JP2021059112A - 印刷層付フィルム積層体、該印刷層付フィルム積層体を含む光学積層体、およびこれらを用いた画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
1つの実施形態においては、上記保護フィルムの厚みは、上記基材フィルムおよび上記ハードコート層の合計厚みよりも大きい、
1つの実施形態においては、上記基材フィルムの厚みは40μm〜100μmである。
1つの実施形態においては、上記ハードコート層の厚みは3μm〜20μmである。
1つの実施形態においては、上記保護フィルムはポリエチレンテレフタレートを含む。
1つの実施形態においては、上記保護フィルムの厚みは30μm〜140μmである。
1つの実施形態においては、上記印刷層付フィルム積層体は、画像表示装置のウィンドウフィルムである。
本発明の別の局面によれば、光学積層体が提供される。この光学積層体は、上記の印刷層付フィルム積層体と、該印刷層付フィルム積層体における上記基材フィルムの上記ハードコート層と反対側に配置された光学フィルムと、を有する。
本発明のさらに別の局面によれば、画像表示装置が提供される。この画像表示装置は、上記の印刷層付フィルム積層体または上記の光学積層体を含む。
1つの実施形態においては、上記画像表示装置は、屈曲可能および/または折り畳み可能な有機エレクトロルミネセンス表示装置である。
A−1.印刷層付フィルム積層体の全体構成
図1は、本発明の1つの実施形態による印刷層付フィルム積層体の概略断面図である。図示例の印刷層付フィルム積層体100は、基材フィルム10と、基材フィルム10の一方の面に形成されたハードコート層20と、基材フィルム10の他方の面に形成された印刷層30と、ハードコート層20の表面に積層された保護フィルム40と、を有する。保護フィルム40は、ベースフィルム(樹脂フィルム)と粘着剤層とを含む。保護フィルム40は、当該粘着剤層を介してハードコート層20の表面に剥離可能に積層されている。必要に応じて、基材フィルム10と印刷層30との間には、色相調整層(図示せず)が設けられていてもよい。実用的には、印刷層30および基材フィルム10表面に、別の保護フィルム(工程保護フィルムと称される場合がある、図示せず)が剥離可能に仮着されていてもよい。
環境条件:25℃、55%RH
試験速度:60rpm
基材フィルム10は、任意の適切な材料で構成され得る。構成材料の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂、アセテート系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。好ましくは、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂である。耐久性および機械的強度に優れるからである。さらに好ましくは、ポリイミド系樹脂である。
ハードコート層20は、代表的には、活性エネルギー線硬化型(メタ)アクリレートの硬化層である。活性エネルギー線硬化型(メタ)アクリレートとしては、例えば、紫外線硬化型(メタ)アクリレート、電子線硬化型(メタ)アクリレートが挙げられる。好ましくは、紫外線硬化型(メタ)アクリレートである。簡単な加工操作にて効率よくハードコート層を形成することができるからである。紫外線硬化型(メタ)アクリレートは、紫外線硬化型のモノマー、オリゴマー、ポリマー等を含む。紫外線硬化型(メタ)アクリレートは、紫外線重合官能基を好ましくは2個以上、より好ましくは3〜6個有するモノマー成分およびオリゴマー成分を含む。代表的には、紫外線硬化型(メタ)アクリレートには、光重合開始剤が配合されている。硬化方式は、ラジカル重合方式であってもよく、カチオン重合方式であってもよい。1つの実施形態においては、(メタ)アクリレートにシリカ粒子やポリシルセスキオキサン化合物などを配合した有機無機ハイブリッド材料を用いてもよい。ハードコート層の構成材料および形成方法は、例えば特開2011−237789号公報に記載されている。当該公報の記載は、本明細書に参考として援用される。なお、本明細書において(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタクリレートを意味する。
印刷層は、用途および所望のデザインに応じて印刷により着色されている着色層である。印刷層の色としては、例えば、黒色、褐色、白色、紺色、赤色、金色、銀色が挙げられる。印刷層は、所定のデザインが施された意匠層であってもよく、ベタの着色層であってもよい。印刷層は、好ましくはベタの着色層であり、より好ましくは黒色の着色層である。印刷層を黒色の着色層とすることにより、非表示領域において配線、端子、バックライト、その他の部品を隠蔽することができる。すなわち、印刷層は隠蔽層として機能し得る。印刷層は、目的に応じた任意の適切なパターンで形成され得る。1つの実施形態においては、印刷層は、ベゼルに対応する位置に形成され得る。このような構成であれば、ベゼルを用いずに非表示領域を隠蔽することができるので、ベゼルを用いない画像表示装置を実現することができる。その結果、最表面に段差のない、きわめて優れた外観を有する画像表示装置を提供することができる。
保護フィルム40は、上記のとおり、第1の方向(代表的には、搬送方向)の熱収縮率および第2の方向(代表的には、幅方向)の熱収縮率のうち大きいほうの熱収縮率(代表的には、搬送方向の熱収縮率)が0.1%以下であり、好ましくは0.08%以下であり、より好ましくは0.06%以下であり、さらに好ましくは0.05%以下である。保護フィルムにおけるこのような熱収縮率に関する特性は、ガラス転移温度を低くすること、または、線膨張係数を高くすることにより実現され得る。
印刷層付フィルム積層体の製造方法は、代表的には、基材フィルムの一方の面にハードコート層を形成すること;該基材フィルムの他方の面に印刷層を形成すること;該ハードコート層の表面に保護フィルムを積層すること;該保護フィルムを積層した状態で該印刷層を加熱乾燥すること;を含む。当該製造方法の代表的な実施形態について、以下に説明する。
印刷層付フィルム積層体は、光学フィルムが積層されて光学積層体を構成し得る。したがって、本発明の実施形態は、光学積層体も包含する。図2は、本発明の1つの実施形態による光学積層体の概略断面図である。図示例の光学積層体200は、印刷層付フィルム積層体100と光学フィルム120とを有する。光学フィルム120は、印刷層付フィルム積層体100における基材フィルム10のハードコート層20と反対側に配置されている。光学フィルム120は、代表的には、接着層140を介して印刷層付フィルム積層体100に積層されている。接着層は、目的に応じた任意の適切な粘着剤または接着剤で構成されている。
上記A項に記載の印刷層付フィルム積層体および上記B項に記載の光学積層体は、画像表示装置に適用され得る。したがって、本発明の実施形態は、そのような印刷層付フィルム積層体または光学積層体を用いた画像表示装置を包含する。画像表示装置の代表例としては、液晶表示装置、エレクトロルミネセンス(EL)表示装置(例えば、有機EL表示装置、無機EL表示装置)が挙げられる。画像表示装置は、代表的には、画像表示セルの視認側に印刷層付フィルム積層体または光学積層体を備える。画像表示装置は、好ましくは有機EL表示装置である。1つの実施形態においては、画像表示装置は、湾曲した形状(実質的には、湾曲した表示画面)を有し、および/または、屈曲もしくは折り曲げ可能である。より好ましくは、画像表示装置は折り畳み可能である。
(1)厚み
ミツトヨ製マイクロゲージ式厚み計にて測定した。基材フィルム/ハードコート層の積層体の厚みを測定し、基材フィルムの厚みを差し引くことでハードコート層の厚みを算出した。
(2)保護フィルムの熱収縮率
実施例および比較例で用いた保護フィルムを長尺方向100mmおよび幅方向100mmのサイズに切り出して試験サンプルとした。この試験サンプルの初期の寸法を、ミツトヨ社製画像測定機「QVA606−PRO_AE10」を用いて測定した。次いで、試験サンプルを70℃で60分間加熱した後、再度寸法を測定した。以下の式から熱収縮率を算出した。なお、寸法測定は、長尺方向に対応する方向の寸法について行った。
熱収縮率(%)={(初期寸法−加熱後寸法)/(初期寸法)}×100
(3)反り量
実施例および比較例で得られた印刷層付フィルム積層体(実質的には、印刷層)を70℃で60分間乾燥した。乾燥後、印刷層付フィルム積層体を平面上に静置し、4つの隅部の平面からの高さを測定し、高さが一番大きい隅部の高さを反り量とした。
(4)鉛筆硬度
実施例および比較例において形成されたハードコート層表面について、JIS K 5600−5−4の鉛筆硬度試験に準じて(但し、荷重750g)、鉛筆硬度を測定した。
1.ハードコート層形成用塗布液の調製
ベース樹脂としての紫外線硬化型多官能アクリレート(アイカ工業社製、製品名「Z−850−16」)100質量部、レベリング剤(DIC社製、商品名:GRANDIC PC−4100)5質量部、および光重合開始剤(チバ・ジャパン社製、商品名:イルガキュア907)3質量部を混合し、固形分濃度が50質量%となるようにメチルイソブチルケトンで希釈して、ハードコート層形成用塗布液を調製した。
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに、ブチルアクリレート(BA)90重量部、アクリル酸(AA)10重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、酢酸エチル234重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を63℃付近に保って約7時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー(A)溶液(30重量%)を調製した。アクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量は60万であり、Tgは−50℃であった。アクリル系ポリマー(A)溶液(30重量%)を酢酸エチルで20重量%に希釈し、この溶液のアクリル系ポリマー100重量部(固形分)に対して、架橋剤としてエポキシ系架橋剤(三菱ガス化学(株)製、TETRAD−C)11重量部を加えて、25℃付近に保って約1分間混合撹拌を行い、アクリル系粘着剤組成物を調製した。
上記アクリル系粘着剤組成物を、ポリエチレンテレフタレート(PET)基材(厚み110μm)の片面に塗布し、140℃で60秒間加熱して、厚さ20μmの粘着剤層を形成することで保護フィルム(厚み130μm)を作製した。得られた保護フィルムの熱収縮率は0.04%であった。
基材フィルムとして透明ポリイミドフィルム(KOLON社製、製品名「CPITMC_80」、厚み80μm)を用いた。この基材フィルムをロール搬送しながら、その片面に上記ハードコート層形成用塗布液を塗布して塗布層を形成し、塗布層を透明ポリイミドフィルムとともに90℃で2分間加熱した。次いで、塗布層に高圧水銀ランプを用いて紫外線を積算光量300mJ/cm2で照射することによりハードコート層を形成した。形成されたハードコート層の厚みは10μmであった。次いで、基材フィルム/ハードコート層の積層体のハードコート層表面に、上記2.で得られた保護フィルムをロールトゥロールにより積層してフィルム積層体を作製した。得られたフィルム積層体を長尺方向100mmおよび幅方向100mmのサイズに切り出し、その周縁部に黒色インクをグラビア印刷により印刷し、平坦な印刷層(黒色の着色層)を形成した。印刷層の幅は12mm、厚みは10μmであった。このようにして、印刷層付フィルム積層体を作製した。なお、黒色インクの処方は以下のとおりであった:バインダー樹脂(アクリル系樹脂:共栄社化学社製、商品名:ライトアクリレートPE−3A)100部、カーボンブラック100部、粘度調整のための溶媒(メチルエチルケトン:MEK)200部。これらの混合物を、超音波による高分散化処理に供し、拡散性向上を図った。
基材フィルムを別の透明ポリイミドフィルム(KOLON社製、製品名「CPITMC_50」、厚み50μm)に変更したこと以外は実施例1と同様にして印刷層付フィルム積層体を得た。得られた印刷層付フィルム積層体を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
ハードコート層の厚みを3μmとしたこと以外は実施例1と同様にして印刷層付フィルム積層体を得た。得られた印刷層付フィルム積層体を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
ハードコート層の厚みを8μmとしたこと以外は実施例1と同様にして印刷層付フィルム積層体を得た。得られた印刷層付フィルム積層体を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
ハードコート層の厚みを13μmとしたこと以外は実施例1と同様にして印刷層付フィルム積層体を得た。得られた印刷層付フィルム積層体を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
ハードコート層の厚みを20μmとしたこと以外は実施例1と同様にして印刷層付フィルム積層体を得た。得られた印刷層付フィルム積層体を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
保護フィルムを別のポリエチレンテレフタレートフィルム(日東電工社製、製品名「IP300F」、厚み38μm、熱収縮率0.07%)に変更したこと以外は実施例1と同様にして印刷層付フィルム積層体を得た。得られた印刷層付フィルム積層体を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
保護フィルムをポリエチレンフィルム(東レフィルム加工社製、製品名「トレテック7832C」、厚み30μm、熱収縮率0.87%)に変更したこと以外は実施例1と同様にして印刷層付フィルム積層体を得た。得られた印刷層付フィルム積層体を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
保護フィルムをポリエチレンフィルム(東レフィルム加工社製、製品名「トレテック7832C」、厚み30μm、熱収縮率0.87%)に変更したこと以外は実施例2と同様にして印刷層付フィルム積層体を得た。得られた印刷層付フィルム積層体を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
保護フィルムを積層しなかったこと以外は実施例1と同様にして印刷層付フィルム積層体を得た。得られた印刷層付フィルム積層体を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
表1から明らかなように、本発明の実施例の印刷層付フィルム積層体は、高い鉛筆硬度を維持しつつ、反り量(カール)が顕著に抑制されている。
20 ハードコート層
30 印刷層
40 保護フィルム
100 印刷層付フィルム積層体
120 光学フィルム
200 光学積層体
Claims (10)
- 基材フィルムと、該基材フィルムの一方の面に形成されたハードコート層と、該基材フィルムの他方の面に形成された印刷層と、該ハードコート層の表面に剥離可能に積層された保護フィルムと、を有する、印刷層付フィルム積層体であって、
該保護フィルムの第1の方向の熱収縮率および該第1の方向に直交する第2の方向の熱収縮率のうち大きいほうの熱収縮率が0.1%以下であり、
該印刷層付フィルム積層体を70℃の環境下に60分置いた後の反り量が19mm以下である、
印刷層付フィルム積層体。 - 前記保護フィルムの厚みが、前記基材フィルムおよび前記ハードコート層の合計厚みよりも大きい、請求項1に記載の印刷層付フィルム積層体。
- 前記基材フィルムの厚みが40μm〜100μmである、請求項1または2に記載の印刷層付フィルム積層体。
- 前記ハードコート層の厚みが3μm〜20μmである、請求項1から3のいずれかに記載の印刷層付フィルム積層体。
- 前記保護フィルムがポリエチレンテレフタレートを含む、請求項1から4のいずれかに記載の印刷層付フィルム積層体。
- 前記保護フィルムの厚みが30μm〜140μmである、請求項1から5のいずれかに記載の印刷層付フィルム積層体。
- 画像表示装置のウィンドウフィルムである、請求項1から6のいずれかに記載の印刷層付フィルム積層体。
- 請求項1から7のいずれかに記載の印刷層付フィルム積層体と、該印刷層付フィルム積層体における前記基材フィルムの前記ハードコート層と反対側に配置された光学フィルムと、を有する、光学積層体。
- 請求項1から7のいずれかに記載の印刷層付フィルム積層体または請求項8に記載の光学積層体を含む、画像表示装置。
- 屈曲可能および/または折り畳み可能な有機エレクトロルミネセンス表示装置である、請求項9に記載の画像表示装置。
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