JP2016050041A - 多面体壁を有する金属缶及びその成形方法 - Google Patents

多面体壁を有する金属缶及びその成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】単位パネルの形状や大きさを変えることなく、一定の強度を担保するとともに、装飾効果に変化をつけることができる多面体壁を有する金属缶を提供する。
【解決手段】胴部2の少なくとも缶軸方向の一部に周状の多面体壁4を有し、多面体壁4は凸状の境界稜線51で区分され、境界稜線51で囲まれた領域が胴部2の内方に向けて窪んでいる多数の単位パネル5で構成されている金属缶であって、周状の多面体壁4の一部を未加工の胴部周面が残存する未加工領域6としたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、胴部に強度の高い多面体壁を有する金属缶及びその成形方法に関する。
従来、この種の金属缶としては、たとえば、特許文献1に記載のようなものが知られており、その胴部には、凸状の境界稜線で区分された多数の単位パネルで構成される周状の多面体壁が設けられている。この多面体壁は、缶軸方向に並んだ所定数の単位パネルのパネル列が全周的に密に配列された構成で、隣り合うパネル列の各単位パネルの缶軸方向の位相が単位パネルの軸方向長さの半分だけずらされ、隣り合うパネル列の一方のパネル列を構成する各単位パネルの間に他方のパネル列の各単位パネルが密に入り込んだ構成となっている。
このように胴部を多面体壁とすることにより強度増大を図り、強度を損なうことなく薄肉軽量化を図っていた。
一方、このような多数の単位パネルで構成される立体的な形状パターンには装飾的効果があり、特に、多数の単位パネルが光を反射してきらきらと輝き、独特の美観を有するものであった。
特開平8−26286号公報
しかし、多面体壁の単位パネルの形状や大きさは、強度設計や製造工程等によって決定されるもので、デザイン的な自由度が小さく、装飾効果に変化を持たせることができなかった。
本発明は上記したような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、単位パネルの形状や大きさを変えることなく、一定の強度を担保するとともに、装飾効果に変化をつけることができる多面体壁を有する金属缶及びその成形方法を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明に係る金属缶にあっては、
胴部の少なくとも缶軸方向の一部に周状の多面体壁を有し、該多面体壁は凸状の境界稜線で区分され、該境界稜線で囲まれた領域が胴部内方に向けて窪んでいる多数の単位パネルで構成されている金属缶であって、
前記周状の多面体壁の一部を未加工の胴部周面が残存する未加工領域としたことを特徴とする。
また、本発明においては、以下の形態を採用することが好適である。
(1)前記未加工領域は、前記多面体壁において少なくとも1つの単位パネルの配置領域に相当する領域に配置されること、
(2)前記未加工領域は、周方向で該未加工領域に隣接する単位パネルの境界稜線で、該単位パネルと区分されていること、
(3)前記未加工領域は、周状の多面体壁の缶軸方向の中途部に設けられていること、
(4)前記未加工領域は、前記周状の多面体壁の缶軸方向の少なくとも一方の端部におい
て周状の多面体壁に隣接する未加工の胴部周面とつながっていること、
(5)前記周状の多面体壁に、未加工領域によって、文字、記号、模様等の情報を表示すること、
(6)前記未加工領域に、印刷面上に設けられた表示部が位置するように、互いに相対的に位置決めされていること、
(7)前記表示部が、バーコードであること。
また、上記目的を達成するための別の解決手段として、複数の単位パネルで構成される部分多面体壁を、胴部の周方向に形成し、該部分多面体壁によって立体加飾としたことを特徴とする。また、本発明においては、胴部の少なくとも缶軸方向の一部に、凸状の境界稜線で区分された多数の単位パネルを有する周状の多面体壁と、胴部の周方向に部分的に前記部分多面体壁とを備えることが好適である。
また、上記目的を達成するための別の解決手段として、胴部の少なくとも缶軸方向の一部に周状の多面体壁を有し、該多面体壁は凸状の境界稜線で区分された複数の単位パネルで構成される金属缶において、前記複数の単位パネルの凹部形状が複数のタイプからなることを特徴とする。
また、本発明に係る金属缶の成形方法は、金属缶の胴部を内型と外型で挟み、前記内型に設けた稜線用突条によって前記胴部に対して複数の単位パネルの境界稜線を外向きに山折りし、前記外型に設けた凹部用突条によって前記稜線用突条で囲まれる領域を内向きに窪ませて前記単位パネルを成形する成形方法であって、
前記外型は、その表面の一部に前記胴部と干渉しない平坦部を有し、前記胴部を前記内型及び前記外型で挟むことで、前記胴部の一部に未加工領域を残存させた多面体壁を成形することを特徴とする。
上述の本発明によれば、未加工領域を設けることで、光の反射を変えて、単調な形状にアクセントを持たせることができ、装飾性を向上させることができる。また、未加工領域を一部に設けることで、未加工領域を設けない場合に比べて、缶の強度の低下の度合いは小さい。
また、多面体壁の一部に未加工領域を設けることで、全周にわたって単位パネルを設けた場合に比べて、胴部の加工量を少なくすることができ、加工により胴部(特に、内面側の胴部)に与えるダメージを抑えることができる。
実施例1に係る金属缶を示す概略図であり、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A断面図である。 実施例2の金属缶1を示す概略図である。 実施例2の金属缶1を示す概略図である。 実施例3の金属缶1を示す概略図である。 実施例4の金属缶1を示す概略図である。 実施例4の金属缶1を示す概略図である。 実施例5の金属缶1を示す概略図である。 実施例6の金属缶1を示す概略図である。 実施例7の金属缶1を示す概略図であり、(a)は側面図、(b)は(a)のB−B断面図、(c)乃至(f)は変形例を示す断面図である。 比較例の金属缶を示す図であり、(a)は側面図、(b)は(a)のC−C断面図である。 実施例1乃至7において、本発明の金属缶の多面体壁を加工する成形機を示し、内型に装着された金属缶の胴部の一部がくり抜かれて内型を露出させた概略斜視図である。 実施例1乃至7において、多面体壁を形成するために内型と外型が型押しを行っている状態を説明するための缶軸方向の断面模式図であって、(a)は単位パネルの連続形成箇所、(b)は未加工領域の残存箇所を示す。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
以下に、実施例1について説明する。
図1は、本実施例に係る金属缶1を示す概略図であり、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A断面図を示している。図10は、比較例の金属缶100を示す図である。
本実施例の金属缶1について説明するために、まず、比較例の金属缶100について説明する。なお、説明の便宜上、比較例の金属缶100と本実施例の金属缶1において、同様の構成部分を示す符号は同一の符号を付している。また、以下の説明において、缶軸方向とは、金属缶の高さ方向をいうもので、図1,10においてHで示す。
金属缶100は、有底筒形状の胴部2と、胴部2の上端開口部に巻締固定される缶蓋3とから構成され、金属缶100は、胴部2の少なくとも缶軸方向の一部に周状の多面体壁400を有している。
この多面体壁400は、凸状の境界稜線51で区分された多数の単位パネル5で構成されるもので、より詳細には、缶軸方向(高さ方向)に並んだ所定数の単位パネル5のパネル列50が全周的に密に配列された構成となっている。また、単位パネル5の境界稜線51で囲まれた領域は、水平の対角線に沿って谷線52が設けられ、谷線52を境界として上方三角形部分53と下方三角形部分54が折れ曲がるように、缶軸方向の対角線方向(胴部内方)に窪む凹部形状となっている。また、複数の境界稜線51の交差する位置は、交差部55となっている。
また、単位パネル5は菱形形状で、隣り合うパネル列50の各単位パネル5の缶軸方向の位相が単位パネル5の缶軸方向長さの半分だけずらされ、隣り合うパネル列50の一方のパネル列50を構成する各単位パネル5の間に他方のパネル列50の各単位パネル5が密に入り込んだ構成となっている。
次に、本実施例の金属缶1について、図1を用いて詳細に説明する。
本実施例の金属缶1はツーピース缶で、有底筒形状の胴部2と、胴部2の上端開口部に巻締固定される缶蓋3とから構成され、胴部2の少なくとも一部に周状の多面体壁4が形成されている。
多面体壁4は、凸状の境界稜線51で区分され、境界稜線で囲まれた領域が、谷線52を中心に胴部内方に向けて窪んでいる複数の単位パネル5(形状、配置等については前述と同様のため、省略する。)と、未加工領域6とで構成されている。
未加工領域6は、多面体壁4の形成の際に、単位パネル5を形成するための加工が施されることなく、金属缶1の胴部2の周面が残存した領域であって、上述の多面体壁400(比較例)の形成の際に、単位パネル5が配置されていた領域内のいずれかに設けられる。本実施例では、多面体壁4の略真中部分(缶軸方向の中途部)において、未加工領域6が4個の単位パネル5の配置領域に相当する領域に配置されるとともに、図1の領域A内
に示すように、周方向で前記未加工領域6に隣接する単位パネル5の境界稜線51で、該単位パネル5と区分されている。
上記のような構成とすることにより、光の反射を変えて、単調な形状にアクセントを持たせることができ、装飾性を向上させることができる。また、未加工領域を一部に設けることで、未加工領域を設けない場合に比べて、缶の強度の低下の度合いは小さい。
また、多面体壁の一部に未加工領域を設けることで、全周にわたって単位パネルを設けた場合に比べて、胴部の加工量を少なくすることができ、加工により胴部(特に、内面側の胴部)に与えるダメージを抑えることができる。
なお、未加工領域6は、多面体壁4において1つの単位パネル5の配置領域に相当する領域に配置されてもよい。また、本発明に係る多面体壁4においては、単位パネル5と未加工領域6の配置は、上記実施例に限るものではなく、単位パネル5と未加工領域6は適宜、組み合わせて配置することができる。
続いて説明する本発明に係る別の実施例では、単位パネル5と未加工領域6の組み合わせが実施例1とは異なる形態について示している。なお、以下の説明において、実施例1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
(実施例2)
図2,3は、実施例2の金属缶1を示す概略図である。
本実施例では、未加工領域6が、周状の多面体壁4の缶軸方向の少なくとも一方の端部において、周状の多面体壁4に隣接する未加工の胴部2の周面とつながっている形態を示す。
図2では、未加工領域6が、周状の多面体壁4の缶軸方向の上端部において、6個の単位パネル5の配置領域に相当する領域(逆三角形状)に配置されて、周状の多面体壁4に隣接する未加工の胴部2の周面とつながっており、正面から金属缶1を見ると、単位パネル5が一部凹んだように見える。また、実施例1と同様に、未加工領域6は、周方向で未加工領域6に隣接する単位パネル5の境界稜線51で、当該単位パネル5と区分されている。
また、未加工領域6は、周状の多面体壁4の缶軸方向の両端部において、周状の多面体壁4に隣接する未加工の胴部2の周面とつながっていてもよく、さらに、この両端部の未加工領域6同士がつながっていてもよい。すなわち、胴部2において、缶軸方向で単位パネル5が存在しない領域があってもよい。図3では、この状態を示しており、周状の多面体壁4の缶軸方向の上端部から下端部に向けて、最上段の周状多面体壁4では1個、次段の周状多面体壁4では2個、というように、多面体壁4の列ごとに単数、複数の未加工領域6が交互に、計10個の単位パネル5の配置領域に相当する領域に配置されている。
このような形態によっても、実施例1同様、装飾性を向上させることができる。
(実施例3)
図4は、実施例3の金属缶1を示す概略図である。
本実施例では、未加工領域6の配置によって、周状の多面体壁4に、文字、記号、模様等の情報を表示する形態を示す。
すなわち、図4に示すように、胴部2に缶軸方向に複数列形成される周状の多面体壁4内に、未加工領域6の配置を用いてギリシア文字の一つである「α」を模した文字又は記号を表示した例を示している。すなわち、未加工領域6は、前記「α」の文字又は記号に沿って、計15個の単位パネル5の配置領域に相当する領域に配置されている。また、未加工領域6は、凸状の境界稜線51で区分されており、本実施例の場合、「α」という文字又は記号で囲まれている箇所には、単位パネル5が4個分から菱形状に構成される部分
多面体壁9が形成されている。
このように未加工領域の配置及び個数を調整することにより、多面体壁内に多様な表示を行うことが可能となり、装飾性を向上させることができる。
(実施例4)
図5は、実施例4の金属缶1を示す概略図である。
金属缶の胴部には、様々な情報を表示するために印刷が施されるが、胴部に単位パネルが形成されている場合、単位パネル上の印刷面に表示されている情報は、円筒形状の胴部に印刷されている情報に比べると、見にくいと感じられる場合がある。
そこで、本実施例では、未加工領域6に、文字、記号、模様等の情報を表示することとした。図5では、未加工領域6に「a」というアルファベット文字「a」を表示している例を示している。本実施例では、実施例1と同様に、周状の多面体壁4に形成されるとともに、4個の単位パネル5の配置領域に相当する領域に配置されている未加工領域6に、印刷面上に設けられた表示部が位置するように、互いに相対的に位置決めされている。
このような形態により、未加工領域6の凹凸の無い面に、情報を印刷して表示させることができるので、印刷面を見やすくすることができ、装飾性を向上させることができる。
図6は、実施例4の金属缶1を示す概略図である。
金属缶には、表示部(例えば、バーコード(識別子)等)が印刷される場合があるが、胴部に単位パネルが形成されている場合には、単位パネル上の前記表示部が読み取りにくくなることが懸念される。
そこで、本実施例においても、図6に示すように、未加工領域6に表示部7を表示することとした。具体的には、周状の多面体壁4における缶軸方向の下端部において、未加工領域6を3個の単位パネル5の配置領域に相当する領域(三角形状)に配置し、該領域内に表示部7を位置させる構成としてある。
ここで、表示部7と未加工領域6の位置合わせが必要となるため、以下、両者の位置合わせについて説明する。表示部7と未加工領域6とは、未加工領域6に表示部7が位置するように、互いに相対的に位置決めされるものであればよいが、ここでは、後述する成形機10を用いて多面体壁4を形成する場合について説明する。
表示部7を含む情報の印刷は、金属缶1の胴部2に多面体壁4を形成する前の円筒面の状態で行われる。情報の印刷後、後述する成形機10により、この印刷パターンに合わせて多面体壁4を成形する。
このとき、印刷パターンと、多面体壁4の未加工領域6との位置合わせを行うために、図6に示すように、胴部2に位置合わせ用のマーク8が付されている。
位置合わせマーク8は、胴部2に印刷された表示部7の位置を示すためのものであり、成形機10においては、位置合わせマーク8をセンサで読み取って、未加工領域6に表示部7の印刷面が位置するように、胴部2の回転制御を行う。
このような形態により、胴部2のうち、読み取りやすい位置に表示部7を印刷し、その表示部7に合わせて未加工領域6を配置することができ、表示部7を読み取りやすくすることができる。
また、本実施例では、表示部7と未加工領域6との位置合わせを行うことで、表示部7が未加工領域6に表示される場合について説明したが、表示部7の他にも、金属缶の缶内の商品を示す商品名等の識別情報を表示する場合には、上記のように位置合わせを行うことで、識別情報の表示部7を未加工領域6に表示させるとよい。
これにより、金属缶1の胴部2のうち、読み取りやすい位置に表示部7を印刷し、その表示部7に合わせて未加工領域6を配置することができ、表示部7の識別情報を読み取り
やすくすることができる。
さらに、金属缶1の加工時に未加工領域6と表示部7がずれてしまうことなく、より正確に位置合わせを行うことができる。
(実施例5)
図7は、実施例5の金属缶1を示す概略図である。
本実施例の金属缶1は、凸状の境界稜線51で区分された複数の単位パネル5で構成される部分多面体壁9を胴部2の周方向に部分的に形成し、立体加飾が施されている。図7では、胴部2のうち、周方向の一部領域、かつ、缶軸方向の略真中の領域に、単位パネル5を複数集中させて、部分多面体壁9として配置した例を示している。ここで、部分多面体壁9と未加工領域6により多面体壁4が構成されているということもできる。
図7のように単位パネル5を配置し、立体加飾とすることで、装飾性を向上させることができ、視認性を高めることができる。
胴部2における強度との兼ね合いにより、強度が保持される範囲で適宜、単位パネル5の配置数や、配置位置(デザイン)を設定するとよい。
(実施例6)
図8は、実施例6の金属缶1を示す概略図である。
本実施例では、胴部の少なくとも缶軸方向の一部に、凸状の境界稜線51で区分された多数の単位パネル5を有する周状の多面体壁400と、胴部の周方向に部分的に部分多面体壁9と、を備えた形態を示す。ここでは、部分多面体壁9はアルファベット文字「w」を表示している例を示している。
前述の周状の多面体壁400と、胴部の周方向に部分的に部分多面体壁9と、を備えていれば、周状の多面体壁400によって強度を保持し、胴部の周方向に部分的に設けられた部分多面体壁9によって、加飾効果を高めることができる。
特に、周状の多面体壁400を缶軸方向の中央近傍に設けることで、陰圧缶に使用した場合の金属缶の強度を保持することができる。
(実施例7)
図9は、実施例7の金属缶1を示す概略図である。
図9(a)に示すように、本実施例では、金属缶1の複数の単位パネルの凹部形状が、複数のタイプからなっている。すなわち、本実施例の金属缶1は、図1に示される、谷線52を有する菱形形状の単位パネル5と、単位パネル5とは凹部形状の異なる菱形形状の単位パネル5Aとを有している。
図9(b)は、図9(a)のB−B断面図を示している。図9(b)に示すように、単位パネル5Aの谷線52は、単位パネル5と比較して胴部2の内方向に浅めに形成されている。
図9(c)乃至(f)は、本実施例に係る変形例を示す断面図であり、図9(c)乃至(f)に示す単位パネル5B乃至5Dは、図9(a)のB−B断面(図9(b))における単位パネル5Aに対応している。
図9(c)には、谷線52が、単位パネル5と比較して胴部2の内方向に深めに形成された単位パネル5Bを示している。
また、図9(d)には、谷線52が非形成とされ、単位パネル5と比較して胴部2の内方向に浅めに形成された湾曲面で構成される単位パネル5Cを示し、図9(e)には、谷線52が非形成とされ、単位パネル5と比較して胴部2の内方向に深めに形成された湾曲面で構成される単位パネル5Dを示している。
また、単位パネル5A乃至5Dは適宜組み合わせて使用することができ、図9(f)に
は、単位パネル5C及び5Dによって、胴部2に周状の多面体壁4が形成された形態を示している。
ここで、前述の単位パネル5と単位パネル5A乃至5D、また、各種単位パネル2種による組み合わせに限るものではなく、さらに異なるパネル凹部形状の単位パネル、すなわち、異なった凹部形状を有する3種以上の単位パネルを適宜組み合わせてもよい。
上記した実施例1〜6においては、周状の多面体壁の一部に未加工領域が存在する形態について説明したが、本実施例のように単位パネルと、該単位パネルとは凹部形状の異なる単位パネルを組み合わせ、凹部形状は複数のタイプからなる周状の多面体壁を構成することで、一定の強度を担保するとともに、装飾効果に変化をつけることができる。
(単位パネル)
ここで、上記した実施例1〜7では、金属缶1は、ツーピース缶として説明したが、これに限定されるものではなく、スリーピース缶等、他の構成の金属缶であってもよい。また、単位パネル5、及び、単位パネル5とは凹部形状が異なる単位パネル5A乃至5Dの形状(外形形状)を菱形形状としているが、これに限るものではなく、六角形状などの他の形状でも適用可能である。さらに、単位パネルの大小、周方向に形成される個数については、任意の大きさ及び個数を設定することができる。本実施例において、周方向に形成される単位パネルの個数は11個であるが、12個以上であってもよく、設置個数を増やすことで各々の単位パネルのサイズは小さくなるとともに、単位パネルのサイズに相当する未加工領域のサイズも小さくなり、これにより、さらに細かな装飾効果を付与することが可能となる。
また、本実施例では、単位パネル5内の谷線52が、単位パネル5を缶軸方向に対して直交方向(水平方向)に凹状に窪ませる形状としているが、この形状に加えて、缶軸方向にも単位パネル5を凹状に窪ませ、場合によっては缶軸方向に沿った谷線を有する形状としてもよい。
(多面体壁の成形方法)
次に、本実施例に係る缶体1の多面体壁4の成形方法について、図11、12を用いて説明する。
図11は、多面体壁4を成形する成形機10を示し、内型11に装着された金属缶1の胴部2の一部がくり抜かれて内型11が露出された状態を示す概略斜視図である。多面体壁4の成形は、内型11と外型12とを有する成形機10によって行われ、缶蓋3を巻締める前の胴部2に対して施される。
内型11はその外表面に、単位パネル5を構成する境界稜線51を形成するための稜線用突条11aが設けられ、外型12はその外表面に、単位パネル5を構成するための凹部用突条12aが設けられている。また、本実施例の外型12は、谷線52を形成するための谷線形成用の稜線が、凹部用突条12aの水平方向(外型12の高さ方向と直交する方向)の対角線上に形成されている。
また、内型11には、外型12の凹部用突条12aに対向する窪み部11bが設けられており、外型12には、内型11の稜線用突条11aに対向する窪み部12bが設けられている。そして、図11及び図12に示すように、外型12の外表面には、未加工領域6を設けるために、凹部用突条12aを有しない平坦部12cが、外型12の中途部に設けられている。なお、本実施例においては、単位パネル1個分の未加工領域6を形成するように平坦部12cが設けられているが、所望の未加工領域6を形成するよう平坦部12cの個数及び配置を変更可能である。
図12は、多面体壁4を形成するために内型11と外型12が型押しを行っている状態
を説明するための缶軸方向の断面模式図であり、(a)は単位パネルの連続形成箇所、(b)は未加工領域の残存箇所をそれぞれ示している。
ここで、図12において(a)と(b)では、平坦部12cが外型12の中途部に設けられて凹部用突条12aのパターンが異なっている。なお、内型11は同様の型である。
まず、胴部2の内周面が内型11に接触し、胴部2の外周面が外型12に接触するように、胴部2が内型11と外型12の間に挟まれた状態で、缶蓋3を巻締める前の金属缶1が成形機10にセットされる。そして、内型11と外型12が胴部2を挟んだ状態で回転することにより、胴部2が周方向に回転して、内型11と外型12とにより型押し(曲げ加工)が行われる。その際、内型11の稜線用突条11aと外型12の凹部用突条12aが、胴部2の内外周面を挟み込むことで、境界稜線51と谷線52が形成され、胴部2の周面に単位パネル5を有する多面体壁4が加工される。換言すると、内型11の稜線用突条11aによって胴部2に対して複数の単位パネル5の境界稜線51を胴部外方に山折りし、外型12の凹部用突条12aによって、稜線用突条11aで囲まれる領域を胴部内方に窪ませて単位パネル5を形成する。
この際、図12(b)で示すように、平坦部12cが設けられている箇所においては、内型11と外型12とにより型押し(曲げ加工)が行われないため、図12(a)のように窪んだ単位パネル面5が形成されず、未加工の胴部周面である未加工領域6が残存することとなる。
このように単位パネル5と未加工領域6が形成されることで、本実施例の多面体壁4が形成される。
ここで、多面体壁4の成形方法としては、上記の成形機10を用いる方法に限るものではなく、外型や内型は回転体でなくてもよい。しかしながら、上記のような内型11及び外型12を適用することで、比較例の金属缶100を加工する場合も前述と同様に、内型11は共通した型を用いることができる。また、この例では、外型12の未加工領域6に対応する部分を平坦部12cとしているが、平坦部12cは、胴部2が内型11と外型12の間に挟まれた際に、胴部2と干渉しない形状であればよく、胴部周面の形状が残存するものであれば胴部2に触れてもよい。
ここで、前述の実施例7においては、谷線52を形成するための谷線形成用の稜線を有さない凹部用突条12a、または、上記と比べて突出量の少ない凹部用突条12aを用いることで、単位パネル面5が成形されることとなる。
1 金属缶
2 胴部
3 缶蓋
4 多面体壁
5 単位パネル
5A乃至5D 単位パネル
50 パネル列
51 境界稜線
52 谷線
53 上方三角形部分
54 下方三角形部分
55 交差部
6 未加工領域
7 表示部
8 位置合わせマーク
9 部分多面体壁
10 成形機
11 内型
11a 稜線用突条
11b 窪み部
12 外型
12a 凹部用突条
12b 窪み部
12c 平坦部

Claims (12)

  1. 胴部の少なくとも缶軸方向の一部に周状の多面体壁を有し、該多面体壁は凸状の境界稜線で区分され、該境界稜線で囲まれた領域が胴部内方に向けて窪んでいる多数の単位パネルで構成されている金属缶であって、
    前記周状の多面体壁の一部を未加工の胴部周面が残存する未加工領域としたことを特徴とする多面体壁を有する金属缶。
  2. 前記未加工領域は、前記多面体壁において少なくとも1つの単位パネルの配置領域に相当する領域に配置されることを特徴とする請求項1に記載の多面体壁を有する金属缶。
  3. 前記未加工領域は、周方向で該未加工領域に隣接する単位パネルの境界稜線で、該単位パネルと区分されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の多面体壁を有する金属缶。
  4. 前記未加工領域は、前記周状の多面体壁の缶軸方向の中途部に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多面体壁を有する金属缶。
  5. 前記未加工領域は、前記周状の多面体壁の缶軸方向の少なくとも一方の端部において周状の多面体壁に隣接する未加工の胴部周面とつながっていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多面体壁を有する金属缶。
  6. 前記周状の多面体壁に、前記未加工領域によって、文字、記号、模様等の情報を表示することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかの項に記載の多面体壁を有する金属缶。
  7. 前記未加工領域に、印刷面上に設けられた表示部が位置するように、互いに相対的に位置決めされていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかの項に記載の多面体壁を有する金属缶。
  8. 前記表示部がバーコードであることを特徴とする請求項7に記載の多面体壁を有する金属缶。
  9. 複数の単位パネルで構成される部分多面体壁を、胴部の周方向に形成し、該部分多面体壁によって立体加飾としたことを特徴とする多面体壁を有する金属缶。
  10. 胴部の少なくとも缶軸方向の一部に、凸状の境界稜線で区分された多数の単位パネルを有する周状の多面体壁と、胴部の周方向に部分的に前記部分多面体壁と、を備えていることを特徴とする請求項9に記載の多面体壁を有する金属缶。
  11. 胴部の少なくとも缶軸方向の一部に周状の多面体壁を有し、該多面体壁は凸状の境界稜線で区分された複数の単位パネルで構成される金属缶において、
    前記複数の単位パネルの凹部形状が複数のタイプからなることを特徴とする多面体壁を有する金属缶。
  12. 金属缶の胴部を内型と外型で挟み、前記内型に設けた稜線用突条によって前記胴部に対して複数の単位パネルの境界稜線を外向きに山折りし、前記外型に設けた凹部用突条によって前記稜線用突条で囲まれる領域を内向きに窪ませて前記単位パネルを成形する成形方法であって、
    前記外型は、その表面の一部に前記胴部と干渉しない平坦部を有し、前記胴部を前記内型及び前記外型で挟むことで、前記胴部の一部に未加工領域を残存させた多面体壁を成形
    することを特徴とする金属缶の成形方法。
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