JP2021070494A - 食品包装フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 例え包装箱の底板に切断部材が装着されている場合でも、簡単かつ容易に切断でき、しかも、厚く成形してコシを持たせる必要のない食品包装フィルムを提供する。【解決手段】 包装箱10の巻芯2から引き出され、包装箱10の底板11の切断刃12で切断される食品包装フィルム1であり、塩ビ系の樹脂を含有する成形材料により帯形に成形され、25℃における損失正接が1.9×10−1以上2.8×10−1以下であるとともに、引き出し時における幅方向の収縮率が、巻芯2に対する巻き付け時の幅に対して0.003%以上2.0%以下とされる。食品包装フィルム1の25℃における損失正接が1.9×10−1以上2.8×10−1以下で、引き出し時における幅方向の収縮率が、巻芯2に対する巻き付け時の幅に対して0.003%以上2.0%以下なので、食品包装フィルム1にコシを付与でき、食品包装フィルム1がよれて重なることがない。【選択図】 図3

Description

本発明は、食品の乾燥や酸化、異物の付着等を防止する食品包装フィルムに関するものである。
従来における食品包装フィルム1Aは、図5に部分的に示すように、所定の樹脂を含有する成形材料を使用して帯形に成形され、巻芯に巻かれて巻回体とされており、この巻回体が包装箱10内に回転可能に収納された後、巻芯から引き出して使用される(特許文献1、2、3参照)。
食品包装フィルム1Aは、ポリ塩化ビニル(PVC)等の樹脂を含有する成形材料を使用して柔軟性を有する透明の薄膜に成形される。また、包装箱10は、巻回体の長さに対応する細長い箱に形成され、底板11に巻回体を介して対向する天井蓋板が上下方向に揺動可能とされており、この天井蓋板に連接された重ね胴板19あるいは底板11に、食品包装フィルム1Aを切断する切断刃12が装着されている。
切断刃12は、切断性に優れる金属、あるいは安全性に優れる樹脂を使用して細長く形成され、食品包装フィルム1Aが一般家庭用に利用される場合には、天井蓋板に連接された重ね胴板19に装着されるとともに、食品包装フィルム1Aがホテル等で営業用に利用される場合には、底板11の前部に装着される。
上記において、一般家庭で食品の乾燥や酸化、異物の付着を防ぐ場合には、先ず、包装箱10を握って天井蓋板を開け、包装箱10内の巻芯から薄い透明の食品包装フィルム1Aを必要な長さ分引き出し、この引き出した食品包装フィルム1Aにより、食品を被覆して包装する。こうして食品を包装したら、包装箱10の天井蓋板を完全に閉じ、包装箱10の重ね胴板19の切断刃12により、引き出した食品包装フィルム1Aを端部から破いて切断すれば、一般家庭の食品の乾燥や酸化、異物の付着を防ぐことができる。
これに対し、ホテル等で食品の乾燥や酸化、異物の付着を防ぐ場合には、食品の包装までは同様であるが、食品の包装後、包装箱10の天井蓋板を閉じることなく、包装箱10の底板11の切断刃12で引き出した食品包装フィルム1Aを端部から破いて切断し、ホテル等の食品の乾燥や酸化、異物の付着を防止する。
特開2014‐136588号公報 特開2013‐082124号公報 特開2008‐254421号公報
従来における食品包装フィルム1Aは、以上のように、ポリ塩化ビニル等の樹脂により、柔軟な薄膜に単に成形されているので、包装箱10から引き出されると、幅方向の端部がよれて重なることで、2枚以上となり、その結果、包装箱10の切断刃12の端部に引っ掛かり、切断に支障を来すという問題が生じる。この問題は、食品包装フィルム1Aの切断の契機となる破れの生じにくい樹脂製の切断刃12の場合には深刻である。
また、係る問題は、包装箱10の天井蓋板に連接された重ね胴板19に切断刃12が装着されている場合には、包装箱10の天井蓋板を閉じて食品包装フィルム1Aを固定しながら切断するので、例え食品包装フィルム1Aが重なって複数枚化しても、食品包装フィルム1Aの切断に支障を来すことが少ない。これに対し、包装箱10の底板11前部に切断刃12が装着されている場合には、食品包装フィルム1Aの引き出し量が長く、しかも、作業の迅速化を図る観点から、包装箱10の天井蓋板を閉じて食品包装フィルム1Aを固定することがないので、食品包装フィルム1Aの面状態が食品包装フィルム1Aの切断に重大な影響を及ぼすこととなる。
このような問題を解消する手段としては、食品包装フィルム1Aを厚く成形してコシを持たせる方法が考えられる。しかしながら、この方法の場合、食品包装フィルム1Aにコシを持たせることができるものの、食品包装フィルム1Aが肉厚になるので、食品包装フィルム1Aを簡単、かつ容易に切断できないおそれがあり、廃棄量の削減も期待できない。
本発明は上記に鑑みなされたもので、例え包装箱の底板に切断部材が装着されている場合でも、簡単かつ容易に切断することができ、しかも、厚く成形してコシを持たせる必要のない食品包装フィルムを提供することを目的としている。
本発明においては上記課題を解決するため、包装箱内の巻芯から引き出され、包装箱の底板の切断部材で切断されるものであって、
塩ビ系の樹脂を含有する成形材料により帯形に成形され、25℃における損失正接が1.9×10−1以上2.8×10−1以下であるとともに、引き出し時における幅方向の収縮率が、巻芯に対する巻き付け時の幅に対して0.003%以上2.0%以下であることを特徴としている。
なお、40℃における損失正接が2.8×10−1以上3.8×10−1以下であることが好ましい。
また、20℃から40℃までの損失正接の変化量が0.05以上0.12以下であることが好ましい。
また、成形材料の可塑剤配合部数が20以上40以下であると良い。
また、包装箱は、巻回体を搭載する底板と、この底板の前部に接続される正面板と、底板の後部に接続されて正面板に対向する背面板と、この背面板の上部に揺動可能に接続されて底板に巻回体を介して対向する天井蓋板と、この天井蓋板に接続されて正面板に対向可能な重ね胴板と、底板の両側部、正面板の両側部、及び背面板の両側部が形成する開口側部をそれぞれ閉塞可能な一対の側板とを備え、包装箱の底板前部に、食品包装フィルム用の切断部材が装着され、この切断部材の複数の歯が底板の前部から食み出て露出することが好ましい。
ここで、特許請求の範囲における包装箱の底板の切断部材は、金属製でも良いし、樹脂製でも良い。また、塩ビ系の樹脂がポリ塩化ビニルの場合、このポリ塩化ビニルのレジン重合度は、850以上1200以下、好ましくは900以上1150以下、より好ましくは950以上1100以下が良い。
本発明によれば、食品包装フィルムの損失正接(tanδ)と引き出し時における幅方向の収縮率に注目し、食品包装フィルムの25℃における損失正接が1.9×10−1以上2.8×10−1以下で、しかも、引き出し時における幅方向の収縮率が、巻芯に対する巻き付け時の幅に対して0.003%以上2.0%以下なので、食品包装フィルムにコシを付与することができる。したがって、食品包装フィルムを厚く成形してコシを持たせる必要が少ない。
本発明によれば、例え包装箱の底板に切断部材が装着されている場合でも、食品包装フィルムを簡単、かつ容易に切断することができるという効果がある。また、食品包装フィルムを厚く成形してコシを付与する手間を省いたり、食品包装フィルムを薄く成形して廃棄量の削減に資することができる。
請求項2記載の発明によれば、食品包装フィルムの40℃における損失正接が2.8×10−1以上3.8×10−1以下なので、食品包装フィルムの柔軟性が過剰に高くなってコシが低減するのを防止することができる。
請求項3記載の発明によれば、食品包装フィルムの20℃から40℃までの損失正接の変化量が0.05以上0.12以下なので、食品包装フィルムの密着性を確保し、食品包装フィルムの密着機能の低下を防止することが可能となる。
請求項4記載の発明によれば、食品包装フィルムの成形材料の可塑剤配合部数が20質量部以上40質量部以下なので、食品包装フィルムの柔軟性を維持しながらコシを持たせることが可能となる。
本発明に係る食品包装フィルムの実施形態における包装箱を模式的に示す斜視説明図である。 本発明に係る食品包装フィルムの実施形態における巻回体を模式的に示す斜視説明図である。 本発明に係る食品包装フィルムの実施形態における包装箱と巻回体を模式的に示す断面説明図である。 本発明に係る食品包装フィルムの実施形態における包装箱の展開状態を模式的に示す平面図である。 包装箱内の従来の巻回体から食品包装フィルムを引き出した状態を模式的に示す斜視説明図である。た状態を模式的に示す斜視説明図である。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態における食品包装フィルム1は、図1ないし図4に示すように、包装箱10内の巻芯2から引き出され、包装箱10の切断刃12で切断される包装用の薄い樹脂フィルムであり、塩ビ系の樹脂を含有する成形材料により軟質の帯形に成形され、25℃における損失正接が2.8×10−1以下であるとともに、引き出し時における幅方向の収縮率が、巻芯2に対する巻き付け時の幅に対して2.0%以下であることを特徴としている。
食品包装フィルム1は、図2や図3に示すように、塩ビ系の樹脂を含有する成形材料、例えば耐熱性、透明性、密着性等に優れるポリ塩化ビニル(PVC)樹脂を含有する成形材料を使用して柔軟性を有する透明の薄膜に成形され、円筒形の紙管である巻芯2に延伸しながら多層に巻かれて巻回体3とされた後、この巻回体3が営業用の包装箱10内に自由回転可能に収納される。この食品包装フィルム1は、例えば30cm×100m、45cm×50mの大きさ・長さに形成される。
成形材料の塩ビ系樹脂がポリ塩化ビニルの場合、このポリ塩化ビニルは、成形収縮率1%以上5%以下、比重1.16以上1.35以下、引張強さ1.05N/mm以上6.30N/mm以下、伸び200%以上450%以下の物性を有する。ポリ塩化ビニルのレジン重合度は、食品包装フィルム1が必要以上に硬くなるのを防止するため、850以上1200以下、好ましくは900以上1150以下、より好ましくは950以上1100以下、特に好ましくは1000前後が良い。
成形材料には、塩ビ系樹脂の他、可塑剤(アジピン酸ジイソノニルやアジピン酸ジ‐n‐オクチル等)、柔軟剤(脂肪族多塩基酸エステル等)、安定剤(エポキシ化植物油やカルシウム化合物等)等が必要に応じて選択的に添加される。可塑剤が添加される場合、可塑剤の配合部数は、食品包装フィルム1の柔軟性を適度に維持しながらコシを持たせる観点から、塩ビ系樹脂100部に対して20以上40以下、好ましくは25以上35以下、より好ましくは25以上30以下が良い。
食品包装フィルム1の製造方法としては、溶融押出成形法、力レンダー成形法、あるいはキャスティング成形法等、特に限定されるものではないが、ハンドリング性や設備の簡略化の観点からすると、溶融押出成形法が最適である。この溶融押出成形法が採用される場合、単軸押出成形機や二軸押出成形機等からなる溶融押出成形機を使用して成形材料を溶融混練し、溶融押出成形機の先端部のTダイスより単層の食品包装フィルム1を連続的に押し出し、この押し出した食品包装フィルム1を冷却ロールに接触させて冷却した後、巻取機に巻き取ることで製造される。
製造された食品包装フィルム1の厚さは、薄肉化、柔軟性、透明性、生産性等を考慮すると、6μm以上12μm以下、好ましくは7μm以上11μm以下、より好ましくは7μm以上10μm以下が良い。また、食品包装フィルム1の25℃における損失正接(tanδ)は、2.8×10−1以下、具体的には1.9×10−1以上2.8×10−1以下、好ましくは1.9×10−1以上2.7×10−1以下、より好ましくは1.9×10−1以上2.6×10−1以下が良い。これは、粘性的なエネルギ損失である損失正接が2.8×10−1を越える場合には、食品包装フィルム1の柔軟性が過剰に高くなってコシがなくなり、食品包装フィルム1の切断が困難になるからである。食品包装フィルム1の損失正接は、各種の動的粘弾性(DMA)測定装置により測定することが可能である。
食品包装フィルム1の40℃における損失正接は、2.8×10−1以上3.8×10−1以下、好ましくは2.8×10−1以上3.75×10−1以下が良い。これは、3.8×10−1を越える場合には、食品包装フィルム1の柔軟性が過剰に高くなってコシがなくなり、食品包装フィルム1の切断に支障を来すからである。
食品包装フィルム1の一般的に使用される環境の温度、具体的には20℃から40℃までの損失正接の変化量は、0.05以上、具体的には0.05以上0.12以下、好ましくは0.06以上0.118以下、より好ましくは0.08以上0.117以下が最適である。これは、0.05未満の場合には、食品包装フィルム1の密着性が失われ、食品包装フィルム1の密着機能が低下するからである。
食品包装フィルム1の引き出し時における幅方向(図3の奥方向)の収縮率は、巻芯2に対する巻き付け時の幅に対して2.0%以下、具体的には0.003%以上2.0%以下が好適である。これは、2.0%を越える場合には、食品包装フィルム1が必要以上に収縮して皺となり、食品包装フィルム1の切断が困難になるからである。食品包装フィルム1の幅はスケールを用いて測定することができ、幅方向の収縮率は、測定値に基づき算出することができる。
包装箱10は、図1、図3、図4に示すように、巻回体3を回転可能に搭載する底板11と、この底板11の前端部に接続されて巻回体3の食品包装フィルム1と摺接する正面板14と、底板11の後端部に接続されて正面板14の内面に巻回体3を介して対向する背面板17と、この背面板17の上端部に揺動可能に接続されて底板11に巻回体3を介して対向する天井蓋板18と、この天井蓋板18に揺動可能に接続されて正面板14の表面に対向可能な重ね胴板19と、底板11の両側部、正面板14の両側部、及び背面板17の両側部が区画する開口側部をそれぞれ閉塞可能な一対の側板26とを備えてホテル等の営業用に一体形成され、製造時に正面板14の表面に重ね胴板19が接着された未完成の状態で図示しない製函機に平坦に折り畳んでセットされる。
包装箱10の底板11、正面板14、背面板17、天井蓋板18、及び重ね胴板19は、巻回体3に対応する細長い長方形にそれぞれ形成され、底板11の前端部と正面板14との間、底板11の後端部と背面板17との間、この背面板17の上端部と天井蓋板18との間、及び天井蓋板18の前端部と重ね胴板19との間には、包装箱10の組立を容易にする屈曲用の折線がそれぞれ形成される。
包装箱10の底板11前部には、迅速な切断に資する観点から、食品包装フィルム1用の切断刃12が装着される。この切断刃12は、例えば金属や樹脂により細長い長方形の薄板に形成され、両側のうち、少なくとも一側部の長手方向に複数の鋸歯13が連続して形成されるとともに、各鋸歯13が小さな三角形に形成されており、金属製の場合には底板11の表面前部にカシメ接合され、樹脂の場合には底板11の表面前部に接着される。
切断刃12の材料が金属の場合、この金属としては、スズのメッキされた薄い鋼板(ブリキ)等があげられる。これに対し、切断刃12の材料が樹脂の場合、樹脂としては、好ましくは生分解性樹脂、例えばバイオポリエステル、バクテリアセルロース、脂肪酸ポリエステル等が利用される。また、切断刃12の一側部は、底板11の表面前端部と正面板14との接続部分付近、換言すれば、境界の折線付近に位置し、複数の鋸歯13が底板11の表面前端部から僅かに食み出ており、この僅かに食み出た複数の鋸歯13が巻回体3から引き出された食品包装フィルム1を切断する。
正面板14の短辺の両側部には、矩形あるいは一部切り欠かれた台形の内フラップ15がそれぞれ折線を介し屈曲可能に接続され、各内フラップ15の表面が側板26の内面に対向して接着される。この内フラップ15の表面には、ホットメルト接着剤の接着を容易にする複数本のミシン目16が間隔をおき並べて形成され、各ミシン目16が底板11や天井蓋板18の左右方向に連続して伸長される。
背面板17の短辺の両側部には、包装箱10の開口側部を被覆可能な内フラップ15がそれぞれ折線を介し屈曲可能に接続され、各内フラップ15が矩形あるいは一部切り欠かれた台形等に形成されており、各内フラップ15が折り畳まれて対向する正面板14の内フラップ15の裏面に接着される。内フラップ15の表面には、ホットメルト接着剤の接着を容易にする複数本のミシン目16が間隔をおき並べて形成され、各ミシン目16が底板11や天井蓋板18の左右方向に連続して伸長される。
正面板14と背面板17の内フラップ15は、同じ大きさや長さでも良いが、必要に応じて変更される。例えば、正面板14の内フラップ15が短く形成されるとともに、背面板17の内フラップ15が長く形成されたり、逆に正面板14の内フラップ15が長く形成され、背面板17の内フラップ15が短く形成される。
天井蓋板18は、底板11と同じ大きさ・長さに形成され、底板11の内面に対向して巻回体3を収納する空間を区画形成する。
重ね胴板19は、天井蓋板18の前端部に接続されて正面板14の表面に重なる細長い胴片20と、この胴片20の前端部にミシン目21を介して接続される細長い開封剥離片22とに分割され、この開封剥離片22の裏面長手方向に、正面板14の表面に接着剤により接着される複数の接着部23が所定の間隔をおき並べて形成されており、各接着部23が略円形あるいは矩形に区画形成されて所定の接着剤が塗布される。
ミシン目21の両端部には、必要に応じ、胴片20と開封剥離片22との分離を容易にする略三角形の切り欠き24がそれぞれ形成される。また、開封剥離片22の少なくとも長手方向には、複数の接着部23のうち、少なくとも一部の接着部23の周縁に部分的に沿う切り欠き25が所定の間隔をおきそれぞれ形成され、この複数の切り欠き25を利用した押圧操作により、開封剥離片22の複数の接着部23間等が部分的に浮き上がり、正面板14の表面から開封剥離片22が徐々に、かつ簡単に剥離される。
このような重ね胴板19は、正面板14から開封剥離片22が複数の切り欠きを介して剥離され、この開封剥離片22が胴片20からミシン目21に沿って除去されることにより、胴片20が揺動可能となって天井蓋板18の開放を可能とする。天井蓋板18が開放可能になると、包装箱10内に収納された巻回体3を自由に取り扱うことができ、巻回体3の食品包装フィルム1を所定の長さ分引き出すことができる。
各側板26は、包装箱10の開口側部に対応する大きさの矩形に形成され、底板11の短辺の側部に折線を介し屈曲可能に接続される。各側板26の先端部には、天井蓋板18の裏面側部に重なる先細りの舌フラップ27が折線を介し屈曲可能に接続され、これら側板26と舌フラップ27とが包装箱10の組立時にL字形に屈曲される。
以上の構成を有する包装箱10は、紙器用板紙であるコートボール紙の打ち抜きにより形成され、底板11、正面板14、各内フラップ15、背面板17、各内フラップ15、天井蓋板18、重ね胴板19、各側板26、及び各舌フラップ27の視認可能な全表面(外面)に、製品価値を高める所定の意匠が必要に応じて印刷される。
上記構成において、ホテル等で食品の乾燥や酸化、異物の付着を防ぐ場合には、先ず、包装箱10を握って天井蓋板18を開け、包装箱10内の巻芯2から薄い透明の食品包装フィルム1を必要な長さ分引き出し、この引き出した食品包装フィルム1により、食品を被覆して包装する。この際、食品包装フィルム1は、製造時からの経時変化等により、幅方向に僅かに収縮しながら引き出される。こうして食品を包装したら、包装箱10の天井蓋板18を閉じることなく、包装箱10の底板11の切断刃12で引き出した食品包装フィルム1を端部から破いて切断すれば、ホテル等の食品の乾燥や酸化、異物の付着を防ぐことができる。
上記によれば、食品包装フィルム1の25℃における損失正接が1.9×10−1以上2.8×10−1以下で、しかも、引き出し時における幅方向の収縮率が、巻芯2に対する巻き付け時の幅に対して0.003%以上2.0%以下なので、食品包装フィルム1にコシを付与することができ、食品包装フィルム1の幅方向端部がよれて重なることがない。
したがって、食品包装フィルム1が重なって2枚以上となり、包装箱10の切断刃12の端部に引っ掛かり、切断に支障を来すという問題を解消することができる。係る問題は、切断刃12が金属製の場合の他、樹脂製の場合にも解消することができるので、実に有意義である。さらに、食品包装フィルム1を13μm以上に厚く成形してコシを持たせる必要がないので、食品包装フィルム1を簡単、かつ容易に切断することが可能となり、しかも、食品包装フィルム1の薄肉化により廃棄量の削減も期待できる。
以下、本発明に係る食品包装フィルムの実施例を説明する。
〔実施例1〕
先ず、ポリ塩化ビニル含有の成形材料により、厚さ8μmの食品包装フィルムを帯形に溶融押出成形し、この食品包装フィルムの大きさ・長さを30cm×100mとした。成形材料のポリ塩化ビニルのレジン重合度は、1000に調整した。また、成形材料には、可塑剤を添加したが、この可塑剤の配合部数は、ポリ塩化ビニル100部に対し、27部に調整した。
こうして食品包装フィルムを溶融押出成形したら、この食品包装フィルムの25℃と40℃における損失正接、及び20℃から40℃までの損失正接の変化量をそれぞれ測定した。損失正接の測定に際しては、動的粘弾性測定装置[ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製:RSA‐G2]を用い、測定温度範囲−20〜50℃、昇温速度5℃/分、周波数1Hzの条件で実施した。測定したところ、25℃における損失正接が1.9×10−1、40℃における損失正接が2.82×10−1、20℃から40℃までの損失正接の変化量が0.089であった(表1参照)。
次いで、溶融押出成形した食品包装フィルムを円筒形の巻芯である紙管に延伸しながら多層に巻いて巻回体とし、この巻回体を用意した包装箱内に自由回転可能に収納した。食品包装フィルムを紙管に延伸しながら巻く際、巻き付け時の製品幅を測定したところ、297mmであった。また、包装箱は、基本的には図4に示す構成としたが、包装箱の底板前部に金属製の切断刃をカシメ接合した。
金属製の切断刃を備えた包装箱内に巻回体を収納したら、包装箱を握って天井蓋板を開け、包装箱内の巻芯から食品包装フィルムを所定の長さ分引き出し、包装箱の天井蓋板を閉じることなく、包装箱の底板の切断刃で引き出した食品包装フィルムを端部から破いて切断し、カット性を確認してその良否を表2に○×で記載した。
次いで、金属製の切断刃を備えた包装箱から巻回体を取り出し、別に用意した包装箱内に自由回転可能に収納した。この包装箱は、基本的には図4に示す構成であるが、包装箱の底板前部に生分解性樹脂製の切断刃を接着した。
生分解性樹脂製の切断刃を備えた包装箱内に巻回体を収納したら、包装箱を握って天井蓋板を開け、包装箱内の巻芯から食品包装フィルムを所定の長さ分引き出し、包装箱の天井蓋板を閉じることなく、包装箱の底板の切断刃で引き出した食品包装フィルムを端部から破いて切断し、食品包装フィルムのカット性を評価してその良否を表2に○×で記載した。
〔実施例2〕
先ず、ポリ塩化ビニル含有の成形材料により、厚さ8μmの食品包装フィルムを帯形に溶融押出成形し、この食品包装フィルムの大きさ・長さを45cm×50mに変更した。成形材料のポリ塩化ビニルのレジン重合度は、1000に調整した。また、成形材料には、可塑剤を添加したが、この可塑剤の配合部数は、ポリ塩化ビニル100部に対し、28部に変更した。
こうして食品包装フィルムを溶融押出成形したら、この食品包装フィルムの25℃と40℃における損失正接、及び20℃から40℃までの損失正接の変化量をそれぞれ測定した。損失正接の測定に際しては、上記同様、動的粘弾性測定装置[ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製:RSA‐G2]を用い、測定温度範囲−20〜50℃、昇温速度5℃/分、周波数1Hzの条件で実施した。測定したところ、25℃における損失正接が2.57×10−1、40℃における損失正接が3.73×10−1、20℃から40℃までの損失正接の変化量が0.116であった(表1参照)。
次いで、溶融押出成形した食品包装フィルムを円筒形の巻芯である紙管に延伸しながら多層に巻いて巻回体とし、この巻回体を用意した包装箱内に自由回転可能に収納した。食品包装フィルムを紙管に延伸しながら巻く際、巻き付け時の製品幅を測定したところ、450mmであった。また、包装箱は、実施例1と同様、包装箱の底板前部に金属製の切断刃をカシメ接合した。
金属製の切断刃を備えた包装箱内に巻回体を収納したら、包装箱を握って天井蓋板を開け、包装箱内の巻芯から食品包装フィルムを所定の長さ分引き出し、包装箱の天井蓋板を閉じることなく、包装箱の底板の切断刃で引き出した食品包装フィルムを端部から破いて切断し、カット性を確認してその良否を表2に○×で記載した。
次いで、金属製の切断刃を備えた包装箱から巻回体を取り出し、別に用意した包装箱内に自由回転可能に収納した。この包装箱は、実施例1と同様、包装箱の底板前部に生分解性樹脂製の切断刃を接着した。
生分解性樹脂製の切断刃を備えた包装箱内に巻回体を収納したら、包装箱を握って天井蓋板を開け、包装箱内の巻芯から食品包装フィルムを所定の長さ分引き出し、包装箱の天井蓋板を閉じることなく、包装箱の底板の切断刃で引き出した食品包装フィルムを端部から破いて切断し、食品包装フィルムのカット性を評価してその良否を表2に○×で記載した。
Figure 2021070494
Figure 2021070494
各実施例共、食品包装フィルムにコシを付与することができ、食品包装フィルムを金属製の切断刃でも、生分解性樹脂製の切断刃でも容易、かつ良好に切断することができるのを確認した。
本発明に係る食品包装フィルムは、食品包装の分野で使用される。
1 食品包装フィルム
2 巻芯
3 巻回体
10 包装箱
11 底板
12 切断刃(切断部材)
13 鋸歯
14 正面板
17 背面板
18 天井蓋板
19 重ね胴板
20 胴片
22 開封剥離片
26 側板

Claims (4)

  1. 包装箱内の巻芯から引き出され、包装箱の底板の切断部材で切断される食品包装フィルムであって、
    塩ビ系の樹脂を含有する成形材料により帯形に成形され、25℃における損失正接が1.9×10−1以上2.8×10−1以下であるとともに、引き出し時における幅方向の収縮率が、巻芯に対する巻き付け時の幅に対して0.003%以上2.0%以下であることを特徴とする食品包装フィルム。
  2. 40℃における損失正接が2.8×10−1以上3.8×10−1以下である請求項1記載の食品包装フィルム。
  3. 20℃から40℃までの損失正接の変化量が0.05以上0.12以下である請求項1又は2記載の食品包装フィルム。
  4. 成形材料の可塑剤配合部数が20以上40以下である請求項1、2、又は3記載の食品包装フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008213340A (ja) * 2007-03-06 2008-09-18 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 積層ストレッチフィルムおよびその製造方法
JP2019163063A (ja) * 2018-03-19 2019-09-26 信越ポリマー株式会社 包装フィルム及びその製造方法

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