JP2021071094A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オルダム中間体の温度上昇時の反りを抑制することで、周辺部材との磨耗や焼き付きを抑制可能なバルブタイミング調整装置を提供する。【解決手段】バルブタイミング調整装置が備えるオルダム継手50は、駆動側回転体10に設けられる第1オルダム継手部51、遊星回転体30に設けられる第2オルダム継手部52、円環板状をなし第1オルダム継手部と第2オルダム継手部とを偏心自在に回転同期させるオルダム中間体53を有する。オルダム中間体は、係合凸部54と、係合凹部55と、切欠溝部56とを含む。係合凸部は、外周縁に径方向外側へ突出して形成され、第1オルダム継手部と摺動可能に係合する。係合凹部は、内周縁に凹設され、第2オルダム継手部と摺動可能に係合する。切欠溝部は、温度上昇時におけるオルダム中間体の軸方向への反りを抑制するように、内周縁を切り欠いて形成される。【選択図】図2

Description

本発明は、エンジンのクランク軸によりカム軸を介して開閉されるバルブの開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置に関する。
従来、例えば、特許文献1に記載されるように、エンジンのクランク軸により回転される駆動側回転体と、カム軸と一体に回転する従動側回転体との間にオルダム継手を介在させたバルブタイミング調整装置が知られている。オルダム継手は、駆動側回転体に設けられる案内溝部と、遊星回転体に設けられる突起部と、案内溝部および突起部を偏心自在に回転同期させるオルダム中間体とから構成されている。案内溝部は、駆動側回転体の端面に、周方向に180度の角度をおいて2つ設けられている。突起部は、遊星回転体の端面に、周方向に180度の角度をおいて2つ設けられている。
オルダム中間体は、円環板状をなし、その外周縁に一対の係合凸部が突設され、内周縁に一対の係合凹部が凹設されている。係合凸部は、駆動側回転体の案内溝部に係合する。係合凹部には、遊星回転体の突起部が係合する。係合凸部および係合凹部は、2つの係合凸部を結ぶ直線と2つの係合凹部を結ぶ直線がオルダム中間体の軸中心で直交するように、オルダム中間体の全周を4等分した位置に形成されている。
特開2018−87564号公報
ところで、駆動側回転体と従動側回転体との間に介在するオルダム中間体はスラスト方向に所定のクリアランスを持っている。また、オルダム中間体は、高温の潤滑油が軸中心側から供給されるため、作動状態等でオルダム中間体の温度が上昇したときに、特に中心部が高温になりやすい。その場合、オルダム中間体の内周縁の近傍が高温になり膨張するのに対し、外周縁近傍は膨張しないため、内側のひずみが軸方向に作用する。
その際、オルダム中間体が理想的な平らな板状であれば膨張する変形をするだけであるが、製造上必ず僅かな反りを有するため、反り返りが増すように変形する。そして、オルダム中間体の内周縁の反りが増大し、クリアランスを超えて反り返ってしまうことで、周辺部材に衝突し騒音や異常な磨耗や焼き付きが発生するという問題が生じていた。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、オルダム中間体の温度上昇時の反りを抑制することで、周辺部材との磨耗や焼き付きを抑制可能なバルブタイミング調整装置を提供することにある。
本発明のバルブタイミング調整装置は、エンジン(100)のクランク軸(101)によりカム軸(102)を介して開閉されるバルブ(103,104)の開閉タイミングを調整する。バルブタイミング調整装置は、駆動側回転体(10)と、従動側回転体(20)と、遊星回転体(30)と、偏心軸(40)と、オルダム継手(50)と、流体供給部(60)と、を備える。
駆動側回転体は、クランク軸によりカム軸の回転軸線(91)と同じ軸線の周りで回転される。従動側回転体は、駆動側回転体と同じ軸線の周りでカム軸と一体に回転する。遊星回転体は、駆動側回転体または従動側回転体のいずれか一方に形成された内歯歯車部(21)に噛み合う遊星歯車部(31)を有する。偏心軸は、遊星回転体をカム軸の回転軸線から平行に変位した偏心軸線(92)の周りで回転可能に支持する。
オルダム継手は、従動側回転体または駆動側回転体のいずれか他方に設けられる第1オルダム継手部(51)、遊星回転体に設けられる第2オルダム継手部(52)、円環板状をなし第1オルダム継手部と第2オルダム継手部とを偏心自在に回転同期させるオルダム中間体(53)、を有する。流体供給部は、潤滑用流体(O)をカム軸からオルダム中間体側へ供給する。
オルダム中間体は、係合凸部(54)と、係合凹部(55)と、切欠溝部(56)と、を含む。係合凸部は、外周縁に径方向外側へ突出して形成され、第1オルダム継手部または第2オルダム継手部のいずれか一方と摺動可能に係合する。係合凹部は、内周縁に凹設され、第1オルダム継手部または第2オルダム継手部のいずれか他方と摺動可能に係合する。切欠溝部は、温度上昇時におけるオルダム中間体の軸方向への反りを抑制するように、内周縁を切り欠いて形成される。
オルダム中間体は、高温の潤滑用流体が軸中心側から供給されるため、作動状態等でオルダム中間体の温度が上昇したときに、特に中心部が高温になりやすい。本発明の構成では、切欠溝部がオルダム中間体の内周縁を切り欠いて形成されているため、温度上昇時に、切欠溝部において内周縁近傍の熱ひずみが逃がされる。このため、オルダム中間体の中心部が軸方向に反り返る変形が抑制され、ひいては、オルダム中間体と周辺部材との磨耗や焼き付きを抑制することができる。
第1実施形態によるバルブタイミング調整装置の概略構成を示す断面図である。 オルダム継手部分を示す図1のII−II線断面図である。 オルダム継手の第2オルダム継手部を示す遊星回転体の斜視図である。 オルダム中間体の温度上昇時の変形を模式的に説明する図であり、図4(a)は正面断面図、図4(b)は図4(a)のb−b線断面図である。 第2実施形態によるオルダム中間体を示す正面断面図である。 第3実施形態によるオルダム中間体を示す正面断面図である。 第4実施形態によるオルダム中間体を示す正面断面図である。 第5実施形態によるオルダム中間体を示す正面断面図である。 第6実施形態によるオルダム中間体を示す正面断面図である。 比較形態によるオルダム中間体の温度上昇時の変形を模式的に説明する図であり、図10(a)は正面断面図、図10(b)は図10(a)のb−b線断面図である。
以下、本発明による複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
〈第1実施形態〉
[構成]
まず、本発明の第1実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。図1に示すように、第1実施形態のバルブタイミング調整装置1は、例えば車両用エンジン100において、クランク軸101からカム軸102までのトルク伝達経路に設けられる。カム軸102は、エンジン100の吸気バルブ103または排気バルブ104を開閉する。本発明の幾つかの実施形態では、バルブタイミング調整装置1が吸気バルブ103の開閉タイミングを調整する。
バルブタイミング調整装置1は、図示しないモータによって駆動される位相変更機構2を備えている。位相変更機構2には、駆動側回転体10、従動側回転体20、遊星回転体30、偏心軸40、オルダム継手50、流体供給部60等が設けられている。
駆動側回転体10は、ハウジング11とスプロケット部材12とを備えている。ハウジング11は環状の板状に形成され、スプロケット部材12がカップ状に形成されている。ハウジング11およびスプロケット部材12は、複数のボルト13で一体に組み付けられ、カム軸102と同じ回転軸線91の周りで回転する。スプロケット部材12は、外周にスプロケット歯14を備え、スプロケット歯14に巻き掛けられたチェーン105を介してクランク軸101に連結されている。これにより、駆動側回転体10は、クランク軸101のトルクにより回転軸線91の周りでクランク軸101と連動して回転される。
従動側回転体20は、ボルト15によってカム軸102に結合され、駆動側回転体10と同じ回転軸線91の周りでカム軸102と一体に回転される。従動側回転体20の内側には遊星回転体30が収容され、遊星回転体30の外周面に、従動側回転体20の内歯歯車部21に噛み合う遊星歯車部31が形成されている。なお、内歯歯車部21は、駆動側回転体10または従動側回転体20のどちらか一方に形成することができるが、この実施形態では従動側回転体20の内周面に形成されている。
遊星回転体30は、第1軸受33を介して偏心軸40のカム軸側端部41に支持されている。偏心軸40のカム軸側端部41は、その外周面がカム軸102の回転軸線91から平行に変位した偏心軸線92の周りで回転する。偏心軸40の反カム軸側端部42は、その外周面がカム軸102の回転軸線91と同じ軸線の周りで回転する。反カム軸側端部42は、第2軸受34を介してハウジング11に支持されるとともに、図示しない継手部材を介してモータの出力軸に接続されている。
偏心軸40がモータによって回転されると、カム軸側端部41の偏心回転によって遊星歯車部31の一部が内歯歯車部21に噛み合って、両者の間に噛み合い部32(図2参照)が形成される。カム軸側端部41の外周面には、2つの凹所43が偏心軸40の円周方向に互いに接近する状態で形成され、各凹所43内に板バネ44が装着されている。板バネ44は、第1軸受33を介して遊星回転体30をその半径方向外側へ付勢し、遊星歯車部31を内歯歯車部21に押し付ける。これにより、噛み合い部32のクリアランスを解消し、回転時に生じる衝撃やバックラッシ音等の騒音を抑えることができる。
オルダム継手50は、第1オルダム継手部51と、第2オルダム継手部52(図2、図3参照)と、オルダム中間体53とから構成されている。この実施形態では、第1オルダム継手部51が、図1、図2に示すように、駆動側回転体10において、スプロケット部材12の一方の端面(オルダム中間体53側の端面)に180度の角度をおいて2つ凹設されている。第2オルダム継手部52は、図3に示すように、遊星回転体30の一方の端面(オルダム中間体53側の端面)に180度の角度をおいて2つ突設されている。
図2および図4(a)に示すように、オルダム中間体53は円環板状に形成されている。外形は正円であり、内形は、第2方向の両端部位が断面円弧状の曲面をなし、第1方向の両端部位は断面直線状の平面をなしている。図4において、紙面左右方向が第1方向であり、紙面上下方向が第2方向である。オルダム中間体53は、断面形状において全体として軸中心C(図4(a)参照)に対して点対称、かつ直線L、Mを対称軸として線対称に形成されている。オルダム中間体53は、2つの係合凸部54と、2つの係合凹部とを有する。係合凸部は、オルダム中間体53の外周縁に径方向外側へ突設され、第1オルダム継手部51に摺動可能に嵌合する。係合凹部55は、オルダム中間体53の内周縁に凹設され、第2オルダム継手部52が摺動可能に嵌合する。
図4(a)に示すように、2つの係合凸部54を結ぶ直線を凸部直線Lとし、2つの係合凹部55を結ぶ直線を凹部直線Mとする。凸部直線Lは第2方向に延びている。凹部直線Mは、第1方向に延びている。係合凸部54および係合凹部55は、凸部直線Lと凹部直線Mとがオルダム中間体53の軸中心Cで直交するように、オルダム中間体53の全周を4等分した位置に形成されている。係合凸部54および係合凹部55には、オルダム中間体53の傾き(偏角)を許容し、そのこじれを防止するために、所定のクリアランスが設定されている。
オルダム中間体53の一対の係合凸部54の内周縁には、切欠溝部56が、内周縁を外形のラインまで切り欠いて形成されている。切欠溝部56は、断面視において概ね矩形状をなし、その幅は、係合凸部54の3分の1程度である。切欠溝部56は、周方向及び径方向において係合凸部54に収まる大きさに形成されている。2つの切欠溝部56を結ぶ直線を溝部直線Nとする。溝部直線Nは、凸部直線Lと一致する。
オルダム中間体53は、係合凸部54と第1オルダム継手部51との嵌合を介してスプロケット部材12と同期回転するとともに、係合凹部55と第2オルダム継手部52との嵌合を介して遊星回転体30と同期回転する。また、オルダム中間体53が第2オルダム継手部52に対して図2の第1方向へ移動するときには、係合凹部55が第2オルダム継手部52に対して第1方向へ摺動する。オルダム中間体53が第1オルダム継手部51に対して第1方向と直交する第2方向へ移動するときに、係合凸部54が第1オルダム継手部51に対して第2方向へ摺動する。したがって、オルダム中間体53は、第1オルダム継手部51と第2オルダム継手部52とを偏心自在に回転同期させることができる。
上記構成の位相変更機構2において、モータにより偏心軸40が一方向へ回転されると、遊星歯車部31と内歯歯車部21との噛み合いを介して従動側回転体20が駆動側回転体10に対し一方向へ相対回転する。これにより、両方の回転体10,20の回転位相に差が生じ、その位相差に応じた角度でカム軸102が一方向に進み、吸気バルブ103の開閉タイミングが進角側に変化する。また、モータにより偏心軸40が反対方向へ回転されたときには、従動側回転体20が駆動側回転体10に対し反対方向へ相対回転し、両方の回転体10,20の位相差に応じた角度でカム軸102が反対方向に遅れ、吸気バルブ103の開閉タイミングが遅角側に変化する。
次に、流体供給部60について説明する。図1に示す流体供給部60では、潤滑用流体としての潤滑油Oがポンプユニット61からカム軸102を経由して位相変更機構2の内部に供給される。すなわち、流体供給部60は、カム軸102と従動側回転体20との接合部に流入路63を備え、潤滑油Oをカム軸102の内部油路(以下、カム軸油路)62から流入路63に通して駆動側回転体10のスプロケット部材12の内側に流入させる。
潤滑油Oは、内部油路62から、従動側回転体20に形成される環状溝64に流通する。環状溝64の潤滑油Oは、遠心力により、各回転体同士の軸方向及び径方向の隙間や空間67を経由しながら径方向外側に移動し、各回転体同士の摺動部65,66や、各軸受33,34などの摩擦発生箇所を潤滑しながら通過する。
[作用効果]
オルダム中間体53は、高温の潤滑油Oが軸中心側から供給されるため、エンジン始動後に高温の潤滑油Oが流通する作動状態でオルダム中間体53の温度が上昇したときに、特に中心部における内周縁近傍が高温になりやすい。
図10および図4において、オルダム中間体53が熱ひずみによって変形する方向を実線の矢印A,Bで示し、変形後の形状を破線で示している。なお、変形を分かりやすく説明するため、変形の度合いを実際より大きめに図示している。例えば、図10に示す比較形態のオルダム中間体110のように、切欠溝部が形成されていない場合、作動時、潤滑油Oの流通により内周縁の近傍が高温になり膨張するのに対し、外周縁の近傍は膨張しないため、内側のひずみが軸方向に作用する。係合凹部55が形成される部分は、矢印Aで示すように周方向にひずみが逃げることができる。
しかし、係合凸部54が形成される部分は、他の部位と比較して径方向の幅が大きいため、特に係合凸部54の径方向内側の内周縁S(図10において二点鎖線で囲んで示す部位)には熱ひずみが蓄積してしまう。そして、図10(b)において矢印Bに示すようにオルダム中間体110は軸方向へ反ってしまう。この比較形態での内周縁Sの軸方向への反り量を反り量W2として図示している。
一方、上記第1実施形態によれば、図4(a)に示すように、係合凹部55が形成される部分に加えて切欠溝部56においても周方向への変形が許容される。このため、図4(b)に示すように軸方向への反り量W1が最小限に抑えられる(W1<W2)。なお、図4(b)では、断面の向こう側に見える線については省略している。以上のように、切欠溝部56において意図的に熱ひずみを開放することで、オルダム中間体53の内周縁の反りが最小限に抑えられる。このため、軸方向のクリアランスを超えてオルダム中間体53が反り返ってしまうこともなく、反りによって周辺部材に衝突することによる騒音や、異常な磨耗、焼き付きなどが生じると言った問題を抑制することができる。
上記第1実施形態において、切欠溝部56は、軸中心Cに対して点対称となるように形成されている。このため、温度上昇した際に周方向に均等に変形を抑制できるため、斜めに反り返ることを抑制することができる。
また、切欠溝部56は、周方向及び径方向において係合凸部54に収まる大きさに形成されており、切欠溝部56の周囲で剛性が著しく低い部位が形成されないため、高温変形時の形状安定性を確保することができる。
〈第2実施形態〉
次に、オルダム中間体の変形例について、図5を参照して説明する。図5に示すように、第2実施形態のバルブタイミング装置が有するオルダム中間体71は、第1実施形態におけるオルダム中間体53と一部形状が異なるが、2つの係合凸部54と2つの係合凹部55が形成されている点は同様である。
第2実施形態のオルダム中間体71の外周縁には、係合凸部54とは別の外周凸部72が一対形成されている。外周凸部72は、係合凹部55に対応する位置に設けられ、係合凹部55の外側に形成されている。さらに、オルダム中間体71の内周において、係合凹部55と切欠溝部56とが形成されていない部位は全て断面正円弧状に形成されている。
第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
〈第3実施形態〉
次に、オルダム中間体の変形例について、図6を参照して説明する。図6に示すように、第3実施形態のバルブタイミング装置が有するオルダム中間体74は、第2実施形態のオルダム中間体71に対して切欠溝部の形成位置と個数が異なる。第3実施形態において、切欠溝部75は、オルダム中間体74の内周縁に、係合凸部54と係合凹部55の間に放射状に4つ設けられている。点対称となる2つの切欠溝部75を結ぶ溝部直線Nと、凸部直線Lとのなす角度θ1は、概ね45度である。オルダム中間体74は、断面形状において全体として軸中心Cに対して点対称、かつ直線L、Mを対称軸として線対称に形成されている。
第3実施形態によれば、切欠溝部75が、係合凸部54と対応した位置には形成されていないものの、周方向において係合凸部54と係合凹部55の間に形成されている。このため、4つの切欠溝部75において周方向への変形が許容される。結果として上記第1実施形態と同様に、オルダム中間体74の反り返りに起因する騒音や、異常な磨耗および焼き付きなどを抑制することができる。
〈第4実施形態〉
次に、オルダム中間体の変形例について、図7を参照して説明する。図7に示すように、第4実施形態のバルブタイミング装置が有するオルダム中間体76は、第2実施形態のオルダム中間体71に対して、外周凸部72が形成されていない点が異なる。それに伴い、係合凹部55の切り込み深さが若干小さく、正円をなす外形ラインに届かない程度となっている。その他の構成は、第2実施形態と同様である。
第4実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
〈第5実施形態〉
次に、オルダム中間体の変形例について、図8を参照して説明する。第5実施形態のオルダム中間体78は、第4実施形態のオルダム中間体76に対して、係合凹部および切欠溝部の構成が異なる。係合凸部54の構成については、同様である。図8に示すように、第5実施形態のバルブタイミング装置が有するオルダム中間体78において、係合凹部79はオルダム中間体78の内周縁に軸中心Cに対して点対称に2つ凹設されている。各係合凹部79は、第1方向に延びて形成され第2方向において対向する2つの摺動面81と、対向する摺動面81に連続する断面円弧形状をなす曲面82と、を有している。係合凹部79には、遊星回転体30の第2オルダム継手部52が摺動可能に嵌合し、上記各実施形態と同様の作用を奏する。
第5実施形態において、2つの係合凸部54を結ぶ凸部直線Lと、2つの係合凹部79を結ぶ凹部直線Mとは、オルダム中間体78の軸中心Cで角度θ2をなし交差している。角度θ2は90度ではなく、概ね70度である。上記第1、第2、第4実施形態において、係合凸部54と係合凹部55とがオルダム中間体53,71,76の全周を4等分した配置とは異なっている。
さらに、本実施形態では、上記の配置にて係合凹部79を形成することで、係合凹部79は切欠溝部としての機能を兼用する。上記のように、1つの係合凹部79は、1つの係合凸部54に対して、4等分配置に比べると周方向においてより近い位置に形成されている。このため、温度上昇時には、係合凹部79における周方向への変形によって、係合凸部54において熱ひずみが蓄積されることを抑制することができる。結果として上記各実施形態と同様に、オルダム中間体78の反り返りに起因する騒音や、異常な磨耗、焼き付きなどを抑制することができる。
〈第6実施形態〉
次に、オルダム中間体の変形例について、図9を参照して説明する。第6実施形態のオルダム中間体83は、第5実施形態のオルダム中間体78に対して、切欠溝部を兼用する係合凹部の位置が異なる。
第6実施形態の係合凹部84は、第5実施形態と比べて、より第2方向に離間して設けられている。つまり、1つの係合凹部84は、1つの係合凸部54に対して周方向においてより近い位置に形成されている。凸部直線Lと凹部直線Mとのなす角度θ3は、第5実施形態における角度θ2より小さく(θ3<θ2)、概ね60度である。さらに、オルダム中間体83の外周縁には、係合凸部54とは別の外周凸部85が一対形成されている。外周凸部85は、係合凹部84の外周に形成されている。
第6実施形態によれば、係合凹部84は切欠溝部の機能を兼用し、上記第5実施形態と同様の効果を奏することができる。
〈他の実施形態〉
上記各実施形態では、内歯歯車部21を従動側回転体20に形成し、第1オルダム継手部51を駆動側回転体10に形成したが、内歯歯車部を駆動側回転体に形成し、第1オルダム継手部を従動側回転体に形成することもできる。
また、上記各実施形態では、バルブタイミング調整装置1が車両用エンジン100の吸気バルブ103の開閉タイミングを調整するように構成されているが、排気バルブ104の開閉タイミングを調整するように構成することもできる。
上記各実施形態における切欠溝部56,75の内周縁からの切り込み深さや、周方向長さは、適宜変更可能である。動作時及び変形時における他の部位の剛性を損なわない程度であれば、例えば、第1実施形態のオルダム中間体53において、係合凸部54の周方向長さを超えていても良いし、径方向外側への切り込み深さがさらに深いものとして形成しても良い。
上記第5、第6実施形態において、凸部直線Lと凹部直線Mとのなす角度θ2、θ3の大きさは、上記実施形態に限定されない。周方向において係合凹部79,84の位置が係合凸部54に近づけば良いため、概ね80度より小さければ良い。概ね80度より小さければ、係合凹部を切欠溝部として兼用することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲でオルダム中間体をはじめとする各部の形状や構成を適宜変更して実施することが可能である。
1 ・・・バルブタイミング調整装置
10 ・・・駆動側回転体
20 ・・・従動側回転体
30 ・・・遊星回転体
40 ・・・偏心軸
50 ・・・オルダム継手
51 ・・・第1オルダム継手部
52 ・・・第2オルダム継手部
53 ・・・オルダム中間体
54 ・・・係合凸部
55 ・・・係合凹部
56 ・・・切欠溝部
60 ・・・流体供給部

Claims (7)

  1. エンジン(100)のクランク軸(101)によりカム軸(102)を介して開閉されるバルブ(103,104)の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置(1)であって、
    前記クランク軸により前記カム軸の回転軸線(91)と同じ軸線の周りで回転される駆動側回転体(10)と、
    前記駆動側回転体と同じ軸線の周りで前記カム軸と一体に回転する従動側回転体(20)と、
    前記駆動側回転体または前記従動側回転体のいずれか一方に形成された内歯歯車部(21)に噛み合う遊星歯車部(31)を有する遊星回転体(30)と、
    前記遊星回転体を前記カム軸の回転軸線から平行に変位した偏心軸線(92)の周りで回転可能に支持する偏心軸(40)と、
    前記従動側回転体または前記駆動側回転体のいずれか他方に設けられる第1オルダム継手部(51)、前記遊星回転体に設けられる第2オルダム継手部(52)、円環板状をなし前記第1オルダム継手部と前記第2オルダム継手部とを偏心自在に回転同期させるオルダム中間体(53,71,74,76,78,83)、を有するオルダム継手(50)と、
    潤滑用流体(O)を前記カム軸から前記オルダム中間体側へ供給する流体供給部(60)と、
    を備え、
    前記オルダム中間体は、
    外周縁に径方向外側へ突出して形成され、前記第1オルダム継手部または前記第2オルダム継手部のいずれか一方と摺動可能に係合する係合凸部(54)と、
    内周縁に凹設され、前記第1オルダム継手部または前記第2オルダム継手部のいずれか他方と摺動可能に係合する係合凹部(55,79,84)と、
    温度上昇時における前記オルダム中間体の軸方向への反りを抑制するように、前記内周縁を切り欠いて形成される切欠溝部(56,75)と、
    を含むバルブタイミング調整装置。
  2. 前記切欠溝部は、前記オルダム中間体の軸中心に対して点対称に設けられている請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 前記切欠溝部は、前記係合凸部に対応する前記内周縁に形成されている請求項1または請求項2に記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 前記切欠溝部は、周方向及び径方向において前記係合凸部に収まる大きさに形成されている請求項3に記載のバルブタイミング調整装置。
  5. 前記係合凸部および前記係合凹部は、前記オルダム中間体の軸中心に対して点対称にそれぞれ一対設けられ、
    2つの前記係合凸部を結ぶ凸部直線と2つの前記切欠溝部を結ぶ溝部直線とは、前記オルダム中間体の軸中心で直交する請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  6. 前記係合凸部および前記係合凹部は前記オルダム中間体の軸中心に対して点対称にそれぞれ一対設けられ、
    2つの前記係合凸部を結ぶ凸部直線と2つの前記係合凹部を結ぶ凹部直線とは、前記オルダム中間体の軸中心で90度ではない角度で交差し、
    前記係合凹部は、前記切欠溝部を兼用する請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
  7. 前記凸部直線と前記凹部直線とのなす角度は、80度より小さい請求項6に記載のバルブタイミング調整装置。
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