JP2021068643A - 試料ホルダー、荷電粒子線装置、およびガス流量制御装置 - Google Patents

試料ホルダー、荷電粒子線装置、およびガス流量制御装置 Download PDF

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【課題】試料に極少量のガスを安定して供給することができる試料ホルダーを提供する。【解決手段】試料ホルダー100は、荷電粒子線装置用の試料ホルダーであって、パイプ30と、パイプ30に挿入されたバルブシャフト40と、バルブシャフト40の外周面41に、バルブシャフト40の軸Aに対して傾いて装着されたOリング50と、バルブシャフト40を回転させるモーター70と、を含み、Oリング50は、パイプ30の内面31とバルブシャフト40の外周面41との間を封止することによって、パイプ30内の空間を第1室32と第2室34とに区画し、第1室32にはガスが供給され、モーター70がバルブシャフト40を回転させることによって、ガスが第1室32から第2室34に流れる。【選択図】図3

Description

本発明は、試料ホルダー、荷電粒子線装置、およびガス流量制御装置に関する。
透過電子顕微鏡などの荷電粒子線装置では、試料をガス雰囲気中に置き、その状態でガスと試料との反応過程を観察するその場観察によって、様々な知見を得ることができる。
例えば、特許文献1には、雰囲気ガスを導入するための導管を備えた試料ホルダーが開示されている。導管は、ガス流量制御装置を介してガスボンベに接続されている。
特開2012−238533号公報
その場観察では、観察の目的や観察対象となる試料によっては、試料に極少量のガスを安定して供給することが求められる。
本発明に係る試料ホルダーの一態様は、
荷電粒子線装置用の試料ホルダーであって、
パイプと、
前記パイプに挿入されたシャフトと、
前記シャフトの外周面に、前記シャフトの軸に対して傾いて装着されたOリングと、
前記シャフトを回転させる駆動部と、
を含み、
前記Oリングは、前記パイプの内面と前記シャフトの外周面との間を封止することによって、前記パイプ内の空間を第1室と第2室とに区画し、
前記第1室にはガスが供給され、
前記駆動部が前記シャフトを回転させることによって、ガスが前記第1室から前記第2室に流れる。
このような試料ホルダーでは、Oリングがシャフトの軸に対して傾いて装着されたシャフトを回転させることによって、第1室から第2室に流れるガスの流量を制御できる。そのため、試料に極少量のガスを安定して供給することができる。
本発明に係る荷電粒子線装置の一態様は、
前記試料ホルダーを含む。
このような荷電粒子線装置では、試料に極少量のガスを安定して供給することができる試料ホルダーを含むため、試料に極少量のガスを供給しながら観察を行うことができる。
本発明に係るガス流量制御装置の一態様は、
パイプと、
前記パイプに挿入されたシャフトと、
前記シャフトの外周面に、前記シャフトの軸に対して傾いて装着されたOリングと、
前記シャフトを回転させる駆動部と、
を含み、
前記Oリングは、前記パイプの内面と前記シャフトの外周面との間を封止することによって、前記パイプ内の空間を第1室と第2室とに区画し、
前記第1室にはガスが供給され、
前記駆動部が前記シャフトを回転させることによって、ガスが前記第1室から前記第2室に流れる。
このようなガス流量制御装置では、Oリングがシャフトの軸に対して傾いて装着されたシャフトを回転させることによって、第1室から第2室に流れるガスの流量を制御できる。そのため、極少量のガスの流量を安定して制御することができる。
実施形態に係る試料ホルダーを模式的に示す図。 実施形態に係る試料ホルダーを模式的に示す図。 実施形態に係る試料ホルダーを模式的に示す図。 バルブの動作を説明するための図。 バルブの動作を説明するための図。 試料ホルダーを含む電子顕微鏡を模式的に示す図。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 試料ホルダーの構成
まず、本発明の一実施形態に係る試料ホルダーについて図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る試料ホルダー100の構成を示す図である。図2は、試料ホルダー100の先端を模式的に示す図である。図3は、試料ホルダー100の後端を模式的に示す図である。
試料ホルダー100は、透過電子顕微鏡用の試料ホルダーである。試料ホルダー100は、その場観察に用いられる。その場観察とは、電子顕微鏡内で試料に様々な処理を行い、そのときに試料で生じる現象を連続的に観察することをいう。ここでは、試料をガス雰囲気中に置き、その状態でガスと試料との反応過程を観察する。その場観察では、観察の目的や観察対象となる試料に応じて種々のガスが用いられる。その場観察で用いられるガスとしては、例えば、アルゴンや窒素などの不活性ガス、プロパンなどの炭化水素系のガス、酸素、水素、などが挙げられる。
試料ホルダー100は、図1〜図3に示すように、試料台10と、ノズル20と、パイプ30と、バルブシャフト40と、Oリング50と、把持部60と、モーター70と、ガス貯蔵部80と、カプラ90と、を含む。
試料台10は、試料Sを保持する。試料台10は、試料ホルダー100の先端に設けられている。試料台10は、試料台支持部14で支持されている。試料台10には、電子線を通過させるための孔が設けられている。
試料台10には、試料Sを加熱するためのヒーター12が取り付けられている。試料Sをヒーター12で加熱することによって、試料Sとガスとの反応を促進できる。
ノズル20は、ガスを試料Sに供給する。ノズル20の先端は、試料台10の近傍に配置されている。なお、試料Sに供給するガスの流量や、観察目的、試料の種類等によっては、ノズル20を設けなくてもよい。
パイプ30は、外筒36に収容されている。パイプ30内の空間は、Oリング50がパイプ30の内面31とバルブシャフト40の外周面41との間を封止することによって、第1室32と第2室34とに区画されている。
第1室32には、ガスが供給される。具体的には、ガス貯蔵部80の空間82に貯蔵されたガスは、配管84を通って第1室32に供給される。第1室32に供給されたガスは、後述するバルブ2の動作によって、第1室32から第2室34に流れる。第2室34は、ノズル20に連通している。そのため、ガスは、第2室34からノズル20を通って試料Sに供給される。試料ホルダー100が電子顕微鏡に取り付けられて試料Sが試料室に導入されている場合、第2室34は試料室と同様に真空状態となる。
パイプ30は、接続部材16を介して試料台支持部14に接続されている。接続部材16は円筒状であり、接続部材16の一端は試料台支持部14に挿入され、接続部材16の他端はパイプ30に挿入されている。接続部材16には、ノズル20が挿入される孔18が設けられている。孔18は、第2室34と連通している。すなわち、第2室34のガスは、接続部材16の孔18およびノズル20を通って、試料Sに供給される。
バルブシャフト40は、パイプ30に挿入されている。バルブシャフト40は、モーターシャフト72に接続されている。
バルブシャフト40の外周面41には、溝42が設けられている。溝42は、Oリング50を装着するための溝である。溝42は、バルブシャフト40の軸Aに対して傾いて設けられている。すなわち、溝42は、バルブシャフト40の軸Aに対して傾いた仮想面M2に沿って設けられている。溝42は、バルブシャフト40の周囲に設けられた環状の溝である。
バルブシャフト40の外周面41には、溝44が設けられている。溝44は、Oリング52を装着するための溝である。溝44は、バルブシャフト40の軸Aに対して垂直に設けられている。すなわち、溝44は、バルブシャフト40の軸Aに対して垂直な仮想面M4に沿って設けられている。溝44は、バルブシャフト40の周囲に設けられた環状の溝である。
Oリング50は、バルブシャフト40の外周面41に設けられた溝42に装着されている。上述したように、溝42は、バルブシャフト40の軸Aに対して傾いて設けられている。そのため、Oリング50は、バルブシャフト40の外周面41に、バルブシャフト40の軸Aに対して傾いて装着される。すなわち、Oリング50は、仮想面M2に沿って装着される。図3に示すOリング50の軸Aに対する傾き角θは、0°<θ<90°である。
Oリング50は、パイプ30の内面31とバルブシャフト40の外周面41との間を封止している。これにより、パイプ30内の空間は、上述したように、第1室32と第2室34とに区画される。
Oリング52は、バルブシャフト40の外周面41に設けられた溝44に装着されている。上述したように、溝44は、バルブシャフト40の軸Aに対して垂直に設けられている。そのため、Oリング52は、バルブシャフト40の外周面41に、バルブシャフト4
0の軸Aに対して垂直に装着される。すなわち、Oリング52は、仮想面M4に沿って装着される。
Oリング52は、パイプ30の内面31とバルブシャフト40の外周面41との間を封止している。Oリング52によって、バルブシャフト40を通すパイプ30の孔からガスが漏れることを防ぐことができる。これにより、第1室32からガスが漏れることを防ぐことができる。
把持部60は、ユーザーが把持する部分である。把持部60は、例えば、円筒状である。
モーター70は、把持部60内に収容されている。モーター70は、モーターシャフト72に接続されている。モーターシャフト72は、モーター70の回転をバルブシャフト40に伝達する。モーター70が、モーターシャフト72を回転させると、バルブシャフト40が軸Aを中心として回転する。このように、モーター70は、バルブシャフト40を回転させるための駆動部として機能する。
ガス貯蔵部80は、ガスを貯蔵する。ガス貯蔵部80は、カプラ90に接続されている。カプラ90には、不図示のガス供給用の配管が接続され、当該配管からカプラ90を介してガス貯蔵部80にガスが供給される。ガス供給用の配管は、例えば、フレキシブルチューブである。ガス貯蔵部80は、ガスを貯蔵するための空間82を有している。空間82は、第1室32に配管84を介して接続されている。
配管84は、パイプ30に設けられている。配管84の一端は、空間82に接続され、配管84の他端は、第1室32に接続されている。
カプラ90には、ガス供給用の配管が接続される。配管を介してカプラ90に供給されたガスは、ガス貯蔵部80に供給される。カプラ90は、ガス供給用の配管が取り外されると閉じる機構を有している。そのため、カプラ90からガス供給用の配管が取り外されると、ガスはガス貯蔵部80内の空間82に貯蔵される。
試料ホルダー100では、パイプ30、バルブシャフト40、Oリング50、およびモーター70が、第1室32から第2室34に流れるガスの流量を制御するバルブ2として機能する。
図4および図5は、バルブ2の動作を説明するための図である。図4は、バルブシャフト40が停止している状態を図示しており、図5は、バルブシャフト40が回転している状態を図示している。
試料ホルダー100では、カプラ90にガス供給用の配管を接続し、ガス貯蔵部80にガスを溜める。ガス貯蔵部80の空間82に溜まったガスは、配管84を通って第1室32に流れる。図4に示すように、バルブシャフト40が停止している状態では、Oリング50によってパイプ30の内面31とバルブシャフト40の外周面41との間が気密に封止されている。そのため、ガスは、第1室32、配管84、およびガス貯蔵部80内の空間82に溜まる。
この状態で、図5に示すように、モーター70を回転させると、モーターシャフト72が回転し、バルブシャフト40が回転する。バルブシャフト40が回転すると、Oリング50がバルブシャフト40の軸Aを中心として回転する。ここで、Oリング50は、軸Aに対して傾いて装着されている。そのため、バルブシャフト40が回転することによって
、パイプ30の内面31に付着したガス分子GがOリング50を越えて第2室34に入り込む。したがって、極少量のガスが、Oリング50を越えて第1室32から第2室34に流れる。
なお、Oリング52は、バルブシャフト40の軸Aに対して垂直に設けられているため、ガスはOリング52を越えることができない。
このように、バルブ2では、Oリング50がバルブシャフト40の軸Aに対して傾いて装着されたバルブシャフト40を回転させることによって、第1室32から第2室34に流れるガスの流量を制御できる。
第1室32から第2室34に流れるガスの流量は、バルブシャフト40の回転速度によって制御できる。バルブシャフト40の回転速度が速いほど、第1室32から第2室34に流れるガスの流量が多くなる。
また、第1室32から第2室34に流れるガスの流量は、Oリング50の軸Aに対する傾きの大きさによって制御できる。Oリング50のバルブシャフト40の軸Aに対する傾き角θが小さいほど、第1室32から第2室34に流れるガスの流量は多くなる。ただし、0°<θ<90°である。
また、第1室32から第2室34に流れるガスの流量は、第1室32のガスの圧力によって制御できる。第1室32のガスの圧力が高いほど、第1室32から第2室34に流れるガスの流量は多くなる。
第1室32から第2室34へのガスの供給を停止する場合には、モーター70の回転を止める。これにより、図4に示すように、Oリング50によってパイプ30の内面31とバルブシャフト40の外周面41との間が気密に封止され、第1室32から第2室34へのガスの供給が停止する。
2. 電子顕微鏡
次に、試料ホルダー100を含む電子顕微鏡について説明する。なお、以下では、本発明の一実施形態に係る荷電粒子線装置として、電子線を照射して試料の観察を行う透過電子顕微鏡を例に挙げて説明するが、本発明の一実施形態に係る荷電粒子線装置は電子線以外の荷電粒子線(イオン等)を照射して試料の観察を行う装置であってもよい。このような荷電粒子線装置としては、透過電子顕微鏡、走査透過電子顕微鏡、走査電子顕微鏡、集束イオンビーム装置などが挙げられる。
図6は、試料ホルダー100を含む電子顕微鏡1000を模式的に示す図である。なお、図6では、試料ホルダー100が電子顕微鏡1000に取り付けられた状態を図示している。
電子顕微鏡1000は、試料ホルダー100と、電子線源102と、集束レンズ104と、試料移動装置106と、カバー107と、対物レンズ108と、中間レンズ110と、投影レンズ112と、撮像装置114と、制御部116と、操作部118と、を含む。電子顕微鏡1000は、透過電子顕微鏡(TEM)である。
電子線源102は、電子線を発生させる。電子線源102として、公知の電子銃を用いることができる。集束レンズ104は、電子線源102で発生した電子線を集束して、試料Sに照射する。
試料移動装置106は、試料ホルダー100を移動させる試料ステージとして機能する。すなわち、試料移動装置106は、試料室内において試料Sを移動させることができる。また、試料移動装置106は、試料Sを傾斜させたり、試料Sの高さを変えたりすることもできる。試料移動装置106は、例えば、ゴニオメーターステージである。試料室は、電子顕微鏡1000の鏡筒内の空間であり、試料Sが配置される空間である。電子顕微鏡1000では、試料室に配置された試料Sに電子線が照射される。試料室内は、真空である。
カバー107は、試料移動装置106の内部を密閉する。カバー107を閉じることによって、電子顕微鏡1000が設置された室内の大気圧の変動に起因する像質の悪化を低減できる。
対物レンズ108は、試料Sを透過した電子線で結像するための初段のレンズである。中間レンズ110および投影レンズ112は、対物レンズ108によって結像された像をさらに拡大し、撮像装置114上に結像させる。対物レンズ108、中間レンズ110、および投影レンズ112は、結像レンズ系を構成している。
撮像装置114は、結像レンズ系によって結像された像(TEM像または電子回折図形)を撮影する。撮像装置114は、例えば、CCDカメラ、CMOSカメラなどのデジタルカメラである。撮像装置114は、撮影したTEM像や電子回折図形の情報を出力する。撮像装置114が出力したTEM像や電子回折図形の情報は、画像処理部(図示せず)で処理されて表示部(図示せず)に表示される。
電子顕微鏡1000は、試料室に導入されたガスが試料室の外に漏れ出すことを防ぐために、電子線を通過させる孔(オリフィス)で仕切られた空間を有し、当該空間を作動排気してもよい。また、例えば、試料ホルダー100に、ガス環境室を設けてもよい。ガス環境室は、ガス環境室の上下に電子線を透過させる孔が空いた部屋であり、ガス環境室からガスが鏡筒内に漏れないように当該孔はカーボンや窒化珪素の薄膜で塞がれている。
制御部116は、試料ホルダー100のモーター70を制御する。制御部116は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサと、RAM(Random Access
Memory)およびROM(Read Only Memory)などの記憶装置(メモリ)と、を含む。記憶装置には、各種制御を行うためのプログラム、およびデータが記憶されている。制御部116の機能は、プロセッサでプログラムを実行することにより実現できる。なお、制御部116の機能の少なくとも一部を専用回路によって実現してもよい。制御部116とモーター70とは、ケーブルなどで接続されている。
操作部118は、ユーザーが操作情報を入力するためのものであり、入力された操作情報を制御部116に出力する。操作部118の機能は、キーボード、マウス、ボタン、タッチパネル、タッチパッド、フットペダルなどのハードウェアにより実現することができる。操作部118は、第1室32から第2室34に流れるガスの流量の指定(操作情報)を受け付ける。
3. 電子顕微鏡の動作
次に、電子顕微鏡1000の動作について説明する。以下では、電子顕微鏡1000でその場観察を行う場合について説明する。
まず、試料ホルダー100の試料台10に試料Sを取り付ける。次に、カプラ90にガス供給用の配管を接続し、ガス貯蔵部80にガスを溜める。このとき、図4に示すように、バルブシャフト40を停止させ、Oリング50によってパイプ30の内面31とバルブ
シャフト40の外周面41との間が気密に封止する。これにより、カプラ90から供給されたガスは、第1室32、配管84、およびガス貯蔵部80内の空間82に溜まる。
ガス供給用の配管をカプラ90から取り外すと、カプラ90が閉じる。これにより、ガス貯蔵部80にガスが貯蔵される。このように、試料ホルダー100では、ガス供給用の配管を取り外しても、試料ホルダー100内(ガス貯蔵部80)にガスを貯蔵できる。
ガス貯蔵部80にガスが貯蔵された状態で、試料ホルダー100を電子顕微鏡1000の試料移動装置106に取り付ける。試料ホルダー100が試料移動装置106に取り付けられることによって、図6に示すように、試料Sが試料室に導入される。そして、試料ホルダー100が試料移動装置106に取り付けられた状態で、カバー107を閉じる。これにより、電子顕微鏡1000が設置された室内の大気圧の変動に起因する像質の悪化を低減できる。
試料Sが試料室に導入されることによって、電子顕微鏡1000では試料Sに電子線を照射して試料Sの観察を行うことができる。電子顕微鏡1000で試料Sを観察している状態で、ユーザーが操作部118を介して第1室32から第2室34に流れるガスの流量を第1流量とする指示を入力すると、操作部118は当該指示を受け付けて、制御部116に出力する。制御部116は、ガスの流量を第1流量とする指示を取得し、当該指示に基づいてガスの流量が第1流量となるようにモーター70の回転速度を設定する。この結果、モーター70が設定された回転速度で回転し、バルブシャフト40がモーター70の回転に応じて回転する。これにより、第1室32から第2室34に流れるガスの流量が、ユーザーが指定した第1流量となる。
第1室32から第2室34に流れたガスは、第2室34からノズル20を通って、試料Sに供給される。このとき、ヒーター12に電流を流すことによって、試料Sを加熱しながら、試料Sにガスを供給できる。
このようにして、電子顕微鏡1000では、試料Sを加熱しながら、試料Sにガスを供給することができ、ガスと試料Sとの反応過程を観察することができる。
ここで、ガスの流量を第1流量から第2流量に変更する場合には、ユーザーが操作部118を介してガスの流量を第2流量とする指示を入力する。制御部116は、当該指示に基づいてガスの流量が第2流量となるようにモーター70の回転速度を設定する。この結果、モーター70が設定された回転速度で回転し、バルブシャフト40がモーター70の回転に応じて回転する。これにより、第1室32から第2室34に流れるガスの流量が、第2流量となる。
試料Sへのガスの供給を停止する場合には、ユーザーが操作部118を介してガスの供給を停止する指示を入力する。これにより、制御部116は、当該指示に基づいて、モーター70の回転を停止させる。モーター70の回転を停止させることによって、バルブシャフト40の回転が停止し、第1室32から第2室34へのガスの供給が停止する。
このように、電子顕微鏡1000では、操作部118がガスの流量の指定を受け付け、制御部116が当該指定に基づいてモーター70の回転速度を制御することによって、ガスの流量を制御できる。
4. 効果
試料ホルダー100は、パイプ30と、パイプ30に挿入されたバルブシャフト40と、バルブシャフト40の外周面41にバルブシャフト40の軸Aに対して傾いて装着され
たOリング50と、バルブシャフト40を回転させるモーター70と、を含む。Oリング50は、パイプ30の内面31とバルブシャフト40の外周面41との間を封止することによってパイプ30内の空間を第1室32と第2室34とに区画する。また、第1室32にはガスが供給され、モーター70がバルブシャフト40を回転させることによって、ガスが第1室32から第2室34に流れる。
このように、試料ホルダー100では、Oリング50がバルブシャフト40の軸Aに対して傾いて装着されたバルブシャフト40を回転させることによって、第1室32から第2室34に流れるガスの流量を制御できる。そのため、試料Sに極少量のガスを安定して供給することができる。
例えば、バルブシャフト40を回転させる前の電子顕微鏡の試料室の真空度が10−7Paである場合、バルブシャフト40を回転させてガスの流量を制御することによって、試料室の真空度を10−6Pa程度にすることができる。このように、試料ホルダー100では、試料Sに極少量のガスを安定して供給することができる。
試料ホルダー100では、バルブシャフト40の回転速度でガスの流量を制御できるため、容易に、精度よくガスの流量を制御できる。
例えば、グローブバルブや、ニードルバルブなどのバルブでは、バルブの開閉方向を間違えると、ガスが多量に流れる可能性がある。試料ホルダー100では、バルブシャフト40を回転させることによってガスの流量を制御するため、開閉ミスが起こらない。
試料ホルダー100は、第1室32と連通し、ガスを貯蔵するガス貯蔵部80を含む。そのため、試料ホルダー100では、ガス供給用の配管を外した状態で、試料ホルダー100を電子顕微鏡1000の試料移動装置106に取り付けることができる。したがって、試料ホルダー100を用いることによって、カバー107を閉じた状態で観察を行うことができる。
例えば、試料ホルダー100にガス供給用の配管を取り付けた状態で観察を行う場合、カバー107を閉じることができない。そのため、大気圧の変動の影響を受けて、像質が悪化してしまう。また、試料ホルダー100にガス供給用の配管を取り付けた状態で観察を行う場合、ガス供給用の配管から試料ホルダーに振動が伝わる可能性がある。試料ホルダー100では、ガス供給用の配管を外した状態で観察を行うことができるため、このような問題が生じない。
試料ホルダー100は、第2室34のガスを試料Sに供給するノズル20を含む。そのため、試料ホルダー100では、極少量のガスを確実に試料Sに供給できる。
電子顕微鏡1000は、試料ホルダー100を含む。そのため、電子顕微鏡1000では、試料Sに極少量のガスを安定して供給しながら、その場観察を行うことができる。
5. 変形例
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
上述した実施形態では、バルブ2をガス流量制御装置として用いた試料ホルダーについて説明したが、試料ホルダー以外の機器のガス流量制御装置としてバルブ2を用いてもよい。
ガス流量制御装置は、パイプ30と、パイプ30に挿入されたバルブシャフト40と、バルブシャフト40の外周面41にバルブシャフト40の軸Aに対して傾いて装着されたOリング50と、バルブシャフト40をバルブシャフト40の軸Aを中心として回転させるモーター70と、を含む。また、Oリング50は、パイプ30の内面31とバルブシャフト40の外周面41との間を封止することによってパイプ30内の空間を第1室32と第2室34とに区画する。また、第1室32にはガスが供給され、モーター70がバルブシャフト40を回転させることによって、ガスが第1室32から第2室34に流れる。そのため、ガス流量装置は、極少量のガスの流量を安定して制御することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成を含む。実質的に同一の構成とは、例えば、機能、方法、及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成である。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
2…バルブ、10…試料台、12…ヒーター、14…試料台支持部、16…接続部材、18…孔、20…ノズル、30…パイプ、31…内面、32…第1室、34…第2室、36…外筒、40…バルブシャフト、41…外周面、42…溝、44…溝、50…Oリング、52…Oリング、60…把持部、70…モーター、72…モーターシャフト、80…ガス貯蔵部、82…空間、84…配管、90…カプラ、100…試料ホルダー、102…電子線源、104…集束レンズ、106…試料移動装置、107…カバー、108…対物レンズ、110…中間レンズ、112…投影レンズ、114…撮像装置、116…制御部、118…操作部、1000…電子顕微鏡

Claims (6)

  1. 荷電粒子線装置用の試料ホルダーであって、
    パイプと、
    前記パイプに挿入されたシャフトと、
    前記シャフトの外周面に、前記シャフトの軸に対して傾いて装着されたOリングと、
    前記シャフトを回転させる駆動部と、
    を含み、
    前記Oリングは、前記パイプの内面と前記シャフトの外周面との間を封止することによって、前記パイプ内の空間を第1室と第2室とに区画し、
    前記第1室にはガスが供給され、
    前記駆動部が前記シャフトを回転させることによって、ガスが前記第1室から前記第2室に流れる、試料ホルダー。
  2. 請求項1において、
    前記第1室と連通し、ガスを貯蔵するガス貯蔵部を含む、試料ホルダー。
  3. 請求項1または2において、
    試料を保持する試料台と、
    前記第2室のガスを前記試料に供給するノズルと、
    を含む、試料ホルダー。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の試料ホルダーを含む、荷電粒子線装置。
  5. 請求項4において、
    前記第1室から前記第2室に流れるガスの流量の指定を受け付ける操作部と、
    前記ガスの流量の指定に基づいて、前記駆動部を制御する制御部と、
    を含む、荷電粒子線装置。
  6. パイプと、
    前記パイプに挿入されたシャフトと、
    前記シャフトの外周面に、前記シャフトの軸に対して傾いて装着されたOリングと、
    前記シャフトを回転させる駆動部と、
    を含み、
    前記Oリングは、前記パイプの内面と前記シャフトの外周面との間を封止することによって、前記パイプ内の空間を第1室と第2室とに区画し、
    前記第1室にはガスが供給され、
    前記駆動部が前記シャフトを回転させることによって、ガスが前記第1室から前記第2室に流れる、ガス流量制御装置。
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