状態で、貫通孔6a内に収容されている。従動体7の外周面には、筒部5cの各スリット5dに挿通されるとともに、貫通孔6aの雌ネジ部に合致する誘導突部7aが突設されている。すなわち、従動体7は、連動回転体5に対して軸方向に遊嵌された状態で案内部6に支持されている。
このため、ステアリングシャフトSが回転して回転板3が回転すると、その回転に伴って連動回転体5が連動して回転する。そして、その連動回転体5の回転により、筒部5cに遊嵌された従動体7の各誘導突部7aが筒部5cによって押圧され、これにより従動体7も回転する。それとともに、各誘導突部7aが案内部6の貫通孔6aの内周面に設けられた雌ネジ部に案内されるため、従動体7は、連動回転体5の軸方向(図3に示す矢印F方向)に移動する。
ところで、図1〜図3に示すように、従動体7における連動回転体5内への挿通側とは逆側の面には、磁石8が配設されている。また、図1(b)及び図3に示すように、ハウジング2において磁石8と対向する固定部2aには、検出手段としての磁気インピーダンス素子からなるMIセンサ(Magneto-impedance Sensor )9が配設されている。なお、本実施形態においてMIセンサ9は、3軸検出タイプのものを用いている。
MIセンサ9は、マイクロコンピュータによって構成された演算部10に電気的に接続されており、磁石8の磁界の変化を検出してその検出結果を演算部10に出力する。詳しくは、図4に示すように、MIセンサ9は、従動体7における磁石8の載置面方向(図1(b)に示すX−Y方向)の磁界の変化を示す検出電圧と、該従動体7の軸移動方向(図1(b)に示すZ方向)の磁界の変化を示す検出電圧とを出力する。なお、図1(b)における矢印X,Y,Z方向は、三次元方向を示すものである。これら検出電圧は、従動体7の移動に伴い、磁石8がMIセンサ9に近接するほど振幅が大きくなり、該磁石8がMIセンサ9から離間するほど振幅が小さくなる略正弦波形となる。詳しくは、例えば図4に示すように、X,Y方向における検出電圧の振幅は、従動体7の1回転目においては電圧V1が最大値、電圧V2が最小値となり、2回転目においては電圧V3が最大値、電圧V4が最小値となる。同様に、従動体7の3回転目においては電圧V5が最大値、電圧V6が最小値となり、4回転目においては電圧V7が最大値、電圧V8が最小値となる。これら電圧V1〜V8は、「V1<V3<V5<V7、V2>V4>V6>V8」の関係が成立する。また、Z方向における検出電圧の振幅は、従動体7の1回転目においては電圧V11が最大値、電圧V12が最小値となり、2回転目においては電圧V13が最大値、電圧V14が最小値となる。同様に、従動体7の3回転目においては電圧V15が最大値、電圧V16が最小値となり、4回転目においては電圧V17が最大値、電圧V18が最小値となる。これら電圧V11〜V18は、「V11<V13<V15<V17、V12>V14>V16>V18」の関係が成立する。
そして、演算部10は、こうしたMIセンサ9から入力される検出電圧に基づいて回転板3、すなわちステアリングシャフトSの回転角度及び回転数を算出する。例えば、図4に示すポイントP1で示される回転位置においてX方向電圧としてX1電圧、Y方向電圧としてY1電圧、Z方向電圧としてZ1電圧がMIセンサ9からそれぞれ入力された場合、演算部10は、これら電圧に基づいて回転板3の回転角度及び回転数を算出する。各方向電圧の振幅は回転数に応じて変化するため、X1電圧、Y1電圧及びZ1電圧に対応する回転角度及び回転数はポイントP1の位置しか相当しない。このため、演算部10は、各方向電圧に基づいて従動体7の回転角度及び回転数を絶対値で算出することが可能となる。従動体7は回転板3が1回転する間に3回転するため、演算部10は、こうした回転比率に基づいて回転板3、すなわちステアリングシャフトSの回転角度及び回転数を絶対値で算出することができる。
したがって、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)ステアリングシャフトSの回転に伴って従動体7が回転されるとともに、従動体7はその回転の軸方向に移動して固定部2aに対して近接・離間する。従動体7において固定部2aと対応する面には磁石8が配設され、固定部2aにはMIセンサ9が該磁石8と対向して配設されている。MIセンサ9は、その従動体7と固定部2aとの相対的な位置関係、すなわち磁石8との相対的な位置関係を検出する。そして、演算部10は、その検出結果に基づいてステアリングシャフトSの回転角度及び回転数を算出する。従動体7はステアリングシャフトSの回転に伴って回転するとともに固定部2aに対して近接・離間することから、磁石8とMIセンサ9との相対的な位置関係は、ステアリングシャフトSの回転角度及び回転数に応じてそれぞれ異なる位置関係となる。このため、演算部10は、MIセンサ9による検出結果に基づいてステアリングシャフトSの回転角度及び回転数を絶対値で求めることができる。しかも、回転角度を検出するための構造と回転数を検出するための構造とを個別に設ける必要もないため、操舵角検出装置1の小型化を図ることもできる。
(2)検出手段は磁気検出素子からなるMIセンサ9によって構成され、従動体7の回転量及び軸方向への直線移動量が磁石8の磁界の変化として検出される。そして、その磁界の変化に基づいてステアリングシャフトSの回転角度及び回転数が演算部10によって算出される。従動体7が従動体7に配設されるとともに、固定部2aにMIセンサ9が配設されているため、該MIセンサ9によって検出される磁界は、従動体7の回転及び軸方向への直線移動によってそれぞれ個別の検出値として検出される。このため、演算部10は、ステアリングシャフトSの回転角度及び回転数を絶対値で確実に算出することができる。
(3)磁気検出素子として磁気インピーダンス素子からなるMIセンサ9が用いられている。磁気インピーダンス素子は、相対する磁石の回転に基づいて変化する磁界の変化と、該磁石との相対的な距離の変化に基づいて変化する磁界の変化とを高精度に検出可能である。このため、磁気検出素子としてMIセンサ9を用いることにより、ステアリングシャフトSの回転角度及び回転数を高精度に検出することができる。
(4)ステアリングシャフトSが回転すると、その回転に連動して連動回転体5及び従動体7が回転する。従動体7は連動回転体5の軸方向に遊嵌されており、回転に伴って案内部6の雌ネジ部により該軸方向に案内される。このため、従動体7はステアリングシャフトSとともに確実に回転するとともに、その回転に伴って確実に軸方向に移動する。よって、磁石8とMIセンサ9との位置関係が、ステアリングシャフトSの回転に基づいて確実に変化する。その結果、演算部10は、ステアリングシャフトSの回転角度及び回転数を絶対値で確実に算出することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を図5及び図6に基づいて説明する。ここでは第1実施形態と相違する点を主に述べ、共通する点については同一部材番号を付すのみとしてその説明を省略する。
図5及び図6に示すように、本実施形態において第1実施形態と異なる点は、回転体連動機構4の構造についてである。そこで、ここでは回転体連動機構4の構造に詳細に述べる。
図5に示すように、回転体連動機構4は、ステアリングシャフトSに配設された回転板3のギア部3aに歯合して該回転板3に従動して回転する連動回転体11を備えている。この連動回転体11は、略円筒形状をなしてハウジング2に回転可能に支持された基部11aと、その基部11aの外周面に設けられ、回転板3のギア部3aに歯合するギア部11bとを備えている。また、図6に示すように、基部11aの内周面11cには、軸方向に延びるスリット11dが90゜毎に計4つ設けられている。
本実施形態においてハウジング2は、第1固定部2aと第2固定部2bとによって構成され、第1固定部2aにおける前記連動回転体11の底面と対応する箇所には、該連動回転体11の軸方向に延びる案内部としての雄ネジ部12が立設されている。この雄ネジ部12は、連動回転体11の軸心と一致する位置に立設されており、連動回転体11が設置された際に該連動回転体11内に挿通された状態となる。
また、連動回転体11の基部11a内には、従動体13が図5及び図6における上方から軸方向に遊嵌されている。この従動体13は、連動回転体11の内周面11cの内径よりも若干小径に設定されるとともに上面に磁石8が配設された略円筒状の本体13aと、その外周面に90゜毎に計4つ設けられた軸方向に延びる誘導突部13bとを備えている。なお、各誘導突部13bは、それぞれ対応するスリット11dとほぼ一致するように設定されている。すなわち、従動体13は、各誘導突部13bを対応するスリット11dに一致させた状態で基部11a内に収容されている。このため、従動体13は、連動回転体11の回転に伴って回転する一方、軸方向には移動可能となっている。また、従動体13の底面において各誘導突部13bと対応する箇所には、軸方向に延びる爪部13cがそれぞれ突設されている。これら爪部13cは軸心方向に屈曲する鉤部を備え、これら鉤部は、ハウジング2に設置された連動回転体11の基部11a内に遊嵌された際に、雄ネジ部12のネジ溝に係合するようになっている。このため、従動体13は、連動回転体11に伴って回転するとともに、各爪部13cが雄ネジ部12のネジ溝に沿って案内されることによって軸方向に移動する。なお、従動体13において爪部13cが設けられた側の面(図中における下面)には図示しない凹所が設けられ、この凹所に雄ネジ部12の先端部が挿通可能となっている。
ところで、図5に示すように、ハウジング2の第2固定部2bには、従動体13の軸方向への移動を案内する案内溝2cと、その案内溝2cの上方においてMIセンサ9が設けられた基板14を保持する基板収容部2dが設けられている。なお、基板14は、MIセンサ9が磁石8と対向するように基板収容部2d内に配設されている。そして、ステアリングシャフトSが回転すると、その回転に伴って連動回転体11及び従動体13が回転するとともに、案内溝2cに沿って従動体13が軸方向(同図に示す矢印F方向)に移動し、磁石8が回転しながらMIセンサ9に近接・離間する。
したがって、本実施形態においても、前記第1実施形態と同等の効果を得ることができる。
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 前記第2実施形態において、従動体13には複数の爪部13cが設けられ、該従動体13は、これら爪部13cが雄ネジ部12のネジ溝に係合した状態で回転することにより、軸方向に移動可能となっている。しかしながら、例えば図7に示すように、各爪部13cを省略するとともに、従動体13における雄ネジ部12側の面(図中下面)に、該雄ネジ部12と螺着可能な雌ネジ部13dを設けてもよい。このようにすれば、従動体13が回転するとその回転に伴って雌ネジ部13dが雄ネジ部12に案内されるため、従動体13は回転しながら軸方向に移動することとなり、前記各実施形態と同等の作用効果を得ることができる。しかも、このようにした場合には、従動体13の構造が簡単となる。
・ 連動回転体5,11のギア部5a,11bは、回転板3の1回転当たり3回転するような歯数比に限らず、例えば回転板3の1回転当たり1回転、2回転、4回転以上するような歯数比に設定されていてもよい。但し、こうしたギア部5a,11bは、回転体の1回転に対して整数倍の比率で前記従動体を回転させるような歯数比に設定されている方が、演算部10の処理上の面からいえば好ましい。
・ 検出手段としての磁気検出素子は、3軸検出タイプのMIセンサ9に限らず、例えば2軸検出タイプのMIセンサや、MR(Magnetic Resistance )センサや、GMR(Giant Magnetic Resistance)センサなどの他の磁気検出センサによって構成されてもよい。なお、このように変更した場合、磁気検出センサは、従動体7,13における磁石8の載置面方向(図1(b)に示すX−Y方向)の磁界の変化を示す検出電圧のみを出力し、軸方向(同図に示すZ方向)の磁界の変化を示す検出電圧を出力しないため、演算部10による演算処理は簡素化される。但し、回転体連動機構4のメカ的な公差やセンサの公差により演算精度は低下する。
・ 前記各実施形態において、固定部2aに磁石8が設けられ、従動体7,13にMIセンサ9が配設されてもよい。
・ 回転角度検出装置は、前記各実施形態に示したようなステアリングシャフトSの回転角度及び回転数を検出するための操舵角検出装置1に限らず、回転体の回転角度及び回転数を検出するための装置であれば何でも適用可能である。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1) 請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転角度検出装置において、前記回転体連動機構は、前記回転体の1回転に対して整数倍の比率で前記従動体を回転させること。この(1)に記載の技術的思想によれば、算出手段は、回転体の回転角度及び回転数をより簡単に求めることができる。
(a)は本発明を車両における操舵角検出装置として具体化した第1実施形態の概略構成図、(b)は図1の矢印T方向からの部分断面図。 図1のA−A線断面図。 同実施形態の回転体連動機構を示す分解斜視図。 同実施形態の検出手段による検出信号を示すタイミングチャート。 第2実施形態の部分断面図。 同実施形態の回転体連動機構を示す分解斜視図。 他の実施形態の回転体連動機構の構成部材の断面図。 従来の回転角度検出装置の概略構成を示す平面図。
符号の説明
1…回転角度検出装置としての操舵角検出装置、2…ハウジング、2a…固定部、4…回転体連動機構、5,11…連動回転体、6…案内部、7,13…従動体、8…磁石、9…検出手段としてのMIセンサ、10…算出手段としての演算部、12…案内部としての雄ネジ部。

Claims (4)

  1. 回転体の回転に伴って従動体を回転させるとともに、該従動体を、その回転の軸方向に移動させて固定部に近接・離間させる回転体連動機構と、
    前記従動体または前記固定部に配設され、該従動体と該固定部との相対的な回転角度及び距離を検出する検出手段と、
    該検出手段による検出結果に基づいて前記回転体の回転角度及び回転数を算出する算出手段とを備えることを特徴とする回転角度検出装置。
  2. 前記従動体及び前記固定部において相対する面の一方に磁石が配設されるとともに、他方に前記検出手段として前記磁石の磁界を検出する磁気検出素子が配設され、
    前記磁気検出素子は、前記磁石との相対的な回転及び該磁石との相対的な距離の変化に基づいて変化する磁界の変化を検出し、
    前記算出手段は、該磁気検出素子によって検出された前記磁界の変化に基づいて、前記回転体の回転角度及び回転数を求めることを特徴とする請求項1に記載の回転角度検出装置。
  3. 前記磁気検出素子は、前記磁石との相対的な回転に基づいて変化する磁界の変化を示す回転要因磁気変化と、該磁石との相対的な距離の変化に基づいて変化する磁界の変化を示す距離要因磁気変化とを個別に検出する磁気インピーダンス素子によって構成され、
    前記算出手段は、該磁気インピーダンス素子によって検出された各磁界の変化に基づいて、前記回転体の回転角度及び回転数を求めることを特徴とする請求項2に記載の回転角度検出装置。
  4. 前記回転体連動機構は、前記回転体の回転に連動して回転する連動回転体と、該連動回転体の軸方向に遊嵌されて該連動回転体とともに回転する前記従動体と、前記固定部側に配設され、該回転の軸方向に前記従動体を案内する案内部とを備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転角度検出装置。
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