JP2021068539A - セパレータ及びセパレータの製造方法 - Google Patents

セパレータ及びセパレータの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐食性が高く、接触抵抗が低い安価なセパレータ及び当該セパレータを安価に製造する方法を提供する。【解決手段】本発明は、特定の金属製の基材、前記基材表面上のチタン層、及び前記チタン層表面上の導電性粒子と酸化チタンとの混合層を含むセパレータ材、特定の表面処理工程を含むセパレータ材の製造方法、当該セパレータ材からなるセパレータ、並びに当該セパレータ材を加工する工程を含むセパレータの製造方法に関する。【選択図】図4

Description

本発明は、セパレータ、具体的には燃料電池用セパレータ、及びセパレータの製造方法、具体的には燃料電池用セパレータの製造方法に関する。
燃料電池は、燃料ガス(水素)と酸化剤ガス(酸素)との反応により起電力を生じる単セルを所定数だけ積層したスタック構造を有する。単セルは、電解質膜の両面にアノード及びカソードの電極層(触媒層及びガス拡散層)を備える膜電極接合体と、当該膜電極接合体の両面にそれぞれ配置されるセパレータを有する。
セパレータは、単セルを電気的に直列接続する機能並びに燃料ガス、酸化剤ガス及び冷却水を互いに遮断する隔壁としての機能を有する。
このようなセパレータについて、様々な研究が行われている。
例えば特許文献1には、純チタン又はチタン合金からなる基材(ここで、「基材」は、表面処理を行うためのセパレータの基材を示す。)上に、酸化チタンとカーボンブラックが混合した混合層が形成されており、前記酸化チタンが結晶性のルチルを含み、前記混合層中のカーボンの結合状態をX線光電子分光分析により分析した際に検出されたカーボンのうちの70%以上がC−C結合を有するカーボンブラック単体として存在していることを特徴とする燃料電池用セパレータが開示されている。
特開2016−122642号公報
燃料電池用のセパレータは、発生した電流を隣のセルに流す役割も担っているので、セパレータを構成する基材には、高い導電性及びその高い導電性が燃料電池のセル内部の高温・酸性雰囲気の中においても長期間維持されることとなる導電耐久性が要求される。ここで、高い導電性及び導電耐久性とは、接触抵抗が低いことを意味する。また、接触抵抗とは、電極とセパレータ表面との間で、界面現象のために電圧降下が生じることをいう。
そのため、セパレータを構成する基材としては、純チタンやチタン合金を使用することが多く、これは、セパレータ製造におけるコストアップの大きな要因の一つになっている。
したがって、本発明は、耐食性が高く、接触抵抗が低い安価なセパレータ及び当該セパレータを安価に製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するための手段を種々検討した結果、表面処理工程を有するセパレータの製造方法において、基材としてSUSなどの安価な基材を使用し、基材表面に一定範囲の厚さのチタン層を形成させ、チタン層上に導電性粒子を塗布し、一定の温度範囲の条件下で低酸素分圧下での熱処理を実施することによって、チタン基材を使用することなく、接触抵抗が低いセパレータを製造することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)ステンレス製又は鉄製の基材、前記基材表面上のチタン層、及び前記チタン層表面上の導電性粒子と酸化チタンとの混合層を含むセパレータ材。
(2)(i)金属製の基材の表面に導電性粒子を塗布し、低酸素分圧下で熱処理する表面処理工程を含むセパレータ材の製造方法であって、
(i)の表面処理工程が、
(a)ステンレス製又は鉄製の基材の表面に平均厚さが16nm〜100nmであるチタン層を積層させる工程と、
(b)(a)のステップでチタン層を積層させた基材に導電性粒子を塗布し、低酸素分圧下、370℃〜460℃の温度で熱処理する工程と
を含むセパレータ材の製造方法。
(3)ステンレス製又は鉄製の基材、前記基材表面上のチタン層、及び前記チタン層表面上の導電性粒子と酸化チタンとの混合層を含むセパレータ材からなるセパレータ。
(4)セパレータの製造方法であって
(ii)(1)に記載のセパレータ材をプレス成形するプレス成形工程と、
(iii)プレス成形工程により得られたプレス成形されたセパレータ材を洗浄する洗浄工程と、
(iv)洗浄工程により洗浄されたセパレータ材の表面を乾燥する乾燥工程と
を含むセパレータの製造方法。
本発明により、耐食性が高く、接触抵抗が低いセパレータを安価に製造する方法及び安価なセパレータが提供される。
本発明の(i)の表面処理工程で調製された表面処理されたセパレータ材の構造を模式的に示す図である。 低酸素分圧下での熱処理温度を400℃としたときの、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)粒子と酸化チタンとの混合層を形成させたステンレス基材の接触抵抗と作製時のチタン層の厚さの関係を示す図である。 作製時のチタン層の厚さを20nmとしたときの、導電性粒子/酸化チタン混合層を形成させたステンレス基材の接触抵抗と作製時の低酸素分圧下での熱処理の温度の関係を示す図である。 作製時のチタン層の厚さを20nmとしたときの、導電性粒子/酸化チタン混合層を形成させたステンレス基材の耐食試験後の接触抵抗と作製時の低酸素分圧下での熱処理の温度の関係を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
本明細書では、適宜図面を参照して本発明の特徴を説明する。図面では、明確化のために各部の寸法及び形状を誇張しており、実際の寸法及び形状を正確に描写してはいない。それ故、本発明の技術的範囲は、これら図面に表された各部の寸法及び形状に限定されるものではない。なお、本発明のセパレータ材、セパレータ材の製造方法、セパレータ、及びセパレータの製造方法は、下記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者がおこない得る変更、改良などを施した種々の形態にて実施することができる。
本発明は、(i)金属製の基材の表面に導電性粒子を塗布し、低酸素分圧下で熱処理する表面処理工程を含むセパレータ材の製造方法であって、(i)の表面処理工程が、(a)ステンレス製又は鉄製の基材の表面に平均厚さが一定の範囲であるチタン層を積層させる工程と、(b)(a)のステップでチタン層を積層させた基材に導電性粒子を塗布し、低酸素分圧下、一定の範囲の温度で熱処理する工程とを含むセパレータ材の製造方法に関する。さらに、本発明は、(ii)ステンレス製又は鉄製の基材、前記基材表面上のチタン層、及び前記チタン層表面上の導電性粒子と酸化チタンとの混合層を含むセパレータ材、例えば前記(i)の表面処理工程を含むセパレータ材の製造方法により得られたセパレータ材をプレス成形するプレス成形工程と、(iii)プレス成形工程により得られたプレス成形されたセパレータ材を洗浄する洗浄工程と、(iv)洗浄工程により洗浄されたセパレータ材の表面を乾燥する乾燥工程とを含むセパレータの製造方法に関する。
本発明におけるセパレータは、燃料電池セル(単セル)の構成要素であり、膜電極接合体(電解質膜、該電解質膜の両面に配置されるアノード及びカソードの電極層)の両面に配置される。
以下に(i)〜(iv)の各工程について説明する。
(i)金属製の基材の表面に導電性粒子を塗布し、低酸素分圧下で熱処理する表面処理工程
(i)の表面処理工程では、金属製の基材の表面に導電性粒子を塗布し、低酸素分圧下で熱処理する。
(i)の表面処理工程は、(a)ステンレス製又は鉄製の基材の表面に平均厚さが一定の範囲であるチタン層を積層させる工程と、(b)(a)のステップでチタン層を積層させた基材に導電性粒子を塗布し、低酸素分圧下、一定の範囲の温度で熱処理する工程とを含む。
(a)のステップにおいて、金属製の基材としては、チタンよりも安価な材料からなる基材である、ステンレス[SUS(鉄、クロム、ニッケル)]製又は鉄製の板状の基材を使用する。
ステンレス製の基材(ステンレス基材)としては、耐食性の高いSUS316、SUS316よりも安価なSUS447を使用することができる。
基材として、安価な材料を使用することで、チタン基材を使用するよりもチタン使用量を減らすことができ、コストを下げることができる。
基材の厚さは、限定されないが、通常0.05mm〜0.2mm、好ましくは0.08mm〜0.12mmである。
基材の厚さを前記範囲にすることで、原料コストを抑えつつ、容易にプレス成形することができる。
(a)のステップにおいて、基材の表面にチタン層を積層させる方法としては、当該技術分野において公知の方法を使用することができ、限定されないが、例えば、スパッタ法、イオンプレーティング法、CVD法などがある。基材の表面にチタン層を積層させる方法としては、歩留りのよいスパッタ法が好ましい。
(a)のステップにおいて、基材の表面に積層されるチタン層の厚さは、平均厚さで、16nm〜100nm、好ましくは16nm〜40nm、より好ましくは16nm〜20nmである。チタン層の平均厚さは、例えば断面TEM観察により測定することができる。
チタン層の厚さを100nm以下にすることで、チタン使用量の削減効果を得ることができる。また、チタン層の厚さを100nm以下にすることで、チタン層成膜により生じる膜応力が大きくなりすぎるのを防止し、チタン層へのクラックの発生や、チタン層を積層させた基材、例えばチタン層を積層させたステンレス基材の変形などを抑制することができる。
チタン層の厚さを16nm以上にすることで、下記で説明する低酸素分圧下での熱処理によりチタンを外方拡散させて導電性粒子の隙間を酸化チタンで充填させる際に、チタンの量が不足することなく、導電性粒子の隙間を酸化チタンで十分に充填することができる。その結果、低酸素分圧下での熱処理後の余剰導電性粒子の除去工程(洗浄工程)において、酸化チタンにより隙間が充填されていない場合の導電性粒子の脱落を防止し、導電性の低下を抑制することができる。
さらに、例えば、従来において、0.1mmの厚さのチタン基材を使用してセパレータを製造した場合と、本発明の製造方法において、平均厚さ16nm〜100nmのチタン層を積層させたチタン製以外の基材を使用してセパレータを製造した場合とを比較すると、本発明の製造方法では、チタンの使用量を、チタン層成膜時の歩留りを5%(すなわち、チタン層成膜時に使用したチタン原料の5%が成膜されて、残りの95%が廃棄された)として、従来比で1/50〜1/310に削減することができる。
(a)のステップで基材にチタン層を積層させたら、(b)のステップにおいて、導電性粒子を塗布する。
(b)のステップにおいて塗布される導電性粒子としては、限定されないが、例えば、カーボンブラックなどのカーボン、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、貴金属、スズドープ酸化インジウム(ITO)、LaNiO、SrMoO、(La,Sr)CoO、LaTiO、MgZnO、TaO、ZnMgAlO、SrSnOなどが挙げられる。導電性粒子としては、安価であるカーボン、アンチモンドープ酸化スズが好ましい。
(b)のステップにおいて導電性粒子の塗布方法としては、当該技術分野において公知の方法を使用することができ、限定されないが、例えば、導電性粒子を、基材の表面に、例えばグラビアロール、ダイコーターなどによって、塗布することができる。余剰な導電性粒子は後の工程において除去されるため、導電性粒子を塗布する量は限定されない。
続いて、(b)のステップでは、導電性粒子を塗布した基材を、低酸素分圧下で熱処理する。
ここで、熱処理における温度は、370℃〜460℃、好ましくは390℃〜430℃である。
熱処理における温度を370℃以上にすることで、チタンが外方拡散しやすく、導電性粒子と酸化チタンとの混合層(導電性粒子/酸化チタン混合層)が形成されやすくなる。導電性粒子/酸化チタン混合層が形成されることで、チタン層が露出して、露出したチタン層が耐食試験によって絶縁性の酸化チタン(TiO)に酸化することを防止し、セパレータの耐食試験後の導電性の低下を抑制することができる。
熱処理における温度を460℃以下にすることで、基材、例えばステンレス基材側に拡散するチタンの量が多くなることを抑制することができる。その結果、導電性粒子側に外方拡散するチタン量の低下が防止され、チタンの量が不足することなく、導電性粒子の隙間を酸化チタンで十分に充填することができる。また、低酸素分圧下での熱処理後の余剰導電性粒子の除去工程(洗浄工程)において、酸化チタンにより隙間が充填されていない場合の導電性粒子の脱落を防止し、導電性の低下を抑制することができる。
したがって、熱処理における温度を前記範囲にすることで、外方拡散したチタンが導電性粒子の隙間を充填し、空隙のない導電性粒子/酸化チタン混合層を形成することができる。導電性粒子/酸化チタン混合層が緻密になることによって、セパレータの導電性、耐食性が高くなる。
熱処理における酸素分圧は、通常0.01Pa〜1Pa、好ましくは0.01Pa〜0.1Paである。
熱処理の時間は、通常1分〜60分、好ましくは2分〜30分である。
(b)のステップにおいて、(a)のステップでチタン層を積層させた基材を低酸素分圧下で熱処理することにより、基材表面上のチタン層のチタンを導電性粒子側へ外方拡散させて、基材表面上のチタン層の上に、導電性及び耐食性の高いコーティングである導電性粒子/酸化チタン混合層を形成させることができる。
なお、(i)の表面処理工程では、熱処理の後に、表面処理されたセパレータ材を、ロール状態で、ブラシ洗浄、超音波洗浄により洗浄、乾燥してもよい。
(i)の表面処理工程で調製された表面処理されたセパレータ材における導電性粒子/酸化チタン混合層の厚さは、限定されないが、平均厚さで、16nm〜40nm、好ましくは16nm〜20nmである。導電性粒子/酸化チタン混合層の平均厚さは、例えば断面TEM観察により測定することができる。
図1に、本発明の(i)の表面処理工程で調製された表面処理されたセパレータ材の構造を模式的に示す。図1では、基材としてのSUS基材上にチタン層が積層され、その上に、導電性粒子が酸化チタンにより充填された導電性粒子/酸化チタン混合層が形成されており、すなわち、SUS基材−チタン層(混合層を形成しなかった残り)−導電性粒子/酸化チタン混合層の構造をとっている。
(ii)ステンレス製又は鉄製の基材、前記基材表面上のチタン層、及び前記チタン層表面上の導電性粒子と酸化チタンとの混合層を含むセパレータ材、例えば前記(i)の表面処理工程を含むセパレータ材の製造方法により得られたセパレータ材をプレス成形するプレス成形工程
(ii)のプレス成形工程では、ステンレス製又は鉄製の基材、前記基材表面上のチタン層、及び前記チタン層表面上の導電性粒子と酸化チタンとの混合層を含むセパレータ材、例えば前記(i)の表面処理工程を含むセパレータ材の製造方法により得られたセパレータ材をプレス成形する。
プレス成形は、ステンレス製又は鉄製の基材、前記基材表面上のチタン層、及び前記チタン層表面上の導電性粒子と酸化チタンとの混合層を含むセパレータ材、例えば前記(i)の表面処理工程を含むセパレータ材の製造方法により得られたセパレータ材を、当該技術分野において公知の所望の形状を形成する成形用金型(例えば、ガス流路及びガス導入口を形成する成形用金型)を取り付けたプレス成形装置によりプレスすることにより行うことができる。なお、成形時には、プレス油、潤滑剤などを適宜使用することができる。
(iii)プレス成形工程により得られたプレス成形されたセパレータ材を洗浄する洗浄工程
(iii)の洗浄工程では、プレス成形工程により得られたプレス成形されたセパレータ材を洗浄する。
(iii)の洗浄工程では、プレス成形工程による異物及びセパレータ材表面上の過剰な導電性粒子を除去する。
(iii)の洗浄工程では、プレス成形工程による異物、例えばプレス油、固形潤滑剤及びセパレータ材表面上の過剰な導電性粒子は、例えば炭化水素洗浄、ブラシ洗浄、超音波洗浄などの洗浄方法により除去することができる。
(iii)の洗浄工程によって、セパレータ材からプレス成形工程による異物及びセパレータ材表面上の過剰な導電性粒子を除去することができる。
(iv)洗浄工程により洗浄されたセパレータ材の表面を乾燥する乾燥工程
(iv)の乾燥工程では、洗浄工程により洗浄されたセパレータ材の表面を乾燥する。
(iv)の乾燥工程では、洗浄工程により洗浄されたセパレータ材を、大気中、通常100℃〜150℃で、通常1分間〜10分間乾燥させる。
(iv)の乾燥工程によって、洗浄工程により洗浄されたセパレータ材の表面から水を除去することができる。
本発明はまた、ステンレス製又は鉄製の基材、前記基材表面上のチタン層、及び前記チタン層表面上の導電性粒子/酸化チタン混合層を含むセパレータ材並びに当該セパレータ材からなるセパレータに関する。
本発明のセパレータ材又はセパレータにおける基材は、本発明のセパレータ材又はセパレータの製造方法において使用されている基材と同じ材質及び/又は厚さを有していてもよい。
本発明のセパレータ材又はセパレータにおける基材が安価な材料であることで、基材がチタン基材であるよりもチタン使用量が低減され、コストを下げることができる。
本発明のセパレータ材又はセパレータにおける導電性粒子/酸化チタン混合層の厚さは、限定されないが、平均厚さで、16nm〜40nm、好ましくは16nm〜20nmである。導電性粒子/酸化チタン混合層の平均厚さは、例えば断面TEM観察により測定することができる。
本発明のセパレータ材又はセパレータにおける導電性粒子/酸化チタン混合層の平均厚さが40nm以下であることで、チタン使用量の削減効果を得ることができる。
本発明のセパレータ材又はセパレータにおける導電性粒子/酸化チタン混合層の厚さが16nm以上であることで、導電性の低下を抑制することができる。
本発明のセパレータ材又はセパレータは、例えば、本発明のセパレータ材又はセパレータの製造方法により製造することができる。
本発明により製造されたセパレータ材又はセパレータを含む燃料電池セルは、固体高分子形燃料電池などの各種電気化学デバイスにおいて使用することができる。
以下、本発明に関するいくつかの実施例につき説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
1.概要
ステンレス基材上に導電性粒子/酸化チタン混合層を作製し、耐食試験前後の接触抵抗を測定した。
2.導電性粒子/酸化チタン混合層が付与されたステンレス基材の作製方法
ステンレス基材として、SUS447板(厚さ0.1mm)を準備した。
ステンレス基材を真空容器中に設置し、真空条件下でアルゴンガスを導入し、電圧を印加してアルゴンイオン発生させ、アルゴンイオンにより基材表面を叩くことによって、ステンレス基材表面の酸化被膜を除去した。
次に、真空容器中にスパッタ用ターゲットとして純チタン板を配置し、その対向する位置にステンレス基材を配置し、真空容器内を排気した。その後、スパッタリングガスとしてアルゴンを真空容器内に導入し、電圧を印加してアルゴンガスをターゲットに衝突させることにより、ターゲットであるチタンの原子を飛び出させてステンレス基材上に堆積させることにより、ステンレス基材上にチタン層を成膜した。チタン層の厚さは、5nm、10nm、15nm、20nm、25nm、又は30nmとした。
続いて、前記で成膜したチタン層の上に、導電性粒子を塗布した。導電性粒子としては、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)粒子(粒径10nm、三菱マテリアル社製、T−1)、又はカーボンブラック(粒径10nm、東海カーボン社製、Aqua Black)を用いた。
次に、前記で作製したチタン層及び導電性粒子塗膜が積層されているステンレス基材を酸素分圧0.03Paで30分間、低酸素分圧下で熱処理し、チタン層のチタンを導電性粒子塗膜側に外方拡散させて、導電性粒子/酸化チタン混合層を形成させた。低酸素分圧下での熱処理の温度は、350℃、400℃、450℃、500℃、又は550℃とした。その後、ブラシ洗浄、超音波洗浄により、前記の低酸素分圧下での熱処理で酸化チタンに取り込まれなかった導電性粒子を除去した。
3.耐食試験の方法
日本工業規格の金属材料の電気化学的高温腐食試験法(JIS Z 2294)に準じた耐食試験(定電位腐食試験)を行った。大気解放系の装置において、80℃に温度調整された硫酸水溶液に、各試験片を浸漬した。
この状態で、白金板からなる対極と試験片(試料極)とを電気的に接続することにより、対極と試験極との間に0.9Vの電位差を生じさせ、試験片を腐食させた。参照電極によって試験片の電位を一定に保持した。試験時間は100時間とした。
4.接触抵抗の測定方法
各試験片の表面に、燃料電池の発電部の拡散層に相当するカーボンペーパ(厚さ0.5mm、東レ株式会社製、TGP−H120)を載せ、その上に金めっきした銅板を重ね、試験片と銅板との間にカーボンペーパを挟み込んだ。
次に、試験片の表面に一定荷重(0.98MPa)の圧力を付与した。この状態で、試験片に流れる電流が一定になるように電流計により調整しながら、電源から電流を流した。試験片に印加された電圧を電圧計で測定し、試験片とカーボンペーパとの接触抵抗を算出した。
5.評価結果
図2に、低酸素分圧下での熱処理温度を400℃としたときの、アンチモンドープ酸化スズ粒子と酸化チタンとの混合層を形成させたステンレス基材の接触抵抗と作製時のチタン層の厚さの関係を示す。図2より、チタン層の厚さが16nmよりも厚くなると、接触抵抗が低くなることがわかった。
図3に、作製時のチタン層の厚さを20nmとしたときの、導電性粒子/酸化チタン混合層を形成させたステンレス基材の接触抵抗と作製時の低酸素分圧下での熱処理の温度の関係を示す。図3より、低酸素分圧下での熱処理の温度が490℃よりも低いと、接触抵抗が低くなることがわかった。
図4に、作製時のチタン層の厚さを20nmとしたときの、導電性粒子/酸化チタン混合層を形成させたステンレス基材の耐食試験後の接触抵抗と作製時の低酸素分圧下での熱処理の温度の関係を示す。図4より、低酸素分圧下での熱処理の温度が370℃〜460℃の範囲では、耐食試験後の接触抵抗が低くなることがわかった。

Claims (4)

  1. ステンレス製又は鉄製の基材、前記基材表面上のチタン層、及び前記チタン層表面上の導電性粒子と酸化チタンとの混合層を含むセパレータ材。
  2. (i)金属製の基材の表面に導電性粒子を塗布し、低酸素分圧下で熱処理する表面処理工程を含むセパレータ材の製造方法であって、
    (i)の表面処理工程が、
    (a)ステンレス製又は鉄製の基材の表面に平均厚さが16nm〜100nmであるチタン層を積層させる工程と、
    (b)(a)のステップでチタン層を積層させた基材に導電性粒子を塗布し、低酸素分圧下、370℃〜460℃の温度で熱処理する工程と
    を含むセパレータ材の製造方法。
  3. ステンレス製又は鉄製の基材、前記基材表面上のチタン層、及び前記チタン層表面上の導電性粒子と酸化チタンとの混合層を含むセパレータ材からなるセパレータ。
  4. セパレータの製造方法であって、
    (ii)請求項1に記載のセパレータ材をプレス成形するプレス成形工程と、
    (iii)プレス成形工程により得られたプレス成形されたセパレータ材を洗浄する洗浄工程と、
    (iv)洗浄工程により洗浄されたセパレータ材の表面を乾燥する乾燥工程と
    を含むセパレータの製造方法。
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