JP2021070056A - 缶胴の外面凹部の成形方法及びその装置 - Google Patents

缶胴の外面凹部の成形方法及びその装置 Download PDF

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Abstract

【課題】缶胴に形成する凹部による缶体の装飾効果の変化を、製造コストの増加を抑えて極めて容易に得ることができるとともに、多彩な表現を有する凹部の形成を可能とする缶胴の外面凹部の成形方法、及びその装置を提供する。【解決手段】金属缶の円筒状の缶胴Wの外面に多数の凹部5を形成するとき、外面全周にわたって周方向と高さ方向とに規則的に配列された多数の凹部5を備えるロール状の内型3を缶胴Wの内面に当接させる。次いで、缶胴Wを介して内型3の各凹部5に選択的に押入するように形成された複数の凸部6を備える外型4を、缶胴Wの外面に圧接させ、凸部6を内型3の凹部5に凹入させる。【選択図】図2

Description

本発明は、缶胴の外面凹部の成形方法及びその装置に関する。
従来、金属性の円筒状の缶胴の外面に、文字列等の装飾や表示を凹部(以下エンボスと表す場合がある)によって形成した缶体が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。この缶体において、缶胴の外面に形成されている凹部による表示は、缶胴の外面に立体的な装飾的効果が得られ、缶体の美観を向上させている。
缶胴への凹部の成形には、凹部を成形するための内型と外型とを備えた成形装置が用いられる。下記特許文献1における内型と外型とは、共にロール状に形成されている。
内型は、缶胴の内部に挿入され、外型は缶胴の外面に当接される。この状態で内型と外型とを回転させることにより、内型と外型とに挟まれた状態の缶胴が同期回転する。
特開2003−340539号公報 特開2005−014045号公報
しかし、上記特許文献1に示される従来のような相補的な内型と外型とを用いる成形において、凹部の形状や凹部の数による表示内容を変更するとき(例えば、凹部により表示する文字列等を変更するとき)、相補的な関係である内型と外型との両方を変更する(両方同時に取り替える)必要がある。
このため、従来のものでは、凹部の形状や凹部による表示内容を変更する度に、新たに内型と外型との両方を作成・準備しなければならないだけでなく、成形装置に対して内型及び外型の交換作業が発生し、作業効率の低下や、缶体の製造コストが増大する不都合があった。
また、特許文献2に示されるような、弾性体からなる型を使用する場合においても、型の耐久性や、刻設されるエンボス形状によっては、素材の強度や、押圧等のパラメーターを最適に設定する必要がある事や、加工されるエンボス形状が、特にスチール製などの比較的固い素材で形成される缶胴においては、輪郭をはっきりさせ難いなどの不都合があった。
上記の点に鑑み、本発明は、缶胴に形成する凹部による缶体の装飾効果の変化を、製造コストの増加を抑えて極めて容易に得ることができると共に、多彩な表現を有する凹部の形成を可能とする缶胴の外面凹部の成形方法、及びその装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明は、金属缶の円筒状の缶胴の外面に多数の凹部を形成する成形方法において、外面全周にわたって周方向と高さ方向とに規則的に配列された多数の凹部を備えるロール状の内型を缶胴の内面に当接させる工程と、前記缶胴を介して前記内型の各凹部に選択的に押入するように形成された複数の凸部を備える外型を、前記缶胴の外面に圧接させ、該凸部を前記内型の凹部に凹入させる工程とを備えることを特徴とする。
本発明の方法によれば、外型の凸部が、内型に形成されている凹部に凹入することで缶胴に凹部を形成する。内型は、その全周にわたって複数の凹部が所謂ドットマトリクス状に規則的に配設されているものが用いられる。外型の凸部と内型の凹部の形状は、文字列等の装飾や表示に最適な単位凹部の形状となるよう、形状、粗密、大小、深浅等を任意に組み合わせて最適な組み合わせで作成できる。
例えば、個々の凹部は、同一形状で構成されていてもよく、円状、楕円状、三角形、多角形など様々な形状で形成されていてもよい。また、これら複数種の異なる形状が混在するよう形成されていてもよい。外型の凸部先端には、半球状、円錐台状、文字、マークなどの様々な形状を設けることができる。
そして、内型の各凹部に対して外型の凸部が選択的に凹入するようになっている。これにより、外型の凸部が設けられている位置にのみ缶胴に凹部が形成される。
この場合、所望する缶胴の凹部による表示内容に対し、内型の全ての凹部位置と外型の全ての凸部位置とを必ずしも相補的に位置対応させる必要がないため、外型の凸部の位置を変更することにより、容易にその表示内容を変化させることができる。よって、缶胴の凹部による缶体の装飾効果の変化は、外型の交換だけで得ることができる。
即ち、例えば、缶胴に複数の凹部を形成し、ドットマトリックス状に配列してなる文字列、情報やイラスト等の加飾を形成する場合には、外型の凸部の位置を異なる文字に対応する配列に変更することにより、異なる文字列を容易に缶胴に形成することができる。このとき、内型の交換が不要であるから、内型の作成費用が不要となり、型替え時間の短縮、型の摩耗破損時に型の部分交換が可能などの効果により、製造コストの増加を抑えて、缶体の装飾効果を変化させることができる。
本発明の方法に採用可能となる前記外型の一例としては、レール状に形成され、前記内型が前記缶胴の内面に当接し、前記外型が該缶胴の外面に圧接した状態で前記内型を回転させて該缶胴を前記外型の長手方向に沿って転動させる工程を備えることが挙げられる。この時、内型と缶胴との回転は同期する。また、このような所謂レール方式であれば、外型の交換が容易であるため外型の交換作業を一層短時間で行うことが可能となり、コストを低減することができる。
本発明の方法に採用可能となる前記外型の他の例としては、ロール状に形成され、前記内型が前記缶胴の内面に当接し、前記外型が該缶胴の外面に圧接した状態で前記内型と前記外型とを同期回転させる工程を備えることが挙げられる。
また、本発明は、金属缶の円筒状の缶胴の外面に多数の凹部を形成する成形装置において、ロール状に形成されて缶胴の内面に当接する内型と、内型の当接位置に対応する缶胴の外面に当接する外型とを備え、前記内型は、その外面全周にわたって周方向と高さ方向とに規則的に配列された同一形状の多数の凹部を備え、 前記外型は、前記缶胴を介して前記内型の各凹部に選択的に押入する複数の凸部を備えることを特徴とする。
本発明の装置によれば、内型が外面全周に規則的に配列された多数の凹部を備えているのに対して、外型が備える各凸部は、内型の全ての凹部に凹入するのではなく、何れかの凹部に選択的に凹入する。即ち、所謂ドットマトリクス状の多数の凹部のうち、所望の表示に対応する位置にある凹部にのみ外型の凸部を凹入する。これによれば、凸部の位置や数や配列の異なる外型に変更(外型を交換)するだけで、缶体の装飾効果を変化させることができる。
また、上記構成において、凸部に押出し機構を付加し、突出長さや押圧力を調整することにより、缶胴に形成される凹部に視覚上の濃淡を付与することができる。即ち、先ず、凸部の突出長さや押圧力を小さく調整した外型を用いて缶胴表面に浅加工による視覚的な網掛け状の領域を形成し、次いで、凸部の突出長さや押圧力を大きく調整した外型を用いて網掛け状の領域に深加工による凹部を形成することも可能である。
更に、外型の凸部の先端面(押圧面)の形状を変化させれば、缶胴の表示面を構成している多数の外面凹部の個々の形状も変更できるため、たとえば多種の形状の凹部を混在させることにより、多彩なドットマトリクス表現も可能となる。しかも内型は変更する必要がないので、製造コストの増加を抑えることができる。
また、本発明の装置において、前記外型の凸部の形状は、前記内型の凹部の形状に対応していてもよく、また、前記内型の凹部の形状より小であってもよい。外型の凸部の形状は、内型の凹部の形状より小であれば、内型の凹部の形状と異なる形状とすることが可能となり、デザインの自由度が向上する。
本発明の缶胴の外面凹部の成形装置において、前記内型の凹部は各辺の長さ寸法が1〜5mmの仮想の正方形又は長方形の内側に収まる大きさとすることができる。
また、本発明の装置における前記外型の一例としては、前記缶胴への当接面に前記凸部を備えるレール状に形成されていることが挙げられる。
本発明の装置における前記外型の他の例としては、前記缶胴への当接面に前記凸部を備えるロール状に形成されていることが挙げられる。
本発明の実施形態の装置の概略構成を平面視して示す説明図。 内型ロール及び外型レールを示す説明的斜視図。 凹部に対する凸部の凹入状態を示す説明的断面図。 他の凹部に対する凸部の凹入状態を示す説明的断面図。 内型の缶胴接触面の説明的展開図。 他の内型の缶胴接触面の説明的展開図。 図7Aは凸部の先端形状の一例を示す説明的断面図、図7Bは凸部の押圧面の形状を示す説明的正面図、図7Cは凸部の押圧面の他の形状を示す説明的正面図。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態の成形装置1は、金属缶(スチール、ぶりき、アルミニウム等、一般的に用いられる金属材料製の缶)の缶胴Wを、装置内に供給する入口ターレット2aと、缶胴Wの内面に接するロール状の内型3と、缶胴Wの軌道に接する位置に設けられて缶胴Wの外面に圧接する円弧レール状の外型4と、缶胴Wを成形装置内から排出する出口ターレット2bを備えている。
図示しない駆動手段により、入口ターレット2aで内型3を缶胴Wに挿入する。ロール状の内型3は缶胴Wを搬送しつつ自公転する。この状態で、公転軌道に合わせて固定された円弧レール状の外型4に缶胴Wの外面を圧接させ、缶胴Wに後述の外面凹部Waを形成しながら外型4を通過した後、出口ターレット2bで缶胴Wより内型3を抜く工程が行われる。
図2に示すように、内型3は、缶胴Wを外型4との間に挟んだ状態で外型4の長手方向に沿って転動する。このとき、缶胴Wは内型3の回転に伴い外型4への圧接状態を維持して外型4の長手方向に沿って転動する。
内型3には多数の凹部5が形成されている。外型4には、内型3の多数の凹部5に凹入可能な形状の凸部6が形成されている。
内型3の多数の凹部5は、内型3の外面全周にわたって周方向と高さ方向とに規則的な所謂ドットマトリクス状に配列して形成されている。外型4の各凸部6は、缶胴Wの外面に設ける表示に対応する位置に配設されている。図2においては、文字(英字)に対応する位置に凸部6を配設した例を示している。
内型3と外型4とで缶胴Wを挟んだ状態で缶胴Wが外型4の長手方向に沿って転動することにより、外型4を缶胴Wの外面に圧接させて凸部6を内型3の凹部5に凹入させる工程が行われる。
内型3が缶胴Wを挟んで外型4に向かって押圧しつつ転動することにより、図3に示すように、凸部6が凹部5に凹入されて缶胴Wに外面凹部Waが形成される。このとき、外型4の凸部6が形成さていない部分は、外面凹部が成形されることがなく未加工部Wbとなる。
従って、図2に示すように、外型4における缶胴Wへの接触面(後述の缶胴接触面8)に、缶胴Wに表示させるための文字やイラスト等に対応する配列で凸部6を設けておくことで、文字やイラスト等を示す外面凹部Waが缶胴Wに形成される。
また、内型3は、内型3の外面全周にわたって周方向と高さ方向とに規則的に配列した凹部5を備えるので、例えば、凸部6の位置の異なる外型4に交換するだけで、缶胴Wの外面凹部Waによる表示を変更することができる。
なお、本実施形態は、レール状の外型4を採用しているが、これに替えて、図示しないが、外型をロール状としてもよく、例えば、ロール状の内型と単数の外型をともに一対で転動させたり、或いは、これらが複数個配置された形態であっても良い。
また、内型3の凹部5は、図3に示すように、外型4の凸部6に対応する形状とするのが好ましいが、それに限るものではなく、例えば、図4に示すように、凸部6と異なる形状の凹部5であってもよい。
図5に示すように、内型3の凹部5は各辺の長さ寸法が1〜5mmの仮想升目S内に収まる大きさとされていることが好ましい。このとき、外型4の凸部6は、内型3の凹部開口面積に対して同寸法か、それ以下となるように形成される。
本実施形態における内型3の缶胴接触面7には、図5に示すように、1辺の長さ寸法が約3mmの仮想升目Sに内接する大きさの多数の凹部5がドットマトリクス状に配設されている。
図2に示すように、外型4の缶胴接触面8には、複数の凸部6が形成されている。各凸部6は表示内容としての文字(本実施形態では英字)を表現する位置に配列して形成されている。
表示内容を変更(例えばイラストに変更)する場合には、凸部6の形成位置が異なる外型4に交換するだけでよく、内型3を交換する必要がない。
なお、内型3の缶胴接触面7は、図5に示したものに限らず、例えば、図6A及び図6Bに示すような構成を採用することができる。図6Aに示す缶胴接触面7は、開口形状がひし形状の凹部5aを備えている。図6Bに示す缶胴接触面7は、開口形状が円形状の凹部5bを備えている。
そして、凹部5の形状によらず、外型4の凸部6によって、缶胴Wの外面凹部Waに変化を付与することができる。即ち、外型4の凸部6は、その先端面が押圧面となって缶胴Wに外面凹部Waを形成するため、凸部6の先端面に所望の形状面を形成しておくことで、缶胴Wに外面凹部Waの個々に対して所望の形状を付与することができる。
例えば、図7Aに断面示するように、鋭利な先端を有する凸部6aのほか、図7B、図7Cに正面示するように、個々の押圧面に多角形の図形等が形成された凸部6b、6cを採用することができる。
また、本実施形態の成形装置1を用いれば、内型3と外型4との圧接力(缶胴Wに対する押圧力)を小さくすることにより、缶胴Wに浅い外面凹部Waを形成することができ、内型3と外型4との圧接力を大きくすることにより、缶胴Wに深い外面凹部Waを形成することができる。或いは、外型4の凸部6の突出長さ(内型3の凹部5の周縁でこれ以上の凹入が規制されたときに凹部5内に入り込んだ凸部6の長さ)の大小により、缶胴Wの外面凹部Waの深さの大小を設定できる。これにより、缶胴Wの外面凹部Waに外観上の変化を付与することができる。
更に、図示しないが、例えば、複数の凹凸(複数の微細な突起)を先端面に備える凸部を用いて、内型3と外型4との圧接力を小さくし、缶胴Wに細かな外面凹部Waを密に形成して網掛け状の加工面を形成した後、先端面が所定形状の凸部を用いて、内型3と外型4との圧接力を大きくし、大きく深い外面凹部Waによる表示面を形成してもよい。
また、本実施形態の成形装置1においては、単一の外型4を備える構成を示したが、外型4は、缶胴Wの搬送軌道に沿って複数設けてもよい。これにより、夫々の外型4毎に、内型3と外型4との圧接力を変える、或いは、凸部6の形状を変えるといったことが可能となり、缶胴Wの外面凹部Waによる装飾効果を変化させることができる。
W…缶胴、Wa…外面凹部、1…成形装置、3…内型、4…外型、5,5a,5b…凹部、6,6a,6b,6c…凸部。

Claims (9)

  1. 金属缶の円筒状の缶胴の外面に多数の凹部を形成する成形方法において、
    外面全周にわたって周方向と高さ方向とに規則的に配列された多数の凹部を備えるロール状の内型を缶胴の内面に当接させる工程と、
    前記缶胴を介して前記内型の各凹部に選択的に押入するように形成された複数の凸部を備える外型を、前記缶胴の外面に圧接させ、該凸部を前記内型の凹部に凹入させる工程とを備えることを特徴とする缶胴の外面凹部の成形方法。
  2. 前記外型は、レール状に形成され、
    前記内型が前記缶胴の内面に当接し、前記外型が該缶胴の外面に圧接した状態で前記内型を回転させて該缶胴を前記外型の長手方向に沿って転動させる工程を備えることを特徴とする請求項1記載の缶胴の外面凹部の成形方法。
  3. 前記外型は、ロール状に形成され、
    前記内型が前記缶胴の内面に当接し、前記外型が該缶胴の外面に圧接した状態で前記内型と前記外型とを同期回転させる工程を備えることを特徴とする請求項1記載の缶胴の外面凹部の成形方法。
  4. 金属缶の円筒状の缶胴の外面に多数の凹部を形成する成形装置において、
    ロール状に形成されて缶胴の内面に当接する内型と、内型の当接位置に対応する缶胴の外面に当接する外型とを備え、
    前記内型は、その外面全周にわたって周方向と高さ方向とに規則的に配列された多数の凹部を備え、
    前記外型は、前記缶胴を介して前記内型の各凹部に選択的に押入する複数の凸部を備えることを特徴とする缶胴の外面凹部の成形装置。
  5. 前記外型の凸部の輪郭形状は、前記内型の凹部の輪郭形状に対応することを特徴とする請求項4記載の缶胴の外面凹部の成形装置。
  6. 前記外型の凸部の輪郭形状は、前記内型の凹部の輪郭形状より小であることを特徴とする請求項4記載の缶胴の外面凹部の成形装置。
  7. 前記内型の凹部は各辺の長さ寸法が1〜5mmの仮想の正方形又は長方形の内側に収まる大きさであることを特徴とする請求項4記載の缶胴の外面凹部の成形装置。
  8. 前記外型は、前記缶胴への当接面に前記凸部を備えるレール状に形成されていることを特徴とする請求項4〜7の何れか1項記載の缶胴の外面凹部の成形装置。
  9. 前記外型は、前記缶胴への当接面に前記凸部を備えるロール状に形成されていることを特徴とする請求項4〜7の何れか1項記載の缶胴の外面凹部の成形装置。
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