JP2020098104A - シリコン基板中の不純物濃度の測定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
こうして、測定環境の変化によるばらつきを抑制しつつ、測定時間も短縮することができる。
こうすることで、測定環境の変化によるばらつきを抑制しつつ、より多くの評価対象サンプルの測定時間を更に短縮することができる。
このように、酸素、炭素、窒素といった各種不純物が低濃度の場合にも本発明に係るシリコン基板中の不純物濃度の測定方法は適用可能である。
しかし、測定の際の積算回数によっては、1試料の測定に30分以上かかってしまうことがある。例えば、積算回数2000回の条件の場合では、測定時間は1時間超となることもある。その場合では、測定環境の温湿度の変化が測定結果のばらつきの原因となる。
後述の図1に示すように、参照試料のスペクトル測定を行った後、60分を超えて評価対象サンプルのスペクトル測定を行うと、測定環境の温湿度の変化の影響から、不純物濃度が変化し、測定結果のばらつきが大きくなってしまう。
また、測定室の温度変化を例えば±0.5℃、湿度変化を±1%に厳密に管理しても、装置からの発熱や赤外光照射による発熱が発生するため、測定器内の赤外光の光路やサンプルの測定箇所の温湿度を安定させることは非常に困難である。
まず、目的の不純物が含まれないシリコン基板(参照試料)及び評価対象サンプルとなるシリコン基板を準備する。これらのシリコン基板として、同じ厚さ、抵抗率を有し、表面研磨されたものを準備する。例えば、炭素濃度を測定する場合、厚さ2.0mmで、伝導型がp型であれば抵抗率が3Ω・cm以上又はn型であれば1Ω・cm以上のシリコン基板を準備してもよい(非特許文献2)。
次に、参照試料及び評価対象サンプルをそれぞれFT−IR装置の光路に配置し、赤外光を照射し、それぞれの吸光度スペクトルを得る。このとき、参照試料のスペクトル測定を行う前後、60分以内に評価対象サンプルのスペクトル測定を行う。
そして、差スペクトルを求めて、目的の不純物の吸光度を基に吸収係数を決定し、不純物濃度を見積もる。
このような本発明のシリコン基板中の不純物濃度の測定方法によって、所望の低不純物濃度のシリコン基板をデバイス特性に合わせて確実に使用することができる。
具体的には、以下のような順番で評価対象サンプル測定と参照試料測定を行うことができる。その順番は、「評価対象サンプル1測定」→「参照試料測定1」→「評価対象サンプル2測定」→「評価対象サンプル3測定」→「参照試料測定2」→「評価対象サンプル4測定」、以下繰り返しとする(図2参照)。このとき、「評価対象サンプル1測定」および「評価対象サンプル2測定」の差スペクトル取得には、「参照試料測定1」のスペクトルを用いることができる。また、「評価対象サンプル3測定」および「評価対象サンプル4測定」に対しては、「参照試料測定2」のスペクトルを用いることができる。
このように、酸素、炭素、窒素といった各種不純物が低濃度の場合にも本発明に係るシリコン基板中の不純物濃度の測定方法は適用可能である。
厚さ725μmのp型通常抵抗率ウエーハ(基板)を評価対象サンプルとして、FT−IRを用いて酸素濃度を測定した。最初に、酸素が含まれていない多結晶を原料としてFZ法で製造した単結晶から切り出した725μmの参照試料を測定した後、評価対象サンプルを連続で測定した。その結果、おおよそ60分以内であれば、測定結果の酸素濃度は一定であったが、それ以降は上昇していく傾向であった。60分以降で上昇する理由は、測定室の環境の温湿度が変化したことが原因と考えられる。また、120分後の測定を終えた段階で、再び参照試料を測定し、その参照試料を用いた差スペクトルの酸素の吸光度から酸素濃度を求めると60分以内の酸素濃度と同程度になることがわかった。その結果を図1に示す。
本発明に係るシリコン基板中の不純物濃度の測定方法において、図2に示す測定フローを用いた場合の繰り返し測定の測定ばらつきを調査した。この調査は、窒素濃度定量に必要な窒素関連複合体であるNN、NNOおよびNNOO複合体の吸光度について行った。窒素ドープCZウエーハの窒素濃度は室温FT−IR測定のNN、NNO、NNOO複合体の吸光度から見積もられる(非特許文献1)。よって、これらの複合体の吸光度を精度よく求めることは非常に重要である。評価対象サンプルとして、厚さが725μmで酸素濃度が15ppmaの窒素ドープp型ウエーハを用い、参照試料として厚さ725μmで酸素濃度が13ppmaの窒素をドープしていないp型ウエーハを用いた。測定の順番は、「評価対象サンプル測定」→「参照試料測定」→「評価対象サンプル測定」の順番で測定を3回繰り返した。同一の「評価対象サンプル」を6回測定したことになる。この測定フローは、前述の通り「参照試料測定1」の直前、直後に「評価対象サンプル測定1回目」と「評価対象サンプル測定2回目」が行われ、「参照試料測定2」の直前、直後に「評価対象サンプル測定3回目」と「評価対象サンプル測定4回目」が行われ、「参照試料測定3」の直前、直後に「評価対象サンプル測定5回目」と「評価対象サンプル測定6回目」が行われたものである。図3に「評価対象サンプル」のスペクトルを示す。図4に、NN、NNOおよびNNOO複合体の吸光度のばらつきおよび、測定の結果から得られた窒素濃度のばらつきを示す。各複合体の吸光度はフィッティングによって決定した。
図5に示す測定フローを用いた以外は、実施例1と同様に測定ばらつきを評価した。即ち、評価対象サンプルとして、厚さが725μmで酸素濃度が15ppmaの窒素ドープp型ウエーハを用い、参照試料として厚さ725μmで酸素濃度が13ppmaの窒素ドープしていないp型ウエーハを用いた。測定の順番は、「参照試料測定」→「評価対象サンプル測定1回目」→「評価対象サンプル測定2回目」→「評価対象サンプル測定3回目」→「評価対象サンプル測定4回目」→「評価対象サンプル測定5回目」→「評価対象サンプル測定6回目」の順番で同一の「評価対象サンプル」を6回測定した。測定には全体で7時間かかり、評価対象サンプル測定の2回目〜6回目は、参照試料測定から60分を超えていた。図6に「評価対象サンプル」のスペクトルを示す。図7にNN、NNOおよびNNOO複合体の吸光度のばらつきおよび、測定の結果から得られた窒素濃度のばらつきを示す。なお、各複合体の吸光度はフィッティングによって決定した。
図8に示す測定フローを用いた以外は、実施例1と同様に測定ばらつきを評価した。即ち、評価対象サンプルとして、厚さが725μmで酸素濃度が15ppmaの窒素ドープp型ウエーハを用い、参照試料として厚さ725μmで酸素濃度が13ppmaの窒素ドープしていないp型ウエーハを用いた。測定の順番は、「参照試料測定」→「評価対象サンプル測定1回目」→「参照試料測定」→「評価対象サンプル測定2回目」→「参照試料測定」→「評価対象サンプル測定3回目」→「参照試料測定」→「評価対象サンプル測定4回目」→「参照試料測定」→「評価対象サンプル測定5回目」→「参照試料測定」→「評価対象サンプル測定6回目」→の順番で同一の「評価対象サンプル」を参照試料測定の直後に6回測定した。図9に「評価対象サンプル」のスペクトルを示す。図10にNN、NNOおよびNNOO複合体の吸光度のばらつきおよび、測定の結果から得られた窒素濃度のばらつきを示す。各複合体の吸光度はフィッティングによって決定した。
Claims (4)
- FT−IR法によりシリコン基板中の不純物濃度を測定する方法であって、参照試料のスペクトル測定を行う前後、60分以内に評価対象サンプルのスペクトル測定をすることを特徴とするシリコン基板中の不純物濃度の測定方法。
- 前記参照試料のスペクトル測定を行う直前及び直後に、前記評価対象サンプルのスペクトル測定を行うことを特徴とする請求項1に記載のシリコン基板中の不純物濃度の測定方法。
- 2回目以降の前記評価対象サンプルのスペクトル測定を2回連続して行うことを特徴とする請求項2に記載のシリコン基板中の不純物濃度の測定方法。
- 前記測定する不純物濃度を、酸素濃度、炭素濃度、窒素濃度のいずれかとすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のシリコン基板中の不純物濃度の測定方法。
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JP2003059994A (ja) * | 2001-08-08 | 2003-02-28 | Shin Etsu Handotai Co Ltd | サンプルの検査方法及び検査装置並びに検査装置の管理方法 |
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