JP2021068663A - 正極材料の製造方法 - Google Patents

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Kazuya Takeuchi
和也 竹内
雅文 野瀬
Masafumi Nose
雅文 野瀬
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Abstract

【課題】電池の放電容量を向上させることができる正極材料の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】S元素を有する正極活物質と、P元素およびS元素を有する含硫化合物と、導電助剤とを含有し、Li元素を実質的に含有しない原料混合物を準備する準備工程と、前記原料混合物に対して、メカニカルミリングを行うメカニカルミリング工程と、前記原料混合物を圧粉し、圧粉体を得る工程と、前記圧粉体を100℃〜400℃で、1〜5時間、非酸素雰囲気下で熱処理して焼結体を得る加熱工程と、を有することを特徴とする正極材料の製造方法。【選択図】図2

Description

本開示は、正極材料の製造方法に関する。
近年におけるパソコン、ビデオカメラおよび携帯電話等の情報関連機器や通信機器等の急速な普及に伴い、その電源として利用される電池の開発が重要視されている。また、自動車産業界等においても、電気自動車用あるいはハイブリッド自動車用の高出力かつ高容量の電池の開発が進められている。
硫黄を正極活物質として用いた硫黄電池の開発が進められている。硫黄は、理論容量が1675mAh/gと非常に高いといった特徴を有する。また、硫黄電池の分野では硫黄の利用率を向上させ、硫黄電池の充放電容量を増加させる試みがなされてきた。
特許文献1には、硫黄の利用率を向上させ、硫黄電池の充放電容量を大きくすることが可能な正極合材が開示されている。
特開2015−005452号公報
電池の高容量化が求められている。本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、電池の放電容量を向上させることができる正極材料の製造方法を提供することを主目的とする。
本開示においては、S元素を有する正極活物質と、P元素およびS元素を有する含硫化合物と、導電助剤とを含有し、Li元素を実質的に含有しない原料混合物を準備する準備工程と、
前記原料混合物に対して、メカニカルミリングを行うメカニカルミリング工程と、
前記原料混合物を圧粉し、圧粉体を得る工程と、
前記圧粉体を100℃〜400℃で、1〜5時間、非酸素雰囲気下で熱処理して焼結体を得る加熱工程と、を有することを特徴とする正極材料の製造方法を提供する。
本開示は、電池の放電容量を向上させることができる正極材料の製造方法を提供することができる。
本開示において用いられる全固体電池の一例を示す断面模式図である。 実施例1〜6および比較例1〜3の全固体電池の1Cでの放電容量を示すグラフである。 正極材料の製造時の圧粉工程の有無による全固体電池の1Cでの放電容量を比較したグラフである。 正極材料の製造時の焼成温度の違いによる全固体電池の1Cでの放電容量を比較したグラフである。 正極材料の製造時の焼成時間の違いによる全固体電池の1Cでの放電容量を比較したグラフである。 実施例1、4、5及び比較例1の正極材料の任意の複数箇所についてスポットでEDX分析を行い、各正極材料の各スポットにおけるS元素の組成割合{S[atomic%(vsP)]}を示した図である。
1.正極材料の製造方法
本開示においては、S元素を有する正極活物質と、P元素およびS元素を有する含硫化合物と、導電助剤とを含有し、Li元素を実質的に含有しない原料混合物を準備する準備工程と、
前記原料混合物に対して、メカニカルミリングを行うメカニカルミリング工程と、
前記原料混合物を圧粉し、圧粉体を得る工程と、
前記圧粉体を100℃〜400℃で、1〜5時間、非酸素雰囲気下で熱処理して焼結体を得る加熱工程と、を有することを特徴とする正極材料の製造方法を提供する。
全固体電池用の正極材料として、高価な硫化リチウム(LiS)の代替としてのS元素を有する正極活物質と、P元素およびS元素を有する含硫化合物と、導電助剤とを含有する正極材料は、Liを挿入するとLiを挿入した状態での当該正極材料のイオン伝導度が低く、且つ、放電容量(例えば1Cレート以上の高電流密度での放電での放電容量)が低いという問題がある。これは、P元素およびS元素を有する含硫化合物が還元し、正極材料が劣化するためであると考えられる。
本研究者らは、正極材料の原料となる原料混合物をメカニカルミリング処理して圧粉後所定の温度及び時間で熱処理することで、電池の放電容量を向上させることができることを見出した。これは、原料混合物をメカニカルミリング処理するだけでは、得られる正極材料全体としての各元素の組成のバラつきが大きく、所望の放電容量が得られないためと考えられる。一方、原料混合物をメカニカルミリング処理した後、圧粉してから所定の温度及び時間で熱処理することで、熱処理した時に元素拡散が促進して正極材料全体としての各元素の組成のバラつきが小さくなり、所望の放電容量が得られるためと考えられる。
本開示における正極材料の製造方法は、少なくとも(1)準備工程、(2)メカニカルミリング工程、(3)圧粉工程、及び、(4)加熱工程を有する。
(1)準備工程
準備工程は、S元素を有する正極活物質と、P元素およびS元素を有する含硫化合物と、導電助剤とを含有し、Li元素を実質的に含有しない原料混合物を準備する工程である。
原料混合物は、正極活物質、含硫化物および導電助剤のみを含有していてもよく、さらに他の材料を含有していてもよい。また、原料混合物はLi元素を実質的に含有しない。原料混合物はNa元素を実質的に含有していなくてもよい。原料は、自ら作製してもよく、他者から購入してもよい。
原料を混合する手段は特に限定されるものではなく、例えば、乳鉢を用いた混合方法等が挙げられる。
[正極活物質]
正極活物質は、S元素を有する。S元素を有する正極活物質としては種々の材料を採用できる。例えば、正極活物質は、単体硫黄であってもよい。単体硫黄としては、例えばS硫黄が挙げられる。S硫黄は、α硫黄(斜方硫黄)、β硫黄(単斜硫黄)、γ硫黄(単斜硫黄)という3つの結晶形を有し得るが、いずれの結晶形であってもよい。
原料混合物に含有される正極活物質の量は特に限定されるものではなく、目的とする電池性能に応じて適宜決定すればよい。例えば、原料混合物は、正極活物質を10質量%以上80質量%以下含有していてもよい。下限は15質量%以上であってもよく、20質量%以上であってもよく、25質量%以上であってもよい。上限は70質量%以下であってもよく、60質量%以下であってもよい。正極活物質の含有量が多すぎると、電池の正極層におけるイオン伝導性および電子伝導性が不足する場合がある。
正極活物質の一部または全部は、後述する含硫化合物に固溶していてもよい。言い換えると、原料混合物は、正極活物質と含硫化合物との固溶体を含有していてもよい。また、正極活物質におけるS元素と、含硫化合物におけるS元素とは化学結合(S−S結合)を有していてもよい。
[含硫化合物]
原料混合物は、含硫化合物として、P元素およびS元素を有する含硫化合物のみを含有していてもよく、他の元素(例えば、B、Ge、Sn、SiまたはAl)およびS元素を有する含硫化合物をさらに含有していてもよい。この場合、原料混合物は、P元素およびS元素を有する含硫化合物を、含硫化合物の主体として含有するものであってもよい。具体的には、原料混合物に含まれる含硫化合物の全体を100質量%として、P元素およびS元素を有する含硫化合物を50質量%以上100質量%以下含有していてもよい。
原料混合物において含硫化合物は種々の形態を採り得る。例えば、原料混合物はオルト組成の構造を有する含硫化合物を含有していてもよい。すなわち、P元素およびS元素を有する含硫化合物は、P元素のオルト構造を備えていてもよい。P元素のオルト構造は、具体的には、PS構造である。
また、含硫化合物は、M元素(Mは、例えば、B、Ge、Sn、SiまたはAlである)のオルト構造を備えていてもよい。M元素のオルト構造としては、例えば、B構造、GeS構造、SnS構造、SiS構造、及びAlS構造等が挙げられる。
また、原料混合物は含硫化合物として硫化物を含有していてもよい。すなわち、P元素およびS元素を有する含硫化合物は、P元素の硫化物(例えばP)を有していてもよい。
また、含硫化合物は、M元素の硫化物(M)を有していてもよい。ここで、xおよびyは、Mの種類に応じてSとの電気的中性を与える整数である。硫化物(M)としては、例えば、B、GeS、SnS、SiS、及びAl等が挙げられる。また、これらの硫化物は、例えば、出発原料の残留物であってもよい。
原料混合物に含有される含硫化合物の量は、特に限定されるものではなく、目的とする電池性能に応じて適宜決定すればよい。例えば、原料混合物は、含硫化合物を10質量%以上80質量%以下含有していてもよい。下限は15質量%以上であってもよく、20質量%以上であってもよく、25質量%以上であってもよい。上限は70質量%以下であってもよく、60質量%以下であってもよい。含硫化物の含有量が多すぎると、相対的に正極活物質の含有量が少なくなり、十分な容量を有する正極材料が得られない場合がある。
電池の放電時に、キャリアイオンは負極層から固体電解質層を介して正極層に伝導するが、正極層に到達したキャリアイオンは、正極活物質と反応し、イオン伝導性の低い放電生成物(例えば、LiSやNaS)を生じ得る。そのため、正極層に含硫化合物が存在しない場合、放電生成物のイオン伝導性が低いため、正極層内のイオン伝導パスが不足し、放電反応が進行し難くなる場合がある。これに対して、正極層に含硫化合物が存在する場合、放電生成物のイオン伝導性が低くても、含硫化合物により正極層内のイオン伝導パスが確保されるため、放電反応が進行しやすい。
[導電助剤]
導電助剤は、正極材料の電子伝導性を向上させる機能を有する。また、導電助剤は、例えば原料混合物にメカニカルミリングを行う際に、単体硫黄(正極活物質)を還元する還元剤として機能すると推測される。導電助剤は、原料混合物において分散して存在していてもよい。
導電助剤としては、例えば炭素材料、金属材料が挙げられる。炭素材料としては、例えば、気相成長カーボンファイバ(VGCF)、アセチレンブラック、活性炭、ファーネスブラック、カーボンナノチューブ、ケッチェンブラック、及びグラフェン等が挙げられる。原料混合物においては2種以上の導電助剤を混合して用いてもよい。
原料混合物に含有される導電助剤の量は特に限定されるものではなく、目的とする電池性能に応じて適宜決定すればよい。例えば、原料混合物は、導電助剤を5質量%以上50質量%以下含有していてもよい。下限は10質量%以上であってもよい。上限は40質量%以下であってもよい。導電助剤の含有量が多すぎると、相対的に正極活物質の含有量が少なくなり、十分な容量を有する正極材料が得られない場合がある。
[実質的に含有しない元素]
・Li元素
従来技術として、Li元素を有するイオン伝導体(固体電解質)を含有する正極材料が知られている。例えば、原料としてLiSを用いたイオン伝導体が公知である。しかしながら、LiSは耐水性が低いことから、このような正極材料を用いた電池は、容量が低くなる傾向がある。これに対し、本開示の原料混合物及び正極材料はLi元素を実質的に含有しないことから、上記したような容量の低下を抑えることができる。
「Li元素を実質的に含有しない」とは、原料混合物又は正極材料に含まれる全ての元素に対するLi元素の割合が、20mol%以下であることをいう。Li元素の割合は、16mol%以下であってもよく、8mol%以下であってもよく、4mol%以下であってもよく、0mol%(検出限界以下)であってもよい。
なお、本開示において正極材料とは、全固体電池に組み込まれて初回のLi挿入(初回放電)を行う前の状態の材料を意味する。そのため、初回放電後の全固体電池の正極層にはLi元素が実質的に含まれていてもよい。
・Na元素
Li元素と同様の観点から、本開示の原料混合物及び正極材料は、Na元素を実質的に含有しなくてもよい。
「Na元素を実質的に含有しない」とは、原料混合物又は正極材料に含まれる全ての元素に対するNa元素の割合が、20mol%以下であることをいう。Na元素の割合は、16mol%以下であってもよく、8mol%以下であってもよく、4mol%以下であってもよく、0mol%(検出限界以下)であってもよい。
[バインダー]
原料混合物は、必要に応じて、さらにバインダー等の他の材料を含有していてもよい。
バインダーとしては、アクリロニトリルブタジエンゴム(ABR)、ブタジエンゴム(BR)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等を例示することができる。原料混合物におけるバインダーの含有量は特に限定されるものではない。
原料混合物の形状は、粉体状であってもよいし、複数の粒子が凝集・結合してなる塊状であってもよいし、これら以外の形状であってもよい。
(2)メカニカルミリング工程
メカニカルミリング工程は、前記原料混合物に対して、メカニカルミリングを行う工程である。
メカニカルミリングは、原料混合物を、機械的エネルギーを付与しながら混合する方法であれば特に限定されるものではないが、例えばボールミル、振動ミル、ターボミル、メカノフュージョン、及びディスクミルが挙げられ、遊星型ボールミルを採用してもよい。
メカニカルミリングは、乾式メカニカルミリングであってもよく、湿式メカニカルミリングであってもよい。湿式メカニカルミリングに用いられる液体としては、例えば、硫化水素が発生しない程度の非プロトン性を有するものが挙げられる。具体的には、極性の非プロトン性液体、無極性の非プロトン性液体等の非プロトン性液体が挙げられる。
メカニカルミリングの条件は、例えば、遊星型ボールミルを用いる場合、容器に原料混合物および粉砕用ボールを加え、所定の台盤回転数および時間で処理を行う。台盤回転数は、例えば200rpm以上であり、300rpm以上であってもよく、500rpm以上であってもよい。一方、台盤回転数は、例えば800rpm以下であり、600rpm以下であってもよい。また、遊星型ボールミルの処理時間は、例えば30分間以上であり、5時間以上であってもよい。一方、遊星型ボールミルの処理時間は、例えば100時間以下であり、60時間以下であってもよい。遊星型ボールミルに用いられる容器および粉砕用ボールの材料としては、例えばZrO、Alが挙げられる。粉砕用ボールの径は、例えば、1mm以上、20mm以下である。メカニカルミリングは、不活性ガス雰囲気(例えばArガス雰囲気)で行なうことが好ましい。
(3)圧粉工程
圧粉工程は、前記原料混合物を圧粉し、圧粉体を得る工程である。
圧粉方法は特に限定されないが、例えば、平板プレス、及びロールプレス等を用いて圧力を付加する方法等が挙げられる。
圧粉の際の圧力は特に限定されないが、1MPa以上600MPa以下であってもよい。
(4)加熱工程
加熱工程は、前記圧粉体を100℃〜400℃で、1〜5時間、非酸素雰囲気下で熱処理して焼結体を得る工程である。当該焼結体が本開示の正極材料である。
加熱方法は特に限定されないが、例えば、焼成炉等を用いる方法等が挙げられる。
非酸素雰囲気は、酸素元素を含まない雰囲気であればよく、例えば、アルゴンガス、及び窒素ガス等の不活性ガスの雰囲気、及び、真空の雰囲気等であってもよい。
焼成温度は100〜400℃であればよいが、電池の放電容量をさらに向上させる観点からは、150〜300℃であってもよい。
2.全固体電池
図1は、本開示において用いられる全固体電池の一例を示す断面模式図である。
図1に示すように、全固体電池100は、正極層12及び正極集電体14を含む正極16と、負極層13及び負極集電体15を含む負極17と、正極層12と負極層13の間に配置される固体電解質層11とを備える。
正極層は上述した正極材料からなる。
正極層の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、0.1μm以上1000μm以下であってもよい。
また、正極層の目付量は、特に限定されるものではないが、例えば、3mg/cm以上であってもよいし、4mg/cm以上であってもよいし、5mg/cm以上であってもよい。
負極層は、少なくとも負極活物質を含有する層である。
負極活物質は、Li元素を有していてもよい。このような負極活物質としては、リチウム単体又はリチウム合金が挙げられる。リチウム合金としては、例えば、Li−Au、Li−Mg、Li−Sn、Li−Si、Li−Al、Li−B、Li−C、Li−Ca、Li−Ga、Li−Ge、Li−As、Li−Se、Li−Ru、Li−Rh、Li−Pd、Li−Ag、Li−Cd、Li−In、Li−Sb、Li−Ir、Li−Pt、Li−Hg、Li−Pb、Li−Bi、Li−Zn、Li−Tl、Li−Te、及びLi−At等が挙げられる。負極活物質は、Na元素を有していてもよい。このような負極活物質としては、ナトリウム単体又はナトリウム合金が挙げられる。
負極層は、必要に応じて、固体電解質、導電助剤及びバインダーのうちの少なくとも一つを含有していてもよい。固体電解質については、後述する固体電解質層に含まれ得る固体電解質から適宜選択すればよい。導電助剤及びバインダーについては、上述した正極材料に含まれ得る導電助剤及びバインダーから適宜選択すればよい。
負極層の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、0.1μm以上1000μm以下であってもよい。
負極層は、例えば、上述の負極活物質等をプレスすることにより、容易に形成可能である。或いは、負極層として上記材料からなる箔を採用してもよい。
固体電解質層は、少なくとも固体電解質を含有する層であり、必要に応じて、バインダーを含有していてもよい。
固体電解質としては、例えば、硫化物系固体電解質、酸化物系固体電解質、窒化物系固体電解質、及びハロゲン化物系固体電解質が挙げられ、中でも、硫化物系固体電解質が好ましい。
硫化物系固体電解質は、Li元素と、A元素(Aは、P、Ge、Si、Sn、B及びAlの少なくとも1種である)と、S元素とを有していてもよい。硫化物系固体電解質は、ハロゲン元素をさらに有していてもよい。ハロゲン元素としては、例えば、F元素、Cl元素、Br元素、I元素が挙げられる。また、硫化物系固体電解質は、O元素をさらに有していてもよい。
硫化物系固体電解質としては、例えば、LiS−P、LiS−P−LiI、LiS−P−GeS、LiS−P−LiO、LiS−P−LiO−LiI、LiS−P−LiI−LiBr、LiS−SiS、LiS−SiS−LiI、LiS−SiS−LiBr、LiS−SiS−LiCl、LiS−SiS−B−LiI、LiS−SiS−P−LiI、LiS−B、LiS−P−Z(ただし、m、nは正の数。Zは、Ge、Zn又はGaのいずれか。)、LiS−GeS、LiS−SiS−LiPO、LiS−SiS−LiMO(ただし、x、yは正の数。Mは、P、Si、Ge、B、Al、Ga又はInのいずれか。)が挙げられる。なお、上記「LiS−P」の記載は、LiSおよびPを含む原料組成物を用いてなる材料を意味し、他の記載についても同様である。
硫化物系固体電解質における各元素のモル比は、原料における各元素の含有量を調整することにより制御できる。また、硫化物系固体電解質における各元素のモル比や組成は、例えば、ICP発光分析法で測定することができる。
固体電解質は、1種単独で、又は2種以上のものを用いることができる。また、2種以上の固体電解質を用いる場合、2種以上の固体電解質を混合してもよく、又は2層以上の固体電解質それぞれの層を形成して多層構造としてもよい。
固体電解質層に含まれる固体電解質の割合は、特に限定されるものではないが、例えば、50体積%以上であってもよいし、70体積%以上であってもよいし、90体積%以上であってもよい。固体電解質層に用いられるバインダーについては、上述した正極材料の原料混合物に含まれ得るバインダーから適宜選択すればよい。
固体電解質層の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、0.1μm以上1000μm以下であってもよい。固体電解質層は、例えば、上述の固体電解質等をプレスすることにより、容易に形成可能である。
正極集電体の材料としては、例えばSUS、アルミニウム、ニッケル、鉄、チタンおよびカーボン等が挙げられる。
一方、負極集電体の材料としては、例えばSUS、銅、ニッケルおよびカーボン等が挙げられる。
正極集電体および負極集電体は、例えば、箔状であってもよいし、メッシュ状であってもよい。
全固体電池は、必要に応じ、正極、負極、及び、固体電解質層を収容する外装体を備える。
外装体の材質は、電解質に安定なものであれば特に限定されないが、ポリプロピレン、ポリエチレン、及び、アクリル樹脂等の樹脂等が挙げられる。
本開示における全固体電池は、硫黄電池であってもよい。硫黄電池とは、正極活物質として単体硫黄を用いた電池を意味する。本開示における全固体電池は、リチウム硫黄電池(LiS電池)であってもよく、ナトリウム硫黄電池(NaS電池)であってもよい。全固体電池は、一次電池であってもよく、二次電池であってもよいが、後者が好ましい。繰り返し充放電でき、例えば車載用電池として有用だからである。なお、二次電池には、二次電池の一次電池的使用(充電後、一度の放電だけを目的とした使用)も含まれる。
全固体電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型、及び角型等を挙げることができる。
本開示の全固体電池の製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。
(実施例1)
(正極材料の作製)
[準備工程]
単体硫黄S(正極活物質、高純度化学製)を1.050g、P(含硫化物)を0.852gおよびVGCF(導電助剤)を0.570g準備した。これらをメノウ乳鉢で15分間混練し、原料混合物を得た。
[メカニカルミリング工程]
得られた原料混合物を遊星ボールミルの容器(45cc、ZrO製)に投入し、さらにZrOボール(φ=4mm、96g)を投入し、容器を密封した。この容器を遊星ボールミル機(フリッチュ製P7)に取り付け、1時間メカニカルミリング(台盤回転数500rpm)、15分停止、逆回転で1時間メカニカルミリング(台盤回転数500rpm)、15分停止のサイクルを繰り返し、合計48時間メカニカルミリングを行い、原料混合物の粉末を得た。
[圧粉工程]
その後、原料混合物の粉末を、プレス機を用いて6ton/cm(≒588MPa)の圧力でプレスして圧粉体を得た。
[加熱工程]
圧粉体を真空雰囲気下で、焼成温度150℃、焼成時間5時間の条件で加熱し、焼結体を得た。焼結体を実施例1の正極材料とした。
(全固体電池の作製)
1cmのセラミックス製の型に固体電解質を100mg入れ、1ton/cm(≒98MPa)でプレスし、固体電解質層を得た。その片側に正極材料を7.8mg(目付量:7.8mg/cm)入れ、6ton/cm(≒588MPa)でプレスして正極層を作成した。その逆側に、負極層であるリチウム金属箔を配置して、1ton/cm(≒98MPa)でプレスすることで、発電要素を得た。正極層側にAl箔(正極集電体)、負極層側にCu箔(負極集電体)を配置した。これにより、全固体電池を得た。
(実施例2)
加熱工程において、焼成温度を100℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、正極材料および全固体電池を得た。
(実施例3)
加熱工程において、焼成温度を200℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、正極材料および全固体電池を得た。
(実施例4)
加熱工程において、焼成温度を300℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、正極材料および全固体電池を得た。
(実施例5)
加熱工程において、焼成温度を400℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、正極材料および全固体電池を得た。
(実施例6)
加熱工程において、焼成時間を1時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、正極材料および全固体電池を得た。
(比較例1)
圧粉工程及び加熱工程を行なわなかったこと以外は、実施例1と同様にして、正極材料および全固体電池を得た。
(比較例2)
圧粉工程を行なわなかったこと以外は、実施例1と同様にして、正極材料および全固体電池を得た。
(比較例3)
加熱工程において、焼成時間を24時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、正極材料および全固体電池を得た。
(充放電試験)
実施例1〜6、比較例1〜3で得られた全固体電池に対して、充放電試験を行った。充放電試験は、以下の手順で行った。なお、温度環境は25℃とし、1Cは4.56mA/cmに該当する。
(1)0.1Cで1.5Vまで放電、10分間休止し
(2)0.1Cで3.1Vまで充電、10分間休止、0.1Cで1.5Vまで放電、10分間休止し、これを合計5サイクル
(3)0.1Cで3.1Vまで充電、10分間休止、C/3で1.5Vまで放電、10分間休止、0.1Cで1.5Vまで放電、10分間休止し、
(4)0.1Cで3.1Vまで充電、10分間休止、1Cで1.5Vまで放電、10分間休止、0.1Cで1.5Vまで放電した。
上記の手順(4)の1Cで1.5Vまで放電したときの放電容量を測定した。結果を表1及び図2に示す。図2は、実施例1〜6および比較例1〜3の全固体電池の1Cでの放電容量を示すグラフである。
Figure 2021068663
[圧粉工程の効果]
図3は、正極材料の製造時の圧粉工程の有無による全固体電池の1Cでの放電容量を比較したグラフである。
加熱工程(熱処理)なしの正極材料を用いた比較例1の全固体電池に対して、原料混合物の粉末をそのまま熱処理した正極材料を用いた比較例2の全固体電池は放電容量が低下した。一方、圧粉工程により作製した圧粉体を熱処理した正極材料を用いた実施例1の全固体電池は比較例1〜2の全固体電池に対して放電容量が向上することが明らかとなった。これは、原料混合物の粉末を圧粉せずに熱処理した場合、粒子間の元素拡散が困難であると考えられるのに対し、原料混合物の粉末を圧粉体にしてから熱処理することで粒子間の元素拡散が促進され、得られる正極材料全体としての組成のバラつきが低減できたためであると考えられる。
[焼成温度の影響]
図4は、正極材料の製造時の焼成温度の違いによる全固体電池の1Cでの放電容量を比較したグラフである。熱処理なしの正極材料を用いた比較例1の全固体電池に対して100〜400℃で熱処理した正極材料を用いた実施例1〜5の全固体電池では放電容量が向上することが明らかとなった。特に、150〜300℃で熱処理した正極材料を用いた場合の全固体電池の放電容量の向上が顕著であることがわかった。
[焼成時間の影響]
図5は、正極材料の製造時の焼成時間の違いによる全固体電池の1Cでの放電容量を比較したグラフである。熱処理なしの正極材料を用いた比較例1の全固体電池に対して、1時間または5時間で熱処理して得た正極材料を用いた実施例6および実施例1の全固体電池は放電容量が向上することが明らかとなった。一方、24時間で熱処理して得た正極材料を用いた比較例3の全固体電池は、比較例1の全固体電池よりも放電容量が低下した。これは、焼成時間が長くなると、活物質である硫黄の揮発が進行してしまうためであると考えられる。つまり、硫黄の揮発を抑制し、かつ正極材料中の組成のバラつきを元素拡散の促進により低減するためには、5時間以下で熱処理することが必要であると考えられる。
[正極材料のEDX分析]
実施例1、4、5及び比較例1の各正極材料についてEDX分析を行い、各正極材料全体におけるS元素の組成のバラつきの程度を観測した。
図6は、実施例1、4、5及び比較例1の正極材料の任意の複数箇所についてスポットでEDX分析を行い、各正極材料の各スポットにおけるS元素の組成割合{S[atomic%(vsP)]}を示した図である。熱処理なしの比較例1の正極材料ではS元素の組成が80〜92%であり12%の組成のバラつきが観測されたのに対し、実施例1、4、5の正極材料では組成のバラつきは5%程度であり、熱処理により正極材料中の組成のバラつきは低減していることがわかった。
上記の結果から、本開示の製造方法により得られる正極材料を用いた全固体電池は、放電容量を向上させることができることが明らかとなった。
11 固体電解質層
12 正極層
13 負極層
14 正極集電体
15 負極集電体
16 正極
17 負極
100 全固体電池

Claims (1)

  1. S元素を有する正極活物質と、P元素およびS元素を有する含硫化合物と、導電助剤とを含有し、Li元素を実質的に含有しない原料混合物を準備する準備工程と、
    前記原料混合物に対して、メカニカルミリングを行うメカニカルミリング工程と、
    前記原料混合物を圧粉し、圧粉体を得る工程と、
    前記圧粉体を100℃〜400℃で、1〜5時間、非酸素雰囲気下で熱処理して焼結体を得る加熱工程と、を有することを特徴とする正極材料の製造方法。
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