JP2001314831A - 遮水構造 - Google Patents

遮水構造

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JP2001314831A
JP2001314831A JP2000139307A JP2000139307A JP2001314831A JP 2001314831 A JP2001314831 A JP 2001314831A JP 2000139307 A JP2000139307 A JP 2000139307A JP 2000139307 A JP2000139307 A JP 2000139307A JP 2001314831 A JP2001314831 A JP 2001314831A
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JP2000139307A
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Shigeru Tomono
茂 伴野
Hideki Wakabayashi
秀樹 若林
Etsuji Kaminoyama
悦治 上ノ山
Toru Shimomura
徹 下村
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Kajima Corp
Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Kajima Corp
Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】遮水シートが破損して漏水が発生しても水が通
水性のある層内で拡散したりシートと下地の間やシート
同士の間の空隙をつたって拡散することがなく、破損に
よる被害の拡大を阻止できる遮水構造を提供する。 【解決手段】廃棄物処分場や貯水池などの下地に施工す
る複数層のシートを積層敷設する遮水構造において、下
地1に直接敷設する通水性のない第1層2と下地1との
間と、第1層2とその上に積層する第2層3との間の少
なくともいずれか一方を実質的に空気の介在しない密着
状態とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は廃棄物最終処分場や
貯水池などの下地に施工する遮水構造に関するものであ
り、詳しくは遮水シートが損傷しても被害の拡散しにく
い遮水構造を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】産業廃棄物や一般廃棄物を投棄する埋め
立て型の廃棄物最終処分場では、処分場から漏出する汚
水が地下に浸透し、環境汚染を引き起こすことを防止す
るために、不透水性地層がない処分場の場合は底面に遮
水工を施すことが義務づけられている。平成10年6月
16日公布の厚生省、総理府の共同で出された「一般廃
棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技
術上の基準を定める命令の一部を改正する命令」では、
「厚さ50cm以上、透水係数が10nm/s以下であ
る粘土などの層に遮水シートが敷設されていること、あ
るいは厚さが5cm以上であり、かつ透水係数が1nm
/s以下であるアスファルト・コンクリートの層の表面
に遮水シートが敷設されていること。あるいは不職布そ
の他の物の表面に二重の遮水シート(二重の遮水シート
の間に車両の走行などの衝撃により双方のシートが同時
に損傷することを防止できる不織布その他の物が設けら
れているものに限る.)が敷設されていること」となっ
ている。
【0003】遮水工として様々なものが挙げられるが、
確実性、安全性、施工性、経済性の面から樹脂製のシー
トやゴム製の遮水シートを敷設する方法がしばしば採用
されている。また、貯水池、溜め池、プール等の凹所に
貯水する施設の底面には、漏水を防止するために、廃棄
物最終処分場と同様に遮水シートが敷設される。さらに
地中構造物などにおいては、地下水が構造物の内部に漏
水するのを防止するために、構造物を覆って遮水シート
が敷設される場合がある。そして、これらの遮水シート
は、広大な面積を有する廃棄物最終処分場や貯水池など
の貯水施設の底面や構造物の周囲を一枚の遮水シートに
よって一度に覆うことは施工上困難なため、複数の遮水
シートを用いて現場で接合一体化することにより、廃棄
物最終処分場や貯水施設、地下構造物の周囲全域を覆う
という工事が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところがこのような遮
水シートでは、特に廃棄物最終処分場の場合、上から廃
棄物が投棄されて遮水シートには大きな荷重がかかるこ
とになるため、下地の突起物や廃棄物に含まれる鋭利物
によって遮水シートが破れてしまわないように遮水シー
トと下地との間と、遮水シートの表面側に不職布などか
らなる保護材を積層している。遮水シートの表面側には
保護材の上からさらに覆土をかぶせることが多い。一旦
遮水シートが破損して漏水してしまうと、遮水シートと
下地との間には保護材となる不織布などの繊維材料が介
在し、空気が介在しているために、遮水シートと下地と
の間に漏れた水が広く拡散してしまい、漏水による被害
が拡大することになる。
【0005】そこで本発明は、遮水シートが破損して漏
水が発生しても、水が不織布等の保護層内部やシート同
士の界面をつたって拡散することがなく、破損による被
害が拡大しにくい遮水構造の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では以上のような
目的を達成するために、廃棄物最終処分場や貯水池など
の下地に施工する少なくとも複数の層を敷設する遮水構
造において、下地上に直接敷設する第1層が通水性のな
い層であると共に第1層と下地との間、および前記第1
層と前記第1層の上に積層する第2層との間の少なくと
もいずれか一方は、実質的に空気の介在しない密着状態
になっていることを特徴とする。このような遮水構造を
採ることによって、不慮の事故などによって遮水シート
が損傷して漏水が発生したとしても、遮水シートと下地
との間、および遮水シートとその上に積層したシートと
の間の隙間を伝わって水が拡散することがなく、被害を
最小に食い止めることができる。
【0007】請求項2では、第1層が遮水シートである
としている。本発明では第1層や第2層よりも更に上に
積層するシートを、遮水シートとする形態をも含むもの
であるが、それと合わせて第1層に遮水シートとしての
機能を持たせることによって、遮水機能がより万全なも
のとなり、漏水を少なくすることができるものである。
【0008】請求項3では、第1層の遮水シートがアス
ファルト系シートからなっている遮水構造である。基礎
地盤などの下地に予測以上の不同沈下が発生すると、例
えばアスファルト・コンクリートなどを用いていたとし
ても耐えきれずにクラックが発生してしまう可能性があ
る。しかし、改質アスファルトなどのアスファルト系シ
ートを用いることによって、下地の不陸やクラックの発
生に追従でき、また第1層の上に積層したシートに対し
て沿いやすく、より密着しやすくなるために、水の拡散
を防止する効果が高い。
【0009】請求項4では、第1層に補強繊維材が埋設
された遮水構造としている。本発明では、第1層と下地
との間にはなにも介在させることなく密着させる必要が
あるので、通常のような保護材を配置することができな
いが、遮水シート中に不織布などの補強繊維材を埋設す
ることによって、耐衝撃性を増すことができる。請求項
5では、第1層上に熱可塑性ポリウレタン製遮水シート
からなる第2層を密着積層している遮水構造である。第
2層を熱可塑性ウレタンからなる遮水シートとすること
によって、柔軟で高強度を有し、且つアスファルトとの
なじみがよく密着性も高くなるという点で有利である。
【0010】請求項6では、第1層上に熱可塑性樹脂フ
ィルムからなる第2層を密着積層し、更にその上に第3
層として遮水シートを密着積層した遮水構造としてい
る。改質アスファルトなどのアスファルト系シートが遮
水シートと直接接触している場合に、遮水シートが膨潤
してしまうということがあるが、熱可塑性樹脂フィルム
からなる第2層を介在させることによってそのような膨
潤の問題を解消することができる。しかも熱可塑性樹脂
フィルムである第2層は第1層と密着積層しているの
で、水の拡散も防止することができる。
【0011】請求項7では第2層の上に積層する遮水シ
ートとして熱可塑性ポリウレタン製遮水シートを用いて
おり、遮水シートの膨潤の問題を解消することができる
とともに熱可塑性ポリウレタンの柔軟性によって熱可塑
性樹脂フィルムとの密着性も高いものが得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一例を実施した遮
水構造の断面図である。本発明の遮水構造は、下地1の
上に第1層2、その上に第2層3が積層されており、第
1層2は不織布からなる補強材4を埋設した改質アスフ
ァルトなどのアスファルト系シートからなる遮水シート
で、第2層3は熱可塑性ポリウレタンからなる遮水シー
トである。さらに第2層3の上には不織布からなる保護
材5を積層しており、その上は覆土6にて覆われてい
る。
【0013】アスファルト系シートからなる第1層2と
下地1とは密着しており、第1層2と熱可塑性ポリウレ
タンからなる第2層3との間も密着している。このよう
に接触しているもの同士が密着していることによって、
仮に第1層2と第2層3を貫通するような孔が開き、漏
水が発生したとしても、第1層2と下地1の間や第1層
2と第2層3の間を水が伝わって拡散してしまうことが
なく、漏水の被害が拡大することを防止することができ
る。
【0014】ここでいう密着とは、両者が隙間なく中間
に実質的に空気を介在させることなしに接触している状
態のことをいい、密着させる方法としては、単に積層し
た状態で上から覆土などの積載荷重により圧密着するも
ので十分可能であるが、接着剤や粘着剤を用いて接着す
る方法や、シート自身の粘着性を利用して密着させる方
法を用いることもできる。ここで説明した例では、第1
層2としてアスファルトからなる遮水シートを用いてい
るので粘着性を有すると共に柔軟性に富んでおり、下地
の不陸にも沿いやすく、より密着の程度の高いものを得
ることができる。また、下地1としては透水係数が10
nm/s以下の粘土などからなる層でできたものや、透
水係数が1nm/s以下のアスファルト・コンクリート
からなる下地であることが好ましい。しかし、通常の下
地であっても効果を期待することはできる。
【0015】図2に示すのは本発明の遮水構造の異なる
例を示す断面図である。この例では、下地1の上にアス
ファルトからなる第1層2を敷設し、続いて第2層3と
してポリエステルからなるフィルムを用いており、さら
にその上に第3層7として熱可塑性ポリウレタンからな
る遮水シートを積層している。この例ではアスファルト
と熱可塑性ポリウレタンの間に熱可塑性樹脂からなるフ
ィルムを介在している。ポリエステルからなる第2層3
と熱可塑性ウレタンからなる第3層7との間は、載荷重
によって圧密着することができ、第2層3と第1層2と
の間は、載荷重による圧着とアスファルトの粘着性で密
着しており、第1層2と下地1との間も同様にアスファ
ルトの柔軟性と粘着性によって密着した状態となって中
間に実質的に空気の介在しない状態である。
【0016】また、第1層2であるアスファルトからな
るシートには、不織布などからなる補強材4を埋設して
おり、耐衝撃性に優れた仕様となっている。そのため、
下地1上に岩などの鋭利物があったとしても第2層3で
ある遮水シートを保護する役目を果たすことができる。
【0017】第1層2は前述の例ではアスファルトを用
いているが、柔軟性を有する素材であれば他のものでも
よく、ウレタン、独立発泡ポリエチレン、独立発泡ポリ
プロピレン等を用いることができる。ただし、密着性を
上げるために柔軟性に加えて粘着性を有することが好ま
しく、アスファルトや改質アスファルト、中でも耐候性
に優れていることから改質アスファルトを用いることが
好ましいといえる。また、基本的には下地1との間と第
2層3との間の密着性を保つことができれば、本発明の
目的を達成することができるので部分的に孔開きとなっ
たシートでも使用可能であるが、第1層2自身に遮水機
能のあるシートを用いることによって、遮水性をより高
めることができることから、遮水シートを用いることが
好ましい。
【0018】更に、本発明では下地1と第2層3との間
に空気を介在させないために第1層2が通水性のない層
でなければならず、従来下地1に存在する突起物などか
ら遮水シートを守るための保護材として使用されている
不織布などを第1層として下地との間に介在することが
できない。そのために第1層2の内部に前記の不織布な
ど繊維からなる補強材4を埋設したものを用いることが
でき、最も好ましい形態は、補強材4を埋設した改質ア
スファルトからなる遮水シートを用いることである。
【0019】第1層2として用いられるアスファルト系
シートとは、厚さが2〜10mm程度のものであり、ブ
タジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレン・プ
ロピレン・ゴム、ブチルゴム等のゴム類に、50%以上
のブロンアスファルト、ストレートアスファルトなどの
瀝青物を混入した混和物で、必要によりこの混和物に熱
可塑性樹脂、例えばスチレンブタジエンブロック共重合
体、スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体、ポ
リエチレン、プロプロピレン、ポリブタジエンなどを添
加して強化したものである。また、瀝青物の添加量を意
図的に多くすることによって粘着性を増大させることが
でき、本発明の用途において、下地1や第2層3との密
着性を考慮すると、重量比でゴムに対して瀝青物を50
〜150倍の範囲で混入することが好ましい。50倍未
満であると、粘着性が低下して密着の度合いが低くな
り、50倍を超えると伸びが低下し、耐候性も低下して
しまうことから好ましくない。
【0020】第2層3として遮水シートを用いる場合
は、熱可塑性ポリウレタン、EPDM(エチレンプロピ
レンゴム)、HDPE(高密度ポリエチレン)、LDP
E(低密度ポリエチレン、PP(ポリプロピレン)、T
PO(サーモプラスチックオレフィン)、ポリ塩化ビニ
ル(PVC)、エチレンビニルアセテート(EVA)等
が用いられる。そして厚みは0.8〜3.0mmの範囲
で用いられ、0.8mm未満であると強度不足で遮水シ
ート破損が起こりやすくなり、3.0mmを超えると接
合部の段差が大きくなるので水密上、好ましくない。
【0021】また、第2層3として図2に示す例のよう
にフィルムを用いる場合は、ポリエステル、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンなどのフィルムを用いることがで
き、その厚みとしては、10〜200μmの範囲のもの
が好適である。10μm未満であると施工中に傷ついて
孔が開いてしまいやすく、200μmを超えると剛性が
高すぎてカールしてしまった場合、第1層2に沿いにく
くなり密着性が損なわれることや、第1層2と粘接着し
ているような場合は第1層2の下地1への密着性を損な
うことがあるので好ましくない。
【0022】第1層2にアスファルト系シート用い、遮
水シートとして熱可塑性ポリウレタンを用いる場合は、
それらの間にポリエステルなどの熱可塑性樹脂からなる
フィルムを第2層3として用い、介在させることによっ
て、アスファルト成分がウレタンに浸透してウレタンを
膨潤させるのを防止することができる。この場合熱可塑
性ポリウレタンからなる遮水シートは第3層7というこ
とになる。
【0023】上記第3層7の素材として用いることので
きる熱可塑性ポリウレタンとは、少なくとも1分子中に
2個以上の活性水素を有するポリエステルポリオールや
ポリエーテルポリエーテルからなるポリオールと、ポリ
イソシアネートから得られる直鎖状のもので、平均分子
量10〜20万のものが上挙げられる。例えば、長鎖ジ
ポリオール、短鎖ジポリオール、そしてジイソシアネー
トから得られる直鎖状の熱可塑性ウレタンがあり、この
場合には、長鎖ジポリオールはエラストマーのソフトセ
グメントになり、ジイソシアネートと短鎖ジポリオール
はハードセグメントを形成する。
【0024】ポリオールは、エチレンングリコール、プ
ロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、
1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサングリコ
ール、トリメチロールプロパン等のグリコール類、グリ
セリン等のトリオール類等の短鎖ポリオール類、またポ
リ(オキシプロピレン)ポリオール、ポリ(オキシエチ
レン)ポリオール、ポリ(オキシエチレンプロピレン)
ポリオール、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコー
ル、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等のポリエ
ーテルポリオール、またポリ(3−メチルペンタンアジ
ペート)ジオール、ポリ(プロピレンアジペート)ジオ
ール、ポリ(ブチレンアジペート)ジオール、ポリ(ヘ
キサンアジペート)ジオール等のポリエステルポリオー
ル、あるいはポリブタジエンポリオール等の長鎖ポリオ
ールなどが挙げられる。これらの一種または二種以上の
混合物として用いられる。
【0025】また、ポリイソシアネートは、例えばトリ
レンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−
ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイ
ソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネー
ト、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイ
ソシアネート、公知の方法で液状化した液状ジフェニル
メタンジイソシアネート(液状MDI)、トリレンジイ
ソシアネートの粗製物(クルードTDI)、キシレンジ
イソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネー
ト等が挙げられる。これらは一種または二種以上混合し
て使用することができる。
【0026】本発明で使用する熱可塑性ポリウレタン
は、ポリエステルタイプでもポリエーテルタイプでも使
用することができるが、耐加水分解性が大きく、低温で
も柔軟性が大きい、そして微生物分解の耐性が大きいポ
リエーテルタイプが遮水シートとして好ましい。そし
て、上記熱可塑性ポリウレタンは、廃棄物最終処分場に
用いる遮水シートにするために必要に応じて紫外線吸収
剤、酸化防止剤、カーボンブラックを添加することが可
能である。
【0027】上記熱可塑性ポリウレタンに添加される紫
外線吸収剤としては、2,2’−4,4’−テトラヒド
ロキシベンゾフェノン、2,2’−ヒドロキシ−4−メ
トキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系有機化合
物、2−〔2’−ヒドロキシ−5’−メチル−3’−
(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロ−フタルイミ
ジルメチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェ
ニル)−ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール
系有機化合物、2−シアノ−3,3’−ジフェニルアク
リルなどのシアノアクリレート系有機化合物、〔2,
2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)〕−
2−エチルヘキシルアミン−ニッケルなどの金属錯塩等
が挙げられる。
【0028】上記紫外線吸収剤の添加量は、0.1〜
1.0重量%が好ましく、0.1重量%未満の場合には
紫外線の吸収が不充分であり、一方1.0重量%を越え
ると、遮水シート表面のブルーム等によって接着時にお
ける熱融着性が阻害される。また、補強剤としてカーボ
ンブラックが2〜10重量%が好ましい。他に、酸化防
止剤が添加される。
【0029】シートの製造は、熱可塑性ポリウレタンの
組成物を単軸押出機、2軸押出機、3本カレンダーロー
ル等を用いてシート成形することができる。また、第2
層の素材として用いるEPDMにも、必要に応じて酸化
防止剤、可塑剤、カーボンブラック、充填剤などの添加
剤を加えるものである。その添加量は、従来から遮水シ
ートや防水シートとして用いられているEPDMシート
と同様である。第1層2中に埋設する補強材4として
は、耐衝撃性を向上させることができるものであり、例
えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、
反毛フェルトなどからなる不織布、織布などを用いるこ
とができる。
【0030】本発明の要部ではないが、本発明の遮水構
造の上に積層することができる保護材5としては、クッ
ション性を有するものを用いることができ、補強材と同
様な不織布や織布などや発泡材からなるシート、ウレタ
ン塗膜剤などが挙げられる。また、その上からは通常用
いられるような土を覆土6としてかぶせることになる。
【0031】次に、実施例と比較例を挙げて試験を行
い、本発明の効果を確かめた。
【実施例】(実施例1)下地の代用として樹脂製の板を
用い、その上に第1層として改質アスファルト内に目付
量が200gの不織布を埋設した総厚みが4mmの改質
アスファルト製遮水シートを密着するように重ねて、次
いで第2層として熱可塑性ポリウレタンからなる1.5
mm厚みの遮水シートを第1層と密着するように積層
し、更に上から樹脂製の板を重ねたものを用いた。
【0032】(実施例2)第1層として、改質アスファ
ルトからなる遮水シート内に不織布を埋設していない2
mmの遮水シートを用いた以外は実施例1と同じにし
た。
【0033】(実施例3)第2層として厚みが20μm
のポリエステルからなるフィルムを用いており、この第
2層は第1層である改質アスファルト製遮水シートと粘
接着した状態になっている。また第3層として熱可塑性
ポリウレタンからなる1.5mm厚みの遮水シートを前
記第2層であるポリエステルフィルムの上に積層した以
外は実施例1と同じにした。
【0034】(実施例4)第2層として、EPDMから
なる1.5mm厚みのシートを用いた以外は実施例1と
同じにした。
【0035】(実施例5)第2層として厚みが20μm
のポリエステルからなるフィルムを用いており、この第
2層は第1層である改質アスファルト製遮水シートと粘
接着した状態になっている。また第3層としてEPDM
からなる1.5mm厚みの遮水シートを前記第2層であ
るポリエステルフィルムの上に積層した以外は実施例1
と同じにした。
【0036】(比較例1)第1層との間に10mm厚み
の不織布を保護材として介在させた以外は実施例1と同
じにした。
【0037】以上の実施例および比較例の遮水構造に
て、図3に示すような試験装置を用いて漏水が発生した
ときの、水の拡散の有無を調べた。試験装置は円筒状の
上筒10と同様に円筒状の下筒11を有し、上下筒1
0、11には鍔10aと鍔11aを備えており、鍔10
a、11a同士の間に実施例および比較例の試料12を
挟みこんでボルト13で締めた。次いで筒内において5
mm径の孔14を開けて上筒10内に水15を入れ、試
料の側面12aからの水滴の発生を目視で確認した。そ
の結果を表1に示す。
【0038】次に第2層として熱可塑性ポリウレタンや
EPDMなどの遮水シートを用いたものと、熱可塑性樹
脂からなるフィルムを用いて第3層に遮水シートを積層
し、アスファルトからの遮水シートへの影響を遮断した
ものとを比較する試験を行った。遮水シート上に標線
(標線間距離を300mmとした)を記した試料を80
℃のオーブン中に7日間存置後、標線間距離を測定し伸
縮率を算出した。試料としては、実施例1〜5について
のみ行った。その結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】以上のように通水性を有する不織布を配置
した比較例1、2では、不織布が配置されているために
密着できず、空隙となっている箇所において、漏れた水
が拡散しており、漏水の被害が防水シートの破損箇所の
みならず他へも拡大している。それに対して、実施例で
はどれも水の拡散は見られなかった。また、実施例の中
でもアスファルト系シートと熱可塑性ポリウレタンやE
PDMからなる遮水シートとの間に熱可塑性樹脂からな
るフィルムを介在したものは遮水シートの膨潤が防止さ
れていることが確認される。
【0041】
【発明の効果】以上のように本発明では、廃棄物最終処
分場や貯水池などの下地に施工する少なくとも複数の層
を敷設する遮水構造において、下地上に直接敷設する通
水性のない第1層と下地の間、および前記第1層と前記
第1層の上に積層する第2層との間の少なくとも一方
は、実質的に空気の介在しない密着状態になって、不慮
の事故などによって遮水シートが損傷して漏水が発生し
たとしても、第1層は通水性がないのでその内部をつた
って水が拡散したり、シートと下地の間やシート同士の
間の隙間を伝わって水が拡散することがなく、被害を最
小に食い止めることができる。
【0042】請求項2では、第1層が遮水シートである
としており、遮水機能がより万全なものとなり、漏水を
少なくすることができるものである。請求項3では、第
1層がアスファルト系シートからなっており、下地の不
陸やクラックの発生に追従でき、また第1層の上に積層
したシートに対して沿いやすく、より密着しやすくなる
ために、水の拡散を防止する効果が高い。
【0043】請求項4では、第1層に補強繊維材が埋設
されてなるものであり、下地からの衝撃に対する耐衝撃
性を増すことができる。請求項5では、第1層上に熱可
塑性ポリウレタン製遮水シートからなる第2層を密着積
層しており、柔軟で高強度を有し、且つアスファルトと
のなじみがよく密着性も高くなるという点で有利であ
る。
【0044】請求項6では、第1層上には熱可塑性樹脂
フィルムからなる第2層を密着積層しており、更にその
上に第3層として遮水シートを密着積層した遮水構造と
していることから、第3層である遮水シートの膨順の問
題を解消することができる。しかも熱可塑性樹脂フィル
ムである第2層は第1層と密着積層しているので、水の
拡散も防止することができる。請求項7では第2層の上
に積層する遮水シートとして熱可塑性ポリウレタン製遮
水シートを用いており、遮水シートの膨潤の問題を解消
することができるとともに熱可塑性ポリウレタンの柔軟
性によって熱可塑性樹脂フィルムとの密着性も高いもの
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遮水構造の例を示す断面図である。
【図2】本発明の別の例を示す断面図である。
【図3】水拡散の試験装置の部分切欠き斜視図である。
【符号の説明】
1 下地 2 第1層 3 第2層 4 補強材 5 保護材 6 覆土 7 第3層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若林 秀樹 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内 (72)発明者 上ノ山 悦治 兵庫県神戸市長田区浜添通4丁目1番21号 三ツ星ベルト株式会社内 (72)発明者 下村 徹 兵庫県神戸市長田区浜添通4丁目1番21号 三ツ星ベルト株式会社内 Fターム(参考) 2D018 DA03 4D004 AA46 BB04 BB05 4F100 AK01 AK51C AK51D AM00A AT00B AT00C BA03 BA04 BA10B BA10C BA10D DG01A DG15 DH00A EC14A GB07 JB16C JB16D JD05A JD05C JD05D JK01 JK06 JK10 JK13 JK17 JL11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】廃棄物処分場や貯水池などの下地に施工す
    る複数層のシートを積層敷設する遮水構造において、下
    地上に直接敷設する通水性のない第1層と下地との間
    と、第1層と前記第1層上に積層する第2層との間の少
    なくともいずれか一方は、実質的に空気の介在しない密
    着状態になっていることを特徴とする遮水構造。
  2. 【請求項2】第1層が遮水シートである請求項1記載の
    遮水構造。
  3. 【請求項3】第1層がアスファルト系シートからなって
    いる請求項1または2記載の遮水構造。
  4. 【請求項4】第1層中に補強繊維材が埋設されてなる請
    求項1〜3のいずれかの項に記載の遮水構造。
  5. 【請求項5】第1層上に熱可塑性ポリウレタン製遮水シ
    ートからなる第2層を密着積層している請求項1〜4の
    いずれかの項に記載の遮水構造。
  6. 【請求項6】第1層上に熱可塑性樹脂フィルムからなる
    第2層を密着積層しており、更にその上に第3層として
    遮水シートを密着積層した請求項1〜5のいずれかの項
    に記載の遮水構造。
  7. 【請求項7】第3層が熱可塑性ポリウレタン製遮水シー
    トである請求項6記載の遮水構造。
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