JP2017017026A - 固体高分子形燃料電池のセパレータ用チタン材、およびそれを用いたセパレータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】このチタン材は、質量%で、白金族元素:0.005〜0.15%、および希土類元素:0.001〜0.1%を含有し、残部がTi、および不純物からなる母材11と、母材11の表面に形成されたチタン酸化皮膜12と、チタン酸化皮膜12の少なくとも一部を覆うように形成された白金族元素部12Aと、チタン酸化皮膜12および白金族元素部12Aの上に形成され、炭素含有率が95質量%以上であり、導電性を有する炭素層13とを含む。チタン酸化皮膜12の表面上で、白金族元素部12Aの占める面積の割合は、5%以上である。
【選択図】図2B
Description
(1)燃料ガス、または酸化性ガスを、電池面内に均一に供給する「流路」としての機能(2)カソード側で生成した水を、反応後の空気、酸素等のキャリアガスとともに、燃料電池から効率的に系外に排出する「流路」としての機能
(3)電極膜(アノード3、カソード4)と接触して電気の通り道となり、さらに、隣接する2つの単セル間の電気的「コネクタ」となる機能
(4)隣り合うセル間で、一方のセルのアノード室と隣接するセルのカソード室との「隔壁」としての機能
(5)水冷型燃料電池では、冷却水流路と隣接するセルとの「隔壁」としての機能
(A)固体高分子形燃料電池のセパレータ用チタン材であって、
質量%で、白金族元素:0.005〜0.15%、および希土類元素:0.001〜0.1%を含有し、残部がTi、および不純物からなる母材と、
前記母材の表面に形成されたチタン酸化皮膜と、
前記チタン酸化皮膜の少なくとも一部を覆うように形成された白金族元素部と、
前記チタン酸化皮膜および前記白金族元素部の上に形成され、炭素含有率が95質量%以上であり、導電性を有する炭素層と、
を含み、
前記チタン酸化皮膜の表面上で、前記白金族元素部の占める面積の割合が、5%以上である、チタン材。
前記炭素層が、黒鉛、およびダイヤモンドライクカーボンの少なくとも1種を含む、チタン材。
(C)上記(A)または(B)のチタン材を含む、固体高分子形燃料電池用のセパレータ。
また、本発明者らは、上述の特定の組成を有する酸溶液を用いた不動態化処理により、チタン酸化皮膜の上に、白金族元素を主成分とする白金族元素部が形成されることを見出した。さらに、本発明者らは、チタン酸化皮膜の表面上で白金族元素部の占める面積の割合が5%以上であれば、チタン酸化皮膜および白金族元素部に対する炭素層の密着性が十分に高くなることを見出した。
〈白金族元素〉
ここで、「白金族元素」とは、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、および白金(Pt)をいうものとする。白金族元素は、チタンより低い電気抵抗率を有し、固体高分子形燃料電池の動作環境において、酸化および腐食せず、電気抵抗が上昇しない元素である。
本発明のチタン材の母材は、白金族元素に加えて、希土類元素を含有する。希土類元素は、原子番号21番のスカンジウム(Sc)、原子番号39番のイットリウム(Y)、およびランタノイドである原子番号57番のランタン(La)〜原子番号71番のルテチウム(Lu)からなる群から選択される1種以上の元素をいう。母材の製造工程で、希土類元素は、ミッシュメタルとして、原料に添加してもよい。ミッシュメタルは、複数種の希土類元素を含有する合金であり、La、セリウム(Ce)等を含有することが多い。単一種の希土類元素を製造する場合にかかる分離費用が、ミッシュメタルではかからないため、ミッシュメタルを用いることにより、安価に希土類元素を含有させることができる。
一般に、チタン合金は、不純物として、Feを含有する。Feは、耐食性を劣化させる作用を有する。セパレータとして十分な耐食性を確保するためには、母材のFe含有率は、0.1%以下であることが好ましい。
チタン材の表面には、通常、自然に酸化皮膜が形成される。耐食性を高めるために、大気中、または硝酸等の酸化力のある酸を含有する溶液中で、陽極酸化を行って、酸化皮膜を厚くすることが可能である。しかし、この場合、チタン酸化皮膜に導電性を付与することはできない。
(a)HFを3〜8質量%およびHNO3を0.5〜4.5質量%含有する20〜45℃の水溶液中に、0.5〜5分浸漬
(b)HClを5〜15質量%含有する60〜85℃の水溶液中に、3〜10分浸漬
(c)H2SO4を20〜40質量%含有する、50〜70℃の水溶液中に、5〜10分浸漬
白金族元素部は、後述の炭素層を形成する前に、チタン酸化皮膜の表面について、反射電子組成像を観察することにより、確認することができる。反射電子組成像は、たとえば、FE−SEM(Field Emission Scanning Electron Microscope)により得ることができる。
炭素層のC(炭素)含有率、すなわち、炭素層を構成する物質に占めるCの割合は、95質量%以上である。これにより、炭素層の電気抵抗を低くすることができる。炭素層のC含有率は、たとえば、チタン材の断面をEPMA(Electron Probe Micro Analyzer)により定量分析することによって求めることができる。また、炭素層から採取した試料について、TEM−EDS(Transmission Electron Microscope Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)により定量分析することによっても、炭素層のC含有率を求めることができる。
(1)塊状(ブロック状等)の導電性炭素材をチタン酸化皮膜等に対して擦り付ける。
(2)粉末の形態の導電性炭素材を溶媒に分散させてチタン酸化皮膜等の表面に塗布する。
(3)真空蒸着により、炭素をチタン酸化皮膜等の表面に供給する。
チタン材を製造するための素材として、実験室レベルで原料を融解および凝固して得たチタンインゴット、および市販のチタンインゴットを用意した。これらのチタンインゴットは、製造するべきチタン材の母材に対応する。表1に、用意したチタン材の化学組成を示す。素材A〜Cは、本発明のチタン材における母材の要件を満たす。素材D〜Fは、本発明のチタン材における母材の要件を満たさない。
本発明例1では、ブロック状の黒鉛(新日本テクノカーボン(株)製 直径10mm d002=3.365Å)を、チタン材の表面に機械的に擦り付けて、黒鉛層を形成した。
(1)白金族元素部の面積率の測定方法
導電性表面処理を行った後のチタン板の表面について、FE−SEMを用いた反射電子組成像を得た。この反射電子組成像を、画像処理(二値化)によりモノクロ化し、白の部分(二値化する前の像で、明るく観察された部分)を、白金族元素部として、その面積率(%)を算出した。
図3に模式的に示す装置を用いて、接触抵抗を測定した。具体的には、まず、作製したチタン材(以下、「チタンセパレータ」という。)を、ガス拡散層(図1Bのアノード3、およびカソード4)に使用される面積1cm2のカーボンペーパー(東レ(株)製 TGP−H−90)で狭持し、これを金めっきした電極で挟んだ。
炭素層の密着性を評価するため、ラビング試験、すなわち、チタン板表面を擦ることで皮膜の密着性を評価する試験を行った。一般に、ラビング試験では、溶剤を含浸させた脱脂綿等を試料に接触させることにより、試料の耐溶剤性が評価される。本試験では、溶剤は使用せず、脱脂綿のみで、チタン材の表面を擦った。試験片は、一辺の長さが50mmである正方形の平板とし、試験の荷重を500gf(4.9×104Pa)として10回擦った後に、脱脂綿を観察して炭素層の剥離の有無および程度を目視判定した。
○(優):剥離なし
△(良):剥離わずか
×(不可):剥離顕著
母材の組成、および炭素層の有無に関して、比較例1〜5のチタン材は、下記の点で、本発明の要件を満たさなかった。比較例1のチタン材は、母材が白金族元素および希土類元素を実質的に含有しない点と、炭素層が形成されていない点とにおいて、本発明の要件を満たさなかった。比較例2のチタン材は、母材が希土類元素を実質的に含有しない点と、炭素層が形成されていない点とにおいて、本発明の要件を満たさなかった。比較例3のチタン材は、母材の白金族元素の含有率が本発明で規定する範囲より低い点と、炭素層が形成されていない点とにおいて、本発明の要件を満たさなかった。比較例4のチタン材は、母材が白金族元素および希土類元素を実質的に含有しない点において、本発明の要件を満たさなかった。比較例5のチタン材は、母材が希土類元素を実質的に含有しない点において、本発明の要件を満たさなかった。
○(優):燃料電池のセパレータとして使用可能な特性を有する。
×(不可):燃料電池のセパレータとして使用可能な特性を有さない。
本発明例の1〜9のチタン材は、いずれも、燃料電池のセパレータとして使用可能な特性を有していたが、比較例1〜9のチタン材は、いずれも、このような特性を有していなかった。
12A:白金族元素部、 13:炭素層、 14導電性炭素材
Claims (3)
- 固体高分子形燃料電池のセパレータ用チタン材であって、
質量%で、白金族元素:0.005〜0.15%、および希土類元素:0.001〜0.1%を含有し、残部がTi、および不純物からなる母材と、
前記母材の表面に形成されたチタン酸化皮膜と、
前記チタン酸化皮膜の少なくとも一部を覆うように形成された白金族元素部と、
前記チタン酸化皮膜および前記白金族元素部の上に形成され、炭素含有率が95質量%以上であり、導電性を有する炭素層と、
を含み、
前記チタン酸化皮膜の表面上で、前記白金族元素部の占める面積の割合が、5%以上である、チタン材。 - 請求項1に記載の固体高分子形燃料電池のセパレータ用チタン材であって、
前記炭素層が、黒鉛、およびダイヤモンドライクカーボンの少なくとも1種を含む、チタン材。 - 請求項1または2に記載のチタン材を含む、固体高分子形燃料電池のセパレータ。
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