JP2021059909A - 遮水シートの接続方法、遮水シート接続体、および、ブロックマット - Google Patents

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Abstract

【課題】遮水シートが織布または不織布からなる保護層を有する場合でもあっても、水密性を確保することが可能な遮水シートの接続方法を提供する。【解決手段】織布または不織布からなる層と遮水層とを備えた複数の遮水シートを互いに接続するための方法であって、前記複数の遮水シートのうち、一の遮水シートと他の遮水シートとを重ね合わせ部を有するように設置する工程、該重ね合わせ部を接着剤を介して接続する接着工程、を備え、前記重ね合わせ部における前記織布または不織布からなる層の少なくとも一部の厚み方向全体に亘って接着剤を含浸させ、かつ、前記重ねあわせ部の幅方向に直交する方向に連続して接着剤を含浸させることを特徴とする遮水シートの接続方法。【選択図】図2

Description

本発明は、遮水シートの接続方法、該接続方法により接続された遮水シート接続体、および、該遮水シート接続体とコンクリートブロックとを備えたブロックマットに関する。
遮水シートは、河川、ため池などにおける遮水工として使用される。また、産業廃棄物などを貯蔵する埋立処分場では、処分場の凹面に遮水工を設けることが義務付けられている。
ため池や、埋立処分場用途においては、高い不透水性(水密性)が要求されている。よって、遮水シート自体は高い遮水性を有していたとしても、遮水シートの継目部の遮水性をいかに確保するかが問題となる。
特許文献1には、廃棄物処理場の凹面を覆う遮水シートの継目部の封止構造が記載されており、樹脂製の遮水シートの重ね合わせ部を覆うようにして接着剤40を塗布することで、遮水シート同士が接続されている。
特開2004−74042号公報
遮水工用途の遮水シートでは、強度を付与する観点から、遮水層以外に、保護層を設けることが好ましい。保護層を設けることで、遮水シート表面を砂利や、廃棄物から保護したり、また、敷設する土壌の凹凸から保護したりすることが可能となる。
なお、遮水シートの保護層としては、織布または不織布からなる層を使用することができる。
しかしながら、特許文献1の遮水シートの継目部の封止構造においては、保護層を有さない樹脂製の遮水シートを想定しており、保護層を有する遮水シートを使用した場合は、水密性を確保できないという問題があった。また、特許文献1の封止構造では、接着剤40が表面に露出しており、該接着剤40が損傷し易いという問題があった。
以上より、本発明では、遮水シートが織布または不織布からなる保護層を有する場合でもあっても、水密性を確保することが可能な遮水シートの接続方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、本発明者は、遮水シート同士を接続する接着剤を、遮水シートの織布または不織布からなる層にも含浸させるようにして、該織布または不織布からなる層における水の通り道を遮断することにより、上記課題を解決できるとの着想を得ることによって、以下の発明を完成させた。
第1の本発明は、織布または不織布からなる層と遮水層とを備えた複数の遮水シートを互いに接続するための方法であって、前記複数の遮水シートのうち、一の遮水シートと他の遮水シートとを重ね合わせ部を有するように設置する工程、該重ね合わせ部を接着剤を介して接続する接着工程、を備え、
前記重ね合わせ部における前記織布または不織布からなる層の少なくとも一部の厚み方向全体に亘って接着剤を含浸させ、かつ、前記重ねあわせ部の幅方向に直交する方向に連続して接着剤を含浸させることを特徴とする遮水シートの接続方法である。
第1の本発明において、接着剤を塗布した箇所における前記織布または不織布からなる層の接着剤の含浸量が、0.5〜6kg/mであることが好ましい。
第1の本発明において、前記織布または不織布からなる層の厚みが、0.5〜15mmであることが好ましい。
第1の本発明において、前記重ね合わせ部の幅が5mm以上であることが好ましい。
第1の本発明において、前記接着剤の粘度が、100,000mPa・s未満であることが好ましい。
第2の本発明は、織布または不織布からなる層と遮水層とを備えた複数の遮水シートを備え、該遮水シート同士が重ね合わせ部を有するように配置され、該重ね合わせ部において、遮水シート同士が接着剤を介して互いに接続されている、遮水シート接続体であって、
前記重ね合わせ部における織布または不織布からなる層の少なくとも一部が厚み方向全体に亘って前記接着剤が含浸し、かつ、前記重ねあわせ部の幅方向に直交する方向に連続して前記接着剤が含浸した接着剤含浸層である、遮水シート接続体である。
第2の本発明において、前記接着剤含浸層における接着剤の含浸量が、0.5〜6kg/mであることが好ましい。
第2の本発明において、前記遮織布または不織布からなる層の厚みが、0.5〜15mmであることが好ましい。
第2の本発明において、前記重ね合わせ部の幅が5mm以上であることが好ましい。
第2の本発明において、前記重ね合わせ部の層構成として、遮水層/接着剤含浸層/遮水層を備えることが好ましい。
第3の本発明は、第2の本発明の遮水シート接続体、および、コンクリートブロックを備えた、ブロックマットである。
本発明の遮水シートの接続方法によれば、遮水シートが織布または不織布からなる保護層を有する場合でもあっても、水密性を確保することが可能なように遮水シート同士を接続することができ、水密性を有する遮水シート接続体を提供することができる。
ここで、水密性(以下、不透水性という場合もある。)とは、本願明細書の実施例において示した漏水試験において、少なくとも24時間以上漏水しないもの、好ましくは240時間以上漏水しないものをいう。
図1(a)〜(c)は、従来の遮水シート接続体の接続部の断面を示す概念図である。 図2(a)〜(c)は、本発明の遮水シート接続体の接続部の断面を示す概念図である。
<遮水シートの接続方法>
本発明の遮水シートの接続方法は、織布または不織布からなる層と遮水層とを備えた複数の遮水シートを互いに接続するための方法であって、前記複数の遮水シートのうち、一の遮水シートと他の遮水シートとを重ね合わせ部を有するように設置する工程、該重ね合わせ部を接着剤を介して接続する接着工程、を備え、
前記重ね合わせ部における前記織布または不織布からなる層の少なくとも一部の厚み方向全体に亘って接着剤を含浸させ、かつ、前記重ね合わせ部の幅方向に直交する方向に連続して接着剤を含浸させることを特徴とする。
まず、本発明の接続方法を、従来の方法と比較しつつ、説明する。
遮水シートは、強度を付与する観点から、遮水層以外に、保護層である織布または不織布からなる層を有していることが好ましい。このような形態の遮水シートを接着剤を介して接続する場合、織布または不織布からなる層があるがために、水密性が確保できないという問題があった。
以下、図1を用いて具体的に説明する。図1(a)は、保護層10A、30Aを遮水層20Aの両面に備える遮水シート100Aと、保護層10B、30Bを遮水層20Bの両面に備える遮水シート100Bとを接続する場合を示した概念図である。図1(b)は、保護層10A´を遮水層20A´の片面のみに備える遮水シート100A´と、保護層10B´を遮水層20B´の片面のみに備える遮水シート100B´とを接続する場合を示した概念図である。
それぞれ接着剤40によって、遮水シート同士を接続しており、図示上側が、貯水側であり、下側が土壌側である。いずれにおいても、貯水側から、土壌側へ、水が透水可能なルート(図示中の矢印で示したルート)が存在しているために、水密性が確保できていない。
また、図1(c)には、遮水シート100Aと遮水シート100Bとを接着剤40を介して接続し、かつ、接続箇所の表面および裏面の両方を、止水シール50によって覆った形態を示した。このように止水シール50によって覆った場合であっても、依然として、貯水側から、土壌側へ、水が透水可能なルート(図示中の矢印で示したルート)が存在しており、水密性は確保できていない。
以上のように、遮水層以外に織布または不織布からなる層(保護層)を有する形態の遮水シートを使用する場合において、従来の方法では、これら遮水シートを互いに接続する場合に、その接続箇所における水密性を確保することが難しかった。本発明では、貯水側から、土壌側へ、水が透水可能なルートを遮断する方法として、接着剤を織布または不織布からなる保護層の厚み方向全体に亘って含浸させ、かつ、遮水シート同士の重ね合わせ部の幅方向に直交する方向に連続して接着剤を含浸させるという、従来とは異なるアプローチを採用することによって、水密性の問題を解決している。
図2(a)に本発明の遮水シートの接続方法の概念図を示す。本発明の遮水シートの接続方法では、遮水シート100Aと遮水シート100Bの重ね合わせ部Wにおける織布または不織布からなる層30A、10Bの厚み方向全体に亘って接着剤が含浸しており、接着剤含浸層30AW、10BWが形成されている。
図2(a)の紙面上の左右方向をX軸方向、図2の紙面上の上下方向をY軸方向、および、図2の奥手前方向をZ軸方向とする。接着剤は、重ね合わせ部Wの幅方向(X軸方向)に直交する方向(Z軸方向)においては、該方向(Z軸方向)の全体に亘って連続して塗布する必要がある。これにより、遮水シートのZ軸方向全体において水密性を確保することができる。
また、本発明においては、重ね合わせ部WのY軸方向において、接着剤が織布または不織布からなる層30A、10Bを厚み方向全体に亘って含浸している。つまり、接着剤が、重ね合わせ部Wにおいて、織布または不織布からなる層30A、10Bを貫いて、遮水層20A、20Bに達するまで浸透している。これにより、重ね合わせ部Wにおける織布または不織布からなる層30A、10B中に、いわゆる接着剤による壁が形成されて、貯水側から土壌側への水の浸透ルートを遮断することができる。
また、上記したように接着剤は重ね合わせ部WのZ軸方向の全体に亘って、連続して含浸しているので、上記いわゆる接着剤による壁は、重ね合わせ部WにおいてZ軸方向全体に亘って連なって形成されている。
なお、重ね合わせ部WのX軸方向においては、必ずしも重ね合わせ部Wの全体に接着剤を塗布する必要はない。上記したように、貯水側から土壌側への水の浸透ルートを遮断する壁を形成できれば十分であるので、重ね合わせ部Wにおける接着剤を塗布するX軸方向の幅は、少なくとも5mm以上であることが好ましく、8mm以上がより好ましく、10mm以上がさらに好ましい。なお、該幅の上限は、重ね合わせ部Wの幅である。ここで、該X軸方向の幅とは、織布または不織布からなる層上に塗布した接着剤の幅をいう。
なお、図2(b)に、織布または不織布からなる層を遮水層の片面にのみ有する遮水シートを接続する場合を示したが、この場合においては、接着剤を織布または不織布からなる層10B´の厚み方向の全体に亘って含浸させ、かつ、重ね合わせ部の幅方向に直交する方向に連続して含浸させればよい。
以下、本発明の遮水シートの接続方法について、各工程順に説明する。
(設置工程)
設置工程では、複数の遮水シートのうち、一の遮水シートと他の遮水シートとを重ね合わせ部を有するように設置する。
「複数の遮水シート」とは、二以上の遮水シートを意味し、本発明の遮水シートの接続方法では、複数の遮水シートを接続して、例えば、ため池の遮水工とすることを想定しており、該ため池の大きさに対応した数の遮水シートを意味する。
また、一の遮水シートと他の遮水シートとは、該複数の遮水シートのうち、隣り合う一組の遮水シートを意味し、互いに、接続させる遮水シートの組み合わせを意味する。
設置工程では、接合する遮水シート同士が互いに重ね合わせ部を有するように設置される。重ね合わせ部Wの幅は、止水性の観点から、下限が5mm以上が好ましく、50mm以上がより好ましく、70mmがさらに好ましく、100mm以上がさらに好ましく、150mm以上が特に好ましい。上限は特に限定されないが、経済性の点から、1,000mm以下が好ましく、500mm以下がより好ましい。
遮水シートとしては、遮水層と、織布または不織布からなる層とを有する遮水シートであれば、特に限定されずに、使用することが可能である。遮水シートは、遮水層の片面に織布または不織布からなる層を有していてもよいし、遮水層の両面に織布または不織布からなる層を有していてもよい。
遮水層は、不透水性を有する層であれば、その材質は限定されないが、例えば、PVC、EVA等の樹脂材料、加硫ゴム等を挙げることができる。中でも、強度、施工性、耐久性および入手のしやすさの点から、PVCまたはEVAからなる遮水層を用いることが好ましい。
遮水層の厚みは、不透水性を発揮できる厚みであれば、特に限定されないが、例えば、止水性の点から、下限は0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましく、0.3mm以上がさらに好ましい。経済性、施工性の点から、上限は5mm以下が好ましく、3mm以下がより好ましい。
織布または不織布からなる層は、上記の遮水層を保護するための層であり、保護層として機能することができれば、その材質、厚みは特に限定されない。材質としては、例えば、耐久性の点から、好ましくは、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートを挙げることができる。
また、不織布は短繊維不織布、長繊維不織布のいずれでもよく、リサイクル繊維を使用した反毛フェルト等を使用することもできる。なかでも、接着剤の含浸性の点から、短繊維不織布を好ましく使用することができる。
織布または不織布を構成する繊維の繊度は、3.3〜20dTexとすることが、接着剤を含浸させる点から好ましい。
織布または不織布からなる層の厚みは、補強層として機能させる点から、下限は0.5mm以上が好ましく、1mm以上がより好ましい。上限は、接着剤を厚み方向全体に亘って含浸させる点から、15mm以下が好ましく、10mm以下がより好ましい。
また、上記遮水層と織布または不織布からなる層とを接着するために、加熱ロールや加熱板に挟んで熱融着させても良い。
(接着工程)
上記設置工程の後、接着工程では、遮水シートの重ね合わせ部を接着剤を介して接続する。接続する一の遮水シートと他の遮水シートとの間に接着剤を塗布して、接着剤を介してこれらを接合する。
重ね合わせ部における織布または不織布からなる層の少なくとも一部の厚み方向全体に亘って(つまり、接着剤が、織布または不織布からなる層を貫いて遮水層に到達するまで)接着剤を含浸させることができ、かつ、重ね合わせ部の幅方向に直交する方向に連続して接着剤を含浸させることができるのであれば、接着剤の塗布箇所は限定されないが、織布または不織布からなる層に接着剤を含浸させるべく、織布または不織布からなる層側に塗布することが好ましい。
よって、図2の(a)の形態では、双方の遮水シート100A、100Bにおける織布または不織布からなる層30A、10Bに接着剤を塗布することが好ましく、図2の(b)の形態では、遮水シート100B´の織布または不織布からなる層10B´側に少なくとも接着剤を塗布することが好ましい。
また、「織布または不織布からなる層の厚み方向全体に亘って接着剤を含浸させる」とは、接着剤が図2のY軸方向に織布または不織布からなる層を貫いて遮水層まで含浸していることを意味しているが、含浸した接着剤によって遮水性を有する壁が形成されているのであれば、接着剤の含浸濃度がY軸方向に濃度勾配(グラデーション)を有していても構わない。
また、上記したように、重ねあわせ部Wにおいて、接着剤は少なくとも5mm幅以上で塗布されていることが好ましく、より好ましい形態は、図2(c)に示すように、貯水側の遮水シート100Aの小口側を含むように接着剤が塗布された形態である。このような形態とすることにより、接着剤の塗布量を最小限に抑えつつ遮水性を付与することができる。
本発明の遮水シートの接続方法においては、上記したように織布または不織布からなる層の厚み方向全体に亘って接着剤を含浸させるべく、接着剤を塗布した箇所における織布または不織布からなる層の接着剤の含浸量を0.5〜6kg/mとすることが好ましく、1.5〜3.5kg/mとすることがより好ましい。0.5kg/m以上とすることで、接着剤を織布または不織布からなる層の厚み方向全体に亘って十分に含浸させることができ、また、6kg/m以下とすることで、接着剤の無駄を省くことが可能となる。
上記含浸量は、接着剤を塗布した重ね合わせ部の面積(m)を基準として(図2(a)、図2(b)ではWの面積を基準とし、図2(c)ではW1の面積を基準とする。)、あらかじめ計量した接着剤を塗布した後、塗布面を上に向けて、30分経過後、織布または不織布からなる層に含浸せずに残っている接着剤の量(kg)を計量することにより、含浸した接着剤の量を算出し、これを基準とする上記「接着剤を塗布した重ね合わせ部の面積」で割って算出した値である。
(接着剤)
使用する接着剤は、織布または不織布からなる層に含浸させることが可能であって、硬化後の接着剤が、水に不溶なものでれば、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂接着剤、ウレタン樹脂接着剤を使用することが可能である。中でも耐水性や耐薬品性の点から、エポキシ樹脂接着剤が好ましい。
接着剤の粘度は、100,000mPa・s未満であることが好ましく、80,000mPa・s未満であることがより好ましく、10,000mPa・s未満であることがさらに好ましく、5,000mPa・s未満であることがさらに好ましく、500mPa・s未満であることがさらに好ましい。粘度が低い方が織布または不織布からなる層に含浸させ易く、上記上限未満だと、含浸させることが可能となる。また、接着剤の粘度の下限は特に限定されないが、通常、10mPa・s以上、好ましくは30mPa・s以上、より好ましくは50mPa・s以上である。
なお、本発明における接着剤の粘度は、23℃で、B型粘度計にて測定される値であり、接着剤が主剤と硬化剤とを有している場合は、それらを混合してから10分以内に測定するものとする。
接着剤は、上記範囲の粘度である限り、フィラーを有していてもよい。
<遮水シート接続体>
本発明の遮水シート接続体は、織布または不織布からなる層と遮水層とを備えた複数の遮水シートを備え、該遮水シート同士が重ね合わせ部を有するように配置され、該重ね合わせ部において、遮水シート同士が接着剤を介して互に接続されている、遮水シート接続体であって、前記重ね合わせ部における織布または不織布からなる層の少なくとも一部が厚み方向全体に亘って前記接着剤が含浸し、かつ、前記重ねあわせ部の幅方向に直交する方向に連続して前記接着剤が含浸した接着剤含浸層である。
該遮水シート接続体は、上記した本発明の遮水シートの接続方法により得ることができる。
本発明の遮水シート接続体は、図2に接続箇所の断面図を示したように、前記重ね合わせ部の層構成として、遮水層/接着剤含浸層/遮水層を備えている。図2(a)の構成では、重ね合わせ部の層構成は、全体で、織布または不織布からなる層30B/遮水層20B/接着剤含浸層10BW、30AW/遮水層20A/織布または不織布からなる層10Aとなっている。
また、図2(b)の構成では、重ね合わせ部の層構成は、全体で、遮水層20B´/接着剤含浸層10B´W/遮水層20A´/織布または不織布からなる層10A´となっている。
また、図2(c)の構成では、重ね合わせ部の一部において、図2(a)と同じ層構成を備えている。
上記のように、接着剤含浸層は、接着剤が含浸してなる複数の織布または不織布からなる層から形成されていてもよいし、また、一部に接着剤のみからなる部分(例えば、接着剤が含浸してなる織布または不織布からなる層同士の接着界面における接着剤層)があっても構わない。
<ブロックマット>
本発明のブロックマットは、上記した遮水シート接続体、および、コンクリートブロックを備えている。コンクリートブロックは、通常の方法により遮水シート接続体に接続させればよく、例えば、接着剤を用いた方法、未硬化のコンクリートブロックの一部を、遮水シート接続体の織布または不織布からなる層に含浸させてからコンクリートを硬化させる方法を挙げることができる。
以下、本発明の遮水シートの接続方法および遮水シート接続体を実施例に基づいてより詳細に説明する。なお、本発明の遮水シートの接続方法および遮水シート接続体は、以下の実施例及び比較例によって何ら限定されるものではない。
<実施例1>
PP短繊維不織布からなる表層(厚さ:2mm)と、PET短繊維不織布からなる裏層(厚さ:2mm)と、中間層にEVAの遮水層(厚さ:0.5mm)とを加熱ロールに圧着させ、全体厚み3.0mm、幅800mm×長さ600mの大きさの遮水シートを二枚準備した。
該遮水シートを、長さ600mmのうち200mmが重ね合わせ部となるように、いずれも表層が上になるようにして、重ねて設置し、接着剤を3.5kg/mとなるように、重ね合わせ部に相当する箇所の、表層および裏層のそれぞれに塗布して、それぞれの不織布層に接着剤を含浸させてから、二枚の遮水シートを接着させた。
接着剤としては、エポキシ樹脂接着剤(粘度:90mPa・s)を使用した。
接着は、二枚の遮水シートを張り合わせた後、張り合わせ部の上に、重り(3kg)を置いて、24時間放置することにより行った。
使用した各種材料について表1に示す。
接着剤の塗布量に対する含浸量の割合は、所定量の接着剤を、表層および裏層のそれぞれの不織布上に塗布し、30分放置した後に、含浸しなかった接着剤をふき取って、該含浸しなかった接着剤の量を軽量して、以下の式(1)に従って計算した。
(塗布量−含浸しなかった接着剤の量(kg))/塗布量(kg)×100 式(1)
また、接着剤の含浸量は、以下の式(2)に従って計算した。
(塗布量−含浸しなかった接着剤の量(kg))/接着剤を塗布した重ね合わせ部の面積(m) 式(2)
なお、実施例1、実施例2、および、比較例2における「塗布量(kg)」は、表層および裏層の塗布した量の合計値である。また、「接着剤を塗布した重ね合わせ部の面積(m)」は、遮水シートの幅800mm×重ね幅200mm=0.16mである。
<実施例2>
接着剤として、フィラー入りのエポキシ樹脂接着剤(粘度:78,000mPa・s)を使用して、接着剤の塗布量を6kg/mとなるようにした以外は、実施例1と同様にして遮水シートを接続させた。
<比較例1>
二枚の遮水シートを、実施例1と同様にして重ね合わせ部を有するように設置した後、接着剤を使用せずに、図1(c)に示すように、幅50mm、長さ800mmのブチル樹脂製の止水テープをシート接続部の両面に貼って、遮水シート同士を接続した。
<比較例2>
接着剤としてベントナイトを使用して、接着剤の塗布量を4kg/mとなるようにした以外は、実施例1と同様にして遮水シートを接続させた。
ベントナイトとしては、粒状、透水係数5.0×10−9cm/秒、ASTM D5890に準拠して測定した膨潤力20ml/2g以上のものを使用した。
ベントナイトは、表層および裏層のいずれにも塗布したが、不織布層には含浸しなかった。
Figure 2021059909
<評価方法>
上記により接続した遮水シート接続体について、以下に示す評価を行った。評価結果を表2に示す。
(漏水試験)
400mm×600mmの水槽の上に、上記実施例および比較例にて接続したシート接続体を被せ、シート接続体の重ね合わせ部分が水槽中に凹部を形成するようにして設置し、該凹部に12リットルの水を流し入れ、以下の基準で評価した。
◎:水槽の水が240時間以上漏水しないもの、
○:24時間以上240時間未満漏水しないもの、
△:3時間以上24時間未満漏水しないもの、
×:3時間未満で漏水したもの、
(引張強度)
上記実施例および比較例にて接続したシート接続体を幅50mm、長さ1000mmで切断して、200mmの重ね合わせ部を中央に有する試験片を用いて180℃剥離試験を行い、以下の基準で評価した。
○:接着部分での剥離がないもの、
△:2.94kN/5cm以上で接着部分で剥離したもの、
×:2.94kN/5cm未満で接着部分で剥離したもの、
Figure 2021059909
本願発明の遮水シートの接続方法によれば、不織布層の厚み方向全体に亘って接着剤が含浸し、かつ、重ね合わせ部の幅方向に直交する方向に連続して接着剤が含浸しているので、得られるシート接続体は、水密性に優れていた。粘度が高い接着剤を使用した場合(実施例2)は、接着剤の含浸量が少なくなったため、水密性が実施例1に比較すると劣っていたが、それでも十分な値を示した。
これに対して、接着剤が不織布層に含浸しなかった場合(比較例1,2)は、不織布層を介して水が透過してしまうので、水密性に劣っていた。
本発明の遮水シートの接続方法によれば、水密性を有する遮水シート接続体を得ることができ、河川、ため池、産業廃棄物の貯蔵施設における、遮水工として、好適に使用可能である。特に、高い水密性が必要とされる、ため池、産業廃棄物の貯蔵施設において好適である。
100A、100B、100A´、100B´:遮水シート、
10A、30A、10B、30B、10A´、10B´:織布または不織布からなる層、
20A、20B、20A´、20B´:遮水層、
50:止水シール、
W:重ね合わせ部、
10BW、30AW、10B´W:接着剤含浸層、

Claims (11)

  1. 織布または不織布からなる層と遮水層とを備えた複数の遮水シートを互いに接続するための方法であって、前記複数の遮水シートのうち、一の遮水シートと他の遮水シートとを重ね合わせ部を有するように設置する工程、該重ね合わせ部を接着剤を介して接続する接着工程、を備え、
    前記重ね合わせ部における前記織布または不織布からなる層の少なくとも一部の厚み方向全体に亘って接着剤を含浸させ、かつ、前記重ねあわせ部の幅方向に直交する方向に連続して接着剤を含浸させることを特徴とする遮水シートの接続方法。
  2. 接着剤を塗布した箇所における前記織布または不織布からなる層の接着剤の含浸量が、0.5〜6kg/mである、請求項1に記載の遮水シートの接続方法。
  3. 前記織布または不織布からなる層の厚みが、0.5〜15mmである、請求項1または2に記載の遮水シートの接続方法。
  4. 前記重ね合わせ部の幅が5mm以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の遮水シートの接続方法。
  5. 前記接着剤の粘度が、100,000mPa・s未満である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の遮水シートの接続方法。
  6. 織布または不織布からなる層と遮水層とを備えた複数の遮水シートを備え、該遮水シート同士が重ね合わせ部を有するように配置され、該重ね合わせ部において、遮水シート同士が接着剤を介して互いに接続されている、遮水シート接続体であって、
    前記重ね合わせ部における織布または不織布からなる層の少なくとも一部が厚み方向全体に亘って前記接着剤が含浸し、かつ、前記重ねあわせ部の幅方向に直交する方向に連続して前記接着剤が含浸した接着剤含浸層である、遮水シート接続体。
  7. 前記接着剤含浸層における接着剤の含浸量が、0.5〜6kg/mである、請求項6に記載の遮水シート接続体。
  8. 前記遮織布または不織布からなる層の厚みが、0.5〜15mmである、請求項6または7に記載の遮水シート接続体。
  9. 前記重ね合わせ部の幅が5mm以上である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の遮水シート接続体。
  10. 前記重ね合わせ部の層構成として、遮水層/接着剤含浸層/遮水層を備える、請求項6〜9のいずれか1項に記載の遮水シート接続体。
  11. 請求項6〜10のいずれか1項に記載の遮水シート接続体、および、コンクリートブロックを備えた、ブロックマット。
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