JP2014035305A - シリコン単結晶中の窒素濃度評価方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】チョクラルスキー法により作製した窒素ドープシリコン単結晶中の窒素濃度を評価する方法であって、前記シリコン単結晶を作製するとき、酸素濃度が6.0×1017atoms/cm3以下の低酸素濃度領域を有するシリコン単結晶を作製し、該低酸素濃度領域のシリコン単結晶に対し、赤外吸収分光法によりNNペア由来のピークを検出し、該検出結果から窒素濃度を評価するシリコン単結晶中の窒素濃度評価方法。
【選択図】図1
Description
シリコン中の窒素はNNペア又はNNO、NNOOなど様々な形態をとるとされている。これら様々な形態の振動モードによる赤外領域の吸収をFT−IR法により測定するのが一般的である。これらの形態は温度によって変わることが報告されている。これらの様々な吸収ピークを全て観察して感度を上げたり、特許文献1のように、650℃程度の熱処理によって、酸素起因のドナー(以下、酸素ドナーという)によるバックグラウンドのノイズを除去したりすることで、検出感度の向上を図っている。
この中で、簡便な方法ではないが、極低温の遠赤外吸収によりNOドナー量を直接測定している。窒素濃度が1×1014/cm3以下では窒素濃度とNOドナーが1:1となっているので、この技術を応用すれば窒素濃度を定量測定できる可能性が考えられる。
ただし、この手法は250cm−1付近のNOドナー由来のピークを定量する方法であり、この波数領域には広い範囲で水蒸気のピークが重なっており、その影響を除去するために減圧下での測定を行う必要がある。またNOドナーの準位は室温ではイオン化されており、この準位を中性化するために液体He温度近くの極低温下での測定が必須である。このように、検出は可能と考えられるが決して簡便な方法ではなく、実用的な方法とは言い難い。
しかしながら、低酸素濃度の場合には窒素濃度を適切に求めることができなかったり、窒素濃度を評価するにあたって手間がかかり、簡便に求める方法は存在していなかった。
なお、本願において、酸素濃度の値はASTM’79基準である。
このように、従来では検出できないとされていた1×1014/cm3以下のような低窒素濃度であっても、本発明であれば直接的に評価を行うことができる。
このように、低酸素濃度領域のみならず、シリコン単結晶の他の部位を含めた全体の窒素濃度の評価を簡便に行うことが可能である。
このようにすれば、マルチプリング法によりシリコン単結晶を1バッチで複数作製する場合に、実際に評価したシリコン単結晶中の窒素濃度から、他のシリコン単結晶中の窒素濃度について効率良く評価することができる。
このように、本発明の評価方法では酸素ドナーを消去するための熱処理を施さなくとも良いので、一層簡便である。
このように、例えば作製する所望のシリコン単結晶の品質に対応して、コーン部、直胴部、テール部のいずれか1以上に低酸素濃度領域を形成することができる。
ここで、本発明者らが本発明を完成させた経緯について詳述する。
窒素ドープCZシリコン単結晶中の窒素濃度の評価方法に関し、本発明者らは、まずNOドナーの特性把握を行った。前述の非特許文献2に示された通り、窒素濃度が10の14乗以下ではNN、NNO、NNOOといった形態ではなく主にNOドナーの形態をとる。本発明者らは種々の結晶について調査を行い、NOドナー量、酸素濃度、窒素濃度の相関関係を求めた。
NOドナー量に対応する値としてキャリア濃度差分が挙げられる。このキャリア濃度差分Δ[n]とは、酸素ドナーを消去する熱処理後の抵抗率とNOドナーを消去する熱処理後の抵抗率との差から求めたキャリア濃度の差分である。
キャリア濃度差分を求める工程は、主に、酸素ドナーを消去する熱処理、その後の抵抗率の測定、さらに窒素酸素ドナーを消去する熱処理、その後の抵抗率の測定からなる。すなわち、CZ法により育成した窒素ドープシリコン単結晶の結晶中には酸素ドナーと窒素酸素ドナーとが存在しているが、酸素ドナーを消去する熱処理は後述するように比較的低温であり、該熱処理によって、結晶中から酸素ドナーを消去し、抵抗率を測定する。このとき、窒素酸素ドナーはまだ結晶中に残存しているので、ここでの抵抗率は、酸素ドナーは存在せず、窒素酸素ドナーが存在する状態における抵抗率となる。
そして、これらの抵抗率の差から窒素酸素ドナー起因のキャリア濃度差分を求めることができる。
酸素ドナーは450℃前後の比較的低温領域で生成されるため、CZ結晶のボトム側ではこのような低温熱履歴を受けず、ほとんど酸素ドナーが発生しない。逆に結晶のトップ側では充分にこの熱履歴領域を通過するため多くの酸素ドナーが生成される。近年の結晶長尺化に伴い、この傾向は一層顕著となり、トップ側では大量の酸素ドナーが存在し、ボトム側には酸素ドナーがほとんど存在しない、と言うような状況となっている。
なお、抵抗率の測定方法は特に限定されず、例えば四探針法等により行うことができる。
次に、酸素濃度[Oi]について説明する。
酸素濃度[Oi]の求め方は、例えば、室温のFT−IR法によって求めることが可能である。[Oi]でOiと記載しているのは酸素原子がシリコン結晶中ではインタースティシャルの位置に存在しているためであり、その位置での赤外吸収を測定して酸素濃度と表記しているためである。酸素析出熱処理を行い、酸素原子が酸素析出物(BMD)を形成した酸素は、[Oi]としての吸収を起こさないが、ここで言及している酸素濃度は当然析出熱処理をしていない状態のものである。
次に、窒素濃度[N]について説明する。
このときの窒素濃度は赤外吸収分光法と偏析による計算から求めた、または予測したものである。CZシリコン単結晶作製における窒素ドープは、窒素ドープ剤をルツボに投入し、シリコン原料とともに溶解する方法が一般的である。このとき窒素は偏析現象に従って結晶中に取り込まれていくため、ある結晶位置の窒素濃度が求められれば計算で結晶長さごとの窒素濃度を求めることができる。よって、結晶のテール側で赤外吸収分光法の検出下限(従来では1×1014/cm3と報告されている)よりも高い窒素濃度になるようにドープ剤を投入し、その位置の窒素濃度を求めることで、10の13乗から14乗台の窒素濃度のサンプルを得た。
Δ[n]=α[N]×[Oi]2.5〜3.5+β(ここでα、βは定数)
である。
ここから、NOドナーの生成量(つまりはキャリア濃度差分)は酸素濃度に大きく依存することが分かる。
なお、NOドナー量の定量方法として、非特許文献2に記載の遠赤外吸収分光法を用いた。遠赤外吸収分光では230−255cm−1にNOドナー由来のピークが出るので、その積算強度を縦軸にプロットした。
また、図7中の「通常酸素濃度」とは酸素濃度が8.5×1017〜12×1017atoms/cm3のサンプルを指す。また、「低酸素濃度」とは酸素濃度が6.0×1017atoms/cm3以下(ここでは2.6×1017〜3.8×1017atoms/cm3とした)のサンプルを指す。
したがって、低酸素濃度の場合はNOドナー等ではなくNNペアを指標として窒素濃度を評価することが有効であると考えられる。そして、特には10の13乗台程度の低窒素濃度であっても赤外吸収分光法で十分検出できるほどのNNペアが形成していることがわかった。
本発明者らは以上のことを見出して本発明を完成させた。
図1は、本発明の評価方法の工程の一例を示すフロー図である。図1に示すように、CZ法によって低酸素濃度領域を有する窒素ドープシリコン単結晶を作製し(工程1)、次に赤外吸収分光法によってNNペア由来のピークを検出し(工程2)、該検出結果から窒素濃度を評価する(工程3)。
以下、各工程について詳述する。
CZ法(MCZ法を含む)により窒素ドープシリコン単結晶を作製する。
ここで、まずCZ法によりシリコン単結晶を作製するための装置について図2を参照して説明する。図2に示すように、シリコン単結晶引上げ装置1は、引上げ室2と、引上げ室2中に設けられたルツボ3(内側に石英ルツボ、外側に黒鉛ルツボ)と、ルツボ3の周囲に配置されたヒータ4と、ルツボ3を回転させるルツボ保持軸5及びその回転機構(図示せず)と、シリコンの種結晶6を保持するシードチャック7と、シードチャック7を引上げるワイヤ8と、ワイヤ8を回転又は巻き取る巻取機構(図示せず)を備えて構成されている。また、ヒータ4の外側周囲には断熱材9が配置されている。
シリコン単結晶10は、ルツボ3内に収容された原料のシリコン融液11からワイヤ8によって引上げられる。なお、このシリコン融液11は、窒素ドープ剤としての窒化膜付きシリコンウエーハ等が原料の多結晶シリコンとともに加熱溶融されたものである。
図3に示すように、シリコン単結晶10はコーン部10a、直胴部10b、テール部10cからなっており、ここではテール部10cに酸素濃度が6.0×1017atoms/cm3以下の低酸素濃度領域12が形成されているが、後述するように低酸素濃度領域12の形成位置は特に限定されない。他の条件も考慮して、コーン部10a、直胴部10b、テール部10cのいずれか1つ以上に形成されていれば良い。
シリコン融液11が入ったルツボ3(ここでは内側の石英ルツボ)はシリコンと酸素から成っているので、酸素原子がシリコン融液11内へと溶出する。この酸素原子はシリコン融液内を対流等に乗って移動し、最終的にはシリコン融液11の表面から蒸発していく。この時ほとんどの酸素は蒸発するが、一部の酸素はシリコン単結晶10に取り込まれ、格子間酸素(Oi)となる。
このような調整を適宜行うことによって低酸素濃度領域12をシリコン単結晶10中に形成する。
すなわち、例えば、酸素濃度が6.0×1017atoms/cm3を超えるシリコン単結晶を作製する場合、窒素濃度を測定するために直胴部で低酸素領域を作ると、その部分が製品にならず、歩留まりを下げる要因となる。そのようなときは例えばテール部で酸素濃度が6.0×1017atoms/cm3以下になるように操業条件を制御し、図3のようにテール部10cに低酸素濃度領域12を形成することができる。コーン部10aやテール部10cは直胴部10bよりシリコン融液11の表面積が大きくなるので、より酸素が蒸発しやすくなり、容易に低酸素領域12が形成される。そして後工程において、該箇所を用いて窒素濃度の評価を行うことができる。
もちろん、直胴部の狙い酸素濃度が6.0×1017atoms/cm3以下であるならば、シリコン単結晶の直胴部からブロックを作製した際の端面から赤外吸収測定用のサンプルを切り出し、それを用いて後工程で窒素濃度を直接測定することもできる。
ここで、マルチプリング法とは、ルツボ3に収容されたシリコン融液11からシリコン単結晶10を引上げた後、ルツボ3内に残留するシリコン融液に、原料の多結晶シリコンを追加投入して溶融し、次のシリコン単結晶を引上げるという工程を繰り返し、1つのルツボで複数のシリコン単結晶を引き上げる方法である。
本発明においては、上記のようなマルチプリング法を行い、それによって引き上げる複数のシリコン単結晶のうちの少なくとも1本について窒素濃度を直接測定することで、当該測定した単結晶のみならず、マルチプリング法で引上げた他のシリコン単結晶中の窒素濃度を評価することもできる。
工程1で作製したシリコン単結晶10の低酸素濃度領域12からサンプルを切り出す。
シリコン単結晶から切り出すサンプル形状は特に限定されないが、信号強度を稼ぐためにサンプル厚さは1.5mm以上が好ましい。
特許文献1に記載の通り、950−1050cm−1の領域には、酸素ドナーに関連する非常に弱い一連の振動遷移吸収(1012、1006、1000、988、975cm−1)が現れる。この領域がNNペアの吸収が現れる波数域と一致しているため、通常であれば測定するサンプルごとにスペクトルのベースラインが変動しやすい。NNペアのピーク強度を求める際は窒素が含まれないリファレンスのスペクトルとの差分をとって吸光度スペクトルを求めるのが通常であるが、測定試料とリファレンスで酸素ドナーの強度はふつう一致しないため、測定結果に誤差が生じる可能性は高い。
そして、得られたピーク強度から窒素濃度に換算して評価する。ピーク強度(吸光度)を、Lambert−Beer則により吸収係数αに変換する。窒素濃度への換算は、例えばJEITAの換算係数1.83×1017を用いることができる。
ただし前述の考察の通り、酸素濃度6.0×1017atoms/cm3以下の低酸素濃度結晶でも、その酸素濃度が大きく違えばNOドナーの発生量は異なるはずであり、それに従いNNペアの量も変化すると考えられる。従って、酸素濃度の水準ごとに換算係数を求めておくことが望ましい。
以上により、低酸素濃度領域のシリコン単結晶中の窒素濃度を評価することができる。
すなわち、シリコン単結晶引上げ前の原料溶融時に窒素ドープ剤を投入するようなドープ方法の場合、該シリコン単結晶中の窒素濃度は窒素の偏析係数と固化率に従い決定される。したがって前述したような方法で、引き上げたシリコン単結晶のある部位(低酸素濃度領域)の窒素濃度を求めた場合、窒素の偏析の計算によってシリコン単結晶のそれ以外の部位の窒素濃度も簡便に求めることができる。
すなわち、シリコン単結晶の1本目の引上げ前の原料溶融時に窒素ドープ剤を投入し、1本目のシリコン単結晶を引上げた後の残融液にシリコン原料を投入して再び融液を形成し、該融液から2本目を引き上げ、これらを繰り返すマルチプリング法の場合は、引上げた複数本の結晶のうち1本について、前述したような方法で低酸素濃度領域における窒素濃度を求めれば、該シリコン単結晶全体の窒素濃度を求めることができ、さらには同バッチ中の他のシリコン単結晶中の窒素濃度も求めることができる。
このように、低酸素濃度領域のシリコン単結晶中の窒素濃度を評価し、それからさらに他のシリコン単結晶中の窒素濃度の評価を効率良く行うことができる。
また窒素の偏析の計算を利用して、シリコン単結晶全体、さらにはマルチプリング法における他のシリコン単結晶中の窒素濃度をも簡便に評価することが可能である。
(実施例1)
本発明のシリコン単結晶中の窒素濃度の評価方法を実施した。なお、シリコン単結晶の作製には図2のシリコン単結晶引上げ装置を用いた。
窒化膜付きシリコンウェーハをドープ剤として原料中に投入し、CZ法で低酸素濃度領域を有する窒素ドープシリコン単結晶を引き上げた。そのシリコン単結晶の低酸素濃度領域からサンプルa、bを切り出した。また別の窒素ノンドープシリコン単結晶からリファレンスR1を用意した。
サンプルa、b、リファレンスR1において、それぞれの酸素濃度は3.0×1017、2.6×1017、3.8×1017atoms/cm3であり、導電型はすべてN型、抵抗率はそれぞれ56、43、39Ωcm、厚さはすべて1.9mmである。
963cm−1に現れるNNペア由来のピーク強度(吸光度)は、サンプルa、bについてそれぞれ3.4×10−5、7.3×10−5となり、Lambert−Beer則に従って求めた吸収係数αはそれぞれ4.1×10−4、8.7×10−4cm−1となった。そして換算係数1.83×1017を用いると、それぞれの窒素濃度を7.6×1013、1.6×1014/cm3と求めることができた。
また、原料の窒化膜に含まれる窒素原子数からa、bの窒素濃度を計算で求めたところ、それぞれ3.6×1013、7.2×1013/cm3となった。
計算値と赤外吸収測定値では絶対値の差異はあるものの、計算値と測定値の傾向は同様であった。2点はほぼ比例関係を示しており、本発明の評価方法による定量性は十分あると言える。
なお絶対値の差異に関しては、必要に応じてさらに種々のサンプルについて本発明による測定値と計算値との関連を調査し、キャリブレーションを適宜行ったり、換算するなどして調整することができる。
実施例1と同様に窒化膜付きシリコンウェーハをドープ剤として原料中に投入し、CZ法で窒素ドープシリコン単結晶を引き上げた。そのシリコン単結晶からサンプルc、dを切り出し、また別の窒素ノンドープシリコン単結晶からリファレンスR2を用意した。
サンプルc、d、リファレンスR2において、それぞれの酸素濃度は11.7×1017、11.5×1017、12.1×1017atoms/cm3であり、導電型はすべてP型、抵抗率はそれぞれ24、20、24Ωcmであり、厚さはすべて1.9mmである。
963cm−1に現れるNNペア由来のピーク強度(吸光度)を求めると、サンプルcではピークを検出することができず、サンプルdでは4.9×10−5となった。換算係数1.83×1017を用いて求めたサンプルdの窒素濃度は1.1×1014/cm3だった。
また、ドープ剤原料から計算で求めたサンプルc、dの窒素濃度はそれぞれ3.0×1013、6.3×1013/cm3であった。
サンプルcはピークを検出できなかったので測定値は0/cm3となっている。
また、実施例1のサンプルa、bの2点に比べ、サンプルdは赤外吸収から求めた窒素濃度が計算値よりも低くなっている。これも、図7と同様、サンプルdのような通常酸素濃度ではNOドナーが多量に発生し、低酸素濃度結晶に比べるとNNペアの量が少ないことを裏付けるデータとなっている。
酸素濃度が7×1017atoms/cm3である以外は比較例1と同様にして、サンプルeを用意して窒素濃度について調査を行ったところ、サンプルdと同様に、実施例1のサンプルa、bの2点に比べ、赤外吸収から求めた窒素濃度が計算値から低くなっていた。これもNNペアの量が少ないためと考えられる。
これは、各方法が検出する窒素の形態が異なることによる。特許文献2では熱処理前後の抵抗率の変化からNOドナーを間接的に定量しており、シリコン単結晶中の酸素濃度が高いほどNOドナー生成量も多くなるので、感度が高くなると考えられる。
本発明の評価方法を実施した。低酸素濃度領域の窒素濃度からシリコン単結晶全体の窒素濃度を求めた。なお、ここでは以下のように代表して6つの箇所について求めた。
まず、窒化膜付きシリコンウェーハをドープ剤として原料中に投入し、CZ法で窒素ドープシリコン単結晶を引き上げた。その際、シリコン単結晶の直胴部の全域で酸素濃度が6.0×1017atoms/cm3以下になるように作製した。そして、作製したインゴットのコーン側からの直胴位置20、45、70、95、120、150cmの6箇所でサンプルを切り出し、各位置の酸素濃度を測定したところ、すべて3.0×1017〜3.8×1017atoms/cm3の範囲内であった。
図6に、直胴長さの位置に対する、直胴20cmの部位の窒素濃度と理論曲線を示すとともに、他の部位(45、70、95、120、150cm)の窒素濃度についても測定値を併せて示した。
本発明の評価方法を実施した。
初期メルト重量200kg、引上げ結晶重量150kg、リチャージ原料重量150kgという条件で、マルチプリング法により直径200mmシリコン単結晶を3本引上げた。
このとき、窒素ドープ剤を投入したのは1本目の引上げ前の原料溶融時のみであり、リチャージ時に追加の窒素ドープ剤投入は行っていない。シリコン単結晶引上げ中の操業条件は実施例2と同じである。各インゴットの直胴100、150cmの部位からサンプルを切り出し、インゴット各点の酸素濃度を測定したところ、すべて2.9〜3.6×1017atoms/cm3の範囲内であった。
この定量値から、同じ1本目のシリコン単結晶の100cmの部位や、他の2本目、3本目のシリコン単結晶のサンプル切り出し位置(100、150cm)の窒素濃度を計算により求めた。続いて実際に各位置の窒素濃度について、赤外吸収測定(NNペアについて)を行って求めた。この結果を表1に示す。
4…ヒータ、 5…ルツボ保持軸、 6…種結晶、 7…シードチャック、
8…ワイヤ、 9…断熱材、 10…シリコン単結晶、
10a…コーン部、 10b…直胴部、 10c…テール部、
11…シリコン融液、 12…低酸素濃度領域。
Claims (6)
- チョクラルスキー法により作製した窒素ドープシリコン単結晶中の窒素濃度を評価する方法であって、
前記シリコン単結晶を作製するとき、酸素濃度が6.0×1017atoms/cm3以下の低酸素濃度領域を有するシリコン単結晶を作製し、
該低酸素濃度領域のシリコン単結晶に対し、赤外吸収分光法によりNNペア由来のピークを検出し、該検出結果から窒素濃度を評価することを特徴とするシリコン単結晶中の窒素濃度評価方法。 - 前記低酸素濃度領域における窒素濃度の評価により、1×1014/cm3以下の窒素濃度を評価することを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶中の窒素濃度評価方法。
- 前記低酸素濃度領域において評価した窒素濃度から、窒素の偏析の計算により前記シリコン単結晶全体の窒素濃度を評価することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシリコン単結晶中の窒素濃度評価方法。
- 前記シリコン単結晶をマルチプリング法により作製し、
前記低酸素濃度領域のシリコン単結晶に対して評価した窒素濃度から、マルチプリング法により作製した他のシリコン単結晶中の窒素濃度を評価することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のシリコン単結晶中の窒素濃度評価方法。 - 前記NNペア由来のピークの検出を、酸素ドナーを消去するための熱処理を予め施さずに行うことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のシリコン単結晶中の窒素濃度評価方法。
- 前記低酸素濃度領域を、前記シリコン単結晶のコーン部、直胴部、テール部のいずれか1以上に形成することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のシリコン単結晶中の窒素濃度評価方法。
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