JP2021067488A - シリコン単結晶ウエーハの窒素濃度の測定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、窒素をドープしたウエーハを用いる場合がある(例えば特許文献1)。窒素は、酸素と同様に、強度を向上させる効果がある。その効果は、酸素の場合と同様に、濃度が高いほど、高くなることがわかっている。そのことから、転位が発生しやすいデバイス工程(STI工程)の段階において、ウエーハ中に十分な窒素濃度が存在することが望ましく、ウエーハに熱処理を施した場合でも窒素濃度が測定できることは非常に重要である。
SIMSは一次イオンをウエーハに照射し、出てきた二次イオン強度から濃度を測定する方法であり、深さ方向分布を取得することができるが、破壊法である。一方で、室温FT−IRによる方法は非破壊である。具体的には、NN、NNO、およびNNOO複合体(以下、これらをまとめて窒素複合体、または単に複合体とも言う)の吸光度(吸収係数)から非特許文献1における下記式(1)を用いて、算出する方法である。
[N]=(α766+1.2×α801+0.3×α810)×1.83×1017 …(1)
(ここで、[N]は窒素濃度(atoms/cm3)、α766は波数766cm−1のNN複合体の吸収係数、α801は波数801cm−1のNNO複合体の吸収係数、α810は波数810cm−1のNNOO複合体の吸収係数である)
しかし、ウエーハに熱処理が施された場合にこの式(1)が適用できるかは明確ではない。
予め、異なる熱処理条件で熱処理を施した複数のシリコン単結晶ウエーハのサンプルを準備する工程と、
該サンプルにおいて、室温でのFT−IR法により波数766cm−1のNN複合体、波数801cm−1のNNO複合体、および波数810cm−1のNNOO複合体の吸光度を測定して各々の吸収係数を求め、該各々の吸収係数と、窒素濃度関係式である下記式(1)
[N]=(α766+1.2×α801+0.3×α810)×1.83×1017 …(1)
(ここで、[N]は窒素濃度(atoms/cm3)、α766は波数766cm−1のNN複合体の吸収係数、α801は波数801cm−1のNNO複合体の吸収係数、α810は波数810cm−1のNNOO複合体の吸収係数である)
により算出した窒素濃度と、前記サンプルのSIMSで測定した窒素濃度と、前記サンプルの熱処理による酸素の拡散長をそれぞれ求める工程と、
前記式(1)で算出した窒素濃度が前記SIMSで測定した窒素濃度と一致するときの前記酸素の拡散長の範囲である式(1)適合範囲を求める工程と、
前記酸素の拡散長が、前記式(1)適合範囲外の場合について、前記SIMSで測定した窒素濃度と一致する窒素濃度関係式である式(2)を別途求める工程と、を有する予備測定と、
熱処理を施した評価対象のシリコン単結晶ウエーハを準備する工程と、
該評価対象のシリコン単結晶ウエーハにおいて、室温でのFT−IR法により波数766cm−1のNN複合体、波数801cm−1のNNO複合体、および波数810cm−1のNNOO複合体の吸光度を測定して各々の吸収係数を求める工程と、
前記評価対象のシリコン単結晶ウエーハに施した熱処理の熱処理条件から酸素の拡散長を求める工程と、
該求めた評価対象のシリコン単結晶ウエーハの熱処理による酸素の拡散長が、前記式(1)適合範囲内であれば前記式(1)を選択して用い、前記式(1)適合範囲外であれば前記式(2)を選択して用いて、前記評価対象のシリコン単結晶ウエーハにおいて求めた吸収係数から、前記評価対象のシリコン単結晶ウエーハの窒素濃度を算出する工程と、を有する本測定からなることを特徴とするシリコン単結晶ウエーハの窒素濃度の測定方法を提供する。
そして上記本発明の測定方法であれば、その式(1)適合範囲の内外で式(1)と式(2)を使い分ける。これにより、熱処理を施した評価対象のシリコン単結晶ウエーハの窒素濃度測定において、式(1)で対応できる場合でも、また、式(1)では対応できない場合においても、SIMSでの測定値と同等レベルの正確な窒素濃度を測定することができる。しかも非破壊測定である。
前記予備測定で求めた、前記サンプルの波数766cm−1のNN複合体、波数801cm−1のNNO複合体、および波数810cm−1のNNOO複合体の吸収係数と、前記サンプルのSIMSで測定した窒素濃度と、前記サンプルの熱処理による酸素の拡散長に基づいて、データフィッティングにより求めることができる。
[N]=6.1×1014×{(1.08×α766+α801)×(1015/(D(T)×t)1/2/L)}0.046
(ここで、D(T)は熱処理温度T(K)での酸素の拡散係数(cm2/sec)、tは熱処理時間(sec)、Lは前記式(1)適合範囲の最大値(cm)である)
とすることができる。
まず、本発明者が本発明を見出すに至った経緯(窒素濃度測定に関する実験)について説明する。
(実験)
まず、窒素ドープシリコン単結晶ウエーハにおけるNN、NNO、およびNNOO複合体の吸光度の熱処理条件依存性について調査した。
サンプルとして、窒素濃度が2×1015atoms/cm3で、酸素濃度が14〜15ppma(JEITA)の直径200mm、p−シリコン単結晶ウエーハに対して、450〜1000℃/10min〜50h/N2の熱処理を施した後、室温FT−IRによりNN、NNO、およびNNOO複合体を評価した。
その熱処理依存性の結果を図4に示す。熱処理温度が450℃の場合には、時間を50時間と長くしても、いずれの複合体の吸光度も変化しなかった。550℃の場合では、NNOおよびNNOO複合体は増加し、NN複合体は減少した。650℃では、いずれの複合体も一旦増加した後に減少し、その後、一定となる傾向であった。750℃では、NN複合体は一旦増加した後に減少し、その後一定となり、NNOおよびNNOO複合体は一旦減少した後一定となる傾向があった。850℃および1000℃では、いずれの複合体も減少する傾向であった。
また、750℃では、NN複合体は一旦増加した後に減少し、その後一定となり、NNOおよびNNOO複合体は一旦減少した後一定となるのは、NNOO複合体からO原子が脱離することでNNOO複合体が減少し、NNO複合体からO原子が脱離することでNN複合体が一旦増加し、その後、NN複合体が乖離することでNN複合体が減少するためと考えられる。
くわえて、850℃および1000℃において、いずれの複合体も減少するのは、NN、NNO、NNOO複合体からO原子もしくはN原子(窒素原子)が脱離することで、減少していると考えられる。
すなわち、550℃付近では、各複合体にO原子が付着する正反応が優勢になり、750℃以上では、各複合体からO原子やN原子が脱離する逆反応が優勢になると考えられる。
図5、図6における実線の窒素濃度の範囲は、SIMSで実測された窒素濃度のばらつきをあらわす。このばらつきは、ウエーハの面内もしくは、インゴット位置によって変化するばらつきの程度である。この図6から、酸素の拡散長が所定範囲内(言い換えると、式(1)適合範囲内:ここでは酸素の拡散長が1×10−5cm以下の熱処理条件の場合)であるような熱処理条件であれば、非特許文献1での式(1)を用いて算出された窒素濃度が、SIMSで実測された窒素濃度のばらつきの範囲に入り、熱処理を施したウエーハでも式(1)を適用できることがわかった。しかし、酸素の拡散長が所定範囲外(言い換えると、式(1)適合範囲外:ここでは1×10−5cmよりも大きくなる熱処理条件の場合)では、式(1)では窒素濃度を正確に測定することができないことがわかった。
本発明者はこれらのことを見出し、本発明を完成させたのである。
(工程1:予備測定でのサンプルを準備する)
まず、予備測定のため、異なる熱処理条件で熱処理を施した複数のシリコン単結晶ウエーハのサンプルを準備する。
熱処理を施すシリコン単結晶ウエーハは特に限定されないが、特には窒素ドープしたCZシリコン単結晶ウエーハとすることができる。従来と同様の単結晶製造装置や手順により製造したものとすることができる。
また該ウエーハ(熱処理前)の窒素濃度は、上限および下限は特に限定されず、吸光度を適切に確認できるレベルであれば良い。例えば1×1015atoms/cm3以上とすることができる。このような濃度範囲は窒素ドープしたCZシリコン単結晶ウエーハによくみられる数値範囲であり、また、後工程で行うFT−IR法にて十分な高さの吸光度を得られやすく、窒素濃度を測定しやすい。
ここでは、例として2×1015atoms/cm3で窒素ドープされたものを用意する。
なお、この予備測定でまず用意するシリコン単結晶ウエーハ(熱処理前)は、後述する本測定での評価対象のシリコン単結晶ウエーハ(熱処理前)と同様の窒素濃度のものとする。
複数のウエーハに対し、各々、互いに異なる熱処理条件で熱処理を施し、複数の熱処理条件のサンプルを用意する。なお、用意するサンプル数は多いほどデータの正確性が増して好ましいが、コストや手間を考慮して適宜決定することができる。
次に、サンプルにおいて、室温でのFT−IR法により波数766cm−1のNN複合体、波数801cm−1のNNO複合体、および波数810cm−1のNNOO複合体の吸光度を測定する。測定に使用する装置等は特に限定されず、従来と同様のものを用いることができる。
そして、得られた吸光度から、各窒素複合体の吸収係数を算出して求める。
その後、各々の吸収係数と、非特許文献1に記載の窒素濃度関係式である下記式(1)
[N]=(α766+1.2×α801+0.3×α810)×1.83×1017 …(1)
(ここで、[N]は窒素濃度(atoms/cm3)、α766は波数766cm−1のNN複合体の吸収係数、α801は波数801cm−1のNNO複合体の吸収係数、α810は波数810cm−1のNNOO複合体の吸収係数である)
により窒素濃度を算出する。
また、各サンプルについて、施した熱処理による酸素の拡散長を求める。酸素の拡散長は、熱処理条件から、(D(T)×t)1/2(ここで、D(T)は熱処理温度T(K)での酸素拡散係数(cm2/sec)、tは熱処理時間(sec))により求めることができる。
次に、式(1)で算出した窒素濃度がSIMSで測定した窒素濃度と一致するときの酸素の拡散長の範囲である式(1)適合範囲を求める。
例えば、工程2で求めた窒素濃度や酸素の拡散長を基にしてグラフにプロットすることにより、式(1)適合範囲を求めることができる。図2に、工程2で求めた窒素濃度や酸素の拡散長と、この工程3で求める式(1)適合範囲を示す。図2において実線の窒素濃度の範囲は、SIMSで実測された窒素濃度のばらつきをあらわす。式(1)による窒素濃度(図2中の三角のプロット)がこのばらつきの範囲内であれば、SIMSの実測値と同等レベルであり十分に一致しているとみなすことができる。
このように式(1)適合範囲として、酸素の拡散長が1×10−5cm以下の範囲とすれば、より確実に正確な窒素濃度の測定につなげることができる。
外方拡散で表層の窒素濃度が減少している場合は、ウエーハの深さ方向全体の窒素濃度を見積もり、平均窒素濃度を算出し、SIMSでの実測の窒素濃度とする。
次に、酸素の拡散長が、式(1)適合範囲外の場合について、SIMSで測定した窒素濃度と一致する窒素濃度関係式である式(2)を別途求める。
この式(2)の求め方について以下に具体例を示す。式(1)適合範囲外でのSIMSでの実測値に対し、データフィッティングを行う。データフィッティングの際、例えば、下記式(3)のような窒素濃度関係式を用意する。ただし、式(3)以外のデータフィッティング用の窒素濃度関係式を別に用いることもできる。
[N]=(x×α766+y×α801+z×α810)×{A/(D(T)×t)1/2/L)} …(3)
(ここで、x、y、z、Aはフィッティングパラメーター、D(T)は熱処理温度T(K)での酸素の拡散係数(cm2/sec)、tは熱処理時間(sec)、Lは式(1)適合範囲の最大値(cm)である)
[N]=6.1×1014×{(1.08×α766+α801)×(1015/(D(T)×t)1/2/L)}0.046 …(2)
このようにして、式(1)適合範囲外の場合においてもSIMSでの実測値に一致する窒素濃度関係式を簡便に求めることができる。また、より具体的に、熱処理による酸素の拡散長や窒素複合体の吸収係数を代入するだけで簡便に窒素濃度を測定することが可能な式を得ることができる。
(工程5:本測定での評価対象を準備する)
本測定のため、熱処理を施した評価対象のシリコン単結晶ウエーハを準備する。
まず、熱処理を施すシリコン単結晶ウエーハを用意する。前述したように、予備測定でのシリコン単結晶ウエーハ(熱処理前)と窒素濃度等が同様のものである。ここでは、2×1015atoms/cm3で窒素ドープされたものを用意する。
次に所望の熱処理を施し、実際に窒素濃度を測定する、評価対象となるウエーハを用意する。
次に、評価対象のシリコン単結晶ウエーハにおいて、室温でのFT−IR法により波数766cm−1のNN複合体、波数801cm−1のNNO複合体、および波数810cm−1のNNOO複合体の吸光度を測定して各々の吸収係数を求める。
このように、評価対象のシリコン単結晶ウエーハについて、窒素複合体の吸収係数を求める。求め方自体は予備測定のときと同様とすることができる。
次に、評価対象のシリコン単結晶ウエーハに施した熱処理の熱処理条件から酸素の拡散長を求める。
このように、実際に施した熱処理の熱処理条件に基づいて、酸素の拡散長を算出する。
なお、工程6、工程7は順番が逆でも良い。
次に、求めた評価対象のシリコン単結晶ウエーハの熱処理による酸素の拡散長が、式(1)適合範囲内であれば式(1)を選択して用い、式(1)適合範囲外であれば式(2)を選択して用いて、評価対象のシリコン単結晶ウエーハにおいて求めた吸収係数から、評価対象のシリコン単結晶ウエーハの窒素濃度を算出する。
このように、まず、工程7で求めた酸素の拡散長が式(1)適合範囲の内外のどちらであるかを判定し、該判定に応じて使用する窒素濃度関係式を決定する。前述したように、式(1)適合範囲内であれば、式(1)での算出値とSIMSでの実測値と一致するので式(1)を用いて評価対象のシリコン単結晶ウエーハの窒素濃度を算出する。一方、式(1)適合範囲外であれば、別途、データフィッティングなどによりSIMSでの実測値と一致するように求めた式(2)を用いて窒素濃度を算出する。
<予備測定>
直径200mmの窒素をドープしたp−シリコン単結晶ウエーハ(窒素濃度:2×1015atoms/cm3、酸素濃度:14ppma)(窒素濃度はSIMS分析による結果、酸素濃度は室温FT−IRによる結果)に対し、予備測定として、図1の評価フローで、前述した式(1)で窒素濃度が測定できる範囲(式(1)適合範囲)を決定する。
具体的には、上記基板に対し450〜1000℃/10min〜50h/N2の熱処理を施した後、室温FT−IRによりNN、NNO、およびNNOO複合体を評価した。得られた吸光度から式(1)を用いて窒素濃度を算出する。また、SIMSにより窒素濃度を測定する。次に、窒素濃度と各熱処理条件における酸素の拡散長の関係を調査する。
その結果を図3に示す。図3は各熱処理条件による酸素の拡散長と、NN、NNO、およびNNOO複合体の吸光度から見積もられる窒素濃度、SIMSでの測定値の関係を示すグラフである。この図3のようになり、式(1)で窒素濃度が見積もることができるのは、酸素の拡散長が1×10−5cm以下となるような熱処理条件であることがわかった。すなわち、式(1)適合範囲は、酸素の拡散長が1×10−5cm以下の範囲であると判定した。
次に、予備測定と同様の窒素ドープシリコン単結晶ウエーハに対して、以下の熱処理を施した場合の窒素濃度を算出する。まず、各熱処理条件および酸素の拡散長は、550℃/12h(酸素の拡散長:0.14×10−5cm)、650℃/1h(酸素の拡散長:0.27×10−5cm)、650℃/18h(酸素の拡散長:1.1×10−5cm)、850℃/1h(酸素の拡散長:4.5×10−5cm)である。また、各々の評価対象のウエーハに関して、予備測定時と同様にして窒素複合体の吸収係数を求める。
それぞれの熱処理条件で、酸素の拡散長(括弧内の数値)から選択された窒素濃度関係式を用いて、既に求めた吸収係数から算出された窒素濃度は、
550℃/12h(0.14×10−5cm)では2.5×1015atoms/cm3、
650℃/1h(0.27×10−5cm)では2.2×1015atoms/cm3、
650℃/18h(1.1×10−5cm)では2.3×1015atoms/cm3、
850℃/1h(4.5×10−5cm)では2.2×1015atoms/cm3となった。
これらの本測定におけるウエーハをSIMSで実測した窒素濃度と比較した。熱処理後のSIMS測定で得られる窒素濃度は、外方拡散した分布が得られる。そこで、ウエーハ深さ方向全体の窒素濃度を積分した値を、分析深さ間隔で割ることで、平均窒素濃度を算出し、酸素の拡散長の値に応じて式(1)もしくは式(2)を用いて算出した上記窒素濃度と比較した。
各熱処理におけるSIMS測定の結果は、
550℃/12hでは2.5×1015atoms/cm3、
650℃/1hでは2.2×1015atoms/cm3、
650℃/18hでは2.3×1015atoms/cm3、
850℃/1hでは2.3×1015atoms/cm3となり、本発明で式(1)と式(2)を使い分けて得られた窒素濃度とよく一致することがわかった。すなわち、本発明によって窒素濃度を正確に測定できている。
実施例での本測定と同様のシリコン単結晶ウエーハを準備し、同様の熱処理を施した。このウエーハに関して、従来法のように式(1)だけを用いて窒素濃度を算出した。
550℃/12hでは2.5×1015atoms/cm3、
650℃/1hでは2.2×1015atoms/cm3、
650℃/18hでは1.9×1015atoms/cm3、
850℃/1hでは1.7×1015atoms/cm3となり、酸素の拡散長が1×10−5cmよりも大きくなる熱処理条件(650℃/18hおよび850℃/1h)では、前述した検証時のSIMSの実測値と異なり、窒素濃度を正確に見積もることができないことがわかった。
Claims (4)
- 熱処理を施したシリコン単結晶ウエーハの窒素濃度の測定方法であって、
予め、異なる熱処理条件で熱処理を施した複数のシリコン単結晶ウエーハのサンプルを準備する工程と、
該サンプルにおいて、室温でのFT−IR法により波数766cm−1のNN複合体、波数801cm−1のNNO複合体、および波数810cm−1のNNOO複合体の吸光度を測定して各々の吸収係数を求め、該各々の吸収係数と、窒素濃度関係式である下記式(1)
[N]=(α766+1.2×α801+0.3×α810)×1.83×1017 …(1)
(ここで、[N]は窒素濃度(atoms/cm3)、α766は波数766cm−1のNN複合体の吸収係数、α801は波数801cm−1のNNO複合体の吸収係数、α810は波数810cm−1のNNOO複合体の吸収係数である)
により算出した窒素濃度と、前記サンプルのSIMSで測定した窒素濃度と、前記サンプルの熱処理による酸素の拡散長をそれぞれ求める工程と、
前記式(1)で算出した窒素濃度が前記SIMSで測定した窒素濃度と一致するときの前記酸素の拡散長の範囲である式(1)適合範囲を求める工程と、
前記酸素の拡散長が、前記式(1)適合範囲外の場合について、前記SIMSで測定した窒素濃度と一致する窒素濃度関係式である式(2)を別途求める工程と、を有する予備測定と、
熱処理を施した評価対象のシリコン単結晶ウエーハを準備する工程と、
該評価対象のシリコン単結晶ウエーハにおいて、室温でのFT−IR法により波数766cm−1のNN複合体、波数801cm−1のNNO複合体、および波数810cm−1のNNOO複合体の吸光度を測定して各々の吸収係数を求める工程と、
前記評価対象のシリコン単結晶ウエーハに施した熱処理の熱処理条件から酸素の拡散長を求める工程と、
該求めた評価対象のシリコン単結晶ウエーハの熱処理による酸素の拡散長が、前記式(1)適合範囲内であれば前記式(1)を選択して用い、前記式(1)適合範囲外であれば前記式(2)を選択して用いて、前記評価対象のシリコン単結晶ウエーハにおいて求めた吸収係数から、前記評価対象のシリコン単結晶ウエーハの窒素濃度を算出する工程と、を有する本測定からなることを特徴とするシリコン単結晶ウエーハの窒素濃度の測定方法。 - 前記式(2)を別途求めるとき、
前記予備測定で求めた、前記サンプルの波数766cm−1のNN複合体、波数801cm−1のNNO複合体、および波数810cm−1のNNOO複合体の吸収係数と、前記サンプルのSIMSで測定した窒素濃度と、前記サンプルの熱処理による酸素の拡散長に基づいて、データフィッティングにより求めることを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶ウエーハの窒素濃度の測定方法。 - 前記式(2)を、下記式
[N]=6.1×1014×{(1.08×α766+α801)×(1015/(D(T)×t)1/2/L)}0.046
(ここで、D(T)は熱処理温度T(K)での酸素の拡散係数(cm2/sec)、tは熱処理時間(sec)、Lは前記式(1)適合範囲の最大値(cm)である)
とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシリコン単結晶ウエーハの窒素濃度の測定方法。 - 前記式(1)適合範囲を、前記酸素の拡散長が1×10−5cm以下の範囲とすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のシリコン単結晶ウエーハの窒素濃度の測定方法。
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