JP5545131B2 - ボロンドープp型シリコン中の鉄濃度分析における定量分析限界決定方法 - Google Patents
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拡散長Lの変化、δL/Lはシリコン中の再結合中心濃度の測定値ばらつきに相当し、対応する再結合中心の変化は、δN=(2D/(σνL2))・(δL/L)と表すことができる。再結合中心をp型シリコン中のFeとすると、σν=6×10-7cm3/s、少数キャリア(電子)の拡散定数D=40cm2/sとなり、非特許文献1では、少数キャリアの拡散長の測定値LとそのばらつきδL/Lを調べることにより、FeのばらつきδNを算出し、これをシリコン中のFeの検出限界としている。
上記特願2009−202765号に記載の方法は、実シーケンスにしたがったばらつき因子の影響を含むため、信頼性の高い定量分析限界決定方法ではあるが、よりいっそうの信頼性の向上を図ることができれば、工程管理のためにウェーハ内のFe汚染を正確に把握するためにきわめて有利である。
そこで本発明者らは、上記特願2009−202765号に記載の方法に基づき、よりいっそう信頼性の高い定量分析限界決定方法を見出すために鋭意検討を重ねた。その結果、
(1)定量分析限界値には少数キャリア拡散長依存性があること、
(2)ボロンドープp型シリコンウェーハでは酸素原子(格子間酸素)とドープされたボロン原子が光照射により結合し形成されるB−O欠陥が少数キャリア拡散長の測定値に影響を及ぼすこと、
が新たに判明した。したがって、信頼性向上のためには、測定装置の定量分析限界を決定する際に上記少数キャリア拡散長依存性を考慮するとともにB−O欠陥の影響を低減ないし排除すべきである。
本発明者らは、以上の知見に基づき更に検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
[1]表面光電圧測定装置により求められる光照射前後の少数キャリア拡散長の変化に基づき分析対象のボロンドープp型シリコンウェーハの鉄濃度を定量する分析方法の定量分析限界決定方法であって、
前記分析方法によりFe−Bペアを実質的に含まないブランクウェーハの鉄濃度を求め、求められた鉄濃度から定量分析限界値を決定することを、光照射前の少数キャリア拡散長の測定値または複数回の測定を行い得られる複数の測定値の平均値の異なる2つ以上のブランクウェーハに対して行うこと、ここで、前記ブランクウェーハは、抵抗率が10Ωcm以上であり、かつ格子間酸素濃度が7E17/cm3以下であるボロンドープp型シリコンウェーハをFe−Bペア乖離状態としたものであり、
上記2つ以上のブランクウェーハにおいて決定された定量分析限界値と光照射前の少数キャリア拡散長の測定値または複数回の測定を行い得られる複数の測定値の平均値に基づき、定量分析限界値と少数キャリア拡散長との相関関係式を求めるか、または相関関係をグラフ化すること、
前記相関関係式またはグラフを用いて分析対象のボロンドープp型シリコンウェーハの少数キャリア拡散長に依存する定量分析限界を決定すること、
を含むことを特徴とする、前記定量分析限界決定方法。
[2]前記ブランクウェーハの少なくとも1つに、測定前に熱処理を施すことを更に含む、[1]に記載の定量分析限界決定方法。
[3]表面光電圧測定装置により求められる光照射前後の少数キャリア拡散長の変化に基づき分析対象のボロンドープp型シリコンウェーハの鉄濃度を定量する分析方法の定量分析限界決定方法であって、
前記分析方法によりFe−Bペアを実質的に含まないブランクウェーハの鉄濃度を求め、求められた鉄濃度から定量分析限界値を決定することを、少数キャリア拡散長の測定値または複数回の測定を行い得られた複数の測定値の平均値の異なる2つ以上のブランクウェーハに対して行うこと、ここで、前記ブランクウェーハは、n型シリコンウェーハであり、
上記2つ以上のブランクウェーハにおいて決定された定量分析限界値と少数キャリア拡散長の測定値または複数回の測定を行い得られた複数の測定値の平均値に基づき、定量分析限界値と少数キャリア拡散長との相関関係式を求めるか、または相関関係をグラフ化すること、
前記相関関係式またはグラフを用いて分析対象のボロンドープp型シリコンウェーハの少数キャリア拡散長に依存する定量分析限界を決定すること、
を含むことを特徴とする、前記定量分析限界決定方法。
[4]前記ブランクウェーハの少なくとも1つに、測定前に金属汚染処理を施すことを更に含む、[3]に記載の定量分析限界決定方法。
[5]前記ブランクウェーハにおける定量分析限界値を、1つのブランクウェーハに対して鉄濃度を求めることを複数回繰り返して得られた鉄濃度の平均値および標準偏差に基づき決定する、[1]〜[4]のいずれかに記載の定量分析限界決定方法。
一方、SPV法によるボロンドープp型シリコンウェーハの鉄濃度の測定は、p型シリコンウェーハのドーパントであるボロン(B)が格子間Feと結合して形成されたFe−Bペアが表面活性化処理(光照射等)により乖離することに伴う少数キャリア拡散長の変化(低下)を利用している。このFe−Bペアが乖離、結合することに対応した少数キャリア拡散長の変化が、測定装置の性能に起因する、少数キャリア拡散長の測定ばらつき(測定系の持っている測定ばらつき)よりも有意に大きいと言えるか否かが、検出限界(定量分析限界)である。上記の通り少数キャリア拡散長はn型であってもp型であっても測定できるため、測定系のばらつきを知るために使用するテストウェーハは、Fe−Bペアが実質的に存在しないブランクウェーハであれば、n型であってもp型であってもよいのである。そこで本発明ではブランクウェーハとして、第一の態様ではFe−Bペアの乖離処理が施されているためFe−Bペアが実質的に存在しないボロンドープp型シリコンウェーハを使用し、第二の態様では、Fe−Bペアが存在し得ないn型シリコンウェーハを使用する。
ただし、SPV法における表面活性化処理は、主に光照射により行われるが、太陽電池の分野では、シリコン中では製造工程から必然的に混入する酸素原子(格子間酸素)とドープされたボロン原子が光照射により結合しB−O欠陥(B1つに対してOが2つ結合していると言われている)を形成することが報告されている(Schmidt, et. al. “PROGRESS IN UNDERSTANDING AND REDUCING THE LIGHT DEGRADATION OF CZ SILICON SOLAR CELLS”, the 16th European Photovoltaic Solar Energy Conference, Glasgow May 1-5, 2000参照)。したがって、ボロンドープp型シリコンウェーハでは、表面活性化処理(光照射)によりドーパントであるボロンが格子間酸素と結合しB−O欠陥を形成すると考えられる。このB−O欠陥の存在は少数キャリア拡散長を低下させるため、光照射により形成されたB−O欠陥により少数キャリア拡散長が大きく低下しているにもかかわらず、その影響を無視して検出限界を求めると、形成されたB−O欠陥の分だけ検出限界を高めに算出してしまうことになる。そこでボロンドープp型シリコンウェーハをブランクウェーハとする場合には、ボロン濃度および格子間酸素濃度が低いものを使用する必要がある。一方、n型シリコンウェーハであれば、ドーパントはボロンではないため、B−O欠陥の影響を考慮する必要はない。
加えて上記のようにSPV法によって求められるFe濃度の定量分析限界値には拡散長依存性がある。少数キャリア拡散長の測定ばらつきは、少数キャリア拡散長の大きさそのものに強く依存し、少数キャリア拡散長が長くなるほど指数関数的に大きくなるからである。したがって、高い信頼性をもって検出限界を求めるためには、この拡散長依存性を考慮する必要がある。
以上説明したように、本発明は、Fe−Bペアが実質的に存在しないシリコンウェーハをブランクウェーハとしてB−O欠陥の影響を排除したうえで測定系のばらつき情報を得るとともに、定量分析限界値と少数キャリア拡散長との相関関係も考慮して定量分析限界を決定するものである。
以下、本発明について更に詳細に説明する。
Fe濃度=C・{(1/La 2)−(1/Lb 2)} …(1)
ここで、Cは換算係数であり他の測定手法により定量されたものとの比較により求められる。そして定量分析限界値は、一般にブランクの平均と標準偏差から求められる。したがって本発明においても、上記Fe濃度を0とみなし得るブランクウェーハにおけるFe濃度測定を複数回繰り返し、得られた定量値の平均値および標準偏差に基づき、定量分析限界値を求めることが好ましい。
一般に定量分析限界値(検出限界)は、繰り返し測定による平均値Xおよび標準偏差σから、X+3σ(Kaiserの定義)、またはX+3.29σ(Currieの定義)により求めることができる。または、平均値X、標準偏差σを求め、t分布におけるパーセント点tをσにかけることも行われている。この方法では、検出限界は、X+t(n−1,0.01)σがKaiserの定義に、X+2t(n−1,0.05)σがCurrieの定義に相当する。ここで、nは測定の繰返し回数である。本発明でも、上記方法等によって定量分析限界値を算出することができる。また、上記平均値および標準偏差を求めるための測定回数は、2回以上であり、好ましくは3回以上、精度を高めるうえでは5回以上行うことが好ましい。測定回数の上限は特に限定されるものではないが、例えば20回程度である。
ただし、前述のように少数キャリア拡散長の測定ばらつきは、少数キャリア拡散長の大きさそのものに強く依存する。したがって、実際の分析対象であるシリコンウェーハの少数キャリア拡散長とブランクウェーハの少数キャリア拡散長との間に大きな違いがある場合には、少数キャリア拡散長依存性の分だけ誤差要因を含むこととなる。
そこで本発明では、上記誤差要因の影響を低減ないし排除するために、ブランクウェーハとして、少数キャリア拡散長の水準の異なる2つ以上のウェーハを使用する。ここで、少数キャリア拡散長の水準が異なるウェーハとは、Fe濃度算出に用いる少数キャリア拡散長LbまたはLbの平均値が異なるウェーハであることをいう。あるブランクウェーハと他のブランクウェーハと間のLbまたはその平均値の差は、50μm以上あることが好ましく、100μm以上あることがより好ましい。その上限は特に限定されるものではないが、500μm以下程度が適当である。定量分析限界値と少数キャリア拡散長との相関関係を求めるためにはブランクウェーハは1つでは足りず、少数キャリア拡散長の水準の異なる少なくとも2つのブランクウェーハが必要となるが、高い信頼性をもって求めるためには、ブランクウェーハは3つ以上用いることが好ましい。ブランクウェーハの数は、多いほど信頼性の点で望ましいが、測定に要する時間を考慮すると、例えば5つ程度が上限となる。
これに対しn型シリコンウェーハでは、上記の汚染金属とBとのペアによる影響を考慮する必要はないため、第二の態様では、例えばFeによって意図的に金属汚染することによりブランクウェーハの少数キャリア拡散長を制御することができる。また、少数キャリア拡散長はウェーハが薄くなるほど短くなるため、第一の態様、第二の態様とも、少数キャリア拡散長の水準の異なるブランクウェーハとして、厚さの異なるものを使用することもできる。
少数キャリア拡散長が測定精度に与える影響を確認するために、少数キャリア拡散長測定装置を用いて厚さの異なるCZシリコンウェーハの少数キャリア拡散長を測定した。面内9点で少数キャリア拡散長の測定を10回行い標準偏差を求めた。結果を図1に示す。
図1に示すように、SPV測定装置による少数キャリア拡散長の測定ばらつきは少数キャリア拡散長の大きさそのものに強く依存し、少数キャリア拡散長が長くなるほど指数関数的に大きくなる。この結果から、少数キャリア拡散長依存性を無視しては、高い信頼性をもって定量分析限界を求めることはできないことがわかる。
抵抗率1.5Ωcm(B濃度:1E16/cm3)、格子間酸素濃度9E17/cm3のボロンドープp型シリコンウェーハ2枚(図2中、試料1、試料2)を、5質量%のHF溶液に5分間浸漬し自然酸化膜を除去し、その後10分間の超純水リンスを行い、乾燥後、クリーンルーム内雰囲気に24時間放置し、測定の前処理とした。以下において、光照射には装置組み込みの光照射機構を使用し、少数キャリア拡散長の測定は、SEMI準拠のスタンダードモードで実施した。
上記前処理後、Lb測定→光照射→La測定の操作を間を置かずに11回連続的に行った。11回目の操作は1回目の操作における光照射から90分以内に終了した。1回目の操作における光照射により各試料に含まれるFe−Bペアは乖離状態となるが、上記時間内であればFe−Bペアのリペアリングは生じないため、2回目以降の操作で得られた結果はFe−Bペアを含まないブランク試料の結果とみなすことができる。
上記試料1、2について測定されたLb、Laをプロットしたグラフが図2である。上記連続測定においてFe−Bペアに関わる変化は起こらないはずだが、図2に示すように、Lb、Laともに、測定を繰り返すほど単調に減少している。これは、光照射によってB−O欠陥が増加し続けているためであると考えられる。
(1)試料の調製
抵抗率10Ωcm(B濃度:1.3E16/cm3)、格子間酸素濃度7E17/cm3のボロンドープp型CZシリコンウェーハを3枚用意した。
1枚は未処理とし、他の2枚には加熱炉にて800℃で2時間または4時間の熱処理を施した。以下、未処理試料を「試料a」、800℃2時間熱処理した試料を「試料b」、800℃4時間熱処理した試料を「試料c」という。
(2)少数キャリア拡散長の測定、鉄濃度の算出
上記3枚のシリコンウェーハについて、前記2.と同様の方法でLb測定→光照射→La測定の操作を11回繰り返し、2回目〜11回目のLb、La測定値を前記式(1)に導入することでFe濃度を測定した(式(1)中の換算係数Cとしては、通常SPV法で採用されている1×1016(μm2cm−3)を使用した)。
(3)定量分析限界値の算出
上記(2)により10回の測定で求められた鉄濃度の平均値と標準偏差から、前述のKaiserの定義(X+3σ)により3つの試料について定量分析限界値を求めた。
試料a〜cに代えて、以下の4つの試料d〜gを使用した点を除き実施例1と同様の方法により各試料について定量分析限界値を算出した。
試料d:リン(P)濃度が4.5E14/cm3(抵抗率9.8Ωm)、格子間酸素濃度が約9E18/cm3のn型シリコンウェーハ。
試料e、f:試料dと同じn型シリコンウェーハをFeで表面汚染し(Fe表面汚染量:約1E11/cm2)、その後1000℃、1時間の熱処理で表面のFeをウェーハ内部に拡散させることでウェーハ内部を意図的に汚染した試料。
試料g:試料dと同じn型シリコンウェーハをFeで表面汚染し(Fe表面汚染量:約1E12/cm2)、その後1000℃、1時間の熱処理で表面のFeをウェーハ内部に拡散させることでウェーハ内部を意図的に汚染した試料。
試料a〜cに代えて、以下の4つの試料h〜kを使用した点を除き実施例1と同様の方法により各試料について定量分析限界値を算出した。
試料h:抵抗率1.5Ωcm(B濃度約1E16/cm3)のボロンドープp型シリコンウェーハ。
試料i;抵抗率7Ωcm(B濃度約2E15/cm3)のボロンドープp型シリコンウェーハ。
試料j、k:抵抗率18Ωcm(B濃度約約7E14/cm3)のボロンドープp型シリコンウェーハ。
上記4種類のボロンドープp型シリコンウェーハの酸素濃度は、8E17〜1E18/cm3の範囲であった。
また、実施例1、2とも少数キャリア拡散長が長いほど定量分析限界値が低くなる傾向が見られる。即ち、同一測定装置を使用しても、少数キャリア拡散長により鉄濃度の定量分析限界値は異なる。加えて鉄濃度の定量分析限界は、少数キャリア拡散長の測定に使用する装置の性能(少数キャリア拡散長の測定ばらつき)にも依存し、この性能は測定装置の型式、年代、整備状態などにより異なる。したがって、実評価において鉄濃度が「定量分析限界以下」と判定されたウェーハの鉄濃度が、いくつ以下であったかをより正確に知るためには、各測定装置毎に、B−O欠陥の影響を低減ないし排除した定量分析限界値と少数キャリア拡散長との相関関係を把握しておく必要がある。そのためには、例えば図6にモデル図を示すように、異なる測定装置毎にB−O欠陥の影響を低減ないし排除した定量分析限界値と少数キャリア拡散長との相関関係をグラフ化すること(または相関関係式を求めること)が望ましい。これにより、使用する測定装置の上記相関関係を示すグラフ(または相関関係式)に実際に測定された少数キャリア拡散長の数値を当てはめることにより、定量分析限界値を正確に導き出すことが可能となる。
また、前述の非特許文献1に記載の方法は、少数キャリアの拡散長の測定ばらつき情報は含むが、各種操作誤差に起因するばらつきは考慮されていない。これに対し本発明の決定方法は、実シーケンス同じく測定を行い、そのばらつきから定量分析限界を求めるものであるため、得られる定量分析限界は、より信頼性が高いものである。
Claims (5)
- 表面光電圧測定装置により求められる光照射前後の少数キャリア拡散長の変化に基づき分析対象のボロンドープp型シリコンウェーハの鉄濃度を定量する分析方法の定量分析限界決定方法であって、
前記分析方法によりFe−Bペアを実質的に含まないブランクウェーハの鉄濃度を求め、求められた鉄濃度から定量分析限界値を決定することを、光照射前の少数キャリア拡散長の測定値または複数回の測定を行い得られる複数の測定値の平均値の異なる2つ以上のブランクウェーハに対して行うこと、ここで、前記ブランクウェーハは、抵抗率が10Ωcm以上であり、かつ格子間酸素濃度が7E17/cm3以下であるボロンドープp型シリコンウェーハをFe−Bペア乖離状態としたものであり、
上記2つ以上のブランクウェーハにおいて決定された定量分析限界値と光照射前の少数キャリア拡散長の測定値または複数回の測定を行い得られる複数の測定値の平均値に基づき、定量分析限界値と少数キャリア拡散長との相関関係式を求めるか、または相関関係をグラフ化すること、
前記相関関係式またはグラフを用いて分析対象のボロンドープp型シリコンウェーハの少数キャリア拡散長に依存する定量分析限界を決定すること、
を含むことを特徴とする、前記定量分析限界決定方法。 - 前記ブランクウェーハの少なくとも1つに、測定前に熱処理を施すことを更に含む、請求項1に記載の定量分析限界決定方法。
- 表面光電圧測定装置により求められる光照射前後の少数キャリア拡散長の変化に基づき分析対象のボロンドープp型シリコンウェーハの鉄濃度を定量する分析方法の定量分析限界決定方法であって、
前記分析方法によりFe−Bペアを実質的に含まないブランクウェーハの鉄濃度を求め、求められた鉄濃度から定量分析限界値を決定することを、少数キャリア拡散長の測定値または複数回の測定を行い得られた複数の測定値の平均値の異なる2つ以上のブランクウェーハに対して行うこと、ここで、前記ブランクウェーハは、n型シリコンウェーハであり、
上記2つ以上のブランクウェーハにおいて決定された定量分析限界値と少数キャリア拡散長の測定値または複数回の測定を行い得られた複数の測定値の平均値に基づき、定量分析限界値と少数キャリア拡散長との相関関係式を求めるか、または相関関係をグラフ化すること、
前記相関関係式またはグラフを用いて分析対象のボロンドープp型シリコンウェーハの少数キャリア拡散長に依存する定量分析限界を決定すること、
を含むことを特徴とする、前記定量分析限界決定方法。 - 前記ブランクウェーハの少なくとも1つに、測定前に金属汚染処理を施すことを更に含む、請求項3に記載の定量分析限界決定方法。
- 前記ブランクウェーハにおける定量分析限界値を、1つのブランクウェーハに対して鉄濃度を求めることを複数回繰り返して得られた鉄濃度の平均値および標準偏差に基づき決定する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の定量分析限界決定方法。
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